(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159020
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20241031BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20241031BHJP
H04N 25/70 20230101ALI20241031BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H04N23/57
H04N25/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074742
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 功二
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 正太郎
【テーマコード(参考)】
4M118
5C024
5C122
【Fターム(参考)】
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA10
4M118BA14
4M118FA06
4M118GD03
4M118HA02
4M118HA23
4M118HA25
4M118HA30
5C024CY47
5C024EX21
5C024EX22
5C122EA01
5C122FB03
5C122FC01
5C122FC02
5C122FC06
5C122GE05
5C122GE11
5C122HB10
(57)【要約】
【課題】破損することを抑制できる撮像装置を提供する。
【解決手段】湾曲状の凹部21が形成された台座20と、凹部21に配置され、凹部21に沿った湾曲状とされて固定されている撮像センサ30と、凹部21と撮像センサ30との間に配置される凹部用接合部材40と、撮像センサ30に撮像光を導くレンズ60と、を備え、撮像センサ30は、相対する2つの長辺を有する平面矩形状の基板31を用いて構成され、撮像素子が配置される素子領域301と、素子領域を囲む外周領域302とを有し、凹部と対向する面30bにおける外周領域302に、相対する2つの長辺に沿って補強部33が配置されるようにする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置であって、
湾曲状の凹部(21)が形成された台座(20)と、
前記凹部に配置され、前記凹部に沿った湾曲状とされて固定されている撮像センサ(30)と、
前記凹部と前記撮像センサとの間に配置される凹部用接合部材(40)と、
前記撮像センサに撮像光を導くレンズ(60)と、を備え、
前記撮像センサは、相対する2つの長辺を有する平面矩形状の基板(31)を用いて構成され、撮像素子が配置される素子領域(301)と、前記素子領域を囲む外周領域(302)とを有し、前記凹部と対向する面(30b)における前記外周領域に、前記相対する2つの長辺に沿って補強部(33)が配置されている撮像装置。
【請求項2】
前記補強部は、前記基板以上の弾性率を有する材料で構成されている請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記凹部は、溝部(22)が形成されており、
前記補強部は、前記溝部に配置されている請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記基板と前記補強部との間には、補強部用接合部材(32)が配置され、
前記溝部は、前記溝部の深さ(A)と前記凹部用接合部材の厚さ(B)との和が、前記補強部用接合部材の厚さ(C)と前記補強部の厚さ(D)との和より大きくなる深さとされている請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記基板と前記補強部との間には、補強部用接合部材(32)が配置され、
前記溝部の底面と前記補強部との間には、溝部用接合部材(34)が配置されており、
前記溝部は、前記溝部の深さ(A)と前記凹部用接合部材の厚さ(B)との和が、前記補強部用接合部材の厚さ(C)と前記補強部の厚さ(D)と前記溝部用接合部材の厚さ(E)との和と等しくなる深さとされている請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記溝部用接合部材は、前記凹部用接合部材よりも流動性の高い材料で構成されている請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮像センサは、前記外周領域が前記溝部上に位置しており、
前記溝部上に位置する前記外周領域において、前記素子領域側の領域を接合領域(302a)とし、前記接合領域を挟んで前記素子領域と反対側に位置する領域を繋ぎ領域(302c)とし、前記接合領域および前記繋ぎ領域を挟んで前記素子領域と反対側に位置する領域を補強部領域(302b)とすると、前記補強部が前記補強部領域に配置されており、
前記凹部用接合部材は、前記素子領域および前記外周領域のうちの前記接合領域と接合されている請求項3に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズおよび撮像センサを有する撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、レンズおよび撮像センサを有する撮像装置が提案されている。このような撮像装置では、レンズを介して撮像光が撮像センサに取り込まれ、撮像センサにて画像が構成される。そして、このような撮像装置では、レンズの枚数を少なくすると共に、周辺画角まで鮮明な画像が得られるように、撮像センサを湾曲させて配置することが提案されている。例えば、特許文献1には、湾曲面を有する凹部が形成された支持部材を備え、凹部の湾曲面に沿って撮像センサを配置することが提案されている。なお、撮像センサは、凹部の湾曲面に沿って配置されることにより、凹部の湾曲面に沿った曲率半径で湾曲された状態となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような撮像装置では、撮像センサの曲率半径を小さくするほど、レンズの枚数を少なくしたり、周辺画角まで鮮明な画像を生成できる。しかしながら、曲率半径を小さくするほど撮像センサに発生する応力が大きくなり、撮像センサが破損され易くなる。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、破損することを抑制できる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、撮像装置であって、湾曲状の凹部(21)が形成された台座(20)と、凹部に配置され、凹部に沿った湾曲状とされて固定されている撮像センサ(30)と、凹部と撮像センサとの間に配置される凹部用接合部材(40)と、撮像センサに撮像光を導くレンズ(60)と、を備え、撮像センサは、相対する2つの長辺を有する平面矩形状の基板(31)を用いて構成され、撮像素子が配置される素子領域(301)と、素子領域を囲む外周領域(302)とを有し、凹部と対向する面(30b)における外周領域に、相対する2つの長辺に沿って補強部(33)が配置されている。
【0007】
これによれば、撮像センサのうちの凹部と対向する面には、外周領域に、相対する2つの長辺に沿って補強部が配置されている。つまり、撮像センサには、湾曲した際に最も大きな圧縮応力が発生する部分に補強部が配置されている。このため、撮像センサを湾曲させた際に撮像センサが破損することを抑制できる。したがって、曲率半径を小さくし易くなり、さらにレンズの枚数を少なくしたり、周辺画角の画像を鮮明にし易くできる。
【0008】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態における撮像装置の断面図である。
【
図3】
図2中のIII-III線に沿った断面図である。
【
図4】撮像センサにおける一面側の応力分布を示すシミュレーション結果である。
【
図5】撮像センサにおける他面側の応力分布を示すシミュレーション結果である。
【
図6】第2実施形態における撮像装置の断面図である。
【
図7】補強部と台座との間に凹部用接合部材が入り込んだ状態を示す断面図である。
【
図8】第3実施形態における撮像装置の断面図である。
【
図9】第4実施形態における撮像装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0011】
(第1実施形態)
第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態の撮像装置は、例えば、車両に搭載され、車両の周囲に位置する対象物を撮像するための撮像光を取り込む装置として利用されると好適である。
【0012】
撮像装置は、
図1に示されるように、支持部材10、台座20、撮像センサ30、鏡筒50、レンズ60等を備えている。
【0013】
支持部材10は、一面10aを有するプリント基板等で構成されており、特に図示しないが、増幅回路や信号処理回路等、コンデンサや抵抗等の電子部品が適宜搭載されている。
【0014】
台座20は、ガラス、セラミック、アルミニウム等で構成される。但し、台座20は、後述する撮像センサ30の基板31と熱膨張係数が近い材料で構成されることが好ましい。そして、台座20は、支持部材10の一面上に図示しない接合部材を介して固定されている。また、台座20は、支持部材10側と反対側の一面20aに凹部21が形成されている。凹部21は、所定の曲率半径を有する湾曲状とされている。詳しくは、凹部21は、要求される撮像センサ30の曲率半径に合わせた曲率半径とされている。
【0015】
撮像センサ30は、
図2および
図3に示されるように、シリコン等の基板31を用いて構成され、一面30aおよび他面30bを有すると共に、相対する2つの長辺を有する平面矩形状とされている。なお、特に限定されるものではなないが、基板31(すなわち、撮像センサ30)は、厚さが10~15μm程度とされている。
【0016】
撮像センサ30は、素子領域301と素子領域301を囲む外周領域302とを有しており、素子領域301に、CCD素子やCMOS素子等の撮像素子がマトリクス上に配列されて構成されている。CCDは、Charge Coupled Deviceの略であり、CMOSは、Complementary MOSの略である。
【0017】
ここで、本発明者らは、撮像センサ30を他面30b側が凸となると共に一面30a側が凹となるように湾曲させた状態の応力を調査し、
図4および
図5に示される結果を得た。なお、
図4は、撮像センサ30における一面30a側の応力に関するシミュレーション結果であり、
図5は、撮像センサ30における他面30b側の応力に関するシミュレーション結果である。
【0018】
図4に示されるように、一面30a側では、撮像センサ30の中心部C1に最大引張応力が発生していることが確認される。また、
図5に示されるように、他面30b側では、外縁部(すなわち、外周領域302)に大きな圧縮応力が発生していることが確認される。より詳しくは、他面30b側では、撮像センサ30における相対する長辺の中心部C2の近傍で最も大きな圧縮応力が発生していることが確認される。
【0019】
このため、本実施形態では、
図2および
図3に示されるように、撮像センサ30の他面30b側において、外周領域302に補強部用接合部材32を介して補強部33が備えられている。具体的には、補強部33は、相対する2つの長辺に沿って配置されている。言い換えると、補強部33は、相対する長辺の中心部の近傍を含むように配置されている。そして、本実施形態では、補強部33は、各辺に沿って4つ配置されている。なお、補強部33は、撮像センサ30を構成する基板31以上の弾性率を有するものを用いることが好ましく、例えば、シリコンやSUS等で構成される。また、補強部用接合部材32は、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられる。
【0020】
そして、撮像センサ30は、
図1に示されるように、他面30b側が凹部用接合部材40を介して台座20の凹部21に沿って配置されることにより、所定の曲率半径で固定されている。
【0021】
なお、撮像センサ30は、図示を省略しているが、ボンディングワイヤ等によって支持部材10と電気的に接続されている。また、
図2および
図3は、台座20の凹部21に配置される前であって、湾曲されていない状態の撮像センサ30を示している。凹部用接合部材40は、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられる。
【0022】
鏡筒50は、一端部側および他端部側が開口した略円筒状とされており、内部に台座20等が配置されるように、図示しない接合部材等を介して支持部材10に固定されている。また、鏡筒50には、内壁面に保持部51が備えられている。
【0023】
レンズ60は、ガラス等を用いて構成され、鏡筒50に備えられた保持部51に保持されている。なお、鏡筒50およびレンズ60は、レンズ60を介して撮像光が撮像センサ30に取り込まれるように、配置場所が調整されている。
【0024】
以上説明した本実施形態によれば、撮像センサ30の他面30bには、外周領域302に、相対する2つの長辺に沿って補強部33が配置されている。つまり、撮像センサ30には、湾曲した際に最も大きな圧縮応力が発生する部分に補強部33が配置されている。このため、撮像センサ30を湾曲させた際に撮像センサ30が破損することを抑制できる。したがって、曲率半径を小さくし易くなり、さらにレンズの枚数を少なくしたり、周辺画角の画像を鮮明にし易くできる。
【0025】
ところで、曲率半径を小さくするためには、撮像センサ30を構成する基板31の厚さを薄くして湾曲させ易くすることも考えられる。しかしながら、基板31を単に薄くした場合には、座屈強度が低下して撓み易くなる。また、撮像センサ30を湾曲させた際に撮像センサ30が破損することを抑制するためには、撮像センサ30を構成する基板31の厚さを厚くすることが考えられる。しかしながら、基板31を単に厚くした場合には、一面30a側の中心部C1の引張応力が大きくなり、曲率半径を小さくし難くなる。このため、本実施形態のように補強部33を備えることにより、撮像センサ30が破損することを抑制しつつ、曲率半径を小さくし易くできる。
【0026】
(1)本実施形態では、補強部33が撮像センサ30を構成する基板31以上の弾性率を有するもので構成されることにより、例えば、補強部33が基板31未満の弾性率を有するもので構成される場合と比較して、撮像センサ30が破損することを抑制し易くできる。
【0027】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、凹部21に溝部を形成したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0028】
本実施形態の撮像装置では、
図6に示されるように、凹部21のうちの補強部33と対向する部分に溝部22が形成されている。そして、撮像センサ30は、補強部33が溝部22に入り込んだ状態で凹部21に固定されている。また、溝部22の底面と補強部33との間には、溝部用接合部材34が配置されている。
【0029】
なお、補強部33が外周領域302に備えられるため、撮像センサ30は、外周領域302が溝部22上に位置するように備えられているともいえる。また、本実施形態の溝部用接合部材34は、例えば、凹部用接合部材40と同様に、エポキシ樹脂等が用いられる。
【0030】
以上説明した本実施形態によれば、撮像センサ30の他面30bには、外周領域302に、相対する2つの長辺に沿って補強部33が配置されるため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0031】
(1)本実施形態では、凹部21に溝部22が形成され、溝部22に補強部33が配置されている。このため、撮像センサ30の曲率半径がずれることを抑制できる。すなわち、上記第1実施形態の撮像装置では、
図7に示されるように、補強部33と凹部21との間に凹部用接合部材40が入り込みすぎると、撮像センサ30の外周領域302が浮き上がった状態となる。この場合、外周領域302が浮き上がることで素子領域301の曲率半径もずれる可能性があり、レンズ60との対応関係が悪化して画質が低下する可能性がある。しかしながら、本実施形態では、凹部21に溝部22が形成され、補強部33が溝部22内に配置されている。このため、撮像センサ30の外周領域302が浮き上がった状態となることを抑制できる。
【0032】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に対し、凹部21の深さを規定したものである。その他に関しては、第3実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0033】
本実施形態の撮像装置では、
図8に示されるように、溝部22の深さをA、撮像センサ30と凹部21との間に配置される凹部用接合部材40の厚さをB、補強部用接合部材32の厚さをC、補強部33の厚さをDとすると、下記数式1を満たすように、各部材の厚さが調整されている。
【0034】
(数1)A+B≧C+D…(数式1)
なお、本実施形態では、A+B>C+Dとなるように各部材の厚さが調整されており、補強部33と溝部22の底面との間には、溝部用接合部材34が配置されている。そして、溝部用接合部材34の厚さをEとすると、下記数式2を満たすように、各部材の厚さが調整されている。
【0035】
(数2)A+B=C+D+E…(数式2)
この場合、本実施形態の溝部用接合部材34は、厚さを調整し易くするため、凹部用接合部材40より流動性の高い材料で構成されることが好ましい。
【0036】
以上説明した本実施形態によれば、撮像センサ30の他面30bには、外周領域302に、相対する2つの長辺に沿って補強部33が配置されるため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0037】
(1)本実施形態では、上記数式1を満たすように、溝部22の深さA、凹部用接合部材40の厚さB、補強部用接合部材32の厚さC、補強部33の厚さDが調整されている。このため、撮像センサ30の外周領域302が浮き上がった状態となることを抑制でき、外周領域302が浮き上がることで素子領域301の曲率半径がずれることを抑制できる。
【0038】
(2)本実施形態では、上記数式2を満たすように、溝部22の深さA、凹部用接合部材40の厚さB、補強部用接合部材32の厚さC、補強部33の厚さD、溝部用接合部材34の厚さEが調整されている。このため、撮像センサ30の外周領域302が溝部22側に引き込まれた状態となることを抑制でき、外周領域302が引き込まれることで素子領域301の曲率半径がずれることを抑制できる。この場合、溝部用接合部材34を凹部用接合部材40よりも流動性の高い材料とすることにより、溝部用接合部材34の厚さEを調整し易くでき、上記数式2の関係を満たし易くできる。
【0039】
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に対し、補強部33の配置場所を規定したものである。その他に関しては、第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0040】
本実施形態の撮像装置では、上記第2実施形態と同様に、外周領域302が溝部22上に位置するように撮像センサ30が配置される。具体的には、
図9に示されるように、凹部21のうちの溝部22で囲まれる部分を搭載面21aとすると、撮像センサ30は、素子領域301および外周領域302における素子領域301側の部分が搭載面21aと対向するように配置されている。また、撮像センサ30は、外周領域302における素子領域301側と反対側の部分が溝部22上に位置するように配置されている。以下、外周領域302のうちの素子領域301側の部分を接合領域302aとし、外周領域302のうちの補強部33が配置される領域を補強部領域302bとし、接合領域302aと補強部領域302bとの間を繋ぎ領域302cとする。補強部領域302bは、言い換えると、接合領域302aおよび繋ぎ領域302cを挟んで素子領域301と反対側に位置する領域でもある。
【0041】
そして、本実施形態では、凹部用接合部材40は、素子領域301および接合領域302aと接合され、繋ぎ領域302cおよび補強部領域302bには達しないように配置されている。つまり、凹部用接合部材40は、補強部33に達しないように配置されており、補強部33と離れて配置されている。
【0042】
以上説明した本実施形態によれば、撮像センサ30の他面30bには、外周領域302に、相対する2つの長辺に沿って補強部33が配置されるため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
(1)本実施形態では、接合領域302aと補強部領域302bとの間に繋ぎ領域302cが存在している。このため、例えば、接合領域302aと補強部領域302bとが隣り合っている場合と比較して、凹部用接合部材40が補強部33に達することを抑制できる。つまり、凹部用接合部材40が補強部33と溝部22の底面との間に入り込むことを抑制できる。このため、外周領域302が浮き上がった状態となることをさらに抑制できる。
【0044】
(他の実施形態)
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0045】
例えば、上記各実施形態において、補強部33は、基板31の弾性率未満の材料で構成されていてもよい。
【0046】
また、上記各実施形態において、補強部33は、素子領域301を囲むように配置されていなくてもよい。但し、補強部33は、少なくとも相対する2つの長辺に沿って配置されることが好ましい。
【0047】
さらに、上記第3実施形態において、溝部22の深さAと凹部用接合部材40の厚さBとの和と、補強部用接合部材32の厚さCと補強部33の厚さDとの和が等しくなるのであれば、溝部用接合部材34が配置されていなくてもよい。
【0048】
そして、上記各実施形態を組み合わせることもできる。例えば、上記第4実施形態を上記第3実施形態に組み合わせ、繋ぎ領域302cが存在するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0049】
20 台座
21 凹部
30 撮像センサ
30b 他面
31 基板
33 補強部
40 凹部用接合部材