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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159032
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】イヤフォン装置及び装着検知方法
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20241031BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H04R1/10 104Z
H04R3/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074757
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】松尾 清人
(72)【発明者】
【氏名】藤原 良太
【テーマコード(参考)】
5D005
5D220
【Fターム(参考)】
5D005BB11
5D220AA50
(57)【要約】
【課題】装着検知用のセンサを筐体内に配置することなく、ユーザの耳内への装着の有無を簡易に検知する。
【解決手段】イヤフォン装置は、ユーザの耳に装着される一対のイヤフォンデバイスを備える。一対のイヤフォンデバイスの一方である第1イヤフォンデバイスは、一対のイヤフォンデバイスの他方である第2イヤフォンデバイスとの間で無線通信可能に接続する第1通信インターフェースと、第2イヤフォンデバイスから受信した信号の受信パラメータに基づいて、第1イヤフォンデバイス及び第2イヤフォンデバイスのそれぞれのユーザの耳への装着状態を判定する第1プロセッサと、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの耳に装着される一対のイヤフォンデバイスを備え、
前記一対のイヤフォンデバイスの一方である第1イヤフォンデバイスは、
前記一対のイヤフォンデバイスの他方である第2イヤフォンデバイスとの間で無線通信可能に接続する第1通信インターフェースと、
前記第2イヤフォンデバイスから受信した信号の受信パラメータに基づいて、前記第1イヤフォンデバイス及び前記第2イヤフォンデバイスのそれぞれの前記ユーザの耳への装着状態を判定する第1プロセッサと、を有する、
イヤフォン装置。
【請求項2】
前記第2イヤフォンデバイスは、
前記第1イヤフォンデバイスとの間で無線通信可能に接続する第2通信インターフェースと、
前記第1イヤフォンデバイスから受信した信号の受信パラメータに基づいて、前記第1イヤフォンデバイス及び前記第2イヤフォンデバイスのそれぞれの前記ユーザの耳への装着状態を判定する第2プロセッサと、を有する、
請求項1に記載のイヤフォン装置。
【請求項3】
前記第1通信インターフェースは、前記ユーザにより保持される携帯無線端末との間で無線通信可能に接続し、
前記第1プロセッサは、前記携帯無線端末から音楽信号の前記第1通信インターフェースを介した受信かつ再生処理中に前記第1イヤフォンデバイス及び前記第2イヤフォンデバイスのうち少なくとも1つが前記ユーザの耳から非装着状態であるとの判定に基づいて、前記音楽信号の再生処理を停止する、
請求項1に記載のイヤフォン装置。
【請求項4】
前記第2プロセッサは、前記ユーザにより保持される携帯無線端末から音楽信号の前記第1イヤフォンデバイスを介した受信かつ再生処理中に前記第1イヤフォンデバイス及び前記第2イヤフォンデバイスのうち少なくとも1つが前記ユーザの耳から非装着状態であるとの判定に基づいて、前記音楽信号の再生処理を停止する、
請求項2に記載のイヤフォン装置。
【請求項5】
前記第1イヤフォンデバイスは、
前記ユーザの耳の周囲の外音信号を収音する第1マイク、を更に備え、
前記第1プロセッサは、前記第1マイクにより収音される前記外音信号に含まれるノイズ成分をキャンセルするためのノイズキャンセルモードの作動中に前記第1イヤフォンデバイス及び前記第2イヤフォンデバイスのうち少なくとも1つが前記ユーザの耳から非装着状態であるとの判定に基づいて、前記ノイズキャンセルモードの作動を停止する、
請求項1に記載のイヤフォン装置。
【請求項6】
前記第2イヤフォンデバイスは、
前記ユーザの耳の周囲の外音信号を収音する第2マイク、を更に備え、
前記第2プロセッサは、前記第2マイクにより収音される前記外音信号に含まれるノイズ成分をキャンセルするためのノイズキャンセルモードの作動中に前記第1イヤフォンデバイス及び前記第2イヤフォンデバイスのうち少なくとも1つが前記ユーザの耳から非装着状態であるとの判定に基づいて、前記ノイズキャンセルモードの作動を停止する、
請求項2に記載のイヤフォン装置。
【請求項7】
前記第1イヤフォンデバイスは、
前記ユーザの耳の周囲の外音信号を収音する第3マイクと、
前記第3マイクにより収音される前記外音信号を出力するスピーカと、を更に備え、
前記第1プロセッサは、前記第3マイクにより収音される前記外音信号を取り込んで前記スピーカから出力する外音取込モード中に前記第1イヤフォンデバイス及び前記第2イヤフォンデバイスのうち少なくとも1つが前記ユーザの耳から非装着状態であるとの判定に基づいて、前記外音取込モードを停止する、
請求項1に記載のイヤフォン装置。
【請求項8】
前記第2イヤフォンデバイスは、
前記ユーザの耳の周囲の外音信号を収音する第4マイクと、
前記第4マイクにより収音される前記外音信号を出力するスピーカと、を更に備え、
前記第1プロセッサは、前記第4マイクにより収音される前記外音信号を取り込んで前記スピーカから出力する外音取込モード中に前記第1イヤフォンデバイス及び前記第2イヤフォンデバイスのうち少なくとも1つが前記ユーザの耳から非装着状態であるとの判定に基づいて、前記外音取込モードを停止する、
請求項1に記載のイヤフォン装置。
【請求項9】
前記第1イヤフォンデバイスは、ユーザの操作を受け付ける第1タッチセンサ、を更に備え、
前記第1プロセッサは、前記第1タッチセンサの使用を許可する設定中に前記第1イヤフォンデバイス及び前記第2イヤフォンデバイスのうち少なくとも1つが前記ユーザの耳から非装着状態であるとの判定に基づいて、前記第1タッチセンサの使用を禁止する設定に切り替える、
請求項1に記載のイヤフォン装置。
【請求項10】
前記第2イヤフォンデバイスは、ユーザの操作を受け付ける第2タッチセンサ、を更に備え、
前記第2プロセッサは、前記第2タッチセンサの使用を許可する設定中に前記第1イヤフォンデバイス及び前記第2イヤフォンデバイスのうち少なくとも1つが前記ユーザの耳から非装着状態であるとの判定に基づいて、前記第2タッチセンサの使用を禁止する設定に切り替える、
請求項2に記載のイヤフォン装置。
【請求項11】
ユーザの耳に装着される一対のイヤフォンデバイスのうち少なくとも1つにより実行され、
前記一対のイヤフォンデバイスの一方である第1イヤフォンデバイスと前記一対のイヤフォンデバイスの他方である第2イヤフォンデバイスとの間で無線通信可能に接続するステップと、
前記第1イヤフォンデバイス又は前記第2イヤフォンデバイスから受信した信号の受信パラメータに基づいて、前記第1イヤフォンデバイス及び前記第2イヤフォンデバイスのそれぞれの前記ユーザの耳への装着状態を判定するステップと、を有する、
装着検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、イヤフォン装置及び装着検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、1つ以上のコンパニオン通信デバイスとペアリングされた2つの結合されたウェアラブル無線イヤフォンを有するシステムが開示されている。このシステムでは、ウェアラブル無線イヤフォンは、コンパニオン通信デバイスとのペアリングの形成、コンパニオン通信デバイスからの音声データの受信、第2のウェアラブル無線イヤフォンへの音声データの送信等の処理を実行することができる。また、ウェアラブル無線イヤフォンは、ユーザの耳に配置されたときを検知するための1つ以上のセンサとして、例えば光近接センサ、圧力センサ、熱センサ、湿気センサのいずれか1つを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-31444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、ウェアラブル無線イヤフォン(以下、単に「無線イヤフォン」と称する)がユーザの耳に装着されているか否かを検知するためのセンサを無線イヤフォン自体が備えることが前提となっている。このため、無線イヤフォンの筐体内にセンサというデバイス(言い換えると、構造物)を別途配置する必要があり、部品点数の増加、実装用基板の大型化、筐体小型化の制限等の課題が生じる。また、無線イヤフォンはユーザの耳内に配置されるが、その配置箇所は一様には定まらずに装着するユーザ個人のばらつきが生じることが考えられる。このため、ユーザの耳内への装着の検知精度も安定せずにばらつく可能性が懸念される。
【0005】
本開示は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、装着検知用のセンサを筐体内に配置することなく、ユーザの耳内への装着の有無を簡易かつ安定的に検知するイヤフォン装置及び装着検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、ユーザの耳に装着される一対のイヤフォンデバイスを備え、前記一対のイヤフォンデバイスの一方である第1イヤフォンデバイスは、前記一対のイヤフォンデバイスの他方である第2イヤフォンデバイスとの間で無線通信可能に接続する第1通信インターフェースと、前記第2イヤフォンデバイスから受信した信号の受信パラメータに基づいて、前記第1イヤフォンデバイス及び前記第2イヤフォンデバイスのそれぞれの前記ユーザの耳への装着状態を判定する第1プロセッサと、を有する、イヤフォン装置を提供する。
【0007】
また、本開示は、ユーザの耳に装着される一対のイヤフォンデバイスのうち少なくとも1つにより実行され、前記一対のイヤフォンデバイスの一方である第1イヤフォンデバイスと前記一対のイヤフォンデバイスの他方である第2イヤフォンデバイスとの間で無線通信可能に接続するステップと、前記第1イヤフォンデバイス又は前記第2イヤフォンデバイスから受信した信号の受信パラメータに基づいて、前記第1イヤフォンデバイス及び前記第2イヤフォンデバイスのそれぞれの前記ユーザの耳への装着状態を判定するステップと、を有する、装着検知方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、装着検知用のセンサを筐体内に配置することなく、ユーザの耳内への装着の有無を簡易かつ安定的に検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係るイヤフォン装置のハードウェア構成例を示すブロック図
図2A】両耳にイヤフォンデバイスが装着されている状態の受信感度を模式的に示す図
図2B】片耳にのみイヤフォンデバイスが装着されている状態の受信感度を模式的に示す図
図2C】両耳ともイヤフォンデバイスが装着されていない状態の受信感度を模式的に示す図
図3】実施の形態1に係るイヤフォン装置の第1動作手順例を時系列に示すフローチャート
図4】実施の形態1に係るイヤフォン装置の第2動作手順例を時系列に示すフローチャート
図5】実施の形態1に係るイヤフォン装置の第3動作手順例を時系列に示すフローチャート
図6】実施の形態1に係るイヤフォン装置の第4動作手順例を時系列に示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係るイヤフォン装置及び装着検知方法を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0011】
以下の実施の形態に係るユースケースとして、ユーザが、本開示に係るイヤフォン装置を装着しながら、イヤフォン装置と無線通信可能に接続されている携帯無線端末(例えば、スマートフォン)から送られている音楽信号をイヤフォン装置において受信して再生処理している状況を一例として説明する。但し、ユースケースは、上述した例に限定されないことは言うまでもない。
【0012】
1.システムの構成
まず、図1を参照して、実施の形態1に係る無線通信システム100のシステム構成例について説明する。図1は、実施の形態1に係るイヤフォン装置1のハードウェア構成例を示すブロック図である。無線通信システム100は、ユーザが保持している携帯無線端末(例えばスマートフォンSM1)と、そのユーザが左耳に装着及び脱着が可能なイヤフォンデバイスL1と、そのユーザが右耳に装着及び脱着が可能なイヤフォンデバイスR1と、を備える。イヤフォンデバイスL1、R1により、本開示に係るイヤフォン装置の一例としてのイヤフォン装置1が構成される。
【0013】
スマートフォンSM1は、ユーザが保持している携帯無線端末の一例であり、イヤフォンデバイスL1、R1のうち一方(例えばイヤフォンデバイスL1)との間で無線通信可能に接続する。つまり、イヤフォンデバイスL1は、スマートフォンSM1との間で音楽信号等のデータ信号或いは各種の制御信号の無線通信(送受信、以下同様。)を行うことができる。しかし、イヤフォンデバイスR1は、スマートフォンSM1との間で直接に無線通信を行うことができず、イヤフォンデバイスL1との間でのみ無線通信を行うことができる。なお、本実施の形態では、スマートフォンSM1と直接に無線通信を行うイヤフォンデバイスの一例としてイヤフォンデバイスL1を挙げているがイヤフォンデバイスR1でもよく、その場合にはイヤフォンデバイスL1はイヤフォンデバイスR1との間でのみ上述した無線通信を行うことができる。
【0014】
スマートフォンSM1のハードウェア構成は、いずれか一方のイヤフォンデバイス(例えばイヤフォンデバイスL1)との間で無線通信(例えばBluetooth(登録商標))可能となる通信用モジュールを備えることを条件に、既存のよく知られたスマートフォンのハードウェア構成と同一であってよい。このため、本実施の形態では、スマートフォンSM1のハードウェア構成の詳細な説明は省略する。
【0015】
2.デバイス間の無線接続の確立手順
(1)無線通信システム100では、まず、ユーザの操作等により、スマートフォンSM1といずれか一方のイヤフォンデバイス(例えばイヤフォンデバイスL1)とがBluetooth(登録商標)におけるペアリング動作を行う。
(2)(1)のペアリング動作により、スマートフォンSM1とイヤフォンデバイスL1とは、互いにBluetooth(登録商標)に準拠した無線通信を行えるように無線接続を確立する。
(3)(2)以降、イヤフォンデバイスL1は、イヤフォン(AGENT)としての役割を有する。つまり、スマートフォンSM1とイヤフォンデバイスL1とは、互いにBluetooth(登録商標)に準拠した無線通信を行う。
(4)イヤフォンデバイスL1は、他方のイヤフォンデバイス(例えばイヤフォンデバイスR1)との間でBluetooth(登録商標)におけるペアリング動作を行う。なお、(4)の処理は、(1)の処理よりも前に実行されても構わない。つまり、スマートフォンSM1といずれか一方のイヤフォンデバイス(例えばイヤフォンデバイスL1)とのペアリング動作がなされる前に、それぞれのイヤフォンデバイス同士が先行してペアリング動作を行ってもよい。
(5)(4)のペアリング動作により、イヤフォンデバイスL1とイヤフォンデバイスR1とは、互いにBluetooth(登録商標)に準拠した無線通信を行えるように無線接続を確立する。
(6)(5)以降、イヤフォンデバイスR1は、イヤフォン(PARTNER)としての役割を有する。つまり、イヤフォンデバイスL1とイヤフォンデバイスR1とは、互いにBluetooth(登録商標)に準拠した無線通信を行う。例えば、イヤフォンデバイスL1からイヤフォンデバイスR1に向けて制御信号(例えば死活監視用の制御信号)が周期的に送信されてイヤフォンデバイスR1において受信される。また、イヤフォンデバイスR1からもイヤフォンデバイスL1に向けて制御信号(例えば死活監視用の制御信号)が周期的に送信されてイヤフォンデバイスL1において受信される。
【0016】
3.イヤフォンデバイスの構成
イヤフォンデバイスの構成について、イヤフォンデバイスL1、R1の順に説明する。
【0017】
3-1.イヤフォンデバイスL1(イヤフォン(AGENT))の構成
イヤフォンデバイスL1は、ユーザの左耳に装着されたり左耳から脱着されたりする。イヤフォンデバイスL1は、スマートフォンSM1との間で無線通信したり、イヤフォンデバイスR1との間で無線通信したりする。以下、スマートフォンSM1との間で無線通信するイヤフォンデバイスを「イヤフォン(AGENT)」と称する場合がある(図1参照)。一方、スマートフォンSM1との間で無線通信せずにイヤフォン(AGENT)とのみ無線通信するイヤフォンデバイスを「イヤフォン(PARTNER)」と称する場合がある(図1参照)。
【0018】
イヤフォンデバイスL1は、Central Processing Unit(CPU)11と、Read Only Memory(ROM)12と、オーディオメモリ13と、Digital Signal Processor(DSP)14と、BTベースバンド処理部15と、BT無線部16と、スピーカSPK1及びマイクMIC1a~MIC1cと接続されたAFE側ADC/DAC17と、発振器XTAL1と接続されたクロック管理部18と、バッテリBATT1と接続された電源管理部19と、タッチセンサTS1と、を備える。これらの各部の間は、イヤフォンデバイスL1の内部バスを介して、データ信号或いは制御信号が互いに入出力可能に接続されている。
【0019】
イヤフォンデバイスL1において、CPU11と、ROM12と、オーディオメモリ13と、DSP14と、BTベースバンド処理部15と、BT無線部16と、AFE側ADC/DAC17と、クロック管理部18と、電源管理部19と、タッチセンサTS1と、は、例えば1枚の半導体チップCP1に実装されてよい。
【0020】
CPU11は、イヤフォンデバイスL1の全体的な動作を司るコントローラとして機能し、イヤフォンデバイスL1の各部の動作を統括するための制御処理、イヤフォンデバイスL1の各部との間のデータ信号/制御信号の入出力処理、データ信号/制御信号の演算処理及びデータ信号/制御信号の記憶処理を行う。CPU11は、例えばスマートフォンSM1から送られた音楽信号をDSP14に送り、スピーカSPK1から出力するための音楽信号を生成するための所定の信号処理の実行をDSP14に指示する。CPU11は、BT無線部16及びBTベースバンド処理部15を介して得た他方のイヤフォンデバイスR1からの受信信号の受信パラメータ(例えば受信電界強度若しくは受信感度)を測定する。受信電界強度は、例えばReceived Strength Signal Indicator(RSSI)が該当するが、これに限定しなくてもよい。
【0021】
ROM12は、イヤフォンデバイスL1が備えるメモリの一例であり、イヤフォンデバイスL1が実行する各種の処理を規定するプログラムとそのプログラムの実行に必要となるデータとを関連付けて保存している。
【0022】
オーディオメモリ13は、イヤフォンデバイスL1が備えるメモリの一例であり、CPU11、DSP14、BTベースバンド処理部15及びBT無線部16のうち少なくとも1つが生成或いは取得したデータ信号/制御信号を一時的に保存する。
【0023】
DSP14は、CPU11からの指示に基づき、スマートフォンSM1から送られた音楽信号或いはマイクMIC1a~MIC1cのそれぞれにより収音された音信号に対し、よく知られた所定の信号処理を施す。DSP14は、所定の信号処理を施した音楽信号或いは音信号を、AFE側ADC/DAC17を介してスピーカSPK1から出力する。
【0024】
BTベースバンド処理部15は、ベースバンド帯域(例えば600~900MHz)を対象とする各種の信号処理を実行可能な通信回路により構成される。BTベースバンド処理部15は、スマートフォンSM1或いはイヤフォンデバイスR1からBluetooth(登録商標)の通信規格に準拠して送られてBT無線部16によって受信された信号(つまり受信信号)の周波数帯を既存のベースバンド帯域の信号に変換してCPU11に出力する。また、BTベースバンド処理部15は、スマートフォンSM1或いはイヤフォンデバイスR1に送信するべきデータ信号を既存のベースバンド帯域の送信信号に変換してBT無線部16に出力する。
【0025】
BT無線部16は、ベースバンド帯域より高い周波帯である高周波帯(例えば、2.4GHz)を対象とする各種の信号処理を実行可能な通信回路により構成される。BT無線部16は、スマートフォンSM1或いはイヤフォンデバイスR1からBluetooth(登録商標)の通信規格に準拠して送られた高周波帯の信号を受信したり、BTベースバンド処理部15からのベースバンド帯域の送信信号を高周波帯の信号に変換してスマートフォンSM1或いはイヤフォンデバイスR1に送信したりする。
【0026】
スピーカSPK1は、AFE側ADC/DAC17と接続され、AFE側ADC/DAC17によってアナログ形式の信号に変換された音楽信号或いは音信号を出力する。イヤフォンデバイスL1がユーザの左耳に装着されている間、スピーカSPK1の前面(言い換えると、音の放音面)は、左耳の外耳側、内耳側に向けられる。これにより、スピーカSPK1から出力された音楽信号或いは音信号は、ユーザの左耳の外耳、内耳、鼓膜へ伝達されていき、ユーザが音楽或いは音を聴取できる。
【0027】
マイクMIC1aは、いわゆる発話マイクであり、ユーザの発話に基づく音声信号を収音(言い換えると、取込)可能に配置されている。マイクMIC1aは、ユーザの発話に基づいて生じる音声を収音(つまり、音声信号を検知)可能なデバイスとして構成される。マイクMIC1aは、ユーザの発話に基づいて生じる音声を収音して電気信号に変換してAFE側ADC/DAC17に送る。ユーザによって発話される音声はマイクMIC1aにより収音されて電気信号に変換され、この電気信号の大小によって、マイクMIC1aによるユーザの発話の有無が検知可能となる。
【0028】
マイクMIC1bは、いわゆるFeedForward(FF)マイクであり、イヤフォンデバイスL1の外部の周囲音(外音)等を収音(言い換えると、取込)可能に配置されている。つまり、マイクMIC1bは、イヤフォンデバイスL1がユーザの左耳に装着された状態での外音を検知することが可能である。マイクMIC1bは、外音を電気信号(音信号)に変換してAFE側ADC/DAC17に送る。CPU11或いはDSP14は、オーディオメモリ13において外音取込モードが設定されている間、マイクMIC1bにより収音された外音を、AFE側ADC/DAC17を介してスピーカSPK1から出力する(図5参照)。
【0029】
マイクMIC1cは、いわゆるFeedBack(FB)マイクであり、ユーザの左耳の外耳道に可能な限り近接して配置されている。マイクMIC1cは、イヤフォンデバイスL1がユーザの左耳に装着された状態でのユーザの左耳とイヤフォンデバイスL1に取り付けられたイヤーピース(図示略)との間から漏れた音を電気信号(音信号)に変換してAFE側ADC/DAC17に送る。CPU11或いはDSP14は、オーディオメモリ13においてActive Noise Cancelling(ANC)モードが設定されている間、マイクMIC1cにより収音された音信号を人間が聴覚において認識しにくい程度に限りなく抑圧するための信号処理(例えばノイズキャンセル処理、ノイズリダクション処理)を行う(図4参照)。
【0030】
AFE側ADC/DAC17は、いわゆるアナログフロントエンド側のAnalog Digital Converter(ADC)及びDigital Analog Converter(DAC)として構成されている。AFE側ADC/DAC17は、CPU11或いはDSP14からのデジタル形式の音楽信号或いは音信号をアナログ形式に変換してスピーカSPK1から出力したり、マイクMIC1a~MIC1cのそれぞれにより収音されたアナログ形式の音信号をデジタル形式に変換してCPU11或いはDSP14に出力したりする。
【0031】
発振器XTAL1は、所定の周波数を有するクロック信号を生成するための基準信号を生成する。
【0032】
クロック管理部18は、発振器XTAL1により生成される基準信号を所定倍に逓倍してイヤフォンデバイスL1の基本動作周波数を有するクロック信号を生成する。イヤフォンデバイスL1の各部は、クロック管理部18により生成されるクロック信号に基づいて動作する。
【0033】
バッテリBATT1は、いわゆるリチウムイオン電池等の二次電池(言い換えると、蓄電池)である。バッテリBATT1の残容量(言い換えると、充電状況)は、電源管理部19によって管理されている。
【0034】
電源管理部19は、バッテリBATT1の残容量をモニタリングするとともに、バッテリBATT1の残容量(言い換えると、残消費電力)に基づいてイヤフォンデバイスL1の各部の動作に必要となる電力を供給する。
【0035】
タッチセンサTS1は、ユーザの入力操作(例えばタッチ操作)を検知する機能を有するセンサ素子である。タッチセンサTS1は、例えば静電容量式の電極として構成されてよい。タッチセンサTS1の形状は、例えば真円状の面として形成されてもよいし、楕円上の面として形成されてもよいし、矩形状の面として形成されてもよい。CPU11は、オーディオメモリ13においてタッチセンサの設定がON(つまり有効)であると設定されている間、タッチセンサTS1により検知されたユーザの入力操作に対応した処理を実行するか、又はその処理をDSP14に実行させる。なお、タッチセンサTS1はイヤフォンデバイスL1の構成から省略されてもよい。
【0036】
ユーザの入力操作として、例えば次のような操作が挙げられる。イヤフォンデバイスL1は、短い時間の入力操作(タッチ操作)が行われた場合、スマートフォンSM1に対し音楽の再生、停止、曲送り、曲戻し等のうちいずれかを指示してもよい。イヤフォンデバイスL1は、長い時間の入力操作(いわゆる長押しタッチ)が行われた場合、スマートフォンSM1との間でBluetooth(登録商標)等の無線通信を行うためのペアリング動作等を行ってもよい。また、イヤフォンデバイスL1は、タッチセンサTS1の表面を指でなぞる(いわゆるスワイプ動作)が行われたことを検知した場合、その検知時点で再生されている音楽の音量調整等を行ってもよい。
【0037】
3-2.イヤフォンデバイスR1(イヤフォン(PARTNER))の構成
イヤフォンデバイスR1は、ユーザの右耳に装着されたり右耳から脱着されたりする。イヤフォンデバイスR1は、イヤフォンデバイスL1との間で無線通信する。
【0038】
イヤフォンデバイスR1は、CPU21と、ROM22と、オーディオメモリ23と、DSP24と、BTベースバンド処理部25と、BT無線部26と、スピーカSPK2及びマイクMIC2a~MIC2cと接続されたAFE側ADC/DAC27と、発振器XTAL2と接続されたクロック管理部28と、バッテリBATT2と接続された電源管理部29と、タッチセンサTS2と、を備える。これらの各部の間は、イヤフォンデバイスR1の内部バスを介して、データ信号或いは制御信号が互いに入出力可能に接続されている。
【0039】
イヤフォンデバイスR1において、CPU21と、ROM22と、オーディオメモリ23と、DSP24と、BTベースバンド処理部25と、BT無線部26と、AFE側ADC/DAC27と、クロック管理部28と、電源管理部29と、タッチセンサTS2と、は、例えば1枚の半導体チップCP2に実装されてよい。
【0040】
CPU21は、イヤフォンデバイスR1の全体的な動作を司るコントローラとして機能し、イヤフォンデバイスR1の各部の動作を統括するための制御処理、イヤフォンデバイスR1の各部との間のデータ信号/制御信号の入出力処理、データ信号/制御信号の演算処理及びデータ信号/制御信号の記憶処理を行う。CPU21は、例えばイヤフォンデバイスL1(つまり、イヤフォン(AGENT))から送られた音楽信号をDSP24に送り、スピーカSPK2から出力するための音楽信号を生成するための所定の信号処理の実行をDSP24に指示する。CPU21は、BT無線部26及びBTベースバンド処理部25を介して得た他方のイヤフォンデバイスL1からの受信信号の受信パラメータ(例えば受信電界強度若しくは受信感度)を測定する。受信電界強度は、例えばRSSIが該当するが、これに限定しなくてもよい。
【0041】
ROM22は、イヤフォンデバイスR1が備えるメモリの一例であり、イヤフォンデバイスR1が実行する各種の処理を規定するプログラムとそのプログラムの実行に必要となるデータとを関連付けて保存している。
【0042】
オーディオメモリ23は、イヤフォンデバイスR1が備えるメモリの一例であり、CPU21、DSP24、BTベースバンド処理部25及びBT無線部26のうち少なくとも1つが生成或いは取得したデータ信号/制御信号を一時的に保存する。
【0043】
DSP24は、CPU21からの指示に基づき、イヤフォンデバイスL1(つまり、イヤフォン(AGENT))から送られた音楽信号或いはマイクMIC2a~MIC2cのそれぞれにより収音された音信号に対し、よく知られた所定の信号処理を施す。DSP24は、所定の信号処理を施した音楽信号或いは音信号を、AFE側ADC/DAC27を介してスピーカSPK2から出力する。
【0044】
BTベースバンド処理部25は、ベースバンド帯域(例えば600~900MHz)を対象とする各種の信号処理を実行可能な通信回路により構成される。BTベースバンド処理部25は、イヤフォンデバイスL1からBluetooth(登録商標)の通信規格に準拠して送られてBT無線部26によって受信された信号(つまり受信信号)の周波数帯を既存のベースバンド帯域の信号に変換してCPU21に出力する。また、BTベースバンド処理部25は、イヤフォンデバイスL1に送信するべきデータ信号を既存のベースバンド帯域の送信信号に変換してBT無線部26に出力する。
【0045】
BT無線部26は、ベースバンド帯域より高い周波帯である高周波帯(例えば、2.4GHz)を対象とする各種の信号処理を実行可能な通信回路により構成される。BT無線部26は、イヤフォンデバイスL1からBluetooth(登録商標)の通信規格に準拠して送られた高周波帯の信号を受信したり、BTベースバンド処理部25からのベースバンド帯域の送信信号を高周波帯の信号に変換してイヤフォンデバイスL1に送信したりする。
【0046】
スピーカSPK2は、AFE側ADC/DAC27と接続され、AFE側ADC/DAC27によってアナログ形式の信号に変換された音楽信号或いは音信号を出力する。イヤフォンデバイスR1がユーザの右耳に装着されている間、スピーカSPK2の前面(言い換えると、音の放音面)は、右耳の外耳側、内耳側に向けられる。これにより、スピーカSPK2から出力された音楽信号或いは音信号は、ユーザの右耳の外耳、内耳、鼓膜へ伝達されていき、ユーザが音楽或いは音を聴取できる。
【0047】
マイクMIC2aは、いわゆる発話マイクであり、ユーザの発話に基づく音声信号を収音(言い換えると、取込)可能に配置されている。マイクMIC2aは、ユーザの発話に基づいて生じる音声を収音(つまり、音声信号を検知)可能なデバイスとして構成される。マイクMIC2aは、ユーザの発話に基づいて生じる音声を収音して電気信号に変換してAFE側ADC/DAC27に送る。ユーザによって発話される音声はマイクMIC2aにより収音されて電気信号に変換され、この電気信号の大小によって、マイクMIC2aによるユーザの発話の有無が検知可能となる。
【0048】
マイクMIC2bは、いわゆるFeedForward(FF)マイクであり、イヤフォンデバイスR1の外部の周囲音(外音)等を収音(言い換えると、取込)可能に配置されている。つまり、マイクMIC2bは、イヤフォンデバイスR1がユーザの右耳に装着された状態での外音を検知することが可能である。マイクMIC2bは、外音を電気信号(音信号)に変換してAFE側ADC/DAC27に送る。CPU21或いはDSP24は、オーディオメモリ23において外音取込モードが設定されている間、マイクMIC2bにより収音された外音を、AFE側ADC/DAC27を介してスピーカSPK2から出力する(図5参照)。
【0049】
マイクMIC2cは、いわゆるFeedBack(FB)マイクであり、ユーザの右耳の外耳道に可能な限り近接して配置されている。マイクMIC2cは、イヤフォンデバイスR1がユーザの右耳に装着された状態でのユーザの右耳とイヤフォンデバイスR1に取り付けられたイヤーピース(図示略)との間から漏れた音を電気信号(音信号)に変換してAFE側ADC/DAC27に送る。CPU21或いはDSP24は、オーディオメモリ23においてActive Noise Cancelling(ANC)モードが設定されている間、マイクMIC2cにより収音された音信号を人間が聴覚において認識しにくい程度に限りなく抑圧するための信号処理(例えばノイズキャンセル処理、ノイズリダクション処理)を行う(図4参照)。
【0050】
AFE側ADC/DAC27は、いわゆるアナログフロントエンド側のADC及びDACとして構成されている。AFE側ADC/DAC27は、CPU21或いはDSP24からのデジタル形式の音楽信号或いは音信号をアナログ形式に変換してスピーカSPK2から出力したり、マイクMIC2a~MIC2cのそれぞれにより収音されたアナログ形式の音信号をデジタル形式に変換してCPU21或いはDSP24に出力したりする。
【0051】
発振器XTAL2は、所定の周波数を有するクロック信号を生成するための基準信号を生成する。
【0052】
クロック管理部28は、発振器XTAL2により生成される基準信号を所定倍に逓倍してイヤフォンデバイスR1の基本動作周波数を有するクロック信号を生成する。イヤフォンデバイスR1の各部は、クロック管理部28により生成されるクロック信号に基づいて動作する。
【0053】
バッテリBATT2は、いわゆるリチウムイオン電池等の二次電池(言い換えると、蓄電池)である。バッテリBATT2の残容量(言い換えると、充電状況)は、電源管理部29によって管理されている。
【0054】
電源管理部29は、バッテリBATT2の残容量をモニタリングするとともに、バッテリBATT2の残容量(言い換えると、残消費電力)に基づいてイヤフォンデバイスR1の各部の動作に必要となる電力を供給する。
【0055】
タッチセンサTS2は、ユーザの入力操作(例えばタッチ操作)を検知する機能を有するセンサ素子である。タッチセンサTS2は、例えば静電容量式の電極として構成されてよい。タッチセンサTS2の形状は、例えば真円状の面として形成されてもよいし、楕円上の面として形成されてもよいし、矩形状の面として形成されてもよい。CPU21は、オーディオメモリ23においてタッチセンサの設定がON(つまり有効)であると設定されている間、タッチセンサTS2により検知されたユーザの入力操作に対応した処理を実行するか、又はその処理をDSP24に実行させる。なお、タッチセンサTS2はイヤフォンデバイスR1の構成から省略されてもよい。
【0056】
ユーザの入力操作として、例えば次のような操作が挙げられる。イヤフォンデバイスR1は、短い時間の入力操作(タッチ操作)が行われた場合、イヤフォンデバイスL1を介してスマートフォンSM1に対し音楽の再生、停止、曲送り、曲戻し等のうちいずれかを指示してもよい。イヤフォンデバイスR1は、長い時間の入力操作(いわゆる長押しタッチ)が行われた場合、イヤフォンデバイスL1との間でBluetooth(登録商標)等の無線通信を行うためのペアリング動作等を行ってもよい。また、イヤフォンデバイスR1は、タッチセンサTS2の表面を指でなぞる(いわゆるスワイプ動作)が行われたことを検知した場合、その検知時点で再生されている音楽の音量調整等を行ってもよい。
【0057】
4.イヤフォンデバイスの装着状態と受信電界強度若しくは受信感度との関係
次に、図2A図2B及び図2Cを参照して、イヤフォンデバイスL1、R1の装着状態と受信電界強度若しくは受信感度との関係について説明する。図2Aは、両耳にイヤフォンデバイスが装着されている状態の受信感度を模式的に示す図である。図2Bは、片耳にのみイヤフォンデバイスが装着されている状態の受信感度を模式的に示す図である。図2Cは、両耳ともイヤフォンデバイスが装着されていない状態の受信感度を模式的に示す図である。図2A図2Cの説明では、イヤフォンデバイスL1をイヤフォン(AGENT)とし、イヤフォンデバイスR1をイヤフォン(PARTNER)とするが、逆でも構わない。
【0058】
図2Aに示すように、ユーザU1は、両耳にイヤフォンデバイスL1、R1をそれぞれ装着している。つまり、ユーザU1の左耳LEにはイヤフォンデバイスL1が装着されており、ユーザU1の右耳REにはイヤフォンデバイスR1が装着されている。図1を参照して説明したように、イヤフォンデバイスL1は、イヤフォンデバイスR1との間で、Bluetooth(登録商標)の通信規格に準拠してデータ信号或いは制御信号(単に「信号」と称する場合がある)を互いに送受信している。ここで、イヤフォンデバイスL1、R1のそれぞれでの信号の受信感度(受信電界強度)は、-61dBm~-50dBmである。-60dBm~-50dBmは、イヤフォンデバイスL1、R1の両方が装着状態であることを示すための閾値としてオーディオメモリ13(23)に予め登録されている。つまり、ユーザU1がイヤフォンデバイスL1、R1の両方を装着している間、人体であるユーザU1が電波伝送(搬送)の障害物として作用することにより、イヤフォンデバイスL1、R1のそれぞれでの送信電力及び受信感度が図2A図2Cの各状態の中で最も低下している。
【0059】
図2Bに示すように、ユーザU1は、片耳にのみイヤフォンデバイスを装着している。つまり、ユーザU1の左耳LEにはイヤフォンデバイスL1が装着されており、ユーザU1の右耳REにはイヤフォンデバイスR1が装着されていない。つまり、図2Bは、図2Aに示す状態からユーザU1の手により右耳REからイヤフォンデバイスR1が取り外された状態と言える。この場合、イヤフォンデバイスL1、R1のそれぞれでの信号の受信感度(受信電界強度)は、図2Aの状態と比べて増加し、-49dBm~-40dBmである。-49dBm~-40dBmは、イヤフォンデバイスL1、R1のいずれか一方のみが装着状態であることを示すための閾値としてオーディオメモリ13(23)に予め登録されている。これは、イヤフォンデバイスR1が右耳REから取り外されてユーザU1の人体(例えば頭)での回折現象の影響を受けにくくなり空間内で信号を受信できるようになったために、受信感度が増加したと考えられる。更に、イヤフォンデバイスR1からイヤフォンデバイスL1に向けて送信される信号の送信電力が増加したことにより、左耳LEに装着されているイヤフォンデバイスL1での受信感度も増加したと考えられる。したがって、ユーザU1がイヤフォンデバイスL1、R1のうちいずれか一方だけを装着している間、イヤフォンデバイスL1、R1のそれぞれでの送信電力及び受信感度は図2Aの状態に比べて増加している。
【0060】
図2Cに示すように、ユーザU1は、両耳からイヤフォンデバイスを脱着して取り外している。つまり、ユーザU1の左耳LEにはイヤフォンデバイスL1が装着されていなく、更に、ユーザU1の右耳REにはイヤフォンデバイスR1が装着されていない。つまり、図2Cは、図2Bに示す状態からユーザU1の手により左耳LEからもイヤフォンデバイスL1が取り外された状態と言える。この場合、イヤフォンデバイスL1、R1のそれぞれでの信号の受信感度(受信電界強度)は、図2Bの状態と比べて更に増加し、-39dBm~-30dBmである。-39dBm~-30dBmは、イヤフォンデバイスL1、R1の両方が非装着状態であることを示すための閾値としてオーディオメモリ13(23)に予め登録されている。これは、イヤフォンデバイスL1も左耳LEから取り外されてユーザU1の人体(例えば頭)での回折現象の影響をより受けにくくなりイヤフォンデバイスL1、R1ともに空間内で信号を受信できるようになったために、受信感度が更に増加したと考えられる。更に、イヤフォンデバイスL1(R1)からイヤフォンデバイスR1(L1)に向けて送信される信号の送信電力が増加したことにより、両方のイヤフォンデバイスL1、R1での受信感度も増加したと考えられる。したがって、ユーザU1がイヤフォンデバイスL1、R1の両方を装着しなくなった間、イヤフォンデバイスL1、R1のそれぞれでの送信電力及び受信感度は図2Bの状態に比べて更に増加している。
【0061】
5.イヤフォン装置の動作手順
次に、図3図4図5及び図6を参照して、本実施の形態に係るイヤフォン装置1の動作手順例について説明する。以下の説明では、イヤフォンデバイスL1をイヤフォン(AGENT)とし、イヤフォンデバイスR1をイヤフォン(PARTNER)と例示するが、逆でも構わない。
【0062】
5-1.第1動作手順
図3は、実施の形態1に係るイヤフォン装置1の第1動作手順例を時系列に示すフローチャートである。図3に示す各種の処理は、主にイヤフォン装置1のイヤフォンデバイスL1のCPU11、イヤフォン装置1のイヤフォンデバイスR1のCPU21、のいずれか一方或いは両方によりそれぞれ実行される。図3の説明を簡単にするために、イヤフォンデバイスL1のCPU11が各種の処理を実行するとして説明する。
【0063】
図3の説明の前提として、イヤフォンデバイスL1は、スマートフォンSM1からBluetooth(登録商標)に準拠して送信されている音楽信号を受信して再生している。つまり、イヤフォンデバイスL1のオーディオメモリ13には、スマートフォンSM1からの音楽自動再生のモードがユーザプリセット機能の一つとして設定されている。図3の処理は、例えば10ミリ秒程度の周期として定期的に実行されている。
【0064】
図3において、CPU11は、BT無線部16及びBTベースバンド処理部15を介して得た他方のイヤフォンデバイスR1からの受信信号の受信パラメータ(例えば受信電界強度若しくは受信感度)を測定する。CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-39dBm以上であると判定した場合(ステップSt1、YES)、オーディオメモリ13を参照することによりイヤフォンデバイスL1、R1の両方とも非装着(図2C参照)であると判定する(ステップSt2)。CPU11は、ステップSt2の判定に基づいて、ステップSt2の判定時点までスマートフォンSM1から送られていた音楽信号のスピーカSPK1からの再生処理を停止する(ステップSt3)。更に、CPU11は、スマートフォンSM1及びイヤフォンデバイスR1のそれぞれとの間の無線通信以外の各種の処理の実行を中断或いは停止することにより、消費電力の低下を試行する(ステップSt3)。これにより、イヤフォンデバイスL1は、ユーザの両耳から非装着状態と判定されたイヤフォンデバイスL1、R1による消費電力の増大を抑制できる。ステップSt3の後、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。
【0065】
また、CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-39dBm未満であると判定した場合(ステップSt1、NO)、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-49dBm~-40dBm以内であるか否かを判定する(ステップSt4)。CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-49dBm~-40dBm以内であると判定した場合(ステップSt4、YES)、オーディオメモリ13を参照することによりイヤフォンデバイスL1、R1のうちいずれか一方のみユーザの耳に装着していると判定する(ステップSt5)。ここで、CPU11は、オーディオメモリ13を参照し、イヤフォンデバイスL1、R1のいずれか一方のみ装着状態でも音楽信号を再生処理することの許可が設定されているか否かを判定する(ステップSt6)。例えば、オーディオメモリ13は、イヤフォンデバイスL1、R1のいずれか一方のみ装着状態でも音楽信号を再生処理することの許可をするか否かを示すフラグを保存している。CPU11は、イヤフォンデバイスL1、R1のいずれか一方のみ装着状態でも音楽信号を再生処理することの許可が設定されていると判定した場合には(ステップSt6、YES)、ステップSt6の判定時点までスマートフォンSM1から送られていた音楽信号のスピーカSPK1からの再生処理を継続する(ステップSt7)。ステップSt7の後、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。
【0066】
一方、CPU11は、イヤフォンデバイスL1、R1のいずれか一方のみ装着状態でも音楽信号を再生処理することの許可が設定されていないと判定した場合には(ステップSt6、NO)、ステップSt6の判定時点までスマートフォンSM1から送られていた音楽信号のスピーカSPK1からの再生処理を停止する(ステップSt8)。更に、CPU11は、スマートフォンSM1及びイヤフォンデバイスR1のそれぞれとの間の無線通信以外の各種の処理の実行を中断或いは停止することにより、消費電力の低下を試行する(ステップSt8)。これにより、イヤフォンデバイスL1は、非装着状態となったいずれか一方のイヤフォンデバイスによる消費電力の増大を抑制できる。ステップSt8の後、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。
【0067】
また、CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-49dBm~-40dBm以内でないと判定した場合(ステップSt4、NO)、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-60dBm~-50dBm以内であるか否かを判定する(ステップSt9)。CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-60dBm~-50dBm以内であると判定した場合(ステップSt9、YES)、オーディオメモリ13を参照することによりイヤフォンデバイスL1、R1の両方ともユーザの耳に装着していると判定する(ステップSt10)。CPU11は、ステップSt10の判定時点までスマートフォンSM1から送られていた音楽信号のスピーカSPK1からの再生処理を継続する(ステップSt11)。ステップSt11の後、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。なお、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-60dBm~-50dBm以内でないと判定された場合(ステップSt9、NO)、CPU11により正しくRSSIが測定されなかった可能性があるため、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。
【0068】
5-2.第2動作手順
図4は、実施の形態1に係るイヤフォン装置1の第2動作手順例を時系列に示すフローチャートである。図4に示す各種の処理は、主にイヤフォン装置1のイヤフォンデバイスL1のCPU11、イヤフォン装置1のイヤフォンデバイスR1のCPU21、のいずれか一方或いは両方によりそれぞれ実行される。図4の説明を簡単にするために、イヤフォンデバイスL1のCPU11が各種の処理を実行するとして説明する。
【0069】
図4の説明の前提として、イヤフォンデバイスL1は、マイクMIC1cにより収音された音信号を抑圧するための信号処理(ノイズキャンセル処理)を行う旨のフラグをオーディオメモリ13に保存している(ANC設定ON)。つまり、イヤフォンデバイスL1のオーディオメモリ13には、ノイズキャンセル処理を実行するモードがユーザプリセット機能の一つとして設定されている。図4の処理は、例えば10ミリ秒程度の周期として定期的に実行されている。
【0070】
図4において、CPU11は、BT無線部16及びBTベースバンド処理部15を介して得た他方のイヤフォンデバイスR1からの受信信号の受信パラメータ(例えば受信電界強度若しくは受信感度)を測定する。CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-39dBm以上であると判定した場合(ステップSt1、YES)、オーディオメモリ13を参照することによりイヤフォンデバイスL1、R1の両方とも非装着(図2C参照)であると判定する(ステップSt2)。CPU11は、ステップSt2の判定に基づいて、ノイズキャンセル処理を行う旨のフラグを削除(言い換えると、ANC設定OFF)する(ステップSt21)。更に、CPU11は、スマートフォンSM1及びイヤフォンデバイスR1のそれぞれとの間の無線通信以外の各種の処理の実行を中断或いは停止することにより、消費電力の低下を試行する(ステップSt21)。これにより、イヤフォンデバイスL1は、ユーザの両耳から非装着状態と判定されたイヤフォンデバイスL1、R1による消費電力の増大を抑制できる。ステップSt21の後、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。
【0071】
また、CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-39dBm未満であると判定した場合(ステップSt1、NO)、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-49dBm~-40dBm以内であるか否かを判定する(ステップSt4)。CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-49dBm~-40dBm以内であると判定した場合(ステップSt4、YES)、オーディオメモリ13を参照することによりイヤフォンデバイスL1、R1のうちいずれか一方のみユーザの耳に装着していると判定する(ステップSt5)。ここで、CPU11は、オーディオメモリ13を参照し、イヤフォンデバイスL1、R1のいずれか一方のみ装着状態でもノイズキャンセル処理を行うことが設定されているか否かを判定する(ステップSt22)。例えば、オーディオメモリ13は、イヤフォンデバイスL1、R1のいずれか一方のみ装着状態でもノイズキャンセル処理を実行することの許可をするか否かを示すフラグを保存している。CPU11は、イヤフォンデバイスL1、R1のいずれか一方のみ装着状態でもノイズキャンセル処理を実行することの許可が設定されていると判定した場合には(ステップSt22、YES)、ノイズキャンセル処理の実行を継続する(ステップSt23)。ステップSt23の後、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。
【0072】
一方、CPU11は、イヤフォンデバイスL1、R1のいずれか一方のみ装着状態でもノイズキャンセル処理を実行することの許可が設定されていないと判定した場合には(ステップSt22、NO)、ノイズキャンセル処理の実行を停止する(ステップSt24、ANC設定OFF)。更に、CPU11は、スマートフォンSM1及びイヤフォンデバイスR1のそれぞれとの間の無線通信以外の各種の処理の実行を中断或いは停止することにより、消費電力の低下を試行する(ステップSt24)。これにより、イヤフォンデバイスL1は、非装着状態となったいずれか一方のイヤフォンデバイスによる消費電力の増大を抑制できる。ステップSt24の後、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。
【0073】
また、CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-49dBm~-40dBm以内でないと判定した場合(ステップSt4、NO)、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-60dBm~-50dBm以内であるか否かを判定する(ステップSt9)。CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-60dBm~-50dBm以内であると判定した場合(ステップSt9、YES)、オーディオメモリ13を参照することによりイヤフォンデバイスL1、R1の両方ともユーザの耳に装着していると判定する(ステップSt10)。CPU11は、ノイズキャンセル処理の実行を継続する(ステップSt25)。ステップSt25の後、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。なお、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-60dBm~-50dBm以内でないと判定された場合(ステップSt9、NO)、CPU11により正しくRSSIが測定されなかった可能性があるため、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。
【0074】
5-3.第3動作手順
図5は、実施の形態1に係るイヤフォン装置1の第3動作手順例を時系列に示すフローチャートである。図5に示す各種の処理は、主にイヤフォン装置1のイヤフォンデバイスL1のCPU11、イヤフォン装置1のイヤフォンデバイスR1のCPU21、のいずれか一方或いは両方によりそれぞれ実行される。図5の説明を簡単にするために、イヤフォンデバイスL1のCPU11が各種の処理を実行するとして説明する。
【0075】
図5の説明の前提として、イヤフォンデバイスL1は、マイクMIC1bにより収音された外音信号をスピーカSPK1から出力する旨のフラグをオーディオメモリ13に保存している(外音取込設定あり)。つまり、イヤフォンデバイスL1のオーディオメモリ13には、外音取込処理(つまり、収音された外音信号をスピーカから出力する処理。以下同様。)を実行するモードがユーザプリセット機能の一つとして設定されている。図5の処理は、例えば10ミリ秒程度の周期として定期的に実行されている。
【0076】
図5において、CPU11は、BT無線部16及びBTベースバンド処理部15を介して得た他方のイヤフォンデバイスR1からの受信信号の受信パラメータ(例えば受信電界強度若しくは受信感度)を測定する。CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-39dBm以上であると判定した場合(ステップSt1、YES)、オーディオメモリ13を参照することによりイヤフォンデバイスL1、R1の両方とも非装着(図2C参照)であると判定する(ステップSt2)。CPU11は、ステップSt2の判定に基づいて、外音取込処理を行う旨のフラグを削除(言い換えると、外音取込設定OFF)する(ステップSt31)。更に、CPU11は、スマートフォンSM1及びイヤフォンデバイスR1のそれぞれとの間の無線通信以外の各種の処理の実行を中断或いは停止することにより、消費電力の低下を試行する(ステップSt31)。これにより、イヤフォンデバイスL1は、ユーザの両耳から非装着状態と判定されたイヤフォンデバイスL1、R1による消費電力の増大を抑制できる。ステップSt31の後、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。
【0077】
また、CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-39dBm未満であると判定した場合(ステップSt1、NO)、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-49dBm~-40dBm以内であるか否かを判定する(ステップSt4)。CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-49dBm~-40dBm以内であると判定した場合(ステップSt4、YES)、オーディオメモリ13を参照することによりイヤフォンデバイスL1、R1のうちいずれか一方のみユーザの耳に装着していると判定する(ステップSt5)。ここで、CPU11は、オーディオメモリ13を参照し、イヤフォンデバイスL1、R1のいずれか一方のみ装着状態でも外音取込処理を行うことが設定されているか否かを判定する(ステップSt32)。例えば、オーディオメモリ13は、イヤフォンデバイスL1、R1のいずれか一方のみ装着状態でも外音取込処理を実行することの許可をするか否かを示すフラグを保存している。CPU11は、イヤフォンデバイスL1、R1のいずれか一方のみ装着状態でも外音取込処理を実行することの許可が設定されていると判定した場合には(ステップSt32、YES)、外音取込処理の実行を継続する(ステップSt33)。ステップSt33の後、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。
【0078】
一方、CPU11は、イヤフォンデバイスL1、R1のいずれか一方のみ装着状態でも外音取込処理を実行することの許可が設定されていないと判定した場合には(ステップSt32、NO)、外音取込処理の実行を停止する(ステップSt34、外音取込設定OFF)。更に、CPU11は、スマートフォンSM1及びイヤフォンデバイスR1のそれぞれとの間の無線通信以外の各種の処理の実行を中断或いは停止することにより、消費電力の低下を試行する(ステップSt34)。これにより、イヤフォンデバイスL1は、非装着状態となったいずれか一方のイヤフォンデバイスによる消費電力の増大を抑制できる。ステップSt34の後、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。
【0079】
また、CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-49dBm~-40dBm以内でないと判定した場合(ステップSt4、NO)、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-60dBm~-50dBm以内であるか否かを判定する(ステップSt9)。CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-60dBm~-50dBm以内であると判定した場合(ステップSt9、YES)、オーディオメモリ13を参照することによりイヤフォンデバイスL1、R1の両方ともユーザの耳に装着していると判定する(ステップSt10)。CPU11は、外音取込処理の実行を継続する(ステップSt35)。ステップSt35の後、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。なお、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-60dBm~-50dBm以内でないと判定された場合(ステップSt9、NO)、CPU11により正しくRSSIが測定されなかった可能性があるため、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。
【0080】
5-4.第4動作手順
図6は、実施の形態1に係るイヤフォン装置1の第4動作手順例を時系列に示すフローチャートである。図6に示す各種の処理は、主にイヤフォン装置1のイヤフォンデバイスL1のCPU11、イヤフォン装置1のイヤフォンデバイスR1のCPU21、のいずれか一方或いは両方によりそれぞれ実行される。図6の説明を簡単にするために、イヤフォンデバイスL1のCPU11が各種の処理を実行するとして説明する。
【0081】
図6の説明の前提として、イヤフォンデバイスL1は、タッチセンサTS1へのユーザ操作を受け付ける旨のフラグをオーディオメモリ13に保存している(タッチセンサ設定ON)。つまり、イヤフォンデバイスL1のオーディオメモリ13には、タッチセンサTS1へのユーザ操作の受付処理を実行するモードがユーザプリセット機能の一つとして設定されている。図6の処理は、例えば10ミリ秒程度の周期として定期的に実行されている。
【0082】
図6において、CPU11は、BT無線部16及びBTベースバンド処理部15を介して得た他方のイヤフォンデバイスR1からの受信信号の受信パラメータ(例えば受信電界強度若しくは受信感度)を測定する。CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-39dBm以上であると判定した場合(ステップSt1、YES)、オーディオメモリ13を参照することによりイヤフォンデバイスL1、R1の両方とも非装着(図2C参照)であると判定する(ステップSt2)。CPU11は、ステップSt2の判定に基づいて、タッチセンサTS1へのユーザ操作の受付処理を行う旨のフラグを削除(言い換えると、タッチセンサ設定OFF)する(ステップSt41)。更に、CPU11は、スマートフォンSM1及びイヤフォンデバイスR1のそれぞれとの間の無線通信以外の各種の処理の実行を中断或いは停止することにより、消費電力の低下を試行する(ステップSt41)。これにより、イヤフォンデバイスL1は、ユーザの両耳から非装着状態と判定されたイヤフォンデバイスL1、R1による消費電力の増大を抑制できる。ステップSt41の後、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。
【0083】
また、CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-39dBm未満であると判定した場合(ステップSt1、NO)、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-49dBm~-40dBm以内であるか否かを判定する(ステップSt4)。CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-49dBm~-40dBm以内であると判定した場合(ステップSt4、YES)、オーディオメモリ13を参照することによりイヤフォンデバイスL1、R1のうちいずれか一方のみユーザの耳に装着していると判定する(ステップSt5)。ここで、CPU11は、オーディオメモリ13を参照し、イヤフォンデバイスL1、R1のいずれか一方のみ装着状態でもタッチセンサTS1へのユーザ操作の受付処理を行うことが設定されているか否かを判定する(ステップSt42)。例えば、オーディオメモリ13は、イヤフォンデバイスL1、R1のいずれか一方のみ装着状態でもタッチセンサTS1へのユーザ操作の受付処理を実行することの許可をするか否かを示すフラグを保存している。CPU11は、イヤフォンデバイスL1、R1のいずれか一方のみ装着状態でもタッチセンサTS1へのユーザ操作の受付処理を実行することの許可が設定されていると判定した場合には(ステップSt42、YES)、タッチセンサTS1へのユーザ操作の受付処理の実行を継続する(ステップSt43)。ステップSt43の後、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。
【0084】
一方、CPU11は、イヤフォンデバイスL1、R1のいずれか一方のみ装着状態でもタッチセンサTS1へのユーザ操作の受付処理を実行することの許可が設定されていないと判定した場合には(ステップSt42、NO)、タッチセンサTS1へのユーザ操作の受付処理の実行を停止する(ステップSt44、タッチセンサ設定OFF)。更に、CPU11は、スマートフォンSM1及びイヤフォンデバイスR1のそれぞれとの間の無線通信以外の各種の処理の実行を中断或いは停止することにより、消費電力の低下を試行する(ステップSt44)。これにより、イヤフォンデバイスL1は、非装着状態となったいずれか一方のイヤフォンデバイスによる消費電力の増大を抑制できる。ステップSt44の後、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。
【0085】
また、CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-49dBm~-40dBm以内でないと判定した場合(ステップSt4、NO)、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-60dBm~-50dBm以内であるか否かを判定する(ステップSt9)。CPU11は、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-60dBm~-50dBm以内であると判定した場合(ステップSt9、YES)、オーディオメモリ13を参照することによりイヤフォンデバイスL1、R1の両方ともユーザの耳に装着していると判定する(ステップSt10)。CPU11は、タッチセンサTS1へのユーザ操作の受付処理の実行を継続する(ステップSt45)。ステップSt45の後、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。なお、イヤフォンデバイスR1からの受信信号の測定結果(例えばRSSI)が-60dBm~-50dBm以内でないと判定された場合(ステップSt9、NO)、CPU11により正しくRSSIが測定されなかった可能性があるため、イヤフォンデバイスL1の電源がOFFとなるまでCPU11の処理はステップSt1に戻る。
【0086】
以上により、本実施の形態に係るイヤフォン装置1は、ユーザの耳に装着される一対のイヤフォンデバイスL1、R1を備える。一対のイヤフォンデバイスの一方である第1イヤフォンデバイス(イヤフォンデバイスL1)は、一対のイヤフォンデバイスの他方である第2イヤフォンデバイス(イヤフォンデバイスR1)との間で無線通信可能に接続する第1通信インターフェース(BT無線部16)と、第2イヤフォンデバイスから受信した信号の受信パラメータ(RSSI)に基づいて、第1イヤフォンデバイス及び第2イヤフォンデバイスのそれぞれのユーザの耳への装着状態を判定する第1プロセッサ(CPU11)と、を有する。これにより、イヤフォン装置1は、少なくとも1つのイヤフォンデバイスL1において、装着検知用のセンサをイヤフォン装置1の筐体内に配置することなく、ユーザの耳内への装着の有無を受信信号の受信パラメータだけで簡易かつ安定的に検知できる。また、イヤフォン装置1は、装着検知用のセンサをイヤフォン装置1の筐体内に配置する必要がなくなるので、コストダウン及び小型化を図ることが可能となる。また、イヤフォン装置1は、受信信号の受信パラメータに基づいてユーザの耳内への装着の有無を適切に判定できるので、クレードルの筐体内に収納された時でもユーザの耳内に装着されている状態であると誤って検知することがなくなる。
【0087】
また、第2イヤフォンデバイス(イヤフォンデバイスR1)は、第1イヤフォンデバイス(イヤフォンデバイスL1)との間で無線通信可能に接続する第2通信インターフェース(BT無線部26)と、第1イヤフォンデバイスから受信した信号の受信パラメータ(例えばRSSI)に基づいて、第1イヤフォンデバイス及び第2イヤフォンデバイスのそれぞれのユーザの耳への装着状態を判定する第2プロセッサ(CPU21)と、を有する。これにより、イヤフォン装置1は、イヤフォンデバイスL1だけでなくイヤフォンデバイスR1においても、装着検知用のセンサをイヤフォン装置1の筐体内に配置することなく、ユーザの耳内への装着の有無を受信信号の受信パラメータだけで簡易かつ安定的に検知できる。また、イヤフォン装置1は、イヤフォンデバイスL1だけでなくイヤフォンデバイスR1においても、装着検知用のセンサをイヤフォン装置1の筐体内に配置する必要がなくなるので、コストダウン及び小型化を図ることが可能となる。また、イヤフォン装置1は、受信信号の受信パラメータに基づいてユーザの耳内への装着の有無を適切に判定できるので、クレードルの筐体内に収納された時でもユーザの耳内に装着されている状態であると誤って検知することがなくなる。
【0088】
また、第1通信インターフェース(BT無線部16)は、ユーザにより保持される携帯無線端末(スマートフォンSM1)との間で無線通信可能に接続する。第1プロセッサ(CPU11)は、携帯無線端末から音楽信号の第1通信インターフェースを介した受信かつ再生処理中に第1イヤフォンデバイス(イヤフォンデバイスL1)及び第2イヤフォンデバイス(イヤフォンデバイスR1)のうち少なくとも1つがユーザの耳から非装着状態であるとの判定に基づいて、音楽信号の再生処理を停止する。これにより、イヤフォン装置1は、イヤフォンデバイスL1、R1のうち少なくとも1つが装着されなくなったことにより、スマートフォンSM1からの音楽再生を停止することでイヤフォン装置1における消費電力を低下できる。
【0089】
また、第2プロセッサ(CPU21)は、携帯無線端末(スマートフォンSM1)から音楽信号の第1イヤフォンデバイス(イヤフォンデバイスL1)を介した受信かつ再生処理中に第1イヤフォンデバイス及び第2イヤフォンデバイス(イヤフォンデバイスR1)のうち少なくとも1つがユーザの耳から非装着状態であるとの判定に基づいて、音楽信号の再生処理を停止する。これにより、イヤフォン装置1は、イヤフォンデバイスL1だけでなくイヤフォンデバイスR1においても、イヤフォンデバイスL1、R1のうち少なくとも1つが装着されなくなったことにより、スマートフォンSM1からの音楽再生を停止することでイヤフォン装置1における消費電力を低下できる。
【0090】
また、第1イヤフォンデバイスは(イヤフォンデバイスL1)は、ユーザの耳の周囲の外音信号を収音する第1マイク(マイクMIC1b)を更に備える。第1プロセッサ(CPU11)は、第1マイクにより収音される外音信号に含まれるノイズ成分をキャンセルするためのノイズキャンセルモード(ノイズキャンセル処理)の作動中に第1イヤフォンデバイス及び第2イヤフォンデバイス(イヤフォンデバイスR1)のうち少なくとも1つがユーザの耳から非装着状態であるとの判定に基づいて、ノイズキャンセルモードの作動を停止する。これにより、イヤフォン装置1は、イヤフォンデバイスL1、R1のうち少なくとも1つが装着されなくなったことにより、マイクMIC1bにより収音された外音信号に含まれるノイズ成分をキャンセルするノイズキャンセル処理を停止することでイヤフォン装置1における消費電力を低下できる。
【0091】
また、第2イヤフォンデバイス(イヤフォンデバイスR1)は、ユーザの耳の周囲の外音信号を収音する第2マイク(マイクMIC2b)を更に備える。第2プロセッサ(CPU21)は、第2マイクにより収音される外音信号に含まれるノイズ成分をキャンセルするためのノイズキャンセルモード(ノイズキャンセル処理)の作動中に第1イヤフォンデバイス及び第2イヤフォンデバイスのうち少なくとも1つがユーザの耳から非装着状態であるとの判定に基づいて、ノイズキャンセルモードの作動を停止する。これにより、イヤフォン装置1は、イヤフォンデバイスL1だけでなくイヤフォンデバイスR1においても、イヤフォンデバイスL1、R1のうち少なくとも1つが装着されなくなったことにより、マイクMIC1bにより収音された外音信号に含まれるノイズ成分をキャンセルするノイズキャンセル処理を停止することでイヤフォン装置1における消費電力を低下できる。
【0092】
また、第1イヤフォンデバイス(イヤフォンデバイスL1)は、ユーザの耳の周囲の外音信号を収音する第3マイク(マイクMIC1c)と、第3マイクにより収音される外音信号を出力するスピーカSPK1と、を更に備える。第1プロセッサ(CPU11)は、第3マイクにより収音される外音信号を取り込んでスピーカSPK1から出力する外音取込モード中に第1イヤフォンデバイス及び第2イヤフォンデバイス(イヤフォンデバイスR1)のうち少なくとも1つがユーザの耳から非装着状態であるとの判定に基づいて、外音取込モードを停止する。これにより、イヤフォン装置1は、イヤフォンデバイスL1、R1のうち少なくとも1つが装着されなくなったことにより、マイクMIC1cにより収音された外音信号をスピーカSPK1から出力する外音取込処理を停止することでイヤフォン装置1における消費電力を低下できる。
【0093】
また、第2イヤフォンデバイス(イヤフォンデバイスR1)は、ユーザの耳の周囲の外音信号を収音する第4マイク(マイクMIC2c)と、第4マイクにより収音される外音信号を出力するスピーカSPK2と、を更に備える。第1プロセッサ(CPU11)は、第4マイクにより収音される外音信号を取り込んでスピーカSPK2から出力する外音取込モード中に第1イヤフォンデバイス(イヤフォンデバイスL1)及び第2イヤフォンデバイスのうち少なくとも1つがユーザの耳から非装着状態であるとの判定に基づいて、外音取込モードを停止する。これにより、イヤフォン装置1は、イヤフォンデバイスL1だけでなくイヤフォンデバイスR1においても、イヤフォンデバイスL1、R1のうち少なくとも1つが装着されなくなったことにより、マイクMIC1cにより収音された外音信号をスピーカSPK1から出力する外音取込処理を停止することでイヤフォン装置1における消費電力を低下できる。
【0094】
また、第1イヤフォンデバイス(イヤフォンデバイスL1)は、ユーザの操作を受け付ける第1タッチセンサ(タッチセンサTS1)を更に備える。第1プロセッサ(CPU11)は、第1タッチセンサの使用を許可する設定中に第1イヤフォンデバイス及び第2イヤフォンデバイス(イヤフォンデバイスR1)のうち少なくとも1つがユーザの耳から非装着状態であるとの判定に基づいて、第1タッチセンサの使用を禁止する設定に切り替える。これにより、イヤフォン装置1は、イヤフォンデバイスL1、R1のうち少なくとも1つが装着されなくなったことにより、タッチセンサTS1へのユーザ操作の受付処理を停止することでイヤフォン装置1における消費電力を低下できる。
【0095】
また、第2イヤフォンデバイス(イヤフォンデバイスR1)は、ユーザの操作を受け付ける第2タッチセンサ(タッチセンサTS2)を更に備える。第2プロセッサ(CPU21)は、第2タッチセンサの使用を許可する設定中に第1イヤフォンデバイス(イヤフォンデバイスL1)及び第2イヤフォンデバイスのうち少なくとも1つがユーザの耳から非装着状態であるとの判定に基づいて、第2タッチセンサの使用を禁止する設定に切り替える。これにより、イヤフォン装置1は、イヤフォンデバイスL1だけでなくイヤフォンデバイスR1においても、イヤフォンデバイスL1、R1のうち少なくとも1つが装着されなくなったことにより、タッチセンサTS1へのユーザ操作の受付処理を停止することでイヤフォン装置1における消費電力を低下できる。
【0096】
以上、添付図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本開示は、装着検知用のセンサを筐体内に配置することなく、ユーザの耳内への装着の有無を簡易かつ安定的に検知するイヤフォン装置及び装着検知方法として有用である。
【符号の説明】
【0098】
1 イヤフォン装置
11、21 CPU
12、22 ROM
13、23 オーディオメモリ
14、24 DSP
15、25 BTベースバンド処理部
16、26 BT無線部
17、27 アナログフロントエンドADC/DAC
18、28 クロック管理部
19、29 電源管理部
100 無線通信システム
BATT1、BATT2 バッテリ
CP1、CP2 半導体チップ
L1 イヤフォンデバイス(AGENT)
MIC1、MIC2 マイク
R1 イヤフォンデバイス(PARTNER)
SPK1、SPK2 スピーカ
XTAL1、XTAL2 発振器
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6