(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159009
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ホッピングパターン生成装置、通信システム、ホッピングパターン生成方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04B 1/7143 20110101AFI20241031BHJP
【FI】
H04B1/7143
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074718
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】中村 涼太郎
(57)【要約】
【課題】周波数ホッピング通信において、効率を低下させることなく、耐妨害性を高めた通信技術を提供する。
【解決手段】所定の周波数幅を占有する電波の、周波数方向の配置位置を定めた配置パターンを時間方向に並べ、ホッピングパターンとして生成するホッピングパターン生成装置であって、使用可能周波数帯域内で、配置パターンを第一ホッピングパターンとして生成する第一生成部と、第二周波数帯域内で配置パターンを第二ホッピングパターンとして生成し、第一ホッピングパターンと第二ホッピングパターンとを混合する混合割合を決定する第二生成部と、第一ホッピングパターンと第二ホッピングパターンとを、混合割合で混合してホッピングパターンを生成する第三生成部と、を備え、第二周波数帯域および混合割合は、ホッピングパターンの、使用可能周波数帯域における、電波の存在確率の分布が最も均一になるよう決定される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信で送信される電波であって、所定の周波数幅を占有する電波の、周波数方向の配置位置を定めた配置パターンを時間方向に並べ、ホッピングパターンとして生成するホッピングパターン生成装置であって、
予め定めた使用可能周波数帯域内で、複数の異なる前記配置パターンを第一ホッピングパターンとして生成する第一生成部と、
前記使用可能周波数帯域内の第二周波数帯域内で前記配置パターンを第二ホッピングパターンとして生成するとともに、前記第一ホッピングパターンと前記第二ホッピングパターンとを混合する混合割合を決定する第二生成部と、
前記第一ホッピングパターンの前記配置パターンと前記第二ホッピングパターンの前記配置パターンとを、前記混合割合で混合して前記ホッピングパターンを生成する第三生成部と、を備え、
前記第二周波数帯域および前記混合割合は、前記ホッピングパターンの、前記使用可能周波数帯域における、前記電波の存在確率の分布が最も均一になるよう決定される、ホッピングパターン生成装置。
【請求項2】
請求項1記載のホッピングパターン生成装置であって、
前記第二周波数帯域および前記混合割合は、前記ホッピングパターンの、前記使用可能周波数帯域における、前記電波の存在確率の、平均値に対する最大値の割合が最小になるよう決定される、ホッピングパターン生成装置。
【請求項3】
請求項1記載のホッピングパターン生成装置であって、
前記第二周波数帯域は、所定の縮小幅を前記使用可能周波数帯域の両端からそれぞれ除いた帯域であり、
前記縮小幅は、前記第一ホッピングパターンによる前記存在確率の最大値と当該存在確率の極小値との差である、ホッピングパターン生成装置。
【請求項4】
請求項1記載のホッピングパターン生成装置であって、
前記第二生成部は、前記極小値毎に、第二周波数帯域候補と混合割合候補とを算出し、前記第二周波数帯域候補と前記混合割合候補との中から、前記第二周波数帯域および前記混合割合を決定し、
前記第二周波数帯域候補および前記混合割合候補は、第一加算値が第二加算値に等しくなるよう算出され、
前記第一加算値は、前記第一ホッピングパターンの前記存在確率の極小値と前記第二周波数帯域候補内で生成した第二ホッピングパターン候補の前記存在確率の最大値とを当該混合割合候補で加算した値であり、
前記第二加算値は、前記第一ホッピングパターンの前記存在確率の平均値と前記第二ホッピングパターン候補の前記存在確率の平均値とを当該混合割合候補で加算した値である、ホッピングパターン生成装置。
【請求項5】
請求項1記載のホッピングパターン生成装置であって、
前記第三生成部は、前記第一ホッピングパターンの前記配置パターンと前記第二ホッピングパターンの前記配置パターンとを、前記混合割合で、ランダムに並べる、ホッピングパターン生成装置。
【請求項6】
請求項1記載のホッピングパターン生成装置であって、
前記電波は、複数であり、
前記配置パターンは、前記電波毎の、占有する前記周波数幅を、周波数方向に重ならないように配置したパターンである、ホッピングパターン生成装置。
【請求項7】
請求項1記載のホッピングパターン生成装置であって、
前記第一生成部は、前記使用可能周波数帯域内に設定可能な全ての前記配置パターンを前記第一ホッピングパターンとして生成し、
前記第二生成部は、前記第二周波数帯域内に設定可能な全ての前記配置パターンを前記第二ホッピングパターンとして生成する、ホッピングパターン生成装置。
【請求項8】
送信局と、
受信装置と、
請求項1から7のいずれか1項に記載のホッピングパターン生成装置と、を備え、
前記送信局は、前記ホッピングパターン生成装置が生成した前記ホッピングパターンに従って前記電波を変調させて、送信し、
前記受信装置は、前記電波を、前記ホッピングパターンに従って復調して受信する、通信システム。
【請求項9】
無線通信で送信される電波であって、所定の周波数幅を占有する電波の、周波数方向の配置位置を定めた配置パターンを時間方向に並べ、ホッピングパターンとして生成する、コンピュータによって実行されるホッピングパターン生成方法であって、
予め定めた使用可能周波数帯域内で、複数の異なる前記配置パターンを第一ホッピングパターンとして生成し、
第二ホッピングパターンを生成する周波数帯域である第二周波数帯域と、前記第一ホッピングパターンと前記第二ホッピングパターンとを混合する混合割合とを決定し、
前記第二周波数帯域内で、前記配置パターンを前記第二ホッピングパターンとして生成し、
前記第一ホッピングパターンと前記第二ホッピングパターンとを、前記混合割合で混合して前記ホッピングパターンを生成し、
前記第二周波数帯域および前記混合割合は、前記ホッピングパターンの、前記使用可能周波数帯域における、前記電波の存在確率の分布が最も均一になるよう決定される、ホッピングパターン生成方法。
【請求項10】
無線通信で送信される電波であって、所定の周波数幅を占有する電波の、周波数方向の配置位置を定めた配置パターンを時間方向に並べ、ホッピングパターンとして生成するホッピングパターン生成装置のコンピュータに、
予め定めた使用可能周波数帯域内で、複数の異なる前記配置パターンを第一ホッピングパターンとして生成する手順と、
第二ホッピングパターンを生成する周波数帯域である第二周波数帯域と、前記第一ホッピングパターンと前記第二ホッピングパターンとを混合する混合割合とを決定する手順と、
前記第二周波数帯域内で、前記配置パターンを前記第二ホッピングパターンとして生成する手順と、
前記第一ホッピングパターンと前記第二ホッピングパターンとを、前記混合割合で混合して前記ホッピングパターンを生成する手順と、を実行させ、
前記第二周波数帯域および前記混合割合は、前記ホッピングパターンの、前記使用可能周波数帯域における、前記電波の存在確率の分布が最も均一になるよう決定される、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホッピングパターン生成装置、通信システム、ホッピングパターン生成方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
使用可能な周波数帯域の範囲で時間スロット毎に搬送周波数を切り替えて無線通信を行う、周波数ホッピング通信と呼ばれる技術がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示の技術によれば、予め定められた所定の周波数ホッピングパターンが記された周波数テーブルに従って定まる搬送周波数を用いて無線通信が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下の分析は、本発明によって与えられたものである。
【0005】
周波数ホッピング通信は、搬送周波数を切り替えて通信を行うために、干渉に強く秘匿性も高い。特に、特許文献1に開示の技術によれば、周波数ホッピング通信中のホッピング速度を変更するため、さらに搬送周波数の出現確率が計算しにくくなり、故意の妨害に対して強い通信が実現できる。
【0006】
また、周波数ホッピング通信において、耐妨害性を高めるため、搬送周波数を、ランダムに変化させるランダムホッピング技術がある。実際の通信時は、搬送波に信号を付加するため、搬送波は周波数方向に所定の幅(占有幅)を有する。特許文献1に開示の技術やランダムホッピング技術を用いたとしても、占有幅も考慮して使用可能な周波数帯域の範囲でホッピングさせる限り、使用可能な周波数帯域内の周波数の使用率(存在確率)に偏りが生じる。これにより、新たな情報を傍受者、妨害者等に与えたり、傍受、妨害の可能性が高まったりする。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、周波数ホッピング通信において、効率を低下させることなく、耐妨害性を高めた通信技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の視点によれば、
無線通信で送信される電波であって、所定の周波数幅を占有する電波の、周波数方向の配置位置を定めた配置パターンを時間方向に並べ、ホッピングパターンとして生成するホッピングパターン生成装置であって、
予め定めた使用可能周波数帯域内で、複数の異なる前記配置パターンを第一ホッピングパターンとして生成する第一生成部と、
前記使用可能周波数帯域内の第二周波数帯域内で前記配置パターンを第二ホッピングパターンとして生成するとともに、前記第一ホッピングパターンと前記第二ホッピングパターンとを混合する混合割合を決定する第二生成部と、
前記第一ホッピングパターンの前記配置パターンと前記第二ホッピングパターンの前記配置パターンとを、前記混合割合で混合して前記ホッピングパターンを生成する第三生成部と、を備え、
前記第二周波数帯域および前記混合割合は、前記ホッピングパターンの、前記使用可能周波数帯域における、前記電波の存在確率の分布が最も均一になるよう決定される、ホッピングパターン生成装置が提供される。
【0009】
本発明の第二の視点によれば、
送信局と、
受信装置と、
第一の視点によるホッピングパターン生成装置と、を備え、
前記送信局は、前記ホッピングパターン生成装置が生成した前記ホッピングパターンに従って前記電波を変調させて、送信し、
前記受信装置は、前記電波を、前記ホッピングパターンに従って復調して受信する、通信システムが提供される。
【0010】
本発明の第三の視点によれば、
無線通信で送信される電波であって、所定の周波数幅を占有する電波の、周波数方向の配置位置を定めた配置パターンを時間方向に並べ、ホッピングパターンとして生成する、コンピュータによって実行されるホッピングパターン生成方法であって、
予め定めた使用可能周波数帯域内で、複数の異なる前記配置パターンを第一ホッピングパターンとして生成し、
第二ホッピングパターンを生成する周波数帯域である第二周波数帯域と、前記第一ホッピングパターンと前記第二ホッピングパターンとを混合する混合割合とを決定し、
前記第二周波数帯域内で、前記配置パターンを前記第二ホッピングパターンとして生成し、
前記第一ホッピングパターンと前記第二ホッピングパターンとを、前記混合割合で混合して前記ホッピングパターンを生成し、
前記第二周波数帯域および前記混合割合は、前記ホッピングパターンの、前記使用可能周波数帯域における、前記電波の存在確率の分布が最も均一になるよう決定される、ホッピングパターン生成方法が提供される。
【0011】
本発明の第四の視点によれば、
無線通信で送信される電波であって、所定の周波数幅を占有する電波の、周波数方向の配置位置を定めた配置パターンを時間方向に並べ、ホッピングパターンとして生成するホッピングパターン生成装置のコンピュータに、
予め定めた使用可能周波数帯域内で、複数の異なる前記配置パターンを第一ホッピングパターンとして生成する手順と、
第二ホッピングパターンを生成する周波数帯域である第二周波数帯域と、前記第一ホッピングパターンと前記第二ホッピングパターンとを混合する混合割合とを決定する手順と、
前記第二周波数帯域内で、前記配置パターンを前記第二ホッピングパターンとして生成する手順と、
前記第一ホッピングパターンと前記第二ホッピングパターンとを、前記混合割合で混合して前記ホッピングパターンを生成する手順と、を実行させ、
前記第二周波数帯域および前記混合割合は、前記ホッピングパターンの、前記使用可能周波数帯域における、前記電波の存在確率の分布が最も均一になるよう決定される、プログラムが提供される。
【0012】
なお、これらのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、周波数ホッピング通信において、効率を低下させることなく、耐妨害性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】(a)は、本発明の一実施形態の通信システムの一例の全体構成図であり、(b)は、本発明の一実施形態のホッピングパターンの一例を説明するための説明図である。
【
図2】(a)および(b)は、ランダムホッピングにおいて電波存在確率に偏りが生じる理由を説明するための説明図である。
【
図3】(a)~(c)は、ランダムホッピングにおいて電波存在確率に偏りが生じる理由を説明するための説明図である。
【
図4】ランダムホッピングにおける使用可能周波数帯域内の電波の存在確率分布を説明するための説明図である。
【
図5】(a)~(e)は、本発明の一実施形態のホッピングパターン生成手法の一例を説明するための説明図である。
【
図6】(a)および(b)は、それぞれ、本発明の一実施形態のホッピングパターン生成装置の一例の機能ブロック図およびハードウェア構成図である。
【
図7】(a)および(b)は、本発明の一実施形態の第一のホッピングパターンの一例および第二のホッピングパターンの一例をそれぞれ説明するための説明図である。
【
図8】(a)および(b)は、本発明の一実施形態のホッピングパターンの一例を説明するための説明図である。
【
図9】本発明の一実施形態のホッピングパターン生成処理の一例のフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施形態の第二周波数帯域および混合割合決定処理の一例のフローチャートである。
【
図11】(a)および(b)は、それぞれ、本発明の一実施形態の送信局および受信装置の一例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態と呼ぶ。)の概要について図面を参照して説明する。なお、付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向および単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。
【0016】
プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェース、および必要に応じ表示装置を備える。また、このコンピュータ装置は、通信インタフェースを介して装置内または外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、通信可能に構成される。また、図中の各ブロックの入出力の接続点には、ポート乃至インタフェースがあるが図示を省略する。また、以下の説明において、「Aおよび/またはB」は、AまたはB、もしくは、AおよびBという意味で用いる。
【0017】
本実施形態は、周波数ホッピングを用いる通信において、予め確保した使用する周波数帯域範囲で電波の存在確率の偏りの少ないホッピングパターンを生成する。周波数ホッピングは、無線通信において使用する電波(信号を重畳する搬送波)の周波数を時間ごとに様々に変更する手法である。このとき、周波数をランダムに変更するものを、ランダムホッピングと呼ぶ。変更する範囲は、予め確保した周波数帯域であり、以後、使用可能周波数帯域FRと呼ぶ。
【0018】
[通信システム]
本実施形態の通信システム100を説明する。
図1(a)は、本実施形態の通信システム100の全体構成図である。本図に示すように、本実施形態の通信システム100は、ホッピングパターンを生成するホッピングパターン生成装置200と、送信局310と、受信装置320とを備える。なお、ここでは、受信装置320が2台である場合を例示しているが、送信局310および受信装置320の台数は、これに限定されない。1台以上であればよい。
【0019】
送信局310は、ホッピングパターン生成装置200が生成したホッピングパターンに従った周波数で変調した信号を、各受信装置320にそれぞれ異なるチャネルにて送信する。送信局310は、一般的な送信装置であってもよいし、基地局や通信衛星であってもよい。衛星局が送信局310として機能する場合、衛星局は、衛星自身がデジタルチャネライザ等の周波数変換機能を備える。本発明は、地上局を介した通信をはじめ、あらゆるランダムに周波数を変化させる周波数ホッピング通信に適用可能である。
【0020】
受信装置320は、ホッピングパターン生成装置200が生成したホッピングパターンに従った周波数で変調された信号を受信する。受信装置320は、一般的な受信装置であってもよいし、通信衛星であってもよい。
【0021】
ホッピングパターン生成装置200は、送信局310が信号(電波)を送信する受信装置320の数のチャネルのホッピングパターンを生成する。生成するホッピングパターンは、チャネル毎に使用する周波数がランダムに変化する、ランダムホッピングパターンである。生成するホッピングパターン500の一例を、
図1(b)に示す。
【0022】
図1(b)に示すホッピングパターンは、チャネル数が2(第一チャネルと第二チャネル)の場合の例である。ホッピングパターン500は、使用可能周波数帯域FR内で、各チャネルの占有する周波数幅の周波数方向の配置位置を定めた配置パターン501を、時間方向に並べたものである。なお、配置位置は、各チャネルの占有する周波数幅が周波数方向に重ならないように定められる。
【0023】
上述のように、本実施形態では、ホッピングパターン500は、チャネル毎に使用する周波数がランダムに変化する、ランダムホッピングパターンである。このため、本実施形態のホッピングパターン生成装置200は、異なる複数の配置パターン501を生成し、それらを時間方向に並べ、ホッピングパターン500とする。
【0024】
このとき、周波数ホッピングでは、周波数をランダムに変更するランダムホッピングであっても、使用可能周波数帯域FR内で、各周波数位置における電波の存在確率(電波存在確率)に偏りが生じる。本実施形態のホッピングパターン生成装置200は、ホッピングパターン500を生成する際、上述したように、この偏りを低減するよう生成する。
【0025】
[電波存在確率に偏りが発生することについて]
ここで、ランダムホッピングにおいて、使用可能周波数帯域FR内の電波存在確率に偏りが生じることを説明する。
【0026】
例えば、疑似乱数生成器等の出力に従って周波数をランダムに変更すれば、使用可能周波数帯域FRは、略均等に使用される。しかし、使用する電波に幅がある限り、使用可能周波数帯域FRの両端部に、使用の偏りが発生する。
【0027】
図2(a)に示すように、各電波900は、所定の幅を有する。各電波900が有する考慮すべき所定の幅を、占有周波数幅fdと呼ぶ。ここでは、2つのチャネル(第一チャネルおよび第二チャネル)を用いる場合を例示する。
【0028】
本実施形態では、各電波900の周波数を変化させる際、占有周波数幅fdごとに変化(ホッピング)させる。このとき、変化させる周波数の最小単位を単位周波数幅udと呼ぶ。この単位周波数幅udを1つのブロックで表した、使用可能周波数帯域FR内の占有周波数幅fdの配置パターン501の例を
図2(b)に示す。
【0029】
各配置パターン501には、電波900の占有周波数幅fdが配置されるブロック(単位周波数幅ud)と配置されないブロックとが存在する。
図2(b)に示す配置パターン501では、網掛けされたブロック(網掛ブロック502)が配置されるブロックであり、網掛無しのブロック(空白ブロック503)が配置されないブロックである。
【0030】
以下、電波存在確率に偏りが生じることを、
図2(b)に示すように、4ブロック構成の網掛ブロック502が16個、1ブロック構成の空白ブロック503が32個のモデルを用いて説明する。これは、占有周波数幅fdが4単位周波数幅ud、使用チャネル数が16、使用可能周波数帯域FRが96単位周波数幅udの条件で配置パターンを生成する場合に対応する。そして、網掛ブロック502が存在する確率が、電波900が存在する確率に対応する。
【0031】
4udの幅を有する網掛ブロック502を16個と、1udの幅を有する空白ブロック503を32個とをランダムに並べる場合、
図3(a)に示すように、左端のブロックが網掛ブロック502である確率は、33(16/48)%である。また、左から2番目のブロックが網掛ブロック502である確率は、56(33+32/48×16/47)%である。同様に、左から3番目のブロックが網掛ブロック502である確率は、71%、4番目のブロックが網掛ブロック502である確率は81%である。
【0032】
また、左から5番目のブロックが網掛ブロック502である確率は、65%である。これは、
図3(b)に示すように、左端のブロックとして、33%の確率で網掛ブロック502が選択された後、連続して網掛ブロック502が選択された場合の確率と、4連続で空白ブロック503が選択された後、網掛ブロック502が選択された場合の確率とを、左から2番~4番目のブロックが網掛ブロック502である場合の確率にさらに加算する(23+15+10+6+11)ことにより得られる。
【0033】
以上より、本モデルの場合、
図3(c)に示すように、網掛ブロック502は、4ブロック幅を有するため、4ブロック目に存在する確率が最大になる。また、両端部以外では、網掛ブロック502は、66((16×4)/(16×4+32))%の確率で存在する。
【0034】
本モデルの、1番目のブロックから96番目のブロックまでの、網掛ブロック502の存在確率の分布610を、
図4に示す。この分布610は、使用可能周波数帯域FRが96udで、占有周波数幅fdが4udの電波900を16チャネル使用する場合に、ランダムホッピングさせた場合の、各単位周波数幅udにおける、電波900の存在確率分布に対応する。
【0035】
本図に示すように、所定の占有周波数幅fdを有する電波900の存在確率の分布610は、使用可能周波数帯域FRの両端部で、最大値611と極小値612とを取る。すなわち、分布に偏りがある。
【0036】
[偏り低減手法について]
そこで、本実施形態のホッピングパターン生成装置200は、この最大値611と極小値612とを打ち消すような確率分布を示す条件で第二のランダムホッピングパターンを生成し、両者を混合して最終的なホッピングパターン500とする。すなわち、本実施形態のホッピングパターン生成装置200は、第二の条件で生成した電波900の存在確率の分布を、分布610に加算することにより、電波900の存在確率の均一化を図る。
【0037】
加算する分布は、
図4に示す分布610の最大値611をとるブロック(最大値ブロック611b)の位置に、極小値をとるブロック(極小値ブロック)が、分布610の極小値をとるブロック(極小値ブロック612b)の位置に、最大値を取るブロックがあるものが望ましい。
【0038】
上述した偏り発生の原理から、最大値ブロック611bは、端部から占有周波数幅fd番目の位置に、極小値ブロック612bは、少なくとも、最大値ブロック611bから、端部とは反対方向に、少なくとも占有周波数幅fdの半分先の位置に、それぞれ、発生する。例えば、占有周波数幅fdが4ブロックの場合、最大値ブロック611bは、端部から4番目のブロックに、極小値ブロック612bは、少なくとも、端部から6番目のブロックに、それぞれ発生する。
【0039】
なお、極小値が発生するブロックは、複数存在し得る。本図の例では、例えば、端部から11番目のブロック、15番目のブロック等にも発生する。
【0040】
よって、最大値ブロック611bと極小値ブロック612bとの差に対応するブロック数を両側から除いた範囲で網掛ブロック502の存在確率を計算すれば、少なくとも、元の存在確率の極小値は、新たに算出した存在確率の最大値で打ち消されると考えられる。
【0041】
例えば、最大値ブロック611bと極小値ブロック612bとの差が2ブロックである場合、左右2ブロック少ない周波数帯域で同様に網掛ブロック502の存在確率を計算すると、
図5(b)のような結果を得る。これを、元の存在確率を示す
図5(a)の結果と加算すると、
図5(c)のように、元の存在確率の極小値が、新たに作成した存在確率の最大値によって打ち消される。
【0042】
図5(d)は、
図5(a)に示す存在確率の分布610と、新たな条件で算出した存在確率の分布620とを重ねて表したものである。また、
図5(e)は、両者に所定の重み付けをして合算した結果の分布630である。このように、偏りが低減し、より均一な確率分布が得られる。つまり、使用可能周波数帯域FRにおいて、より、偏りが低減した確率分布が得られる。
【0043】
[ホッピングパターン生成装置]
本実施形態のホッピングパターン生成装置200は、これを利用して、ホッピングパターン500を生成する。すなわち、使用可能周波数帯域FR全体を使用して生成した第一ホッピングパターンと、第二周波数帯域FR2内で生成した第二ホッピングパターンとを、所定の混合割合で混合し、ホッピングパターン500を生成する。第二周波数帯域FR2は、使用可能周波数帯域FRに含まれ、例えば、第二の電波の存在確率と第一の電波の存在確率とを所定の割合で加算した場合の、偏りが最も小さくなるものが選ばれる。上記
図4の例で説明した複数の極小値のうち、偏りが最も小さくなる極小値を選択し、以後、それ以外の極小値は使用しない。
【0044】
なお、第一の電波の存在確率は、第一ホッピングパターンによる使用可能周波数帯域FR内の電波の存在確率であり、第二の電波の存在確率は、第二ホッピングパターンによる使用可能周波数帯域FR内の電波の存在確率である。
【0045】
これを実現するため、本実施形態のホッピングパターン生成装置200は、
図6(a)に示すように、第一生成部210と、第二生成部220と、第三生成部230と、を備える。
【0046】
第一生成部210は、使用可能周波数帯域FR内で、任意の数の複数の異なる配置パターン(第一配置パターン)を第一ホッピングパターンとして生成する。本実施形態では、使用可能周波数帯域FR内で、N個の占有周波数幅fdの、例えば、設定可能な全ての配置パターン(第一配置パターン)を、第一ホッピングパターンとして生成する。
【0047】
第一生成部210が生成する第一ホッピングパターン510の例を、
図7(a)に示す。ここでは、使用可能周波数帯域FRが19udであり、占有周波数幅fdが3udの第一チャネルと、占有周波数幅fdが4udの第二チャネルとを用い、M(Mは1以上の整数)個の第一配置パターン511を生成可能な場合の例を示す。異なる第一配置パターン511を、それぞれ、pm(mは1以上M以下の整数)で表す。
【0048】
第二生成部220は、第二周波数帯域FR2と混合割合Tとを決定するとともに、決定した第二周波数帯域FR2内で、第二配置パターンを第二ホッピングパターンとして生成する。
【0049】
第二周波数帯域FR2が、使用可能周波数帯域FRの両端からそれぞれ1udだけ狭くした帯域である場合の、第二生成部220が生成する第二ホッピングパターン520の例を、
図7(b)に示す。ここでは、使用可能周波数帯域FRが17udであり、占有周波数幅fdが3udの第一チャネルと、占有周波数幅fdが4udの第二チャネルとを用い、K(Kは1以上の整数)個の第二配置パターン521を生成可能な場合の例を示す。異なる第二配置パターン521を、それぞれ、qk(kは1以上K以下の整数)で表す。
【0050】
第二周波数帯域FR2と混合割合Tとは、例えば、最終的に生成されるホッピングパターン500の、使用可能周波数帯域FRにおける、電波の存在確率の、平均値に対する最大値の割合が最小になるよう、定められる。算出の詳細は、後述する。
【0051】
第三生成部230は、第一ホッピングパターン510の第一配置パターン511と第二ホッピングパターン520の第二配置パターン521とを、混合割合Tでランダムに混合し、ホッピングパターン500を生成する。第三生成部230は、生成したホッピングパターン500を、ホッピングパターン記憶部250に保存する。
【0052】
図8(a)に、混合の一例を示す。本図は、第一ホッピングパターンと第二ホッピングパターンとを、2:1の混合割合Tで混合する場合の例である。時間スロットt1、t2、・・・、t7ごとに、第一ホッピングパターン510からランダムに選択した第一配置パターン511と第二ホッピングパターン520からランダムに選択した第二配置パターン521とを、2:1の割合で並べ、ホッピングパターン500とする。
【0053】
最終的に得られるホッピングパターン500の例を、
図8(b)に示す。t1、t2、t4、t5、およびt7には、第一ホッピングパターン510の中からランダムに選択された第一配置パターン511が、t3およびt6には、第二ホッピングパターン520の中からランダムに選択された第二配置パターン521が配置される。
【0054】
なお、ここでは、第一配置パターン511と第二配置パターン521とを時間方向に規則的に2:1の割合で並べているが、これに限定されない。ホッピングパターン500を生成する全期間内に、第一配置パターンpmと第二配置パターンqkとが、2:1の割合で含まれていればよい。
【0055】
[ホッピングパターン生成処理]
次に、本実施形態のホッピングパターン生成装置200によるホッピングパターン生成処理の流れを説明する。
図9は、本実施形態のホッピングパターン生成処理の処理フローである。
【0056】
第一生成部210は、第一ホッピングパターン510を生成する(ステップS1101)。第一ホッピングパターン510は、
図7(a)に示すように、使用可能周波数帯域FR内で設定可能な、全ての占有周波数幅fdの第一配置パターン511の集合である。
【0057】
次に、第二生成部220は、第二ホッピングパターン生成用の周波数帯域である第二周波数帯域FR2と、混合割合Tとを決定する(ステップS1102)。これらの決定手法は、後述する。
【0058】
第二生成部220は、第二周波数帯域FR2内で、第二ホッピングパターン520を生成する(ステップS1103)。第二ホッピングパターン520は、
図7(b)に示すように、第二周波数帯域FR2内で、設定可能な、全ての占有周波数幅fdの第二配置パターン521の集合である。
【0059】
第三生成部230は、第一ホッピングパターン510の第一配置パターン511と第二ホッピングパターン520の第二配置パターン521とをステップS1102で決定した混合割合Tで混合し(ステップS1104)、ホッピングパターン500を生成する。ここでは、第三生成部230は、第一配置パターン511と第二配置パターン521とを、混合割合Tで、ランダムに混合し、ホッピングパターン500とする。
【0060】
第三生成部230は、生成したホッピングパターン500を、ホッピングパターン記憶部250に登録し(ステップS1105)、処理を終了する。
【0061】
[第二周波数帯域および混合割合決定]
次に、第二生成部220による、上記第二周波数帯域FR2と混合割合Tの決定手法を説明する。
図10は、第二周波数帯域および混合割合決定処理の一例の処理フローである。ここでは、第二ホッピングパターン520による電波存在確率の最大値が第一ホッピングパターン510による電波の存在確率分布の最も端部に近い極小値と略合致するものの中から混合した際に最も均一度の高いものを選択する。
【0062】
以下、使用可能周波数帯域FRは、L個の単位周波数幅udで構成される例で具体的に説明する。すなわち、FR=L×udである。なお、Lは1以上の整数である。
【0063】
まず、第二生成部220は、使用可能周波数帯域FRを全て使用する場合の、各単位周波数幅udの電波存在確率Pの分布P(l)を求める(ステップS1201)。ここで、lは、1≦l≦Lを満たす整数とする。これは、第一ホッピングパターン510を生成する際の、各単位周波数幅udの電波存在確率の分布に対応する。
【0064】
そして、第二生成部220は、求めた分布P(l)において、最大値(maxP(l))をとるlの値(lmax)と、極小値(lminP(l))をとるlの値(lmin)とを、それぞれ求める(ステップS1202)。このとき、極小値が複数(ここでは、H個とする。Hは1以上の整数。)存在する場合は、lminの値の小さいほうから順に、l1、l2、l3、・・・、lh、・・・lHとする(hは1以上、H以下の整数)。なお、極小値の探索範囲は、0<lh<L/2である。
【0065】
第二生成部220は、各lhについて、lmaxとの差である縮小幅(lh-lmax)の2倍(2(lh-lmax))を、元の使用可能周波数帯域FRから減算した帯域(Lh=L-2(lh-lmax))を、第二周波数帯域候補FRhとする(ステップS1203)。このとき、各チャネルの占有周波数幅fdの合計がLhより大きいものは、除く。
【0066】
第二生成部220は、各第二周波数帯域候補FRhに関し、それぞれ、第二ホッピングパターン候補の電波存在確率分布として、電波存在確率分布候補Qh(l)を算出する(ステップS1204)。
【0067】
そして、第二生成部220は、各電波存在確率分布候補Qh(l)について、加算した際、電波存在確率分布P(l)の極小値と電波存在確率分布候補Qh(l)の最大値とが打ち消しあうよう、最適な混合割合候補Thを算出する(ステップS1205)。
【0068】
具体的には、第二生成部220は、例えば、下式(1)のように、その混合割合候補Thで電波存在確率分布P(l)の、最も端部に近い極小値(min(P(l)))と電波存在確率分布候補Qh(l)の最大値(max(Qh(l)))とを混合割合候補Thで加算した値(第一加算値)が、電波存在確率分布P(l)の平均値(ave(P(l)))と電波存在確率分布候補Qh(l)の平均値(ave(Qh(l)))とを混合割合候補Thで加算した値(第二加算値)に等しくなるよう、混合割合候補Thを決定する。
Th×min(P(l))+(1-Th)×max(Qh(l))
=Th×ave(P(l))+(1-Th)×ave(Qh(l))・・・(1)
【0069】
第二生成部220は、各電波存在確率分布候補Qh(l)について、各混合割合候補Thで、電波存在確率分布P(l)と混合(加算)し、最も偏りの少ない電波存在確率分布候補Qh(l)を特定する(ステップS1206)。
【0070】
具体的には、第二生成部220は、下式(2)のように電波存在確率分布P(l)と、電波存在確率分布候補Qh(l)とを混合割合候補Thで加算し、下式(3)のように、その平均値(ave(Rh(l)))に対する最大値(max(Rh(l)))の比率PARを算出し、PARが最小になる電波存在確率分布候補Qh(l)と混合割合候補Thとを特定する。
Rh(l)=Th×P(l)+(1-Th)×Qh(l)・・・(2)
PAR=max(Rh(l))/ave(Rh(l))・・・(3)
【0071】
第二生成部220は、特定した電波存在確率分布候補Qh(l)を算出した第二周波数帯域候補FRhを第二周波数帯域FR2とし、特定した混合割合候補Thを混合割合Tとする。そして、その第二周波数帯域FR2と混合割合Tとを出力し(ステップS1207)、処理を終了する。
【0072】
[ハードウェア構成]
[ホッピングパターン生成装置]
本実施形態のホッピングパターン生成装置200は、例えば、コンピュータで構成される。本実施形態のホッピングパターン生成装置200のハードウェア構成の一例を
図6(b)に示す。
【0073】
ホッピングパターン生成装置200は、例えば、内部バスにより相互に接続される、CPU(Central Processing Unit)291と、記憶装置292と、通信インタフェース(I/F)293と、拡張インタフェース(I/F)294と、を備える。
【0074】
CPU291は、例えば、記憶装置292の不揮発メモリ領域に記憶されたプログラムを揮発メモリ領域にロードして実行することにより、上記各機能を実現するとともにホッピングパターン生成装置200全体を統括的に制御する。なお、CPU291の代わりにMPU(Micro Processing Unit)等の1以上のプロセッサを用いてもよい。
【0075】
記憶装置292は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリにより構成される。記憶装置292は、各機能を実行するためのプログラムや、制御のための各種のパラメータ等の情報を記憶する。また、本実施形態では、処理に用いるデータ、処理途中で生成されるデータ、および、最終的に得られるデータ等が記憶される。また、ホッピングパターン記憶部250は、記憶装置292に構築される。
【0076】
処理に用いるデータは、例えば、使用可能周波数帯域FR、チャネル毎の占有周波数幅fd、単位周波数幅ud、等である。また、処理途中で生成されるデータは、第一ホッピングパターン510、第二ホッピングパターン520、使用可能周波数帯域FRにおける電波存在確率分布、使用可能周波数帯域候補、混合割合候補、等である。
【0077】
なお、記憶装置292は、ROMやRAM等のメモリの他、例えば、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性メモリカード、DVD等の記憶媒体を備えてもよい。また、記憶装置292は、複数のメモリ等を備えてもよい。
【0078】
通信I/F293は、ホッピングパターン生成装置200と外部の装置との通信を実現するインタフェースである。本実施形態では、生成したホッピングパターン500を、送信局310および受信装置320に送信する。
【0079】
拡張I/F294は、図示しない表示装置や入力装置とのインタフェースである。表示装置は、例えば、液晶モニタ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザ操作を受け付ける装置である。本実施形態では、例えば、上述の処理に用いる各種のデータの登録を受け付ける。
【0080】
なお、ホッピングパターン生成装置200のハードウェア構成は、これに限定されない。ホッピングパターン生成装置200は、図示しないハードウェアを含んでもよい。あるいは、ホッピングパターン生成装置200に含まれるCPU291等の数も問わない。
【0081】
[送信局・受信装置]
送信局310および受信装置320について説明する。これらは、一般的な、周波数ホッピングで用いられる送信局310および受信装置320である。ただし、周波数ホッピングでは、上述のホッピングパターン生成装置200が生成したホッピングパターン500を用いる。
【0082】
送信局310は、ホッピングパターン生成装置200が生成したホッピングパターン500に従って、搬送波を時間的に変化させ、データ信号を乗せて送信する。
【0083】
送信局310は、例えば、
図11(a)に示すように、符号器311と、変調器312と、ミキサ313と、BPF(band pass filter)314と、周波数シンセサイザ315と、アンテナ317と、を備える。
【0084】
符号器311は、入力された送信データを所定の符号に変換する。変調器312は、変更後の送信データを、予め定めた変調方式にてデジタル変調する。
【0085】
周波数シンセサイザ315は、所定の周波数の発振信号を出力する。周波数シンセサイザ315は、発振信号の周波数を切り替えることができる。本実施形態では、ホッピングパターン記憶部250内のホッピングパターンに従って、発振信号の周波数を切り替えて出力する。
【0086】
ミキサ313は、変調器312で変調後の送信データ(信号)と、周波数シンセサイザ315から出力された発振信号とを乗算し、RF(Radio Frequency)帯の信号(電波)を生成する。本実施形態では、周波数シンセサイザ315の発振信号がホッピングパターン500に従って変化することにより、ミキサ313で生成されるRF信号の周波数も、ホッピングパターン500に従って変化する。
【0087】
BPF314は、ミキサ313で生成されたRF信号(電波)から不要な周波数成分を除去し、アンテナ317から送信する。
【0088】
受信装置320は、ホッピングパターンに従って、受信データに復元する。受信装置320は、例えば、
図11(b)に示すように、復号器321と、復調器322と、ミキサ323と、BPF324と、周波数シンセサイザ325と、同期回路326と、アンテナ327と、を備える。
【0089】
BPF324は、アンテナ327で受信したRF信号から不要な周波数成分を除去する。同期回路326は、送信局310との同期を確立する。
【0090】
周波数シンセサイザ325は、送信局310との同期が確立すると、ホッピングパターン500を参照し、所定の周波数の発振信号をミキサ323に出力する。
【0091】
ミキサ323は、BPF324で処理済みのRF信号に周波数シンセサイザ325の上記発振信号を乗算し、処理後の信号を復調器322に出力する。
【0092】
復調器322は、ミキサ323から出力された信号に復調処理を施す。復号器321は、復調後の信号を元の系列に復元し、受信データとして出力する。
【0093】
以上説明したように、本実施形態のホッピングパターン生成装置200は、ランダムホッピングパターンを生成するにあたり、第一ホッピングパターン510の第一配置パターン511と、第二ホッピングパターン520の第二配置パターン521とを、算出した混合割合Tでランダムに混合し、ホッピングパターン500として生成する。第一ホッピングパターン510は、使用可能周波数帯域FR全てを使用した場合に設定可能な周波数配置のパターンである第一配置パターン511の集合である。また、第二ホッピングパターン520は、第二周波数帯域FR2を使用した場合に設定可能な周波数配置のパターンである第二配置パターン521の集合である。
【0094】
そして、第二周波数帯域FR2は、使用可能周波数帯域FR内で、使用可能周波数帯域FRを所定の縮小幅だけ狭くした周波数帯域である。第二周波数帯域FR2は、第一ホッピングパターン510と第二ホッピングパターン520とを混合割合Tで加算した際、すなわち、生成されるホッピングパターン500において、使用可能周波数帯域FR内の電波の存在確率の平均値に対する最大値の割合が最小になるよう設定される。
【0095】
このため、生成されたホッピングパターン500によれば、使用可能周波数帯域FR内の電波の存在確率の偏りが低減され、より、均一な存在確率を得ることができる。すなわち、本実施形態によれば、ランダムホッピングを行う無線通信において、電波の存在位置の確率に偏りがあることにより発生する問題を抑えることができる。例えば、ホッピングの妨害がされにくくなる。また、偏った電波存在確率分布により、追加の情報を妨害者や傍受者に与えることを防ぐことができる。
【0096】
さらに、本実施形態によれば、使用可能周波数帯域FRの幅は維持される。すなわち、ホッピングパターン500は、使用可能周波数帯域FR内で生成される。このため、周波数利用効率は低下しない。
【0097】
よって、本実施形態によれば、周波数ホッピングを行う通信において、効率を低下させることなく、耐妨害性を向上させることができる。
【0098】
<変形例1>
上記実施形態では、送信局310から、複数チャネルで信号を送信する場合を例にあげて説明したが、1のチャネルであってもよい。
【0099】
<変形例2>
上記実施形態では、使用可能周波数帯域FRで設定可能な全ての配置パターンを第一配置パターン511として生成し、第一ホッピングパターン510としている。しかしながら、必ずしも、設定可能な全ての配置パターンを生成する必要はない。例えば、生成された配置パターンの存在確率分布の期待値が、最も均一化されたものになるよう、任意の数、作成してもよい。なお、配置パターンは、使用可能周波数帯域FRの中で、占有周波数幅fdが配置されるブロック(網掛ブロック502;サイズfd)と、配置されないブロック(空白ブロック503;サイズud)とを、ランダムに並び替えたものである。
【0100】
第二ホッピングパターン520の第二配置パターン521についても同様に、生成された配置パターンの存在確率分布の期待値が、最も均一化されたものになるよう、任意の数、作成してもよい。この場合の配置パターンは、第二周波数帯域FR2の中で、占有周波数幅fdが配置されるブロック(網掛ブロック502;サイズfd)と、配置されないブロック(空白ブロック503;サイズud)とを、ランダムに並び替えたものである。また、第二配置パターン521は、上述の第一配置パターン511の数に依存する比率で作成してもよい。この比率は、例えば、上述の混合割合Tである。
【0101】
<変形例3>
上記実施形態では、ホッピングパターン生成装置200は、第一配置パターン511と第二配置パターン521とを、ランダムに、混合割合Tに応じて時間方向に並べたホッピングパターン500を確定し、ホッピングパターン記憶部250に登録する。そして、送信局310および受信装置320は、このホッピングパターン記憶部250からホッピングパターン500を予め取得し、通信を行うよう構成されているが、これに限定されない。
【0102】
ホッピングパターン生成装置200は、所定の時間間隔で、生成したホッピングパターン500内の各配置パターン(第一配置パターン511および第二配置パターン521)を、並べ替えてもよい。例えば、パターンp1、p2、q1、p3、p4、q2、p5と並べられているホッピングパターン500を、パターンq1、p5、p4、p2、q2、p1、p3と並べ替える等である。そして、並べ替える毎に、送信局310および受信装置320に送信する。
【0103】
このとき、既にホッピングパターン500として登録されている配置パターン(第一配置パターン511および第二配置パターン521)を並べ替えるだけでなく、新たな配置パターンを、それぞれ第一配置パターン511および第二配置パターン521から取得し、ホッピングパターン500を再生成してもよい。
【0104】
例えば、第一配置パターン511として、パターンp1~p5を、第二配置パターン521としてパターンq1~q3を用いてホッピングパターン500が生成されているところ、次の時間間隔では、パターンp6~p10およびq4~q6を用いる等である。
【0105】
これらにより、効率を低下させることなく、さらに、耐妨害性を向上させることができる。
【0106】
<変形例4>
また、上記実施形態では、第一ホッピングパターンと第二ホッピングパターンとの2つのホッピングパターンを生成し、電波の存在確率をより均一化する場合を例にあげて説明した。しかし、生成するホッピングパターンは2つに限定されない。例えば、さらに第三ホッピングパターンを生成してもよい。
【0107】
この場合、まず、上記手法で、第二ホッピングパターンを生成する第二周波数帯域FR2と混合割合Tとを決定する。このときの電波存在確率分布Q(l)により定まる上記式(2)の電波確率存在分布R(l)を、上記電波存在確率分布P(l)として、上記同様の手法で、算出する。
【0108】
すなわち、まず、R(l)において、最大値と極小値をとるlの差を縮小幅として算出する。そして、縮小後の周波数帯域候補毎に、電波存在確率分布候補Sh(l)を算出し、以下の式(4)を満たす混合割合候補Thを決定する。
Th×min(R(l))+(1-Th)×max(Sh(l))
=Th×ave(R(l))+(1-Th)×ave(Sh(l))・・・(4)
そして、以下の式(5)、(6)で、PARが最小となる電波存在確率分布候補Sh(l)と混合割合候補Thとを特定する。
Uh(l)=Th×R(l)+(1-Th)×Sh(l)・・・(5)
PAR=max(Uh(l))/ave(Uh(l))・・・(6)
【0109】
決定した周波数帯域を用いて、第三ホッピングパターンを生成し、ホッピングパターン500に、決定した混合割合で、混合する。
【0110】
生成し、混合するホッピングパターンの数は問わない。例えば、PARの値を比較し、PARの値が最小となるものを採用するよう構成してもよい。すなわち、例えば、第一ホッピングパターンと第二ホッピングパターンとを混合したホッピングパターン500の最小PARが1.08であり、さらに上記手法で第三ホッピングパターンを混合した場合の最小PARが1.06であり、同様の手法で第四ホッピングパターンをさらに混合した場合の最小PAR1.07である場合は、第三ホッピングパターンを混合したものを採用する。
【0111】
<変形例5>
上記変形例において、ホッピングパターン生成装置200が、ホッピングパターン500を変更する毎に、送信局310および受信装置320に送信しているが、これに限定されない。変更する時間間隔のみ送信局310および受信装置320に通知しておき、送信局310および受信装置320は、当該時間間隔で、ホッピングパターン生成装置200のホッピングパターン記憶部250にアクセスし、最新のホッピングパターン500を取得し、それを用いて送受信を行うよう構成してもよい。
【0112】
<変形例6>
上記実施形態および変形例では、ホッピングパターン生成装置200は、送信局310および受信装置320と通信可能な構成であるが、これに限定されない。例えば、ホッピングパターン生成装置200が生成したホッピングパターンは、例えば、記録媒体を介して、送信局310および受信装置320に提供可能である。
【0113】
<変形例7>
また、送信局310と受信装置320とは独立した別個の装置として記載しているが、1つの装置が送受信機能を備えていてもよい。
【0114】
なお、上述の説明で用いたフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。例えば、各処理を並行して実行する等、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0115】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示したネットワーク構成、各要素の構成は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
【0116】
上記の実施形態および変形例の一部又は全部は、以下に付記する形態のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
無線通信で送信される電波であって、所定の周波数幅を占有する電波の、周波数方向の配置位置を定めた配置パターンを時間方向に並べ、ホッピングパターンとして生成するホッピングパターン生成装置であって、
予め定めた使用可能周波数帯域内で、複数の異なる前記配置パターンを第一ホッピングパターンとして生成する第一生成部と、
前記使用可能周波数帯域内の第二周波数帯域内で前記配置パターンを第二ホッピングパターンとして生成するとともに、前記第一ホッピングパターンと前記第二ホッピングパターンとを混合する混合割合を決定する第二生成部と、
前記第一ホッピングパターンの前記配置パターンと前記第二ホッピングパターンの前記配置パターンとを、前記混合割合で混合して前記ホッピングパターンを生成する第三生成部と、を備え、
前記第二周波数帯域および前記混合割合は、前記ホッピングパターンの、前記使用可能周波数帯域における、前記電波の存在確率の分布が最も均一になるよう決定される、ホッピングパターン生成装置。
(付記2)
付記1記載のホッピングパターン生成装置において、
前記第二周波数帯域および前記混合割合は、前記ホッピングパターンの、前記使用可能周波数帯域における、前記電波の存在確率の、平均値に対する最大値の割合が最小になるよう決定されることが望ましい。
(付記3)
付記1または2記載のホッピングパターン生成装置において、
前記第二周波数帯域は、所定の縮小幅を前記使用可能周波数帯域の両端からそれぞれ除いた帯域であり、
前記縮小幅は、前記第一ホッピングパターンによる前記存在確率の最大値と当該存在確率の極小値との差であることが望ましい。
(付記4)
付記1から3のいずれかに記載のホッピングパターン生成装置において、
前記第二生成部は、前記極小値毎に、第二周波数帯域候補と混合割合候補とを算出し、前記第二周波数帯域候補と前記混合割合候補との中から、前記第二周波数帯域および前記混合割合を決定し、
前記第二周波数帯域候補および前記混合割合候補は、第一加算値が第二加算値に等しくなるよう算出され、
前記第一加算値は、前記第一ホッピングパターンの前記存在確率の極小値と前記第二周波数帯域候補内で生成した第二ホッピングパターン候補の前記存在確率の最大値とを当該混合割合候補で加算した値であり、
前記第二加算値は、前記第一ホッピングパターンの前記存在確率の平均値と前記第二ホッピングパターン候補の前記存在確率の平均値とを当該混合割合候補で加算した値であることが望ましい。
(付記5)
付記1から4のいずれかに記載のホッピングパターン生成装置において、
前記第三生成部は、前記第一ホッピングパターンの前記配置パターンと前記第二ホッピングパターンの前記配置パターンとを、前記混合割合で、ランダムに並べることが望ましい。
(付記6)
請求項1から5のいずれかに記載のホッピングパターン生成装置において、
前記電波は、複数であり、
前記配置パターンは、前記電波毎の、占有する前記周波数幅を、周波数方向に重ならないように配置したパターンであることが望ましい。
(付記7)
請求項1から6のいずれかに記載のホッピングパターン生成装置において、
前記第一生成部は、前記使用可能周波数帯域内に設定可能な全ての前記配置パターンを前記第一ホッピングパターンとして生成し、
前記第二生成部は、前記第二周波数帯域内に設定可能な全ての前記配置パターンを前記第二ホッピングパターンとして生成することが望ましい。
(付記8)
送信局と、
受信装置と、
付記1から7のいずれかに記載のホッピングパターン生成装置と、を備え、
前記送信局は、前記ホッピングパターン生成装置が生成した前記ホッピングパターンに従って前記電波を変調させて、送信し、
前記受信装置は、前記電波を、前記ホッピングパターンに従って復調して受信する、通信システム。
(付記9)
無線通信で送信される電波であって、所定の周波数幅を占有する電波の、周波数方向の配置位置を定めた配置パターンを時間方向に並べ、ホッピングパターンとして生成する、コンピュータによって実行されるホッピングパターン生成方法であって、
予め定めた使用可能周波数帯域内で、複数の異なる前記配置パターンを第一ホッピングパターンとして生成し、
第二ホッピングパターンを生成する周波数帯域である第二周波数帯域と、前記第一ホッピングパターンと前記第二ホッピングパターンとを混合する混合割合とを決定し、
前記第二周波数帯域内で、前記配置パターンを前記第二ホッピングパターンとして生成し、
前記第一ホッピングパターンと前記第二ホッピングパターンとを、前記混合割合で混合して前記ホッピングパターンを生成し、
前記第二周波数帯域および前記混合割合は、前記ホッピングパターンの、前記使用可能周波数帯域における、前記電波の存在確率の分布が最も均一になるよう決定される、ホッピングパターン生成方法。
(付記10)
無線通信で送信される電波であって、所定の周波数幅を占有する電波の、周波数方向の配置位置を定めた配置パターンを時間方向に並べ、ホッピングパターンとして生成するホッピングパターン生成装置のコンピュータに、
予め定めた使用可能周波数帯域内で、複数の異なる前記配置パターンを第一ホッピングパターンとして生成する手順と、
第二ホッピングパターンを生成する周波数帯域である第二周波数帯域と、前記第一ホッピングパターンと前記第二ホッピングパターンとを混合する混合割合とを決定する手順と、
前記第二周波数帯域内で、前記配置パターンを前記第二ホッピングパターンとして生成する手順と、
前記第一ホッピングパターンと前記第二ホッピングパターンとを、前記混合割合で混合して前記ホッピングパターンを生成する手順と、を実行させ、
前記第二周波数帯域および前記混合割合は、前記ホッピングパターンの、前記使用可能周波数帯域における、前記電波の存在確率の分布が最も均一になるよう決定される、プログラム。
なお、上記付記9および10の形態は、付記1の形態と同様に、付記2から付記7の形態に展開することが可能である。
【0117】
なお、上記の特許文献等の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0118】
100:通信システム、
200:ホッピングパターン生成装置、210:第一生成部、220:第二生成部、230:第三生成部、250:ホッピングパターン記憶部、291:CPU、292:記憶装置、293:通信I/F、294:拡張I/F、
310:送信局、311:符号器、312:変調器、313:ミキサ、314:BPF、315:周波数シンセサイザ、317:アンテナ、320:受信装置、321:復号器、322:復調器、323:ミキサ、324:BPF、325:周波数シンセサイザ、326:同期回路、327:アンテナ、
500:ホッピングパターン、501:配置パターン、502:網掛ブロック、503:空白ブロック、510:第一ホッピングパターン、511:第一配置パターン、520:第二ホッピングパターン、521:第二配置パターン、
610:存在確率の分布、611:最大値、611b:最大値ブロック、612:極小値、612b:極小値ブロック、620:存在確率の分布、630:存在確率の分布、
900:電波、
FR:使用可能周波数帯域、FR2:第二周波数帯域、FRh:第二周波数帯域候補、T:混合割合、Th:混合割合候補、fd:占有周波数幅、ud:単位周波数