(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159076
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】通知装置、通知方法及び通知プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20241031BHJP
【FI】
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074836
(22)【出願日】2023-04-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
(72)【発明者】
【氏名】畑 達彦
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC23
5L049CC24
5L050CC23
5L050CC24
(57)【要約】
【課題】適切な接客をさせることができる。
【解決手段】通知装置は、店舗の顧客に関する顧客情報、店舗に関する店舗情報、及び店舗の注文に関する注文情報の少なくとも一つを取得する取得部と、取得部によって取得された顧客情報、店舗情報及び注文情報の少なくとも一つに基づいて、リスクを解析する解析部と、解析部によって解析されたリスクを通知する通知部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の顧客に関する顧客情報、当該店舗に関する店舗情報、及び当該店舗の注文に関する注文情報の少なくとも一つを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記顧客情報、前記店舗情報及び前記注文情報の少なくとも一つに基づいて、リスクを解析する解析部と、
前記解析部によって解析された前記リスクを通知する通知部と、
を有することを特徴とする通知装置。
【請求項2】
前記解析部は、前記取得部によって取得された前記顧客情報、前記店舗情報及び前記注文情報の少なくとも一つが入力された場合に前記リスクに関するリスク情報が出力される学習済モデルを用いて、前記リスクを解析する、
請求項1に記載の通知装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記顧客の表情、声及び属性の少なくとも一つに関する前記顧客情報を取得し、
前記解析部は、前記取得部によって取得された前記顧客の表情、声及び属性の少なくとも一つに関する前記顧客情報に基づいて、前記リスクを解析する、
請求項1に記載の通知装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記店舗の混雑度及びテーブルの状況の少なくとも一方に関する店舗情報を取得し、
前記解析部は、前記店舗の混雑度及びテーブルの状況の少なくとも一方に関する店舗情報に基づいて、前記リスクを解析する、
請求項1に記載の通知装置。
【請求項5】
前記解析部は、声かけ、注文、配膳及び会計の少なくとも一つに関する前記顧客に取るべき対応をさらに解析し、
前記通知部は、前記解析部によって解析された前記声かけ、前記注文、前記配膳及び前記会計の少なくとも一つに関する前記対応をさらに通知する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の通知装置。
【請求項6】
前記解析部は、前記注文情報によって示される注文が特定の注文である場合に、前記対応が前記顧客のテーブルでの特定の声かけ及び特定の商品の配膳の少なくとも一方であると解析し、
前記通知部は、前記解析部によって解析された前記顧客のテーブルでの特定の声かけ及び特定の商品の配膳の少なくとも一方に関する前記対応を通知する、
請求項5に記載の通知装置。
【請求項7】
通知装置によって実行される通知方法であって、
店舗の顧客に関する顧客情報、当該店舗に関する店舗情報、及び当該店舗の注文に関する注文情報の少なくとも一つを取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記顧客情報、前記店舗情報及び前記注文情報の少なくとも一つに基づいて、リスクを解析する解析工程と、
前記解析工程によって解析された前記リスクを通知する通知工程と、
を含むことを特徴とする通知方法。
【請求項8】
店舗の顧客に関する顧客情報、当該店舗に関する店舗情報、及び当該店舗の注文に関する注文情報の少なくとも一つを取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得された前記顧客情報、前記店舗情報及び前記注文情報の少なくとも一つに基づいて、リスクを解析する解析ステップと、
前記解析ステップによって解析された前記リスクを通知する通知ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする通知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知装置、通知方法及び通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店におけるテーブルマネジメント等、接客に関する技術として、例えば、接客時の顧客の状況、感情に応じてロボットを学習させる技術(例えば、特許文献1参照)、顧客のロボットへの関心度に応じて接客順を決定する技術(例えば、特許文献2参照)、及び接客の満足度を算出する技術(例えば、特許文献3参照)が知られている。また、ロボットの感情を生成する技術(例えば、特許文献4~特許文献6参照)、及びユーザの感情を認識する技術(例えば、特許文献7~特許文献8参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-018265号公報
【特許文献2】特開2009-248193号公報
【特許文献3】特開2011-210133号公報
【特許文献4】特許第6273314号公報
【特許文献5】特許第6273313号公報
【特許文献6】特許第6199927号公報
【特許文献7】特許第3676969号公報
【特許文献8】特許第4704952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、適切な接客をさせることができない場合がある。例えば、従来技術では、迷惑な顧客等によるリスクについて全く考慮されていないため、顧客に「また来たい」と思わせる空間を店員に提供させることができない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る通知装置は、店舗の顧客に関する顧客情報、当該店舗に関する店舗情報、及び当該店舗の注文に関する注文情報の少なくとも一つを取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記顧客情報、前記店舗情報及び前記注文情報の少なくとも一つに基づいて、リスクを解析する解析部と、前記解析部によって解析された前記リスクを通知する通知部と、を有する。
【0006】
本発明の一態様に係る通知方法は、通知装置によって実行される通知方法であって、店舗の顧客に関する顧客情報、当該店舗に関する店舗情報、及び当該店舗の注文に関する注文情報の少なくとも一つを取得する取得工程と、前記取得工程によって取得された前記顧客情報、前記店舗情報及び前記注文情報の少なくとも一つに基づいて、リスクを解析する解析工程と、前記解析工程によって解析された前記リスクを通知する通知工程と、を含む。
【0007】
本発明の一態様に係る通知プログラムは、店舗の顧客に関する顧客情報、当該店舗に関する店舗情報、及び当該店舗の注文に関する注文情報の少なくとも一つを取得する取得ステップと、前記取得ステップによって取得された前記顧客情報、前記店舗情報及び前記注文情報の少なくとも一つに基づいて、リスクを解析する解析ステップと、前記解析ステップによって解析された前記リスクを通知する通知ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、適切な接客をさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、通知装置10の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、通知装置10の一例について説明するための図である。
【
図3】
図3は、通知装置10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、通知装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の一態様に係る通知装置及び通知方法を実施するための実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明するが、この実施形態によって、本発明の一態様に係る通知装置及び通知方法が限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
(実施形態)
〔1.通知装置〕
図1を用いて、実施形態に係る通知装置10の一例について説明する。
図1は、通知装置10の構成の一例を示すブロック図である。通知装置10は、リスク等を通知する。通知装置10は、例えば、Pepper(登録商標)等の感情を認識可能なAI(Artificial Intelligence)の人型ロボット等によって実現され、飲食店において店長業務を行う。店員は、例えば、人、表情認識カメラ及び音声マイクが積まれたServi(登録商標)等の配膳ロボットやドリンク作成ロボット等によって実現される。
図1に示す例では、通知装置10は、取得部11と、制御部12と、通知部13と、記憶部14とを有する。
【0012】
(取得部11)
取得部11は、店舗の顧客に関する顧客情報、店舗に関する店舗情報、及び店舗の注文に関する注文情報の少なくとも一つを取得する。
図1に示す例では、取得部11は、リスクに関するリスク情報をさらに取得する。取得部11は、対応に関する対応情報、及び満足度に関する満足度情報の少なくとも一方をさらに取得してよい。取得部11は、他のロボットによる巡回によって顧客情報、店舗情報及び注文情報の少なくとも一つを取得してよい。取得部11は、他のロボットによる巡回によってリスク情報、対応情報及び満足度情報の少なくとも一つをさらに取得してよい。例えば、取得部11は、Servi等の配膳ロボットによる配膳業務及び店内の巡回によって収集された席ごとの顧客情報、店舗情報及び注文情報の少なくとも一つが、バックヤードにいる管理者であるPepper等の通知装置10にインプットされた場合に、顧客情報、店舗情報及び注文情報の少なくとも一つを取得する。これにより、取得部11は、Serviによる配膳のタイミングや下げ膳のタイミングに合わせて後述の解析部122に満足度を評価させたり、通知部13に、評価に合わせた顧客への対応を通知させたりする等、通知装置10を他のロボットと好適に連動させることができる。取得部11は、顧客の表情、声及び属性の少なくとも一つに関する顧客情報を取得してよい。例えば、取得部11は、Serviによる巡回によって得られた顧客の表情や会話に関する顧客情報を取得する。取得部11は、顧客の顔、外見、声の他、顧客に固有のID(店舗が発行する会員カードや会員番号等を含む)、顔認証、生体認証等に基づき顧客の属性に関する顧客情報を取得してよい。取得部11は、顧客の感情に関する顧客情報を取得してよい。例えば、取得部11は、表情認識カメラによって撮像された顧客の撮像情報における顧客の表情に基づいて、顧客の感情を認識する。感情の認識方法については、特許文献4~特許文献8に記載の方法と同様であるため、その詳細な説明を省略する。感情の認識方法は、これらの方法に限られず、公知の他の方法を用いてもよい。取得部11は、店舗の混雑度及びテーブルの状況の少なくとも一方に関する店舗情報を取得してよい。
【0013】
(制御部12)
制御部12は、通知装置10全体を制御する。一例として、制御部12は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、通知装置10の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることによって実現される。別の一例として、制御部12は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路によって実現される。
図1に示す例では、制御部12は、学習済モデル生成部121と、解析部122とを有する。
【0014】
(学習済モデル生成部121)
学習済モデル生成部121は、取得部11によって取得された顧客情報、店舗情報及び注文情報の少なくとも一つと、リスク情報とを用いて、顧客情報、店舗情報及び注文情報の少なくとも一つが入力された場合にリスク情報が出力される学習済モデル141を生成する。例えば、学習済モデル生成部121は、取得部11によって取得された顧客情報及びリスク情報を教師データとして用いて、顧客情報が入力された場合にリスク情報が出力される学習済モデル141が含まれる対話機能を有する文章生成モデルを生成する。学習済モデル生成部121は、取得部11によって取得された満足度情報及び対応情報の少なくとも一方をさらに用いて、顧客情報、店舗情報及び注文情報の少なくとも一つが入力された場合にリスク情報並びに満足度情報及び対応情報の少なくとも一方が出力される学習済モデル141を生成してよい。対話機能を有する文章生成モデルは、例えば、ChatGPT(Chat Generative Pre-trained Transformer)等によって実現される。
【0015】
(解析部122)
解析部122は、取得部11によって取得された顧客情報、店舗情報及び注文情報の少なくとも一つに基づいて、リスクを解析する。解析部122は、取得部11によって取得された顧客情報、店舗情報及び注文情報の少なくとも一つに基づいて、顧客に取るべき対応及び顧客の満足度の少なくとも一方をさらに解析してよい。例えば、解析部122は、声かけ、注文、配膳及び会計の少なくとも一つに関する対応をさらに解析する。解析部122は、取得部11によって取得された顧客の表情、声及び属性の少なくとも一つに関する顧客情報に基づいて、リスクを解析してよい。例えば、解析部122は、Pepper等による声かけに対する顧客の表情や声等の反応に基づいて迷惑な顧客によるリスクを類推する。また、解析部122は、顔認識データが蓄積され、リスト化された過去の迷惑な顧客のリストに基づいて、迷惑な顧客によるリスクを解析する。解析部122は、取得部11によって取得された顧客の感情に関する顧客情報に基づいて、リスクを解析してよい。例えば、解析部122は、Pepper等による顧客の感情認識に基づいて迷惑な顧客によるリスクを類推する。これにより、解析部122は、より適切な接客をさせるように解析できる。解析部122は、取得部11によって取得された顧客の表情、声及び属性の少なくとも一つに関する顧客情報に基づいて、対応及び満足度の少なくとも一方をさらに解析してよい。解析部122は、店舗の混雑度及びテーブルの状況の少なくとも一方に関する店舗情報に基づいて、リスクを解析してよい。これにより、解析部122は、より適切な接客をさせるように解析できる。解析部122は、店舗の混雑度及びテーブルの状況の少なくとも一方に関する店舗情報に基づいて対応及び満足度の少なくとも一方をさらに解析してよい。
【0016】
解析部122は、配膳及び下げ膳の少なくとも一方が行われる際に満足度を解析してよい。解析部122は、満足度を定量的に解析してよい。例えば、解析部122は、表情認識カメラによって撮像された顧客の撮像情報における顧客の表情に基づいて、ポジティブな感情が評価軸として数値化された顧客の満足度等の感情を認識することによって、満足度を定量的に評価する。感情の認識方法については、特許文献4~特許文献8に記載の方法と同様であるため、その詳細な説明を省略する。解析部122は、店舗の席及び時間帯の少なくとも一方ごとにリスク、対応及び満足度の少なくとも一つを解析してよい。解析部122は、取得部11によって取得された顧客情報、店舗情報及び注文情報の少なくとも一つが入力された場合にリスクに関するリスク情報が出力される学習済モデル141を用いて、リスクを解析してよい。これにより、解析部122は、より適切な接客をさせるように解析することができる。解析部122は、取得部11により取得された顧客情報、店舗情報及び注文情報の少なくとも一つが入力された場合に対応情報及び満足度情報の少なくとも一方がさらに出力される学習済モデル141を用いてリスク並びに対応及び満足度の少なくとも一方を解析してよい。
【0017】
以下、解析部122による解析の一例について説明する。まず、解析部122による主タスクの解析の一例について説明する。一例として、解析部122は、ある番号のテーブルの顧客の表情が所定の時間以上暗い場合に、その番号のテーブルの顧客が料理や接客に不満がある可能性があり、取るべき対応が声かけであると解析する。別の一例として、解析部122は、ある番号のテーブルの顧客が注文を示唆する会話をしているか、入店から所定の時間(例えば、2分)以上経過した場合に、その番号のテーブルの顧客が注文の準備中であり、取るべき対応が注文であると解析する。別の一例として、解析部122は、ある番号のテーブルの顧客が退店を示唆する会話をしている場合に、その番号のテーブルの顧客が退店の準備中であり、取るべき対応が会計等の退席時の対応であると解析する。
【0018】
次に、解析部122による副タスクの解析の一例について説明する。副タスクでは、解析部122は、注文情報によって示される注文が特定の注文である場合に、対応が顧客のテーブルでの特定の声かけ及び特定の商品の配膳の少なくとも一方であると解析する。これにより、解析部122は、顧客の要望に応える接客を行わせることができる。一例として、解析部122は、所定の距離以上離れたテーブルの顧客から注文を受けた場合に、取るべき対応が顧客のテーブルにて嗜好に合わせたパーソナライズな会話やオーダーやソムリエ業務を行わせることであると解析する。別の一例として、解析部122は、顧客からビールを二杯追加する注文を受けた場合に、取るべき対応が、顧客のテーブルにて「ビールを飲むペースが早いのでお水も同時に?」等の注意喚起の一言を添えさせることであると解析する。別の一例として、解析部122は、顧客からおすすめのワインの注文を受けた場合に、取るべき対応が、顧客のテーブルにて顧客の好みや直近の注文商品に応じた推奨を行わせることであると解析する。別の一例として、解析部122は、ドリンクの注文を受けた場合に、取るべき対応が、ドリンク作成ロボットにドリンクを作成させ、配膳ロボットにドリンク作成ロボットを載せて顧客のテーブルまで運搬させることであると解析する。このように、解析部122は、通知装置10が他のロボットと連動する場合に、無人による商品の提供も、取るべき対応として解析することが可能である。別の一例として、解析部122は、特定の商品が注文された場合に、取るべき対応が、配膳ロボット等の店員による顧客のテーブルへの二回目の巡回の際に、特定の商品に対する顧客の満足度を取得するために特定の商品に対する評価を確認させることであると解析する。
【0019】
(通知部13)
通知部13は、解析部122によって解析されたリスクを通知する。通知部13は、解析部122によって解析された対応及び満足度の少なくとも一方をさらに通知してよい。例えば、通知部13は、解析部122によって解析された迷惑な顧客によるリスク及び必要な接客や対応の指示を、人やロボットの店員に対して行う。これにより、通知部13は、迷惑な顧客によるリスクを回避させつつ、飲食店における適切なテーブルマネジメントを店員に行わせる等、適切な接客をさせることができる。その結果、通知部13は、顧客に「また来たい」と思わせる空間を店員に提供させることができる。また、通知部13は、Servi等の配膳ロボット等のロボットに通知することによって、Serviによる配膳のタイミングや下げ膳のタイミングに合わせて解析部122によって満足度が評価された場合に、評価に合わせた顧客への対応をServiに通知する等、通知装置10を他のロボットと好適に連動させることができる。通知部13による通知方法は特に限定されず、例えば、通知部13が音声出力部であれば会話等の音声の出力による通知であってもよいし、通知部13がタブレット等の表示部であれば文字や記号等の表示による通知であってもよいし、通知対象がロボットであれば通信等を介した通知であってもよい。
【0020】
通知部13は、解析部122によって店舗の席及び時間帯の少なくとも一方ごとに解析されたリスク、対応及び満足度の少なくとも一つを通知してよい。例えば、通知部13は、解析部122によって店舗の席及び時間帯ごとに解析された満足度を店員に通知する。通知部13は、解析部122によって定量的に解析された満足度を通知してよい。通知部13は、解析部122によって解析された声かけ、注文、配膳及び会計の少なくとも一つに関する対応をさらに通知してよい。上述のように、通知部13は、より詳細な情報を通知することにより、より適切な接客をさせることができる。通知部13は、例えば、音声出力部やタブレット等の表示部により実現される。通知部13は、解析部122によって解析された顧客のテーブルでの特定の声かけ及び特定の商品の配膳の少なくとも一方に関する対応を通知してよい。以下、
図2を用いて通知部13による通知の一例について説明する。
図2は、通知装置10の一例について説明するための図である。
図2に示す例では、通知装置10はPepper等のロボットであり、店員20はServi等の配膳ロボットである。また、
図2に示す例では、解析部122は、顧客30からビールを二杯追加する注文を受けた場合に、取るべき対応が顧客30のテーブルにて「ビールを飲むペースが早いのでお水も同時に?」等の注意喚起の一言を店員20に添えさせることであると解析している。この場合、通知部13は、顧客30のテーブルにて「ビールを飲むペースが早いのでお水も同時に?」等の注意喚起の一言を添える対応を店員20に通知する。
【0021】
(記憶部14)
図1の説明に戻る。記憶部14は、顧客情報、店舗情報、注文情報、満足度情報、対応情報、リスク情報及び学習済モデル141等の各種データや各種プログラムを記憶する。記憶部14は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置により実現される。
【0022】
〔2.通知方法〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る通知装置10による処理の一例について説明する。
図3は、通知装置10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0023】
ステップS1において、取得部11は、店舗の顧客に関する顧客情報、店舗に関する店舗情報、及び店舗の注文に関する注文情報の少なくとも一つを取得する。例えば、取得部11は、Servi等の配膳ロボットによる配膳業務及び店内の巡回によって収集された席ごとの顧客情報、店舗情報及び注文情報の少なくとも一つが、バックヤードにいる管理者であるPepper等の通知装置10にインプットされた場合に、顧客情報、店舗情報及び注文情報の少なくとも一つを取得する。
【0024】
ステップS2において、解析部122は、取得部11によって取得された顧客情報、店舗情報及び注文情報の少なくとも一つに基づいて、リスクを解析する。
【0025】
ステップS3において、通知部13は、解析部122によって解析されたリスクを通知する。例えば、通知部13は、解析部122によって解析された迷惑な顧客によるリスク及び必要な接客や対応の指示を、人やロボットの店員に対して行う。
【0026】
〔3.ハードウェア構成〕
図4は、通知装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。通知装置10として機能するコンピュータ1200にインストールされたプログラムは、実施形態に係る装置の一又は複数の「部」としてコンピュータ1200を機能させ、又は装置に関連付けられるオペレーション又は一以上の「部」をコンピュータ1200に実行させることができ、実施形態に係るプロセス又はプロセスの段階をコンピュータ1200に実行させることができる。そのようなプログラムは、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションをコンピュータ1200に実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0027】
実施形態に係るコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を有し、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。また、コンピュータ1200は、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブ等の入出力ユニットを有し、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。また、コンピュータ1200は、ROM1230及びキーボード等のレガシの入出力ユニットを有し、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0028】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0029】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、プログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0030】
ROM1230は、その中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、コンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。また、入出力チップ1240は、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0031】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカード等のコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと上述の様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法がコンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0032】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカード等の記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0033】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等の外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0034】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベース等の様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索、置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0035】
上述のプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAM等の記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0036】
フローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路や、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルやアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)やディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等の論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0037】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0038】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語等の従来の手続型プログラミング言語を含む、一以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0039】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0040】
以上、実施形態を用いて本発明の一態様について説明したが、本発明の技術的範囲は上述の実施形態に記載の範囲には限定されない。上述の実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0041】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0042】
10 通知装置
11 取得部
12 制御部
13 通知部
14 記憶部
121 学習済モデル生成部
122 解析部
141 学習済モデル