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  • 特開-猫砂及びその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159010
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】猫砂及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 1/015 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
A01K1/015 B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074721
(22)【出願日】2023-04-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】523162188
【氏名又は名称】シェンチェン ユト パッケージング テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ShenZhen YUTO Packaging Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】The 3rd floor of Office Building, the 1st floor of Workshop Building D, the 1st floor of Workshop Building E, Shihuan Road No.1, Shilong Community, Shiyan Street, Baoan District, Shenzhen City, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムー ジェンヤン
(72)【発明者】
【氏名】ハン クオチェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ヤンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ペン ヤオ
(72)【発明者】
【氏名】ホー ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リ ウェンシュー
(72)【発明者】
【氏名】クオ ルイ
(72)【発明者】
【氏名】リ メンヤオ
【テーマコード(参考)】
2B101
【Fターム(参考)】
2B101AA20
2B101GB06
2B101GB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本願は、猫砂及びその製造方法を提供する。
【解決手段】猫砂は、100質量部の植物繊維廃棄物、1質量部~7質量部の抗菌剤、1質量部~34質量部の消臭剤、1質量部~27質量部の吸着剤、1質量部~47質量部の接着剤、1質量部~94質量部の吸水剤、及び20質量部~80質量部の水を含む。ここで、抗菌剤は、メソポーラス固体塩基を含む。当該猫砂は、高い抗菌効果を有し、ペットの健康な成長に役立つ。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
100質量部の植物繊維廃棄物、1質量部~7質量部の抗菌剤、1質量部~34質量部の消臭剤、1質量部~27質量部の吸着剤、1質量部~47質量部の接着剤、1質量部~94質量部の吸水剤、及び20質量部~80質量部の水を含み、ここで、前記抗菌剤は、メソポーラス固体塩基を含む、
ことを特徴とする猫砂。
【請求項2】
前記抗菌剤は、2質量部~6質量部であり、及び/又は、
前記消臭剤は、3質量部~30質量部であり、及び/又は、
前記吸着剤は、2質量部~25質量部であり、及び/又は、
前記接着剤は、5質量部~40質量部であり、及び/又は、
前記吸水剤は、3質量部~85質量部であり、及び/又は、
前記水は、26質量部~60質量部である、
ことを特徴とする請求項1に記載の猫砂。
【請求項3】
前記猫砂は、繊維柔軟剤をさらに含み、前記繊維柔軟剤は、100質量部の前記植物繊維廃棄物に対する含有量が1質量部~18質量部である、
ことを特徴とする請求項1に記載の猫砂。
【請求項4】
前記猫砂は、清新剤をさらに含み、前記清新剤は、100質量部の前記植物繊維廃棄物に対する含有量が1質量部~13質量部である、
ことを特徴とする請求項3に記載の猫砂。
【請求項5】
前記抗菌剤は、3質量部~6質量部であり、及び/又は、
前記消臭剤は、6質量部~12質量部であり、及び/又は、
前記吸着剤は、3質量部~4質量部であり、及び/又は、
前記接着剤は、11質量部~17質量部であり、及び/又は、
前記吸水剤は、5質量部~9質量部であり、及び/又は、
前記水は、41質量部~56質量部であり、及び/又は、
前記繊維柔軟剤は、2質量部~6質量部であり、及び/又は、
前記清新剤は、4質量部~9質量部である、
ことを特徴とする請求項4に記載の猫砂。
【請求項6】
前記繊維柔軟剤は、脂肪酸系化合物、脂肪酸エステル系化合物、グリセリン系化合物、アミド系化合物及びシリコーンオイル系化合物から選択される少なくとも一種であり、及び/又は、
前記清新剤は、リンゴの木の繊維から選択される、
ことを特徴とする請求項4に記載の猫砂。
【請求項7】
前記メソポーラス固体塩基は、金属酸化物及び/又は金属水酸化物から選択される、
ことを特徴とする請求項1に記載の猫砂。
【請求項8】
前記金属酸化物は、アルカリ金属酸化物及び/又はアルカリ土類金属酸化物から選択され、
前記金属水酸化物は、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物から選択される、
ことを特徴とする請求項7に記載の猫砂。
【請求項9】
前記植物繊維廃棄物は、バガス繊維、竹繊維、巨菌草繊維、わら繊維、蓑草繊維及び筍皮繊維から選択される少なくとも一種であり、及び/又は、
前記抗菌剤は、ナノ酸化物、固体の塩素酸化物、ソルビン酸及びソルビン酸塩のうちの少なくとも一種をさらに含み、及び/又は、
前記消臭剤は、粘土、樹脂、植物精油及びアロフェンから選択される少なくとも一種であり、及び/又は、
前記吸着剤は、活性炭、水とナトリウムカルシウムアルミノシリケートの混合物、珪藻土、エステル化グルコマンナン及びコレスチラミンから選択される少なくとも一種であり、及び/又は、
前記接着剤は、ホエータンパク質、アルギン酸ナトリウム、トウモロコシタンパク質、ナトリウムベントナイト、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、予備糊化デンプン及びゼリーグルーから選択される少なくとも一種であり、及び/又は、
前記吸水剤は、アクリル酸塩重合体、アクリロニトリル共重合体、タンパク質、熱硬化性樹脂及びバリア性樹脂から選択される少なくとも一種である、
ことを特徴とする請求項7に記載の猫砂。
【請求項10】
前記ナノ酸化物は、ナノ酸化亜鉛粒子、ナノ二酸化チタン粒子及びナノ二酸化セリウム粒子から選択される少なくとも一種であり、
前記ソルビン酸塩は、ソルビン酸ナトリウム及びソルビン酸カリウムから選択される少なくとも一種であり、
前記固体の塩素酸化物は、二酸化塩素から選択され、
前記粘土は、アミド系化合物で改質されたアタパルジャイト及び/又はナノモンモリロナイトから選択される改質粘土である、
ことを特徴とする請求項9に記載の猫砂。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の猫砂の製造方法であって、
植物繊維廃棄物、水と一部の抗菌剤、消臭剤、吸着剤、接着剤及び吸水剤を均一に混合した後、第1の混合物を得る工程と、
前記混合物を造粒して、第1の粒子を得る工程と、
残量の抗菌剤、消臭剤、吸着剤、接着剤及び吸水剤を混合した後に第2の混合物を形成し、前記第2の混合物で前記第1の粒子を被覆して、第2の粒子を得る工程と、
前記第2の粒子を篩分けし乾燥して、前記猫砂を得る工程
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項12】
前記造粒の圧縮比は、0.5~2.5である、
ことを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、猫砂の技術分野に関し、具体的には、猫砂及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
猫砂とは、ペットの排泄物をクリーニングするための一種の物質を指し、当該物質は、ペットが排出した尿、糞便中の流動性物質及びそれにより生成された異臭を迅速に吸収することができ、飼育環境を清潔且つ清新にすることができる。ペットの排泄物を洗浄する過程において、猫砂を長時間交換しない場合、猫砂に細菌が繁殖しやすく、ペットの健康な成長に不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
猫砂を長時間交換しない場合に猫砂中に細菌が繁殖しやすいという課題を解決するために、一般的には猫砂の製造原料に抗菌剤を添加することにより、細菌の成長を抑制している。しかしながら、現在の猫砂の抗菌効果が良くなく、ペットの健康に影響を与える。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術課題に対し、本願は、猫砂及びその製造方法を提供し、当該猫砂は、優れた抗菌効果を有し、ペットの健康な成長に役立つ。
【0005】
上記技術課題を解決するために、本願は、猫砂を提供し、当該猫砂は、100質量部の植物繊維廃棄物、1質量部~7質量部の抗菌剤、1質量部~34質量部の消臭剤、1質量部~27質量部の吸着剤、1質量部~47質量部の接着剤、1質量部~94質量部の吸水剤、及び20質量部~80質量部の水を含み、ここで、前記抗菌剤は、メソポーラス固体塩基を含む。
【0006】
本願のいくつかの実施形態において、前記抗菌剤は、2質量部~6質量部であり、及び/又は、
前記消臭剤は、3質量部~30質量部であり、及び/又は、
前記吸着剤は、2質量部~25質量部であり、及び/又は、
前記接着剤は、5質量部~40質量部であり、及び/又は、
前記吸水剤は、3質量部~85質量部であり、及び/又は、
前記水は、26質量部~60質量部である。
【0007】
本願のいくつかの実施形態において、前記猫砂は、繊維柔軟剤をさらに含み、前記繊維柔軟剤は、100質量部の前記植物繊維廃棄物に対する含有量が1質量部~18質量部である。
【0008】
本願のいくつかの実施形態において、前記猫砂は、清新剤をさらに含み、前記清新剤は、100質量部の前記植物繊維廃棄物に対する含有量が1質量部~13質量部である。
【0009】
本願のいくつかの実施形態において、前記抗菌剤は、3質量部~6質量部であり、及び/又は、
前記消臭剤は、6質量部~12質量部であり、及び/又は、
前記吸着剤は、3質量部~4質量部であり、及び/又は、
前記接着剤は、11質量部~17質量部であり、及び/又は、
前記吸水剤は、5質量部~9質量部であり、及び/又は、
前記水は、41質量部~56質量部であり、及び/又は、
前記繊維柔軟剤は、2質量部~6質量部であり、及び/又は、
前記清新剤は、4質量部~9質量部である。
【0010】
本願のいくつかの実施形態において、前記繊維柔軟剤は、脂肪酸系化合物、脂肪酸エステル系化合物、グリセリン系化合物、アミド系化合物及びシリコーンオイル系化合物から選択される少なくとも一種であり、及び/又は、
前記清新剤は、リンゴの木の繊維から選択される。
【0011】
本願のいくつかの実施形態において、前記メソポーラス固体塩基は、金属酸化物及び/又は金属水酸化物から選択される。
【0012】
本願のいくつかの実施形態において、前記金属酸化物は、アルカリ金属酸化物及び/又はアルカリ土類金属酸化物から選択され、
前記金属水酸化物は、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物から選択される。
【0013】
本願のいくつかの実施形態において、前記植物繊維廃棄物は、バガス繊維、竹繊維、巨菌草(Pennisetum giganteum)繊維、わら繊維、蓑草繊維及び筍皮繊維から選択される少なくとも一種であり、及び/又は、
前記抗菌剤は、ナノ酸化物、固体の塩素酸化物、ソルビン酸及びソルビン酸塩のうちの少なくとも一種をさらに含み、及び/又は、
前記消臭剤は、粘土、樹脂、植物精油及びアロフェン(Allophane)から選択される少なくとも一種であり、及び/又は、
前記吸着剤は、活性炭、水とナトリウムカルシウムアルミノシリケートの混合物、珪藻土、エステル化グルコマンナン及びコレスチラミンから選択される少なくとも一種であり、及び/又は、
前記接着剤は、ホエータンパク質、アルギン酸ナトリウム、トウモロコシタンパク質、ナトリウムベントナイト、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、予備糊化デンプン及びゼリーグルー(Jelly Glue)から選択される少なくとも一種であり、及び/又は、
前記吸水剤は、アクリル酸塩重合体、アクリロニトリル共重合体、タンパク質、熱硬化性樹脂及びバリア性樹脂から選択される少なくとも一種である。
【0014】
本願のいくつかの実施形態において、前記ナノ酸化物は、ナノ酸化亜鉛粒子、ナノ二酸化チタン粒子及びナノ二酸化セリウム粒子から選択される少なくとも一種であり、
前記ソルビン酸塩は、ソルビン酸ナトリウム及びソルビン酸カリウムから選択される少なくとも一種であり、
前記固体の塩素酸化物は、二酸化塩素から選択され、
前記粘土は、アミド系化合物で改質されたアタパルジャイト(Attapulgite)及び/又はナノモンモリロナイトから選択される改質粘土である。
【0015】
本願は、上記のいずれかの実施形態に記載の猫砂の製造方法を提供し、前記製造方法は、
植物繊維廃棄物、水と一部の抗菌剤、消臭剤、吸着剤、接着剤及び吸水剤を均一に混合した後、第1の混合物を得る工程と、
前記混合物を造粒して、第1の粒子を得る工程と、
残量の抗菌剤、消臭剤、吸着剤、接着剤及び吸水剤を混合した後に第2の混合物を形成し、前記第2の混合物で前記第1の粒子を被覆して、第2の粒子を得る工程と、
前記第2の粒子を篩分けし乾燥して、前記猫砂を得る工程を含む。
【0016】
本願のいくつかの実施形態において、前記造粒の圧縮比は、0.5~2.5である。
【発明の効果】
【0017】
本発明において、猫砂は、成分及びその含有量を適宜に選択することにより、優れた抗菌効果を有し、ペットの健康な成長に役立つ。そのうち、植物繊維廃棄物の回収利用は、猫砂の製造コストを低減できるだけでなく、環境の保護にも役立つことができる。また、抗菌剤は、それに含まれるメソポーラス固体塩基が大きい比表面積及び細孔体積を有するため、より高い抗菌効果を有する。
【0018】
ここでの図面は明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、本願に適する実施形態を示し、明細書と共に本願の原理を説明するために用いられる。本願の実施形態の発明をより明確に説明するために、以下に実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、当業者にとって、創造的労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面をさらに取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本願のいくつかの実施例に係る猫砂の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願の目的の実現、機能的特徴及び利点は、実施例を参照し、図面を参照してさらに説明する。上記図面により、本願の明確な実施形態を示し、後により詳細に説明する。これらの図面及び文字記述はいかなる形態で本願の構想の範囲を限定するものではなく、特定の実施例を参照することにより当業者に対して本願の概念を説明する。
【0021】
本明細書における各実施例又は実施形態は漸進の解決手段を用いて説明し、各実施例において重点的に説明されるのはいずれも他の実施例と異なる点である。
【0022】
特別な規定がない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学的用語は本願の技術分野の当業者が一般的に理解する意味と同じである。本明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を説明する目的で使用され、本願を限定するものではない。本願の明細書及び特許請求の範囲の「含む」、「備える」及び「有する」という用語並びにそれらの任意の変形は、排他的な包含をカバーすることを意図する。
【0023】
本願の説明において、「第1」、「第2」等のような技術的用語は、異なるオブジェクトを区別するために用いられ、相対的な重要性を指示するか又は暗示する、示された技術的特徴の数、特定の順序又は主な関係を暗黙的に示すと理解されてはいけない。本願の説明において、特に明確な具体的な限定がない限り、「複数」の意味は二つ以上である。
【0024】
本明細書の説明において、「一つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例示的な実施形態」、「例示的な」、「具体的な例」、又は「いくつかの例示」等のような参照用語の説明は、実施形態又は例示的な説明を組み合わせる具体的な特徴、構造、材料又は特徴が本願の少なくとも一つの実施形態又は例示に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する概略的な表記が必ずしも同じ実施形態又は例示を指すとは限られない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特徴は、任意の一つ又は複数の実施形態又は例示において適切な解決手段で組み合わせることができる。
【0025】
本願は、植物繊維廃棄物、抗菌剤、消臭剤、吸着剤、接着剤、吸水剤及び水を含む猫砂を提供する。そのうち、植物繊維廃棄物が100質量部であり、抗菌剤が1質量部~7質量部であり、消臭剤が1質量部~34質量部であり、吸着剤が1質量部~27質量部であり、接着剤が1質量部~47質量部であり、吸水剤が1質量部~94質量部であり、水が20質量部~80質量部である。
【0026】
本願の技術案において、猫砂は、成分及びその含有量を適宜に選択することにより、優れた抗菌効果を有し、ペットの健康な成長に役立つ。そのうち、植物繊維廃棄物は取得しやすく、回収利用することができるため、猫砂の製造コストを低減できるだけでなく、環境の保護にも役立つことができる。また、抗菌剤は、それに含まれるメソポーラス固体塩基が大きい比表面積及び細孔体積を有するため、より高い抗菌効果を有する。
【0027】
本願の実施形態において、植物繊維廃棄物が取得しやすいため、猫砂の製造難度をさらに低下させる。廃棄された植物繊維を回収利用することにより、猫砂の製造コストを低下させ、環境にもやさしい。
【0028】
以下に説明する実施形態において、特に説明しない限り、猫砂に含まれる成分の質量部の数量はいずれも100質量部の植物繊維廃棄物に対して計算したものである。
【0029】
植物繊維廃棄物
植物繊維廃棄物は、猫砂の造粒過程においてサポートの役割を果たしている。本願のいくつかの実施形態において、植物繊維廃棄物は、バガス繊維、竹繊維、巨菌草繊維、わら繊維、蓑草繊維及び筍皮繊維から選択される少なくとも一種であってもよい。上記のこれらの植物繊維廃棄物は、取得しやすく、繊維の含有量が高くて吸水性が高く、使用過程において高いサポートの役割を果たすことができるだけでなく、猫砂の吸水効果をさらに向上させることができる。
【0030】
抗菌剤
抗菌剤は、細菌、真菌等の微生物を迅速に殺滅することができ、それにより猫砂の使用中に細菌が繁殖しにくい。本願の実施形態において、抗菌剤は、メソポーラス固体塩基を含み、ここで、メソポーラスとは、孔径の範囲が2nm~50nmの孔を指す。メソポーラスに基づく固体塩基は触媒とすることができ、当該触媒は、活性が高く、反応条件が温和である等の利点を有し、それにより空気中の酸素及び水蒸気をメソポーラス固体塩基の表面に迅速に吸着することができ、自体の触媒性能により、酸素及び水蒸気を触媒して、ヒドロキシラジカル、酸素ラジカル、ペルオキシラジカル等の酸化性粒子を生成し、これらの酸化性粒子は、酸化速度がオゾンの酸化率より数桁高いため、細菌、真菌等の微生物を迅速に殺滅することができる。
【0031】
本願のいくつかの実施形態において、メソポーラス固体塩基は、金属酸化物及び/又は金属水酸化物から選択することができる。さらに、当該金属は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属であってもよい。
【0032】
例示的には、メソポーラス固体塩基は、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム及びハイドロタルサイトのうちの少なくとも一種であってもよい。
【0033】
本願のいくつかの実施形態において、抗菌剤は、メソポーラス固体塩基の他に、ナノ酸化物、固体の塩素酸化物、ソルビン酸及びソルビン酸塩のうちの少なくとも一種を含み得る。
【0034】
例示的には、ナノ酸化物は、ナノ酸化亜鉛粒子、ナノ二酸化チタン粒子及びナノ二酸化セリウム粒子から選択される少なくとも一種である。ソルビン酸塩は、ソルビン酸ナトリウム及びソルビン酸カリウムから選択される少なくとも一種である。固形の塩素酸化物は、二酸化塩素から選択される。
消臭剤
【0035】
消臭剤は、ペットの排泄物中のアンモニアガス及びアンモニウムイオンを除去することができるため、飼育環境における空気質を改善及び腐臭を防止し、ペットの気道疾患の発生を減少させ、ペットの健康な成長に役立つ。また、消臭剤は、別の効果をさらに有し、例えば、体を清らかに止血し、湿潤環境によるペットの体温の低下を防止し、下痢及びその他の疾患の発病率を低下させる。
【0036】
本願のいくつかの実施形態において、消臭剤は、粘土、樹脂、植物精油及びアロフェンから選択される少なくとも一種である。
【0037】
上記のこれらの実施形態において、粘土は、改質粘土であってもよく、当該改質粘土は、アミド系化合物で改質されたアタパルジャイト及び/又はナノモンモリロナイトから選択されてもよい。
【0038】
本願のいくつかの選択可能な実施形態において、改質粘土は、アミド系化合物で改質されたアタパルジャイトである。
【0039】
具体的には、アミド系化合物は、ポリアクリルアミドであってもよく、それは、線状の水溶性高分子凝集剤として、その分子鎖にアクリルアミド単位と同じ数のアミド基を有し、アミド基は、高い極性を有し、水素結合を形成しやすく、高反応活性を有する。
【0040】
アタパルジャイトは、繊維状又は鎖状構造のマグネシウムリッチなアルミノケイ酸塩粘土鉱物であり、その結晶構造に一連の結晶チャネルが存在し、比表面積が大きいため、強い物理的吸着能力を有する。また、結晶構造中に結晶欠陥及び空孔が存在するため、アタパルジャイトの表面に負電荷を持たせ、それにより強いイオン交換吸着能力を有する。
【0041】
また、アタパルジャイトは、表面に大量のシリコンヒドロキシを有し、有機質に対して親和性を有し、グラフト反応により特定の基を有する有機-無機複合材料を生成して、アタパルジャイトに新しい性能を付与する。
【0042】
本願のいくつかの実施形態において、シリル化(Silylation)アタパルジャイトの表面にアクリルアミドをグラフトして、ポリアクリルアミド/アタパルジャイト複合材料を形成することができ、当該複合材料は、表面に大量のアミド基を有し、有害な重金属イオン及びアンモニウムイオンに対して高い吸着能力を有する。また、アタパルジャイト自体が強い吸着能力を有するため、環境中の有害ガスを吸着して、飼育環境における空気質を改善及び腐臭を防止する目的を達成し、ペットの気道疾患の発生を低減させ、ペットの健康な成長に役立つことができる。
【0043】
上記のこれらの実施形態において、ポリアクリルアミド/アタパルジャイト複合材料の製造方法は、以下のとおりである。
(1)三口フラスコに100mLのトルエン、1mLの水及び3.0gのアタパルジャイト(105℃で2h乾燥させた)を順次添加した後、撹拌しながら3mLのγ-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン(KH-570)を添加し、40℃~45℃で40min超音波処理する。
(2)撹拌の条件下で、45℃~50℃で4h恒温反応させ、得られた反応生成物を濾過分離した後、トルエン、無水エタノール及び脱イオン水で順次洗浄することにより余分なKH-570を除去し、105℃で乾燥させて、シリル化アタパルジャイトを取得し、研磨及び篩分けを経て予備用とし、ここで、篩分けは、200メッシュで篩分けを行う。
(3)三口フラスコに100mLのトルエン及び2.0gのシリル化アタパルジャイトを順次添加した後、一定の質量のアクリルアミド及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を順次添加して、窒素ガスの雰囲気下及び一定の温度下で数時間反応させる。
(4)反応が終了した後、得られた生成物を濾過分離した後にトルエン、無水エタノール及び脱イオン水で順次洗浄することにより余分なポリアクリルアミドを除去して、ポリアクリルアミド/アタパルジャイト複合材料を取得し、複合材料を105℃で乾燥させ、研磨及び篩分けを経て予備用とし、ここで、篩分けは、200メッシュで篩分けを行う。
【0044】
本願のいくつかの他の実施形態において、消臭剤は、高吸水性樹脂から選択することができ、当該高吸水性樹脂は、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基及びアミド基等の親水性官能基を有し、自重の数十倍から数千倍に相当する水を吸収し、水又は水溶液に接触した後に腫脹してハイドロゲルを形成することができ、当該ハイドロゲルは、アンモニアガスを吸収するため、顕著な消臭効果を有することができる。例示的には、高吸水性樹脂は、ポリアクリル酸であってもよい。消臭剤は、ゼオライト粉を使用してもよい。
【0045】
吸着剤
吸着剤は、真菌又はカビによる毒性、催奇形性及び発癌性の代謝生成物を除去するために用いられ、ここで、カビ毒は、ペットの成長発育の遅れ、免疫力の低下及び器官機能の障害等を引き起こす。
【0046】
本願のいくつかの実施形態において、吸着剤は、活性炭、水とナトリウムカルシウムアルミノシリケートの混合物、珪藻土、エステル化グルコマンナン及びコレスチラミンから選択される少なくとも一種である。
【0047】
接着剤
接着剤は、猫砂の造粒過程において各成分を結着させて粒子状物質を形成することができる。本願のいくつかの実施形態において、接着剤は、ホエータンパク質、アルギン酸ナトリウム、トウモロコシタンパク質、ナトリウムベントナイト、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、予備糊化デンプン及びゼリーグルーから選択される少なくとも一種である。
【0048】
吸水剤
吸水剤は、優れた吸水性能及び水分を保存する能力を有する。本願のいくつかの実施形態において、吸水剤は、アクリル酸塩重合体、アクリロニトリル共重合体、タンパク質、熱硬化性樹脂及びバリア性樹脂から選択される少なくとも一種である。
【0049】
例示的には、アクリル酸塩重合体は、ポリアクリル酸塩又はデンプン-アクリル酸塩重合体であってもよく、アクリロニトリル共重合体は、デンプン-アクリロニトリルグラフト共重合体又はアクリルアミド-アクリロニトリル-アクリル酸三元共重合体であってもよく、タンパク質は、カゼインであってもよく、熱硬化性樹脂は、ポリアミドエピクロロヒドリン(Polyamide epichlorhydrin)であってもよく、バリア性樹脂は、ポリビニルアルコールであってもよい。
【0050】
本願のいくつかの実施形態において、抗菌剤が2質量部~6質量部であり、及び/又は、消臭剤が3質量部~30質量部であり、及び/又は、吸着剤が2質量部~25質量部であり、及び/又は、接着剤が5質量部~40質量部であり、及び/又は、吸水剤が3質量部~85質量部であり、及び/又は、水が26質量部~60質量部である。
【0051】
上記のこれらの実施形態において、猫砂は、各成分の含有量をさらに最適化することにより、より良好な抗菌効果を有し、ペットの健康な成長に役立つ。
【0052】
本願のいくつかの実施形態において、猫砂は、繊維柔軟剤をさらに含み、当該繊維柔軟剤は、100質量部の植物繊維廃棄物に対する含有量が1質量部~18質量部である。
【0053】
上記のこれらの実施形態において、繊維柔軟剤は、猫砂の柔らかさを向上させて、猫砂の足触りが柔軟で快適であるという目的を達成することができる。
【0054】
本願のいくつかの実施形態において、繊維柔軟剤は、脂肪酸系化合物、脂肪酸エステル系化合物、グリセリン系化合物、アミド系化合物及びシリコーンオイル系化合物から選択される少なくとも一種であり、例示的には、繊維柔軟剤は、モノステアリン酸グリセリン及びジステアリン酸グリセリル、ステアリン酸、オレイン酸アミド、グリセリン、トリアルキルリン酸エステル、アミノシリコーンオイル及びペンタエリスリトールステアリン酸エステルのうちの一種又は複数種の混合物であってもよい。
【0055】
本願のいくつかの実施形態において、猫砂は、清新剤をさらに含み、当該清新剤は、100質量部の植物繊維廃棄物に対する含有量が1質量部~13質量部である。
【0056】
上記のこれらの実施形態において、清新剤は、ペットの排泄物中の異臭を吸収できるため、飼育環境における空気質をさらに改善し、ペットの健康な成長に役立つことができる。
【0057】
本願のいくつかの実施形態において、清新剤は、リンゴの木の繊維から選択される。当該リンゴの木の繊維は、加工時に僅かな香りがあり、天然の果樹は、刺激がなく、環境に優しく、清新でほこりもない。
【0058】
本願のいくつかの実施形態において、抗菌剤が3質量部~6質量部であり、及び/又は、消臭剤が6質量部~12質量部であり、及び/又は、吸着剤が3質量部~4質量部であり、及び/又は、接着剤が11質量部~17質量部であり、及び/又は、吸水剤が5質量部~9質量部であり、及び/又は、水が41質量部~56質量部であり、及び/又は、繊維柔軟剤が2質量部~6質量部であり、及び/又は、清新剤が4質量部~9質量部である。
【0059】
上記のこれらの実施形態において、猫砂は、各成分の含有量をさらに最適化することにより、より良好な抗菌効果及び脱臭効果を有するだけでなく、猫砂の柔らかさを向上させ、ペットの健康な成長に役立つことができる。
【0060】
本願は、さらに、上記のいずれかの実施形態に記載の猫砂の製造方法を提供し、当該製造方法は、以下の工程を含む。
S10において、植物繊維廃棄物、水と一部の抗菌剤、消臭剤、吸着剤、接着剤及び吸水剤を均一に混合した後、第1の混合物を得る。
S20において、上記混合物を造粒して、第1の粒子を得る。
S30において、残量の抗菌剤、消臭剤、吸着剤、接着剤及び吸水剤を混合した後に第2の混合物を形成し、第2の混合物で第1の粒子を被覆して、第2の粒子を得る。
S40において、第2の粒子を篩分けし乾燥して、猫砂を得る。
【0061】
本願の技術案において、猫砂は、各成分を取得しやすく、製造難度が低く、製造コストも低い。
【0062】
本願のいくつかの実施形態において、S10は、以下の工程を含む。
S11において、植物繊維廃棄物に対して順次選別及び乾燥処理を行って、必要な猫砂の成分を得る。
S12において、水を乾燥後の植物繊維廃棄物に均一にスプレーし、撹拌しながら混合する。
S13において、一部の接着剤、抗菌剤、消臭剤、吸着剤をS12で得られた混合物に添加して、5min~10min撹拌する。
S14において、一部の吸水剤をS13で得られた混合物に添加して、3min~5min撹拌する。
【0063】
本願のいくつかの実施形態において、S20は、以下の工程を含む。
S21において、S14で得られた混合物を造粒機の金型にゆっくりと添加し、押圧した後に第1の粒子を得る。
【0064】
本願のいくつかの実施形態において、金型の圧縮比は、0.5~2.5である。圧縮比が上記範囲内にあれば、第1の粒子の弛み、成形度及び完全性を向上させることができ、成形度及び完全性をバランスさせることができる。猫砂は、高い弛みにより、より優れた足触りと軟らかさ及び吸水効果を有するだけでなく、さらに各猫砂の吸水速度をより速くし、吸水をより十分にするため、猫砂の使用量の節約及び猫の尿の漏れの防止を実現することができる。高い成形度及び高い完全性により、猫砂中の粉砕粒子及び粉塵の含有量をより低くすることができる。
【0065】
本願のいくつかの実施形態において、S30は、以下の工程を含む。
S31において、撹拌の条件下で、被覆が完了するまで、残量の抗菌剤、消臭剤、吸着剤、接着剤及び吸水剤を第1の粒子に添加し、3min~5min撹拌し続けて、第2の粒子を得る。
【0066】
本願のいくつかの実施形態において、S40は、以下の工程を含む。
S41において、第2の粒子を40メッシュの濾過網で篩分けし、濾過網上の第2の粒子を乾燥装置に転移して乾燥処理を行い、乾燥温度が65℃~75℃であり、乾燥時間が15min~25minであり、粒子の含水率を12%~18%に制御して、猫砂を得ることができる。
【0067】
本願のいくつかの実施形態において、猫砂の製造方法は、以下の工程を含む。
(1)植物繊維廃棄物及び清新剤を選別し乾燥処理した後、植物繊維廃棄物及び清新剤を均一に混合して、混合繊維を得る。
(2)繊維柔軟剤を(1)で得られた混合物に均一に添加し、5min~10min撹拌した後、20min~30min静置する。
(3)水を(2)工程で得られた混合繊維に均一にスプレーし、均一に混合するまで撹拌する。
(4)一部の抗菌剤、消臭剤、吸着剤、接着剤及び吸水剤を(3)工程で得られた混合物に混合して添加して、5min~10min撹拌する。
(5)一部の吸水剤を(4)工程で得られた混合物に添加して、3min~5min撹拌する。
(6)(5)工程で得られた混合物を造粒機の金型にゆっくりと添加し、金型の圧縮比を0.5~2.5に調整し、押圧して第1の粒子を得る。
(7)水を50℃~60℃に加熱し、撹拌の条件下で、水に2%の濃度の予備糊化デンプンをさらに添加して、予備糊化デンプン溶液を取得し、ここで、撹拌の速度は、600r/min~1400r/minであり、撹拌の時間は、5min~10minである。
(8)第1の粒子を粉付け機に添加し、撹拌の条件下で、(7)中の予備糊化デンプン溶液を添加し、添加が完了した後、残量の抗菌剤、消臭剤、吸着剤、接着剤及び吸水剤を粉付け機に添加して、第2の粒子に対する被覆処理を行い、3min~5min撹拌し続けて、第2の粒子を得る。
(9)第2の粒子を40メッシュの濾過網で篩分けし、濾過網上の第2の粒子を乾燥装置に転移して乾燥処理を行い、乾燥温度が65℃~75℃であり、乾燥時間が15min~25minであり、粒子の含水率を12%~18%に制御して、猫砂を得ることができる。
【0068】
以下、具体的な実施例によって、本願の猫砂及びその製造方法を詳細に説明する。
【実施例0069】
本実施例は、猫砂の製造方法を提供し、当該製造方法は、以下の工程を含む。
(1)植物繊維廃棄物に対して順次選別及び乾燥処理を行って、必要な猫砂の成分を得る。
(2)水を乾燥後の植物繊維廃棄物に均一にスプレーし、撹拌して混合する。
(3)1.5質量部の接着剤、0.3質量部の抗菌剤、0.5質量部の消臭剤、0.8質量部の吸着剤を(2)工程で得られた混合物に添加して、5min撹拌する。
(4)1質量部の吸水剤を(3)工程で得られた混合物に添加して、3min撹拌する。
(5)(4)工程で得られた混合物を造粒機の金型にゆっくりと添加し、押圧した後に第1の粒子を取得し、ここで、金型の圧縮比は、2.5である。
(6)第1の粒子を粉付け機に添加し、撹拌の条件下で、残量の抗菌剤、消臭剤、吸着剤、接着剤及び吸水剤を粉付け機に添加して、第2の粒子に対する被覆処理を行い、3min撹拌し続けて、第2の粒子を得る。
(7)第2の粒子を40メッシュの濾過網で篩分けし、濾過網上の第2の粒子を乾燥装置に転移して乾燥処理を行い、乾燥温度が65℃であり、乾燥時間が15minであり、粒子の含水率を18%に制御して、猫砂を得ることができる。
【実施例0070】
本実施例は、猫砂の製造方法を提供し、当該製造方法は、以下の工程を含む。
(1)植物繊維廃棄物及び清新剤に対して選別及び乾燥処理を行った後、植物繊維廃棄物及び清新剤を均一に混合する。
(2)繊維柔軟剤を(1)で得られた混合物に均一に添加して、8min撹拌し、その後25min静置する。
(3)水を(2)工程で得られた混合物に均一にスプレーし、均一に混合するまで撹拌する。
(4)4質量部の接着剤、1質量部の抗菌剤、2.5質量部の消臭剤、1.5質量部の吸着剤を(3)工程で得られた混合物に混合添加して、8min撹拌する。
(5)2質量部の吸水剤を(4)工程で得られた混合物に添加して、4min撹拌する。
(6)(5)工程で得られた混合物を造粒機の金型にゆっくりと添加し、押圧して第1の粒子を取得し、ここで、金型の圧縮比は、1.5である。
(7)水を65℃に加熱し、撹拌の条件下で、水に2%の濃度の予備糊化デンプンをさらに添加して、予備糊化デンプン溶液を取得し、ここで、撹拌の速度は、900r/minであり、撹拌の時間は、7minである。
(8)第1の粒子を粉付け機に添加し、撹拌の条件下で、(7)中の予備糊化デンプン溶液を添加し、添加が完了した後、残量の抗菌剤、消臭剤、吸着剤、接着剤及び吸水剤を粉付け機に添加して、第2の粒子に対する被覆処理を行い、4min撹拌し続けて、第2の粒子を得る。
(9)第2の粒子を40メッシュの濾過網で篩分けし、濾過網上の第2の粒子を乾燥装置に転移して乾燥処理を行い、乾燥温度が70℃であり、乾燥時間が20minであり、粒子の含水率を15%に制御して、猫砂を得ることができる。
【実施例0071】
本実施例は猫砂の製造方法を提供し、当該製造方法は、以下の工程を含む。
(1)植物繊維廃棄物及び清新剤に対して選別及び乾燥処理を行った後、植物繊維廃棄物及び清新剤を均一に混合する。
(2)繊維柔軟剤を(1)で得られた混合物に均一に添加して、10min撹拌し、その後30min静置する。
(3)水を(2)工程で得られた混合物に均一にスプレーし、均一に混合するまで撹拌する。
(4)8質量部の接着剤、3質量部の抗菌剤、4.5質量部の消臭剤、2質量部の吸着剤を(3)工程で得られた混合物に混合添加して、10min撹拌する。
(5)4.5質量部の吸水剤を(4)工程で得られた混合物に添加して、5min撹拌する。
(6)(5)工程で得られた混合物を造粒機の金型にゆっくりと添加し、押圧して第1の粒子を取得し、ここで、金型の圧縮比は、0.5である。
(7)水を60℃に加熱し、撹拌の条件下で、水に2%の濃度の予備糊化デンプンをさらに添加して、予備糊化デンプン溶液を取得し、ここで、撹拌の速度が1400r/minであり、撹拌の時間が10minである。
(8)第1の粒子を粉付け機に添加し、撹拌の条件下で、(7)に中の予備糊化デンプン溶液を添加し、添加が完了した後、残量の抗菌剤、消臭剤、吸着剤、接着剤及び吸水剤を粉付け機に添加して、第2の粒子に対する被覆処理を行い、5min撹拌し続けて、第2の粒子を得る。
(9)第2の粒子を40メッシュの濾過網で篩分けし、濾過網上の第2の粒子を乾燥装置に転移して乾燥処理を行い、乾燥温度が75℃であり、乾燥時間が25minであり、粒子の含水率を12%に制御して、猫砂を得ることができる。
【0072】
比較例1
本比較例は猫砂の製造方法を提供し、以下の工程を含む。
(1)植物繊維廃棄物に対して選別及び燥処理を行う。
(2)繊維柔軟剤を(1)で得られた植物繊維廃棄物に均一に添加して、5min撹拌し、その後に20min静置する。
(3)水を(2)で得られた混合物に均一にスプレーし、均一に混合するまで撹拌する。
(4)0.2質量部の抗菌剤、8質量部の接着剤及び4.5質量部の吸水剤を(3)工程で得られた混合物に混合添加して、5min撹拌する。
(5)(4)工程で得られた混合物を造粒機の金型にゆっくりと添加し、押圧して第1の粒子を取得し、ここで、金型の圧縮比は、3.0である。
(6)水を50℃に加熱し、撹拌の条件下で、水に2%の濃度の予備糊化デンプンをさらに添加して、予備糊化デンプン溶液を取得し、ここで、撹拌の速度は、600r/minであり、撹拌の時間は、5minである。
(7)第1の粒子を粉付け機に添加し、撹拌の条件下で、(6)中の予備糊化デンプン溶液を添加し、添加が完了した後、残量の抗菌剤、接着剤及び吸水剤を粉付け機に添加して、第2の粒子に対する被覆処理を行い、3min撹拌し続けて、第2の粒子を得る。
(8)第2の粒子を40メッシュの濾過網で篩分けし、濾過網上の第2の粒子を乾燥装置に転移して乾燥処理を行い、乾燥温度が65℃であり、乾燥時間が15minであり、粒子含水率を18%に制御して、猫砂を得ることができる。
【0073】
実施例1~3及び比較例1の猫砂における各成分の重量比は、表1に示すとおりである。
【0074】
【表1】
【0075】
試験例
実施例1~3及び比較例1における猫砂に対して性能試験を行い、試験結果は、表2に示すとおりであり、具体的な性能試験は、以下のとおりである。
【0076】
結塊の強度
試料が吸水し凝集して結塊試料を形成した。結塊試料を一定の高さから自然落下させ、その破砕状態からその結塊の強度を判定する。結塊の強度が75%以上である場合に合格とする。
【0077】
試験ステップ:一つの結塊試料をランダムに取り、結塊の坪量m(結塊の坪量は試料が吸水してペレットに凝結した後の重量を指す)を秤取し、次に50cmの高さから大理石又はその他の無弾性のテーブルに自由落下し、最大の猫砂をピックアップしてmを秤量し、結塊の強度の計算式は、以下のとおりである。
【0078】
Q=m/m×100%
式中:
Qは、結塊強度であり、単位が%であり、
は、結塊の坪量であり、単位がgであり、
は、結塊の質量であり、単位がgである。
【0079】
吸水率
吸水率が66%以上である場合に合格とし、吸水率に使用される機器は以下のとおりである。
a)天秤であって、感量仕様が0.01gであるもの。
b)酸性ビュレットであって、仕様が25mLであるもの。
c)ピペットであって、仕様が20mLであるもの。
【0080】
試験ステップ:20gの猫砂を試料鉢内に平らに敷き、その厚さが約8cm~10cmであり、ピペットで36℃~40℃の温度の1%塩化ナトリウム溶液20mLを吸い取って、酸性ビュレットに移し、酸性ビュレットを試料の表面から約3cm離れるように調整し、酸性ビュレットを開け、全ての溶液を30s内に試料内に流入させ、全てが流出した後60s後、結塊試料を取り出し、0.01gの感量仕様の天秤で質量mを秤量する。この方法で同時に3組の試料を作って、平均値を求め、吸水率の計算式は以下のとおりである。
【0081】
X=20/(m-20)×100%
式中:
Xは、吸水率であり、単位が%であり、
は、結塊の坪量であり、単位がgである。
アンモニアガスの濃度
【0082】
密封環境において、アンモニアガス測定器で一定のアンモニアガスが溶液により吸収された後に残留したアンモニアガスの濃度を測定し、アンモニアガスの濃度が20mg/m以下である場合、合格とする。
【0083】
試験ステップ:5%の濃度のアンモニアガス水溶液の臭源を調製し、23℃~27℃に恒温し、試験試料を材料カップと共に密封された四角形のボックス内に置き、当該ボックスは、長さが30cmで、幅が20cmで、高さが10cmである。材料カップから10cm離れた箇所にアンモニアガス測定器を配置し、ピペットによって20mLの調製された臭源を材料カップの中心点に順流させ、ボックスを密封し、3min計時した後の読み取り値がアンモニアガスの濃度である。
【0084】
細菌、カビ及びアフラトキシンの含有量
大腸菌群の含有量は、GB/T 18869に応じて測定し、大腸菌群の含有量が300MPN/100g以下である場合、合格とする。
【0085】
サルモネラ菌の含有量は、GB/T 13091に応じて測定し、サルモネラ菌の含有量は以下のとおりである。
【0086】
カビの合計含有量は、GB/T 13092に応じて測定し、カビの合計含有量が4×10CFU/g以下である場合、合格とする。
【0087】
アフラトキシンBの含有量は、GB/T 17480に応じて測定し、アフラトキシンBの含有量が20μg/kg以下である場合、合格とする。
【0088】
【表2】
【0089】
表2から分かるように、本願の猫砂は、優れた抗菌効果を有すると同時に、良好な結塊の強度、吸水率及び消臭効果を有する。
【0090】
以上は本願の好ましい実施例に過ぎず、本願の特許範囲を限定するものではない。本願の明細書及び図面内容を利用して行われた等価構造又は等価フローの変換、又は他の関連する技術分野に直接的又は間接的に適用することは、いずれも同様に本願の特許保護範囲内に含まれる。
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-07-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料として、
100質量部の植物繊維廃棄物と、
2質量部~6質量部の抗菌剤であって、メソポーラス固体塩基を含み、ナノ酸化物、固体の塩素酸化物、ソルビン酸及びソルビン酸塩のうちの少なくとも一種をさらに含み、前記メソポーラス固体塩基が酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム及びハイドロタルサイトのうちの少なくとも一種である、抗菌剤と、
3質量部~11質量部の消臭剤であって、アミド系化合物で改質されたアタパルジャイト及び/又はナノモンモリロナイト、樹脂、植物精油及びアロフェンから選択される少なくとも一種であり、0~4質量部の高吸水性樹脂をさらに含む、消臭剤と、
2質量部~4質量部の吸着剤であって、活性炭、水とナトリウムカルシウムアルミノシリケートの混合物、珪藻土、エステル化グルコマンナン及びコレスチラミンから選択される少なくとも一種である、吸着剤と、
5質量部~17質量部の接着剤であって、ホエータンパク質、アルギン酸ナトリウム、トウモロコシタンパク質、ナトリウムベントナイト、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、予備糊化デンプン及びゼリーグルーから選択される少なくとも一種である、接着剤と、
3質量部~9質量部の吸水剤であって、アクリル酸塩重合体、アクリロニトリル共重合体、タンパク質、熱硬化性樹脂及びバリア性樹脂から選択される少なくとも一種である、吸水剤と、
20質量部~29質量部の水
を含む、
ことを特徴とする猫砂。
【請求項2】
前記猫砂の原料が繊維柔軟剤をさらに含み、100質量部の前記植物繊維廃棄物に対する前記繊維柔軟剤の含有量が2質量部~6質量部である、
ことを特徴とする請求項1に記載の猫砂。
【請求項3】
前記猫砂の原料が清新剤をさらに含み、100質量部の前記植物繊維廃棄物に対する前記清新剤の含有量が4質量部~9質量部あり、前記清新剤は、リンゴの木の繊維から選択される、
ことを特徴とする請求項2に記載の猫砂。
【請求項4】
前記繊維柔軟剤が、脂肪酸系化合物、脂肪酸エステル系化合物、グリセリン系化合物、アミド系化合物及びシリコーンオイル系化合物から選択される少なくとも一種である
ことを特徴とする請求項3に記載の猫砂。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の猫砂の製造方法であって、
植物繊維廃棄物、水と一部の抗菌剤、消臭剤、吸着剤、接着剤及び吸水剤を均一に混合した後、第1の混合物を得る工程と、
前記混合物を造粒して、第1の粒子を得る工程と、
残量の抗菌剤、消臭剤、吸着剤、接着剤及び吸水剤を混合した後に第2の混合物を形成し、前記第2の混合物で前記第1の粒子を被覆して、第2の粒子を得る工程と、
前記第2の粒子を篩分けし乾燥して、前記猫砂を得る工程
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項6】
前記造粒の圧縮比は、0.5~2.5である、
ことを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
【表1】