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特開2024-159024画像読取装置を備える画像形成システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159024
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】画像読取装置を備える画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/191 20060101AFI20241031BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20241031BHJP
   H04N 1/028 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H04N1/191
H04N1/12 Z
H04N1/028 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074747
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】福永 靖幸
【テーマコード(参考)】
5C051
5C072
【Fターム(参考)】
5C051AA01
5C051BA04
5C051DB01
5C051DB04
5C051DB22
5C051DB28
5C051DC07
5C051DE18
5C051EA08
5C051FA01
5C072AA01
5C072BA20
5C072DA25
5C072EA07
5C072FB12
5C072FB25
5C072MA01
5C072MB01
5C072NA01
5C072NA04
5C072RA16
5C072UA02
5C072UA13
(57)【要約】
【課題】読取センサーへの紙粉などの付着を低減できる画像読取装置を備える画像形成システムを提供する。
【解決手段】画像形成システムは、搬送路35に沿って搬送される用紙Sの画像を読み取る画像読取装置43と、を備える画像形成システムであって、前記画像読取装置43は、前記画像を光学的に読み取る読取センサー71と、前記読取センサー71を、前記搬送路35に近接して前記画像を読み取り可能な読取位置と、前記読取位置よりも前記搬送路35から離間した非読取位置と、に移動させる移動機構75と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路に沿って搬送される用紙の画像を読み取る画像読取装置を備える画像形成システムであって、
前記画像読取装置は、
前記画像を光学的に読み取る読取センサーと、
前記読取センサーを、前記搬送路に近接して前記画像を読み取り可能な読取位置と、前記読取位置よりも前記搬送路から離間した非読取位置と、に移動させる移動機構と、を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記画像読取装置は、
前記非読取位置に移動した前記読取センサーの読取面を覆うカバー位置と、前記読取位置に移動した前記読取センサーの前記読取面を露出させる退避位置と、に移動可能なカバー部材を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記カバー部材は、前記読取センサーのシェーディング補正が可能な調整用基準白色板を備え、
前記読取センサーが前記非読取位置に移動すると、前記調整用基準白色板を用いて前記読取センサーのシェーディング補正が実行可能であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記移動機構は、前記読取センサーを、前記搬送路に沿った用紙の搬送方向と直交する方向に移動させ、
前記カバー部材は、前記用紙の搬送方向と平行な方向に移動可能であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記読取センサーは、前記読取面を覆う透明部材を備え、
前記カバー部材は、前記透明部材を清掃可能な清掃部材を備え、
前記読取センサーが前記非読取位置に移動した状態において、前記カバー部材の前記退避位置から前記カバー位置への移動に伴って、前記清掃部材が前記透明部材を清掃することを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置を備える画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット式の画像形成装置を含む画像形成システムでは、記録ヘッドやインクの状態によって画像品質が左右される。例えば、記録ヘッドのノズル表面が乾燥した場合には、インクが増粘して吐出不良を起こしたり、インクが所望に位置からずれた位置に着弾して画像に白筋が発生したりする。
【0003】
このような画像不良を防止して画像品質を維持するために、画像形成システムには、テストチャートのような用紙の画像を読み取って検査するための画像読取装置が備えられている。画像読取装置で読み取られた画像を基にして記録ヘッドの不良ノズルを特定し、画像が補正される。このような画像検査は、例えば、数千枚に一度程度の頻度で実行される。
【0004】
画像読取装置は、画像を読み取るCIS(Contact Image Sensor)等の読取センサーを備えている。CISは、画像読取面が、搬送路に沿って搬送される用紙に対向するように配置されている。画像読取面は、通常透明なガラス板で覆われている。大量に印刷した場合や長期使用によっては、用紙の紙粉や微小なごみがガラス板に付着することがある。すると、読み取られた画像にスジが入り、画像検査を正確に実行できなくなる。
【0005】
そこで、特許文献1に記載の画像読取装置は、ガラス板を清掃する清掃部材を備えている。清掃部材は回動可能に設けられて、所定の角度内を回動することで、ガラス板を清掃するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011-176669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら特許文献1に記載の画像読取装置では、清掃部材が回動することでガラス板を清掃するので、清掃部材とガラス板との接触と非接触とが繰り返される。このため、CISに振動が発生し、振動を吸収する構成が必要になる。また、清掃部材の回動中心付近の狭い範囲しか清掃出来ない。このため、清掃出来ないガラス面に付着した異物が用紙に落下する可能性がある。さらには、ガラス面に対する清掃部材の食込み量と線速が変化するため、清掃効果が不均一である。
【0008】
そこで、本発明は上記事情を考慮し、読取センサーへの紙粉などの付着を低減できる画像読取装置を備える画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成システムは、搬送路に沿って搬送される用紙の画像を読み取る画像読取装置と、を備える画像形成システムであって、前記画像読取装置は、前記画像を光学的に読み取る読取センサーと、前記読取センサーを、前記搬送路に近接して前記画像を読み取り可能な読取位置と、前記読取位置よりも前記搬送路から離間した非読取位置と、に移動させる移動機構と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明において、前記画像読取装置は、前記非読取位置に移動した前記読取センサーの読取面を覆うカバー位置と、前記読取位置に移動した前記読取センサーの前記読取面を露出させる退避位置と、に移動可能なカバー部材を更に備えることを特徴としてもよい。
【0011】
本発明において、前記カバー部材は、前記読取センサーのシェーディング補正が可能な調整用基準白色板を備え、前記読取センサーが前記非読取位置に移動すると、前記調整用基準白色板を用いて前記読取センサーのシェーディング補正が実行可能であることを特徴としてもよい。
【0012】
本発明において、前記移動機構は、前記読取センサーを、前記搬送路に沿った用紙の搬送方向と直交する方向に移動させ、前記カバー部材は、前記用紙の搬送方向と平行な方向に移動可能であることを特徴としてもよい。
【0013】
本発明において、前記読取センサーは、前記読取面を覆う透明部材を備え、前記カバー部材は、前記透明部材を清掃可能な清掃部材を備え、前記読取センサーが前記非読取位置に移動した状態において、前記カバー部材の前記退避位置から前記カバー位置への移動に伴って、前記清掃部材が前記透明部材を清掃することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、読取時以外の、電源オフ時、通常印刷時、待機時には、読取センサーは搬送路から離間して、読取センサーと搬送路との間隔が長くなっているので、搬送路に沿って搬送される用紙から発生する紙粉や異物が読取センサーに付着しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成システムを模式的に示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る画像形成システムの給紙装置、画像形成装置、乾燥装置の内部構造を模式的に示す正面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、第1の実施形態に係る画像検査読取装置の内部構成を模式的に示す正面図である。
図4A】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、第1の実施形態に係る画像検査読取装置のCISユニットを模式的に示す正面図である。
図4B】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、第1の実施形態に係る画像検査読取装置のCISユニットを模式的に示す平面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、第1の実施形態に係る画像検査読取装置の制御部を示すブロック図である。
図6A】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、第1の実施形態に係る画像検査読取装置の画像読取動作を説明する図である。
図6B】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、第1の実施形態に係る画像検査読取装置の画像読取動作を説明する図である。
図6C】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、第1の実施形態に係る画像検査読取装置の画像読取動作を説明する図である。
図7】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、第2の実施形態に係る画像検査読取装置の内部構成を模式的に示す正面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、第2の実施形態に係る画像検査読取装置のカバー板を示す斜視図である。
図9】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、第2の実施形態に係る画像検査読取装置の制御部を示すブロック図である。
図10A】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、第2の実施形態に係る画像検査読取装置の画像検査時の動作を説明する図である。
図10B】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、第2の実施形態に係る画像検査読取装置の画像検査時の動作を説明する図である。
図10C】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、第2の実施形態に係る画像検査読取装置の画像検査時の動作を説明する図である。
図11A】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、第2の実施形態に係る画像検査読取装置の清掃動作時の動作を説明する図である。
図11B】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、第2の実施形態に係る画像検査読取装置の清掃動作時の動作を説明する図である。
図11C】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、第2の実施形態に係る画像検査読取装置の清掃動作時の動作を説明する図である。
図12A】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、第2の実施形態に係る画像検査読取装置の清掃動作時の動作を説明する図である。
図12B】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、第2の実施形態に係る画像検査読取装置の清掃動作時の動作を説明する図である。
図12C】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、第2の実施形態に係る画像検査読取装置の清掃動作時の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る画像形成システムについて説明する。
【0017】
まず、図1を参照して、画像形成システムについて説明する。図1は、画像形成システムを示す斜視図である。各図に適宜付されるL、R、Fr、Rrは、それぞれ画像形成システムの左側、右側、前側、後側を示している。
【0018】
画像形成システム1は、給紙装置3、画像形成装置5、乾燥装置7、後処理装置9、を備えている。給紙装置3は、用紙を収容し、画像形成装置5へ用紙を送給する。画像形成装置5は、給紙装置3の左側に配置され、給紙装置3から送給された用紙に、例えば、外部コンピュータから入力された画像データに基づいて、インクジェット方式によって画像を形成する。乾燥装置7は、画像形成装置5の左側に配置され、画像が形成された用紙を搬送しながら乾燥する。後処理装置9は、乾燥装置7の左側に配置され、乾燥装置7で乾燥された用紙に後処理を施す。
【0019】
次に、図2を参照して、給紙装置3と、画像形成装置5と、乾燥装置7とについて説明する。図2は、画像形成システム1の内部構成を模式的に示す正面図である。
【0020】
最初に、給紙装置3について説明する。給紙装置3の左側面には、用紙の排出口11と受取口13とが形成されている。排出口11は左側面の上部に配置されて、給紙カセットや手差しトレイ等から給紙された用紙を画像形成装置5に向けて排出する。受取口13は左側面の下部に配置されて、画像形成装置5から排出された用紙を給紙装置3に受け入れる。受取口13から受け入れられた用紙は、搬送路15に沿って排出口11に向けて搬送される。
【0021】
次に、画像形成装置5について説明する。画像形成装置5の右側面には、用紙の右受取口21と右排出口23とが形成されている。右受取口21は、給紙装置3の排出口11に対向するように配置されている。給紙装置3の排出口11から排出された用紙は、右受取口21を介して画像形成装置5に受け入れられる。右排出口23は、給紙装置3の受取口13に対向するように配置されている。右排出口23から排出された用紙は、受取口13を介して給紙装置3に受け入れられる。さらに、画像形成装置5の左側面には、用紙の左排出口25と左受取口27とが形成されている。左排出口25は、左側面の上部に配置され、左受取口27は、左側面の下部に配置されている。
【0022】
画像形成装置5は、1本の主搬送ベルト29と、4つのヘッドユニット31と、4つのインクコンテナ33と、4本の両面用搬送ベルト35と、を備えている。主搬送ベルト29は、厚さ方向に貫通する多数の微細な貫通孔が形成されたエンドレスベルトである。主搬送ベルト29は、左右に離間して配置された駆動ローラー及び従動ローラーと、複数個のテンションローラーとに巻き掛けられている。駆動ローラーの回転によって、主搬送ベルト29は図2の反時計回り方向に走行する。上側の走行軌道に沿って走行する主搬送ベルト29は、右受取口21を介して受け入れられた用紙が、左排出口25に向かう搬送方向に沿って搬送される主搬送路37を形成する。主搬送ベルト29の中空部には、複数個の吸引装置39が配置されている。吸引装置39は、上側の走行軌道に沿って搬送される主搬送ベルト29の貫通孔に負圧を生じさせ、搬送される用紙を主搬送ベルト29に引き付ける。
【0023】
4つのヘッドユニット31は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクに対応し、主搬送ベルト29の上側の走行軌道の上方に、搬送方向に沿って配置されている。各ヘッドユニット31は複数(一例で3つ)の記録ヘッド(図示省略)を有している。各記録ヘッドは、多数のインク吐出ノズルを備えている。各インク吐出ノズルは下方に向けてインクを吐出する。4つのインクコンテナ33は、それぞれ、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインクを収容しており、対応するヘッドユニット31に接続している。
【0024】
4本の両面用搬送ベルト35のそれぞれは、左右に離間して配置された駆動ローラーと従動ローラーとの巻き掛けられたエンドレスベルトである。4本の両面用搬送ベルト35は、主搬送ベルト29の下方において、左受取口27と右排出口23との間に並んで配置されている。各両面用搬送ベルト35は、図2の時計回り方向に走行する。上側の走行軌道に沿って走行する両面用搬送ベルト35は、左受取口27から右排出口23へ向かう搬送方向に沿って用紙が搬送される両面搬送路41を形成する。左受取口27の内側において、両面搬送路41の上方には、画像読取検査装置43が備えられている。画像読取検査装置43は、本発明の画像読取装置の一例である。画像読取検査装置43については後述する。
【0025】
次に、乾燥装置7について説明する。乾燥装置7の右側面には、用紙の右受取口51と右排出口53とが形成されている。右受取口51は、画像形成装置5の左排出口25に対向するように配置されている。画像形成装置5の左排出口25から排出された用紙は、右受取口51を介して乾燥装置7に受け入れられる。右排出口53は、画像形成装置5の左受取口27に対向するように配置されている。右排出口53から排出された用紙は、左受取口27を介して画像形成装置5に受け入れられる。さらに、乾燥装置7の左側面の上部には、用紙の左排出口55が形成されている。
【0026】
乾燥装置7は、搬送ベルト57と、乾燥機59と、を備えている。搬送ベルト57は、左右に離間して配置された駆動ローラー及び従動ローラーに巻き掛けられたエンドレスベルトである。駆動ローラーの回転によって、搬送ベルト57は図2の反時計回り方向に走行する。上側の走行軌道に沿って走行する搬送ベルト57は、右受取口51を介して受け取られた用紙が、左排出口55に向かう搬送方向に沿って搬送される主搬送路61を形成する。乾燥機59は、搬送ベルト57の上側の走行軌道の上方に配置されている。
【0027】
さらに、乾燥装置7は反転路63を備えている。反転路63は、搬送ベルト57の下流側で主搬送路61から分岐して、2つの反転部65を介して右排出口53に接続している。
【0028】
次に、画像形成システム1の画像形成動作について簡単に説明する。給紙装置3の排出口11から排出された用紙は、画像形成装置5の右受取口21から画像形成装置5に受け入れられ、主搬送路37に沿って搬送される。用紙は、主搬送ベルト29に引き付けられながら搬送される。この際、4つのヘッドユニット31から、画像データに応じて4色のインクが吐出されて、用紙に画像が形成される。画像が形成された用紙は、左排出口25から排出されて、乾燥装置7の右受取口51から乾燥装置7に受け入れられ、主搬送路61に沿って搬送される。この際、乾燥機59によって用紙に形成された画像が乾燥される。
【0029】
片面印刷の場合は、用紙は左排出口55から後処理装置9に排出される。後処理装置9において、用紙には所定の後処理が施される。両面印刷の場合は、用紙は主搬送路61から反転路63を通り、2つの反転部65に交互に搬送される。用紙は反転部65で反転された後、右排出口53から、画像形成装置5の左受取口27を介して画像形成装置5に受け入れられる。用紙は、画像形成装置5の両面搬送路41に沿って搬送され、右排出口23から、給紙装置3の受取口13を介して給紙装置3に受け入れられる。用紙は、受取口13から排出口11に向けて搬送路15に沿って搬送され、排出口11から、画像形成装置5の右受取口21を介して画像形成装置5に受け入れられる。その後、前述と同様に、用紙の裏側の面に画像が形成される。
【0030】
上記の画像形成動作中に、画像形成装置5の各ヘッドユニット31の記録ヘッドのノズル表面が乾燥した場合にはインクが増粘して吐出不良を起こしたりインクが所望に位置からずれた位置に着弾したりすることがある。そこで、前述のように、数千枚に一度程度の頻度で、画像読取検査装置43を用いて画像検査が実行される。
【0031】
次に、第1の実施形態に係る画像読取検査装置43について、図3図4Bを参照して、説明する。図3は画像読取検査装置43を模式的に示す図、図4AはCISユニット71を模式的に示す正面図、図4BはCISユニット71を模式的に示す平面図である。
【0032】
画像読取検査装置43は、図3に示されるように、CISユニット71と、CISユニット71を両面搬送路41から離間する方向(上下方向)に移動させる昇降装置75と、を備えている。
【0033】
まず、CISユニット71について説明する。図4A及び図4Bに示されるように、CISユニット71は、A4サイズに対応可能な2つのCIS(Contact Image Sensor)81と、2つのCIS81を収容するハウジング83と、を備えている。図4Bに示されるように、2つのCIS81は、読取面が下方を向き、長手方向が搬送方向と直交する幅方向(前後方向)に沿う姿勢で、幅方向にずれて配置されている。このように配置することで、読取面による読取可能な幅D1が350±0.5mmとなり、最大幅D2(330.2mm、13インチ)の用紙S(テストチャートなど)の読取が可能となる。CIS81は、本発明における読取センサーの一例である。
【0034】
図4Aに示されるように、ハウジング83の下面(両面用搬送ベルト35(両面搬送路41)に対向する面)は、透明なガラス板85で作成されている。つまり、CIS81の読取面はガラス板85で覆われている。ガラス板85は、本発明における読取面を覆う透明部材の一例である。また、ハウジング83の下面には、最大幅D2の用紙Sの通紙領域よりも幅方向の両外側に、位置決めピン87が設けられている。位置決めピン87は、画像読取時に、CIS81を、両面搬送路41上の用紙の厚みに応じた適切な高さとなるように調整する。すなわち、図3に示されるように、両面用搬送ベルト35の所定の位置には、位置決めピン87に対応する調整部89が備えられている。調整部89は、搬送方向に沿って順に配置された複数(この例では3個)の突部89a、89b、89cからなる。3個の突部89a、89b、89cは、両面用搬送ベルト35の上面からの高さが異なように形成されている。最も高さの低い突部89aの上面は、両面用搬送ベルト35の上面と同じ高さに形成されている。最も高さの低い突部89aを基準突部とする。ハウジング83の2つの位置決めピン87をいずれかの突部に当接させることで、ハウジング83に収容された2つのCIS81と両面用搬送ベルト35との距離を、用紙の厚さに応じて調整することができる。これにより、用紙の厚さに応じてCIS81のレンズアレーの焦点距離を適切に合わせることができる。
【0035】
さらに、ハウジング83の一方の側面(この例では右側面)には、水平方向に突出する遮光板91が設けられている。
【0036】
図3に示されるように、昇降装置75は、ハウジング83に上下方向に沿って設けられたラック101と、画像形成装置5の本体に支持されてラック101と噛み合うピニオン103と、からなるラックアンドピニオンである。ピニオン103は、モーター105と接続しており、モーター105で駆動されて回転する。ピニオン103を回転させることで、ラック101と共にCISユニット71が上下方向に移動する。モーター105は、制御部201(図5参照)と電気的に接続している。
【0037】
CISユニット71は、昇降装置75によって、読取位置X1と、待機位置X2と、退避位置X3と、に移動可能である。読取位置X1は、ハウジング83に設けられた位置決めピン87が、調整部89の突部89a、89b、89cのいずれかに当接して、両面用搬送ベルト35上を搬送される用紙を2つのCIS81で適切に読み取り可能な位置である。待機位置X2は、両面用搬送ベルト35から、読取位置X1よりも上方に離間した位置である(図3参照)。待機位置X2を、CISユニット71のホームポジション(HP)とする。退避位置X3は、両面用搬送ベルト35から、待機位置X2よりも上方に離間した位置である。このように、待機位置X2と退避位置X3とは、本発明における読取センサーの非読取位置の一例である。また、昇降装置75は、本発明における、読取センサー(CIS81)を、読取位置X1と非読取位置(待機位置X2、退避位置X3)と、に移動させる移動機構の一例である。
【0038】
待機位置X2と退避位置X3とには、HPセンサー107と上限センサー109とが備えられている。各センサーは、ハウジング83の遮光板91によって光路が遮断されることでオフ状態からオン状態に切り替えられ、遮光板91が光路から離間することでオン状態からオフ状態に切り替えられるPIセンサーである。各センサーは、制御部201(図5参照)と電気的に接続しており、オフ状態を示すオフ信号とオン状態を示すオン信号を制御部201に出力する。
【0039】
次に、図5を参照して、制御部201について説明する。図5は制御部201を示すブロック図である。前述のように、制御部201には、CISユニット71のHPセンサー107及び上限センサー109から、オン状態を示すオン信号又はオフ信号を示すオフ信号が入力される。さらに、制御部201は、昇降装置75のモーター105の動作を制御してピニオン103を回転させ、CISユニット71を上下方向に移動させる。なお、制御部201は、他に、主搬送ベルト29や両面用搬送ベルト35の駆動ローラーを回転させるモーター(図示省略)の駆動を制御したり、前述の画像形成動作やCIS81のシェーディング補正、画像検査動作等を実行したりする。これらについては説明を省略する。
【0040】
上記構成を有する画像形成システム1において、第1の実施形態に係る画像読取検査装置43の画像読取動作について、図3と、図6A図6Cを参照して説明する。図6A図6Cは画像読取検査装置43を模式的に示す正面図である。初期状態においては、図3に示されるように、CISユニット71はホームポジション(待機位置X2)に移動している。
【0041】
最初に、制御部201は、予め入力された用紙の厚さに応じた調整部89の突部89a、89b、89cのいずれかが、CISユニット71の位置決めピン87に下方から対向する位置まで両面用搬送ベルト35を走行させる。この例では、図6Aに示されるように、両面用搬送ベルト35は、2つめの突部89bが位置決めピン87の下方に位置するように、ホームポジションから走行している。
【0042】
次に、制御部201はモーター105を駆動してピニオン103を回転させ、CISユニット71を待機位置X2から下降させる。HPセンサー107の光路からCISユニット71の遮光板91が離間するまでCISユニット71が下降すると、HPセンサー107はオン信号を制御部201に出力する。制御部201は、オン信号が入力されてから所定時間経過後、モーター105の駆動を停止する。これにより、図6Bに示されるように、CISユニット71は、位置決めピン87が突部89bに当接する読取位置X1まで下降する。
【0043】
この状態で、画像読取検査装置43の下方に用紙Sが搬送されると、2つのCIS81によって用紙Sの画像が読み取られる。制御部201は、読み取られた画像に基づいて画像検査を実行する。画像検査の詳細については説明を省略する。
【0044】
画像検査が終了すると、制御部201はモーター105を駆動してピニオン103を回転させ、CISユニット71を読取位置X1から上昇させる。上限センサー109の光路がCISユニット71の遮光板91で遮光されるまでCISユニット71が上昇すると、上限センサー109はオン信号を制御部201に出力する。制御部201は、オン信号が入力されてから所定時間経過後、モーター105の駆動を停止する。これにより、図6Cに示されるように、CISユニット71は、退避位置X3に移動する。
【0045】
電源オフ時、通常印刷時、待機時には、画像読取検査装置43はこの状態に維持される。つまり、CISユニット71は退避位置X3に移動して、CISユニット71のガラス板85(図4A参照)は、両面用搬送ベルト35から上方に離間している。
【0046】
上記説明したように、本発明によれば、電源オフ時、通常印刷時、待機時には、CISユニット71は読取位置X1から退避位置X3に移動している。つまり、CISユニット71のガラス板85は、電源オフ時、通常印刷時、待機時には、読取時よりも両面用搬送ベルト35から上方に離間しているので、ガラス板85と両面用搬送ベルト35との間隔が長くなっている。したがって、両面用搬送ベルト35によって搬送される用紙から発生する紙粉や異物がガラス板85に付着しにくくなる。
【0047】
次に、第2の実施形態に係る画像読取検査装置43について、図7及び図8を参照して、説明する。図7は画像読取検査装置43を模式的に示す図、図8はカバー板73を示す断面斜視図である。
【0048】
画像読取検査装置43は、図7に示されるように、CISユニット71と、カバー板73と、CISユニット71を両面搬送路41から離間する方向(上下方向)に移動させる昇降装置75と、カバー板73を搬送方向と平行な方向(左右方向)に移動させる移動装置77と、を備えている。CISユニット71と昇降装置75とについては、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0049】
次に、カバー板73について、図8を参照して説明する。カバー板73は、2つのCIS81の読取可能範囲よりも大きい寸法を有する矩形状の平板部73aと、平板部73aの右端縁(搬送方向の下流側の端縁)から下方に屈曲する右屈曲部73bと、平板部73aの左端縁(搬送方向の上流側の端縁)から上方に屈曲する左屈曲部73cと、を有している。カバー板73は、例えば、板金で作成されている。平板部73aの上面には、シェーディングシート111が貼り付けられている。シェーディングシート111は、2つのCIS81の読取可能範囲よりも大きい寸法を有し、白色の樹脂フィルムで作成されている。シェーディングシート111は、本発明における、調整用基準白色板の一例である。
【0050】
さらに、平板部73aの上面には、右端部に沿って清掃部材113が設けられている。清掃部材113の長さ(前後方向に沿った長さ)は、CISユニット71のガラス板85の長さ(前後方向に沿った長さ)よりも大きい。清掃部材113は、直方体状のウレタンフォーム115と、ウレタンフォーム115の左面、上面、右面を覆うようにカバー板73に支持されたワイピングクロス117と、で構成される。ワイピングクロス117の左端部は平板部73aに貼り付けられ、右端部は右屈曲部73bの外面に貼り付けられている。
【0051】
また、左屈曲部73cの外面には、左遮光板119が取り付けられている。さらに、平板部73aには、後縁の右端部から上方に屈曲する右遮光板121が設けられている。さらに、平板部73aには、左右方向に沿ったラック123が後縁に沿って取り付けられている。ラック123は、後述するように移動装置77を構成する。
【0052】
図7に示されるように、移動装置77は、カバー板73に設けられたラック123と、画像形成装置5の本体に支持されてラック123と噛み合うピニオン131と、からなるラックアンドピニオンである。ピニオン131は、モーター135と接続しており、モーター135で駆動されて回転する。ピニオン131を回転させることで、ラック123と共にカバー板73が左右方向に移動する。モーター135は、制御部201(図9参照)と電気的に接続している。
【0053】
カバー板73は、カバー位置Y1と、退避位置Y2と、に移動装置77によって移動可能である。カバー位置Y1は、シェーディングシート111が、CISユニット71のハウジング83のガラス板85、すなわち、CIS81の読取面に、下方から対向する位置である。この際、清掃部材113は、ガラス板85の下方から右方向に離間している。カバー位置Y1を、カバー板73のホームポジションとする。退避位置Y2は、CISユニット71の下方から左方向に完全に離間した位置である。このように、カバー板73は、カバー位置と退避位置とに移動可能なカバー部材の一例である、
【0054】
カバー位置Y1と退避位置Y2とには、HPセンサー125と退避センサー127とが備えられている。HPセンサー125は、右の遮光板121によって光路が遮断されることでオフ状態からオン状態に切り替えられ、右の遮光板121が光路から離間することでオン状態からオフ状態に切り替えられるPIセンサーである。退避センサー127は、左の遮光板119によって光路が遮断されることでオフ状態からオン状態に切り替えられ、左の遮光板119が光路から離間することでオン状態からオフ状態に切り替えられるPIセンサーである。各センサーは、制御部201(図9参照)と電気的に接続しており、オフ状態を示すオフ信号とオン状態を示すオン信号を制御部201に出力する。
【0055】
次に、図9を参照して、制御部201について説明する。図6は制御部201を示すブロック図である。前述のように、制御部201には、CISユニット71のHPセンサー107及び上限センサー109から、オン状態を示すオン信号又はオフ信号を示すオフ信号が入力される。また、制御部201は、昇降装置75のモーター105の動作を制御してピニオン103を回転させ、CISユニット71を上下方向に移動させる。さらに、制御部201には、カバー板73のHPセンサー125及び退避センサー127から、オン状態を示すオン信号又はオフ信号を示すオフ信号が入力される。さらに、さらに、制御部201は、移動装置77のモーター135の動作を制御してピニオン131を回転させ、カバー板73を左右方向に移動させる。
【0056】
上記構成を有する画像形成システム1において、第2の実施形態に係る画像読取検査装置43の動作について、図7と、図10A図12Cを参照して説明する。図10A図12Cは画像読取検査装置43を模式的に示す正面図である。この例では、画像読取検査装置43は、CIS81のシェーディング補正、画像読取動作、清掃動作を、連続して順に実行する。図7はシェーディング補正時、図10A図10Cは画像読取動作時、図11A図12Cは清掃動作時を示す。図7図10A図12Cは、カバー板73の左右の遮光板119、121を模式的に描いている。
【0057】
まず、シェーディング補正時について説明する。シェーディング補正時、図7に示されるように、CISユニット71は、ホームポジション(待機位置X2)に移動している。すなわち、HPセンサー107は、光路が遮光板91で遮光されて、オン信号を制御部201に送信している。カバー板73は、ホームポジション(カバー位置Y1)に移動している。すなわち、HPセンサー125は、光路が右遮光板121で遮光されて、オン信号を制御部201に送信している。この状態で、制御部201によって、カバー板73のシェーディングシート111を用いた、2つのCIS81のシェーディング補正が実行される。また、両面用搬送ベルト35は、調整部89の基準突部89aがCISユニット71の位置決めピン87に下方から対向する位置で停止している。この位置を、両面用搬送ベルト35のホームポジションとする。
【0058】
読取時以外の、電源オフ時、通常印刷時、待機時には、画像読取検査装置43はこの状態に維持される。つまり、CISユニット71のガラス板85にカバー板73が対向している。これにより、両面用搬送ベルト35によって搬送される用紙から発生する紙粉や異物がカバー板73で遮断されて、ガラス板85に付着することが防止される。
【0059】
次に、図10A図10Cを参照して、画像読取動作時について説明する。最初に、制御部201はモーター105を駆動してピニオン103を回転させ、CISユニット71をホームポジション(待機位置X2)から上昇させる。上限センサー109の光路がCISユニット71の遮光板91で遮光されるまでCISユニット71が上昇すると、上限センサー109はオン信号を制御部201に出力する。制御部201は、オン信号が入力されてから所定時間経過後にモーター105の駆動を停止する。これにより、図10Aに示されるように、CISユニット71は退避位置X3に移動する。
【0060】
次に、制御部201はモーター135を駆動してピニオン131を回転させ、カバー板73をホームポジション(カバー位置Y1)から左方向に移動させる。退避センサー127の光路がカバー板73の左遮光板119で遮光されるまでカバー板73が移動すると、退避センサー127はオン信号を制御部201に出力する。制御部201は、オン信号が入力されると、モーター135の駆動を停止する。これにより、図10Bに示されるように、カバー板73は、退避位置Y2に移動する。
【0061】
なお、用紙の厚さは、予め制御部201に入力されている。そこで、制御部201は、用紙の厚さに応じた調整部89の突部89a、89b、89cのいずれかが、CISユニット71の位置決めピン87に下方から対向する位置まで両面用搬送ベルト35を走行させる。この例では、両面用搬送ベルト35は、2つめの突部89bが位置決めピン87の下方に位置するように、ホームポジションから走行している。
【0062】
次に、制御部201はモーター105を駆動してピニオン103を回転させ、CISユニット71を退避位置X3から下降させる。HPセンサー107の光路がCISユニット71の遮光板91で遮光されるまでCISユニット71が下降すると、HPセンサー107はオン信号を制御部201に出力する。制御部201は、オン信号が入力されてから所定時間経過後、モーター105の駆動を停止する。これにより、図10Cに示されるように、CISユニット71は、位置決めピン87が対応する突部89bに当接する読取位置X1まで下降する。
【0063】
この状態で、画像読取検査装置43の下方に用紙Sが搬送されると、2つのCIS81によって、用紙Sの画像が読み取られる。制御部201は、読み取られた画像に基づいて画像検査を実行する。画像検査の詳細については説明を省略する。
【0064】
次に、図11A図12Cを参照して、清掃動作時について説明する。最初に、制御部201はモーター105を駆動してピニオン103を回転させ、CISユニット71を読取位置X1から上昇させる。上限センサー109の光路がCISユニット71の遮光板91で遮光されるまでCISユニット71が上昇すると、上限センサー109はオン信号を制御部201に出力する。制御部201は、オン信号が入力されてから所定時間経過後、モーター105の駆動を停止する。これにより、図11Aに示されるように、CISユニット71は、退避位置X3に移動する。また、両面用搬送ベルト35はホームポジションに走行する。
【0065】
次に、制御部201はモーター135を駆動してピニオン131を回転させ、カバー板73を退避位置Y2から右方向に移動させる。退避センサー127の光路から左遮光板119が離間すると、退避センサー127はオフ信号を制御部201に出力する。制御部201はオフ信号が入力されてから所定時間経過後に、モーター135の駆動を停止する。これにより、図11Bに示されるように、カバー板73は、清掃部材113が、CISユニット71のガラス板85よりも左側の部分の下方に対応するクリーニング開始位置Y3に移動する。
【0066】
次に、制御部201はモーター105を駆動してピニオン103を回転させ、CISユニット71を退避位置X3から下降させる。HPセンサー107の光路がCISユニット71の遮光板91で遮光されるまでCISユニット71が下降すると、HPセンサー107はオン信号を制御部201に出力する。制御部201は、オン信号が入力されてから所定時間経過後、モーター105の駆動を停止する。これにより、図11Cに示されるように、CISユニット71は、ガラス板85の下面の左端部がカバー板73の清掃部材113に当接するクリーニング位置X4に下降する。清掃部材113は、所定の圧力でガラス板85の下面に押圧される。
【0067】
その後、制御部201はモーター135を駆動してピニオン131を回転させ、カバー板73をクリーニング開始位置Y3から右方向に移動させる。これにより、ガラス板85の下面に付着した異物が清掃部材113で拭き取られる。清掃部材113がCISユニット71から右方向に離間するまでカバー板73が移動すると、HPセンサー125の光路が右遮光板121で遮光され、HPセンサー125はオン信号を制御部201に出力する。制御部201はオン信号が入力されると、モーター135の駆動を停止する。これにより、図12Aに示されるように、カバー板73はカバー位置Y1(ホームポジション)に移動する。
【0068】
次に、制御部201はモーター105を駆動してピニオン103を回転させ、CISユニット71をクリーニング位置X4から上昇させる。上限センサー109の光路がCISユニット71の遮光板91で遮光されるまでCISユニット71が上昇すると、上限センサー109はオン信号を制御部201に出力する。制御部201は、オン信号が入力されてから所定時間経過後、モーター105の駆動を停止する。これにより、図12Bに示されるように、CISユニット71は、退避位置X3に上昇する。
【0069】
その後、制御部201はモーター105を駆動してピニオン103を回転させ、CISユニット71を退避位置X3から下降させる。HPセンサー107の光路が遮光板91で遮光されるまでCISユニット71が下降すると、HPセンサー107はオン信号を制御部201に出力する。制御部201は、オン信号が入力されてから所定時間経過後、モーター105の駆動を停止する。これにより、図12Cに示されるように、CISユニット71は、待機位置X2(ホームポジション)に下降する。
【0070】
上記説明したように、本発明によれば、電源オフ時、通常印刷時、待機時には、CISユニット71のガラス板85にカバー板73が対向している。これにより、両面用搬送ベルト35によって搬送される用紙から発生する紙粉や異物がカバー板73で遮断されて、ガラス板85に付着することが防止される。また、カバー板73にシェーディングシートが貼り付けられているので、カバー板73を用いてCISのシェーディング補正を行うことができる。なお、本実施形態では、カバー板73に清掃部材113が設けられている例について説明したが、カバー板73が清掃部材113を備えない場合でも、カバー板73によってガラス板85への異物の付着を抑制する効果を得ることができる。
【0071】
さらに、カバー板73が清掃部材113を備え、カバー板73の直線上に沿った移動に伴ってCISユニット71のガラス板85が清掃部材113によって清掃されるので、ガラス板85へ付着した紙粉や異物を除去することができる。この際、清掃部材113は直線上に沿って移動するので、ガラス板85の全面を均一に清掃することができる。
【0072】
さらに、CISユニット71は上下方向に沿って移動し、カバー板73は左右方向に沿って移動するので、それぞれを移動スペースが干渉しないように配置することができる。
【0073】
本発明は特定の実施形態について記載されてきたが、本発明は上記実施形態に限定されない。本発明の範囲及び主旨を逸脱しない限りにおいて、様々に変更、置換、変形されてもよく、特許請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
【符号の説明】
【0074】
1 画像形成システム
41 両面用搬送路(搬送路)
43 画像読取検査装置(画像読取装置)
73 カバー板(カバー部材)
77 移動装置
81 CIS(読取センサー)
85 ガラス板(透明部材)
111 シェーディングシート(調整用基準白色版)
113 清掃部材
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C