(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159065
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】作業機械の情報処理システム
(51)【国際特許分類】
E02F 9/24 20060101AFI20241031BHJP
E02F 9/26 20060101ALI20241031BHJP
E02F 9/20 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
E02F9/24 B
E02F9/26 B
E02F9/20 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074813
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰広
【テーマコード(参考)】
2D003
2D015
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003BA04
2D003CA02
2D003DA04
2D003DB03
2D003DB04
2D003DB05
2D015GA03
2D015GB06
2D015GB07
2D015HA03
2D015HB00
(57)【要約】
【課題】安全性の向上を実現する。
【解決手段】本開示の一態様に係る作業機械の情報処理システムは、作業現場で作業を行う作業機械と、前記作業現場を撮像するために前記作業機械と別に設けられた撮像装置と、前記撮像装置により前記作業機械を含み且つ当該作業機械の周囲を撮像した画像情報をネットワークを介して受信し、受信した前記画像情報に基づいた処理を行うように構成されている制御装置と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業現場で作業を行う作業機械と、
前記作業現場を撮像するために前記作業機械と別に設けられた撮像装置と、
前記撮像装置により前記作業機械を含み且つ当該作業機械の周囲を撮像した画像情報をネットワークを介して受信し、受信した前記画像情報に基づいた処理を行うように構成されている制御装置と、
を備える作業機械の情報処理システム。
【請求項2】
前記制御装置は、操作装置から信号を受け付け、受け付けた当該信号に基づいて前記作業機械を操作するための操作信号を、前記作業機械に送信するように構成されている、
請求項1に記載の作業機械の情報処理システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記画像情報を表示装置に表示するように構成されている、
請求項1又は2に記載の作業機械の情報処理システム。
【請求項4】
前記制御装置は、操作装置から受け付けた操作に従って、撮像する範囲を変更するための制御信号を前記撮像装置に送信するように構成され、
前記撮像装置は、前記制御信号に基づいて撮像領域を変更可能に構成されている、
請求項3に記載の作業機械の情報処理システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記画像情報に基づいて前記作業機械の周囲に物体が存在するか否かを検出し、検出結果を出力する、又は、検出結果に基づいた操作信号を前記作業機械に送信するように構成されている、
請求項1に記載の作業機械の情報処理システム。
【請求項6】
前記撮像装置は、前記作業機械より高い位置から、前記作業機械を俯瞰できるように設けられている、
請求項1に記載の作業機械の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械の情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業機械に設けられた撮像装置によって、当該作業機械の周囲の状況を把握する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、作業機械に設けられた撮像装置では、作業機械から死角に存在する物体等を把握するのが難しい場合がある。
【0005】
上述に鑑み、作業機械と別に設けられた撮像装置によって、作業機械の周囲を撮像した画像情報を用いることで、作業機械の周囲の状況の把握を容易にして、安全性の向上を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る作業機械の情報処理システムは、作業現場で作業を行う作業機械と、前記作業現場を撮像するために前記作業機械と別に設けられた撮像装置と、前記撮像装置により前記作業機械を含み且つ当該作業機械の周囲を撮像した画像情報をネットワークを介して受信し、受信した前記画像情報に基づいた処理を行うように構成されている制御装置と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、作業機械と別に設けられた撮像装置により撮像された画像情報を用いることで、安全性の向上を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る遠隔操作システムの一例を示す概要図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係るショベル(掘削機)を示す側面図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係るショベルの駆動系の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係るショベルに搭載される電気系の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る遠隔操作システムの構成例を示す機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る遠隔操作室の配置例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る表示装置に表示される画面例を示した図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る定点計測装置とショベルとの配置関係を例示した図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係るショベルと障害物との間の距離の算出手法を例示した図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態に係る表示装置に表示される画面の操作に応じた切り替え例を示した図である。
【
図11】
図11は、第1の実施形態に係るショベルの遠隔操作システムにおける表示装置D1に情報を表示するための処理を示したシーケンス図である。
【
図12】
図12は、第1の実施形態に係る表示装置に表示される画像情報が切り替わる際のショベルの移動を説明する図である。
【
図13】
図13は、第1の実施形態に係る表示装置に表示される画面例を示した図である。
【
図14】
図14は、第2の実施形態に係る処理システムに含まれる、クローラクレーンと、定点計測装置との一例を示す側面図である。
【
図15】
図15は、第3の実施形態に係る処理システムに含まれる、連続アンローダと、定点計測装置との一例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。また、以下で説明する実施形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述される全ての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の又は対応する符号を付し、説明を省略することがある。
【0010】
(第1の実施形態)
まず、
図1を参照して、第1の実施形態に係る遠隔操作システム(作業機械の情報処理システムの一例)SYSの概要を説明する。
図1は、第1の実施形態に係る遠隔操作システムSYSの一例を示す概要図である。
【0011】
<遠隔操作システムを構成する機器>
図1に示すように、第1の実施形態に係る遠隔操作システムSYSは、ショベル100と、定点計測装置(撮像装置の一例)C11、C12と、遠隔操作室RCと、を含んでいる。
【0012】
ショベル100は、作業現場で作業を行う作業機械の一例であって、無線通信が可能とする。そして、ショベル100は、通信ネットワークNTに接続された機器(例えば、遠隔操作室RC)との間でデータの送受信を可能とする。定点計測装置C11、C12は、通信ネットワークNTに接続された機器(例えば、遠隔操作室RC)との間でデータの送受信を可能とする。
【0013】
ショベル100、及び定点計測装置C11、C12は、ショベル100が作業を行う作業現場に存在する。ショベル100、及び定点計測装置(撮像装置の一例)C11、C12は、作業現場に関する情報を、遠隔操作室RCに送信する。これにより、遠隔操作室RCは、複数種類の装置からの検出結果に応じて、作業現場を多角的に確認することができる。
【0014】
定点計測装置C11、C12は、作業現場を撮影するために、ショベル100と別に作業現場に設けられた撮像装置の一例である。本実施形態では、作業現場に2台の定点計測装置C11、C12を設けた例について説明するが、作業現場に設けられる定点計測装置の数を制限するものではなく、1台、又は3台以上であってもよい。
【0015】
本実施形態においては、作業現場に存在するショベル100を定点計測装置C11、C12のうちいずれか一方が少なくとも撮影できるように設けられている。定点計測装置C11、C12は、撮影された画像情報を、遠隔操作室RCに送信する。定点計測装置C11、C12が撮像した画像情報のうちいずれか一つには、ショベル100を含んだ周囲の状況が写っている。このため、遠隔操作室RCでは、ショベル100を含む周囲の状況を認識できる。
【0016】
本実施形態に係る定点計測装置C11、C12は、ショベル100の上部旋回体3よりも高い位置から撮像を行うように設けられている。これにより、定点計測装置C11、C12は、ショベル100を挟んで反対側の状況も撮影することが可能となる。なお、本実施形態は、定点計測装置C11、C12の高さを制限するものではなく、例えば、ショベル100より低くなるように設けられてもよい。
【0017】
なお、本実施形態は、作業現場を撮像するためにショベル100と別に設けられた撮像装置の一例として定点計測装置C11、C12を用いた例を示したものである。ショベル100と別に設けられた撮像装置は、定点計測装置C11、C12以外であってもよく、例えば、既に作業現場に設けられていた周辺監視装置等でもよい。
【0018】
定点計測装置C11、C12は、物体までの距離を検出可能なステレオカメラであってもよい。さらに、定点計測装置C11、C12の近傍に、作業現場の状況を検出するためにLIDAR(Light Detection and Ranging)を設置してもよい。LIDARは、例えば、監視範囲内にある100万点以上の点とLIDARとの間の距離を測定する。なお、本実施形態は、LIDARを用いる手法に制限するものではなく、物体との間の距離を計測可能な空間認識装置であればよい。他の例としては、LIDARの代わりにミリ波レーダなどの測距装置を組み合わせてもよい。LIDARによってショベル100の周辺の物体の形状を点群データとして認識してもよい。
【0019】
遠隔操作システムSYSに含まれるショベル100は、一台であってもよいし、複数台であってもよい。
【0020】
<遠隔操作室の構成例>
遠隔操作室RCには、通信装置T2、遠隔コントローラR30、操作装置R26、操作センサR29、及び表示装置D1を備えている。また、遠隔操作室RCには、ショベル100を遠隔操作する操作者OPが座る操作席DSが設置されている。
【0021】
通信装置T2は、ショベル100に取り付けられた通信装置T1(
図2参照)、定点計測装置C11、C12に取り付けられた通信装置T3(
図5参照)との間で通信を制御するように構成されている。
【0022】
遠隔コントローラR30は、各種演算を実行する演算装置である。本実施形態では、遠隔コントローラR30は、CPU及びメモリを含むマイクロコンピュータで構成されている。そして、遠隔コントローラR30の各種機能は、CPUがメモリに格納されたプログラムを実行することで実現される。
【0023】
表示装置D1は、遠隔操作室RCにいる操作者OPがショベル100の周囲を視認するために、ショベル100、定点計測装置C11、C12の各々から送信された情報に基づいた画面を表示する。表示装置D1は、操作者が遠隔操作室RCにいるにもかかわらず、ショベル100の周囲を含む作業現場の状況を確認できる。
【0024】
操作装置R26には、操作装置R26の操作内容を検出するための操作センサR29が設置されている。操作センサR29は、例えば、操作レバーの傾斜角度を検出する傾斜センサ、又は、操作レバーの揺動軸回りの揺動角度を検出する角度センサ等である。操作センサR29は、圧力センサ、電流センサ、電圧センサ、又は距離センサ等の他のセンサで構成されていてもよい。操作センサR29は、検出した操作装置R26の操作内容に関する情報を遠隔コントローラR30に対して出力する。遠隔コントローラR30は、受信した情報に基づいて操作信号を生成し、生成した操作信号をショベル100に向けて送信する。操作センサR29は、操作信号を生成するように構成されていてもよい。この場合、操作センサR29は、遠隔コントローラR30を経由せずに、操作信号を通信装置T2に出力してもよい。これにより、遠隔操作室RCから、ショベル100の遠隔操作を実現できる。
【0025】
<ショベルの構成>
図2は、実施形態に係る作業機械としてのショベル100を示している。ショベル100の下部走行体1には、旋回機構2を介して上部旋回体3が旋回可能に搭載されている。上部旋回体3にはブーム4が取り付けられている。ブーム4の先端にはアーム5が取り付けられ、アーム5の先端にはエンドアタッチメントとしてのバケット6が取り付けられている。
【0026】
ブーム4、アーム5、及びバケット6は、アタッチメントの一例である掘削アタッチメントを構成している。ブーム4はブームシリンダ7により駆動され、アーム5はアームシリンダ8により駆動され、バケット6はバケットシリンダ9により駆動される。
【0027】
ブーム4にはブーム角度センサS1が取り付けられ、アーム5にはアーム角度センサS2が取り付けられ、バケットリンクにはバケット角度センサS3が取り付けられている。上部旋回体3には、旋回角速度センサS5が取り付けられている。
【0028】
ブーム角度センサS1は、姿勢検出センサの1つであり、ブーム4の回動角度を検出するように構成されている。本実施形態では、ブーム角度センサS1は、ブームシリンダ7のストローク量を検出するストロークセンサであり、ブームシリンダ7のストローク量に基づいて上部旋回体3とブーム4とを連結するブームフートピン回りのブーム4の回動角度を導き出す。
【0029】
アーム角度センサS2は、姿勢検出センサの1つであり、アーム5の回動角度を検出するように構成されている。本実施形態では、アーム角度センサS2は、アームシリンダ8のストローク量を検出するストロークセンサであり、アームシリンダ8のストローク量に基づいてブーム4とアーム5とを連結する連結ピン回りのアーム5の回動角度を導き出す。
【0030】
バケット角度センサS3は、姿勢検出センサの1つであり、バケット6の回動角度を検出するように構成されている。本実施形態では、バケット角度センサS3は、バケットシリンダ9のストローク量を検出するストロークセンサであり、バケットシリンダ9のストローク量に基づいてアーム5とバケット6とを連結する連結ピン回りのバケット6の回動角度を導き出す。
【0031】
なお、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及びバケット角度センサS3のそれぞれは、ロータリエンコーダ、加速度センサ、ポテンショメータ(可変抵抗器)、傾斜センサ、又は、慣性計測装置等であってもよい。慣性計測装置は、例えば、加速度センサとジャイロセンサとの組み合わせで構成されていてもよい。
【0032】
機体傾斜センサS4は、水平面に対する機体(上部旋回体3或いは下部走行体1)の傾斜状態を検出する。機体傾斜センサS4は、例えば、上部旋回体3に取り付けられ、ショベル100(即ち、上部旋回体3)の前後方向及び左右方向の2軸回りの傾斜角度(以下、「前後傾斜角」及び「左右傾斜角」)を検出する。機体傾斜センサS4は、例えば、ロータリエンコーダ、加速度センサ、6軸センサ、IMU等を含んでよい。機体傾斜センサS4による傾斜角度(前後傾斜角及び左右傾斜角)に対応する検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0033】
旋回角速度センサS5は、上部旋回体3の旋回角速度を検出するように構成されている。本実施形態では、旋回角速度センサS5は、ジャイロセンサである。旋回角速度センサS5は、旋回角速度に基づいて旋回角度を算出するように構成されていてもよい。旋回角速度センサS5は、ロータリエンコーダ等の他のセンサで構成されていてもよい。
【0034】
上部旋回体3には、運転室としてのキャビン10、エンジン11、測位装置PS、撮像装置S6、及び通信装置T1等が搭載されている。また、キャビン10内には、コントローラ30が搭載されている。また、キャビン10内には、運転席及び操作装置等が設置されている。
【0035】
エンジン11は、ショベル100の駆動源である。本実施形態では、エンジン11は、ディーゼルエンジンである。エンジン11の出力軸は、メインポンプ14及びパイロットポンプ15のそれぞれの入力軸に連結されている。
【0036】
測位装置PSは、ショベル100の位置を測定するように構成されている。本実施形態では、測位装置PSは、GNSS(Global Navigation Satellite System)コンパスであり、上部旋回体3の位置及び向きを測定できるように構成されている。
【0037】
撮像装置S6は、ショベル100(作業機械の一例)が作業している作業領域(ショベル100の周囲)を撮像するように構成されている。本実施形態では、撮像装置S6は、上部旋回体3の上面後端に取り付けられた後カメラS6B、キャビン10の上面前端に取り付けられた前カメラS6F、上部旋回体3の上面左端に取り付けられた左カメラS6L、及び、上部旋回体3の上面右端に取り付けられた右カメラS6Rを含む。撮像装置S6は、キャビン10内の所定位置に設置された全天球カメラであってもよい。所定位置は、例えば、キャビン10内に設置された運転席に着座する操作者の目の位置に対応する位置である。
【0038】
また、撮像装置S6は、物体までの距離を検出可能なステレオカメラであってもよい。さらに、撮像装置S6の近傍に、作業現場の状況を検出するためにLIDAR(Light Detection and Ranging)を設置してもよい。LIDARは、例えば、監視範囲内にある100万点以上の点とLIDARとの間の距離を測定する。なお、本実施形態は、LIDARを用いる手法に制限するものではなく、物体との間の距離を計測可能な空間認識装置であればよい。他の例としては、LIDARの代わりにミリ波レーダなどの測距装置を組み合わせてもよい。
【0039】
通信装置T1は、ショベル100の外部にある機器との通信を制御するように構成されている。本実施形態では、通信装置T1は、無線通信網を介し、通信装置T1とショベル100の外部にある機器との間の無線通信を制御するように構成されている。通信装置T1は、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応する移動体通信モジュールや衛星通信網に接続するための衛星通信モジュール等を含む。
【0040】
コントローラ30は、各種演算を実行する演算装置である。コントローラ30は、例えば、キャビン10内に設けられ、ショベル100の駆動制御を行う。コントローラ30は、その機能が任意のハードウェア、ソフトウェア、或いは、その組み合わせにより実現されてよい。例えば、コントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性の補助記憶装置、及び各種入出力用のインターフェース装置等を含むマイクロコンピュータを中心に構成される。コントローラ30は、例えば、不揮発性の補助記憶装置にインストールされる各種プログラムをCPU上で実行することにより各種機能を実現する。
【0041】
図3は、
図2のショベル100の駆動系の構成例を示すブロック図である。
図3において、機械的動力伝達ラインは二重線、作動油ラインは太実線、パイロットラインは破線、電気制御ラインは点線でそれぞれ示されている。
【0042】
ショベル100の駆動系は、エンジン11、レギュレータ13、メインポンプ14、パイロットポンプ15、コントロールバルブユニット17、コントローラ30、及び比例弁31等で構成されている。エンジン11は、エンジンコントロールユニット74により駆動制御される。
【0043】
メインポンプ14は、作動油ライン16を介して作動油をコントロールバルブユニット17に供給する。本実施形態では、メインポンプ14は、斜板式可変容量型油圧ポンプである。
【0044】
レギュレータ13は、メインポンプ14の吐出量を制御するように構成されている。本実施形態では、レギュレータ13は、メインポンプ14の吐出圧又はコントローラ30からの制御信号等に応じてメインポンプ14の斜板傾転角を調節するように構成されている。メインポンプ14は、レギュレータ13により1回転当たり吐出量(押し退け容積)が制御される。
【0045】
パイロットポンプ15は、パイロット圧生成装置の一例であり、パイロットラインを介して油圧制御機器に作動油を供給できるように構成されている。本実施形態では、パイロットポンプ15は、固定容量型油圧ポンプである。但し、パイロット圧生成装置は、メインポンプ14によって実現されてもよい。すなわち、メインポンプ14は、作動油ラインを介して作動油をコントロールバルブユニット17に供給する機能に加え、パイロットラインを介して各種油圧制御機器に作動油を供給する機能を備えていてもよい。この場合、パイロットポンプ15は、省略されてもよい。
【0046】
コントロールバルブユニット17は、メインポンプ14から受け入れた作動油を1又は複数の油圧アクチュエータに選択的に供給できるように構成されている。本実施形態では、コントロールバルブユニット17は、複数の油圧アクチュエータに対応する複数の制御弁を含む。そして、コントロールバルブユニット17は、1又は複数の油圧アクチュエータに対し、メインポンプ14から吐出される作動油を選択的に供給できるように構成されている。油圧アクチュエータは、例えば、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、左側走行用油圧モータ1L、右側走行用油圧モータ1R、及び旋回用油圧モータ2Aを含む。
【0047】
コントローラ30は、通信装置T1を通じて受信する操作信号に基づき、比例弁31を制御するように構成されている。本実施形態では、操作信号は、遠隔操作室RCから送信されてくる。操作信号は、キャビン10内に設けられた操作装置によって生成されてもよい。
【0048】
マシンコントロール用制御弁として機能する比例弁31は、パイロットポンプ15とコントロールバルブユニット17内の制御弁のパイロットポートとを接続する管路に配置され、その管路の流路面積を変更できるように構成されている。本実施形態では、比例弁31は、コントローラ30が出力する制御指令に応じて動作する。そのため、コントローラ30は、操作者による操作装置26の操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31を介し、コントロールバルブユニット17内の制御弁のパイロットポートに供給できる。
【0049】
本実施形態では、コントローラ30は、比例弁31に含まれる複数の電磁弁のそれぞれの開口面積を個別に制御することで、各制御弁のパイロットポートに作用するパイロット圧を制御することができる。そのため、コントローラ30は、各油圧アクチュエータに流入する作動油の流量、及び、各油圧アクチュエータから流出する作動油の流量を制御することができ、ひいては、各油圧アクチュエータの動きを制御することができる。
【0050】
このようにして、コントローラ30は、遠隔操作室RC等の外部からの操作信号に応じ、ブーム4の上げ下げ、アーム5の開閉、バケット6の開閉、上部旋回体3の旋回、及び下部走行体1の走行等を実現できる。
【0051】
図4は、
図1のショベルに搭載される電気系の構成例を示す図である。エンジン11は、
図4に示すように、エンジンコントロールユニット74に接続されている。エンジンコントロールユニット74からは、エンジン11の状態を示す各種データがコントローラ30に送信される。なお、遠隔操作室RCは、
図1と同様のため、説明を省略する。
【0052】
バッテリ70は、ショベル100に搭載されている各種電気負荷に電力を供給するように構成されている。オルタネータ11a(発電機)、スタータ11b、コントローラ30、及び電装品72等は、バッテリ70に蓄えられた電力で動作するように構成されている。スタータ11bは、バッテリ70に蓄えられた電力で駆動され、エンジン11を始動させるように構成されている。また、バッテリ70は、オルタネータ11aが発電した電力で充電されるように構成されている。
【0053】
水温センサ11cは、エンジン冷却水の温度に関するデータをコントローラ30に送信する。レギュレータ13は、斜板傾転角に関するデータをコントローラ30に送信する。吐出圧センサ14bは、メインポンプ14の吐出圧に関するデータをコントローラ30に送信する。測位装置PSは、ショベル100の位置に関するデータをコントローラ30に送信する。
【0054】
メインポンプ14が吸入する作動油が貯蔵された作動油タンクとメインポンプ14との間の管路14-1には、油温センサ14cが設けられている。油温センサ14cは、管路14-1を流れる作動油の温度に関するデータをコントローラ30に送信する。
【0055】
尿素水タンク21に設けられた尿素水残量センサ21aは、尿素水の残量に関するデータをコントローラ30に送信する。燃料タンク22に設けられた燃料残量センサ22aは、燃料の残量に関するデータをコントローラ30に送信する。
【0056】
通信装置T1は、無線通信を介し、遠隔操作室RCに設置された通信装置T2との間で情報を送受信するように構成されている。本実施形態では、通信装置T1と通信装置T2とは、第5世代移動通信回線(5G回線)、LTE回線、又は衛星回線等を介して情報を送受信するように構成されている。
【0057】
<遠隔操作システムのブロック構成>
図5は、本実施形態に係る遠隔操作システムSYSの構成例を示す機能ブロック図である。
図5に示される例では、遠隔操作システムSYSに含まれる、遠隔操作室RC、定点計測装置C11、C12、及び、ショベル100の各々のブロック構成を示している。
【0058】
ショベル100は、測位装置PS、コントローラ30、比例弁31、撮像装置S6、及び通信装置T1を備えている。遠隔操作室RCには、操作センサR29、遠隔コントローラR30、表示装置D1、及び通信装置T2を備えている。定点計測装置C11、C12は、コントローラC30、撮像装置S16、回転機構Z1、及び通信装置T3を備えている。
【0059】
ショベル100に搭載されているコントローラ30が有する機能について説明する。コントローラ30は、
図5に示されるように、機能ブロックとして、通信制御部301と、ショベル状態特定部302と、アクチュエータ駆動部303と、を有する。
【0060】
通信制御部301は、通信装置T1を用いて外部の装置との間で情報の送信制御及び受信制御を行う。例えば、通信制御部301は、通信装置T1を用いて、遠隔コントローラR30から操作信号を受信する制御を行う。他の例としては、通信制御部301は、通信装置T1を用いて、撮像装置S6が撮像した画像情報を、遠隔コントローラR30に送信する制御を行う。
【0061】
ショベル状態特定部302は、ショベル100の状態を特定するように構成されている。本実施形態では、ショベル100の状態は、ショベル100の位置と向きを含む。ショベル100の位置は、例えば、ショベル100の世界座標系における位置(ショベル100基準点の緯度、経度、及び高度)である。ショベル状態特定部302は、測位装置PSの出力に基づいてショベル100の位置及び向きを特定する。
【0062】
そして、通信制御部301は、特定されたショベル100の位置及び向きを示す情報を、通信装置T1を用いて遠隔操作室RCに送信する制御を行う。
【0063】
アクチュエータ駆動部303は、ショベル100に搭載されているアクチュエータを駆動するように構成されている。本実施形態では、アクチュエータ駆動部303は、通信制御部301が受信制御した遠隔コントローラR30からの操作信号に基づき、比例弁31に含まれる複数の電磁弁のそれぞれに対する作動信号を生成して出力する。
【0064】
作動信号を受けた各電磁弁は、コントロールバルブユニット17における対応する制御弁のパイロットポートに作用するパイロット圧を増減させる。その結果、各制御弁に対応する油圧アクチュエータは、制御弁のストローク量に応じた速度で動作する。
【0065】
本実施形態においては、通信制御部301は、遠隔操作室RCにショベル100の周囲の状況を伝えるために、撮像装置S6によって撮像された画像情報を送信する。これにより、遠隔操作室RCの操作者OPは、ショベル100を基準とした周囲の状況を認識できる。
【0066】
しかしながら、撮像装置S6によって撮像された画像情報では、ショベル100から見て死角にある物体を認識できない場合がある。また、遠隔操作室RCの操作者OPは、撮像装置S6によって撮像された画像情報と比べて、ショベル100を俯瞰して画像情報の方が、ショベル100の周囲の状況を認識しやすい場合がある。そこで、本実施形態では、定点計測装置C11、C12を作業現場に設置している。
【0067】
次に、定点計測装置C11、C12に搭載されているコントローラC30が有する機能について説明する。コントローラC30は、
図5に示されるように、機能ブロックとして、通信制御部2301と、制御部2302と、を有し、撮像装置S16によって撮像された画像情報を、遠隔操作室RCに送信するための処理を行う。
【0068】
通信制御部2301は、通信装置T3を用いて外部の装置との間で情報の送信制御及び受信制御を行う。例えば、通信制御部2301は、通信装置T3を用いて、遠隔コントローラR30から信号を受信する制御を行う。他の例としては、通信制御部301は、通信装置T3を用いて、撮像装置S16が撮像した画像情報を、遠隔コントローラR30に送信する制御を行う。
【0069】
制御部2302は、撮像装置S16のズーム機構S16Z、及び回転機構Z1の制御を行う。制御部2302は、ズーム機構S16Zを制御することで、撮像装置S16による撮像領域を調整できる。また、制御部2302は、回転機構Z1を制御することで、撮像装置S16の撮影方向(撮像装置S16の光軸方向)を調整できる。
【0070】
本実施形態に係る制御部2302は、遠隔操作室RCから送信された信号に基づいて、ズーム機構S16Z、及び回転機構Z1の制御を行ってもよい。さらには、制御部2302は、撮像装置S16が撮像した画像情報に基づいて、ショベル100の位置を検知し、当該ショベル100の移動に追従するように、ズーム機構S16Z、及び回転機構Z1の制御を行ってもよい。なお、当該ショベル100の移動に追従するような制御手法は、例えば連続して撮像された画像情報を用いて物体のトラッキング処理を行う等、周知の手法を問わず、あらゆる手法を用いてよい。
【0071】
次に、遠隔操作室RCに設置されている遠隔コントローラR30が有する機能について説明する。遠隔コントローラR30は、ショベル100を遠隔操作するように構成されている。
【0072】
遠隔コントローラR30(制御装置の一例)は、定点計測装置C11、C12によりショベル100を含み且つ当該ショベル100の周囲を撮像した画像情報を通信ネットワークNTを介して受信し、受信した画像情報に基づいた処理を行うように構成されている。本実施形態では、受信した画像情報に基づいた処理の一例として、当該画像情報の表示、及び、当該画像情報に基づいた物体検出を行う例について説明する。なお、本実施形態は、受信した画像情報に基づいた処理を、画像情報の表示、及び、画像情報に基づいた物体検出に制限するものではなく、他の処理であってもよい。
【0073】
また、遠隔コントローラR30は、機能ブロックとして、表示制御部1301と、判定部1302と、距離算出部1303と、物体検出部1304と、通信制御部1305と、操作信号生成部1306と、を有する。
【0074】
通信制御部1305は、通信装置T2を用いて外部の装置との間で情報の送信制御及び受信制御を行う。例えば、通信制御部1305は、通信装置T2を用いて、ショベル100から画像情報を受信する制御を行う。他の例としては、通信制御部1305は、通信装置T2を用いて、定点計測装置C11、C12から画像情報を受信する制御を行う。
【0075】
表示制御部1301は、表示装置D1に情報を表示する制御を行う。例えば、表示制御部1301は、ショベル100から受信した画像情報、及び、定点計測装置C11、C12から受信した画像情報のうちいずれか一つ以上を、表示装置D1に表示する制御を行う。
【0076】
物体検出部1304は、ショベル100から受信した画像情報、及び、定点計測装置C11、C12から受信した画像情報に写っている物体を検出する。例えば、物体検出部1304は、画像情報に写っている物体の輪郭を抽出することで、画像情報に写っている物体を検出してもよい。さらに、物体検出部1304は、物体の形状と、物体の種類とを対応付けたデータベースに基づいて、検出された物体の種類を特定してもよい。
【0077】
距離算出部1303は、ショベル100から、物体検出部1304により検出された物体までの距離を算出する。距離の算出手法はどのような手法を用いてもよい。撮像装置近傍にLIDARが設けられている場合には、距離算出部1303は、LIDARが検出した物体までの距離を取得してもよい。さらには、複数の画像情報を用いて物体までの距離を算出してもよい。当該手法については後述する。
【0078】
判定部1302は、距離算出部1303により算出された物体とショベル100との間の距離に基づいて、警告を出すか否かを判定する。警告を出す基準としては、任意の基準であってもよく、例えば、ショベル100を基準に所定の範囲内に物体が存在か否かに基づいて判定してもよいし、ショベル100の移動する方向に物体が存在するか否かを判定してもよいし、ショベル100が旋回する場合にアタッチメントが移動する範囲等に物体が存在するか否かに基づいて判定してもよい。
【0079】
そして、表示制御部1301は、判定部1302により警告を出すと判定された場合に、警告情報を表示装置D1に表示してもよい。その際に、検出された物体について囲み又は色付け等で、操作者OPが確認を容易にしてもよい。
【0080】
操作信号生成部1306は、操作信号を生成するように構成されている。本実施形態では、操作信号生成部1306は、操作装置R26が受け付けた操作に対応する信号を、操作センサR29から受信し、受信した信号に基づいてショベル100を操作するための操作信号を生成するように構成されている。
【0081】
通信制御部1305は、通信装置T3を用いて、操作信号生成部1306により生成された操作信号を、ショベル100に送信する制御を行う。
【0082】
<遠隔操作室の外観>
次に、遠隔操作室RCについて説明する。
図6は、遠隔操作室RCの配置例を示す図である。遠隔操作室RCには、操作席DSを基準に、複数の操作装置R26が設けられている。
【0083】
本実施形態では、表示装置D1は、
図6に示すように、縦3段、横1列の3つのモニタで構成されるマルチディスプレイである。具体的には、表示装置D1は、中央モニタD1a、上モニタD1b、下モニタD1cを含む。
【0084】
そして、表示装置D1は、表示制御部1301によって、受信した画像情報を表示する。操作者OPは、操作装置R26を介して、ショベル100の操作に加えて、表示する画像情報を切り替える(例えば、視点の移動させる)ための操作を行うことができる。
【0085】
<遠隔操作室の表示画面例>
次に、表示装置D1に表示される画面例について説明する。
図7は、本実施形態に係る表示装置D1に表示される画面例を示した図である。
図7に示される例では、上モニタD1bと中央モニタD1aとに表示される画面例を示しており、下モニタD1cに表示される画面については省略する。
【0086】
中央モニタD1aには、ショベル100から受信した画像情報が表示される。当該撮像画像は、撮像装置S6により撮像されている。具体的には、中央モニタD1aの表示領域701には、前カメラS6Fで撮影された画像情報が表示され、表示領域702には、左カメラS6Lで撮影された画像情報が表示され、表示領域703には、後カメラS6Bで撮影された画像情報が表示され、表示領域704には、右カメラS6Rで撮影された画像情報が表示される。これにより、操作者OPは、ショベル100からの視点によってショベル100の周囲の状況を確認できるので安全性の向上を実現できる。
【0087】
上モニタD1bには、定点計測装置C11、C12のうちいずれか一つで撮像された画像情報が表示される。つまり、上モニタD1bには、ショベル100を含み且つショベル100の周囲を撮像された画像情報が表示される。当該画像情報は、ショベル100より高い位置から撮影されている。このため、操作者OPは、当該画像情報を視認した際に、ショベル100を俯瞰した視点からショベル100の周囲の状況を容易に把握できる。
【0088】
つまり、本実施形態に係る遠隔操作室RCの操作者OPは、ショベル100を操作する際に、ショベル100からの視点に加えて、ショベル100の上方から俯瞰した視点からの周囲の状況を確認できる。ショベル100の状況によっては、ショベル100からの視点よりも、ショベル100の上方から俯瞰した視点の方が、ショベル100の状況を把握することが容易な場合がある。
【0089】
例えば、
図7の表示領域703を参照した場合、操作者は、ショベル100の後方に障害物711が存在することを認識できるが、当該障害物711までの距離を把握しにくい場合もある。
【0090】
これに対して、本実施形態においては、上モニタD1bに、定点計測装置C11、C12のうちいずれか一つで撮像された、ショベル100を含めた周囲の状況を俯瞰的に表した画像情報が表示される。操作者OPは、当該画面を参照した場合に、ショベル100と、障害物711と、の間の距離を直観的に把握できる。つまり、ショベル100の周囲の状況を把握するのが容易になるので、安全性の向上を実現できる。このように、操作者OPは、障害物711を含めた周囲の状況を把握し、ショベル100の周囲の状況の視認性の向上を実現できる。
【0091】
<定点計測装置の配置>
次に定点計測装置C11、C12の配置例について説明する。
図8は、定点計測装置C11とショベル100との配置関係を例示した図である。
図8に示されるように、定点計測装置C11は、ショベル100と比べて高い位置から、ショベル100を俯瞰できるように設けられている。定点計測装置C11の画角は、ショベル100を含めた周囲が撮像できればよく、例えば、60°~120℃の間であってもよい。これにより、定点計測装置C11は、ショベル100と共に障害物801及びショベルと反対側の状況も撮像できる。
【0092】
また、定点計測装置C11は、回転機構Z1を備え、支柱を基準に水平方向に回転してもよい。例えば、定点計測装置C11は、中心近傍にショベル100が来るように回転機構Z1で回転してもよい。定点計測装置C11のコントローラC30は、画像情報から検出されたショベル100の位置に応じて(ショベル100を追従するように)回転機構Z1の回転制御を行ってもよいし、ショベル100から受信した信号に基づいて回転機構Z1の回転制御を行ってもよい。
【0093】
さらに、定点計測装置C11の撮像装置S16内にズーム機構S16Zが設けられている。これにより、定点計測装置C11のコントローラC30は、撮像範囲を調整できる。例えば、コントローラC30は、遠隔操作室RCから受信した信号に基づいてズーム機構S16Zの制御を行ってもよい。
【0094】
図8では、定点計測装置C11の場合について説明したが、定点計測装置C12等も同様の構成を備えているものとして説明を省略する。つまり、作業現場を定点計測装置C11、C12で撮像可能とすることで、ショベル100が作業現場のどの位置にいても、操作者OPは、上モニタD1bを参照することで、ショベル100の周囲について俯瞰的な視点から状況を確認できる。したがって、ショベル100を高い位置から客観的な視点で周囲を確認できるので、ショベル100と周囲の物体との距離を直観的に把握できるので、安全性の向上を実現できる。
【0095】
<物体の位置の検出>
本実施形態に係る遠隔コントローラR30は、定点計測装置C11、C12で撮像された画像情報に基づいて、ショベル100の周囲に物体が存在するか否かの検出を行う。さらには、ショベル100と物体との間の距離の算出も行う。そこで、本実施形態に係る距離の算出手法の一例について説明する。
【0096】
図9は、ショベル100と障害物801との間の距離の算出手法を例示した図である。
図9に示される例では、遠隔コントローラR30が、定点計測装置C11の撮像装置S16が撮像した画像情報と、ショベル100の後カメラS6Bが撮像した画像情報と、に基づいて、ショベル100と障害物801との間の距離を算出する。
【0097】
本実施形態に係る遠隔コントローラR30の物体検出部1304は、定点計測装置C11から受信した画像情報から、障害物801を検出すると共に、後カメラS6Bが撮像した画像情報から、障害物801を検出する。また、物体検出部1304は、定点計測装置C11から受信した画像情報から、ショベル100を検出している。
【0098】
距離算出部1303は、通信制御部1305を介して、定点計測装置C11から、世界座標系における定点計測装置C11の位置及び向きを示した情報を取得している。また、距離算出部1303は、通信制御部1305を介して、ショベル100から、世界座標系におけるショベル100の位置及び向きを示した情報を取得している。また、距離算出部1303は、ショベル100の後カメラS6Bが取り付けられている位置及び高さを予め認識している。
【0099】
これにより、距離算出部1303は、定点計測装置C11の撮像装置S16と、後カメラS6Bと、の間の距離d1を認識できる。そして、距離算出部1303は、定点計測装置C11から受信した画像情報に写っているショベル100と障害物801との位置関係に基づいて、定点計測装置C11を基準としてショベル100が存在する方向と、障害物801が存在する方向との角度θ1を把握できる。さらに、距離算出部1303は、ショベル100から受信した後カメラS6Bの画像情報に写っている障害物801の位置、及び、世界座標系におけるショベル100と定点計測装置C11との位置関係から、後カメラS6Bを基準として定点計測装置C11の撮像装置S16が存在する方向と、障害物801が存在する方向との角度θ2を把握できる。
【0100】
従って、距離算出部1303は、三角測量方式によって、ショベル100と障害物801との間の距離d2を算出できる。さらに、距離算出部1303は、当該手法によって、障害物801の表面の特徴点ごとに距離を算出することで、障害物801の形状及び高さ等を認識してもよい。
【0101】
これにより、判定部1302は、障害物801がショベル100に近いか否か、ショベル100が旋回した場合に、アタッチメントが障害物801に接触するか否か等を判定することができる。
【0102】
そして、表示制御部1301は、判定部1302の判定結果による警告情報を、表示装置D1に表示する。
【0103】
このように、本実施形態に係る遠隔コントローラR30は、定点計測装置C11、C12の撮像装置S16が撮像した画像情報に基づいてショベル100の周囲に物体が存在するか否かを検出し、検出結果を示した警告情報を出力する。これにより、操作者OPは、ショベル100を動作させる際に、ショベル100が障害物等に接触するか否かを認識できるので、安全性の向上を実現できる。
【0104】
なお、本実施形態は、警告情報の出力に制限するものではなく、遠隔コントローラR30は、検出した物体にショベル100が接触しないように検出結果に基づいた操作信号をショベル100に送信してもよい。当該操作信号としては、例えば、緊急停止信号等とする。これにより、ショベル100が物体に接触するのを抑制して、安全性の向上を実現できる。
【0105】
さらには、遠隔コントローラR30は、判定部1302による判定結果に応じて、通信制御部1305が操作信号の送信を許可するか否かを制御してもよい。例えば、ショベル100が移動するための操作が行われた場合に、判定部1302により移動方向に物体が存在しないと判定された場合に、通信制御部1305が操作信号の送信を許可してもよい。このように、本実施形態では、定点計測装置C11、C12の画像情報に基づいて、ショベル100に対す遠隔操作が安全であることを確認された場合に、当該遠隔操作を示す操作信号の送信を可能としてもよい。
【0106】
このように、本実施形態では、ショベル100に設けられた撮像装置S6と、定点計測装置C11、C12との検出結果を用いることで、複数視点でショベル100の周囲の状況を確認できるので、例えば一方の視点では死角に存在する物体でも他方の視点で当該物体の検出等を行うことができるので、安全性の向上を実現できる。
【0107】
<拡大表示>
次に、表示装置D1に表示される画面に対する操作について説明する。
図10は、本実施形態に係る表示装置D1に表示される画面の操作に応じた切り替え例を示した図である。
図10(a)に示される例では、上モニタD1bに表示される初期画面の例を示している。
【0108】
そして、遠隔操作室RCでは、操作者OPは、上モニタD1bに表示される画面に対して、拡大操作又は縮小操作を行うことができる。そして、遠隔コントローラR30の通信制御部1305は、通信装置T2を用いて、遠隔操作室RCに設けられた(図示しない)入力装置から受け付けた操作に従って、定点計測装置C11、C12に対して拡大又は縮小操作信号を送信する。
【0109】
定点計測装置C11、C12のコントローラC30の制御部2302は、受信した拡大又は縮小操作信号に基づいて、撮像装置S16のズーム機構S16Zを制御する。このように、定点計測装置C11、C12は、ズーム機構S16Zを備えることで、撮像領域を変更可能に構成されている。
【0110】
その後、コントローラC30の通信制御部2301は、ズーム機構S16Zの制御が行われた後に撮像装置S16が撮像した画像情報を、通信装置T3を用いて遠隔コントローラR30に送信する。
【0111】
図10(b)は、拡大操作を行った後に、定点計測装置C11から送信された画像情報に基づいて、上モニタD1bに表示される画面の例を示している。
【0112】
また、
図10(b)で示される拡大操作を行う際に、定点計測装置C11の撮像方向を調整する操作を行ってもよい。これにより、コントローラC30は、当該操作を示す操作信号を受信した際に、回転機構Z1による撮像装置S16の回転動作、又は、撮像装置S16の首振り動作(上下方向に撮像装置S16の傾き調整動作)を制御する。
【0113】
これにより、操作者OPの興味のある領域について拡大表示を行うことができる。
図10(b)は、操作者OPの拡大操作によって、ショベル100の近傍に存在する障害物711の周辺が表された画面である。つまり、操作者OPは、操作装置に対する操作によって、表示装置D1に表示される領域の拡大又は変更を行うことができるので、ショベル100の周囲の状況の把握が容易になる。したがって、安全性の向上を実現できる。
【0114】
さらに、他の検知装置と組み合わせてもよい。例えば作業現場の出入口に検知装置を備えることが考えられる。そして、定点計測装置C11、C12のコントローラC30の制御部2302は、当該検知装置で人又はトラック等を検知する旨を示した信号を受信した場合に、出入り口が写っている領域が拡大されるように制御する。そして、定点計測装置C11、C12のコントローラC30の制御部2302は、出入り口が写っている領域が拡大された画像情報を、遠隔コントローラR30に送信する。これにより、遠隔コントローラR30の操作者OPは、出入り口などの周囲の状況を考慮して、作業を行うことができるので、作業効率の向上を実現できる。
【0115】
本実施形態においては、ショベル100と別に設けられた定点計測装置C11により撮像された画像情報を、表示装置D1に表示する。したがって、表示装置D1は、ショベル100の撮像装置S6では撮像できない領域を表示できる。したがって、安全性の向上を実現できる。
【0116】
なお、本実施形態は、画像情報の拡大縮小を、ズーム機構S16Z等を用いた手法に制限するものではない。例えば、コントローラC30が、撮像装置S16により撮像された画像情報の一部の領域を切り取り、拡大する、いわゆるデジタルズーム等を用いてもよい。
【0117】
<処理手順>
次に、遠隔操作室RCの表示装置D1に情報を表示するまでの処理について説明する。
図11は、本実施形態に係るショベルの遠隔操作システムにおける表示装置D1に情報を表示するための処理を示したシーケンス図である。
【0118】
まず、ショベル100の撮像装置S6は、ショベル100の周囲を撮像し、画像情報を生成する(S1101)。
【0119】
そして、ショベル100の通信制御部301は、撮像装置S6により撮像された画像情報を、遠隔操作室RCに送信する(S1102)。
【0120】
一方、定点計測装置C11、C12の撮像装置S16は、ショベル100の周囲を撮像し、画像情報を生成する(S1111)。
【0121】
そして、定点計測装置C11、C12の通信制御部2301は、撮像装置S16により撮像された画像情報を、遠隔操作室RCに送信する(S1112)。
【0122】
遠隔操作室RCの遠隔コントローラR30の表示制御部1301は、受信した(ショベル100、及び、定点計測装置C11若しくは定点計測装置C12)画像情報を、表示装置D1に表示する(S1121)。
【0123】
遠隔操作室RCの遠隔コントローラR30の物体検出部1304は、ショベル100及び定点計測装置C11、C12から受信した画像情報に基づいて、ショベル100の周囲に存在する物体の検出する(S1122)。
【0124】
遠隔操作室RCの遠隔コントローラR30の距離算出部1303は、ショベル100及び定点計測装置C11、C12から受信した画像情報に基づいて、検出した物体とショベル100との間の距離を算出する(S1123)。
【0125】
そして、判定部1302は、検出した物体とショベル100との間の距離に基づいて、警告情報を出す必要があるか否かを判定する。警告情報を出す基準としては、物体とショベル100との間が所定の基準距離より短い場合、又は、ショベル100の旋回が開始した場合にショベルのアタッチメントが物体に接触する可能性ある場合等とする。
【0126】
遠隔コントローラR30の表示制御部1301は、判定部1302によって警告情報を出す必要があると判定された場合に、操作者OPに注意を促すための警告情報を、表示装置D1に表示する(S1124)。
【0127】
本実施形態においては、上述した処理を行うことで、表示装置D1に、ショベル100の周囲の状況と、警告情報と、が表示される。これにより、操作者OPは、周囲の状況を把握することが容易になり、安全性の向上を実現できる。
【0128】
本実施形態においては、ショベル100の位置に応じて、定点計測装置C11、C12のうちいずれか一方の画像情報が、表示装置D1に表示される。表示装置D1に表示される画像情報の切り替えについて説明する。
【0129】
図12は、本実施形態に係る表示装置D1に表示される画像情報が切り替わる際のショベル100の移動を説明する図である。
図12に示される例では、定点計測装置C11の撮像範囲1211と、定点計測装置C12の撮像範囲1212と、が示されている。
【0130】
本実施形態においては、遠隔コントローラR30が、世界座標系における、定点計測装置C11の撮像範囲1211と、定点計測装置C12の撮像範囲1212と、を記憶している。
【0131】
これにより、ショベル100が撮像範囲1211に存在する場合には、表示装置D1には、定点計測装置C11が撮像した画像情報が表示される。
【0132】
ショベル100が矢印方向1201に移動する際に、遠隔コントローラR30は、ショベル100から送信される情報(ショベル100の位置及び向き)から、撮像範囲1211から撮像範囲1212に移ることを認識できる。
【0133】
そして、表示制御部1301は、ショベル100が撮像範囲1211から撮像範囲1212に移るタイミングで、表示装置D1に表示される画像情報を、定点計測装置C11から受信した画像情報から、定点計測装置C11から受信した画像情報に、切り替える。
【0134】
これにより、ショベル100の位置にかかわらず、表示装置D1には、定点計測装置C11、C12で撮像された、ショベル100の周囲の状況を俯瞰的に表した画像情報が表示される。これにより、操作者OPは、ショベル100の周囲の状況の確認が容易になる。
【0135】
上述した実施形態では、定点計測装置C11、C12が画像情報を遠隔操作室RCに送信する例について説明した。しかしながら、本実施形態は、定点計測装置C11、C12により撮像された画像情報の送信先を、遠隔操作室RCに制限するものではない。例えば、定点計測装置C11、C12により撮像された画像情報の送信先を、ショベル100にしてもよい。さらには、作業現場の管理を、管理センターの管理装置で行う場合、定点計測装置C11、C12は、画像情報を管理装置に送信してもよい。これにより、管理センターは、作業現場におけるショベルの周囲の状況を把握できる。
【0136】
また、本実施形態では、定点計測装置C11、C12が撮像した画像情報のうちいずれか一方を表示する例について説明した。しかしながら、本実施形態は、定点計測装置C11、C12が撮像した画像情報のうちいずれか一方を表示する手法に制限するものではない。例えば、遠隔コントローラR30は、定点計測装置C11、C12が撮像した画像情報を合成し、合成した画像情報を表示装置D1に表示してもよい。
【0137】
また、ショベル100と定点計測装置C11、C12とを含んだ周囲の位置関係を表示装置D1に表示してもよい。
図13は、上モニタD1bに表示される画面の例を示した図である。
図13に示される画面では、上モニタD1bに定点計測装置C11により撮像された画像情報と共に、ショベル100と定点計測装置C11、C12とを含んだ周囲の位置関係を表示領域1311が表される。
【0138】
表示領域1311には、ショベル100と定点計測装置C11、C12と、が上方から見た際のイメージとして表される。アイコン100Iは、ショベル100を示し、アイコン711Iは、障害物711のアイコンを示し、アイコンC11Iは、定点計測装置C11を示し、アイコンC12Iは、定点計測装置C12を示している。また、表示領域1311においては、定点計測装置C11、C12の各々の撮像範囲1211、1212を表してもよい。例えば、アイコンC11Iから伸びる点線1211Iは、撮像範囲1211を示し、アイコンC12Iから伸びる点線1212Iは、撮像範囲1212を示している。
【0139】
表示領域1311の上方向は、前カメラS6Fの撮像方向とする。つまり、前カメラS6Fの撮像方向(ショベル100の上部旋回体3の前方向)が、表示領域1311の上方向になるように表される。これにより、ショベル100の上部旋回体3が旋回した場合に、表示制御部1301は、当該旋回に併せて表示領域1311を回転させる表示を行う。
【0140】
また、表示制御部1301は、操作者OPから受け付けた拡大操作又は縮小操作に応じて、表示領域1311の拡大表示又は縮小表示を行ってもよい。さらには、表示制御部1301は、操作者OPから受け付けた範囲の設定に応じて、表示領域1311として表示される範囲(換言すれば、表示されるショベル100の周囲の広さ)を設定してもよい。
【0141】
(変形例1)
上述した実施形態においては、遠隔操作室RCからショベル100を操作する場合について説明した。しかしながら、上述した実施形態は、遠隔操作室RCからショベル100を操作する手法に制限するものではない。
【0142】
例えば、定点計測装置C11、C12が、画像情報をショベル100に送信し、ショベル100のキャビン10の表示装置に、受信した画像情報を表示してもよい。また、ショベル100のコントローラ30が、定点計測装置C11、C12から受信した画像情報に基づいて障害物の検出結果を示した警告情報を表示してもよい。ショベル100で操作する場合に、ショベル100の周囲の状況を俯瞰的に認識できるので、安全性の向上を実現できる。
【0143】
(第2の実施形態)
上述した実施形態は、作業機械がショベルの場合について説明した。しかしながら、本実施形態においては、作業機械の一例として、クレーンを用いてもよい。そこで、本実施形態においては、作業機械としてクローラクレーンを用いた場合について説明する。
【0144】
図14は、本実施形態に係る処理システムに含まれる、クローラクレーンと、定点計測装置との一例を示す側面図である。
【0145】
クローラクレーン100Bは、下部走行体1Bと、旋回機構2Bを介して旋回自在に下部走行体1に搭載される上部旋回体3Bと、アタッチメントATと、マスト5Bと、バックストップ6Bと、フックHKと、カウンタウェイト9Bと、キャビン10Bとを備える。
【0146】
下部走行体1Bは、例えば、左右一対の(図示しない)クローラを含む。下部走行体1Bは、それぞれのクローラが左側の(図示しない)走行油圧モータ及び右側の(図示しない)走行油圧モータで油圧駆動されることにより、クローラクレーン100Bを走行させる。
【0147】
上部旋回体3Bは、旋回機構2Bが油圧駆動されることにより、下部走行体1Bに対して旋回する。
【0148】
アタッチメントAT(作業装置の一例)は、ブーム4Bと、主巻ロープ7Bとを含む。
【0149】
ブーム4Bは、上部旋回体3Bの前部中央に起伏可能に取り付けられる。ブーム4Bの先端部から主巻ロープ7Bが垂下され、主巻ロープ7Bの先端には、フックHKが取り付けられる。即ち、ブーム4Bの先端には、主巻ロープ7Bを介してフックHKが取り付けられる。
【0150】
主巻ロープ7Bは、その基端が、ブーム4Bの基端と先端との間の後面部分に取り付けられる主巻ウインチ7Baに取り付けられ、その先端がフックHKに取り付けられる。主巻ロープ7Bは、(図示しない)主巻油圧モータで油圧駆動される主巻ウインチ7Baにより巻き取り及び巻き出しが行われることにより、フックHKを上下させることができる。
【0151】
マスト5Bは、上部旋回体3Bのブーム4Bの基端部よりも若干後方において、ブーム4Bの回動軸と平行な回動軸回りに回動可能に取り付けられる。マスト5Bの先端部は、ペンダントロープ5Baを介してブーム4Bの先端部と接続され、油圧駆動されるブーム起伏ウインチ5Bcによるブーム起伏ロープ5Bbの巻き取り及び巻き出しにより、マスト5Bを介してブーム4Bが起伏する。
【0152】
バックストップ6Bは、その基端がブーム4Bの基端よりも後方の上部旋回体3Bの部分において、ブーム4Bの回動軸と平行な回動軸回りに回動可能に取り付けられ、その先端がブーム4Bの基端と先端との間の後面部分において、ブーム4Bの回動軸と平行な回動軸回りに回動可能に取り付けられる。バックストップ6Bは、ブーム4Bの起伏動作に応じて伸縮し、例えば、ブーム4Bが略直立状態の場合にブーム4Bを後方から支える機能を有する。
【0153】
フックHKは、主巻ロープ7Bの先端に取り付けられ、吊り荷を吊り下げるために用いられる。
【0154】
カウンタウェイト9Bは、上部旋回体3Bの後端部に設けられ、ブーム4B及び吊り荷SLの重量との重量バランスを取る機能を有する。
【0155】
キャビン10Bは、例えば、上部旋回体3Bの右前端部に取り付けられる。キャビン10Bの内部には、操縦席や各種アクチュエータを操作する操作装置が設けられる。
【0156】
撮像装置S26は、カウンタウェイト9Bの上面部に設けられ、クローラクレーン100Bの周囲の監視を行う。この場合、クローラクレーン100Bは、例えば、後述の撮像装置S26の出力に基づくクローラクレーン100Bの周辺の画像情報を外部装置に送信し、画像情報は、外部装置(例えば遠隔操作室、又は管理装置)に設けられる表示装置に表示されてよい。
【0157】
なお、本実施形態は、クローラクレーン100Bに配置される撮像装置S26の位置を
図14に示される例に制限するものではない。撮像装置S26L、S26Rは、カウンタウェイト9Bの上以外に設けてもよく、例えば、上部旋回体3Bの上に設けられてもよい。撮像装置S26Bも、カウンタウェイト9Bの上以外に設けてもよく、例えば、カウンタウェイト9Bの最下部に設けてもよい。これによりカウンタウェイト9Bの個数の変化に応じた撮像装置S26の設置負担を軽減できる。
【0158】
撮像装置S26は、カウンタウェイト9Bの上面部に設けられ、クローラクレーン100Bに相対的に近い領域から相対的に遠い領域に亘るクローラクレーン100Bの周囲を撮像し、画像情報を取得する。撮像装置S26は、後カメラS26B,左カメラS26L,右カメラS26R、前カメラS26Fを含む。クローラクレーン100Bに搭載される撮像装置S26は、上述したショベル100に搭載される撮像装置S6と同様として説明を省略する。
【0159】
後カメラS26B、左カメラS26L、及び右カメラS26Rは、それぞれ、カウンタウェイト9Bの後端上部、左端上部、及び、右端上部に取り付けられ、クローラクレーン100Bの後方、左側方、及び、右側方を撮像する。
【0160】
また、クローラクレーン100Bには、前方に存在する物体を検出するために、前カメラS26Fを設けられている。前カメラS26Fを取り付ける位置は任意の位置でよく、例えば、カウンタウェイト9Bの上面でもよいし、クローラクレーン100Bの上部旋回体3Bの前側近傍でもよい。前カメラS26Fは、クローラクレーン100Bの前方を撮像する。
【0161】
また、後カメラS26Bは、カウンタウェイト9Bの後方の検出範囲、例えば、左後方から右後方に亘る水平方向(即ち、クローラクレーン100Bから見た周方向)の検出範囲を撮像する。また、左カメラS26Lは、例えば、カウンタウェイト9Bの左側方の検出範囲、例えば、カウンタウェイト9Bの左前方から左後方に亘る水平方向(クローラクレーン100Bから見た周方向)の検出範囲を撮像する。また、右カメラS26Rは、例えば、カウンタウェイト9Bの右側方の検出範囲、例えば、カウンタウェイト9Bの右前方から右後方に亘る水平方向(クローラクレーン100Bから見た周方向)の検出範囲を撮像する。前カメラS26Fは、クローラクレーン100Bの上部旋回体3Bの前方の検出範囲、例えば、左前方から右前方に亘る水平方向(即ち、クローラクレーン100Bから見た周方向)の検出範囲を撮像する。また、撮像装置S26は、上部旋回体3Bの上部において、光軸が斜め下方に向くように取り付けられ、クローラクレーン100Bの近傍の地面からクローラクレーン100Bの遠方までを含む上下方向の検出範囲を撮像する。
【0162】
撮像装置S26は、例えば、クローラクレーン100Bの起動(即ち、キースイッチON)から停止(即ち、キースイッチOFF)までの間で、所定周期(例えば、1/30秒)ごとに画像情報を生成する。撮像装置S26により生成された画像情報は、コントローラ30に取り込まれる。また、撮像装置S26から出力される3次元画像情報は、コントローラ30から通信装置T1を通じて、外部の装置(例えば遠隔操作室RC)に送信される。
【0163】
図14に示されるように、本実施形態においては、クローラクレーン100Bが吊り荷を吊り上げる作業領域の周辺を撮像するために、定点計測装置C21が配置されている。
【0164】
図14に示されるように、定点計測装置C21は、クローラクレーン100Bが吊り荷を吊り上げた状態と比べて高い位置から撮影を行っている。定点計測装置C21の画角は、クローラクレーン100Bを含めた周囲が撮像できればよく、例えば、60°~120℃の間であってもよい。
【0165】
また、定点計測装置C21は、回転機構Z21を備え、支柱を基準に水平方向に回転してもよい。例えば、定点計測装置C21は、フックHK又はフックHKに吊り上げられた吊り荷を中心に撮影できるように回転機構Z1で回転してもよい。定点計測装置C21の(図示しない)コントローラは、画像情報から検出されたフックHK又は吊り荷の位置に応じて(吊り荷を追従するように)回転機構Z21の回転制御を行ってもよいし、受信した信号に基づいて回転機構Z21の回転制御を行ってもよい。
【0166】
さらに、定点計測装置C21の撮像装置内にズーム機構が設けられ、撮像範囲を調整可能にしてもよい。
【0167】
クローラクレーン100Bの操作は、キャビン10B内の操作室で行ってもよいし、上述した実施形態と同様に遠隔操作室RCで行ってもよい。
【0168】
そして、本実施形態においては、キャビン10B内の操作室又は遠隔操作室RCの表示装置に、撮像装置S26に撮像された画像情報と共に、定点計測装置C21に撮像された画像情報が表示される。
【0169】
表示装置には、定点計測装置C21に撮像された画像情報には、クローラクレーン100Bの一部(例えば、フックHK)と共に、クローラクレーン100Bの周辺の状況が写っている。このため、定点計測装置C21に撮像された画像情報が表示された際に、操作者は、クローラクレーン100Bを周辺の状況を認識できる。
【0170】
本実施形態では、作業機械の一例として、クレーンの一態様であるクローラクレーン100Bを含む処理システムについて説明した。しかしながら、本実施形態では、処理システムに含まれるクレーンを、クローラクレーンに制限するものではない。例えば、ジブクレーン、及び引込クレーンのうちいずれか一つ以上に適用してもよい。つまり、港湾埠頭、造船所などにジブクレーン、又は、引込クレーンのうちいずれか一つ以上が設けられた際に、ジブクレーン、又は、引込クレーンを含む周囲の状況を確認できるように、定点計測装置を別途設けてもよい。そして、ジブクレーン、又は、引込クレーンを操作する際に、定点計測装置で撮像された画像情報を参照してもよいし、定点計測装置で撮像された画像情報に基づいた警告に注意して操作を行ってもよい。
【0171】
さらには、橋形クレーン、及び門形クレーンのうちいずれか一つ以上に適用してもよい。そして、橋形クレーン又は門形クレーンが設けられた際に、橋形クレーン又は門形クレーンを含む周囲の状況を確認できるように、定点計測装置を別途設けてもよい。また、橋形クレーン又は門形クレーンが走行レール上を移動した場合でも、定点計測装置が、橋形クレーン又は門形クレーンを含む領域を撮像できるように、回転機構又はズーム機構を備えていてもよい。そして、橋形クレーン又は門形クレーンを操作する際に、定点計測装置で撮像された画像情報を参照してもよいし、定点計測装置で撮像された画像情報に基づいた警告に注意して操作を行ってもよい。
【0172】
さらには、天井クレーンに適用してもよい。天井クレーンが屋内に設けられた場合に、定点計測装置が当該屋内に設けられてもよい。そして、天井クレーンが移動した場合でも、定点計測装置が、天井クレーンを含む領域を撮像できるように、回転機構又はズーム機構を備えていてもよい。そして、天井クレーンを操作する際に、定点計測装置で撮像された画像情報を参照してもよいし、定点計測装置で撮像された画像情報に基づいた警告に注意して操作を行ってもよい。
【0173】
このように、定点計測装置による撮像範囲には、作業機械の一部が少なくとも含まれていればよい。本実施形態では、上述した構成を備えることで、作業機械がクレーンの場合でも、第1の実施形態と同様の効果を得られる。
【0174】
(第3の実施形態)
上述した実施形態は、作業機械がショベル又はクレーンの場合について説明した。しかしながら、上述した実施形態は、作業機械を、ショベル又はクレーンなどの作業機械に制限するものではない。そこで、本実施形態においては、作業機械の一例として、アンローダを用いた場合について説明する。
【0175】
<連続アンローダの構成>
図15は、本実施形態に係る処理システムに含まれる、連続アンローダと、定点計測装置との一例を示す側面図である。
【0176】
図15に示すように、連続アンローダ100C(作業機械の一例)は、いわゆるバケットエレベータ式であり、岸壁QYに設けられ、岸壁QYに接岸された船舶SPの船倉HD内のバラ荷Mを、連続的に陸上に搬出(荷揚げ)する。バラ荷は、例えば、石炭、コークス、鉄鉱石等である。
【0177】
岸壁QYは、例えば、鉄筋コンクリートにより構築され、その岸壁QYには、その延びる方向、即ち、接岸される船舶SPの長手方向に対して、平行に2本のレール53が設置される。連続アンローダ100Cは、2本のレール53上を移動可能に構成され、所定の位置で停止した状態で、船舶SPからの荷揚げが行われる。
【0178】
連続アンローダ100Cは、走行部51と、旋回フレーム55と、ブーム57と、バケットエレベータ59と、運転室66を備える。
【0179】
走行部51は、岸壁QYの2本のレール53上を移動可能に構成される。
【0180】
旋回フレーム55は、走行部51の上に旋回可能に搭載される。
【0181】
ブーム57は、旋回フレーム55から岸壁QYから船舶SPが接岸する海上の部分まで前方に延び出すように設けられ、旋回フレーム55に対して起伏可能に構成される。具体的には、ブーム57は、旋回フレーム55との間に取り付けられるシリンダ65の伸縮に応じて、上下に起伏することができる。
【0182】
バケットエレベータ59は、ブーム57の先端において、下方向に、即ち、船舶SP(船倉HD)に向かって延び出すように設けられる。バケットエレベータ59は、その先端部に掻き取り部61を有し、掻き取り部61により掻き取られるバラ荷を(図示しない)バケットにより上方に搬送し、陸上に荷揚げする。
【0183】
掻き取り部61は、エレベータ本体64を基準にして、その前後方向への傾斜角度を変化させることができる。例えば、船倉HDの開口部OPE直下のバラ荷を掻き取る場合、掻き取り部61は、エレベータ本体64に対して略前後方向の傾斜がない状態で利用される。一方、船倉HDの開口部OPEよりも内壁側に存在するバラ荷を掻き取る場合、掻き取り部61は、エレベータ本体64に対して前方に傾斜させた状態の状態で利用される。
【0184】
旋回フレーム55とバケットエレベータ59との間には、平行リンク58が設けられ、平行リンク58の作用により、バケットエレベータ59は、ブーム57の起伏角度に依らず、鉛直状態を保持可能なように構成される。また、バケットエレベータ59は、ブーム57の上下への起伏に応じて、上下方向に移動することができる。また、旋回フレーム55には、ブーム57と反対側の後方に延びるリンクを介してカウンタウェイト63が支持されると共に、カウンタウェイト63とブーム57との間を接続するようにバランシングレバー62が設けられる。これにより、バケットエレベータ59とカウンタウェイト63との間で荷重バランスを取ることができる。
【0185】
運転室66は、旋回フレーム55の前部(即ち、ブーム57が延び出す方向の箇所)に設けられ、オペレータが搭乗し、連続アンローダ100Cの操作を行うために用いられる。
【0186】
運転室66には、例えば、制御装置110が搭載される。また、運転室66には、表示装置140と、入力装置150が設けられる。制御装置110には、定点計測装置C31から画像情報を受信してもよい。そして、制御装置110は、受信した画像情報を用いて、上述した実施形態で示した遠隔コントローラR30と同様の処理を行ってもよい。
【0187】
連続アンローダ100Cによるバラ荷の荷揚げ作業が行われる場合、運転室66にオペレータが配置されるのに加えて、船倉HDの内部にバラ荷の状況をオペレータに連絡する作業員が配置される。そして、運転室66のオペレータと、船倉HDの作業員との協働により連続アンローダ100Cによるバラ荷の荷揚げ作業が行われる。
【0188】
運転室66のオペレータは、表示装置140に表示される、船倉HDの開口部OPEやその内部の状況を表す画像情報、及び作業員からの船倉HDの内部の状況の連絡内容を確認しながら、連続アンローダ100Cを操作することができる。
【0189】
バケットエレベータ59は、上下方向の延びるように設けられるエレベータ本体64と、バケットエレベータ59の上部59aと下部(掻き取り部61)との間で周回動作を行う(図示しない)チェーンバケットとを含む。チェーンバケットは、一対のローラーチェーンと、一対のローラーチェーンに吊り下げるように支持される複数のバケットとを含む。ローラーチェーンは、エレベータ本体64に対して、矢印Wの方向に周回運動する。これにより、チェーンバケットは、バケットエレベータ59の上部59aと掻き取り部61との間を周回移動しながら循環する。
【0190】
バケットは、掻き取り部61において、開口部からその内部にバラ荷を掻き取る。バラ荷を掻き取り収容したバケットは、ローラーチェーンの上昇に合わせて、その開口部を上に向けた姿勢で上昇する。バケットエレベータ59の上部59aに到着したバケットの内部のバラ荷は、排出用シュートからバケットエレベータ59の外周部に設けられる回転フィーダ87に送られる。
【0191】
回転フィーダ87は、排出用シュートを通じてバケットから送られるバラ荷をブーム57に設けられるブームコンベヤ89に搬送する。
【0192】
ブームコンベヤ89は、ブーム57の内部に配置される。バケットエレベータ59の回転フィーダ87のバラ荷は、ブームコンベヤ89に乗り換えて、旋回フレーム55に向かって搬送される。旋回フレーム55側において、ブームコンベヤ89の端部には、ホッパが設けられ、ブームコンベヤ89により搬送されるバラ荷は、ホッパを通じて、ベルトコンベヤ93に供給される。
【0193】
ベルトコンベヤ93は、走行部51に設けられる。ベルトコンベヤ93は、バラ荷を地上ベルトコンベヤ95に搬送する。これにより、バラ荷は、地上ベルトコンベヤ95を通じて、地上設備99に搬出される。
【0194】
また、連続アンローダ100Cには、撮像装置S36A、S36B、S36C、S36Dが設けられている。撮像装置S36A、S36B、S36C、S36Dの撮像方向は下方向である。これにより、船倉HDの開口部OPE直下のバラ荷の状況を確認できる。しかしながら、連続アンローダ100Cは大きいため、バラ荷以外の周辺の状況を確認できるほうが好ましい。撮像装置S36A、S36B、S36C、S36Dで撮像された画像情報は、制御装置110に送信してもよい。これにより、制御装置110が、表示装置120に受信した画像情報を表示してもよい。
【0195】
本実施形態に係る処理システムでは、連続アンローダ100Cの他に、定点計測装置C31が設けられている。
【0196】
図15に示されるように、本実施形態においては、連続アンローダ100Cの周辺を撮像するために、定点計測装置C31が配置されている。
【0197】
図15に示されるように、定点計測装置C31は、船倉HDの開口部OPEと比べて高い位置から撮影を行っている。定点計測装置C31の画角は、連続アンローダ100Cによって搬送されるバラ荷を含めた周囲が撮像できればよく、例えば、60°~120℃の間であってもよい。
【0198】
定点計測装置C31の撮像装置内にズーム機構が設けられ、撮像範囲を調整可能にしてもよい。これにより、定点計測装置C31は、船倉HDの内部の状況を撮像してもよい。
【0199】
連続アンローダ100Cの操作は、運転室66で行ってもよいし、上述した実施形態で示した遠隔操作室RCで行ってもよい。
【0200】
そして、本実施形態においては、運転室66の表示装置140又は遠隔操作室RCの表示装置D1に、撮像装置S36A、S36B、S36C、S36Dで撮像された画像情報、及び、定点計測装置C31に撮像された画像情報が表示される。
【0201】
定点計測装置C31に撮像された画像情報には、船倉HDの開口部OPE内部の状況、バラ荷の運搬状況、又は、連続アンローダ100Cの周囲の状況が写っている。このため、定点計測装置C31に撮像された画像情報が表示された際に、操作者は、連続アンローダ100Cに関する様々な状況を認識できる。
【0202】
つまり、本実施形態においては、オペレータが、連続アンローダ100Cを操作する際に、撮像装置S36A、S36B、S36C、S36Dにより撮像された画像情報と、定点計測装置C31により撮像された画像情報と、を参照することで、連続アンローダ100Cの作業状況と、連続アンローダ100Cの周囲の状況と、を確認できる。これにより、安全性の向上を実現できる。
【0203】
本実施形態では、作業機械が、連続アンローダ100Cの場合について説明した。つまり、本実施形態で示される連続アンローダのような大規模な搬送に用いる構成を作業機械としてもよい。他の作業機械の例としては、スタッカ、又はリクレーマに適用してもよいし、ベルトコンベヤ装置に適用してもよい。さらには、海の中等で作業を行うための作業船に適用してもよい。
【0204】
また、上述した実施形態は、定点計測装置を備える手法に制限するものではなく、既に、湾港又は工場などの作業現場に既に設けられている監視装置等を撮像装置として流用し、当該監視装置等で撮像された画像情報を、上述した作業機械のコントローラ、遠隔操作室のコントローラ、又は管理装置等に送信することで実現してもよい。
【0205】
<作用>
上述した実施形態及び変形例においては、定点計測装置(撮像装置の一例)により作業機械を含み且つ当該作業機械の周囲を撮像した画像情報をネットワークを介して受信し、受信した画像情報に基づいた処理を行うように構成されているので、作業機械とは別の視点から作業機械の周囲を撮像した画像情報に基づいて、作業機械の周囲の状況を確認できるので、安全性の向上を実現できる。
【0206】
例えば、遠隔操作室RCの操作者OPは、作業機械と別の視点からの作業機械の周囲の状況を認識できるので、作業機械からの死角に存在する物体等を考慮して、操作を行うことができるので、安全性の向上を実現できる。
【0207】
以上、作業機械の一例としてショベル、クローラクレーン、連続アンローダ等を用いた場合の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、および組み合わせが可能である。それらについても当然に本発明の技術的範囲に属する。
【0208】
つまり、上述した実施形態では、作業機械の情報処理システムの一例として、作業機械の遠隔操作又は操作を行うシステムに適用した場合について説明したが、他の態様のシステムに適用してもよい。
【符号の説明】
【0209】
100 ショベル
100B クローラクレーン
100C 連続アンローダ
C11、C12 定点計測装置
T1、T2、T3 通信装置
S6、S26、S36 撮像装置
1 下部走行体
2 旋回機構
3 上部旋回体
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
7 ブームシリンダ
8 アームシリンダ
9 バケットシリンダ
11 エンジン
30 コントローラ
RC 遠隔操作室
R26 操作装置
R29 操作センサ
R30 遠隔コントローラ
1301 表示制御部
1302 判定部
1303 距離算出部
1304 物体検出部
1305 通信制御部
1306 操作信号生成部
D1 表示装置