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特開2024-159048印刷装置、駆動制御方法、及びコンピュータプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159048
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】印刷装置、駆動制御方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/015 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
B41J2/015 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074783
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】前田 篤
【テーマコード(参考)】
2C057
【Fターム(参考)】
2C057AF02
2C057AG12
2C057AG44
2C057AK07
2C057AN01
2C057AR08
2C057AR16
2C057BA04
2C057BA14
(57)【要約】
【課題】多種類の駆動波形を時分割多重信号によって短時間で送信可能な印刷装置等を提供する。
【解決手段】本開示の一実施形態に係る印刷装置は、第1駆動波形の一部である第1部分と第2部分との間に、第2駆動波形の一部である第3部分があり、前記第3部分と第4部分との間に前記第2部分があるように並べられた第1時分割多重信号を生成する第1多重化部と、第3駆動波形の一部である第5部分と第6部分との間に、第4駆動波形の一部である第7部分があり、前記第7部分と第8部分との間に前記第6部分があるように並べられた第2時分割多重信号を生成する第2多重化部と、第1同期信号、または第2同期信号を伝送する第1同期信号線と、第3同期信号、または第4同期信号を伝送する第2同期信号線とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1駆動波形の一部である第1部分と前記第1駆動波形の一部である第2部分との間に、前記第1駆動波形とは異なる第2駆動波形の一部である第3部分があり、前記第3部分と前記第2駆動波形の一部である第4部分との間に前記第2部分があるように並べられた第1時分割多重信号を生成する第1多重化部と、
第3駆動波形の一部である第5部分と前記第3駆動波形の一部である第6部分との間に、前記第3駆動波形とは異なる第4駆動波形の一部である第7部分があり、前記第7部分と前記第4駆動波形の一部である第8部分との間に前記第6部分があるように並べられた第2時分割多重信号を生成する第2多重化部と、
前記第1時分割多重信号から前記第1駆動波形を示す第1駆動波形信号を分離する第1同期信号、または前記第1時分割多重信号から前記第2駆動波形を示す第2駆動波形信号を分離する第2同期信号を伝送する第1同期信号線と、
前記第2時分割多重信号から前記第3駆動波形を示す第3駆動波形信号を分離する第3同期信号、または前記第2時分割多重信号から前記第4駆動波形を示す第4駆動波形信号を分離する第4同期信号を伝送する第2同期信号線と
を備える印刷装置。
【請求項2】
前記第2同期信号線による伝送の実行または停止を切り替える切り替え部
を備える請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
複数の時間スロットは、前記第1部分及び前記第5部分が割り当てられる第1時間スロットと、前記第3部分及び前記第7部分が割り当てられる第2時間スロットと、前記第2部分及び前記第6部分が割り当てられる第3時間スロットと、前記第4部分及び前記第8部分が割り当てられる第4時間スロットとを含み、
前記第1同期信号は、前記第1時間スロットにおいて立ち上がるパルスと、前記第3時間スロットにおいて立ち上がるパルスとを含み、
前記第2同期信号は、前記第2時間スロットにおいて立ち上がるパルスと、前記第4時間スロットにおいて立ち上がるパルスとを含み、
前記切り替え部が前記第2同期信号線による伝送を停止した場合、
前記第1同期信号によって前記第3駆動波形を分離し、
前記第2同期信号によって前記第4駆動波形を分離する
分離部
を備える請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記第1駆動波形、前記第2駆動波形、前記第3駆動波形、または前記第4駆動波形を含む駆動波形の種類数は、前記第1同期信号線によって伝送される同期信号の種類数よりも多い
請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項5】
複数の時間スロットのうち前記第5部分が割り当てられる前記時間スロットと隣り合う前記時間スロットにおいて前記第5部分と同一の電圧値が保持される
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記第1同期信号、前記第2同期信号、前記第3同期信号、及び前記第4同期信号に含まれるパルスが立ち上がる時間幅は、前記時間スロットの時間幅以内であり、
前記第5部分が割り当てられる前記時間スロット及び前記第5部分と同一の電圧値が保持される前記時間スロットに跨って連続して立ち上がるパルスを含む第5同期信号を前記第2同期信号線によって伝送する
請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
複数の時間スロットのうち前記第5部分が割り当てられる前記時間スロットと隣り合う前記時間スロットにおいて前記第5部分と同一の電圧値が保持される
請求項2に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記第1同期信号、前記第2同期信号、前記第3同期信号、及び前記第4同期信号に含まれるパルスが立ち上がる時間幅は、前記時間スロットの時間幅以内であり、
前記切り替え部が前記第2同期信号線による伝送を停止した場合、前記第5部分が割り当てられる前記時間スロット及び前記第5部分と同一の電圧値が保持される前記時間スロットに跨って連続して立ち上がるパルスを含む第5同期信号を前記第1同期信号線によって伝送する
請求項7に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記第1同期信号及び前記第2同期信号を生成する第1同期信号生成回路と、
前記第3同期信号及び前記第4同期信号を生成する第2同期信号生成回路と
を備える請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項10】
第1駆動波形の一部である第1部分と前記第1駆動波形の一部である第2部分との間に、前記第1駆動波形とは異なる第2駆動波形の一部である第3部分があり、前記第3部分と前記第2駆動波形の一部である第4部分との間に前記第2部分があるように並べられた第1時分割多重信号を生成し、
第3駆動波形の一部である第5部分と前記第3駆動波形の一部である第6部分との間に、前記第3駆動波形とは異なる第4駆動波形の一部である第7部分があり、前記第7部分と前記第4駆動波形の一部である第8部分との間に前記第6部分があるように並べられた第2時分割多重信号を生成し、
前記第1時分割多重信号から前記第1駆動波形を示す第1駆動波形信号を分離する第1同期信号、または前記第1時分割多重信号から前記第2駆動波形を示す第2駆動波形信号を分離する第2同期信号を第1同期信号線によって伝送し、
前記第2時分割多重信号から前記第3駆動波形を示す第3駆動波形信号を分離する第3同期信号、または前記第2時分割多重信号から前記第4駆動波形を示す第4駆動波形信号を分離する第4同期信号を第2同期信号線によって伝送する
駆動制御方法。
【請求項11】
第1駆動波形の一部である第1部分と前記第1駆動波形の一部である第2部分との間に、前記第1駆動波形とは異なる第2駆動波形の一部である第3部分があり、前記第3部分と前記第2駆動波形の一部である第4部分との間に前記第2部分があるように並べられた第1時分割多重信号を生成し、
第3駆動波形の一部である第5部分と前記第3駆動波形の一部である第6部分との間に、前記第3駆動波形とは異なる第4駆動波形の一部である第7部分があり、前記第7部分と前記第4駆動波形の一部である第8部分との間に前記第6部分があるように並べられた第2時分割多重信号を生成し、
前記第1時分割多重信号から前記第1駆動波形を示す第1駆動波形信号を分離する第1同期信号、または前記第1時分割多重信号から前記第2駆動波形を示す第2駆動波形信号を分離する第2同期信号を第1同期信号線によって伝送し、
前記第2時分割多重信号から前記第3駆動波形を示す第3駆動波形信号を分離する第3同期信号、または前記第2時分割多重信号から前記第4駆動波形を示す第4駆動波形信号を分離する第4同期信号を第2同期信号線によって伝送する
制御を印刷装置に実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、印刷装置、駆動制御方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の駆動波形を、駆動波形を示すデータに基づいて時系列に並べて時分割多重信号を生成する印刷装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載の印刷装置は、少なくとも第1駆動波形を示す第1データ及び前記第1駆動波形とは異なる第2駆動波形を示す第2データに基づいて、前記第1駆動波形の一部である第1部分と前記第1駆動波形の一部である第2部分との間に、前記第2駆動波形の一部である第3部分があり、前記第3部分と前記第2駆動波形の一部である第4部分との間に前記第2部分があるように並べられ、前記第1データと前記第2データとを1つの信号線で送信可能な時分割多重信号を生成する多重化部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022―155438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の印刷装置においては、時分割多重信号に含められる駆動波形の種類が増えると、時分割多重信号を送信する一周期あたりの時間が長くなる。
【0005】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、多種類の駆動波形を時分割多重信号によって短時間で送信可能な印刷装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る印刷装置は、第1駆動波形の一部である第1部分と前記第1駆動波形の一部である第2部分との間に、前記第1駆動波形とは異なる第2駆動波形の一部である第3部分があり、前記第3部分と前記第2駆動波形の一部である第4部分との間に前記第2部分があるように並べられた第1時分割多重信号を生成する第1多重化部と、第3駆動波形の一部である第5部分と前記第3駆動波形の一部である第6部分との間に、前記第3駆動波形とは異なる第4駆動波形の一部である第7部分があり、前記第7部分と前記第4駆動波形の一部である第8部分との間に前記第6部分があるように並べられた第2時分割多重信号を生成する第2多重化部と、前記第1時分割多重信号から前記第1駆動波形を示す第1駆動波形信号を分離する第1同期信号、または前記第1時分割多重信号から前記第2駆動波形を示す第2駆動波形信号を分離する第2同期信号を伝送する第1同期信号線と、前記第2時分割多重信号から前記第3駆動波形を示す第3駆動波形信号を分離する第3同期信号、または前記第2時分割多重信号から前記第4駆動波形を示す第4駆動波形信号を分離する第4同期信号を伝送する第2同期信号線とを備える。
【0007】
本開示の一実施形態に係る駆動制御方法は、第1駆動波形の一部である第1部分と前記第1駆動波形の一部である第2部分との間に、前記第1駆動波形とは異なる第2駆動波形の一部である第3部分があり、前記第3部分と前記第2駆動波形の一部である第4部分との間に前記第2部分があるように並べられた第1時分割多重信号を生成し、第3駆動波形の一部である第5部分と前記第3駆動波形の一部である第6部分との間に、前記第3駆動波形とは異なる第4駆動波形の一部である第7部分があり、前記第7部分と前記第4駆動波形の一部である第8部分との間に前記第6部分があるように並べられた第2時分割多重信号を生成し、前記第1時分割多重信号から前記第1駆動波形を示す第1駆動波形信号を分離する第1同期信号、または前記第1時分割多重信号から前記第2駆動波形を示す第2駆動波形信号を分離する第2同期信号を第1同期信号線によって伝送し、前記第2時分割多重信号から前記第3駆動波形を示す第3駆動波形信号を分離する第3同期信号、または前記第2時分割多重信号から前記第4駆動波形を示す第4駆動波形信号を分離する第4同期信号を第2同期信号線によって伝送する。
【0008】
本開示の一実施形態に係るコンピュータプログラムは、第1駆動波形の一部である第1部分と前記第1駆動波形の一部である第2部分との間に、前記第1駆動波形とは異なる第2駆動波形の一部である第3部分があり、前記第3部分と前記第2駆動波形の一部である第4部分との間に前記第2部分があるように並べられた第1時分割多重信号を生成し、第3駆動波形の一部である第5部分と前記第3駆動波形の一部である第6部分との間に、前記第3駆動波形とは異なる第4駆動波形の一部である第7部分があり、前記第7部分と前記第4駆動波形の一部である第8部分との間に前記第6部分があるように並べられた第2時分割多重信号を生成し、前記第1時分割多重信号から前記第1駆動波形を示す第1駆動波形信号を分離する第1同期信号、または前記第1時分割多重信号から前記第2駆動波形を示す第2駆動波形信号を分離する第2同期信号を第1同期信号線によって伝送し、前記第2時分割多重信号から前記第3駆動波形を示す第3駆動波形信号を分離する第3同期信号、または前記第2時分割多重信号から前記第4駆動波形を示す第4駆動波形信号を分離する第4同期信号を第2同期信号線によって伝送する制御を印刷装置に実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態に係る印刷装置にあっては、多種類の駆動波形を時分割多重信号によって短時間で送信可能な印刷装置等を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】印刷装置を略示する平面図である。
図2】インクジェットヘッドの略示部分拡大断面図である。
図3】制御装置のブロック図である。
図4】メモリに記憶された駆動波形データ及びテーブルを示すブロック図である。
図5】駆動波形A、B、Cと駆動波形データDa、Db、Dcとの関係の一例を説明する説明図である。
図6】駆動波形D、E、Fと駆動波形データDd、De、Dfとの関係の一例を説明する説明図である。
図7】第1マッピング情報テーブル及び第2マッピング情報テーブルの一例を示す説明図である。
図8】第1時系列データ、アナログ信号及び第1時分割多重信号の一例を説明する説明図である。
図9】第2時系列データ、アナログ信号及び第2時分割多重信号の一例を説明する説明図である。
図10】第1時分割多重信号と、同期信号S2a、S2b及びS2cとの関係を説明する説明図である。
図11】第2時分割多重信号と、同期信号S2d、S2e及びS2fとの関係を説明する説明図である。
図12】第naスイッチの開閉によってアクチュエータに入力される駆動波形の模式図である。
図13】第nbスイッチの開閉によってアクチュエータに入力される駆動波形の模式図である。
図14】制御装置による印刷処理を説明するフローチャートである。
図15】制御装置による吐出処理を説明するフローチャートである。
図16】実施形態2に係るメモリに記憶された駆動波形データ及びテーブルを示すブロック図である。
図17】第3マッピング情報テーブルの一例を示す説明図である。
図18】第1時分割多重信号及び第2時分割多重信号と、同期信号S2a、S2b及びS2cとの関係を説明する説明図である。
図19】実施形態2に係る制御装置による吐出処理を説明するフローチャートである。
図20】実施形態2に係る制御装置による吐出処理を説明するフローチャートである。
図21】実施形態2に係る第2マッピング情報テーブルの一例を示す説明図である。
図22】実施形態2に係る第2時分割多重信号と、同期信号S2d′、及びS2eとの関係を説明する説明図である。
図23】実施形態3に係る制御装置による吐出処理を説明するフローチャートである。
図24】実施形態4に係る第3マッピング情報テーブルの一例を示す説明図である。
図25】実施形態4に係る第1時分割多重信号及び第2時分割多重信号と、同期信号S2a、S2b、S2c、及びS2d′との関係を説明する説明図である。
図26】実施形態4に係る制御装置による吐出処理を説明するフローチャートである。
図27】実施形態4に係る制御装置による吐出処理を説明するフローチャートである。
図28】実施形態5に係る制御装置のブロック図である。
図29】生成指示信号S3と、同期信号S2a、S2b及びS2cとの関係を説明する説明図である。
図30】生成指示信号S3と、同期信号S2d、S2e及びS2fとの関係を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
以下本発明を実施形態1に係る印刷装置を示す図面に基づいて説明する。図1は、印刷装置1を略示する平面図である。以下の説明では、図1に示す前後左右を使用する。前後方向は搬送方向に対応し、左右方向は移動方向に対応する。また図1の表側が上側に対応し、裏側が下側に対応し、上下も使用する。
【0012】
図1に示すように、印刷装置1は、プラテン2と、インク吐出装置3と、搬送ローラ4、5等を備える。プラテン2の上面には、記録媒体である記録用紙200が載置される。なお、載置される記録媒体はフィルムまたは布等であってもよい。インク吐出装置3は、プラテン2に載置された記録用紙200に対してインクを吐出して画像を記録する。インク吐出装置3は、キャリッジ6と、サブタンク7と、四つのインクジェットヘッド8と、循環ポンプ(図示略)等を備える。本実施形態に係る印刷装置1はキャリッジ6によってインクジェットヘッド8を移動させるシリアルヘッド方式の印刷装置であるが、インクジェットヘッド8を固定して印刷を行うラインヘッド式の印刷装置であってもよい。
【0013】
プラテン2の上側には、キャリッジ6を案内する左右に延びた2本のガイドレール11、12が設けられている。キャリッジ6には、左右に延びた無端ベルト13が連結されている。無端ベルト13は、キャリッジ駆動モータ14によって駆動される。無端ベルト13の駆動によって、キャリッジ6は、ガイドレール11、12に案内され、プラテン2に対向する領域において、走査方向に往復移動される。より具体的には、キャリッジ6は、四つのインクジェットヘッド8を支持した状態で、走査方向において、左方から右方へとある位置から他の位置へ前記ヘッドを移動させる第1移動と、走査方向において、右方から左方へと他の位置からある位置へ前記ヘッドを移動させる第2移動とを行う。
【0014】
ガイドレール11、12の間に、キャップ20及びフラッシング受け21が設けられている。キャップ20及びフラッシング受け21は、インク吐出装置3よりも下側に配置されている。キャップ20はガイドレール11、12の右端部に配置され、フラッシング受け21はガイドレール11、12の左端部に配置されている。なお、キャップ20及びフラッシング受け21は、左右逆に配置されてもよい。
【0015】
サブタンク7及び四つのインクジェットヘッド8はキャリッジ6に搭載され、キャリッジ6と共に走査方向に往復移動する。サブタンク7はカートリッジホルダ15とチューブ17を介して接続されている。カートリッジホルダ15には、一又は複数色(本実施例においては4色)のインクカートリッジ16が装着される。4色としては、例えばブラック、イエロー、シアン及びマゼンタが挙げられる。
【0016】
サブタンク7の内部には、四つのインク室(図示略)が形成されている。四つのインク室には、四つのインクカートリッジ16から供給された4色のインクがそれぞれ貯留される。
【0017】
四つのインクジェットヘッド8は、サブタンク7の下側において、走査方向に並んでいる。各インクジェットヘッド8の下面には、複数のノズル80(図2参照)が形成されている。一つのインクジェットヘッド8は、1色のインクに対応し、一つのインク室に接続されている。すなわち、四つのインクジェットヘッド8は、4色のインクにそれぞれ対応し、四つのインク室にそれぞれ接続されている。
【0018】
インクジェットヘッド8には、インク供給口と、インク排出口とが設けられている。インク供給口及びインク排出口は、チューブ等を介してインク室に接続されている。インク供給口及びインク室の間には、循環ポンプが介装されている。
【0019】
循環ポンプによってインク室から送出されたインクは、インク供給口を通ってインクジェットヘッド8に流入し、ノズル80(図2参照)から吐出される。ノズル80から吐出されないインクは、インク排出口を通って、インク室に戻る。インクは、インク室及びインクジェットヘッド8の間を循環する。四つのインクジェットヘッド8は、キャリッジ6と共に走査方向に移動しながら、サブタンク7から供給された4色のインクを記録用紙200に吐出する。
【0020】
図1に示すように、搬送ローラ4は、プラテン2よりも搬送方向上流側(後側)に配置されている。搬送ローラ5は、プラテン2よりも搬送方向下流側(前側)に配置されている。二つの搬送ローラ4、5は、モータ(図示略)によって、同期して駆動する。二つの搬送ローラ4、5は、プラテン2に載置された記録用紙200を、走査方向と直交する搬送方向に搬送する。印刷装置1は制御装置50を備える。制御装置50は、CPU又はロジック回路(例えばFPGA)、不揮発性メモリ及びRAM等のメモリ55等を備える。制御装置50は、外部装置100から印刷ジョブ及び駆動波形データを受信して、メモリ55に記憶する。制御装置50は、印刷ジョブに基づいて、インク吐出装置3及び搬送ローラ4等の駆動を制御し、印刷処理を実行する。
【0021】
図2は、インクジェットヘッド8の略示部分拡大断面図である。インクジェットヘッド8は、複数の圧力室81を備える。複数の圧力室81は、複数の圧力室列を構成する。圧力室81の上側には振動板82が形成されている。振動板82の上側には、層状の圧電体83が形成されている。各圧力室81の上側であって、圧電体83と振動板82との間に第1共通電極84が形成されている。
【0022】
圧電体83の内部に第2共通電極86が設けられている。第2共通電極86は各圧力室81の上側且つ第1共通電極84よりも上側に配置されている。第2共通電極86は、第1共通電極84と対向しない位置に配置されている。各圧力室81の上側であって、圧電体83の上面に個別電極85が形成されている。個別電極85と、第1共通電極84及び第2共通電極86とは圧電体83を挟んで上下に対向する。振動板82、圧電体83、第1共通電極84、個別電極85及び第2共通電極86はアクチュエータ88(図3参照)を構成する。アクチュエータ88は、第1アクチュエータ88(1)、第2アクチュエータ88(2)、・・・、第nアクチュエータ88(n)を含む。
【0023】
各圧力室81の下部にノズルプレート87が設けられている。ノズルプレート87には、上下に貫通した複数のノズル80が形成されている。各ノズル80は、各圧力室81の下側に配置されている。複数のノズル80は、圧力室列に沿って延びた複数のノズル列を構成する。
【0024】
第1共通電極84はCOM端子、本実施例ではグランドに接続され、第2共通電極86は、VCOM端子に接続される。VCOM電圧はCOM電圧よりも高い。個別電極85は、スイッチ群54(図3参照)に接続される。個別電極85にHigh又はLow電圧が印加され、圧電体83が変形し、振動板82が振動する。振動板82の振動によって、ノズル80を介して、圧力室81からインクが吐出される。
【0025】
図3は、制御装置50のブロック図、図4は、メモリ55に記憶された駆動波形データ及びテーブルを示すブロック図である。制御装置50は、制御回路51、第1D/Aコンバータ52a、第2D/Aコンバータ52b、第1アンプ53a、第2アンプ53b、スイッチ群54及びメモリ55を備える。スイッチ群54は、分離部50bを構成する。メモリ55には、駆動波形データが記憶されている。駆動波形データは、個別電極85に印加される電圧波形、即ちアクチュエータ88を駆動させる駆動波形を示すデータであり、量子化されたデータである。本実施例においては、駆動波形データDa~Dfがメモリ55に記憶されている(図4参照)。また、メモリ55には、第1マッピング情報テーブル551及び第2マッピング情報テーブル552が記憶されている。第1マッピング情報テーブル551及び第2マッピング情報テーブル552の詳細については後述する。
【0026】
第1D/Aコンバータ52a及び第2D/Aコンバータ52bはデジタル信号をアナログ信号に変換する。第1アンプ53a及び第2アンプ53bはアナログ信号を増幅させる。第1アンプ53aは1つの第1信号線L1を介してスイッチ群54に接続され、第2アンプ53bは1つの第2信号線L2を介してスイッチ群54に接続される。
【0027】
スイッチ群54は、複数のaスイッチ54aを備える。複数のaスイッチ54aは、第1aスイッチ54a(1)、第2aスイッチ54a(2)、・・・、第naスイッチ54a(n)を含む。
スイッチ群54は、複数のbスイッチ54bを備える。複数のbスイッチ54bは、第1bスイッチ54b(1)、第2bスイッチ54b(2)、・・・、第nbスイッチ54b(n)を含む。aスイッチ54a及びbスイッチ54bは、例えばアナログスイッチICによって構成される。
【0028】
第1aスイッチ54a(1)、第2aスイッチ54a(2)、・・・、第naスイッチ54a(n)それぞれの一端は第1信号線L1を介して第1アンプ53aに接続される。第1aスイッチ54a(1)、第2aスイッチ54a(2)、・・・、第naスイッチ54a(n)それぞれの他端は、第1アクチュエータ88(1)、第2アクチュエータ88(2)、・・・、第nアクチュエータ88(n)それぞれの個別電極85に接続される。
【0029】
第1bスイッチ54b(1)、第2bスイッチ54b(2)、・・・、第nbスイッチ54b(n)それぞれの一端は第2信号線L2を介して第2アンプ53bに接続される。第1bスイッチ54b(1)、第2bスイッチ54b(2)、・・・、第nbスイッチ54b(n)それぞれの他端は、第1アクチュエータ88(1)、第2アクチュエータ88(2)、・・・、第nアクチュエータ88(n)それぞれの個別電極85に接続される。
【0030】
制御装置50は、複数の第naスイッチ54a(n)または第nbスイッチ54b(n)の開閉を制御するスイッチ制御信号を、スイッチ制御信号線SL1を介してスイッチ群54に伝送(出力)する。制御装置50は、同期信号S2a、同期信号S2b、及び同期信号S2cを、第1同期信号線SL21を介してスイッチ群54に伝送(出力)する。また、制御装置50は、同期信号S2d、同期信号S2e、及び同期信号S2fを、第2同期信号線SL22を介してスイッチ群54に伝送(出力)する。なお、同期信号S2a、S2b、S2c、S2d、S2e、及びS2fを単に同期信号S2とも表す。同期信号S2の詳細については後述する。
【0031】
スイッチ制御信号は、複数の第naスイッチ54a(n)または第nbスイッチ54b(n)のいずれかを選択することを示す第一選択情報と、六つの同期信号S2a~S2fのいずれかを選択することを示す第二選択情報とを含む。第一選択情報及び第二選択情報は紐づけられている。なお、第naスイッチ54a(n)の選択を示す第一選択情報には、同期信号S2a~S2cのいずれかの選択を示す第二選択情報が紐づけられている。また、第nbスイッチ54b(n)の選択を示す第一選択情報には、同期信号S2d~S2eのいずれかの選択を示す第二選択情報が紐づけられている。
【0032】
図5は、駆動波形A、B、Cと駆動波形データDa、Db、Dcとの関係の一例を説明する説明図である。図5の駆動波形において、右側は左側よりも過去の状態を示す。図6、8~13、18、22、25、29、及び30も同様である。駆動波形A、B、Cそれぞれの形状は互いに異なり、近似しないが、駆動波形A、B、Cそれぞれの最大振幅は略同じであり、例えば第1振幅値P1を基準にした第1範囲Q1内にある。第1範囲Q1は、例えば第1振幅値P1±αの範囲をいい、αの大きさは第1振幅値P1に比べて充分に小さい。なお駆動波形A、B、Cそれぞれの最大振幅は同じでもよい。
【0033】
駆動波形Aを所定のサンプリング周期でデジタル信号に変換して得られたデータが駆動波形データDaである。駆動波形Bを所定のサンプリング周期でデジタル信号に変換して得られたデータが駆動波形データDbである。駆動波形Cを所定のサンプリング周期でデジタル信号に変換して得られたデータが駆動波形データDcである。
【0034】
駆動波形データDaは、駆動波形Aの量子化データであり、駆動波形データDbは、駆動波形Bの量子化データであり、駆動波形データDcは、駆動波形Cの量子化データである。駆動波形データDaは量子化されたデータAk(k=0、1、2、・・・)を有し、駆動波形データDbは量子化されたデータBkを有し、駆動波形データDcは量子化されたデータCkを有する。
【0035】
図6は、駆動波形D、E、Fと駆動波形データDd、De、Dfとの関係の一例を説明する説明図である。駆動波形D、E、Fそれぞれの形状は互いに異なり、近似しないが、駆動波形D、E、Fそれぞれの最大振幅は略同じであり、例えば第2振幅値P2を基準にした第2範囲Q2内にある。第2振幅値P2は第1振幅値P1よりも小さい。第2範囲Q2は、例えば第2振幅値P2±βの範囲をいい、βの大きさは第2振幅値P2に比べて充分に小さい。なお駆動波形D、E、Fそれぞれの最大振幅は同じでもよい。
【0036】
駆動波形Dを所定のサンプリング周期でデジタル信号に変換して得られたデータが駆動波形データDdである。駆動波形Eを所定のサンプリング周期でデジタル信号に変換して得られたデータが駆動波形データDeである。駆動波形Fを所定のサンプリング周期でデジタル信号に変換して得られたデータが駆動波形データDfである。
【0037】
駆動波形データDdは、駆動波形Dの量子化データであり、駆動波形データDeは、駆動波形Eの量子化データであり、駆動波形データDfは、駆動波形Fの量子化データである。駆動波形データDdは量子化されたデータDk(k=0、1、2、・・・)を有し、駆動波形データDeは量子化されたデータEkを有し、駆動波形データDfは量子化されたデータFkを有する。
【0038】
図7は、第1マッピング情報テーブル551及び第2マッピング情報テーブル552の一例を示す説明図である。第1マッピング情報テーブル551は、第1時分割多重信号の時系列データ(第1時系列データ)を作成する際に、時間間隔Δtごとに(時間的に)分割された複数の時間スロットに割り当てられるデータを示すテーブルである。第2マッピング情報テーブル552は、第2時分割多重信号の時系列データ(第2時系列データ)を作成する際に、時間間隔Δtごとに分割された複数の時間スロットに割り当てられるデータを示すテーブルである。
【0039】
第1マッピング情報テーブル551の管理項目(フィールド)は、時間スロット番号フィールドと、割り当てデータフィールドとを含む。時間スロット番号フィールドには、各時間スロットに振られた番号が格納される。なお、各時間スロットには、時系列順に昇順で番号(α1、α2、α3・・・)が振られている。割り当てデータフィールドには、各時間スロットに割り当てられるデータAk、Bk、またはCk(k=0、1、2、・・・)のデータ名が格納される。データ名[Ak]は図5に示すデータAkに、データ名[Bk]は図5に示すデータBkに、データ名[Ck]は図5に示すデータCkに対応する。
【0040】
第2マッピング情報テーブル552の管理項目(フィールド)は、時間スロット番号フィールドと、割り当てデータフィールドとを含む。時間スロット番号フィールドには、各時間スロットに振られた番号が格納される。なお、各時間スロットには、時系列順に昇順で番号(β1、β2、β3・・・)が振られている。割り当てデータフィールドには、各時間スロットに割り当てられるデータDk、Ek、またはFk(k=0、1、2、・・・)のデータ名が格納される。データ名[Dk]は図6に示すデータDkに、データ名[Ek]は図6に示すデータEkに、データ名[Fk]は図6に示すデータFkに対応する。
【0041】
本実施形態において、第1マッピング情報テーブル551に係る時間スロットと第2マッピング情報テーブル552に係る時間スロットとは同期していない。すなわち、時間スロットαnとβnとは同じタイミングを示す時間スロットではない。なお、第1マッピング情報テーブル551に係る時間スロットと第2マッピング情報テーブル552に係る時間スロットとは、カウンタまたはクロックなどを用いて起点(α1及びβ1)のタイミングを合わせることにより、同期されてもよい。
【0042】
図8は、第1時系列データ、アナログ信号及び第1時分割多重信号の一例を説明する説明図である。図8において、A、B、Cは、駆動波形A、B、Cにそれぞれ対応することを示す。アクチュエータ88を駆動させる場合、制御回路51はメモリ55にアクセスして、駆動波形データDa、Db、Dc及び第1マッピング情報テーブル551を読み出し、時系列データを作成する。第1時系列データは、データAk、Bk、Ckを第1マッピング情報テーブル551に基づいて時間間隔Δtごとに分割された各時間スロットに割り当てたものである。すなわち、第1時系列データは、データAk、Bk、Ckを、時間間隔Δtを設けて順に並べたものであり、A0、B0、C0、A1、B1、C1、・・・、Ak、Bk、Ckの順に並べたものである。第1時系列データはデジタル信号である。Ak-1からAkの時間間隔、Bk-1からBkの時間間隔、Ck-1からCkの時間間隔は、それぞれ3Δtである。
【0043】
制御回路51は第1時系列データを第1D/Aコンバータ52aに出力する。図8に示すように、第1D/Aコンバータ52aは第1時系列データをアナログ信号に変換し、第1アンプ53aに出力する。第1アンプ53aは、入力されたアナログ信号を増幅させて、スイッチ群54に出力する。図8に示すように、第1アンプ53aにて増幅されたアナログ信号は第1時分割多重信号を構成する。第1時分割多重信号において、データAk-1に対応する部分を第1部分、データAkに対応する部分を第2部分、データBk-1に対応する部分を第3部分、データBkに対応する部分を第4部分とすると、第1部分と第2部分との間に第3部分があり、第3部分と第4部分との間に第2部分がある。なお、データAk及びCkとの間でも同様な関係が成立し、データBk及びCkとの間でも同様な関係が成立する。制御回路51、第1D/Aコンバータ52a、第1アンプ53a及びメモリ55は第1多重化部50a1を構成する。
【0044】
上述した通り、駆動波形A、B、Cそれぞれの最大振幅は略同じであり、例えば第1振幅値P1を基準にした第1範囲Q1内にある。すなわち、第1時分割多重信号には、最大振幅が略同じである複数の駆動波形が含まれる。駆動波形A~Cの最大振幅の差が大きい場合、第1アンプ53aを、最大振幅が最も大きい駆動波形に対応可能な性能の(帯域幅が大きい)アンプとする必要がある。このとき、第1アンプ53aは、最大振幅が小さい駆動波形に対して過剰性能となる。最大振幅が略同じである複数の駆動波形を第1時分割多重信号に含めることにより、第1アンプ53aを、駆動波形A、B、Cを含む第1時分割多重信号を増幅するのに必要十分な性能を有するアンプとすることができる。
【0045】
図9は、第2時系列データ、アナログ信号及び第2時分割多重信号の一例を説明する説明図である。図9において、D、E、Fは、駆動波形D、E、Fにそれぞれ対応することを示す。制御回路51はメモリ55にアクセスして、駆動波形データDd、De、Df及び第2マッピング情報テーブル552を読み出し、時系列データを作成する。第2時系列データは、データDk、Ek、Fkを第2マッピング情報テーブル552に基づいて時間間隔Δtごとに分割された各時間スロットに割り当てたものである。すなわち、第2時系列データは、データDk、Ek、Fkを時間間隔Δtを設けて順に並べたものであり、D0、E0、F0、D1、E1、F1、・・・、Dk、Ek、Fkの順に並べたものである。第2時系列データはデジタル信号である。Dk-1からDkの時間間隔、Ek-1からEkの時間間隔、Fk-1からFkの時間間隔は、それぞれ3Δtである。
【0046】
制御回路51は第2時系列データを第2D/Aコンバータ52bに出力する。図9に示すように、第2D/Aコンバータ52bは時系列データをアナログ信号に変換し、第2アンプ53bに出力する。第2アンプ53bは、入力されたアナログ信号を増幅させて、スイッチ群54に出力する。図9に示すように、第2アンプ53bにて増幅されたアナログ信号は第2時分割多重信号を構成する。第2時分割多重信号において、データDk-1に対応する部分を第5部分、データDkに対応する部分を第6部分、データEk-1に対応する部分を第7部分、データEkに対応する部分を第8部分とすると、第5部分と第6部分との間に第7部分があり、第7部分と第8部分との間に第6部分がある。なお、データEk及びFkとの間でも同様な関係が成立し、データFk及びDkとの間でも同様な関係が成立する。制御回路51、第2D/Aコンバータ52b、第2アンプ53b及びメモリ55は第2多重化部50a2を構成する。
【0047】
上述した通り、駆動波形D、E、Fそれぞれの最大振幅は略同じであり、例えば第2振幅値P2を基準にした第2範囲Q2内にある。すなわち、第2時分割多重信号には、最大振幅が略同じである複数の駆動波形が含まれる。最大振幅が略同じである複数の駆動波形を第2時分割多重信号に含めることにより、第2アンプ53bを、各駆動波形D、E、Fを含む第2時分割多重信号を増幅するのに必要十分な性能を有するアンプとすることができる。例えば、第1時分割多重信号に最大振幅が大きい駆動波形を含め、第2時分割多重信号に最大振幅が小さい駆動波形を含めることにより、第2アンプ53bを安価で低性能な(帯域幅が小さい)アンプとすることができ、コスト抑制が可能である。
【0048】
図10は、第1時分割多重信号と、同期信号S2a、S2b及びS2cとの関係を説明する説明図である。同期信号S2a、S2b及びS2cはパルス波である。同期信号S2aのパルスの立ち上がり時点と、同期信号S2bのパルスの立ち上がり時点との間には時間間隔Δtが設けられている。同期信号S2bのパルスの立ち上がり時点と、同期信号S2cのパルスの立ち上がり時点との間に時間間隔Δtが設けられている。同期信号S2cのパルスの立ち上がり時点と、同期信号S2aのパルスの立ち上がり時点との間に時間間隔Δtが設けられている。同期信号S2aは第1同期信号に対応し、同期信号S2bは第2同期信号に対応する。図10に示すように、同期信号S2a~S2cに含まれるパルスが立ちあがる時間幅は、時間スロットの時間幅(時間間隔Δt)よりも狭いが、時間スロットの時間幅(時間間隔Δt)と同一であってもよい。すなわち、同期信号S2a~S2cに含まれるパルスが立ちあがる時間幅は、時間スロットの時間幅(時間間隔Δt)以内である。また、同期信号S2a~S2cは第1同期信号線SL21によって伝送される。
【0049】
前述したように、時系列データを構成するデータAk、Bk、Ckは時間間隔Δtを設けて順に並べられている。そのため、同期信号S2aのパルスの立ち上がり時点において、第1時分割多重信号にアクセスした場合、データAkに対応し、駆動波形Aを示す駆動波形信号Paを取得することができる。同期信号S2bのパルスの立ち上がり時点において、第1時分割多重信号にアクセスした場合、データBkに対応し、駆動波形Bを示す駆動波形信号Pbを取得することができる。同期信号S2cのパルスの立ち上がり時点において、第1時分割多重信号にアクセスした場合、データCkに対応し、駆動波形Cを示す駆動波形信号Pcを取得することができる。
【0050】
スイッチ群54は、伝送されたスイッチ制御信号に含まれる第二選択情報において示される同期信号S2a~S2cが示す開閉タイミングで、第一選択情報において示される第naスイッチ54a(n)を開閉させる。
【0051】
図11は、第2時分割多重信号と、同期信号S2d、S2e及びS2fとの関係を説明する説明図である。同期信号S2d、S2e及びS2fはパルス波である。同期信号S2dのパルスの立ち上がり時点と、同期信号S2eのパルスの立ち上がり時点との間には時間間隔Δtが設けられている。同期信号S2eのパルスの立ち上がり時点と、同期信号S2fのパルスの立ち上がり時点との間に時間間隔Δtが設けられている。同期信号S2fのパルスの立ち上がり時点と、同期信号S2dのパルスの立ち上がり時点との間に時間間隔Δtが設けられている。同期信号S2dは第3同期信号に対応し、同期信号S2eは第4同期信号に対応する。図11に示すように、同期信号S2d~S2fに含まれるパルスが立ちあがる時間幅は、時間スロットの時間幅(時間間隔Δt)よりも狭いが、時間スロットの時間幅(時間間隔Δt)と同一であってもよい。すなわち、同期信号S2d~S2fに含まれるパルスが立ちあがる時間幅は、時間スロットの時間幅(時間間隔Δt)以内である。また、同期信号S2d~S2fは第2同期信号線SL22によって伝送される。
【0052】
前述したように、時系列データを構成するデータDk、Ek、Fkは時間間隔Δtを設けて順に並べられている。そのため、同期信号S2dのパルスの立ち上がり時点において、第2時分割多重信号にアクセスした場合、データDkに対応し、駆動波形Dを示す駆動波形信号Pdを取得することができる。同期信号S2eのパルスの立ち上がり時点において、第2時分割多重信号にアクセスした場合、データEkに対応し、駆動波形Eを示す駆動波形信号Peを取得することができる。同期信号S2fのパルスの立ち上がり時点において、第2時分割多重信号にアクセスした場合、データFkに対応し、駆動波形Fを示す駆動波形信号Pfを取得することができる。
【0053】
スイッチ群54は、伝送されたスイッチ制御信号に含まれる第二選択情報において示される同期信号S2d~S2fが示す開閉タイミングで、第一選択情報において示される第nbスイッチ54b(n)を開閉させる。
【0054】
図12は、第naスイッチ54a(n)の開閉によってアクチュエータ88に入力される駆動波形の模式図である。第1時分割多重信号及び同期信号S2aが選択された場合、スイッチ群54は、同期信号S2aのパルスがハイレベル区間の場合、第naスイッチ54a(n)を閉じ、同期信号S2aのパルスがローレベル区間の場合、第naスイッチ54a(n)を開ける。第naスイッチ54a(n)を閉じたときに個別電極85に印加された電荷が保持され、図12に示すように、駆動波形A1がアクチュエータ88に入力される。換言すれば、第1時分割多重信号から駆動波形信号Paが分離されて、駆動波形信号Paによってアクチュエータ88が駆動される。
【0055】
第1時分割多重信号及び同期信号S2bが選択された場合、スイッチ群54は、同期信号S2bのパルスがハイレベル区間の場合、第naスイッチ54a(n)を閉じ、同期信号S2bのパルスがローレベル区間の場合、第naスイッチ54a(n)を開ける。第naスイッチ54a(n)を閉じたときに個別電極85に印加された電荷が保持され、図12に示すように、駆動波形B1がアクチュエータ88に入力される。換言すれば、第1時分割多重信号から駆動波形信号Pbが分離されて、駆動波形信号Pbによってアクチュエータ88が駆動される。
【0056】
第1時分割多重信号及び同期信号S2cが選択された場合、スイッチ群54は、同期信号S2cのパルスがハイレベル区間の場合、第naスイッチ54a(n)を閉じ、同期信号S2cのパルスがローレベル区間の場合、第naスイッチ54a(n)を開ける。第naスイッチ54a(n)を閉じたときに個別電極85に印加された電荷が保持され、図12に示すように、駆動波形C1がアクチュエータ88に入力される。換言すれば、第1時分割多重信号から駆動波形信号Pcが分離されて、駆動波形信号Pcによってアクチュエータ88が駆動される。
【0057】
図13は、第nbスイッチ54b(n)の開閉によってアクチュエータ88に入力される駆動波形の模式図である。第2時分割多重信号及び同期信号S2dが選択された場合、スイッチ群54は、同期信号S2dのパルスがハイレベル区間の場合、第nbスイッチ54b(n)を閉じ、同期信号S2dのパルスがローレベル区間の場合、第nbスイッチ54b(n)を開ける。第nbスイッチ54b(n)を閉じたときに個別電極85に印加された電荷が保持され、図13に示すように、駆動波形D1がアクチュエータ88に入力される。換言すれば、第2時分割多重信号から駆動波形信号Pdが分離されて、駆動波形信号Pdによってアクチュエータ88が駆動される。
【0058】
第2時分割多重信号及び同期信号S2eが選択された場合、スイッチ群54は、同期信号S2eのパルスがハイレベル区間の場合、第nbスイッチ54b(n)を閉じ、同期信号S2eのパルスがローレベル区間の場合、第nbスイッチ54b(n)を開ける。第nbスイッチ54b(n)を閉じたときに個別電極85に印加された電荷が保持され、図13に示すように、駆動波形E1がアクチュエータ88に入力される。換言すれば、第2時分割多重信号から駆動波形信号Peが分離されて、駆動波形信号Peによってアクチュエータ88が駆動される。
【0059】
第2時分割多重信号及び同期信号S2fが選択された場合、スイッチ群54は、同期信号S2fのパルスがハイレベル区間の場合、第nbスイッチ54b(n)を閉じ、同期信号S2fのパルスがローレベル区間の場合、第nbスイッチ54b(n)を開ける。第nbスイッチ54b(n)を閉じたときに個別電極85に印加された電荷が保持され、図13に示すように、駆動波形F1がアクチュエータ88に入力される。換言すれば、第2時分割多重信号から駆動波形信号Pfが分離されて、駆動波形信号Pfによってアクチュエータ88が駆動される。
【0060】
図14は、制御装置50による印刷処理を説明するフローチャートである。制御装置50は外部装置100から印刷ジョブを受信したか否か判定する(S1)。印刷ジョブを受信していない場合(S1:NO)、制御装置50はステップS1に処理を戻す。印刷ジョブを受信した場合(S1:YES)、制御装置50はフラッシング処理を実行する(S2)。フラッシング処理は印刷目的以外でノズル80からインクを吐出する処理であり、例えばフラッシング受け21にて実行される。
【0061】
制御装置50は、1印刷タスクを実行する(S3)。印刷タスクは、印刷ジョブを構成する単位である。具体的には、インクジェットヘッド8が右方又は左方に記録用紙200の左右幅分移動する間に行う液体吐出処理である。次に制御装置50は、1印刷タスクが完了したか否か判定する(S4)。なお1印刷タスクにおいて、キャリッジ6は1走査する。1印刷タスクが完了していない場合(S4:NO)、ステップS4に処理を戻す。1印刷タスクが完了した場合(S4:YES)、制御装置50は、印刷ジョブが完了したか否か判定する(S5)。
【0062】
印刷ジョブが完了した場合(S5:YES)、制御装置50はフラッシング処理を実行し(S8)、印刷処理を終了する。印刷ジョブが完了していない場合(S5:NO)、制御装置50はフラッシング処理を行うタイミングであるか否か判定する(S6)。フラッシング処理はノズル80のメンテナンスの為に、定期的に実行される。フラッシング処理を行うタイミングである場合(S6:YES)、制御装置50は、フラッシング処理を実行し(S7)、ステップS3に処理を戻す。フラッシング処理を行うタイミングでない場合(S6:NO)、制御装置50は、非吐出フラッシング処理を実行するタイミングであるか否か判定する(S9)。
【0063】
非吐出フラッシング処理は、インクの吐出を行わずに、ノズル80の乾燥を防止する為の処理であり、詳細には、圧電体83を僅かに変形させて、インクの表面(メニスカス)を揺らす処理であり、例えばキャップ20にて実行される。非吐出フラッシング処理は定期的に実行される。非吐出フラッシング処理を実行するタイミングである場合(S9:YES)、制御装置50は非吐出フラッシング処理を実行し(S10)、ステップS3に処理を戻す。ステップS10において、制御装置50は、非吐出フラッシング処理に対応した駆動波形を個別電極85に供給する。非吐出フラッシング処理を実行するタイミングでない場合(S9:NO)、制御装置50は、ステップS3に処理を戻す。
【0064】
制御装置50は、第1時分割多重信号及び第2時分割多重信号の生成及び駆動波形信号の分離(吐出処理)をフラッシング処理の実行時(S2、S7、S8)又は印刷タスクの実行時(S3)のいずれで行ってもよい。即ち、第1時分割多重信号及び第2時分割多重信号の生成及び駆動波形信号の分離はアクチュエータ88の駆動時に行えばよい。
【0065】
図15は、制御装置50による吐出処理を説明するフローチャートである。制御装置50は、フラッシング処理の実行時または印刷タスクの実行時に以下の処理を行う。制御装置50は、メモリ55から第1マッピング情報テーブル551及び第2マッピング情報テーブル552を読み出す(S21)。制御装置50は、第1多重化部50a1によって、第1マッピング情報テーブル551に基づき、第1時分割多重信号を生成する(S22)。また、制御装置50は、第2多重化部50a2によって、第2マッピング情報テーブル552に基づき、第2時分割多重信号を生成する(S23)。制御装置50は、第1時分割多重信号及び第2時分割多重信号を分離部50bに伝送する(S24)。制御装置50は、制御回路51から分離部50bに、スイッチ制御信号線SL1によってスイッチ制御信号を伝送する(S25)。また、制御装置50は、制御回路51から分離部50bに、第1同期信号線SL21によって同期信号S2a~S2cを伝送し(S26)、第2同期信号線SL22によって同期信号S2d~S2fを伝送する(S27)。制御装置50は、分離部50bのaスイッチ54aによって駆動波形A1~C1を分離し(S28)、bスイッチ54bによって駆動波形D1~F1を分離する(S29)。制御装置50は、吐出処理を終了するか否かを判定する(S30)。S30において、制御装置50は、フラッシング処理または印刷タスクの実行が完了した場合、吐出処理を終了すると判定し、完了していない場合、吐出処理を終了しない(継続する)と判定する。吐出処理を終了すると判定した場合(S30:YES)、制御装置50は処理を終了する。吐出処理を終了しないと判定した場合(S30:NO)、制御装置50は、処理をS22に返す。
【0066】
実施形態1に係る印刷装置にあっては、駆動波形A~Cを含む第1時分割多重信号及び駆動波形D~Fを含む第2時分割多重信号を分離部50bに伝送する。また、各駆動波形が含まれる時間スロットにおいてパルスが立ち上がる同期信号S2も分離部50bに伝送される。同期信号S2によってaスイッチ54aが開閉されることにより、第1時分割多重信号から駆動波形A1~C1が分離され、bスイッチ54bが開閉されることにより、第2時分割多重信号から駆動波形D1~F1が分離される。以上の構成及び処理によれば、複数の時分割多重信号を用いて駆動波形を伝送することにより、多種類の駆動波形を時分割多重信号によって分離部50bに伝送し、多種類の駆動波形によってアクチュエータ88を制御することが可能である。また、複数の時分割多重信号を用いることにより1つの時分割多重信号の一周期あたりの時間の増加を抑制することが可能であり、ノズルの待機時間を削減することができる。
【0067】
(実施形態2)
以下本発明を実施形態2に係る印刷装置を示す図面に基づいて説明する。実施形態2の構成の内、実施形態1と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施形態2に係る制御装置50においては、例えば、放射ノイズのエミッション値に応じて、第2同期信号線による同期信号S2d~S2fの伝送の実行または停止が切り替えられる。制御装置50は、例えば、放射ノイズを抑制する必要がある場合、第2同期信号線SL22による同期信号S2d~S2fの伝送を停止する。第2同期信号線SL22による同期信号S2d~S2fの伝送が停止された場合、分離部50bは、同期信号S2aによって駆動波形D1を分離し、同期信号S2bによって駆動波形E1を分離し、同期信号S2cによって駆動波形F1を分離する。
【0068】
図16は、実施形態2に係るメモリ55に記憶された駆動波形データ及びテーブルを示すブロック図である。実施形態2に係るメモリ55は、第3マッピング情報テーブル553を記憶している。
【0069】
図17は、第3マッピング情報テーブル553の一例を示す説明図である。第3マッピング情報テーブル553は、第2同期信号線SL22による同期信号S2d~S2fの伝送が停止された場合、第1時分割多重信号の時系列データ(第1時系列データ)及び第2時分割多重信号の時系列データ(第2時系列データ)を作成する際に、時間間隔Δtごとに分割された複数の時間スロットに割り当てられるデータを示すテーブルである。
【0070】
第3マッピング情報テーブル553の管理項目(フィールド)は、時間スロット番号フィールドと、第1割り当てデータフィールドと、第2割り当てデータフィールドとを含む。時間スロット番号フィールドには、各時間スロットに振られた番号が格納される。なお、各時間スロットには、時系列順に昇順で番号(γ1、γ2、γ3・・・)が振られている。第1割り当てデータフィールドには、各時間スロットに割り当てられるデータAk、Bk、またはCk(k=0、1、2、・・・)のデータ名、すなわち第1時分割多重信号を構成するデータ名が格納される。データ名[Ak]は図5に示すデータAkに、データ名[Bk]は図5に示すデータBkに、データ名[Ck]は図5に示すデータCkに対応する。第2割り当てデータフィールドには、各時間スロットに割り当てられるデータDk、Ek、またはFk(k=0、1、2、・・・)のデータ名、すなわち第2時分割多重信号を構成するデータ名が格納される。データ名[Dk]は図6に示すデータDkに、データ名[Ek]は図6に示すデータEkに、データ名[Fk]は図6に示すデータFkに対応する。
【0071】
図18は、第1時分割多重信号及び第2時分割多重信号と、同期信号S2a、S2b及びS2cとの関係を説明する説明図である。同期信号S2a、S2b及びS2cはパルス波である。同期信号S2aのパルスの立ち上がり時点と、同期信号S2bのパルスの立ち上がり時点との間には時間間隔Δtが設けられている。同期信号S2bのパルスの立ち上がり時点と、同期信号S2cのパルスの立ち上がり時点との間に時間間隔Δtが設けられている。同期信号S2cのパルスの立ち上がり時点と、同期信号S2aのパルスの立ち上がり時点との間に時間間隔Δtが設けられている。
【0072】
前述したように、時系列データを構成するデータAk、Bk、Ckは時間間隔Δtを設けて順に並べられている。そのため、同期信号S2aのパルスの立ち上がり時点において、第1時分割多重信号にアクセスした場合、データAkに対応し、駆動波形Aを示す駆動波形信号Paを取得することができる。同期信号S2bのパルスの立ち上がり時点において、第1時分割多重信号にアクセスした場合、データBkに対応し、駆動波形Bを示す駆動波形信号Pbを取得することができる。同期信号S2cのパルスの立ち上がり時点において、第1時分割多重信号にアクセスした場合、データCkに対応し、駆動波形Cを示す駆動波形信号Pcを取得することができる。
【0073】
また時系列データを構成するデータDk、Ek、Fkは時間間隔Δtを設けて順に並べられている。そのため、同期信号S2aのパルスの立ち上がり時点において、第2時分割多重信号にアクセスした場合、データDkに対応し、駆動波形Dを示す駆動波形信号Pdを取得することができる。同期信号S2bのパルスの立ち上がり時点において、第2時分割多重信号にアクセスした場合、データEkに対応し、駆動波形Eを示す駆動波形信号Peを取得することができる。同期信号S2cのパルスの立ち上がり時点において、第2時分割多重信号にアクセスした場合、データFkに対応し、駆動波形Fを示す駆動波形信号Pfを取得することができる。
【0074】
すなわち、図17及び図18に示すように、データAk-1に対応する第1部分及びデータDk-1に対応する第5部分は、第1時間スロットγnに割り当てられる。データBk-1に対応する第3部分及びデータEk-1に対応する第7部分は、第2時間スロットγn+1に割り当てられる。データAkに対応する第2部分及びデータDkに対応する第6部分は第3時間スロットγn+3に割り当てられる。データBkに対応する第4部分及びデータEkに対応する第8部分は、第4時間スロットγn+4に割り当てられる。bスイッチ54bは、同期信号S2aのパルスが立ち上がるタイミングで閉となることにより、第2時分割多重信号から駆動波形D1を分離することが可能である。bスイッチ54bは、同期信号S2bのパルスが立ち上がるタイミングで閉となることにより、第2時分割多重信号から駆動波形E1を分離することが可能であるbスイッチ54bは、同期信号S2cのパルスが立ち上がるタイミングで閉となることにより、第2時分割多重信号から駆動波形F1を分離することが可能である。
【0075】
また、同期信号S2a~S2cは第1同期信号線SL21によって制御装置50から分離部50bに伝送される。本実施形態において、駆動波形は、駆動波形A~Fの6種類を含む。これに対し、第1同期信号線SL21によって伝送され、駆動波形の分離に使用される同期信号の種類数は、同期信号S2a~S2cの3種類であり、駆動波形の種類数よりも少ない。言い換えると、駆動波形の種類数は、第1同期信号線SL21によって伝送され、駆動波形の分離に使用される同期信号の種類数よりも多い。
【0076】
図19及び図20は、実施形態2に係る制御装置50による吐出処理を説明するフローチャートである。制御装置50は、制御装置50内の放射ノイズのエミッション値を取得する(S41)。S41において制御装置50は、例えば、制御回路51の近傍に設けられる電磁波センサ(図示略)からエミッション値を取得する。制御装置50は、エミッション値が所定値未満であるか否かを判定する(S42)。エミッション値が所定値未満である場合(S42:YES)、制御装置50は、第2同期信号線SL22による同期信号S2d~S2fの伝送を実行するモードに切り替える(S43)。制御装置50は、S43を実行後、処理をS44に進める。S44~S53に係る処理は、図15におけるS21~S30に係る処理と同様の処理である。
【0077】
エミッション値が所定値未満でない(所定値以上である)場合(S42:NO)、制御装置50は、第2同期信号線SL22による同期信号S2d~S2fの伝送を停止するモードに切り替える(S54)。制御装置50は、メモリ55から第3マッピング情報テーブル553を読み出す(S55)。制御装置50は、第1多重化部50a1によって、第3マッピング情報テーブル553に基づき、第1時分割多重信号を生成する(S56)。また、制御装置50は、第2多重化部50a2によって、第3マッピング情報テーブル553に基づき、第2時分割多重信号を生成する(S57)。制御装置50は、第1時分割多重信号及び第2時分割多重信号を分離部50bに伝送する(S58)。制御装置50は、制御回路51から分離部50bに、スイッチ制御信号線SL1によってスイッチ制御信号を伝送する(S59)。また、制御装置50は、制御回路51から分離部50bに、第1同期信号線SL21によって同期信号S2a~S2cを伝送する(S60)。制御装置50は、分離部50bのaスイッチ54aによって駆動波形A1~C1を分離し(S61)、bスイッチ54bによって駆動波形D1~F1を分離する(S62)。制御装置50は、吐出処理を終了するか否かを判定する(S63)。S62において、制御装置50は、フラッシング処理または印刷タスクの実行が完了した場合、吐出処理を終了すると判定し、完了していない場合、吐出処理を終了しない(継続する)と判定する。吐出処理を終了すると判定した場合(S63:YES)、制御装置50は処理を終了する。吐出処理を終了しないと判定した場合(S63:NO)、制御装置50は、処理をS56に返す。
【0078】
実施形態2に係る印刷装置にあっては、第2同期信号線SL22による同期信号S2d~S2fの伝送を停止した場合、同期信号S2a~cによって駆動波形D1~F1を分離することが可能である。第2同期信号線SL22による同期信号S2d~S2fの伝送を停止することにより、印刷装置における放射ノイズの低減、または静電気耐性の低下の防止が可能である。
【0079】
(実施形態3)
以下本発明を実施形態3に係る印刷装置を示す図面に基づいて説明する。実施形態3の構成の内、実施形態1と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施形態3に係る制御装置50においては、第1時分割多重信号に含まれる駆動波形の種類数と、第2時分割多重信号に含まれる駆動波形の種類数とが異なる。第2時分割多重信号に含まれる駆動波形の種類数が第1時分割多重信号に含まれる駆動波形の種類数よりも少ない場合、第2時分割多重信号の隣り合う時間スロットにおいて、同一の電圧値が保持される。
【0080】
図21は、実施形態2に係る第2マッピング情報テーブル552の一例を示す説明図である。本実施形態2に係る第2マッピング情報テーブル552の割り当てデータフィールドには、各時間スロットに割り当てられるデータDk、またはEk(k=0、1、2、・・・)のデータ名が格納される。すなわち、第2時分割多重信号には、二種類の駆動波形が含まれる。また、データEkが割り当てられる時間スロットと、データDk+1が割り当てられる時間スロットとの間の時間スロットには、データD′k+1が割り当てられる。データD′k+1は、データDk+1と同一の電圧値を示すデータである。すなわち、本実施形態に係る第2マッピング情報テーブル552に基づいて生成された第2時分割多重信号においては、データDk+1が割り当てられる時間スロットと隣り合う時間スロットにおいて、データDk+1が示す部分(第5部分)と同一の電圧値が保持される。
【0081】
図22は、実施形態2に係る第2時分割多重信号と、同期信号S2d′、及びS2eとの関係を説明する説明図である。同期信号S2d′は、パルス波である。同期信号S2d′の立ち上がり時点と、同期信号S2eの立ち上がり時点との間には、時間間隔2Δtが設けられている。時間間隔2Δtは、時間スロットの長さと同一である時間間隔Δtの2倍の長さである。また、同期信号S2d′に含まれるパルス波は、第2時分割多重信号においてデータDk+1が示す部分(第5部分)が割り当てられる時間スロットと、データDk+1が割り当てられる時間スロットと隣り合い、第5部分と同一の電圧値が保持される時間スロットとに跨って連続して立ち上がる。なお、同期信号S2d′に含まれるパルス波が立ち上がる時間幅は、時間スロット二つ分の時間幅(時間間隔2Δt)よりも狭いが、時間間隔2Δtと同一であってもよい。また、同期信号S2d′に含まれるパルス波が立ち上がる時間幅は、同期信号S2eに含まれるパルス波が立ち上がる時間幅の2倍であってもよい。本実施形態に係る同期信号S2d′及び同期信号S2eは、第2同期信号線SL22によって制御回路51から分離部50bに伝送される。同期信号S2d′は、第5同期信号に対応する。
【0082】
前述したように、時系列データを構成するデータD′k、Dk、Ek、は時間間隔Δtを設けて順に並べられている。そのため、同期信号S2d′のパルスの立ち上がり時点において、第2時分割多重信号にアクセスした場合、データD′k及びデータDkに対応し、駆動波形Dを示す駆動波形信号Pdを取得することができる。同期信号S2eのパルスの立ち上がり時点において、第2時分割多重信号にアクセスした場合、データEkに対応し、駆動波形Eを示す駆動波形信号Peを取得することができる。
【0083】
図23は、実施形態3に係る制御装置50による吐出処理を説明するフローチャートである。制御装置50は、フラッシング処理の実行時または印刷タスクの実行時に以下の処理を行う。S71~S75に係る処理は、図15におけるS21~S25に係る処理と同様の処理である。制御装置50は、制御回路51から分離部50bに、第1同期信号線SL21によって同期信号S2a~S2cを伝送し(S76)、第2同期信号線SL22によって同期信号S2d′及びS2eを伝送する(S77)。制御装置50は、分離部50bのaスイッチ54aによって駆動波形A1~C1を分離し(S78)、bスイッチ54bによって駆動波形D1及びE1を分離する(S79)。制御装置50は、吐出処理を終了するか否かを判定する(S80)。S80において、制御装置50は、フラッシング処理または印刷タスクの実行が完了した場合、吐出処理を終了すると判定し、完了していない場合、吐出処理を終了しない(継続する)と判定する。吐出処理を終了すると判定した場合(S80:YES)、制御装置50は処理を終了する。吐出処理を終了しないと判定した場合(S80:NO)、制御装置50は、処理をS72に返す。
【0084】
実施形態3に係る印刷装置にあっては、第1時分割多重信号に含まれる駆動波形の種類数に対して第2時分割多重信号に含まれる駆動波形の種類数が少ない場合、一部の時間スロットにおいて隣り合う時間スロットと同一の電圧値を保持することにより、連続する駆動波形の部分間に生じる電圧差を抑制することが出来る。これにより、第2時分割多重信号を増幅する第2アンプにかかる負荷が増大することを抑制できる。また、第2時分割多重信号において、電圧が保持される時間幅が長くなることで、駆動波形を分離する際の精度を向上させることが可能である。なお、制御回路51は同期信号S2d′に代えて同期信号S2d(図11参照)を分離部50bに伝送してもよい。この場合、分離部50bは、同期信号S2dを取得し、同期信号S2dのパルスの立ち上がり時点において第2時分割多重信号にアクセスして駆動波形Dを示す駆動波形信号Pdを取得する。
【0085】
(実施形態4)
以下本発明を実施形態4に係る印刷装置を示す図面に基づいて説明する。実施形態4の構成の内、実施形態1~3と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施形態4に係る制御装置50においては、第2同期信号線SL22による同期信号S2d′及びS2eの伝送が停止された場合、同期信号S2d′は第1同期信号線SL21によって伝送される。
【0086】
図24は、実施形態4に係る第3マッピング情報テーブル553の一例を示す説明図である。実施形態4に係る第3マッピング情報テーブル553の第2割り当てデータフィールドには、各時間スロットに割り当てられるデータDk、またはEk(k=0、1、2、・・・)のデータ名が格納される。すなわち、第2時分割多重信号には、二種類の駆動波形が含まれる。また、データEkが割り当てられる時間スロットと、データDk+1が割り当てられる時間スロットとの間の時間スロットには、データD′k+1が割り当てられる。データD′k+1は、データDk+1と同一の電圧値を示すデータである。すなわち、本実施形態に係る第2マッピング情報テーブル552に基づいて生成された第2時分割多重信号においては、データDk+1が割り当てられる時間スロットと隣り合う時間スロットにおいて、データDk+1が示す部分(第5部分)と同一の電圧値が保持される。
【0087】
図25は、実施形態4に係る第1時分割多重信号及び第2時分割多重信号と、同期信号S2a、S2b、S2c、及びS2d′との関係を説明する説明図である。第1時分割多重信号、及び同期信号S2a~S2cは、実施形態2(図18参照)と同様である。また、第2時分割多重信号、及び同期信号S2d′は、実施形態3(図22参照)と同様である。本実施形態において、同期信号S2d′のパルスの立ち上がり時点は、同期信号S2cのパルスの立ち上がり時点と同時点である。なお、同期信号S2a~S2c、及びS2d′は、第1同期信号線SL21によって制御回路51から分離部50bに伝送される。また、同期信号S2bのパルスの立ち上がり時点において、第2時分割多重信号にアクセスした場合、データEkに対応し、駆動波形Eを示す駆動波形信号Peを取得することができる。
【0088】
図26及び図27は、実施形態4に係る制御装置50による吐出処理を説明するフローチャートである。S91~S92に係る処理は、図19におけるS41~42に係る処理と同様の処理である。エミッション値が所定値未満である場合(S92:YES)、制御装置50は、第2同期信号線SL22による同期信号S2d′及びS2eの伝送を実行するモードに切り替え(S93)、処理をS94に進める。S94~S103に係る処理は、図23におけるS71~S80に係る処理と同様の処理である。
【0089】
エミッション値が所定値未満でない(所定値以上である)場合(S92:NO)、制御装置50は、処理をS104に進める。制御装置50は、第2同期信号線SL22による同期信号S2d′及びS2eの伝送を停止するモードに切り替え(S104)、処理をS105に進める。S105~S109は、図20におけるS55~S59に係る処理と同様の処理である。制御装置50は、制御回路51から分離部50bに、第1同期信号線SL21によって同期信号S2a~S2c及びS2d′を伝送する(S110)。制御装置50は、分離部50bのaスイッチ54aによって駆動波形A1~C1を分離し(S111)、bスイッチ54bによって駆動波形D1及びE1を分離する(S112)。制御装置50は、吐出処理を終了するか否かを判定する(S113)。S113において、制御装置50は、フラッシング処理または印刷タスクの実行が完了した場合、吐出処理を終了すると判定し、完了していない場合、吐出処理を終了しない(継続する)と判定する。吐出処理を終了すると判定した場合(S113:YES)、制御装置50は処理を終了する。吐出処理を終了しないと判定した場合(S113:NO)、制御装置50は、処理をS106に返す。
【0090】
実施形態4に係る印刷装置にあっては、第1時分割多重信号に含まれる駆動波形の種類数に対して第2時分割多重信号に含まれる駆動波形の種類数が少ない場合、一部の時間スロットにおいて隣り合う時間スロットと同一の電圧値を保持することにより、連続する駆動波形の部分間に生じる電圧差を抑制することが出来る。また、同期信号S2d′を第1同期信号線SL21によって伝送することにより、第2同期信号線SL22による同期信号S2d′及び同期信号S2eの伝送が停止された際も、駆動波形D1及びE1を分離することが可能である。
【0091】
(実施形態5)
以下本発明を実施形態5に係る印刷装置を示す図面に基づいて説明する。実施形態5の構成の内、実施形態1と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施形態5に係る制御装置50は、第1同期信号生成回路56a、第2同期信号生成回路56b、及びスイッチ制御回路57を備える。同期信号S2a~S2cは第1同期信号生成回路56aによって生成され、同期信号S2d~S2fは、第2同期信号生成回路56bによって生成される。
【0092】
図28は、実施形態5に係る制御装置50のブロック図である。実施形態5に係る制御装置50は、第1同期信号生成回路56aと第2同期信号生成回路56bを備える。第1同期信号生成回路56aは、生成指示信号S3を伝送する生成指示信号線SL3を介して制御回路51と接続している。また、第1同期信号線SL21を介してスイッチ制御回路57と接続している。第2同期信号生成回路56bは、生成指示信号線SL3を介して制御回路51と接続している。また、第2同期信号生成回路56bは、第2同期信号線SL22を介してスイッチ制御回路57と接続している。第1同期信号生成回路56a、第2同期信号生成回路56b、及びスイッチ制御回路57は分離部50bに含まれる。
【0093】
制御回路51は、複数の第naスイッチ54a(n)または第nbスイッチ54b(n)の開閉を制御するスイッチ制御信号をスイッチ制御回路57に出力する。制御回路51は、駆動波形Aに対応した同期信号S2aと、駆動波形Bに対応した同期信号S2bと、駆動波形Cに対応した同期信号S2cの生成を指示する生成指示信号S3を第1同期信号生成回路56aに出力する。また、制御回路51は、駆動波形Dに対応した同期信号S2dと、駆動波形Eに対応した同期信号S2eと、駆動波形Fに対応した同期信号S2fの生成を指示する生成指示信号S3を第2同期信号生成回路56bに出力する。第1同期信号生成回路56a及び第2同期信号生成回路56bは、同期信号S2を生成し、スイッチ制御回路57に出力する。
【0094】
スイッチ制御回路57は、スイッチ制御信号線SL1を介して制御回路51と接続している。スイッチ制御回路57は、制御回路51のカウンタと同期したカウンタを備え、スイッチ制御信号と同期信号S2を該カウンタに基づいて対応させ、第naスイッチ54a(n)または第nbスイッチ54b(n)に出力する。
【0095】
図29は生成指示信号S3と、同期信号S2a、S2b及びS2cとの関係を説明する説明図である。生成指示信号S3、同期信号S2a、S2b及びS2cはパルス波である。第1同期信号生成回路56aは、制御回路51のカウンタと同期したカウンタを備え、該カウンタに基づいて、生成指示信号S3から同期信号S2a、S2b及びS2cを生成する。生成指示信号S3のパルスの立ち上がり時点の時間間隔(パルス間隔)は3Δtである。同期信号S2bは生成指示信号S3の立ち上がり時点をΔt遅らせることによって生成され、生成指示信号S3と同期信号S2bのパルス間隔は同一である。同期信号S2cは生成指示信号S3の立ち上がり時点を2Δt遅らせることによって生成され、生成指示信号S3と同期信号S2cのパルス間隔は同一である。同期信号S2aは生成指示信号S3の立ち上がり時点を3Δt遅らせることによって生成され、生成指示信号S3と同期信号S2aのパルス間隔は同一である。即ち、生成指示信号S3と同期信号S2aは同様の信号である。
【0096】
図30は生成指示信号S3と、同期信号S2d、S2e及びS2fとの関係を説明する説明図である。生成指示信号S3、同期信号S2d、S2e及びS2fはパルス波である。第2同期信号生成回路56bは、制御回路51のカウンタと同期したカウンタを備え、該カウンタに基づいて、生成指示信号S3から同期信号S2d、S2e及びS2fを生成する。生成指示信号S3のパルスの立ち上がり時点の時間間隔(パルス間隔)は3Δtである。同期信号S2eは生成指示信号S3の立ち上がり時点をΔt遅らせることによって生成され、生成指示信号S3と同期信号S2bのパルス間隔は同一である。同期信号S2fは生成指示信号S3の立ち上がり時点を2Δt遅らせることによって生成され、生成指示信号S3と同期信号S2cのパルス間隔は同一である。同期信号S2dは生成指示信号S3の立ち上がり時点を3Δt遅らせることによって生成され、生成指示信号S3と同期信号S2aのパルス間隔は同一である。即ち、生成指示信号S3と同期信号S2dは同様の信号である。なお、同期信号S2dは、生成指示信号S3の立ち上がり時点から所定の時間ずらすことにより生成されたものであってもよい。また、第2同期信号生成回路56bに入力される生成指示信号S3は、第1同期信号生成回路56aに入力される生成指示信号S3と異なるものであってもよい。
【0097】
今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。
【符号の説明】
【0098】
1 印刷装置
2 プラテン
3 インク吐出装置
4 搬送ローラ
5 搬送ローラ
6 キャリッジ
7 サブタンク
8 インクジェットヘッド
80 ノズル
88 アクチュエータ
50 制御装置
50a1 第1多重化部
50a2 第2多重化部
50b 分離部
51 制御回路
52a 第1D/Aコンバータ
52b 第2D/Aコンバータ
53a 第1アンプ
53b 第2アンプ
54 スイッチ群
54a aスイッチ
54b bスイッチ
55 メモリ
56a 第1同期信号生成回路
56b 第2同期信号生成回路
57 スイッチ制御回路
551 第1マッピング情報テーブル
552 第2マッピング情報テーブル
553 第3マッピング情報テーブル
S2 同期信号
S3 生成指示信号
SL1 スイッチ制御信号線
SL21 第1同期信号線
SL22 第2同期信号線
SL3 生成指示信号線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30