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特開2024-158997司法判断支援装置、司法判断支援方法及び司法判断支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158997
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】司法判断支援装置、司法判断支援方法及び司法判断支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20241031BHJP
【FI】
G06Q50/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074696
(22)【出願日】2023-04-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
(72)【発明者】
【氏名】坂田 大
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC32
5L050CC32
(57)【要約】
【課題】公正な司法判断を支援する。
【解決手段】司法判断支援装置は、法律に関する法律データ、判決に関する判決データ、事件に関する事件データ、及び裁判に関する裁判データの少なくとも一つを取得する取得部と、取得部によって取得された法律データ、判決データ、事件データ及び裁判データの少なくとも一つに基づいて司法判断を支援する司法判断支援部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一以上の司法判断支援装置であって、
法律に関する法律データ、判決に関する判決データ、事件に関する事件データ、及び裁判に関する裁判データの少なくとも一つを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記法律データ、前記判決データ、前記事件データ及び前記裁判データの少なくとも一つに基づいて司法判断を支援する司法判断支援部と、
を有することを特徴とする司法判断支援装置。
【請求項2】
前記司法判断支援部は、前記取得部によって取得された前記法律データ、前記判決データ、前記事件データ及び前記裁判データの少なくとも一つが入力された場合に前記法律データ、前記判決データ、前記事件データ及び前記裁判データのうち入力されていないデータが出力される学習済モデルを用いて、当該学習済モデルから出力される前記データを提示部に提示させる、
請求項1に記載の司法判断支援装置。
【請求項3】
前記司法判断支援部は、前記学習済モデルが含まれる対話機能を有する文章生成モデルを用いて、前記司法判断を支援する、
請求項2に記載の司法判断支援装置。
【請求項4】
前記司法判断支援部は、前記司法判断支援装置同士、又は当該司法判断支援装置及び人間による模擬裁判を行わせ、当該模擬裁判に関する裁判データが含まれる前記データを前記提示部に提示させる、
請求項3に記載の司法判断支援装置。
【請求項5】
前記司法判断支援部は、前記司法判断支援装置に感情に基づく動作を行わせる、
請求項4に記載の司法判断支援装置。
【請求項6】
前記司法判断支援部は、裁判官、検事、弁護士、証人及び陪審員の少なくともいずれかに向けて、前記模擬裁判に関する裁判データが含まれる前記データを前記提示部に提示させる、
請求項4に記載の司法判断支援装置。
【請求項7】
前記司法判断支援部は、前記模擬裁判の参加人の感情及び動作の少なくとも一方が記録された裁判データが含まれる前記データを前記提示部に提示させる、
請求項4に記載の司法判断支援装置。
【請求項8】
前記取得部は、過去の誤審が除かれた判決に関する前記判決データを取得し、
前記司法判断支援部は、前記取得部によって取得された過去の誤審が除かれた判決に関する前記判決データに基づいて前記司法判断を支援する、
請求項1~7のいずれか1項に記載の司法判断支援装置。
【請求項9】
一以上の司法判断支援装置によって実行される司法判断支援方法であって、
法律に関する法律データ、判決に関する判決データ、事件に関する事件データ、及び裁判に関する裁判データの少なくとも一つを取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記法律データ、前記判決データ、前記事件データ及び前記裁判データの少なくとも一つに基づいて司法判断を支援する司法判断支援工程と、
を含むことを特徴とする司法判断支援方法。
【請求項10】
法律に関する法律データ、判決に関する判決データ、事件に関する事件データ、及び裁判に関する裁判データの少なくとも一つを取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得された前記法律データ、前記判決データ、前記事件データ及び前記裁判データの少なくとも一つに基づいて司法判断を支援する司法判断支援ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする司法判断支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は司法判断支援装置、司法判断支援方法及び司法判断支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
模擬裁判を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。ロボットの感情の生成を行う技術が知られている(例えば、特許文献2~特許文献4参照)。また、ユーザの感情の認識や検出を行う技術が知られている(例えば、特許文献5~特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-199547号公報
【特許文献2】特許第6273314号公報
【特許文献3】特許第6273313号公報
【特許文献4】特許第6199927号公報
【特許文献5】特許第3676969号公報
【特許文献6】特許第4704952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、公正な司法判断を支援することができない場合がある。例えば、従来技術は、模擬裁判の様子が撮像された映像情報に含まれる会話等に基づいて人物の相互行為分析により、裁判等の法曹実務に係る実践的な教育を行い、法曹を養成するための技術にすぎず、司法判断を直接的に支援するための技術ではない。このため、従来技術では、依然として、現在の裁判運営と同様に、誤審や誤った情報に基づく判決や、属人的な判断や合理的でない判決が出る懸念がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る司法判断支援装置は、一以上の司法判断支援装置であって、法律に関する法律データ、判決に関する判決データ、事件に関する事件データ、及び裁判に関する裁判データの少なくとも一つを取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記法律データ、前記判決データ、前記事件データ及び前記裁判データの少なくとも一つに基づいて司法判断を支援する司法判断支援部と、を有する。
【0006】
本発明の一態様に係る司法判断支援方法は、一以上の司法判断支援装置によって実行される司法判断支援方法であって、法律に関する法律データ、判決に関する判決データ、事件に関する事件データ、及び裁判に関する裁判データの少なくとも一つを取得する取得工程と、前記取得工程によって取得された前記法律データ、前記判決データ、前記事件データ及び前記裁判データの少なくとも一つに基づいて司法判断を支援する司法判断支援工程と、を含む。
【0007】
本発明の一態様に係る司法判断支援プログラムは、法律に関する法律データ、判決に関する判決データ、事件に関する事件データ、及び裁判に関する裁判データの少なくとも一つを取得する取得ステップと、前記取得ステップによって取得された前記法律データ、前記判決データ、前記事件データ及び前記裁判データの少なくとも一つに基づいて司法判断を支援する司法判断支援ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、公正な司法判断を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】司法判断支援装置10の構成の一例を示すブロック図である。
図2】司法判断支援装置10の一例について説明するための図である。
図3】司法判断支援装置10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4】司法判断支援装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の一態様に係る司法判断支援装置及び司法判断支援方法を実施するための実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明するが、この実施形態により、本発明の一態様に係る司法判断支援装置及び司法判断支援方法が限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
(実施形態)
〔1.司法判断支援装置〕
図1を用いて実施形態に係る司法判断支援装置10の一例について説明する。図1は、司法判断支援装置10の構成の一例を示すブロック図である。司法判断支援装置10は、一以上の司法判断支援装置10であって、司法判断を支援する。司法判断支援装置10は、例えば、Pepper(登録商標)等の感情を認識可能なAI(Artificial Intelligence)の人型ロボットにより実現され、大学、司法研修所等の教育機関や裁判所での模擬裁判、その他法律系のディベートやディスカッション等に用いられる。図1に示すように、司法判断支援装置10は、取得部11と制御部12と提示部13と記憶部14とを有する。図1に示す例では、司法判断支援装置10は一つであるが、二以上であってもよい。
【0012】
(取得部11)
取得部11は、法律に関する法律データ、判決に関する判決データ、事件に関する事件データ、及び裁判に関する裁判データの少なくとも一つを取得する。これにより、取得部11は、膨大な法律データ、判決データ、事件データや裁判データを蓄積することができる。一例として、取得部11は、過去の誤審が除かれた判決に関する判決データを取得する。別の一例として、取得部11は、事件の概要、事実及び証拠の少なくとも一つに関する事件データを取得する。別の一例として、取得部11は、裁判での会話、参加者の表情、映像、音声及び文書の少なくとも一つに関する裁判データを取得する。具体的には、取得部11は、これらの少なくとも一つが含まれる裁判記録等の裁判データを取得する。
【0013】
(制御部12)
制御部12は、司法判断支援装置10全体を制御する。一例として、制御部12は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、司法判断支援装置10の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることによって実現される。別の一例として、制御部12は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路によって実現される。図1に示す例では、制御部12は、学習済モデル生成部121と、司法判断支援部122とを有する。
【0014】
(学習済モデル生成部121)
学習済モデル生成部121は、取得部11によって取得された法律データ、判決データ、事件データ及び裁判データの少なくとも一つを用いて、学習済モデル141を生成する。学習済モデル141とは、法律データ、判決データ、事件データ及び裁判データの少なくとも一つが入力された場合に法律データ、判決データ、事件データ及び裁判データのうち入力されていないデータが出力されるものである。一例として、学習済モデル生成部121は、取得部11によって取得された法律データ、判決データ、事件データ及び裁判データを教師データとして用いて、裁判データが入力された場合に判決データ、判決データ及び事件データが出力される学習済モデル141が含まれる対話機能を有する文章生成モデルを生成する。別の一例として、学習済モデル生成部121は、取得部11によって取得された法律データ、判決データ、事件データ及び裁判データを教師データとして用いて、法律データ及び事件データが入力された場合に判決データ及び裁判データが出力される学習済モデル141が含まれる対話機能を有する文章生成モデルを生成する。対話機能を有する文章生成モデルは、例えば、ChatGPT(Chat Generative Pre-trained Transformer)等によって実現される。
【0015】
(司法判断支援部122)
司法判断支援部122は、取得部11によって取得された法律データ、判決データ、事件データ及び裁判データの少なくとも一つに基づいて司法判断を支援する。これにより、司法判断支援部122は、客観的かつ合理的な判断に基づく議論や判決を示唆し、適切な司法判断の一助とし、特に司法の成熟していない国における誤審の回避、低減や裁判の迅速化することができるため、公正な司法判断を支援できる。一例として、司法判断支援部122は、取得部11によって取得された過去の誤審が除かれた判決に関する判決データに基づいて司法判断を支援する。これにより、司法判断支援部122は、誤審を回避させやすくすることができる。別の一例として、司法判断支援部122は、取得部11によって取得された事件の概要、事実及び証拠の少なくとも一つに関する事件データに基づいて司法判断を支援する。これにより、司法判断支援部122は、誤審や誤った情報に基づく判決や属人的な判断や合理的でない判決を回避させやすくすることができる。別の一例として、司法判断支援部122は、取得部11によって取得された裁判での会話、参加者の表情、映像、音声及び文書の少なくとも一つに関する裁判データに基づいて司法判断を支援する。これにより、司法判断支援部122は、誤審や誤った情報に基づく判決や属人的な判断や合理的でない判決を回避させやすくすることができる。
【0016】
司法判断支援部122は、取得部11によって取得された法律データ、判決データ、事件データ及び裁判データの少なくとも一つが入力された場合に法律データ、判決データ、事件データ及び裁判データのうち入力されていないデータが出力される学習済モデル141を用いて、学習済モデル141から出力されるデータを提示部13に提示させてよい。これにより、司法判断支援部122は、より客観的かつ合理的な判断に基づく議論や判決を示唆し、公正な司法判断をより支援できる。司法判断支援部122は、学習済モデル141が含まれる対話機能を有する文章生成モデルを用いて司法判断を支援してよい。これにより、司法判断支援部122は、公正な司法判断をさらに支援することができる。
【0017】
司法判断支援部122は、司法判断支援装置10同士、又は司法判断支援装置10及び人間による模擬裁判を行わせ、模擬裁判に関する裁判データが含まれるデータを提示部13に提示させてよい。これにより、司法判断支援部122は、特に客観的かつ合理的な判断に基づく議論や判決を示唆できる。以下、図2を用いて、司法判断支援部122による司法判断の一例について説明する。図2は、司法判断支援装置10の一例について説明するための図である。図2に示すように、司法判断支援装置10が複数のPepper等のAIのロボット10X、ロボット10Y及びロボット10Zである場合に、司法判断支援部122は、複数のロボット10X~ロボット10Zのそれぞれに、原告側の弁護士、被告側の弁護士及び裁判官のそれぞれの役目を担わせ、ロボット10X~ロボット10Z同士を会話させ、模擬裁判を行わせる。一例として、弁護士役のロボット10X及びロボット10Yの司法判断支援部122は、学習済モデル141から出力される法律データ、判例データ及び事実データの少なくとも一つを提示部13に提示させたり、自己が有利になる弁論等の対話を行ったりする。別の一例として、裁判官役のロボット10Zの司法判断支援部122は、学習済モデル141から裁判記録の形式によって出力されるシミュレーション結果等、模擬裁判の過程や結果に関する裁判データが含まれるデータを提示部13に提示させたり、裁判の進行、判決の判断や理由付け等の対話を行ったりする。裁判官役のロボット10Zの司法判断支援部122は、裁判官に向けて、上述のシミュレーション結果を裁判記録として提示部13に提示させ、最終的な判断にどう活かすかを裁判官に委ねる。図2に示す例では、司法判断支援部122は、ロボット10X~ロボット10Zという司法判断支援装置10同士による模擬裁判を行わせているが、模擬裁判を行わせる対象は、このような形態に限定されない。例えば、司法判断支援部122は、司法判断支援装置10対人間による模擬裁判を行わせてもよいし、司法判断支援装置10対人間(証人等)による証人向けのトレーニングを行わせてもよい。また、司法判断支援装置10を用いて、実際の裁判と並行して、同一の事件についての模擬裁判を行わせることで、司法判断支援に用いてもよい。学習済モデル生成部121は、実際の裁判における司法判断に関する情報を用いて、学習済モデル141を再学習させてよい。
【0018】
図1の説明に戻る。司法判断支援部122は、司法判断支援装置10に感情に基づく動作を行わせてよい。例えば、司法判断支援装置10がロボットである場合に、ロボットである司法判断支援装置10同士による模擬裁判、ロボットである司法判断支援装置10対人間による模擬裁判、及びロボットである司法判断支援装置10対人間(証人等)による証人向けのトレーニングのいずれにおいても、ロボットが相手の感情を認識し、ロボット自身の感情を生成し、感情が反映された会話や挙動等の動作を行う。これにより、司法判断支援部122は、単純にChatGPT等の対話機能を有する文章生成モデルを有する原告側の弁護士のロボットと、同様の機能を有する被告側の弁護士のロボットとを戦わせて、同様の機能を有する裁判官のロボットが、どちらが妥当かを判断するような、既存の文章生成モデルを使う場合に比べて、ロボット等の司法判断支援装置10の感情に基づく動作を視覚的なインスピレーションを裁判官や関係者に与えることができるため、臨場感を高めることができる。感情の認識方法、生成方法については、特許文献2~特許文献6に記載の方法と同様であるため、その詳細な説明を省略する。感情の認識方法は、これらの方法に限られず、公知の他の方法を用いてもよい。
【0019】
司法判断支援部122は、裁判官、検事、弁護士、証人及び陪審員の少なくともいずれかに向けて、模擬裁判に関する裁判データが含まれるデータを提示部13に提示させてよい。例えば、司法判断支援部122は、裁判官に向けて、模擬裁判に関する裁判データ(及び判決データ)を提示部13に提示させ、弁護士に向けて、法律データ、判決データ及び事件データの少なくとも一つを提示部13に提示させる。これにより、司法判断支援部122は、さらに客観的かつ合理的な判断に基づく議論や判決を示唆することができる。
【0020】
司法判断支援部122は、模擬裁判の参加人の感情及び動作の少なくとも一方が記録された裁判データが含まれるデータを提示部13に提示させてよい。例えば、裁判官役のロボットの司法判断支援部122は、文書に加えて、本来は記録に残さない会話、発言等の音声や映像に関するデータとともに、発言者や聞き手のロボットや人の感情や動作がさらに記録された裁判記録を裁判データとして提示部13に提示させる。一例として、裁判官役のロボットの司法判断支援部122は、ロボットが証人役である場合に、証人尋問の証言の間にロボットによって生成された感情(焦り、不安、安心等)がさらに記録された裁判記録を提示部13に提示させる。別の一例として、裁判官役のロボットの司法判断支援部122は、人間が証人役である場合に、証人尋問の証言の間に他の役割のロボットにより認識された人間の感情がさらに記録された裁判記録を提示部13に提示させる。これにより、司法判断支援部122は、裁判の流れをわかりやすくさせることができる。
【0021】
(提示部13)
提示部13は、学習済モデル141から出力されるデータを提示する。提示部13による提示方法は特に限定されず、例えば、提示部13が音声出力部である場合には音声の出力による提示であってもよいし、提示部13が表示部である場合には文字や記号等の表示による提示であってもよいし、通信を介した提示であってもよい。
【0022】
(記憶部14)
記憶部14は、法律データ、判決データ、事件データ、裁判データ及び学習済モデル141等の各種データや各種プログラムを記憶する。記憶部14は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0023】
〔2.司法判断支援方法〕
図3を用いて、実施形態に係る司法判断支援装置10による処理の一例について説明する。図3は、司法判断支援装置10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0024】
ステップS1において、取得部11は、法律に関する法律データ、判決に関する判決データ、事件に関する事件データ、及び裁判に関する裁判データの少なくとも一つを取得する。例えば、取得部11は、模擬裁判に関する要求を受け付けた場合に、法律データ、判決データ、事件データ及び裁判データの少なくとも一つを取得する。
【0025】
ステップS2において、司法判断支援部122は、取得部11によって取得された法律データ、判決データ、事件データ及び裁判データの少なくとも一つに基づいて司法判断を支援する。例えば、司法判断支援部122は、司法判断支援装置10同士、又は司法判断支援装置10及び人間による模擬裁判を行わせ、対話機能を有する文章生成モデルから出力される模擬裁判に関する裁判データが含まれるデータを提示部13に提示させる。
【0026】
〔3.ハードウェア構成〕
図4は、司法判断支援装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。司法判断支援装置10として機能するコンピュータ1200にインストールされたプログラムは、実施形態に係る装置の一又は複数の「部」としてコンピュータ1200を機能させ、又は装置に関連付けられるオペレーション又は一以上の「部」をコンピュータ1200に実行させることができ、実施形態に係るプロセス又はプロセスの段階をコンピュータ1200に実行させることができる。そのようなプログラムは、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションをコンピュータ1200に実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0027】
実施形態に係るコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を有し、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。また、コンピュータ1200は、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブ等の入出力ユニットを有し、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。また、コンピュータ1200は、ROM1230及びキーボード等のレガシの入出力ユニットを有し、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0028】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0029】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、プログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0030】
ROM1230は、その中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、コンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。また、入出力チップ1240は、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0031】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカード等のコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと上述の様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法がコンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0032】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカード等の記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0033】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等の外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0034】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベース等の様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索、置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0035】
上述のプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAM等の記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0036】
フローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路や、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルやアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)やディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等の論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0037】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0038】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語等の従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0039】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0040】
以上、実施形態を用いて本発明の一態様について説明したが、本発明の技術的範囲は上述の実施形態に記載の範囲には限定されない。上述の実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0041】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0042】
10 司法判断支援装置
11 取得部
12 制御部
13 提示部
14 記憶部
121 学習済モデル生成部
122 司法判断支援部
141 学習済モデル
図1
図2
図3
図4