特開 2024-159046 排水溝カバー

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024159046

(43)【公開日】2024-11-08

(54)【発明の名称】排水溝カバー

(51)【国際特許分類】

   E03F 5/04 20060101AFI20241031BHJP

【ＦＩ】

E03F5/04 D

【審査請求】未請求

【請求項の数】5

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023074780

(22)【出願日】2023-04-28

(71)【出願人】

【識別番号】523162247

【氏名又は名称】有賀ゴム株式会社

(71)【出願人】

【識別番号】523173737

【氏名又は名称】株式会社 美和テック

(74)【代理人】

【識別番号】110002011

【氏名又は名称】弁理士法人井澤国際特許事務所

(74)【代理人】

【識別番号】100072039

【弁理士】

【氏名又は名称】井澤 洵

(74)【代理人】

【識別番号】100123722

【弁理士】

【氏名又は名称】井澤 幹

(74)【代理人】

【識別番号】100157738

【弁理士】

【氏名又は名称】茂木 康彦

(72)【発明者】

【氏名】小川 貢

(72)【発明者】

【氏名】合田 裕一

【テーマコード（参考）】

2D063

【Ｆターム（参考）】

2D063CB03

2D063CB11

(57)【要約】

【課題】曲線状を呈する排水溝にも配置することができる排水溝カバーを提供する。
【課題を解決するための手段】
排水溝カバーは、排水溝の開口部を塞ぐために、可とう性を具備し、少なくとも、開口部に配置する一方の配置部と、他方の配置部と、その一方の配置部と、その他方の配置部と、の間に配置するとともに、それらと一体に接続した本体配置部と、開口部に取り付けて固定する一方の固定部と、他方の固定部と、その一方の固定部と、その他方の固定部と、の間に配置するとともに、それらと一体に接続した本体固定部と、を有し、本体配置部と本体固定部とは、一体に接続され、一方の配置部と、一方の固定部との間に隙間となる一方のスリット部と、他方の配置部と、他方の固定部との間に隙間となる他方のスリット部と、を有するというものである。
【選択図】 図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

排水溝の開口部を塞ぐために、可とう性を具備し、
少なくとも、
前記開口部に配置する一方の配置部と、他方の配置部と、
前記一方の配置部と、前記他方の配置部と、の間に配置するとともに、それらと一体に接続した本体配置部と、
前記開口部に取り付けて固定する一方の固定部と、他方の固定部と、
前記一方の固定部と、前記他方の固定部と、の間に配置するとともに、それらと一体に接続した本体固定部と、を有し、
前記本体配置部と前記本体固定部とは、一体に接続され、
前記一方の配置部と、前記一方の固定部との間に隙間となる一方のスリット部と、
前記他方の配置部と、前記他方の固定部との間に隙間となる他方のスリット部と、を有する排水溝カバー。

【請求項2】

排水溝の開口部を塞ぐために、可とう性を具備し、
少なくとも、
前記開口部に配置する一方の配置部と、他方の配置部と、
前記一方の配置部と、前記他方の配置部と、の間に配置するとともに、それらと一体に接続した本体配置部と、
前記開口部に取り付けて固定する一方の固定部と、他方の固定部と、
前記一方の固定部と、前記他方の固定部と、の間に配置するとともに、それらと一体に接続した本体固定部と、を有し、
前記本体配置部と前記本体固定部とは、一体に接続され、
前記一方の配置部と、前記一方の固定部との間に隙間となる一方のスリット部と、
前記他方の配置部と、前記他方の固定部との間に隙間となる他方のスリット部と、を有し、
前記一方の配置部と、前記他方の配置部と、前記本体配置部と、はそれぞれ複数有し、
前記複数の本体配置部同士は一体に接続され、
前記複数の一方の配置部同士の間に隙間となる一方の配置スリット部と、
前記複数の他方の配置部同士の間に隙間となる他方の配置スリット部と、を有する排水溝カバー。

【請求項3】

前記一方の配置部または、他方の配置部は、前記排水溝の開口部を塞いだときに、前記排水溝の開口部内に流入させるために開閉する流入部と、をさらに有する請求項１または２記載の排水溝カバー。

【請求項4】

前記一方の固定部と、前記本体固定部と、前記他方の固定部と、に配置する補強部材と、をさらに有する請求項１または２記載の排水溝カバー。

【請求項5】

前記一方の配置部または前記他方の配置部は、排水溝の開口部を塞いだときに、前記排水溝の開口部内に流入させるために開閉する流入部と、
前記一方の固定部と、前記本体固定部と、前記他方の固定部と、に配置する補強部材と、をさらに有する請求項１または２記載の排水溝カバー。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、排水溝に使用する排水溝カバーに関するものである。

【背景技術】

【0002】

道路の路肩において、雨水を排水するためにＵ字溝が設けられている。このＵ字溝は、排水溝として知られており、その上部は開放している。したがって、落ち葉やごみなどがこの排水溝に入り込むと、その排水が困難となる場合がある。

【0003】

そのような問題を解決するものとして、コンクリート製の蓋が用いられることもあるが、排水性に難がある。そこで、例えば、特許第５６６９９１５号公報において、「路面内部に埋設され上部に樋部が形成された金属製のグレーチング枠体を備えた路面用排水溝であって、前記グレーチング枠体の少なくとも一側の側壁部の長手方向に沿って、前記グレーチング枠体の底板部から鉛直方向へ前記路面より下側となるように立設された下鉛直面部と、該下鉛直面部の上端から前記グレーチング枠体内側方向の下方へ傾斜して延設された傾斜部と、該傾斜部の下端から鉛直方向へ延設されて対向する側壁部とともに前記樋部を形成する上鉛直面部とを一体に形成した断面Ｎ字状の雑草抑制部が形成され、前記下鉛直面部と前記傾斜部との連設部分に山部透水孔が形成されていることを特徴とする路面用排水溝。」が開示されている。

【0004】

上記公報に開示されている路面用排水溝には、グレーチングが用いられている。このグレーチングは、いわば格子状の蓋として路面用排水溝に取り付けるには適当なものであるといえる。

【0005】

しかしながら、複数の排水溝が直線状を呈する場合においては、その金属製のグレーチングの蓋を設置することができるが、例えば、高速道路の路肩に配置された複数の排水溝がその高速道路に沿って曲線状を呈する場合があり、金属製のグレーチングの蓋を設置する場合に、その曲線に沿うようにあらかじめ加工しなければならずその配置は困難である。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0006】

【特許文献1】特許第５６６９９１５号公報

【発明の開示】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

そこで、本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、曲線状を呈する排水溝にも配置することができる排水溝カバーを提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0008】

前記の課題を解決するために、第１観点の排水溝カバーは、排水溝の開口部を塞ぐために、可とう性を具備し、少なくとも、開口部に配置する一方の配置部と、他方の配置部と、一方の配置部と、他方の配置部と、の間に配置するとともに、それらと一体に接続した本体配置部と、開口部に取り付けて固定する一方の固定部と、他方の固定部と、一方の固定部と、他方の固定部と、の間に配置するとともに、それらと一体に接続した本体固定部と、を有し、本体配置部と本体固定部とは、一体に接続され、一方の配置部と、一方の固定部との間に隙間となる一方のスリット部と、他方の配置部と、他方の固定部との間に隙間となる他方のスリット部と、を有するというものである。

【0009】

また、第２観点の排水溝カバーは、排水溝の開口部を塞ぐために、可とう性を具備し、少なくとも、開口部に配置する一方の配置部と、他方の配置部と、一方の配置部と、他方の配置部と、の間に配置するとともに、それらと一体に接続した本体配置部と、開口部に取り付けて固定する一方の固定部と、他方の固定部と、一方の固定部と、他方の固定部と、の間に配置するとともに、それらと一体に接続した本体固定部と、を有し、本体配置部と本体固定部とは、一体に接続され、一方の配置部と、一方の固定部との間に隙間となる一方のスリット部と、他方の配置部と、他方の固定部との間に隙間となる他方のスリット部と、を有し、前記一方の配置部と、前記他方の配置部と、前記本体配置部と、はそれぞれ複数有し、複数の本体配置部同士は一体に接続され、複数の一方の配置部同士の間に隙間となる一方の配置スリット部と、複数の他方の配置部同士の間に隙間となる他方の配置スリット部と、を有するというものである。

【0010】

また、第３観点の排水溝カバーは、第１観点または第２観点において、一方の配置部または、他方の配置部は、排水溝の開口部を塞いだときに、排水溝の開口部内に流入させるために開閉する流入部と、をさらに有するというものである。

【0011】

また、第４観点の排水溝カバーは、第１観点または第２観点において、一方の固定部と、本体固定部と、他方の固定部と、に配置する補強部材と、をさらに有するというものである。

【0012】

また、第５観点の排水溝カバーは、第１観点または第２観点において、一方の配置部または他方の配置部は、排水溝の開口部を塞いだときに、排水溝の開口部内に流入させるために開閉する流入部と、一方の固定部と、本体固定部と、他方の固定部と、に配置する補強部材と、をさらに有するというものである。

【発明の効果】

【0013】

本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであるから、曲線状を呈する排水溝にも配置することができる排水溝カバーを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0014】

【図1】排水溝カバーの正面図である。

【図2】排水溝カバーの側面図である。

【図3】排水溝カバーの平面図である。

【図4】排水溝カバーの背面図である。

【図5】Ａは、補強部材の正面図である。Ｂは、補強部材の平面図である。

【図6】Ａは、固定部材の斜視図である。Ｂは、固定部材の側面図である。Ｃは、Ｂは、固定部材の平面図である。

【図7】Ａは、直線状に配置された複数の排水溝に複数の排水溝カバーを取り付けた状態を示す平面図である。Ｂは、Ａの部分拡大図である。

【図8】Ａは、図７ＢのＶＩＩＩＡ－ＶＩＩＩＡ線断面図である。Ｂは、図７ＢのＶＩＩＩＢ－ＶＩＩＩＢ線断面図である。

【図9】Ａは、図７ＢのＩＸＡ－ＩＸＡ線断面図である。Ｂは、ＡのＩＸＢ部分の正面図である。

【図10】Ａは、曲線状に配置された複数の排水溝に複数の排水溝カバーを取り付けた状態を示す平面図である。Ｂは、Ａの部分拡大図である。

【発明を実施するための最良の形態】

【0015】

以下、図示の実施形態を参照して、本実施例の排水溝カバー１０について説明する。本実施例の排水溝カバー１０は、弾性力を有し、折り曲げ可能な可とう性を具備するシートからなり、後述する排水溝５００の開口部５１０、５１０に折り曲げるように取り付け、いわばその排水溝５００の開口部５１０、５１０を塞ぐ蓋としての機能を有するものである。また、排水溝カバー１０は、変形したとしても弾性力を有するために復元可能である。なお、排水溝カバー１０は、例えば、ＥＶＡ（Ｅｔｈｙｌｅｎｅ-Ｖｉｎｙｌ Ａｃｅｔａｔｅ、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂）が好ましい。また、排水溝カバー１０は、ＣＲ（クロロプレンゴム）、ＥＰＤＭ(エチレンプロピレンジエンゴム)類のゴムのように弾力性を有するものあるいはＰＰ(ポリプロピレン)、ＰＥ（ポリエチレン）の樹脂類が好ましい。

【0016】

排水溝カバー１０は、少なくとも、排水溝５００の開口部５１０、５１０にそれぞれ配置する一方の配置部３０と、他方の配置部４０と、を有する。また、排水溝カバー１０は、その一方の配置部３０と、その他方の配置部４０と、の間に配置するとともに、それら一方の配置部３０と、他方の配置部４０と、一体に接続した本体配置部５０と、を有する。

【0017】

また、一方の配置部３０は、流入部３１を有する。流入部３１は、一方の配置部３０にコの字状の切れ込みを入れて構成されており、後述する通り、流水を排水溝５００における開口部５１０、５１０内に流入させるというものである。また、他方の配置部４０は、流入部４１を有する。流入部４１は、他方の配置部４０にコの字状の切れ込みを入れて構成されており、排水を排水溝５００における開口部５１０、５１０内に流入させるというものである。なお、これについては後述する。

【0018】

また、排水溝カバー１０は、排水溝５００の開口部５１０、５１０に、それぞれ固定する一方の固定部６０と、他方の固定部７０と、を有する。また、排水溝カバー１０は、その一方の固定部６０と、その他方の固定部７０と、の間に配置するとともに、それら一方の固定部６０と、他方の固定部７０と一体に接続した本体固定部８０と、を有する。また、本体配置部５０と本体固定部８０とは一体に接続されている。なお、一方の固定部６０と、他方の固定部７０は、開口部５１０、５１０に直接固定することもできるが（図示しない）、後述する通り、固定部材３５０を使用して取り付けることができる。

【0019】

また、排水溝カバー１０は、一方の配置部３０と、一方の固定部６０との間に隙間となる一方のスリット部１００と、を有する。また、他方の配置部４０と、他方の固定部７０との間に隙間となる他方のスリット部１１０と、を有する。この一方のスリット部１００の隙間の間隔および、他方のスリット部１１０の隙間の間隔は、後述する通り、設置する複数の排水溝５００’が、平面視曲線状を呈するときに、それぞれその隙間の間隔の大きさが変動する場合がある。

【0020】

また、一方の固定部６０の端部６１は、排水溝５００の上端部５１０に固定するためのボルトと着脱可能に係合するためのボルト係合部６１０を有する。また、他方の固定部７０の端部７１は、排水溝５００の上端部５１０に固定するためのボルトと着脱可能に係合するためのボルト係合部７１０を有する。ボルト係合部６１０およびボルト係合部７１０は、後述するボルト類Ｐと着脱可能に係合するために、切れ込みを入れた構成を呈しており、その切れ込みに、そのボルト類Ｐを引っかけるように係合することで、固定するものである。

【0021】

また、排水溝カバー１０は、上述の一方の配置部３０と、他方の配置部４０と、本体配置部５０と同一の構成を有するものであって、排水溝５００の開口部５１０、５１０にそれぞれ配置する一方の配置部３０Ａと、他方の配置部４０Ａと、を有することができる。また、排水溝カバー１０は、その一方の配置部３０Ａと、その他方の配置部４０Ａと、の間に配置するとともに、それら一方の配置部３０Ａと、他方の配置部４０Ａと一体に接続した本体配置部５０Ａと、を有する。また、上述の本体配置部５０と 本体配置部５０Ａとは一体に接続されている。

【0022】

また、上述の一方の配置部３０と一方の配置部３０Ａとの間に、隙間となる一方の配置スリット部２００を有する。また、上述の他方の配置部４０と他方の配置部４０Ａとの間に、隙間となる他方の配置スリット部２１０を有する。この一方の配置スリット部２００の隙間の間隔および、他方の配置スリット部２１０の隙間の間隔は、後述する通り、設置する複数の排水溝５００が、平面視曲線状を呈するときに、それぞれその隙間の間隔の大きさが変動する場合がある。

【0023】

また、排水溝カバー１０は、排水溝５００の開口部５１０、５１０に、それぞれ固定する一方の固定部６０と同一の構成を有する一方の固定部６０Ａと、他方の固定部７０と同一の構成を有する他方の固定部７０Ａと、を有する。また、排水溝カバー１０は、その一方の固定部６０Ａと、その他方の固定部７０Ａと、の間に配置するとともに、それら一方の固定部６０Ａと、他方の固定部７０Ａと一体に接続した上述の本体固定部８０と同一の構成を有する本体固定部８０Ａと、を有する。また、本体配置部５０Ａと、本体固定部８０Ａとは一体に接続されている。

【0024】

また、排水溝カバー１０は、一方の配置部３０Ａと、一方の固定部６０Ａとの間に隙間となる一方のスリット部１００と、を有する。また、他方の配置部４０Ａと、他方の固定部７０Ａとの間に隙間となる他方のスリット部１１０と、を有する。この一方のスリット部１００の隙間の間隔および、他方のスリット部１１０の隙間の間隔は、後述する通り、設置する複数の排水溝５００が、平面視曲線状を呈するときに、それぞれその隙間の間隔の大きさが変動する場合がある。

【0025】

このように排水溝カバー１０は、さらに一方の配置部３０と同一の構成を有する一方の配置部３０Ｂ、一方の配置部３０Ｃとを、有する。また、他方の配置部４０と同一の構成を有する他方の配置部４０Ｂ、他方の配置部４０Ｃとを、有する。また、本体配置部５０と同一の構成を有する本体配置部５０Ｂ、本体配置部５０Ｃとを有する。また、本体配置部５０Ｂ、本体配置部５０Ｃ同士は一体に接続されるとともに、本体配置部５０Ｂと本体固定部８０Ａは、一体に接続されている。また上述の各一方の配置部３０Ａ、３０Ｂ、３０Ｃにおいても上述の流入部３１を有することができる。また、上述の各他方の配置部４０Ａ、４０Ｂ、４０Ｃにおいても上述の流入部４１を有することができる。

【0026】

また、排水溝カバー１０は、排水溝５００の開口部５１０、５１０に、それぞれ固定する一方の固定部６０と同一の構成を有する一方の固定部６０Ｂと、他方の固定部７０と同一の構成を有する他方の固定部７０Ｂと、を有する。また、排水溝カバー１０は、その一方の固定部６０Ｂと、その他方の固定部７０Ｂと、の間に配置するとともに、それら一方の固定部６０Ｂと、他方の固定部７０Ｂと一体に接続した上述の本体固定部８０と同一の構成を有する本体固定部８０Ｂと、を有する。また、本体配置部５０Ｃと、本体固定部８０Ｂとは一体に接続されている。

【0027】

なお各端部６１Ａ、６１Ｂ、６１Ｃ、７１Ａ、７１Ｂ、７１Ｃに配置されているボルト係合部６１０およびボルト係合部７１０については端部６１及び７１に配置されているものと同一であるので、同一の符号を付しその説明は省略する場合がある。

【0028】

このように本実施例の排水溝カバー１０は、正面視において上方Ｕ方向において、左方向Ｌ方向から右方向Ｒ方向にかけて、一方の固定部６０と一方のスリット部１００と一方の配置部３０と一方の配置部３０Ａとを並べるように配置するとともに、本体固定部８０と本体配置部５０と本体配置部５０Ａとを一体に配置し、下方Ｄ方向において、他方の固定部７０と他方の配置部４０と他方の配置部４０Ａを並べるように配置することが好ましい。なお、左方向Ｌ方向とは、一方の配置部３０から一方の固定部６０に向かう方向をいい、右方向Ｒ方向とはその反対の一方の固定部６０から一方の配置部３０に向かう方向をいう。また、上方Ｕ方向とは、本体固定部８０から一方の固定部６０に向かう方向をいい、下方Ｄ方向とは、一方の固定部６０から本体固定部８０に向かう方向をいう。

【0029】

また、本実施例の排水溝カバー１０は、さらに、一方の固定部６０と同一の一方の固定部６０Ａと、本体固定部８０と同一の本体固定部８０Ａと、他方の固定部７０と同一の他方の固定部７０Ａと、を有し、正面視かつ上方Ｕ方向において、左方向Ｌ方向から右方向Ｒ方向にかけて、一方の配置部３０Ａと隣接するように一方の固定部６０Ａを配置し、本体配置部５０Ａと隣接するように本体固定部８０Ａを配置し、下方Ｄ方向において、他方の配置部４０Ａ隣接するように他方の固定部７０Ａを配置することが好ましい。

【0030】

また、本実施例の排水溝カバー１０は、左方向Ｌ方向から右方向Ｒ方向にかけて、一方の固定部６０Ａと隣接するように、一方の配置部３０Ｂ、一方の配置部３０Ｃと、を配置し、他方の固定部７０Ａと、隣接するように、他方の配置部４０Ｂと、他方の配置部４０Ｃと、を配置し、また、本体固定部８０Ａと隣接するように、本体配置部５０Ｂと、本体配置部５０Ｃと、を配置し、さらに一方の固定部６０Ｂを配置する。また、本体配置部５０Ｃと隣接するように一体に接続するように本体固定部８０Ｂを配置し、下方Ｄ方向において、他方の配置部４０Ｃと隣接するように他方の固定部７０Ｂを配置している。なお各隙間である、一方のスリット部１００と、他方のスリット部１１０と、一方の配置スリット部２００と、他方の配置スリット部２１０は、それらの間にそれぞれ配置されており、それらの隙間の間隔の大きさが変動する場合があることはすでに述べたとおりであり、同一の符号を付しその説明は省略する場合がある（図１参照）。

【0031】

本実施例の排水溝カバー１０における一方の配置部３０と、本体配置部５０と、他方の配置部４０と、の上下ＵＤ方向の長さは、排水溝５００の開口部５１０、５１０の幅Ｈより大に構成されている。この点については、一方の配置部３０Ａと、本体配置部５０Ａと、他方の配置部４０Ａと、一方の配置部３０Ｂと、本体配置部５０Ｂと、他方の配置部４０Ｂと、一方の配置部３０Ｃと、本体配置部５０Ｃと、他方の配置部４０Ｃと、においても同様である。

【0032】

また、本実施例の排水溝カバー１０は、補強部材３００を有する場合がある。補強部材３００は、一方の固定部６０と、本体固定部８０と、他方の固定部７０にあてがうように補強部材３００を配置することができる。また、補強部材３００の両端の端部３１０、３１０は、一方の固定部６０および他方の固定部７０に取り付けるボルト類Ｐを配置するための切り欠き部３２０、３２０を有する。また、補強部材３００は、その裏面に、両面テープ３１０を配置することができる。なお、一方の固定部６０Ａと、本体固定部８０Ａと、他方の固定部７０Ａにあてがうようにその補強部材３００を配置することができる。３３０は螺子孔であり、上下に３か所有する場合がある。補強部材３００は、仮に本実施例の排水溝カバー１０に倒木の衝撃が加わった際に補強するというものであり耐衝撃性を高める機能を有するものである。なお、補強部材３００は、合成樹脂あるいは、金属製であることも好ましい。

【0033】

なお、排水溝カバー１０における一方の固定部６０と本体固定部８０と他方の固定部７０との上下ＵＤ方向の寸法は、４２０ミリメートルが好ましく、また、それらの左右ＬＲ方向の寸法は、６０ミリメートルが好ましい。また一方の配置部３０と本体配置部５０と他方の配置部４０との上下ＵＤ方向の寸法は、５００ミリメートルが好ましく、また、それらの左右ＬＲ方向の寸法は、１９４、５ミリメートルが好ましい。また、スリット部１００および他方のスリット部１２０の寸法は、それぞれ深さ（上下ＵＤ方向の寸法）１１０ミリメートルであることが好ましく、一方の配置スリット部２００および他方の配置スリット部２１０の寸法は、深さ（上下ＵＤ方向）１５０ミリメートルであることが好ましい。また、それらの幅は、７ミリメートルが好ましい。もっともそれらの寸法に限定されるものではない。

【0034】

また、本実施例の排水溝カバー１０は、本体固定部８０、８０Ａ、８０Ｂ、に対して、線対象に一方の固定部６０、６０Ａ、６０Ｂ、６０Ｃと、他方の固定部７０、７０Ａ、７０Ｂ、７０Ｃを配置することができる。また、本体配置部５０、５０Ａ、５０Ｂ、５０Ｃに対して、一方の配置部３０、３０Ａ、３０Ｂ、３０Ｃと、他方の配置部４０、４０Ａ、４０Ｂ、４０Ｃも同様に線対象に配置することができる。

【0035】

また、一方の固定部６０および他方の固定部７０に取り付けて排水溝５００に取り付けるための固定部材３５０を有する場合がある。固定部材３５０は、断面視Ｌ字状を呈し、一方固定部片３６０は、螺子孔３６５を有し、その螺子孔３６５にボルト類Ｐを取り付け、そのボルト類Ｐと一方の固定部６０または他方の固定部７０に係合するように取り付ける。具体的には、一方の固定部６０におけるボルト係合部６１０あるいは、他方の固定部７０におけるボルト係合部７１０に係脱可能に取り付ける。また、他方固定部片３８０も螺子孔３８５を有し、排水溝５００の開口部５１０にボルト、くぎ、螺子からなるボルト類Ｐ１を用いて取り付けることができる。

【0036】

次に、複数の排水溝カバー１０を複数の排水溝５００に設置する方法について説明する。複数の排水溝５００は、平面視において直線状に配置している。あらかじめ補強部材３００を、一方の固定部６０と、本体固定部８０と、他方の固定部７０と、一方の固定部６０Ａと、本体固定部８０Ａと、他方の固定部７０Ａと、にあてがうように配置して螺子等で固定する。なお、一方の固定部６０Ｂと、本体固定部８０Ｂと、他方の固定部７０Ｂには、補強部材３００を配置しない場合がある。

【0037】

また、あらかじめ、排水溝５００の開口部５１０、５１０の上端部５２０に固定部材３５０を取り付ける。固定部材３５０は、他方固定部片３８０に螺子孔３８５を有してるのでその螺子孔３８５の螺子を取り付け開口部５１０、５１０の上端部５２０に固定する。
また、一方固定部片３６０は、螺子孔３６５にねじを取り付け、そのねじに、一方の固定部６０におけるボルト係合部６１０を係脱可能に取り付ける。他方の固定部７０におけるボルト係合部７１０も同様である。

【0038】

また、一方の配置部３０と他方の配置部４０は、開口部５１０、５１０の内側に垂れ下がるようにかつ接するように配置する。この場合、開口部５１０、５１０の外側から押圧されると内側に押されるので、一方の配置部３０と、他方の配置部４０は流入しようとする水流が一方の配置部３０と、他方の配置部４０を開口部５１０、５１０内に押され、排水溝５００内に流入する。また、一方の配置部３０と、他方の配置部４０は弾性を有するので、再び、一方の配置部３０と、他方の配置部４０は、排水溝５００の開口部５１０、５１０に配置する。なお、一方の配置部３０と、他方の配置部４０は、排水溝５００の開口部５１０、５１０に配置するとは、一方の配置部３０と他方の配置部４０は、開口部５１０、５１０の内側に位置すればよく、その一方の配置部３０と他方の配置部４０は、開口部５１０、５１０の内側に接触する場合と接触しない場合とを含む趣旨である。

【0039】

排水溝カバー１０を複数の排水溝５００に設置するときに、断面視において、排水溝カバー１０は、山形形状を呈するように曲線状を呈する。特に一方の固定部６０と、本体固定部８０と、他方の固定部７０上下ＵＤ方向の寸法は４２０ミリメートルが好ましく、この寸法は、排水溝５００の開口部５１０同士の寸法より大であるために断面視において、排水溝カバー１０は、山形形状を呈するように折り曲げることができる。なおこの場合に、流入部３１および流入部４１は開口する。一方の配置部３０および他方の配置部４０は、断面視において曲線状を呈するように折り曲げられるが、切り込みを入れた流入部３１および流入部４１は、その一方の配置部３０および他方の配置部４０の折り曲げに追従しにくいからである（図８Ｂ参照）。

【0040】

また、排水溝カバー１０と、次の排水溝カバー１０′とを連続して接続する場合は、排水溝カバー１０における一方の固定部６０Ｂと、本体固定部８０Ｂと他方の固定部７０Ｂの内側に、排水溝カバー１０′における一方の固定部６０と、本体固定部８０と他方の固定部７０を配置し、ボルト係合部６１０、７１０に固定部材３５０、３５０に、それぞれ取り付けたボルト類Ｐ、Ｐを係脱可能に取り付ける。なお、固定部材３５０、３５０は、それぞれ排水溝５００の開口部５１０、５１０に取り付けられている（図９Ａ、Ｂ参照）。

【0041】

次に複数の排水溝５００’は、平面視において曲線状に配置している。取り付け方法は上述とほぼ同様であるので相違点のみ説明する。排水溝カバー１０を取り付けるときに、に平面視において曲線状の排水溝５００’の外周に配置される複数の一方のスリット１００と複数の一方の配置スリット部２００のそれぞれの隙間の間隔を弾性的に拡げる。また、逆に複数の他方のスリット部１１０と複数の他方の配置スリット部２１０のそれぞれの隙間の間隔を狭める。これらにより、平面視において曲線状に配置している複数の排水溝５００’に取り付けることができる。例えば、図１０Ｂにおいて、弾性的に隙間の間隔が拡げられた一方のスリット１００と複数の一方の配置スリット部２００と、隙間の間隔が狭められた他方のスリット部１１０と複数の他方の配置スリット部２１０が示されている。

【0042】

このように現場で施工する際に、その曲線状に沿うように弾性的にそれらスリット部１００、一方の配置スリット部２００を弾性的に拡げることで、容易に配置することができる。したがって、従来の金属製のグレーチング枠体ではその曲線状に沿うように加工しなければならないがその加工が不要となる。

【0043】

なお、排水溝カバーは、一方の固定部６０と、他方の固定部７０が、排水溝５００の開口部５１０、５１０に固定することができればよいので、上述の排水溝カバー１０の他、排水溝の開口部を塞ぐために、可とう性を具備し、少なくとも、一方の配置部３０と、他方の配置部４０と、それらと一体に接続した本体配置部５０と、一方の固定部６０と、他方の固定部７０と、本体固定部８０と、を有するものであって、本体配置部５０と本体固定部８０とは、一体に接続されており、その一方の配置部３０と、一方の固定部６０との間に隙間となる一方のスリット部１００と、他方の配置部４０と、他方の固定部７０との間に隙間となる他方のスリット部１１０と、を有すれば足りるというものである（図示しない）。また、さらに、補強部材３００を有することも好ましく、一方の固定部６０と、他方の固定部７０と、本体固定部８０と、同一の構成を有する一方の固定部と、他方の固定部と、本体固定部と、を有していてもよい。

【0044】

また、排水溝５００および排水溝５００’に取り付けた排水溝カバー１０は、可とう性を有する材質、例えば、上述のＥＶＡ（Ｅｔｈｙｌｅｎｅ-Ｖｉｎｙｌ Ａｃｅｔａｔｅ、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂）が好ましい。また、排水溝カバー１０は、ＣＲ（クロロプレンゴム）、ＥＰＤＭ(エチレンプロピレンジエンゴム)類のゴムのように弾力性を有するものあるいはＰＰ(ポリプロピレン)、ＰＥ（ポリエチレン）の樹脂類を使用したときに、倒木による耐衝撃性、復元性を有する場合がある。また、脱落しにくくまた、落ち葉等（阻害物）がより堆積しにくいものとなる。また、施工前の排水溝カバー１０は平板状を呈するために、かさばりにくいものとなり保管、運搬などに有利である。また、仮に、排水溝カバー１０上に枯れ葉が堆積したとしてもブロワーによる清掃が可能となるので、排水溝清掃のメンテナンスが効率的になり、長期的な清掃コストの削減につながるものとなる。

【符号の説明】

【0045】

１０ 排水溝カバー
３０ ３０Ａ、３０Ｂ、３０Ｃ 一方の配置部
３１ 流入部
４０ ４０Ａ、４０Ｂ、４０Ｃ 他方の配置部
４０ 流入部
５０ ５０Ａ、５０Ｂ、５０Ｃ 本体配置部
６０ ６０Ａ、６０Ｂ 一方の固定部
７０ ７０Ａ、７０Ｂ 他方の固定部
８０ ８０Ａ、８０Ｂ 本体固定部
１００ 一方のスリット部
１１０ 他方のスリット部
２００ 一方の配置スリット部
２１０ 他方の配置スリット部
３００ 補強部材
３５０ 固定部材
５００ 排水溝
５１０、５１０ 開口部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】