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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158980
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】光吸収体およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/00 20060101AFI20241031BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20241031BHJP
   A61B 3/14 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
G02B5/00 B
G03F7/20 501
A61B3/14
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074670
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】523162111
【氏名又は名称】株式会社海野技研
(74)【代理人】
【識別番号】100154335
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀彦
(72)【発明者】
【氏名】中西 博之
(72)【発明者】
【氏名】海野 鉄郎
【テーマコード(参考)】
2H042
2H197
4C316
【Fターム(参考)】
2H042AA06
2H042AA09
2H042AA21
2H197CA03
2H197CA07
2H197CE01
2H197HA08
4C316FY03
4C316FY05
4C316FZ02
(57)【要約】
【課題】散乱光の発生がなく、かつ高い光吸収性を有する光吸収体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の光吸収体は、基板10の表面に突出して形成された突起膜11であり、ブラックマトリクス形成用レジストからなり、基板表面からの厚さtが、500μm以下、好ましくは100μm以下で、かつ350~1,350nm間の光学濃度(OD値)が3.0以上である。本発明の光吸収体の製造方法は、ブラックマトリクス形成用レジストを塗布した基板10の表面を露光して、この基板10の表面からの厚さが500μm以下であり、かつ350~1,350nm間の光学濃度(OD値)が3.0以上である黒点状の突起膜を形成する。本発明の光吸収体は、医用機器および眼鏡機器の光学素子に用いられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用機器および眼鏡機器の光学素子に用いられる光吸収体であって、
基板表面に突出して形成された突起膜であり、ブラックマトリクス形成用レジストからなり、前記基板表面からの厚さが500μm以下、かつ350~1,350nm間の光学濃度(OD値)が3.0以上であることを特徴とする光吸収体。
【請求項2】
前記基板表面からの厚さが100μm以下である請求項1に記載の光吸収体。
【請求項3】
医用機器および眼鏡機器の光学素子に用いられる光吸収体の製造方法であって、
ブラックマトリクス形成用レジストを塗布した基板表面を紫外線およびレーザー光の少なくともいずれかにより露光して、この基板表面からの厚さが500μm以下であり、かつ350~1,350nm間の光学濃度(OD値)が3.0以上である黒点状の突起膜を形成することを特徴とする光吸収体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用機器および眼鏡機器の光学素子に用いられる光吸収体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光を使って情報を得る装置では、光量や光路の調整、ゴーストやフレアの原因となる反射光の除去などのため、光吸収体が必要になる場合がある。この膜は、ガラスやプラスチック素材への蒸着や塗装など物理的および化学的な方法で作製される。特に医用・眼鏡機器関連用途では、黒点、黒斑、黒斑点などと称され、目の角膜や水晶体で生じる有害な反射光や散乱光を吸収して除去する光学素子が形成される(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、ブラックレジストなどの黒色の感光材料を塗布したガラスやプラスチック素材の基板表面に、フォトリソグラフィー技術にて、パターンが形成されたフォトマスクを透過して紫外線露光を行う等して、スケール、エンコーダー、回折素子と言った機能を果たす規則的な突起を形成することが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭62-30767号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、形成した突起では、図7(a)に示すように楕円状に盛り上がったり、図7(b)に示すように頂部等に傾斜が存在し易く、散乱光が生じる原因となっていた。
【0006】
ここで、ブラックレジストを薄く塗れば、傾斜が存在し難くなるので、それにより散乱光の発生を防ぐことも考えられる。
【0007】
しかしながら、従来の突起の形成に用いていたブラックレジストなどの黒色の感光材料は、その波長依存性が長くなるに連れ、光学濃度が低くなる傾向にあった。そのため、遮光するには、要求される波長における光学濃度にもよるが、相応の厚さが必要となっていた。
【0008】
つまり、突起を薄くしたのみでは、光吸収性が低下し、医用・眼鏡機器関連用途と言った高い光吸収性が要求される用途に使用できなくなることがあった。
【0009】
本発明の目的は、散乱光の発生がなく、かつ高い光吸収性を有する光吸収体の製造方法および光吸収体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上述の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、次の知見を得た。つまり、ブラックマトリクス形成用レジストを用いて突起状の黒点状の膜を形成すると、500μm以下であっても高い光吸収性を有する光吸収体を作製できるという知見である。
【0011】
本発明は、この本発明者の知見に基づき、上述の課題を解決するための手段は以下の通りである。
【0012】
<1> 医用機器および眼鏡機器の光学素子に用いられる光吸収体であって、基板表面に突出して形成された突起膜であり、ブラックマトリクス形成用レジストからなり、前記基板表面からの厚さが500μm以下、かつ350~1,350nm間の光学濃度(OD値)が3.0以上であることを特徴とする光吸収体である。
【0013】
<2> 前記基板表面からの厚さが100μm以下である<1>に記載の光吸収体である。
【0014】
<3> 医用機器および眼鏡機器の光学素子に用いられる光吸収体の製造方法であって、ブラックマトリクス形成用レジストを塗布した基板表面を紫外線およびレーザー光の少なくともいずれかにより露光して、この基板表面からの厚さが500μm以下であり、かつ350~1,350nm間の光学濃度(OD値)が3.0以上である黒点状の突起膜を形成することを特徴とする光吸収体の製造方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の光吸収体は、ブラックマトリクス形成用レジストよりなるので、500μm以下の厚さの突起膜であっても、350~1,350nm間の光学濃度(OD値)が3.0以上となる高い光吸収性を有する。また、500μm以下の厚さなので、散乱光の発生を防ぐことができる。
【0016】
本発明の光吸収体の製造方法は、ブラックマトリクス形成用レジストを露光して黒点状の突起膜を製造するので、500μm以下の厚さであっても、350~1,350nm間の光学濃度(OD値)が3.0以上となる高い光吸収性を有する突起膜を形成することができる。また、500μm以下の厚さなので、散乱光の発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1(a)はマスクを用いて突起膜を形成する方法、図1(b)および(c)は、その光量調整を行う方法を示す概略図である。
図2図2は、本発明の光吸収体を示す図である。
図3図3は、図2のIII部拡大図である。
図4図4(a)および(b)は、インクジェット印刷技術を用いて突起膜を形成する方法を示す概略図である。
図5図5(a)および(b)は、スクリーン印刷技術を用いて突起膜を形成する方法を示す概略図である。
図6図6は、本発明と従来例とで光学濃度(OD)を測定した結果を示すグラフである。
図7図7(a)および(b)は、従来の光吸収体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の光吸収体は、カラーフィルタのブラックマトリクスを形成する際に用いるブラックマトリクス形成用レジスト(以下、「ブラックマトリクスレジスト」とも称する。)からなる。
【0019】
そのようなブラックマトリクスレジストとしては、市販のものを適宜選択して使用できるが、たとえば、東京応化工業社製のCFPK(登録商標) BKシリーズ、WTP BKシリーズ、日鉄ケミカルアンドマテリアル社製のブラックレジストである「エスファイン」(登録商標)などが好適に挙げられる。
【0020】
ブラックマトリクスレジストには、バインダー、重合性化合物および光重合開始剤と言った、感光性樹脂を得るのに通常用いられる成分が、必要に応じて適宜に含まれる。また、ソルダーレジスト形成用の熱架橋剤を含んだものであってもよい。
【0021】
加えて、ブラックマトリクスレジストには、本発明の効果を阻害しない範囲において、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤、難燃剤、分散剤等の公知の各種添加剤を配合してもよい。
【0022】
本発明は、このブラックマトリクスレジストにより、光の反射を防止するための黒点状の突起膜を形成する。この突起膜は遮光性を有するため、光吸収体として機能する。
【0023】
具体的には、図1(a)に示すように、ブラックマトリクスレジストが塗布された基板10の表面に露光を行って突起膜11を形成する。
【0024】
レジストの塗布は、特に制限はなく、スピンコータ、スプレーコータと言った、通常レジストを塗布する装置として使用されているものを適宜に選択することでよい。
【0025】
このレジストの溶媒を蒸発させるプリベークを行った後、基板10の表面を露光する。このプリベークに関しても、塗布同様に特に制限はなく、通常使用される装置や方法を適宜に選択して行えばよい。
【0026】
また、露光は、フォトマスクを透過した紫外線(UV)露光であってもよいし、レーザー光を基板10の表面に直接ないしはフォトマスクを介して照射してもよい。
【0027】
これらの露光手段のうち、フォトマスクは、クロムマスクのように、パターンを形成できるマスクが好ましく、クロムマスクであれば、クロム単層でも、クロム層に酸化クロム(Cr)の反射防止膜を蒸着してもよい。また、フィルムマスクを用いることでもよい。一方、レーザー光は、たとえば、白、赤、緑、青等、どの色の光であってもよい。
【0028】
一方、基板10としては、ガラス板であっても、透明樹脂板であってもよく、通常、レジストを露光する際に用いられる基板を適宜に選択すればよい。
【0029】
パターンを形成できるマスクを用いた場合は、図1(a)の右側の例のように単一形成することも、同図左側の例のように、規則的に複数の突起膜11…を形成することもできる。この規則的に形成された膜は、スケール、エンコーダー、回折素子等として適用することができる。
【0030】
また、光量調整を行うこともでき、図1(b)に示すように、光透過率をたとえば50%のように全面均一にすることもできるし、図1(c)に示すように、膜厚が異なるフォトマスクを透過して光透過率を、たとえば50~100%となるように調整することもできる。
【0031】
また、露光により得られた突起膜には、現像およびポストベーク(定着)を行う。その場合の現像および定着の方法としては、特に制限はなく、用いるブラックマトリクスレジスト等の感光性材料に合わせて適切な条件を選択して行えばよい。その際に、薄いガラスや透明樹脂板上に黒点(黒斑ないしは黒斑点とも称される)を形成し、その後に基板やレンズに貼るようにすると、現像処理が容易になるので好ましい。
【0032】
これにより得られる突起膜11は、図2および図3に示すように、基板10表面からの突出した厚さtを500μm以下となるようにする。厚さtが500μmを超えると、突起膜に傾斜が存在し易くなり、それにより散乱光が発生する懸念が高まることがある。つまり、突起膜11は、突起の厚さが500μm以下と薄い突起膜であるため、散乱光の発生を防ぐことができる。
【0033】
また、突起膜11の厚さtは、さらに散乱光の発生を抑えられることと、材料コストの削減が図れることから、薄いほど良く、100μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下が更に好ましく、0.3μm以上5μm未満が極めて好ましい。ただし、0.3μm未満とすると、厚さの均一性の管理等が難しくなることがあるし、0.3μm程度に薄くできれば、材料コスト削減の効果としては十分であるため、それ以上に薄くする必要はない。
【0034】
ここで、厚さtは、μm単位で厚さが測定可能な膜厚測定方法として知られている方法にて測定すれば、特に制限はないが、たとえば、電磁誘導式(静電容量式)の膜厚計を用いて、プローブ内の1次コイルで発生させた磁束が、膜の厚さにより2次コイルに誘導される電流を変化させることを利用し、突起膜の膜厚を測定することができる。その装置としては、たとえばサンコウ電子研究所製の膜厚計SP-1100D等が挙げられる。
【0035】
一方、突起膜11の光学濃度は、350~1,350nm間で一貫して3.0以上であり、4.0以上が好ましく、4.5以上がより好ましく、5.0以上が更に好ましく、5.5以上が極めて好ましい。光学濃度が3.0未満であると、医用・眼鏡機器関連用途と言った高い光吸収性が要求される用途に使用される性能としては不十分である。また、350~1,350nm間で一貫して3.0以上でないと、波長によって光吸収性が異なる波長依存性があることになる。また、その場合、高い光吸収性が要求される用途に使用される性能としては不十分である。
【0036】
一般的なブラックレジストにおいては、この光学濃度を実現するには、厚さを増やす必要があり、そうすると膜に傾斜が生じ易くなり散乱光の発生のリスクを高めることになるし、材料コストも嵩むことになっていた。また、厚さを増やしても波長依存性があり、波長によっては十分な高い光吸収性を有することができなかった。
【0037】
一方、本発明では、ブラックマトリクスレジストを用いて突起膜を形成したため、薄く形成しても波長依存性なく高い光学濃度が得られ、散乱光の発生リスクが少なく、かつ低コストにて、高い光吸収性が要求される用途に使用可能な光吸収体が得られるのである。
【0038】
なお、光学濃度は、市販の光学濃度計を用いて、各波長の透過光量と入射光量から、下記式にてOD(Optical Density)値を算出して、得ることができる。その装置としては、たとえば島津製作所製の紫外線可視分光光度計UV-3100等が挙げられる。
(式)OD(λ)=Log10[T(λ)/I(λ)]=Log10T(λ)-Log10I(λ)
式中、(λ)は波長、T(λ)は波長帯における透過光量、I(λ)は波長帯における入射光量である。
【0039】
[他の形態]
また、突起膜の形成は、インクジェット印刷技術(インクジェット法)を用いて行ってもよい。これは、図4(a)に示すように、表面処理をした基板10の表面に、インクジェットヘッドHにより、上述したブラックマトリクスレジストのインキを用い、インクジェット液体パターンPを描画した後、これを硬化(乾燥)させて、図4(b)に示すように、光吸収体として機能する黒点状の突起膜11を作製する方法である。インクジェット法を用いた場合、不要の材料を除去することがないので、材料のロスがなく環境に更なる配慮をしながら光吸収体の作製が可能となる。
【0040】
また、印刷技術としては、インクジェット法に限らず、たとえば、スクリーン印刷技術を用いて行ってもよい。これは、図5(a)に示すように、スクリーン版Sを介して、スキージ(ヘラ)Qにて図示の例では矢印の方向に圧力をかけながら、ブラックマトリクスレジストのインキIを押し出し、図5(b)に示すように、スクリーン版Sの孔を通ったインキIを基板10の表面に転写して、突起膜11を作製する方法である。このスクリーン印刷においても、インクジェット法と同様に、不要の材料を除去することがない観点から、好適に用いることができる。
【0041】
[実施例]
本発明と従来例とで、光吸収性の相違を検証するため、次のような厚さの突起膜を形成し、波長350~1,400nmの光学濃度(OD)を測定した。結果を図6のグラフに示す。なお、各突起膜の厚さは、サンコウ電子研究所製の膜厚計SP-1100Dを用いて測定した。また、各突起膜のODは、島津製作所製の紫外線可視分光光度計UV-3100を用いて測定した。
【0042】
(本発明)
ブラックマトリクスレジストとして、東京応化工業社製のCFPK(登録商標) BKシリーズを、スピンコート500rpm×30秒の条件にて基板の表面に塗布し、基板の表面にレーザー光を露光して(図1(a)等参照)、基板表面からの厚さt(図3参照)が1μmの本発明の光吸収体としての突起膜を形成した。
【0043】
(従来例)
他社製のブラックレジストより、同様にして基板表面からの厚さが20μmと50μmの従来例としての突起膜を、それぞれ形成した。
【0044】
図6に示すように、本発明の光吸収体の突起膜では、厚さが1μmと極めて薄いにも関わらず、350~1,400nmいずれの波長においても、光学濃度(OD)5.5以上の極めて高い光吸収性を有していた。そのため、本発明の光吸収体は、医用・眼鏡機器関連用途と言った高い光吸収性が要求される用途に好適であることが判った。
【0045】
一方、従来例の突起膜の光吸収体は、厚さが20μmでは、光学濃度(OD)が最も高い波長350nmにおいても2前後となるにすぎず、厚さを50μmに上げることにより、ようやく700nm以下程度の波長において3.0以上を示せるにすぎなかった。また、波長を上げると光学濃度が低くなり波長依存性もあった。そのため、厚さを100μmまで上げたとしても、350~1,400nm間でOD3.0以上を示すことは困難であり、さらに500μmまで上げたとしても難しいことが推測された。そのため、本発明と同程度の厚さでは、高い光吸収性が要求される用途に使用できないことが判った。
【0046】
このように、本発明の光吸収体は、高い遮光性を有するため、光量や光路の調整、ゴーストやフレアの原因となる反射光の除去などが必要な光を使って情報を得る装置、つまり光学装置の用途に好適に用いることができる。特に、黒点、黒斑、斑点などと称され、目の角膜や水晶体で生じる有害な反射光や散乱光を吸収して除去する光学素子を必要とする医用・眼鏡機器関連用途にて、より好適に用いることができる。
【0047】
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明したが、本発明の光吸収体は、上記実施の形態に限定されず、その範囲内で想定されるあらゆる技術的思想を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、光量や光路の調整、ゴーストやフレアの原因となる反射光の除去などが必要な医療機器等の光学装置の用途にて広く用いることができる。
【符号の説明】
【0049】
10 基板
11 突起膜
t (突起膜の)厚さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用機器および眼鏡機器の光学素子に用いられる光吸収体であって、
この光吸収体は、ガラス板または透明樹脂板からなる基板の凹凸の無い表面の中央部分に突出して形成された突起膜であり、ブラックマトリクス形成用レジストからなり、前記基板表面からの厚さが100μm以下、かつ波長350~1,350nm間の光学濃度(OD値)が3.0以上であり、
光吸収体が目で生じる有害な反射光ないしは散乱光を吸収して除去する前記光学素子に適用可能となることを特徴とする光吸収体。
【請求項2】
医用機器および眼鏡機器の光学素子に用いられる光吸収体の製造方法であって、
ブラックマトリクス形成用レジストを塗布した、ガラス板または透明樹脂板からなる基板の凹凸の無い表面の中央部分紫外線およびレーザー光の少なくともいずれかにより露光して、この基板表面からの厚さが100μm以下であり、かつ波長350~1,350nm間の光学濃度(OD値)が3.0以上である黒点状の突起膜を形成し、
光吸収体を目で生じる有害な反射光ないしは散乱光を吸収して除去する前記光学素子に適用可能とすることを特徴とする光吸収体の製造方法。