(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159018
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】足被覆具
(51)【国際特許分類】
A41B 11/00 20060101AFI20241031BHJP
A41D 13/06 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A41B11/00 A
A41B11/00 J
A41D13/06
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074738
(22)【出願日】2023-04-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】521404314
【氏名又は名称】株式会社一期一会
(74)【代理人】
【識別番号】100148725
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 信彦
(72)【発明者】
【氏名】近藤 祐司
【テーマコード(参考)】
3B018
3B211
【Fターム(参考)】
3B018AA03
3B018AB06
3B018AB07
3B018AB08
3B018AC01
3B018AC07
3B018AD01
3B211AA14
3B211AB08
3B211AC17
(57)【要約】
【課題】 正しい足部の煽り運動を促すことができ、運動性に優れた足被覆具を提供する。
【解決手段】 足被覆具1は、着用者の足裏の第1趾T1から母趾球Ttに対応した領域を含む前足部内側領域10と、着用者の足裏の第4趾T4及び第5趾T5から小趾球Thに対応した領域に延設され、前足部内側領域10よりも低い伸縮性を有し、着用者の足部を支持するサポート部20と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の足裏の第1趾から母趾球に対応した領域を含む前足部内側領域と、
前記着用者の足裏の第4趾及び第5趾から小趾球に対応した領域に延設され、前記前足部内側領域よりも低い伸縮性を有し、前記着用者の足部を支持するサポート部と、を有する、
足被覆具。
【請求項2】
外側滑止め部を有し、
前記外側滑止め部は、中足趾節関節に対応した位置に前縁部を有し、第5中足骨の前端部から後端部に対応した領域に延設される、
請求項1に記載の足被覆具。
【請求項3】
内側滑止め部を有し、
前記内側滑止め部は、中足趾節関節に対応した位置に前縁部を有し、第1中足骨の前端部から長さ方向中央部に対応した領域に延設される、
請求項1に記載の足被覆具。
【請求項4】
内側足横滑止め部を有し、
前記内側足横滑止め部は、内側足横における第1中足趾節関節に対応した領域に設けられる、
請求項1に記載の足被覆具。
【請求項5】
前記サポート部は、前記第4趾、前記第5趾及び前記小趾球に対応した領域から踵部に延設される、請求項1に記載の足被覆具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足被覆具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、人が歩行する際、足部が接地面を離れて前方に振り出される遊脚期と、足部が接地して体重を支持する立脚期とが周期的に繰り返される。踵が接地する立脚前期では、ヒールロッカー状態になり、足部が踵を中心に前方へ揺動する。足部では、踵から足底の外側に位置する小趾球に向けて接地が進み、続いて、小趾球から足底の内側に位置する母趾球に向けて接地が進む運動である、煽り運動が行われる。立脚中期になると、アンクルロッカー状態になり、下腿が足首の関節を中心に前方へ揺動する。立脚中期から立脚後期になると、フォアフットロッカー状態になり、中足部から後足部が中足趾節関節を中心に揺動して踵が浮き上がる。
【0003】
また、足部には、足部アーチが設けられる。足部アーチは、踵骨と第1中足骨前部の間に形成される内側縦アーチと、踵骨と第5中足骨前部との間に形成される外側縦アーチと、内側縦アーチと外側縦アーチの間に形成される横アーチとからなる。立脚前期では、足趾が前方に伸びることによって足趾と踵骨を繋ぐ足底腱膜が伸張し、中足骨前部と踵骨が離隔して足部アーチが下降し、足部の受ける衝撃の吸収が行われる。また、立脚後期になると、足趾が足甲側に背屈することによって足底腱膜が牽引され、中足骨前部と踵骨が近接して足部アーチが上昇し、足部の剛性が向上するとともに、足部を前方に進めるための推進力が強化される。この足部アーチによって構成される機構は、ウィンドラス機構と呼ばれる。
【0004】
筋力低下又は疲労蓄積等によって足部アーチの下降状態が慢性化すると、足部の距骨下関節が過回内になり、脛骨及び大腿骨の内旋によって下肢機能軸がずれ、下肢の運動連鎖によって膝等の足部に障害を生じさせることがある。さらに、大腿骨は、大腰筋を介して背骨と繋がる他、腸骨筋を介して骨盤の内側とも繋がっており、足部アーチの下降状態の慢性化は、大腰筋及び腸腰筋を介して腰及び肩等にも障害を生じさせることがある。
【0005】
従来、足部の機能を有効に保持する靴下がある。例えば、特開2022-34282号公報には、土踏まずを引き上げることができるように、踵部の上部後方に回り込み、土踏まずに対応する位置でクロスする伸縮率の低い帯状のサポート部を備えた靴下が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の靴下では、着用者の足部の筋力の低下や過度な負荷によって距骨下関節が過回内位になると、足部の煽り運動を正しく行うことができずに踵が真直ぐに上がらなくなり、運動性が低下する懸念がある。
【0008】
そこで、本発明は、正しい足部の煽り運動を促すことができ、運動性に優れた足被覆具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る足被覆具は、着用者の足裏の第1趾から母趾球に対応した領域を含む前足部内側領域と、前記着用者の足裏の第4趾及び第5趾から小趾球に対応した領域に延設され、前記前足部内側領域よりも低い伸縮性を有し、前記着用者の足部を支持するサポート部と、を有する。
【0010】
請求項2に係る足被覆具は、請求項1に記載の発明においてさらに、外側滑止め部を有し、前記外側滑止め部は、中足趾節関節に対応した位置に前縁部を有し、第5中足骨の前端部から後端部に対応した領域に延設される。
【0011】
請求項3に係る足被覆具は、請求項1に記載の発明においてさらに、内側滑止め部を有し、前記内側滑止め部は、中足趾節関節に対応した位置に前縁部を有し、第1中足骨の前端部から長さ方向中央部に対応した領域に延設される。
【0012】
請求項4に係る足被覆具は、請求項1に記載の発明においてさらに、内側足横滑止め部を有し、前記内側足横滑止め部は、内側足横における第1中足趾節関節に対応した領域に設けられる。
【0013】
請求項5に係る足被覆具は、請求項1に記載の発明においてさらに、前記サポート部は、前記第4趾、前記第5趾及び前記小趾球に対応した領域から踵部に延設される。
【発明の効果】
【0014】
(請求項1)
(A)サポート部は、着用者の足裏の第4趾及び第5趾から小趾球に対応した領域に延設され、前足部内側領域よりも低い伸縮性を有する。中足趾節関節が背屈すると、前足部内側領域が大きく伸長するのに対し、サポート部によって小趾球に対応した領域の伸長が抑えられ、小趾球は、張られたサポート部によって下側から支持される。サポート部の小趾球の支持により、着用者は、小趾球から母趾球に向けた重心移動が促され、煽り運動がスムーズになり、歩行や走行等の動作が容易になる。
【0015】
(B)サポート部の小趾球の支持により、着用者の足部は、距骨下関節の外返しが促され、踵が真直ぐ上がるようになる。また、サポート部の小趾球の支持により、横アーチ及び横アーチに連動する縦アーチが高い位置に支持され、足部アーチが整えられ、ウィンドラス機構が良好に機能するようになる。
【0016】
(請求項2)
(C)外側滑止め部は、第5中足骨の前端部から後端部に対応した領域に延設される。外側滑止め部は、立脚期が開始して足部の外側領域が接地すると、外側滑止め部が接地面をグリップする。足部の外側領域がスリップしてしまうとアンクルロッカーの開始が遅れてしまうものの、外側滑止め部は、接地面をグリップすることによってスリップによるアンクルロッカー開始の遅れを防止する。これにより、外側滑止め部は、より確実かつ早期にアンクルロッカー及び煽り運動を開始させ、歩行及び走行等の動作を楽なものとし、運動性を向上させる。
【0017】
(D)外側滑止め部は、中足趾節関節に対応した位置に前縁部があり、爪先には設けられていない。したがって、着用者は、グリップによって爪先を取られることがなく、歩行や走行等の動作において、転倒し難くなる。
【0018】
(請求項3)
(E)内側滑止め部は、第1中足骨の前端部から長さ方向中央部に対応した領域に延設される。着用者が加速又は停止をする際、内側滑止め部は、効果的に接地面をグリップする。また、内側滑止め部は、中足趾節関節に対応した位置に前縁部があり、爪先には設けられていない。したがって、着用者は、グリップによって爪先を取られることがなく、歩行や走行等の動作において、転倒し難くなる。
【0019】
(請求項4)
(F)内側足横滑止め部は、内側足横における中足趾節関節に対応した領域に設けられる。内側足横滑止め部は、バトミントンや、スケート等、着用者の一方の足部を大きく踏み出す運動において、効果的に着用者の他方の足部を接地面にグリップ可能である。
【0020】
(請求項5)
(G)サポート部は、第4趾、第5趾及び小趾球に対応した領域から踵部に延設され、前足部内側領域よりも低い伸縮性を有する。中足趾節関節が背屈すると、母趾球に対応した領域が大きく伸長するのに対し、小趾球に対応した領域は、踵部に延設されたサポート部によってより伸長が抑えられ、下側から支持される。
【0021】
本発明によれば、正しい足部の煽り運動を促すことができ、運動性に優れた足被覆具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第1実施形態に係る、足被覆具の構成の一例を示す底面図である。
【
図2A】第1実施形態に係る、足被覆具の構成の一例を示す内側から視た内側面図である。
【
図2B】第1実施形態に係る、足被覆具の構成の一例を示す外側から視た外側面図である。
【
図3A】第1実施形態に係る、着用して踵部を浮かせた足被覆具を説明する内側面図である。
【
図3B】第1実施形態に係る、着用して踵部を浮かせた足被覆具を説明する外側面図である。
【
図4】第1実施形態に係る、着用して踵部を浮かせた足被覆具を説明する後面図である。
【
図5】第2実施形態に係る、足被覆具の構成の一例を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1実施形態の構成)
以下、図面を参照して、第1実施形態に係る足被覆具1の構成を説明する。
【0024】
図1、
図2A及び
図2Bは、第1実施形態に係る、足被覆具1の構成の一例を示す図である。
図1が底面から視た底面図であり、
図2Aが第1趾T1側である内側から視た内側面図であり、
図2Bが第5趾T5側である外側から視た外側面図である。実施形態の説明では、足被覆具1の一例として、右足に着用される靴下の構成を説明するが、左足用のものは、足被覆具1とは左右対称に構成される。
【0025】
図1、
図2A及び
図2Bに示すように、足被覆具1は、足被覆具本体2を有する。足被覆具本体2は、前足部内側領域10及びサポート部20を有し、例えば、丸編機等の編み機によって編成される。足被覆具本体2におけるサポート部20以外の部分は、ニット編みされ、高い伸縮性を有する。足被覆具本体2には、複数の小円形状のゴム部材を付着させた、外側滑止め部30、内側滑止め部40及び内側足横滑止め部50の各々が設けられる。
【0026】
前足部内側領域10は、着用者の前足部の内側に対応した領域であって、足裏の第1趾T1から母趾球Ttに対応した領域を含む。
【0027】
サポート部20は、着用者の足裏の外側の領域に延設される。より具体的には、サポート部20は、着用者の第4趾T4及び第5趾T5から小趾球Thに対応した領域に延設される。さらに具体的には、サポート部20は、着用者の爪先の先端部に対応する位置に前縁部21を有し、前縁部21から着用者の第2趾T2と第3趾T3の間に対応する位置に内側縁部22が延設され、内側縁部22から着用者の中足骨Mの骨幹部に対応する領域に後縁部23が延設され、前縁部21と後縁部23の間において着用者の外側足横Foに対応する位置に外側縁部24が延設される(
図2B)。サポート部20は、編組織の縦方向であるウェール方向の伸縮性が低くなるようにタック編で編成される。サポート部20は、前足部内側領域10よりも低い伸縮性を有し、着用者の足部を支持する。
【0028】
外側滑止め部30は、着用者の足裏の第5中足骨M5の前端部から後端部に対応した領域に延設される。より具体的には、外側滑止め部30は、着用者の中足趾節関節MPに対応した位置に前縁部31を有し、前縁部31から第4中足骨M4と第5中足骨M5の間に対応する位置に内側縁部32が延設され、内側縁部32から第5中足骨M5に対応した位置に後縁部33が延設され、前縁部31と後縁部33の間において着用者の外側足横Foに対応する位置に外側縁部34が延設される(
図2B)。
【0029】
内側滑止め部40は、第1中足骨M1の前端部から長さ方向中央部に対応した領域に延設される。より具体的には、内側滑止め部40は、中足趾節関節MPに対応した位置に前縁部41を有し、前縁部41から第1中足骨M1の足裏の内側縁に対応する位置に内側縁部42が延設され、内側縁部42から第1中足骨M1の長さ方向中央部に対応した位置に後縁部43を有し、前縁部41と後縁部43の間において第1中足骨M1と第2中足骨M2の間に対応する位置に外側縁部44が延設される。
【0030】
図2Aに示すように、内側足横滑止め部50は、着用者の内側足横Fiにおける中足趾節関節MPに対応した領域に設けられる。より具体的には、第1趾T1に対応した位置に前縁部51を有し、前縁部51から第1中足骨M1の足裏の内側縁に対応する位置に下側縁部52が延設され、下側縁部52から第1中足骨M1の長さ方向中央部に対応した位置に後縁部53を有し、前縁部51と後縁部53の間において第1中足骨M1の足甲に対応する位置に上側縁部54が延設される。
【0031】
【0032】
図3Aに示すように、立脚中期において、アンクルロッカー状態になり、中足趾節関節MPが背屈すると、下方へ押し出された母趾球Ttが生地を引っ張ることによって前足部内側領域10は伸長する。
【0033】
一方、
図3Bに示すように、サポート部20は、前足部内側領域10の伸縮性よりも伸縮性が低く、小趾球Thに対応した領域の伸長を抑制するとともに、張られることによって小趾球Thを下側から支持する。
【0034】
図4に示すように、サポート部20は、小趾球Thを下側から支持し、小趾球Thから母趾球Ttに向かう重心移動を促すとともに、着用者の踵部Hを真直ぐ上げる。
【0035】
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態を説明する。
図5は、第2実施形態の足被覆具1aの構成の一例を示す底面図である。第2実施形態の説明においては、第1実施形態と同じ構成については、説明を省略する。
【0036】
図5に示すように、足被覆具1aは、サポート部20aを有する。サポート部20aの後縁部23aは、踵部Hに設けられる。
【0037】
サポート部20aは、第4趾T4、第5趾T5及び小趾球Thに対応した領域から踵部Hに延設される。
【0038】
(第1及び第2実施形態の作用効果)
実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0039】
(a)サポート部20、20aは、着用者の足裏の第4趾T4及び第5趾T5から小趾球Thに対応した領域に延設され、前足部内側領域10よりも低い伸縮性を有する。中足趾節関節MPが背屈すると、前足部内側領域10が大きく伸長するのに対し、サポート部20、20aによって小趾球Thに対応した領域の伸長が抑えられ、小趾球Thは、張られたサポート部20、20aによって下側から支持される。サポート部20、20aの小趾球Thの支持により、着用者は、小趾球Thから母趾球Ttに向けた重心移動が促され、煽り運動がスムーズになり、歩行や走行等の動作が容易になる。
【0040】
(b)サポート部20、20aの小趾球Thの支持により、着用者の足部は、距骨下関節の外返しが促され、踵が真直ぐ上がるようになる。また、サポート部20、20aの小趾球Thの支持により、横アーチ及び横アーチに連動する縦アーチが高い位置に支持され、足部アーチが整えられ、ウィンドラス機構が良好に機能するようになる。
【0041】
(c)外側滑止め部30は、第5中足骨M5の前端部から後端部に対応した領域に延設される。外側滑止め部30は、立脚期が開始して足部の外側領域が接地すると、外側滑止め部30が接地面をグリップする。足部の外側領域がスリップしてしまうとアンクルロッカーの開始が遅れてしまうものの、外側滑止め部30は、接地面をグリップすることによってスリップによるアンクルロッカー開始の遅れを防止する。これにより、外側滑止め部30は、より確実かつ早期にアンクルロッカー及び煽り運動を開始させ、歩行及び走行等の動作を楽なものとし、運動性を向上させる。
【0042】
(d)外側滑止め部30は、中足趾節関節MPに対応した位置に前縁部31があり、爪先には設けられていない。したがって、着用者は、グリップによって爪先を取られることがなく、歩行や走行等の動作において、転倒し難くなる。
【0043】
(e)内側滑止め部40は、第1中足骨M1の前端部から長さ方向中央部に対応した領域に延設される。着用者が加速又は停止をする際、内側滑止め部40は、効果的に接地面をグリップする。また、内側滑止め部40は、中足趾節関節MPに対応した位置に前縁部41があり、爪先には設けられていない。したがって、着用者は、グリップによって爪先を取られることがなく、歩行や走行等の動作において、転倒し難くなる。
【0044】
(f)内側足横滑止め部50は、内側足横における中足趾節関節MPに対応した領域に設けられる。内側足横滑止め部50は、バトミントンや、スケート等、着用者の一方の足部を大きく踏み出す運動において、効果的に着用者の他方の足部を接地面にグリップ可能である。
【0045】
(g)サポート部20aは、第4趾T4、第5趾T5及び小趾球Thに対応した領域から踵部Hに延設され、前足部内側領域10よりも低い伸縮性を有する。中足趾節関節MPが背屈すると、母趾球Ttに対応した領域が大きく伸長するのに対し、小趾球Thに対応した領域は、踵部Hに延設されたサポート部20aによってより伸長が抑えられ、下側から支持される。
【0046】
実施形態によれば、正しい足部の煽り運動を促すことができ、運動性に優れた足被覆具1、1aを提供することができる。
【0047】
以上、実施形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0048】
例えば、実施形態の説明では、足被覆具1が靴下である例を説明したが、これに限られない。足被覆具1は、例えば、レッグウェア、フットカバー、ソックスカバー、インナーソックス、ヌードソックス、カバーソックス、ストッキング、タイツ、スパッツ、レギンス、トレンカ、ハイソックス、五本指ソックス、足袋型ソックス、及びその他形状のソックスであってもよい。
【0049】
また、実施形態の説明では、サポート部20、20aがタック編みによって編成される例を説明したが、これに限定されず、サポート部20、20aは、厚編にすることによって前足部内側領域10の伸縮性よりも低い伸縮性を有するものとしてもよいし、シリコーン材等の塗布によって前足部内側領域10の伸縮性よりも低い伸縮性を有するものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明によれば、正しい足部の煽り運動を促すことができ、運動性に優れた足被覆具1、1aを提供することができる。
【符号の説明】
【0051】
1、1a・足被覆具
2 ・・・足被覆具本体
10・・・前足部内側領域
20、20a・サポート部
21・・・前縁部
22・・・内側縁部
23、23a・後縁部
24・・・外側縁部
30・・・外側滑止め部
31・・・前縁部
32・・・内側縁部
33・・・後縁部
34・・・外側縁部
40・・・内側滑止め部
41・・・前縁部
42・・・内側縁部
43・・・後縁部
44・・・外側縁部
50・・・内側足横滑止め部
51・・・前縁部
52・・・下側縁部
53・・・後縁部
54・・・上側縁部
Fi・・・着用者の内側足横
Fo・・・着用者の外側足横
H ・・・踵部
M ・・・着用者の中足骨
M1・・・第1中足骨
M2・・・第2中足骨
M4・・・第4中足骨
M5・・・第5中足骨
MP・・・中足趾節関節
T1・・・第1趾
T2・・・第2趾
T3・・・第3趾
T4・・・第4趾
T5・・・第5趾
Th・・・小趾球
Tt・・・母趾球
【手続補正書】
【提出日】2023-07-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の足裏の第1趾から母趾球に対応した領域を含む前足部内側領域と、
前記着用者の足裏の第4趾及び第5趾から小趾球に対応した領域に延設され、前記前足部内側領域よりも低い伸縮性を有し、前記着用者の中足趾節関節が背屈して張られることによって足部を下側から支持するサポート部と、を有する、
足被覆具。
【請求項2】
外側滑止め部を有し、
前記外側滑止め部は、中足趾節関節に対応した位置に前縁部を有し、第5中足骨の前端部から後端部に対応した領域に延設される、
請求項1に記載の足被覆具。
【請求項3】
内側滑止め部を有し、
前記内側滑止め部は、中足趾節関節に対応した位置に前縁部を有し、第1中足骨の前端部から長さ方向中央部に対応した領域に延設される、
請求項1に記載の足被覆具。
【請求項4】
内側足横滑止め部を有し、
前記内側足横滑止め部は、内側足横における第1中足趾節関節に対応した領域に設けられる、
請求項1に記載の足被覆具。
【請求項5】
前記サポート部は、前記第4趾、前記第5趾及び前記小趾球に対応した領域から踵部に延設される、請求項1に記載の足被覆具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
請求項1に係る足被覆具は、着用者の足裏の第1趾から母趾球に対応した領域を含む前足部内側領域と、前記着用者の足裏の第4趾及び第5趾から小趾球に対応した領域に延設され、前記前足部内側領域よりも低い伸縮性を有し、前記着用者の中足趾節関節が背屈して張られることによって足部を下側から支持するサポート部と、を有する。