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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158962
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】プロジェクター
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20241031BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20241031BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20241031BHJP
   H04R 1/40 20060101ALI20241031BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20241031BHJP
   H04R 1/28 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
G03B21/14 Z
G03B21/00 D
H04N5/74 Z
H04R1/40 310
H04R1/02 102Z
H04R1/28 310E
H04R1/28 310Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074635
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】大月 伸行
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5D017
5D018
【Fターム(参考)】
2K203FA22
2K203FA34
2K203FA44
2K203FB03
2K203GC20
2K203HB25
2K203KA01
2K203KA04
2K203KA25
2K203KA62
2K203KA73
2K203MA21
2K203MA40
5C058BA35
5C058EA54
5D017AE22
5D018AD04
5D018AD17
5D018AF23
(57)【要約】
【課題】高音質による画像視聴を広い範囲で可能とする、プロジェクターを提供する。
【解決手段】本発明のプロジェクターは、被投射面に面する第1壁部および第1壁部と反対側を向く第2壁部と、第1軸に直交する第2軸に沿う方向において互いに反対側を向く第3壁部および第4壁部と、第1軸および第2軸に直交する第3軸に沿う方向において互いに反対側を向く第5壁部および第6壁部と、を有する外装筐体と、外装筐体の内部において第1角部に配置された第1スピーカーと、外装筐体の内部において第2角部に配置された第2スピーカーと、を備え、第1スピーカーにおいて音波を出力する第1出力面は、第2壁部を基準として、第3壁部側に45度より大きく90度より小さい角度範囲で傾斜し、第2スピーカーにおいて音波を出力する第2出力面は、第2壁部を基準として、第4壁部側に45度より大きく90度より小さい角度範囲で傾斜する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を投射する被投射面に面する第1壁部および第1軸に沿う方向において前記第1壁部と反対側を向く第2壁部と、前記第1軸に直交する第2軸に沿う方向において互いに反対側を向く第3壁部および第4壁部と、前記第1軸および前記第2軸に直交する第3軸に沿う方向において互いに反対側を向く第5壁部および第6壁部と、を有する外装筐体と、
前記外装筐体の内部において前記第2壁部および前記第3壁部でなす第1角部に配置された第1スピーカーと、
前記外装筐体の内部において前記第2壁部および前記第4壁部でなす第2角部に配置された第2スピーカーと、を備え、
前記第1スピーカーにおいて音波を出力する第1出力面は、前記第2壁部を基準として、前記第3壁部側に45度より大きく90度より小さい角度範囲で傾斜し、
前記第2スピーカーにおいて音波を出力する第2出力面は、前記第2壁部を基準として、前記第4壁部側に45度より大きく90度より小さい角度範囲で傾斜する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
前記第1スピーカーの前記第1出力面は、前記第2壁部を基準として、前記第3壁部側に50度より大きく70度より小さい角度範囲で傾斜し、
前記第2スピーカーの前記第2出力面は、前記第2壁部を基準として、前記第4壁部側に50度より大きく70度より小さい角度範囲で傾斜する、
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項3】
前記第1スピーカーの前記第1出力面は、前記第2壁部を基準として、前記第3壁部側に60度で傾斜し、
前記第2スピーカーの前記第2出力面は、前記第2壁部を基準として、前記第4壁部側に60度で傾斜する、
ことを特徴とする請求項2に記載のプロジェクター。
【請求項4】
前記第1スピーカーおよび前記第2スピーカーの傾斜角は同じである、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項5】
前記第2軸に沿う方向において前記第1スピーカーと前記第2スピーカーとの間に配置され、前記第1スピーカーおよび前記第2スピーカーよりも低い音波を出力する第3出力面を有する第3スピーカーをさらに備え、
前記第3スピーカーは、前記第3出力面を、前記第2壁部、前記第3壁部、前記第4壁部および前記第6壁部の少なくともいずれかに向けるように、配置される、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項6】
前記第1スピーカーおよび前記第2スピーカーよりも低い音波を出力する第4出力面を有する第4スピーカーをさらに備え、
前記第4スピーカーは、前記第4出力面を、前記第1壁部、前記第5壁部の前記第1壁部側および前記第6壁部の前記第1壁部側に少なくともいずれかに向けるように、配置される、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項7】
前記第1スピーカーの前記第1出力面は、対向する前記第2壁部および前記第3壁部に対して、前記第5壁部側に向けて傾斜し、
前記第2スピーカーの前記第2出力面は、対向する前記第2壁部および前記第4壁部に対して、前記第5壁部側に向けて傾斜する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項8】
前記第1スピーカーの前記第1出力面は、前記第3軸および前記第1出力面の中心を含む第1仮想面における断面視で、前記第5壁部側に5度より大きく45度までの角度範囲で傾斜し、
前記第2スピーカーの前記第2出力面は、前記第3軸および前記第2出力面の中心を含む第2仮想面を基準として、前記第5壁部側に向けて5度より大きく45度までの角度範囲で傾斜する、
ことを特徴とする請求項7に記載のプロジェクター。
【請求項9】
前記第1スピーカーの前記第1出力面は、前記第1仮想面における断面視で、前記第5壁部側に向けて30度で傾斜し、
前記第2スピーカーの前記第2出力面は、前記第2仮想面における断面視で、前記第5壁部側に向けて30度で傾斜する、
ことを特徴とする請求項8に記載のプロジェクター。
【請求項10】
前記外装筐体は、前記第1スピーカーの前記第1出力面または前記第2スピーカーの前記第2出力面が対向する、前記第2壁部、前記第3壁部および前記第4壁部と、プロジェクター設置面に対向する前記第6壁部の反対に位置する前記第5壁部と、の少なくともいずれかに、開口をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項11】
前記外装筐体は、プロジェクター設置面に対向する前記第6壁部に設けられ、当該外装筐体を前記プロジェクター設置面に対して傾斜させる脚部をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項12】
画像を前記被投射面に投射する投射光学装置をさらに備え、
前記投射光学装置から前記被投射面までの距離と前記画像の前記第2軸に沿う幅との比であるスローレシオが、0.7~1.3である、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項13】
前記スローレシオが、1.0~1.3である、
ことを特徴とする請求項12に記載のプロジェクター。
【請求項14】
画像を前記被投射面に投射する投射光学装置をさらに備え、
前記投射光学装置の光射出部は、前記外装筐体の前記第1壁部に配置される、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項15】
画像を前記被投射面に投射する投射光学装置をさらに備え、
前記投射光学装置の光射出部は、前記外装筐体の前記第5壁部に設けられ、前記第1壁部側に向けて前記画像を投射する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外装筐体内にスピーカーを配置したプロジェクターが知られている(例えば、下記特許文献1、2参照)。上記プロジェクターでは、画像を投射する正面側と反対の背面側の左右の角部にスピーカーを配置している。上記プロジェクターにおいて、スピーカーの音の出力面は、背面を基準として側面に向けて45度以内で傾斜している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-143004号公報
【特許文献2】特開2022-12675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的にプロジェクターは、スクリーン面から所定の距離だけ離れた位置に配置される。上述のようにスピーカーの音の出力面が背面を基準として側面に向けて45度以内で配置されている場合、プロジェクターの正面と背面の前後方向において左右のスピーカーからの音が重なる背面側の領域では品質の高い音質を得ることができる。一方、正面側では背面側に比べるとスピーカーからの音が伝わり難く、品質の高い音質を得ることが難しかった。このため、音質を重視して画像を視聴する場合、視聴者は、プロジェクターの背面側に位置する必要があり、プロジェクターを使用する空間の利用に制限がかかるという課題があり、特に、狭い空間で大きな画面を投射する場合には課題がより顕著になる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の1つの態様によれば、画像を投射する被投射面に面する第1壁部および第1軸に沿う方向において前記第1壁部と反対側を向く第2壁部と、前記第1軸に直交する第2軸に沿う方向において互いに反対側を向く第3壁部および第4壁部と、前記第1軸および前記第2軸に直交する第3軸に沿う方向において互いに反対側を向く第5壁部および第6壁部と、を有する外装筐体と、前記外装筐体の内部において前記第2壁部および前記第3壁部でなす第1角部に配置された第1スピーカーと、前記外装筐体の内部において前記第2壁部および前記第4壁部でなす第2角部に配置された第2スピーカーと、を備え、前記第1スピーカーにおいて音波を出力する第1出力面は、前記第2壁部を基準として、前記第3壁部側に45度より大きく90度より小さい角度範囲で傾斜し、前記第2スピーカーにおいて音波を出力する第2出力面は、前記第2壁部を基準として、前記第4壁部側に45度より大きく90度より小さい角度範囲で傾斜する、プロジェクターが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
図2】比較例のプロジェクターが周囲に形成する音場環境を示す図である。
図3】壁から離れた状態で使用したプロジェクターの音場環境を示す図である。
図4】プロジェクターが周囲に形成する音場環境を示す図である。
図5】第1変形例に係るプロジェクターの要部構成図である。
図6】第2変形例に係るプロジェクターの概略構成図である。
図7】第3変形例に係るプロジェクターの概略構成図である。
図8】第4変形例に係るプロジェクターの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0008】
図1は本実施形態のプロジェクター100の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のプロジェクター100は、照明ユニット110と、外装筐体120と、画像形成ユニット130と、投射光学装置140と、スピーカー装置150と、を備える。
【0009】
以下、図面中に示すXYZ座標系を用いて各部材の配置関係を説明する場合がある。各図面において、Y軸はプロジェクター100が画像を投射する方向に沿う軸である。X軸はX軸に直交する軸であり、画像を投射する被投射面であるスクリーンの幅方向に沿う軸である。Z軸はX軸およびY軸に直交し、プロジェクター100を設置する設置面の法線に沿う軸である。
【0010】
本実施形態では、例えば、Z軸に沿う両方向をまとめてプロジェクター100における「上下方向Z」、+Z方向に向かう方向を「上側」、-Z方向に向かう方向を「下側」と称す。また、X軸に沿う両方向をまとめてプロジェクター100における「左右方向X」、+X方向に向かう方向を「右側」、-X方向に向かう方向を「左側」と称する。また、Y軸に沿う両方向をまとめてプロジェクター100における「前後方向Y」、+Y方向に向かう方向を「前側」、-Y方向に向かう方向を「後側」と称す場合がある。
本実施形態において、Y軸は「第1軸」、X軸は「第2軸」、Z軸は「第3軸」に相当する。なお、上下方向Z、前後方向Yおよび左右方向Xとは、単にプロジェクター100の各構成部材の配置関係を説明するための名称であって、プロジェクター100における実際の設置姿勢や向きを規定するものではない。
【0011】
外装筐体120は、概ね直方体の形状を有し、内部が中空の箱状の部材である。外装筐体120は、照明ユニット110、画像形成ユニット130、投射光学装置140およびスピーカー装置150を内部に収容する。
【0012】
外装筐体120は、前側壁部21と、天壁部22と、右側壁部23と、左側壁部24と、後側壁部25と、底壁部26と、を有する。外装筐体120において、前側壁部21は前後方向Yの前側である+Y方向に位置する板材であり、天壁部22は上下方向Zの上側である+Z方向に位置する板材であり、右側壁部23は左右方向Xの右側である+X方向に位置する板材であり、左側壁部24は左右方向Xの左側である-X方向に位置する板材であり、後側壁部25は前後方向Yの後側である-Y方向に位置する板材であり、底壁部26は上下方向Zの下側である-Z方向に位置する板材である。
【0013】
本実施形態の外装筐体120において、前側壁部21は「第1壁部」に相当し、後側壁部25は「第2壁部」に相当し、右側壁部23は「第3壁部」に相当し、左側壁部24は「第4壁部」に相当し、天壁部22は「第5壁部」に相当し、底壁部26は「第6壁部」に相当する。
【0014】
前側壁部21はプロジェクター100から画像を投射する被投射面であるスクリーンSCRに面する壁部である。前側壁部21および後側壁部25はXZ面と平行に配置され、互いが対向するように配置される。後側壁部25はY軸に沿う前後方向Yにおいて前側壁部21と反対側を向く。
【0015】
右側壁部23および左側壁部24はYZ面と平行に配置され、互いが対向するように配置される。右側壁部23および左側壁部24はY軸に直交するX軸に沿う左右方向Xにおいて互いに反対側を向く。
【0016】
天壁部22および底壁部26はXY面と平行に配置され、互いが対向するように配置される。天壁部22および底壁部26はX軸およびY軸に直交するZ軸に沿う上下方向Zにおいて互いに反対側を向く。
【0017】
本実施形態のプロジェクター100は、外装筐体120の底壁部26がプロジェクター設置面、例えば、テーブル上面に対向した状態で設置されるものとする。つまり、天壁部22は、プロジェクター設置面に対向する底壁部26の反対に位置する。
【0018】
前側壁部21、右側壁部23および左側壁部24と天壁部22とは互いに交差、具体的には直交するように配置されている。前側壁部21、右側壁部23および左側壁部24と底壁部26とは互いに交差、具体的には直交するように配置されている。
【0019】
外装筐体120は、後側壁部25および右側壁部23でなす右後側角部27Rと、後側壁部25および左側壁部24でなす左後側角部27Lと、を有する。本実施形態において、右後側角部27Rは「第1角部」に相当し、左後側角部27Lは「第2角部」に相当する。
【0020】
照明ユニット110は、図示を省略するが、例えばレーザー光源、波長変換素子等を有する。照明ユニット110は、レーザー光源から射出される青色のレーザー光を励起光として集光レンズで集光し、蛍光体を含む波長変換素子に入射させ、青色のレーザー光と黄色の蛍光とからなる白色光を射出する。なお、照明ユニット110は、レーザー光源と波長変換素子とを用いた構成に限定されず、例えばレーザー光源を単独で用いる構成、LED(Light Emitting Diode)、放電型の光源ランプを用いる構成を適用してもよい。また、照明ユニット110は、発光源で生じた熱を外部に放出するヒートシンク等の放熱部材を有していてもよい。
【0021】
画像形成ユニット130は、色分離光学系3と、光変調装置4Rと、光変調装置4Gと、光変調装置4Bと、光合成光学系5と、を有する。画像形成ユニット130は、照明ユニット110から射出される光から画像光を生成する。
【0022】
色分離光学系3は、照明ユニット110から射出される白色光WLを、赤色光LRと緑色光LGと青色光LBとに分離する。色分離光学系3は、第1ダイクロイックミラー7aと、第2ダイクロイックミラー7bと、第1反射ミラー8aと、第2反射ミラー8bと、第3反射ミラー8cと、リレーレンズ8dと、を備える。
【0023】
第1ダイクロイックミラー7aは、照明ユニット110から射出される白色光WLを、赤色光LRと、緑色光LGと青色光LBとが混合された光と、に分離する。第1ダイクロイックミラー7aは、赤色光LRを反射するとともに、緑色光LGおよび青色光LBを透過させる。第2ダイクロイックミラー7bは、緑色光LGと青色光LBとが混合された光を緑色光LGと青色光LBとに分離する。第2ダイクロイックミラー7bは、緑色光LGを反射するとともに、青色光LBを透過させる。
【0024】
第1反射ミラー8aは、赤色光LRの光路中に配置されている。第1反射ミラー8aは、第1ダイクロイックミラー7aによって反射された赤色光LRを光変調装置4Rに向けて反射する。第2反射ミラー8bおよび第3反射ミラー8cは、青色光LBの光路中に配置されている。第2反射ミラー8bおよび第3反射ミラー8cは、第2ダイクロイックミラー7bを透過した青色光LBを光変調装置4Bに導く。
【0025】
光変調装置4Rは、液晶パネル4RPと、液晶パネル4RPの入射側および射出側にそれぞれ設けられた図示しない偏光板と、から構成される。光変調装置4Gは、液晶パネル4GPと、液晶パネル4GPの入射側および射出側にそれぞれ設けられた図示しない偏光板と、から構成される。光変調装置4Bは、液晶パネル4BPと、液晶パネル4BPの入射側および射出側にそれぞれ設けられた図示しない偏光板と、から構成される。光変調装置4Rは、赤色光LRを画像信号に応じて変調する。光変調装置4Gは、緑色光LGを画像信号に応じて変調する。光変調装置4Bは、青色光LBを画像信号に応じて変調する。これにより、各光変調装置4R,4G,4Bは、各色光に対応した画像光を形成する。
【0026】
光変調装置4Rの光入射側には、光変調装置4Rに入射する赤色光LRを平行化するフィールドレンズ9Rが配置されている。光変調装置4Gの光入射側には、光変調装置4Gに入射する緑色光LGを平行化するフィールドレンズ9Gが配置されている。光変調装置4Bの光入射側には、光変調装置4Bに入射する青色光LBを平行化するフィールドレンズ9Bが配置されている。
【0027】
光合成光学系5は、略立方体状のクロスダイクロイックプリズムから構成されている。光合成光学系5は、光変調装置4R,4G,4Bからの各色の画像光を合成する。光合成光学系5は、合成した画像光を投射光学装置140に向かって射出する。
【0028】
投射光学装置140は、画像形成ユニット130から射出される画像光を、スクリーンSCRに向かって拡大投射する。投射光学装置140から光が投射されることにより、スクリーンSCR上に拡大されたカラー画像が表示される。投射光学装置140は、図示しない複数の投射レンズを含み、光を射出する光射出部140aを有する。なお、投射光学装置140を構成する投射レンズの数は限定されない。
【0029】
本実施形態の場合、投射光学装置140の光射出部140aは、外装筐体120の前側壁部21に配置されている。本実施形態において、投射光学装置140の光射出部140aの先端面は外装筐体120の前側壁部21の表面よりも突出しているが、外装筐体120の前側壁部21の表面と面一あるいは内側に位置しても良い。
【0030】
本実施形態のプロジェクター100における投射光学装置140は一般的な焦点距離を有する投射レンズで構成される。このため、本実施形態のプロジェクター100は、後述のようにスクリーンSCRから所定距離だけ離間し、かつ、画像を視聴する視聴者の前方に設置される。
【0031】
本実施形態のプロジェクター100におけるスローレシオは0.7~1.3に設定され、1.0~1.3に設定するのがより好ましい。ここで、スローレシオとは、投射光学装置140からスクリーンSCRまでの距離とスクリーンSCRに投射される画像のX軸に沿う左右方向Xの横幅との比を意味する。プロジェクターの投射距離が短くなると、スローレシオが低くなる。本実施形態のプロジェクター100は、スローレシオを上記範囲に設定することで、スクリーンSCRからある程度離れた位置から画像を投射するタイプのプロジェクターにおいて良好な音響空間を実現可能である。なお、例えば、プロジェクター100のスローレシオは、例えば、焦点距離の異なる別の投射光学装置140に交換することで変更可能である。
【0032】
スピーカー装置150は、外装筐体120の後側壁部25の内面に沿って配置されている。スピーカー装置150は、第1スピーカー51と、第2スピーカー52と、第3スピーカー53と、スピーカー筐体55と、を有する。
【0033】
第1スピーカー51は、低音から高音までの可聴周波数帯域を発する全音域スピーカーである。なお、全音域スピーカーの代わりに、例えば300Hz以上の中高音を発する中高音域スピーカーでもよい。
第1スピーカー51は、振動板51aと、ヨーク51bと、を有する。振動板51aは、自身の振動によって音波を出力する第1出力面51Mを含む。ヨーク51bは、磁気回路の一部を構成するとともに、第1スピーカー51の全体を支持するベース部材として機能する。第1スピーカー51は、上記の構成要素の他、ボイスコイル、磁石等を有するが、一般的な構成であるため、説明を省略する。
【0034】
第2スピーカー52は、低音から高音までの可聴周波数帯域を発する全音域スピーカーである。なお、全音域スピーカーの代わりに、例えば300Hz以上の中高音を発する中高音域スピーカーでもよい。第2スピーカー52は、第1スピーカー51と同様の構成を有するため、第2スピーカー52の構成の詳細については説明を省略する。第2スピーカー52は、振動板とヨークとを有し、音波を出力する第2出力面52Mを含む。
【0035】
第3スピーカー53は、第1スピーカー51および第2スピーカー52よりも低い低音の音波を発する低音スピーカーである。第3スピーカー53は、X軸に沿う左右方向において第1スピーカー51と第2スピーカー52との間に配置されている。本実施形態の第3スピーカー53はパッシブラジエーターで構成される。パッシブラジエーターで構成された第3スピーカー53は、第1スピーカー51および第2スピーカー52とは異なり、振動板のみを有しており、磁気回路を有していない。第3スピーカー53は、音波を出力する第3出力面53Mを含む。
【0036】
スピーカー筐体55は、第1スピーカー51、第2スピーカー52および第3スピーカー53を支持する。スピーカー筐体55は、第1スピーカー51および第2スピーカー52の背面を覆うことで音質を向上させるエンクロージャーとして機能する。スピーカー筐体55の内部は密閉空間とされる。このため、第3スピーカー53は磁気回路を有していなくても、第1スピーカー51および第2スピーカー52が作動した際のスピーカー筐体55の内部に生じる空気振動を受けて振動することで低音スピーカーとして有効に機能する。
【0037】
第1スピーカー51は、第1出力面51Mを所定方向に向けるように、外装筐体120の内部に配置される。同様に、第2スピーカー52は、第2出力面52Mを所定方向に向けるように、外装筐体120の内部に配置される。
【0038】
本実施形態のスピーカー装置150において、第1スピーカー51は、外装筐体120の内部において右後側角部27Rに配置され、第2スピーカー52は、外装筐体120の内部において左後側角部27Lに配置される。第1スピーカー51および第2スピーカー52は、第1出力面51Mおよび第2出力面52Mを後側壁部25に対してそれぞれ所定角度だけ傾斜した状態に配置される。
【0039】
第1スピーカー51の第1出力面51Mは、後側壁部25の外面25aを基準として、右側壁部23側、すなわち、左右方向Xにおける後側壁部25の中央側を軸として、45度より大きく90度より小さい角度範囲で傾斜することが望ましい。ここで、第1出力面51Mと後側壁部25の外面25aとがなす角度をθ1とする。このとき、第1スピーカー51は、45°<θ1<90°の関係を満たすように、外装筐体120の内部において右後側角部27Rに配置されている、と換言できる。
【0040】
第1スピーカー51の第1出力面51Mは、後側壁部25の外面25aを基準として、右側壁部23側、すなわち、左右方向Xにおける後側壁部25の中央側を軸として、50度より大きく70度より小さい角度範囲で傾斜することがより望ましい。つまり、第1スピーカー51は、50°<θ1<70°の関係を満たすように右後側角部27Rに配置することがより望ましい。
本実施形態の場合、第1スピーカー51の第1出力面51Mは、後側壁部25の外面25aを基準として、右側壁部23側、すなわち、左右方向Xにおける後側壁部25の中央側を軸として、60度で傾斜する。つまり、第1スピーカー51は、θ1=60°の関係を満たすように外装筐体120の内部において右後側角部27Rに配置される。
【0041】
また、第2スピーカー52の第2出力面52Mは、後側壁部25の外面25aを基準として、左側壁部24側、すなわち、左右方向Xにおける後側壁部25の中央側を軸として、に45度より大きく90度より小さい角度範囲で傾斜することが望ましい。ここで、第2出力面52Mと後側壁部25の外面25aとがなす角度をθ2とする。このとき、第2スピーカー52は、45°<θ2<90°の関係を満たすように、外装筐体120の内部において左後側角部27Lに配置されている、と換言できる。
【0042】
第2スピーカー52の第2出力面52Mは、後側壁部25の外面25aを基準として、左側壁部24側、すなわち、左右方向Xにおける後側壁部25の中央側を軸として、50度より大きく70度より小さい角度範囲で傾斜することがより望ましい。つまり、第2スピーカー52は、50°<θ2<70°の関係を満たすように左後側角部27Lに配置することがより望ましい。
本実施形態の場合、第2スピーカー52の第2出力面52Mは、後側壁部25の外面25aを基準として、左側壁部24側、すなわち、左右方向Xにおける後側壁部25の中央側を軸として、60度で傾斜する。つまり、第2スピーカー52は、θ2=60°の関係を満たすように外装筐体120の内部において左後側角部27Lに配置される。
【0043】
つまり、本実施形態の場合、第1スピーカー51および第2スピーカー52の後側壁部25の外面25aに対する傾斜角は同じである。この構成によれば、プロジェクター100の後側に各スピーカー51,52の音が左右方向Xにバランス良く拡がるため、均一な音場環境を形成することができる。
【0044】
本実施形態のプロジェクター100では、第1スピーカー51の第1出力面51Mに対向する右後側角部27R、および第2スピーカー52の第2出力面52Mに対向する左後側角部27Lにそれぞれ開口28Kを形成している。つまり、右後側角部27Rをなす後側壁部25および右側壁部23、および左後側角部27Lをなす後側壁部25および左側壁部24に、開口28Kが形成されている。
【0045】
本実施形態のプロジェクター100によれば、外装筐体120に形成した開口28Kを介して、第1スピーカー51および第2スピーカー52から発せられた音を視聴者に聞かせることができる。
【0046】
本実施形態のスピーカー装置150において、第3スピーカー53は、第3出力面53Mを底壁部26に向けるように、配置される。
【0047】
ここで、第3スピーカー53から発せられる低音は、第1スピーカー51および第2スピーカー52から発せられる中高音に比べて、指向性が低い。このため、第3スピーカー53の第3出力面53Mから発せられた低音は、外装筐体120の内部で全方位に向かって外装筐体120の内部で反射されることで開口28Kから外部に射出されて視聴者の耳に届く。よって、第3スピーカー53は、第1スピーカー51および第2スピーカー52に比べて外装筐体120の内部における設置場所の制限が少ない。
【0048】
なお、第3スピーカー53の第3出力面53Mが対向する底壁部26に開口を形成し、第3出力面53Mから発せられた低音を底壁部26の開口から外装筐体120の外部に取り出すようにしてもよい。なお、第3スピーカー53の第3出力面53Mから発せられた低音は全方位に向かって発せられるので、底壁部26の開口に限るものでない。代わりに後側壁部25や他の壁部に形成してもよい。第3スピーカー53は後側壁部25側に配置されているので、後側壁部25や右側壁部23および左側壁部24のいずれに形成してもよい。開口を形成する箇所は、一つの壁部に限らず、底壁部26と後側壁部25というように複数の壁部に形成してもよく、全方位に均一に形成するのが好ましい。
【0049】
続いて、本実施形態のプロジェクター100が周囲に形成する音場環境について説明するに先立ち、比較例のプロジェクターが周囲に形成する音場環境について説明する。
比較例のプロジェクターの構成は、本実施形態のプロジェクター100と比べて第1スピーカー51および第2スピーカー52の配置が異なり、それ以外の構成は共通である。このため、比較例のプロジェクターにおいて本実施形態のプロジェクター100と共通の部材については同じ符号を付して説明する。
【0050】
具体的に比較例のプロジェクターの場合、第1スピーカー51は、θ1≦45の関係を満たすように、外装筐体120の内部において右後側角部27Rに配置され、第2スピーカー52は、θ2≦45の関係を満たすように、外装筐体120の内部において左後側角部27Lに配置されている。
【0051】
図2は比較例のプロジェクターが周囲に形成する音場環境を示す図である。図2は後側壁部25が壁から離れた状態で比較例のプロジェクターを使用した場合の音場環境を示す図である。なお、図2はプロジェクターの設置空間を上側の+Zから下側の-Zに向かって視た平面図である。
【0052】
図2に示すように比較例のプロジェクター200が形成する音場環境SSは、第1領域SS1と、一対の第2領域SS2と、第3領域SS3と、を含む。
比較例のプロジェクター200では、第1スピーカー51および第2スピーカー52の各出力面51M,52Mと後側壁部25の外面25aとが45度以下に配置されるため、プロジェクター200の前後方向Yにおいて後側の-Y方向に音が集中される。第1スピーカー51および第2スピーカー52から発せられる中高音は指向性が高い音波であるため、第1スピーカー51および第2スピーカー52の音はプロジェクター200の前側の+Y方向に拡がり難い。
【0053】
このため、プロジェクター200の後側の-Y方向に位置する第1領域SS1では、第1スピーカー51および第2スピーカー52からの中高音が重複することで最も品質の高い音質を得ることができる。
また、プロジェクター200の右斜め後側に位置する一方の第2領域SS2では、第1スピーカー51からの中高音を主として含む品質の高い音質を得ることができる。また、プロジェクター100の左斜め後側に位置する他方の第2領域SS2では、第2スピーカー52からの中高音を主として含む品質の高い音質を得ることができる。
【0054】
上述のように第1スピーカー51および第2スピーカー52からの音が前側に拡がり難いことから、プロジェクター200の左右および前側を含む広範囲の第3領域SS3では、品質の高い音を得ることができない。
【0055】
比較例のプロジェクター200が周囲に形成する音場環境SSは、最も音質の低い第3領域SS3が半分以上を占めている。このため、比較例のプロジェクター200において音質を重視した画像の視聴を行うためには、プロジェクター200の後側の-Y方向の第1領域SS1および第2領域SS2に位置する必要があり、空間の利用が制限されてしまうという課題がある。また、比較例のプロジェクター200を狭い空間で使用する場合、プロジェクター200の周辺スペースがより限られるため、上記課題がより顕著となる。
【0056】
これに対して、本実施形態のプロジェクター100では、上述のように、第1スピーカー51および第2スピーカー52の各出力面51M,52Mと後側壁部25の外面25aとが45度より大きく90度より小さい角度範囲で傾斜することで、周囲に品質の高い音場環境を形成することが可能である。
以下、本実施形態のプロジェクター100が周囲に形成する音場環境について説明する。
【0057】
図3および図4は本実施形態のプロジェクター100が周囲に形成する音場環境を示す図である。図3は後側壁部25が壁から離れた状態でプロジェクター100を使用した場合の音場環境を示す図である。図4は後側壁部25が壁に近接した状態でプロジェクター100を使用した場合の音場環境を示す図である。なお、図3図4はプロジェクター100の設置空間を上側の+Zから下側の-Zに向かって視た平面図である。
【0058】
図3に示すように本実施形態のプロジェクター100が形成する音場環境Sは、第1領域S1と、一対の第2領域S2と、第3領域S3と、を含む。
本実施形態のプロジェクター100では、第1スピーカー51および第2スピーカー52の各出力面51M,52Mが後側壁部25の外面25aに対して45度より大きく90度より小さい角度範囲で配置されるため、比較例のプロジェクター200に比べてプロジェクターの全周に音が拡がり易い。
【0059】
本実施形態のプロジェクター100の後側の-Y方向に位置する第1領域S1では、第1スピーカー51および第2スピーカー52からの中高音が重複することで品質の高い音質を得ることができる。
【0060】
本実施形態のプロジェクター100の場合、第1スピーカー51および第2スピーカー52の各出力面51M,52Mは後側壁部25側よりも右側壁部23あるいは左側壁部24側を向いて配置される。このため、第1領域S1の範囲は比較例のプロジェクター200の第1領域SS1の範囲よりも狭くなる。
【0061】
一方、各出力面51Mが後側壁部25側よりも右側壁部23側を向いて配置されることで、プロジェクター100の右側に位置する一方の第2領域S2の範囲がプロジェクター100の右斜め後側から右斜め前側の一部まで拡がる。なお、一方の第2領域S2では、第1スピーカー51からの中高音を主として含む品質の高い音質を得ることができる。
また、各出力面51Mが後側壁部25側よりも左側壁部24側を向いて配置されることで、プロジェクター100の左側に位置する他方の第2領域S2の範囲がプロジェクター100の左斜め後側から左斜め前側の一部まで拡がる。なお、他方の第2領域S2では、第2スピーカー52からの中高音を主として含む品質の高い音質を得ることができる。
このように本実施形態のプロジェクター100によれば、第2領域S2の範囲を比較例のプロジェクター200の第2領域SS2の範囲よりも大きく拡げることができる。
【0062】
本実施形態のプロジェクター100においても第1スピーカー51および第2スピーカー52からの音が伝わり難い前側に位置する第3領域S3では、品質の高い音を得ることができない。しかしながら、本実施形態のプロジェクター100によれば、第3領域S3の範囲を比較例のプロジェクター200の第3領域SS3の範囲よりも十分に狭めることができる。
つまり、本実施形態のプロジェクター100によれば、比較例のプロジェクター200に比べて、プロジェクターの周囲の広範囲において品質の高い音質で画像を視聴させることが可能である。
【0063】
また、例えば、本実施形態のプロジェクター100を比較的狭い空間で使用する場合、外装筐体120の後側壁部25が壁に近接した状態となる。このような使用態様において、本実施形態のプロジェクター100は、図4に示すように、第1スピーカー51および第2スピーカー52の音が重なる高音質の領域は無くなるが、後側壁部25に近接する壁KBで反射した各スピーカー51、52の音が前側に回り込むことで左右側面から前側にかけて品質の高い音質を得る広範囲の第2領域S2からなる音場環境Sを形成することができる。
一方、比較例のプロジェクター200を比較的狭い空間で使用する場合、各スピーカー51、52の出力面51M,52Mが壁部側を向いているため、壁部で反射した音が前側に回り込み難く、本実施形態のプロジェクター100のような音場環境を形成できない。
【0064】
以上のように本実施形態のプロジェクター100は、画像を投射するスクリーンSCRに面する前側壁部21およびY軸に沿う前後方向Yにおいて前側壁部21と反対側を向く後側壁部25と、Y軸に直交するX軸に沿う左右方向Xにおいて互いに反対側を向く右側壁部23および左側壁部24と、X軸およびY軸に直交するZ軸に沿う方向において互いに反対側を向く天壁部22および底壁部26と、を有する外装筐体120と、外装筐体120の内部において後側壁部25および右側壁部23でなす右後側角部27Rに配置された第1スピーカー51と、外装筐体120の内部において後側壁部25および左側壁部24でなす左後側角部27Lに配置された第2スピーカー52と、を備える。
第1スピーカー51において音波を出力する第1出力面51Mは、後側壁部25を基準として、右側壁部23側に45度より大きく90度より小さい角度範囲で傾斜する。
第2スピーカー52において音波を出力する第2出力面52Mは、後側壁部25を基準として、左側壁部24側に45度より大きく90度より小さい角度範囲で傾斜する。
【0065】
本実施形態のプロジェクター100によれば、第1スピーカー51および第2スピーカー52の各出力面51M、52Mを後側壁部25の外面25aに対して45度より大きく90度より小さい角度範囲で配置するので、プロジェクター100の周囲に広範囲に亘って品質の高い音場環境を形成することができる。
また、本実施形態のプロジェクター100は、比較的狭い空間で使用する場合でも、上記角度範囲で設置した各スピーカー51、52の音が後側壁部25に近接する壁で良好に反射されることで、品質の高い音質を広範囲で得る音場環境を周囲に形成できる。
したがって、本実施形態のプロジェクター100は、高音質による画像視聴を広い範囲で可能としたプロジェクターを実現できる。
【0066】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
その他、各スピーカーおよびプロジェクターの各構成要素の形状、数、配置、材料等の具体的な記載については、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。上記実施形態では、本発明のプロジェクターとして、液晶ライトバルブを用いたプロジェクターに適用する場合を例に示したが、これに限られない。本発明のプロジェクターは光変調装置としてデジタルマイクロミラーデバイスを用いた構成に適用してもよい。また、プロジェクターは、複数の光変調装置を有していなくてもよく、1つの光変調装置のみを有していてもよい。
【0067】
例えば、上記実施形態において、第3スピーカー53は、第3出力面53Mを底壁部26に向けるように配置される場合を例に挙げたが、第3出力面53Mを後側壁部25あるいは天壁部22に向けるように第3スピーカー53を設けてもよい。また、複数の第3スピーカーを設置し、各第3スピーカーの第3出力面を底壁部26、後側壁部25および天壁部22に向けて配置してもよい。
【0068】
また、上記実施形態において、プロジェクター100を設置するプロジェクター設置面と視聴者との上下方向Zの位置関係については考慮しなかったが、一般的にプロジェクターを設置するプロジェクター設置面は視聴者よりも低い位置に設けられる。このようにプロジェクター設置面が視聴者よりも低い場合、画像の投射する方向を上側に向けるようにプロジェクターを煽った状態でプロジェクター設置面に設置する必要がある。例えば、上記実施形態のプロジェクター100を上側に煽った状態で設置すると外装筐体120の天壁部22が視聴者側を向いた状態となる。
【0069】
上述のように第1スピーカー51および第2スピーカー52から発せられる中高音は指向性の高い音波である。つまり、各スピーカー51,52は、指向性の高い音波を出力する出力面51M,52Mを視聴者側に向けた状態とすることが望ましい。
【0070】
(第1変形例)
以下、第1変形例として、上側に煽った状態でプロジェクター設置面に設置する場合においても視聴者に品質の高い音質で画像を視聴可能とするプロジェクターの要部構成について説明する。なお、上記実施形態と共通の構成については同じ符号を付し、詳細については説明を省略する。
【0071】
図5は第1変形例に係るプロジェクターの要部構成図である。
図5に示すように、本変形例のプロジェクター101において、第1スピーカー51の第1出力面51Mは、対向する後側壁部25および右側壁部23に対して天壁部22側に向けて傾斜する。ここで、Z軸および第1出力面51Mの中心51MCを含む仮想面を第1仮想面KMと称す。
【0072】
図5に示すように、本変形例のプロジェクター101において、第1スピーカー51の第1出力面51Mは、第1仮想面KMにおける断面視で、天壁部22側である上側に5度より大きく45度までの角度範囲で傾斜する。ここで、第1出力面51MとZ軸とがなす角度をθ3とする。このとき、第1スピーカー51は、5°<θ3≦45°の関係を満たすように、外装筐体120の内部において右後側角部27Rに配置されている。この傾斜角度は、10°<θ3<45°が好ましい。
本変形例の場合、第1スピーカー51の第1出力面51Mは、第1仮想面KMにおける断面視で、天壁部22側に向けて30度で傾斜する。つまり、第1スピーカー51は、θ3=30°の関係を満たすように、外装筐体120の内部において右後側角部27Rに配置される。
【0073】
図示は省略するが、第2スピーカー52の第2出力面52Mは、第1スピーカー51と同様、対向する後側壁部25および左側壁部24に対して天壁部22側に向けて傾斜する。ここで、Z軸および第2出力面52Mの中心を含む仮想面を第2仮想面と称す。
本変形例において、第2スピーカー52の第2出力面52Mにおける第2仮想面内でのZ軸に対する傾斜角度は、第1スピーカー51の第1出力面51Mにおける第1仮想面KM内でのZ軸に対する傾斜角度と同じである。
【0074】
つまり、第2スピーカー52の第2出力面52Mは、第2仮想面における断面視で、天壁部22側である上側に5度より大きく45度までの角度範囲で傾斜する。ここで、第2出力面52MとZ軸とがなす角度をθ4とすると、第2スピーカー52は、5°<θ3≦45°の関係を満たすように、外装筐体120の内部において左後側角部27Lに配置されている。この傾斜角度は、10°<θ3<45°が好ましい。
第2スピーカー52の第2出力面52Mは、第2仮想面における断面視で、天壁部22側に向けて30度で傾斜する。つまり、第2スピーカー52は、θ4=30°の関係を満たすように、外装筐体120の内部において左後側角部27Lに配置される。
【0075】
このように本変形例のプロジェクター101によれば、プロジェクター載置面に載置された状態において、第1スピーカー51および第2スピーカー52の各出力面51M,52Mが上側を向くように傾斜している。
【0076】
本変形例のプロジェクター101によれば、各スピーカー51,52の出力面51M,52Mを天壁部22側に傾斜させて配置することで、上述のようにプロジェクター100を上側に煽った状態で設置した場合でも、各スピーカー51,52の出力面51M,52Mを視聴者側に向け易くすることができる。よって、各スピーカー51,52の出力面51M,52Mから視聴者に向けて高品質の音を出力することができる。
【0077】
なお、本変形例のプロジェクター101において、各スピーカー51,52の出力面51M,52Mと天壁部22とが互いに対向するため、天壁部22のうちの各出力面51M,52Mに対向する領域に開口を形成し、各出力面51M,52Mから発せられた中高音を天壁部22の開口から外装筐体120の外部に取り出すようにしてもよい。
【0078】
(第2変形例)
以下、第2変形例として外装筐体の別構成について説明する。なお、上記実施形態と共通の構成については同じ符号を付し、詳細については説明を省略する。
【0079】
図6は第2変形例に係るプロジェクターの概略構成図である。図6はプロジェクターを下側から上側に向かって視た斜視図である。
図6に示すように、本変形例のプロジェクター102は、外装筐体121をプロジェクター設置面であるテーブル上面10に対して傾斜させる脚部122を有する。脚部122は、外装筐体121のうちのテーブル上面10に対向する底壁部26に設けられる。
【0080】
脚部122は、4つの固定脚123と、前側可動脚124と、後側可動脚125と、を含む。固定脚123は底壁部26の四隅に設けられ、外装筐体121をテーブル上面10に安定して保持する脚部である。前側可動脚124は、底壁部26のうちの前側壁部21に隣接する前端部26aに設けられ、上下方向Zに伸縮可能な脚部である。後側可動脚125は、底壁部26のうちの後側壁部25に隣接する後端部26bに設けられ、上下方向Zに伸縮可能な脚部である。なお、後側可動脚125は、前側可動脚124とは独立して伸縮可能とされる。前側可動脚124および後側可動脚125は電動あるいは手動のいずれの駆動方法でもよい。
【0081】
例えば、脚部122において、前側可動脚124を伸ばすと、外装筐体121の底壁部26の前端部26aがテーブル上面10の上側である+Z方向に持ち上がるとともに外装筐体121の底壁部26の後端部26bは一対の固定脚123を介してテーブル上面10に当接した状態となる。つまり、脚部122は、前側可動脚124を伸ばすことで、プロジェクター101の+Y方向の前側をテーブル上面10に対して上側である+Z方向に煽った状態とすることができる。
【0082】
一方、脚部122において、後側可動脚125を伸ばすと、外装筐体121の底壁部26の後端部26bがテーブル上面10の上側である+Z方向に持ち上がるとともに外装筐体121の底壁部26の前端部26aは一対の固定脚123を介してテーブル上面10に当接した状態となる。つまり、脚部122は、後側可動脚125を伸ばすことで、プロジェクター101の+Y方向の前側をテーブル上面10に対して下側である-Z方向に煽った状態とすることができる。
【0083】
本変形例のプロジェクター102によれば、外装筐体121に設けられた脚部122によってテーブル上面10に対する外装筐体121の保持姿勢を変化させることができる。よって、本変形例のプロジェクター102は、例えば、画像を上側に位置するスクリーンに向けて投射する上向き投射姿勢や、画像を下側に位置するスクリーンに向けて投射する下向き投射姿勢でプロジェクター設置面に設置することができる。
よって、本変形例のプロジェクター102は、スクリーンとプロジェクター設置面であるテーブル上面10との高さ関係の制限を抑えた汎用性に優れたプロジェクターを提供できる。
【0084】
(第3変形例)
以下、第3変形例としてスピーカー装置150に加えて別のスピーカーをさらに備えた構成を説明する。なお、上記実施形態と共通の構成については同じ符号を付し、詳細については説明を省略する。
【0085】
図7は第3変形例に係るプロジェクターの概略構成図である。
図7に示すように、本変形例のプロジェクター103は、照明ユニット110と、外装筐体120と、画像形成ユニット130と、投射光学装置140と、スピーカー装置150と、第4スピーカー60と、を備える。
【0086】
第4スピーカー60は、第1スピーカー51および第2スピーカー52よりも低い低音の音波を発する低音スピーカーである。第4スピーカー60は、第3スピーカー53と同様の構成を有するため、第4スピーカー60の構成の詳細については説明を省略する。第4スピーカー60は、低音の音波を出力する第4出力面60Mを含む。
【0087】
本変形例の第4スピーカー60は、前側壁部21の内面21aに対向するように配置される。このため、第4スピーカー60は、第4出力面60Mを前側壁部21の内面21aに向けるように、外装筐体120の内部に配置される。第4スピーカー60から発せられた低音の音波における指向性は低いため、外装筐体120の内部で全方位に向けて発せられることで開口28Kを介して視聴者の耳に届く。
なお、第4スピーカー60の第4出力面60Mが対向する前側壁部21に開口を形成し、第4出力面60Mから発せられた低音を前側壁部21の開口から外装筐体120の外部に取り出すようにしてもよい。
【0088】
本変形例のプロジェクター103によれば、低音を発する第4スピーカー60をさらに備えることで、視聴者により臨場感のある音を聞かせることができる。
【0089】
本変形例のプロジェクター103では、第4スピーカー60の第4出力面60Mを前側壁部21に向けて配置する場合を例に挙げたが、第4出力面60Mを底壁部26の前側である前側壁部21側あるいは天壁部22の前側である前側壁部21側に向けるように第4スピーカー60を設けてもよい。また、複数の第4スピーカーを設置し、各第4スピーカーの第4出力面を前側壁部21、底壁部26の前側、および天壁部22の前側に向けて配置してもよい。
【0090】
また、本変形例のプロジェクター103において、第4スピーカー60はスピーカー装置150とは別で設けられたが、第4スピーカー60はスピーカー装置150と一体に設けられてもよい。つまり、第4スピーカー60はスピーカー装置150のスピーカー筐体55に内蔵される構成でもよい。
【0091】
また、上記実施形態および本変形例において、パッシブラジエーターの第3スピーカー53および低音スピーカーの第4スピーカー60で構成される場合を例に挙げたが、第3スピーカー53および第4スピーカー60はバスレフ型スピーカーで構成されてもよい。バスレフ型スピーカーからなる第3スピーカーあるいは第4スピーカーは空気孔からなる第3出力面あるいは第4出力面を有する。このため、外装筐体120のいずれかの壁部のうち空気孔に対向する部分に開口を形成し、バスレフ型スピーカーから発せられた低音を効率良く外装筐体120の外部により効率良く取り出すようにしてもよい。
【0092】
(第4変形例)
以下、第4変形例として投射光学装置の別構成について説明する。なお、上記実施形態と共通の構成については同じ符号を付し、詳細については説明を省略する。
【0093】
図8は第4変形例に係るプロジェクターの概略構成図である。
図8に示すように、本変形例のプロジェクター104において、投射光学装置141は画像形成ユニット130から入射する光を斜め前方に向けて折り返すように反射する反射ミラー141aと、反射ミラー141aで反射した光を射出する光射出部である投射口141bと、不図示の光学レンズと、を含む。
【0094】
投射光学装置141の投射口141bは、外装筐体121の天壁部22に設けられている。投射光学装置141は、投射口141bから前側壁部21側に位置するスクリーンSCRに向けて画像を投射する。
【0095】
本変形例のプロジェクター103は、天壁部22の投射口141bから斜め上側かつ前側に画像を投射する投射光学装置141を備えるので、上記実施形態のプロジェクター100に比べてスクリーンSCRのより近くから画像を投射する単焦点型プロジェクターの高音質化を実現することができる。
【0096】
以下、本開示のまとめを付記する。
(付記1)
画像を投射する被投射面に面する第1壁部および第1軸に沿う方向において前記第1壁部と反対側を向く第2壁部と、前記第1軸に直交する第2軸に沿う方向において互いに反対側を向く第3壁部および第4壁部と、前記第1軸および前記第2軸に直交する第3軸に沿う方向において互いに反対側を向く第5壁部および第6壁部と、を有する外装筐体と、
前記外装筐体の内部において前記第2壁部および前記第3壁部でなす第1角部に配置された第1スピーカーと、
前記外装筐体の内部において前記第2壁部および前記第4壁部でなす第2角部に配置された第2スピーカーと、を備え、
前記第1スピーカーにおいて音波を出力する第1出力面は、前記第2壁部を基準として、前記第3壁部側に45度より大きく90度より小さい角度範囲で傾斜し、
前記第2スピーカーにおいて音波を出力する第2出力面は、前記第2壁部を基準として、前記第4壁部側に45度より大きく90度より小さい角度範囲で傾斜する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【0097】
付記1のプロジェクターによれば、第1スピーカーおよび第2スピーカーの各出力面を第2壁部に対して45度より大きく90度より小さい角度範囲で配置することで、プロジェクターの周囲に広範囲に亘って品質の高い音場環境を形成することができる。
また、このプロジェクターは比較的狭い空間で使用する場合でも、上記角度範囲で設置した各スピーカーの音が第2壁部に近接する壁で良好に反射されることで、品質の高い音質を広範囲で得る音場環境を周囲に形成できる。
したがって、このプロジェクターは、高音質による画像視聴を広い範囲で可能としたプロジェクターを実現できる。
【0098】
(付記2)
前記第1スピーカーの前記第1出力面は、前記第2壁部を基準として、前記第3壁部側に50度より大きく70度より小さい角度範囲で傾斜し、
前記第2スピーカーの前記第2出力面は、前記第2壁部を基準として、前記第4壁部側に50度より大きく70度より小さい角度範囲で傾斜する、
ことを特徴とする付記1に記載のプロジェクター。
【0099】
付記2の構成によれば、第1スピーカーおよび第2スピーカーの各出力面の傾斜角がより適切な範囲に設定されるため、より高音質による画像視聴を広い範囲で可能としたプロジェクターを実現できる。
【0100】
(付記3)
前記第1スピーカーの前記第1出力面は、前記第2壁部を基準として、前記第3壁部側に60度で傾斜し、
前記第2スピーカーの前記第2出力面は、前記第2壁部を基準として、前記第4壁部側に60度で傾斜する、
ことを特徴とする付記2に記載のプロジェクター。
【0101】
付記3の構成によれば、広範囲で高音質の画像を視聴することができる。
【0102】
(付記4)
前記第1スピーカーおよび前記第2スピーカーの傾斜角は同じである、
ことを特徴とする付記1から付記3のうちのいずれか一つに記載のプロジェクター。
【0103】
付記4の構成によれば、各スピーカーの音が第2軸に沿う方向にバランス良く拡がるため、均一な音場環境を形成することができる。
【0104】
(付記5)
前記第2軸に沿う方向において前記第1スピーカーと前記第2スピーカーとの間に配置され、前記第1スピーカーおよび前記第2スピーカーよりも低い音波を出力する第3出力面を有する第3スピーカーをさらに備え、
前記第3スピーカーは、前記第3出力面を、前記第2壁部、前記第3壁部、前記第4壁部および前記第6壁部の少なくともいずれかに向けるように、配置される、
ことを特徴とする付記1から付記4のうちのいずれか一つに記載のプロジェクター。
【0105】
付記5の構成によれば、低音を発する第3スピーカーをさらに備えることで、視聴者により臨場感のある音を聞かせることができる。
【0106】
(付記6)
前記第1スピーカーおよび前記第2スピーカーよりも低い音波を出力する第4出力面を有する第4スピーカーをさらに備え、
前記第4スピーカーは、前記第4出力面を、前記第1壁部、前記第5壁部の前記第1壁部側および前記第6壁部の前記第1壁部側に少なくともいずれかに向けるように、配置される、
ことを特徴とする付記1から付記5のうちのいずれか一つに記載のプロジェクター。
【0107】
付記6の構成によれば、低音を発する第4スピーカーをさらに備えることで、視聴者により臨場感のある音を聞かせることができる。
【0108】
(付記7)
前記第1スピーカーの前記第1出力面は、対向する前記第2壁部および前記第3壁部に対して、前記第5壁部側に向けて傾斜し、
前記第2スピーカーの前記第2出力面は、対向する前記第2壁部および前記第4壁部に対して、前記第5壁部側に向けて傾斜する、
ことを特徴とする付記1から付記6のうちのいずれか一つに記載のプロジェクター。
【0109】
付記7の構成によれば、第1スピーカーおよび第2スピーカーの各出力面が第5壁部側に傾斜することで、例えば、プロジェクターを上側に煽った状態で設置した場合でも、各スピーカーの出力面から視聴者に向けて高品質の音を出力できる。
【0110】
(付記8)
前記第1スピーカーの前記第1出力面は、前記第3軸および前記第1出力面の中心を含む第1仮想面における断面視で、前記第5壁部側に5度より大きく45度までの角度範囲で傾斜し、
前記第2スピーカーの前記第2出力面は、前記第3軸および前記第2出力面の中心を含む第2仮想面を基準として、前記第5壁部側に向けて5度より大きく45度までの角度範囲で傾斜する、
ことを特徴とする付記7に記載のプロジェクター。
【0111】
付記8の構成によれば、第1スピーカーおよび第2スピーカーの各出力面が第5壁部側に10度から45度の角度範囲でそれぞれ傾斜するので、例えば、プロジェクターを上側に煽った状態で設置した場合でも、各スピーカーの出力面を視聴者側に向け易くできる。よって、各スピーカーの出力面から視聴者に向けて高品質の音を出力することができる。
【0112】
(付記9)
前記第1スピーカーの前記第1出力面は、前記第1仮想面における断面視で、前記第5壁部側に向けて30度で傾斜し、
前記第2スピーカーの前記第2出力面は、前記第2仮想面における断面視で、前記第5壁部側に向けて30度で傾斜する、
ことを特徴とする付記8に記載のプロジェクター。
【0113】
付記9の構成によれば、例えば、プロジェクターを上側に煽った状態で設置した場合でも、各スピーカーの出力面から視聴者に向けて高品質の音を効率良く出力できる。
【0114】
(付記10)
前記外装筐体は、前記第1スピーカーの前記第1出力面または前記第2スピーカーの前記第2出力面が対向する、前記第2壁部、前記第3壁部および前記第4壁部と、プロジェクター設置面に対向する前記第6壁部の反対に位置する前記第5壁部と、の少なくともいずれかに、開口をさらに有する、
ことを特徴とする付記1から付記9のうちのいずれか一つに記載のプロジェクター。
【0115】
付記10の構成によれば、第1スピーカーおよび第2スピーカーから発した音を開口から外装筐体の外部に効率良く取り出すことができる。
【0116】
(付記11)
前記外装筐体は、プロジェクター設置面に対向する前記第6壁部に設けられ、当該外装筐体を前記プロジェクター設置面に対して傾斜させる脚部をさらに有する、
ことを特徴とする付記1から付記10のうちのいずれか一つに記載のプロジェクター。
【0117】
付記11の構成によれば、脚部によってプロジェクター設置面に対する外装筐体の保持姿勢を変化させることができる。よって、被投射面とプロジェクター設置面との高さ関係の制限を抑えた汎用性に優れたプロジェクターを提供できる。
【0118】
(付記12)
画像を前記被投射面に投射する投射光学装置をさらに備え、
前記投射光学装置から前記被投射面までの距離と前記画像の前記第2軸に沿う幅との比であるスローレシオが、0.7~1.3である、
ことを特徴とする付記1から付記11のうちのいずれか一つに記載のプロジェクター。
【0119】
付記12の構成によれば、被投射面からある程度離れた位置から画像を投射するタイプのプロジェクターにおいて良好な音響空間を実現できる。
【0120】
(付記13)
前記スローレシオが、1.0~1.3である、
ことを特徴とする付記12に記載のプロジェクター。
【0121】
付記13の構成によれば、被投射面からより適度に離れた位置から画像を投射するプロジェクターにおいて良好な音響空間を実現できる。
【0122】
(付記14)
画像を前記被投射面に投射する投射光学装置をさらに備え、
前記投射光学装置の光射出部は、前記外装筐体の前記第1壁部に配置される、
ことを特徴とする付記1から付記13のうちのいずれか一つに記載のプロジェクター。
【0123】
付記14の構成によれば、第1壁部に設けられた光射出部から画像を投射する投射光学装置を備えることで、一般的な焦点距離型のプロジェクターにおける高音質化を実現できる。
【0124】
(付記15)
画像を前記被投射面に投射する投射光学装置をさらに備え、
前記投射光学装置の光射出部は、前記外装筐体の前記第5壁部に設けられ、前記第1壁部側に向けて前記画像を投射する、
ことを特徴とする付記1から付記13のうちのいずれか一つに記載のプロジェクター。
【0125】
付記15の構成によれば、第5壁部に設けられた光射出部から第1壁部側に画像を投射する投射光学装置を備えることで、被投射面の近くから画像を投射する単焦点型プロジェクターの高音質化を実現できる。
【符号の説明】
【0126】
10…テーブル上面(プロジェクター設置面)、21…前側壁部(第1壁部)、22…天壁部(第5壁部)、23…右側壁部(第3壁部)、24…左側壁部(第4壁部)、25…後側壁部(第2壁部)、26…底壁部(第6壁部)、28K…開口、51…第1スピーカー、51M…第1出力面、51MC…(第1出力面の)中心、52…第2スピーカー、52M…第2出力面、53…第3スピーカー、53M…第3出力面、60…第4スピーカー、60M…第4出力面、100,101,102,103,104…プロジェクター、120…外装筐体、122…脚部、140,141…投射光学装置、140a…光射出部、141b…投射口(光射出部)、KM…第1仮想面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8