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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158990
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20241031BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20241031BHJP
   G02F 1/1362 20060101ALI20241031BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20241031BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
G09G3/36
G02F1/133 550
G02F1/1362
G09G3/20 611A
G09G3/20 611J
G09G3/20 621E
G09G3/20 642A
G09G3/20 621M
G09G3/20 680G
G09G3/20 650J
G09G3/20 621A
G09G3/20 622J
G09F9/30 338
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074684
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003926
【氏名又は名称】弁理士法人イノベンティア
(72)【発明者】
【氏名】下敷領 文一
【テーマコード(参考)】
2H192
2H193
5C006
5C080
5C094
【Fターム(参考)】
2H192AA24
2H192DA73
2H192EA54
2H192FA42
2H192FA52
2H192FA72
2H192FB02
2H192FB03
2H192FB22
2H192FB46
2H192FB62
2H192FB81
2H192GD61
2H193ZA04
2H193ZA34
2H193ZE03
2H193ZE04
2H193ZF22
2H193ZF43
2H193ZF45
2H193ZF46
2H193ZF51
2H193ZK22
2H193ZR06
2H193ZR07
5C006AC22
5C006AF35
5C006AF41
5C006AF50
5C006AF59
5C006BB16
5C006BC02
5C006BC03
5C006BC11
5C006BC22
5C006EA01
5C006EB04
5C006EC09
5C006FA22
5C006FA48
5C006FA56
5C080AA06
5C080AA07
5C080AA13
5C080BB05
5C080DD02
5C080DD05
5C080DD14
5C080DD26
5C080EE19
5C080EE30
5C080JJ02
5C080JJ04
5C080JJ06
5C080KK20
5C094AA22
5C094BA03
5C094BA43
5C094CA19
5C094DB01
5C094EA01
5C094FA02
5C094HA05
(57)【要約】
【課題】複数の表示領域を備え、消費電力が低減された表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、第1方向に配置された3以上の分割領域DR1~DR3を含む表示領域DRを主面に有する基板と、各分割領域にそれぞれ配置された、第1方向に伸びる走査線GL、第2方向に伸びるデータ線SL、複数の画素PXおよび第2方向に伸びる走査線接続配線BLと、各分割領域のデータ線にそれぞれ接続されたデータ線駆動回路と、各分割領域に対応した複数の走査線駆動回路60とを備える。走査線駆動回路およびデータ線駆動回路70のそれぞれは、表示領域の外側において第1方向に配列されており、各走査線接続配線は、走査線駆動回路と、走査線とを電気的に接続しており、走査線駆動回路およびデータ線駆動回路は、3以上の分割領域のうち少なくとも1つにおいて他の領域と異なるフレーム周波数で画像を表示する。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と、前記表示領域の周囲に位置する非表示領域とを有する主面を備えた基板であって、前記表示領域は、第1方向に沿って隣接して配置された3以上の分割領域を含む、基板と、
各分割領域にそれぞれ配置された複数の走査線であって、前記第1方向に伸び、前記第1方向と交差する第2方向に配列された複数の走査線と、
前記各分割領域にそれぞれ配置された複数のデータ線であって、前記第2方向に伸び、前記第1方向に配列された複数のデータ線と、
前記各分割領域にそれぞれ配置された複数の画素であって、前記複数のデータ線のうち一対のデータ線および前記複数の走査線のうち一対の走査線に囲まれた領域にそれぞれ配置された複数の画素と、
前記各分割領域にそれぞれ配置され、前記第2方向に伸び、前記第1方向に配列された複数の走査線接続配線と、
前記各分割領域の複数のデータ線にそれぞれ接続された複数のデータ線駆動回路と、
前記各分割領域に対応した複数の走査線駆動回路と、
を備え、
前記複数の走査線駆動回路および前記複数のデータ線駆動回路は、それぞれ前記表示領域の外側において、前記第1方向に配列されており、
前記各走査線接続配線は、前記走査線駆動回路と、前記複数の走査線の1つとを電気的に接続しており、
前記走査線駆動回路および前記データ線駆動回路は、前記3以上の分割領域のうち少なくとも1つにおいて他の分割領域と異なるフレーム周波数で画像を表示する、表示装置。
【請求項2】
前記各分割領域の前記走査線駆動回路および前記データ線駆動回路は前記各分割領域を挟んで対向している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記各分割領域の複数の走査線は、隣接する分割領域の前記複数の走査線と接続されていない、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記各走査線接続配線は、前記複数の走査線の1つと接続点において、電気的に接続されており、
前記3以上の分割領域のうち、境界線を挟んで隣接する一対の分割領域の一方内にある複数の前記接続点のうち、1つの接続点と、前記境界線との距離をL1aとし、前記1つの接続点よりも前記表示領域の上端から遠い位置になる他の接続点と、前記境界線との距離をL1bとし、
前記一対の分割領域の他方内にある複数の前記接続点のうち、1つの接続点と、前記境界線との距離をL2aとし、前記1つの接続点よりも前記表示領域の上端から遠い位置になる他の接続点と、前記境界線との距離をL2bとした場合、
(L1b-L1a)×(L2b-L2a)>0
の関係を満たしている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数の走査線接続配線と前記複数のデータ線とは同じレイヤーの金属層によって構成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記3以上の分割領域のうち、境界線を挟んで隣接する一対の分割領域の一方の領域に配置された走査線駆動回路の走査の方向と、前記一対の分割領域の他方の領域に配置された走査線駆動回路の走査の方向とは、互いに異なる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記各走査線接続配線は、前記接続点を超えて第2方向に延伸されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記複数の走査線接続配線のうちの70%以上の走査線接続配線は、前記表示領域の前記第2方向の幅の70%以上の長さを有する、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記複数の画素のそれぞれは、赤画素、緑画素、青画素のいずれかであり、各分割領域において、前記第1方向または前記第2方向に、同じ色の画素画素が配置されており、
前記3以上の分割領域のうち、隣接する一対の分割領域では、前記同じ色の画素が配置されている方向は同じである、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記複数の走査線接続配線は、前記複数の画素のうち、同色の画素の前記第1方向における配列ピッチで前記第1方向に配列されている、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
第1方向に隣接する赤画素、緑画素、青画素のうち、前記青画素または前記赤画素のいずれか一方または両方は、前記複数の走査線接続配線のうちの1つと重なっている、請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示領域に配置され、前記第2方向に伸び、前記第1方向に配列された少なくとも1つのダミー走査線接続配線をさらに備え、前記少なくとも1つのダミー走査線接続配線は、前記走査線駆動回路および前記複数の走査線と接続されていない、請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1方向に伸びる少なくとも1つの共通配線と、
複数の前記ダミー走査線接続配線と
を備え、
前記複数のダミー走査線接続配線は、前記少なくとも1つの共通配線に接続されている、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの共通配線は、前記複数の走査線接続配線と交差している、請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの共通配線は、前記複数のデータ配線と交差している、請求項13に記載の表示装置。
【請求項16】
前記3以上の分割領域のうち、隣接する一対の分割領域の一方に配置された各走査線は、前記一対の分割領域の他方に配置された複数の走査線の1つと、前記第1方向から見て、前記第2方向において重なっている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項17】
前記3以上の分割領域のうち、隣接する一対の分割領域の一方に配置された複数の走査線の数と、前記一対の分割領域の他方に配置された複数の走査線の数が等しい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項18】
前記3以上の分割領域のうち、隣接する一対の分割領域にそれぞれ含まれ、前記第1方向において最も近接した同じ色の一対の画素の間隔をd1とし、隣接する一対の分割領域の一方にそれぞれが含まれており、前記第1方向において最も近接した前記同じ色の一対の画素の間隔をd2とした場合、d1とd2とは等しい、請求項9に記載の表示装置。
【請求項19】
各分割領域において、前記第1方向における最大幅は、前記第2方向における最大高さよりも大きい、請求項1から18のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項20】
前記3以上の分割領域のうち、隣接の二つの分割領域の形状は互いに異なる、請求項1から18のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項21】
前記複数の画素のそれぞれは、前記複数の走査線の1つおよび前記複数のデータ線の1つと接続されたTFTと、前記TFTに接続された画素電極とを備え、
対向基板と、
前記基板と前記対向基板との間に位置する液晶層と、
前記対向基板および前記基板を挟むように位置する一対の偏光板と、
前記一対の偏光板に対向するように配置されたバックライトと、
をさらに備える、請求項1から18のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置や有機EL表示装置などの表示装置は、種々の分野で広く利用されている。例えば、車両分野においては、従来用いられてきた機械式の速度計や回転速度計に代えて表示装置に速度や回転速度などの情報を表示することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1は、運転席の前方に位置し、速度や回転速度などを表示するための表示装置と、助手席側に位置し、地図情報や映画などを表示する表示装置とを備えた車両を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-072294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両に搭載される表示装置の数が多くなると、表示装置による消費電力の増大が問題となる。本開示は、複数の表示領域を備え、消費電力が低減された表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る表示装置は、表示領域と、前記表示領域の周囲に位置する非表示領域とを有する主面を備えた基板であって、前記表示領域は、第1方向に沿って隣接して配置された3以上の分割領域を含む、基板と、各分割領域にそれぞれ配置された複数の走査線であって、前記第1方向に伸び、前記第1方向と交差する第2方向に配列された複数の走査線と、前記各分割領域にそれぞれ配置された複数のデータ線であって、前記第2方向に伸び、前記第1方向に配列された複数のデータ線と、前記各分割領域にそれぞれ配置された複数の画素であって、前記複数のデータ線のうち一対のデータ線および前記複数の走査線のうち一対の走査線に囲まれた領域にそれぞれ配置された複数の画素と、前記各分割領域にそれぞれ配置され、前記第2方向に伸び、前記第1方向に配列された複数の走査線接続配線と、前記各分割領域の複数のデータ線にそれぞれ接続された複数のデータ線駆動回路と、前記各分割領域に対応した複数の走査線駆動回路と、を備える。前記複数の走査線駆動回路および前記複数のデータ線駆動回路は、それぞれ、前記表示領域の外側において前記第1方向に配列されており、前記各走査線接続配線は、前記走査線駆動回路と、前記複数の走査線の1つとを電気的に接続しており、前記走査線駆動回路および前記データ線駆動回路は、前記3以上の分割領域のうち少なくとも1つにおいて他の分割領域と異なるフレーム周波数で画像を表示する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一実施形態によれば、複数の表示領域を備え、消費電力が低減された表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態の表示装置が搭載された車両のダッシュボードを示す模式図である。
図2A図2Aは、表示装置の構成を示す模式的な断面図である。
図2B図2Bは、表示装置の他の構成を示す模式的な断面図である。
図3図3は、基板の平面図である。
図4A図4Aは、アクティブマトリクス基板の模式的な平面図を示す。
図4B図4Bは、アクティブマトリクス基板の他の構成例における模式的な平面図を示す。
図5図5は、画素の構成例を示す回路図である。
図6図6は、各分割領域における走査線、走査線接続配線および接続点CPの配置を示す。
図7図7の(a)から(c)および(d)から(f)は、それぞれ、第1分割領域および第2分割領域の境界線近傍の画素の輝度、印加される走査信号、ならびに、寄生容量および寄生抵抗の等価回路図を示す模式図である。
図8図8の(a)から(c)および(d)から(f)は、それぞれ、第2分割領域および第3に分割領域の境界線近傍の画素の輝度、印加される走査信号、ならびに、寄生容量および寄生抵抗の等価回路図を示す模式図である。
図9図9は、走査線、走査線接続配線および接続点CPの他の配置例を示す。
図10図10の(a)から(c)および(d)から(f)は、それぞれ、図9に示す配置例における第1分割領域および第2分割領域の境界線近傍の画素の輝度、印加される走査信号、ならびに、寄生容量および寄生抵抗の等価回路図を示す模式図である。
図11図11は、走査線、走査線接続配線および接続点CPの他の配置例を示す。
図12図12(a)から(c)および(d)から(f)は、それぞれ図11に示す配置例における第1分割領域および第2分割領域の境界線近傍の画素の輝度、印加される走査信号、ならびに、寄生容量および寄生抵抗の等価回路図を示す模式図である。
図13A図13Aは、アクティブマトリクス基板の一部を拡大して示す平面図である。
図13B図13Bは、アクティブマトリクス基板の他の構成例の一部を拡大して示す平面図である。
図14図14は、隣接する分割領域間における走査線の重なりを説明する図である。
図15図15は、図13のA-A線における液晶表示装置の断面構造の一例を示す。
図16図16は、ダミー走査線接続配線をさらに備えたアクティブマトリクス基板の模式的な拡大平面図である。
図17図17は、走査線駆動回路の他の配置例を示す平面図である。
図18図18は、走査線駆動回路の他の配置例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
車両に搭載される表示装置が複数ある場合、表示領域が繋がるように表示装置を一カ所にまとめて配置できれば、必要に応じて複数の表示領域に一体的な画像を表示するなど、優れた意匠を提供できると考えられる。例えば、特許文献1における速度や回転速度などを表示するための表示装置と、運転席から助手席側に伸び、地図情報や映画などを表示する表示装置とを一体的に構成すれば、優れた内装の意匠を提供したり、優れた表示効果を得ることが可能と考えられる。
一方、表示装置の表示領域の数が増え、表示領域全体の面積が大きくなると、消費電力も増大し得る。ハイブリッド自動車や電気自動車など、モーターを駆動源として使用する車両においては、できるだけ航続距離を長くすることができるよう、表示装置の消費電力は小さいことが好ましい。本開示は、このような課題に鑑み、新規で消費電力の抑制が可能な表示装置を想到した。
【0010】
以下本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。また、以下の説明において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、実施形態および変形例に記載された各構成は、本開示の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されていたり、一部の構成部材が省略されていたりする場合がある。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0011】
図1は、本実施形態の表示装置101が搭載された車両のダッシュボード200を示す模式図である。ダッシュボード200は、車両の室内の前部に位置している。表示装置101は、ダッシュボードの上部において、運転席201から助手席202にかけて配置されている。つまり、表示装置101は、運転席201および助手席202の前方に位置し、一体的な1つの装置である。
【0012】
表示装置101は、種々のフラットディスプレイであってよい。例えば、表示装置101は、液晶表示装置であってもよいし、有機EL表示装置であってもよいし、LED表示装置であってもよいし、電子ペーパなどであってもよい。本実施形態では、表示装置101は、液晶表示装置である。
【0013】
図2Aは、表示装置101が液晶表示装置である場合の構成を示す模式的な断面図である。表示装置101は、液晶パネル50と、制御装置90とを備える。また、液晶パネル50は、アクティブマトリクス基板40と、対向基板80と液晶層81とを備える。
【0014】
アクティブマトリクス基板40は、主面10aを有する基板10を含む。以下において詳細に説明するように主面10aは、表示領域DRと、表示領域DRを囲むように表示領域DRの周囲に位置する非表示領域NRを有する。表示領域DRは画像表示に寄与する領域であり、非表示領域は画像表示を行わない領域である。
【0015】
以下において詳述するように、アクティブマトリクス基板40は、複数の走査線と複数のデータ線と、複数の画素を含む。各画素は、複数の走査線の1つおよび複数のデータ線の1つに接続されている。
【0016】
アクティブマトリクス基板40と対向基板80とは、非表示領域NRに配置されたシール82によって、所定の間隔を設けて貼り合わせられており、アクティブマトリクス基板40と対向基板80との間であって、シール82に囲まれる領域内に液晶層81が配置されている。本実施形態では、対向基板30の液晶層81側の面には、カラーフィルタが設けられている。ただし、カラーフィルタは、アクティブマトリクス基板40に設けられていてもよい。
【0017】
液晶パネル50は、複数の走査線駆動回路60と複数のデータ線駆動回路70とをさらに含む。走査線駆動回路60およびデータ線駆動回路70は、基板10の表示領域DR以外の領域に配置され、走査線およびデータ線をそれぞれ駆動する。本実施形態では、走査線駆動回路60は、非表示領域NRに配置されている。一方、データ線駆動回路70は、フレキシブル基板51上に配置されている。図2Bに示すように、複数のデータ線駆動回路70は、基板10の非表示領域NRに実装されていてもよい。
【0018】
制御装置90は、基板91および基板91に実装されたタイミングコントローラ92を含む。制御装置90はフレキシブル基板51によってアクティブマトリクス基板40と接続されている。タイミングコントローラ92は、外部のホストコンピュータから映像信号を受け取り、走査信号およびデータ信号を生成する。生成した走査信号およびデータ信号は走査線駆動回路60およびデータ線駆動回路70に出力される。
【0019】
表示装置101は、一対の偏光板96と、バックライト95とをさらに備えている。一対の偏光板96は、アクティブマトリクス基板40および対向基板80を挟むように位置している。バックライト95は、一対の偏光板96の1つと対向するように配置されている。
【0020】
図3は、基板10の平面図である。基板10は、縦方向であるy軸方向(第2方向)よりも横方向であるx軸方向(第1方向)に長手方向を有している。基板10の形状は、第1方向が長手である限り、特に制限はなく、例えば矩形であってもよいし、長円や楕円であってもよい。本実施形態では、基板10は、x軸方向が長手方向である矩形において、x軸方向に並ぶ上側の2つの角を丸めた形状を有している。
【0021】
主面10aは、前述したように表示領域DRと、非表示領域NRとを有している。表示領域DRは、本実施形態では、基板10の外形と概ね相似な形状、つまり、x軸方向が長手方向である矩形において、x軸方向に並ぶ上側の2つの角を丸めた形状を有している。非表示領域NRは、表示領域DRの周囲に位置している。本実施形態では、非表示領域NRは、表示領域を囲んでいる。
【0022】
表示領域DRは、x軸方向に沿って隣接して配置された3以上の分割領域を含んでいる。本実施形態では、表示領域DRは、第1分割領域DR1と、第2分割領域DR2と、第3分割領域DR3とを含んでいる。第2分割領域DR2は第1分割領域DR1と第3分割領域DR3との間に位置しており、第3分割領域DR3は、第1分割領域DR1よりもx軸方向においてプラス側に位置している。第1分割領域DR1と第2分割領域DR2とは、境界線BD12によって区切られており、第2分割領域DR2と第3分割領域DR3とは、境界線BD23によって区切られている。境界線BD12および境界線BD23は、y軸方向に平行である。
【0023】
第1分割領域DR1および第3分割領域DR3は、矩形の角の1つが丸まった形状を有しているのに対し、第2分割領域DR2は矩形形状を有している。このため、本実施形態では、表示領域DRにおいて、隣接の二つの分割領域の形状は互いに異なっている。
【0024】
図3に示すように、各分割領域において、x軸方向の最大幅は、y軸方向の最大高さよりも大きい。第1分割領域DR1において最大幅w1は最大高さh1よりも大きい。同様に、第2分割領域DR2において最大幅w2は最大高さh2よりも大きく、第3分割領域DR3において最大幅w3は最大高さh3よりも大きい。つまり、w1>h1、w2>h2、w3>h3の関係をそれぞれ満たしている。また、本実施形態では、h1=h2=h3であり、w3>w1>w2の関係を満たしている。
【0025】
図4Aは、アクティブマトリクス基板40の模式的な平面図を示す。図4Aにおいて、分かりやすさのため、第1分割領域DR1および第2分割領域DR2は矩形で示している。また、説明のため、第1分割領域DR1、第2分割領域DR2および第3分割領域DR3は、同じ形状で示している。
【0026】
アクティブマトリクス基板40は、第1分割領域DR1、第2分割領域DR2および第3分割領域DR3のそれぞれにおいて、複数の走査線GL、複数のデータ線SL、複数の走査線接続配線BLおよび複数の画素PXを備えている。
【0027】
各分割領域において複数の走査線GLは、それぞれx軸方向に伸びており、y軸方向に配列されている。また、複数のデータ線SLは、それぞれy軸方向に伸びており、x軸方向に配列されている。複数の走査線接続配線BLは、それぞれy軸方向に伸びており、x軸方向に配列されている。各分割領域の走査線GLは、隣接する分割領域の走査線GLと接続されていない。
【0028】
図5は、画素PXの構成例を示す回路図である。各画素PXは、複数のデータ線SLのうち一対のデータ線SLおよび前記複数の走査線GLのうち一対の走査線GLに囲まれた領域にそれぞれ配置されている。画素PXは、TFTと画素電極PEとを含む。具体的には、TFTのゲート電極が走査線GLに接続され、ソース電極がデータ線SLに接続され、ドレイン電極が画素電極に接続されている。
【0029】
図4Aに示すように、複数の走査線駆動回路60は、第1分割領域DR1、第2分割領域DR2、第3分割領域DR3にそれぞれ対応して配置されている。また、複数のデータ線駆動回路70も、第1分割領域DR1、第2分割領域DR2、第3分割領域DR3にそれぞれ対応して配置されている。
【0030】
複数の走査線駆動回路60および複数のデータ線駆動回路70のそれぞれは、表示領域DRより外側において、x軸方向に配列されている。本実施形態では、走査線駆動回路60およびデータ線駆動回路70は第1分割領域DR1、第2分割領域DR2、第3分割領域DR3のそれぞれを挟んで位置して、x軸方向に配列されている。走査線駆動回路60は、各分割領域よりもy軸方向においてプラス側に位置する非表示領域NRに配置されている。一方、データ線駆動回路70は、各分割領域よりもy軸方向においてマイナス側に位置する非表示領域NRに接続された、フレキシブル基板51上に配置されている。ただし、図4Bに示すように、複数のデータ線駆動回路70は、非表示領域NRに配置されていてもよい。
【0031】
本実施形態では、走査線駆動回路60は、基板10に一体的に(モノリシックに)形成されている。例えば、走査線駆動回路60は、複数のTFTを含み、これらのTFTと、画素PXのTFTとは同時に形成されている。走査線駆動回路60は、ベアチップやパッケージ化されたチップで構成され、基板10の非表示領域NRに実装されていてもよい。走査線駆動回路60は、ベアチップやパッケージ化されたチップで構成され、フレキシブル基板に実装され、フレキシブル基板を基板10の非表示領域NRに実装してもよい。
【0032】
データ線駆動回路70は、ベアチップやパッケージ化されたチップで構成され、フレキシブル基板51に実装されている。 データ線駆動回路70は、ベアチップやパッケージ化されたチップで構成され、基板10の非表示領域NRに実装されていてもよい。
【0033】
図4Aでは、各分割領域において、走査線駆動回路60のそれぞれは、2つの要素として示されているが、各分割領域の走査線駆動回路数は1であってもよいし、3以上に分割されていてもよい。データ線駆動回路70についても同様であり、各分割領域において、データ線駆動回路70のそれぞれは、4つの要素として示されているが、各分割領域の走査線駆動回路数は1から3または5以上であってもよい。
【0034】
各分割領域において、複数のデータ線SLの一端はそれぞれ非表示領域NRにまで伸ばされており、フレキシブル基板51に形成された配線を介して、データ線駆動回路70に接続されている。また、複数の走査線接続配線BLの一端は、それぞれ非表示領域NRにまで伸ばされており、各分割領域の走査線駆動回路60に接続されている。複数の走査線接続配線BLのそれぞれは、複数の走査線GLの1つと交差する位置に配置される接続点CPにおいて接続されている。本実施形態では、冗長性のため、隣接する一対の走査線接続配線BLが同じ走査線GLに接続されている。隣接する一対の走査線接続配線BLには、同じ走査信号が印加される。このような構成をとることによって、表示装置101の製造時に、一方の走査線接続配線BLが断線したり、走査線接続配線BLと走査線GLとの接続点CPにおける接続が不良であったとしても、他方の走査線接続配線BLによって走査線駆動回路と走査線GLとの接続を確保することができる。
【0035】
走査線接続配線BLは、後述するように画素内に配置されるため、画素の開口率が低下する。このため、y軸方向に配列された画素の開口率が大きく変化しないように、走査線接続配線BLは、走査線駆動回路60側から接続点CPを超えて走査線駆動回路60の反対側までy軸方向に延伸されていることが好ましい。例えば、各分割領域において、複数の走査線接続配線のうちの70%以上の走査線接続配線は、表示領域のy軸方向幅の70%以上の長さを有していることがこのましい。
【0036】
また、隣接する一対の分割領域の一方に配置された複数の走査線GLの数と、一対の分割領域の他方に配置された複数の走査線の数は等しいことが好ましい。これにより、隣接する一対の分割領域において、y軸方向の画素数が等しくなる。各分割領域のy軸方向の高さが等しければ、第1分割領域DR1、第2分割領域DR2および第3分割領域DR3、つまり表示領域DRの全体に一体的な1つの画像を表示させる場合、表示領域内全体において均一な画素密度で画像を表示させることができる。
【0037】
タイミングコントローラ92は、基板91に接続されたフレキシブル基板51および基板10の非表示領域NRに配置された配線21によって、走査線駆動回路60に電気的に接続される。同様に、タイミングコントローラ92は、フレキシブル基板51の配線によって、データ線駆動回路70に電気的に接続される。
【0038】
タイミングコントローラ92は、第1分割領域DR1、第2分割領域DR2、第3分割領域DR3にそれぞれ独立した画像を表示させるため、各分割領域の走査線駆動回路60に走査信号の生成に必要な走査線駆動回路制御信号を出力し、データ線駆動回路70にデータ信号の元となる画像信号を出力する。例えば、第1分割領域DR1に第1画像を表示するために、第1走査線駆動回路制御信号および第1画像信号を走査線駆動回路60およびデータ線駆動回路70へそれぞれ出力する。同様に、第2分割領域DR2に第2画像を表示するために、第2走査線駆動回路制御信号および第2画像信号を走査線駆動回路60およびデータ線駆動回路70へそれぞれ出力する。また、第3分割領域DR3に第3画像を表示するために、第3走査線駆動回路制御信号および第3画像信号を走査線駆動回路60およびデータ線駆動回路70へそれぞれ出力する。図4Aでは、タイミングコントローラ92は1つの要素として示しているが、タイミングコントローラ92は、各分割領域に対応した3つに分かれていてもよい。
【0039】
タイミングコントローラ92は、第1画像、第2画像および第3画像のうち、少なくとも1つが他の2つとは異なるフレーム周波数で表示されるように、各走査線駆動回路制御信号および画像信号を生成し、走査線駆動回路60およびデータ線駆動回路70を制御する。例えば、第1画像は、速度メータ、回転計メータなど自動車の各種メータを表示する画像であり、早い動きの画像が含まれるため、120Hzのフレーム周波数で表示される。第2画像は、カーナビゲーションシステムによる地図情報の画像であり、早い動きの画像変化が少ないため、例えば、10Hzのフレーム周波数で表示される。第3画像は、スポーツの中継画像など一般的なTV、ビデオ映像であり、60Hzのフレーム周波数で表示される。
【0040】
表示装置101によれば、表示領域DRのうちの一部の分割領域において他の領域と異なるフレーム周波数で画像を表示することが可能である。このため、一部の分割領域に表示する画像のフレーム周波数を低くして消費電力の低減を図ることが可能である。また、この時、他の分割領域では高いフレーム周波数で画像を表示することによって早い動きでも滑らかな表示を行うことが可能であり、高品位な表示と、低消費電力を両立させることが可能である。
【0041】
また、複数の走査線駆動回路が、表示領域の外側において、x軸方向に配列されており、データ線と同じ方向に伸びる走査線接続配線を用いて、走査線と走査線駆動回路と電気的に接続しているため、走査線駆動回路を走査線の端部つまり、分領域に対してx軸方向に隣接する位置に配置することが避けられる。これにより、隣接する分割領域を接して配置することができる。よって、分割領域に表示させる画像の切れ目を目立たなくすることができる。例えば、第1画像、第2画像および第3画像で一体的に1つの画像を構成する場合に、分割領域間の画像が表示されない領域を小さくしたり、なくすことができ、優れた表示を行うことができる。
【0042】
上述したように、第1画像、第2画像および第3画像で一体的に1つの画像を構成する場合、つまり、表示領域DR全体で1つの画像を表示する場合には、分割領域の境界で輝度の差異が生じないことが好ましい。このような表示を行るために、走査線接続配線BLと走査線GLとの接続点CPの位置は分割領域間において特定の関係を満たしていることが好ましい。この関係を以下において詳述する。
【0043】
図6は、各分割領域における走査線GL、走査線接続配線BL、および、接続点CPの配置を示している。各分割領域において、配置される複数の接続点CPのうち、ある1つの接続点CP1を決定し、接続点CP1よりも表示領域DRの上端DReから遠い位置に配置された他の接続点CP2を決定する。
【0044】
境界線BD12、BD23を挟んで隣接する一対の分割領域の一方に位置する接続点CP1、CP2と境界線との距離をそれぞれL1a、L1bとし、一対の分割領域の他方に位置する接続点CP1、CP2と境界線との距離をそれぞれL2a、L2bとしする。
【0045】
本実施形態では、距離L1a、L1b、L2a、L2bは下記式(1)の関係を満たしている。
【0046】
(L1b-L1a)×(L2b-L2a)>0 ・・・ (1)
例えば、図6において、第1分割領域DR1と第2分割領域DR2とに配置される接続点CP1、CP2を考える。第1分割領域DR1と第2分割領域DR2との間に位置する境界線BD12と接続点との距離L1a、L1b、L2a、L2bは、第1分割領域DR1においてL1a>L1bであり、第2分割領域DR2においてL2a>L2bである。このため、式(1)の関係を満たしている。
【0047】
同様に第2分割領域DR2と第3分割領域DR3とに配置される接続点CP1、CP2を考える。第2分割領域DR2と第3分割領域DR3との間に位置する境界線BD23と接続点との距離L1a、L1b、L2a、L2bは、第2分割領域DR2においてL1a<L1bであり、第3分割領域DR3においてL2a<L2bである。このため、式(1)の関係を満たしている。
【0048】
つまり、接続点CP1およびCP2と境界線との距離との関係が、L1a>L1bまたはL2a>L2bの時の接続点の配置パターンをAとし、L1a<L1bまたはL2a<L2bの時の接続点の配置パターンをBとすれば、境界線の左側と右側とにおいて、AAまたはBBの配置パターンは式(1)の関係を満たしている。
【0049】
走査線接続配線BLおよび走査線GLには、走査線駆動回路から出力される各画素PXをON/OFFするための走査信号が印加される。この走査信号は、走査線駆動回路から出力時には、パルス波形を有している。しかし、走査線駆動回路から、画素PXまでの距離に応じた寄生抵抗および寄生容量によって、波形がなまり、画素PXがONとなる実効的な時間は短くなる。その結果、寄生抵抗および寄生量に応じて画素の輝度が低下する。境界線を挟んで隣接する2つの分領域において、それぞれの分割領域の境界線の最も近い画素における寄生抵抗および寄生容量の影響は以下のように評価できる。
【0050】
図7に示すように、各分割領域において、走査線GLおよび走査線接続配線BLを4つに分割し、分割した部分の寄生抵抗をそれぞれRgおよびRbとし、寄生容量をそれぞれCgおよびCbとする。
【0051】
図7の(a)、(b)、(c)は、第1分割領域DR1において、図7の(d)、(e)、(f)は、第2分割領域DR2において、走査線接続配線BLおよび走査線GLにおける接続点CPの位置と、走査線駆動回路から境界線DB12に隣接した画素までに位置し、走査線に影響する寄生抵抗Rg、Rbおよび寄生容量Cg、Cbを模式的に示している。(a)および(d)は、それぞれの分割領域のy軸方向における上部における走査線GLを示し、(b)および(e)は、それぞれの分割領域のy軸方向における中央部における走査線GLを示し、(c)および(f)は、それぞれの分割領域のy軸方向における下部における走査線GLを示している。
【0052】
図7に示すように、境界線DB12に隣接した画素に影響する寄生抵抗および寄生容量は、Rg/CgとRb/Cbとが等しいと仮定すれば、(a)から(f)のいずれにおいても、Rg/CgまたはRb/Cbの4個分である。このため、第1分割領域DR1において境界線DB12に最も近接した画素、および、第2分割領域DR2において境界線DB12に最も近接した画素に印加される走査信号の波形のなまりは同程度となり、寄生抵抗および寄生容量の影響を同程度に受ける。よって、寄生抵抗および寄生容量による画素の輝度低下も同程度となり、同程度の輝度で画素が発光する。図7および以下の図8図10図12において、網掛けの矩形は画素の輝度を示し、網掛けが薄いほど高い輝度であることを示す。よって、境界線BD12を挟む画素の輝度差は小さく、境界線がほとんど目立たない。また、第1分割領域DR1内において、境界線DB12に隣接する画素の輝度は、y軸方向の位置にかかわらず、ほぼ同じである。
【0053】
図8は、第2分割領域DR2と第3分割領域DR3における境界線BD23に隣接する画素への寄生抵抗および寄生容量の影響を説明する図である。第2分割領域DR2および第3分割領域DR3では、y軸方向の位置によって画素が受ける寄生抵抗および寄生容量の影響は異なる。つまり、画素が下方に位置するほど、つまり、y軸方向に沿ってマイナス側に位置するほど、寄生抵抗および寄生容量の影響は大きくなる。
【0054】
具体的には、(a)および(d)に示すように、それぞれの分割領域のy軸方向における上部における走査線GLに接続された画素は、Rg/CgまたはRb/Cbの2個分の寄生抵抗および寄生容量の影響を受ける。(b)および(e)に示すように、それぞれの分割領域のy軸方向における中央部における走査線GLに接続された画素は、Rg/CgまたはRb/Cbの4個分の寄生抵抗および寄生容量の影響を受ける。また、(c)および(f)に示すように、それぞれの分割領域のy軸方向における下部における走査線GLに接続された画素は、Rg/CgまたはRb/Cbの6個分の寄生抵抗および寄生容量の影響を受ける。
【0055】
このため、第2分割領域DR2と第3分割領域DR3のそれぞれにおいて、境界線BD23に隣接する画素は、下の方向位置するほど、印加される走査信号の波形のなまりは大きくなり、画素の輝度は低くなる。しかし、y軸方向の位置が同じであれば、第2分割領域DR2と第3分割領域DR3とで、境界線DB12に最も近接した画素が受ける寄生抵抗および寄生容量の影響は同程度である。このため、境界線BD23を挟む画素の輝度差は小さく、境界線がほとんど目立たない。
【0056】
図9は、距離L1a、L1b、L2a、L2bが式(1)を満たしていない例を示す。
図9に示すように境界線BD12に対して、例えば、第1分割領域DR1では、L1a>L1bの関係を満たし、第2分割領域DR2ではL2a<L2bの関係を満たしているとする。つまりABの配置パターンを満たしている。この場合、図10の(a)および(d)に示すように、y軸方向の上部では、第1分割領域DR1の境界線BD12に隣接した画素の方が第2分割領域DR2の境界線BD12に隣接した画素よりも寄生抵抗および寄生容量の影響を大きく受け、輝度が低下する。このため、輝度差による境界線BD12が目立つ。
【0057】
また、図10の(c)および(f)に示すようにy軸方向の下部では、第2分割領域DR2の境界線BD12に隣接した画素の方が第1分割領域DR1の境界線BD12に隣接した画素よりも寄生抵抗および寄生容量の影響を大きく受け、輝度が低下する。このため、輝度差による境界線BD12が目立つ。
【0058】
また、図11に示すように境界線BD12に対して、例えば、第1分割領域DR1では、L1a<L1bの関係を満たし、第2分割領域DR2ではL2a>L2bの関係を満たしているとする。つまりBAの配置パターンを満たしている。
この場合も、図12の(a)および(d)に示すように、y軸方向の上部では、第2分割領域DR2の境界線BD12に隣接した画素の方が第1分割領域DR1の境界線BD12に隣接した画素よりも寄生抵抗および寄生容量の影響を大きく受け、輝度が低下する。このため、輝度差による境界線BD12が目立つ。
【0059】
また、図12の(c)および(f)に示すようにy軸方向の下部では、第1分割領域DR1の境界線BD12に隣接した画素の方が第2分割領域DR2の境界線BD12に隣接した画素よりも寄生抵抗および寄生容量の影響を大きく受け、輝度が低下する。このため、輝度差による境界線BD12が目立つ。
【0060】
このように表示装置101によれば、走査線GLと走査線接続配線BLとの接続点の位置が、式(1)の関係を満たすことによって、隣接する2つの分割領域の境界近傍において、寄生抵抗および寄生容量の影響による画素の輝度低下の影響を抑制し、2つの分割領域の境界で輝度の差異(輝度別れ)が生じにくい表示が可能となる。
【0061】
本実施形態では、分割領域はx軸方向に沿って3つ配置されているが、4つ以上配置する場合でも、境界線を挟む2つの分割領域における接続点の配置パターンを、AA、BB、AA、BB・・・と繰り返すことによって、いずれの境界線においても輝度の差異が生じにくい画像表示が可能でとなる。また、本実施形態では、第1分割領域と第2分割領域とにおいて、接続点の配置パターンはAAであるが、BBであってもよい。この場合、第2分割領域と第3分割領域とにおいて、接続点の配置パターンは、AAである。
【0062】
なお、隣接する2つの分割領域における接続点の配置が式(1)を満たしている場合、走査線駆動回路60が走査線接続配線BLを走査する方向は、境界線を挟んで隣接する一対の分割領域の一方の領域に配置された走査線駆動回路の走査の方向と、他方の領域に配置された走査線駆動回路の走査の方向とが互いに異なることが好ましい。このように、走査の方向を決定することによって、隣接する2つの分割領域における走査線の走査方向が互いに等しくなる。具体的には、隣接する一対の分割領域の一方の領域における走査線が上から下に向かって走査される場合、他方の領域における走査線も上から下に向かって走査される。また、隣接する一対の分割領域の一方の領域における走査線が下から上に向かって走査される場合、他方の領域における走査線も下から上に向かって走査される。
【0063】
また、L1a>L1bおよびL2a>L2bの関係を満たしている場合において、隣接する一対の分割領域の走査線駆動回路が境界線へ向かう方向にそれぞれ走査線接続配線を走査することによって、一対の分割領域の走査線GLは、それぞれ上から下に向かって走査される。また、L1a<L1bおよびL2a<L2bの関係を満たしている場合において、隣接する一対の分割領域の走査線駆動回路が境界線から遠ざかる方向にそれぞれ走査線接続配線を走査することによって、一対の分割領域の走査線GLは、それぞれ上から下に向かって走査される。
【0064】
次に表示装置101における画素の具体的な構成の例を説明する。図13Aは、表示装置101のアクティブマトリクス基板40の一部を拡大して示す平面図である。図13Aに示すように複数の画素PXのそれぞれは、本実施形態では、赤画素(Rで示す)、緑画素(Gで示す)、青画素(Bで示す)のいずれかである。また、y軸方向には同じ色の画素が配置されており、x軸方向には、赤画素、緑画素、青画素がこの順で繰り返して配置されている。複数の画素の配置はこの例に限らず、さらに黄画素や白画素を含んでいてもよい。また、各画素の配置はベイヤー配列に従っていてもよい。
さらに、x軸方向には同じ色の画素が配置されており、y軸方向には、赤画素、緑画素、青画素がこの順で繰り返して配置された、図13Bに示すような構成でもよい。この構成の場合、走査線を赤画素、緑画素、青画素で分離し、図13Aに示す構成と比較して3倍の速さで走査する必要があるものの、データ線を赤画素、緑画素、青画素で共有するため、高価なデータ線駆動回路の数を3分の1に削減できる。
またx軸方向に同じ色の画素が並んでいることから、液晶表示装置が、対向基板にカラーフィルタが配置される構造を備えている場合には、アクティブマトリクス基板と対向基板とのx軸方向における位置ずれによる色ずれが抑制できる。たとえば、このような表示装置がx軸方向に沿って湾曲している場合、アクティブマトリクス基板と対向基板の曲率半径が異なることによって、アクティブマトリクス基板における画素の位置と、対向基板における画素の位置とがx軸方向にずれる。しかし、x軸方向には同じ色の画素が配置されているので、位置がずれても、異なる色で表示されることが抑制される。
【0065】
アクティブマトリクス基板40において、隣接する一対の分割領域にそれぞれ含まれ、x軸方向において最も近接した同じ色の一対の画素の間隔をd1とし、隣接する一対の分割領域の一方にそれぞれが含まれており、x軸方向において最も近接した同じ色の一対の画素の間隔をd2とした場合、d1とd2とは等しいことが好ましい。例えば、図13Aおよび図13Bに示すように、第1分割領域DR1において境界線BD12にもっと近接した緑画素と、第2分割領域DR2において境界線BD12にもっと近接した 緑画素との距離をd1とし、第1分割領域DR1のx軸方向において、最も近接している2つの緑画素の距離をd2とした場合d1=d2である。第2分割領域DR2のx軸方向において、最も近接している2つの緑画素の距離をd2’とした場合、d1=d2=d2’であることがより好ましい。
【0066】
この関係を満たすことによって、境界線BD12を挟む2つの画素間に余分なスペースが配置されることなく、第1分割領域DR1と第2分割領域DR2とがx軸方向に連続する。このため、第1分割領域DR1と第2分割領域DR2とに連続する画像を一体的に表示させる場合、分割領域の区切れ目が生じることがなく、優れた表示を行うことができる。
【0067】
また、隣接する一対の分割領域の一方に配置された各走査線は、他方に配置された複数の走査線の1つと、x軸方向から見て、y軸方向において重なっていることがこのましい。例えば、図14に示すように、第1分割領域DR1の走査線GLは、第2分割領域DR2の走査線GLと、y軸方向において、斜線で示す領域で重なっている。つまり、第1分割領域DR1の走査線GLと第2分割領域DR2の走査線GLとのy軸方向のずれ量Peは、走査線GLの幅Wgよりも小さい(Pe<Wg)ことが好ましい。より好ましくは、Pe<1/2Wgを満たしている。第2分割領域DR2と第3分割領域DR3とに配置される走査線GLについても同様の関係を満たしていることが好ましい。
【0068】
このように走査線GLを配置することによって、第1分割領域DR1の画素と第2分割領域DR2の画素とが、境界線BD12において、y軸方向にずれることが抑制される。よって、第1分割領域DR1と第2分割領域DR2とに連続する画像を一体的に表示させる場合、分割領域の区切れ目が生じることがなく、優れた表示を行うことができる。同様に、第2分割領域DR2の画素と第3分割領域DR3の画素とが、境界線BD23において、y軸方向にずれることが抑制される。したがって、第1分割領域DR1、第2分割領域DR2および第3分割領域DR3に連続する画像を一体的に表示させる場合、分割領域の区切れ目が生じることがなく、さらに優れた表示を行うことができる。
【0069】
各分割領域において、複数の走査線接続配線BLは、複数の画素PXのうち、同色の画素のx軸方向における配列ピッチでx軸方向に配列されている。例えば図13Aに示すように第1分割領域DR1において、緑画素のx軸方向の配列ピッチはd2であるので、走査線接続配線BLの配列ピッチp1は、d2に等しい。第2分割領域DR2においても同様に、走査線接続配線BLの配列ピッチp2は、d2’に等しい。
【0070】
また、各走査線接続配線BLは、x軸方向に隣接する赤画素、緑画素、青画素のうち、青画素または赤画素のいずれか一方または両方と重なっていることが好ましい。図13Aに示す例では、走査線接続配線は、青画素と重なっており、青画素に配置されている。前述したように走査線接続配線BLを配置することによって走査線接続配線BLが配置された画素の開口率は低下する。赤、青、緑のうち、人間の目には緑の視感度が赤および青に比べて高いため、緑画素に走査線接続配線BLを配置して開口率を低下させると輝度の低下を強く感じる。このため、開口率の低下に伴う輝度への影響が比較的小さい赤画素または青画素に走査線接続配線BLを配置することによって、開口率の低下による輝度への影響をより抑制することができる。
【0071】
図15は、図13AのA-A線における液晶表示装置の断面構造の一例を示す。アクティブマトリクス基板40において、基板10上に第1絶縁層11が配置され、第1絶縁層11上に、データ線SLと、走査線接続配線BLとが配置されている。データ線SLおよび走査線接続配線BLは、y軸方向に伸びており、互いに交差することがない。このため、同じレイヤーの金属層によって構成することができる。例えば、第1絶縁層11を覆うように金属層を形成し、パターニングを行うことによって、データ線SLおよび走査線接続配線BLを同時に形成することができる。
【0072】
データ線SLおよび走査線接続配線BLを覆って第1絶縁層11上に第2絶縁層12が配置され、第2絶縁層12の凹凸を平坦化する層間絶縁層13が第2絶縁層12上に配置されている。層間絶縁層13上には画素電極PEが配置されて、画素電極PEを覆うように第3絶縁層14が配置されている。さらに第3絶縁層上に共通電極15が配置されている。
【0073】
対向基板80が所定の間隔を隔ててアクティブマトリクス基板40に対応して配置されて、対向基板80とアクティブマトリクス基板40との間に液晶層81が配置されている。
【0074】
このように走査線接続配線BLは、データ線SLと同じレイヤーの金属層によって形成できるため、製造工程を増やすことなく走査線接続配線を形成することが可能である。
【0075】
上述したように、走査線接続配線BLは、同色の画素のx軸方向における配列ピッチと同じピッチでx軸方向に配列されていることが好ましい。この配置に従う場合、x軸方向に隣接する赤、青、緑画素を1つのセットとした画素数がy軸方向の画素数よりも多い場合、走査線接続配線BLが配置されない画素が生じる。この場合、走査線接続配線BLが配置されない画素の開口率が高くなってしまい、各分割領域における画素の開口率が均一ではなくなってしまう。
【0076】
このような場合には、アクティブマトリクス基板40は、y軸方向に伸び、x軸方向に配列された少なくとも1つのダミー走査線接続配線をさらに備えていてもよい。図16は、ダミー走査線接続配線DLをさらに備えたアクティブマトリクス基板40’の模式的な拡大平面図である。走査線接続配線BLおよびダミー走査線接続配線DLは、x軸方向において、上述した走査線接続配線BLの配列ピッチp1で配置されている。つまり、走査線接続配線BLが青画素に配置されている場合には、ダミー走査線接続配線DLも青画素に配置されている。
【0077】
これによって、青画素には、走査線GLまたはダミー走査線接続配線DLのいずれかが配置されることになる。よって青画素の開口率が場所によって異なり得ることを避けることができる。
【0078】
ダミー走査線接続配線DLは、走査線GLの駆動には関与しないため、走査線駆動回路60にも走査線GLにも接続されていない。ただし、いずれの電位にも接続されていない浮遊電極となると、静電気が蓄積したり、ダミー走査線接続配線DL間で蓄積する電荷量の差異による電位差が生じるなどの課題が生じる可能性がある。このため、アクティブマトリクス基板40はさらにx軸方向に伸びるすくなくとも1つの共通配線CLを備えており、各ダミー走査線接続配線DLは、少なくとも1つの共通配線CLに接続されていることが好ましい。共通配線CLは基準電位など所定の電位が与えられる電極に接続されている。複数のダミー走査線接続配線DLは同じ共通配線CLに接続されていてもよい。
【0079】
共通配線CLは、例えば、走査線接続配線BLと交差している。また、共通配線CLは、データ配線と交差している。
【0080】
このように、走査線接続配線BLを配置しない画素にダミー走査線接続配線DLを配置することによって、画素の開口率を一定にすることができる。
また、x軸方向に隣接する赤、青、緑画素を1つのセットとした画素数がy軸方向の画素数の2倍以上である場合、図4Aで示したように走査線接続配線に冗長性を持たせ、隣接する2本の走査線接続配線BLが同じ走査線GLに接続される構成を採用し、さらに必要に応じてダミー走査線DLを設けてもよい。
【0081】
本開示の表示装置101には種々の改変が可能である。まず、上記実施形態では、表示装置は液晶表示装置であるが、上述したように有機EL表示装置など他の構造を備える表示装置であってよい。走査線に選択的に走査信号を印加することによって選択された走査線に接続された画素をONにし、データ線から供給されるデータ信号にしたがった輝度で各画素が点灯する種々の構造の表示装置に本開示の表示装置は好適に用いることができる。
【0082】
また、本実施形態では、走査線駆動回路60およびデータ線駆動回路70は、各分割領域をはさんで対向していた。しかし、走査線駆動回路60は、各分割領域に対してデータ線駆動回路70と同じ側に配置されていてもよい。
【0083】
例えば、図17に示すように、走査線駆動回路は、データ線駆動回路と同じフレキシブル基板51に配置してもよい。この場合、例えば、複数のデータ線のうち、赤画素、緑画素および青画素を駆動するデータ線をそれぞれSLr、SLg、SLbとすると、各走査線接続配線BLは、赤画素を駆動するためのデータ線SLrに隣接して配置してもよい。例えば、フレキシブル基板51の表面側にデータ線SLr、SLg、SLbと接続する配線を配置し、裏面側に走査線接続配線BLをと接続する配線を配置してもよい。
【0084】
また、図18に示すように、走査線駆動回路とデータ線駆動回路とを1つのパッケージに収めた駆動回路65を構成し、フレキシブル基板51に配置してもよい。つまり、駆動回路65は、走査線駆動回路とデータ線駆動回路とを兼ねていてもよい。駆動回路65は、例えば図17と同様、x軸方向において、データ線SLr、SLg、SLb、走査線接続配線BLの順でデータ線SLおよび走査線接続配線BLが配置され、駆動回路65と接続されていてもよい。
【0085】
また、表示領域DRの形状やサイズ、表示領域DRに含まれる分割領域の数は、一例であって、形状、サイズ、数は、上記実施形態に限られない。
【0086】
本開示の表示装置は以下のようにも説明することができる。本開示の第1の構成に係る表示装置は、
表示領域と、表示領域の周囲に位置する非表示領域とを有する主面を備えた基板であって、表示領域は、第1方向に沿って隣接して配置された3以上の分割領域を含む、基板と、
各分割領域にそれぞれ配置された複数の走査線であって、第1方向に伸び、第1方向と交差する第2方向に配列された複数の走査線と、
各分割領域にそれぞれ配置された複数のデータ線であって、第2方向に伸び、第1方向に配列された複数のデータ線と、
各分割領域にそれぞれ配置された複数の画素であって、複数のデータ線のうち一対のデータ線および複数の走査線のうち一対の走査線に囲まれた領域にそれぞれ配置された複数の画素と、
各分割領域にそれぞれ配置され、第2方向に伸び、第1方向に配列された複数の走査線接続配線と、
各分割領域の複数のデータ線にそれぞれ接続された複数のデータ線駆動回路と、
各分割領域に対応した複数の走査線駆動回路と、
を備え、
複数の走査線駆動回路および複数のデータ線駆動回路のそれぞれは、表示領域の外側において第1方向に配列されており、
各走査線接続配線は、走査線駆動回路と、複数の走査線の1つとを電気的に接続しており、
走査線駆動回路およびデータ線駆動回路は、3以上の分割領域のうち少なくとも1つにおいて他の分割領域と異なるフレーム周波数で画像を表示する。
【0087】
第1の構成によれば、表示領域の一部を異なるフレーム周波数で駆動できるため、消費電力の低減を図ることができる。また、走査線駆動回路およびデータ線駆動回路が第1方向に配列しているため、隣接する分割領域を接して配置することができ、分割領域に表示させる画像の切れ目を目立たなくすることができる。
【0088】
第2の構成に係る表示装置は、第1の構成において、各分割領域の走査線駆動回路およびデータ線駆動回路は各分割領域を挟んで対向していてもよい。
【0089】
第3の構成に係る表示装置は、第1または第2の構成において、各分割領域の複数の走査線は、隣接する分割領域の複数の走査線と接続されていなくてもよい。
【0090】
第4の構成に係る表示装置は、第1~第3の構成のいずれか1つにおいて、
各走査線接続配線は、複数の走査線の1つと接続点において、電気的に接続されており、
3以上の分割領域のうち、境界線を挟んで隣接する一対の分割領域の一方内にある複数の接続点のうち、1つの接続点と、境界線との距離をL1aとし、1つの接続点よりも表示領域の上端から遠い位置になる他の接続点と、境界線との距離をL1bとし、
一対の分割領域の他方内にある複数の接続点のうち、1つの接続点と、境界線との距離をL2aとし、1つの接続点よりも表示領域の上端から遠い位置になる他の接続点と、境界線との距離をL2bとした場合、
【0091】
(L1b-L1a)×(L2b-L2a)>0
の関係を満たしていてもよい。この関係を満たすことによって、境界部分の輝度別れが生じない表示が可能となる。
【0092】
第5の構成に係る表示装置は、第1~第4の構成のいずれか1つにおいて、複数の走査線接続配線と複数のデータ線とは同じレイヤーの金属層によって構成されていてもよい。
この構成によれば、製造工程を増やすことなく走査線接続配線を形成できる。
【0093】
第6の構成に係る表示装置は、第1~第5の構成のいずれか1つにおいて、3以上の分割領域のうち、境界線を挟んで隣接する一対の分割領域の一方の領域に配置された走査線駆動回路の走査の方向と、一対の分割領域の他方の領域に配置された走査線駆動回路の走査の方向とは、互いに異っていてもよい。これにより、境界部分の輝度別れが生じない走査を行うことができる。
【0094】
第7の構成に係る表示装置は、第1~第6の構成のいずれか1つにおいて、各走査線接続配線は、接続点を超えて第2方向に延伸されていてもよい。
【0095】
第8の構成に係る表示装置は、第7の構成において、複数の走査線接続配線のうちの70%以上の走査線接続配線は、表示領域の第2方向の幅の70%以上の長さを有していてもよい。
【0096】
第9の構成に係る表示装置は、第1~第8の構成のいずれか1つにおいて、複数の画素のそれぞれは、赤画素、緑画素、青画素のいずれかであり、第2方向には同じ色の画素が配置されていてもよい。
【0097】
第10の構成に係る表示装置は、第1~第9の構成のいずれか1つにおいて、複数の走査線接続配線は、複数の画素のうち、同色の画素の第1方向における配列ピッチで第1方向に配列されていてもよい。
【0098】
第11の構成に係る表示装置は、第1~第10の構成のいずれか1つにおいて、第1方向に隣接する赤画素、緑画素、青画素のうち、青画素または赤画素のいずれか一方または両方は、複数の走査線接続配線のうちの1つと重なっていてもよい。
【0099】
第12の構成に係る表示装置は、第1~第11の構成のいずれか1つにおいて、表示領域に配置され、第2方向に伸び、第1方向に配列された少なくとも1つのダミー走査線接続配線をさらに備え、少なくとも1つのダミー走査線接続配線は、走査線駆動回路および複数の走査線と接続されていなくてもよい。ダミー走査線接続配線を配置することによって、各画素の開口率を揃えることができる。
【0100】
第13の構成に係る表示装置は、第1~第12の構成のいずれか1つにおいて、第1方向に伸びる少なくとも1つの共通配線と、複数のダミー走査線接続配線とを備え、複数のダミー走査線接続配線は、少なくとも1つの共通配線に接続されていてもよい。
【0101】
第14の構成に係る表示装置は、第13の構成において、少なくとも1つの共通配線は、複数の走査線接続配線と交差していてもよい。
【0102】
第15の構成に係る表示装置は、第13または第14の構成において、少なくとも1つの共通配線は、複数のデータ配線と交差していてもよい。
【0103】
第16の構成に係る表示装置は、第1~第15の構成のいずれか1つにおいて、3以上の分割領域のうち、隣接する一対の分割領域の一方に配置された各走査線は、一対の分割領域の他方に配置された複数の走査線の1つと、第1方向から見て、第2方向において重なっていてもよい。
【0104】
第17の構成に係る表示装置は、第1~第16の構成のいずれか1つにおいて、3以上の分割領域のうち、隣接する一対の分割領域の一方に配置された複数の走査線の数と、一対の分割領域の他方に配置された複数の走査線の数が等しくてもよい。
【0105】
第18の構成に係る表示装置は、第1~第17の構成のいずれか1つにおいて、3以上の分割領域のうち、隣接する一対の分割領域にそれぞれ含まれ、第1方向において最も近接した同じ色の一対の画素の間隔をd1とし、隣接する一対の分割領域の一方にそれぞれが含まれており、第1方向において最も近接した同じ色の一対の画素の間隔をd2とした場合、d1とd2とは等しくてもよい。境界を挟む画素のピッチが分割領域内の画素のピッチと等しいので、分割領域全体の画素のピッチが等しく境界が生じない。つまり、分割領域全体で1つの連続した画像を表示できる。
【0106】
第19の構成に係る表示装置は、第1~第18の構成のいずれか1つにおいて、各分割領域において、第1方向における最大幅は、第2方向における最大高さよりも大きくてもよい。
【0107】
第20の構成に係る表示装置は、第1~第19の構成のいずれか1つにおいて、3以上の分割領域のうち、隣接の二つの分割領域の形状は互いに異なっていてもよい。
【0108】
第21の構成に係る表示装置は、第1~第20の構成のいずれか1つにおいて、
複数の画素のそれぞれは、複数の走査線の1つおよび複数のデータ線の1つと接続されたTFTと、TFTに接続された画素電極とを備え、
対向基板と、
基板と対向基板との間に位置する液晶層と、
対向基板および基板を挟むように位置する一対の偏光板と、
一対の偏光板に対向するように配置されたバックライトと、
をさらに備えていてもよい。
【符号の説明】
【0109】
10…基板、10a…主面、11…第1絶縁層、12…第2絶縁層、13…層間絶縁層、14…第3絶縁層、15…共通電極、21…配線、30…対向基板、31…液晶層、40,40’…アクティブマトリクス基板、50…液晶パネル、51…フレキシブル基板、60…走査線駆動回路、65…駆動回路、70…データ線駆動回路、80…対向基板、81…液晶層、82…シール、83…カラーフィルタ、90…制御装置
91…基板、92…タイミングコントローラ、95…バックライト、96…偏光板、101…表示装置、200…ダッシュボード、201…運転席、202…助手席、BD12…境界線、BD12,BD23…境界線、BL…走査線接続配線、CL…共通配線、CP,CP1,CP2…接続点、Cb…寄生容量、Cg…寄生容量、DL…ダミー走査線接続配線、DR…表示領域、DR1…第1分割領域、DR2…第2分割領域、DR3…第3分割領域、DRe…上端、GL…走査線、H1,H2,H3…最大高さ、L1a,L1b,l2a,L2b…距離、NR…非表示領域、PE…画素電極、PX…画素、Rb…寄生抵抗
Rg…寄生抵抗、SL,SLb,SLg,SLr…データ線、W1,W2,W3…最大幅
p1,p2:配列ピッチ
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2024-09-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と、前記表示領域の周囲に位置する非表示領域とを有する主面を備えた基板であって、前記表示領域は、第1方向に沿って隣接して配置された3以上の分割領域を含む、基板と、
各分割領域にそれぞれ配置された複数の走査線であって、前記第1方向に伸び、前記第1方向と交差する第2方向に配列された複数の走査線と、
前記各分割領域にそれぞれ配置された複数のデータ線であって、前記第2方向に伸び、前記第1方向に配列された複数のデータ線と、
前記各分割領域にそれぞれ配置された複数の画素であって、前記複数のデータ線のうち一対のデータ線および前記複数の走査線のうち一対の走査線に囲まれた領域にそれぞれ配置された複数の画素と、
前記各分割領域にそれぞれ配置され、前記第2方向に伸び、前記第1方向に配列された複数の走査線接続配線と、
前記各分割領域の複数のデータ線にそれぞれ接続された複数のデータ線駆動回路と、
前記各分割領域に対応した複数の走査線駆動回路と、
を備え、
前記複数の走査線駆動回路および前記複数のデータ線駆動回路は、それぞれ前記表示領域の外側において、前記第1方向に配列されており、
前記各走査線接続配線は、前記走査線駆動回路と、前記複数の走査線の1つとを電気的に接続しており、
前記走査線駆動回路および前記データ線駆動回路は、前記3以上の分割領域のうち少なくとも1つにおいて他の分割領域と異なるフレーム周波数で画像を表示する、表示装置。
【請求項2】
前記各分割領域の前記走査線駆動回路および前記データ線駆動回路は前記各分割領域を挟んで対向している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記各分割領域の複数の走査線は、隣接する分割領域の前記複数の走査線と接続されていない、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記各走査線接続配線は、前記複数の走査線の1つと接続点において、電気的に接続されており、
前記3以上の分割領域のうち、境界線を挟んで隣接する一対の分割領域の一方内にある複数の前記接続点のうち、1つの接続点と、前記境界線との距離をL1aとし、前記1つの接続点よりも前記表示領域の上端から遠い位置になる他の接続点と、前記境界線との距離をL1bとし、
前記一対の分割領域の他方内にある複数の前記接続点のうち、1つの接続点と、前記境界線との距離をL2aとし、前記1つの接続点よりも前記表示領域の上端から遠い位置になる他の接続点と、前記境界線との距離をL2bとした場合、
(L1b-L1a)×(L2b-L2a)>0
の関係を満たしている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数の走査線接続配線と前記複数のデータ線とは同じレイヤーの金属層によって構成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記3以上の分割領域のうち、境界線を挟んで隣接する一対の分割領域の一方の領域に配置された走査線駆動回路の走査の方向と、前記一対の分割領域の他方の領域に配置された走査線駆動回路の走査の方向とは、互いに異なる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記各走査線接続配線は、前記接続点を超えて第2方向に延伸されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記複数の走査線接続配線のうちの70%以上の走査線接続配線は、前記表示領域の前記第2方向の幅の70%以上の長さを有する、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記複数の画素のそれぞれは、赤画素、緑画素、青画素のいずれかであり、各分割領域において、前記第1方向または前記第2方向に、同じ色の画素が配置されており、
前記3以上の分割領域のうち、隣接する一対の分割領域では、前記同じ色の画素が配置されている方向は同じである、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記複数の走査線接続配線は、前記複数の画素のうち、同色の画素の前記第1方向における配列ピッチで前記第1方向に配列されている、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
第1方向に隣接する赤画素、緑画素、青画素のうち、前記青画素または前記赤画素のいずれか一方または両方は、前記複数の走査線接続配線のうちの1つと重なっている、請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示領域に配置され、前記第2方向に伸び、前記第1方向に配列された少なくとも1つのダミー走査線接続配線をさらに備え、前記少なくとも1つのダミー走査線接続配線は、前記走査線駆動回路および前記複数の走査線と接続されていない、請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1方向に伸びる少なくとも1つの共通配線と、
複数の前記ダミー走査線接続配線と
を備え、
前記複数のダミー走査線接続配線は、前記少なくとも1つの共通配線に接続されている、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの共通配線は、前記複数の走査線接続配線と交差している、請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの共通配線は、前記複数のデータ線と交差している、請求項13に記載の表示装置。
【請求項16】
前記3以上の分割領域のうち、隣接する一対の分割領域の一方に配置された各走査線は、前記一対の分割領域の他方に配置された複数の走査線の1つと、前記第1方向から見て、前記第2方向において重なっている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項17】
前記3以上の分割領域のうち、隣接する一対の分割領域の一方に配置された複数の走査線の数と、前記一対の分割領域の他方に配置された複数の走査線の数が等しい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項18】
前記3以上の分割領域のうち、隣接する一対の分割領域にそれぞれ含まれ、前記第1方向において最も近接した同じ色の一対の画素の間隔をd1とし、隣接する一対の分割領域の一方にそれぞれが含まれており、前記第1方向において最も近接した前記同じ色の一対の画素の間隔をd2とした場合、d1とd2とは等しい、請求項9に記載の表示装置。
【請求項19】
各分割領域において、前記第1方向における最大幅は、前記第2方向における最大高さよりも大きい、請求項1から18のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項20】
前記3以上の分割領域のうち、隣接の二つの分割領域の形状は互いに異なる、請求項1から18のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項21】
前記複数の画素のそれぞれは、前記複数の走査線の1つおよび前記複数のデータ線の1つと接続されたTFTと、前記TFTに接続された画素電極とを備え、
対向基板と、
前記基板と前記対向基板との間に位置する液晶層と、
前記対向基板および前記基板を挟むように位置する一対の偏光板と、
前記一対の偏光板に対向するように配置されたバックライトと、
をさらに備える、請求項1から18のいずれか1項に記載の表示装置。