(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159078
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】運転手支援装置、運転手支援方法及び運転手支援プログラム
(51)【国際特許分類】
B60W 50/14 20200101AFI20241031BHJP
B60W 40/08 20120101ALI20241031BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B60W50/14
B60W40/08
G08G1/09 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074838
(22)【出願日】2023-04-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
(72)【発明者】
【氏名】武田 一哉
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA60
3D241DD02Z
5H181AA01
5H181BB12
5H181BB13
5H181BB20
5H181CC11
5H181EE02
5H181FF05
5H181FF13
5H181FF21
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】運転手を十分に支援する。
【解決手段】運転手支援装置は、運転手に関する運転手情報、運転手の会話に関する会話情報、運転手の運転に関する運転情報、及び交通に関する交通情報の少なくとも一つを取得する取得部と、取得部によって取得された運転手情報、会話情報、運転情報及び交通情報の少なくとも一つが入力された場合に運転手情報、会話情報、運転情報及び交通情報のうち入力されていない情報が出力される学習済モデルを用いて、運転手及び管理者に向けて、学習済モデルから出力される情報を出力部に出力させる運転手支援部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転手に関する運転手情報、当該運転手の会話に関する会話情報、当該運転手の運転に関する運転情報、及び交通に関する交通情報の少なくとも一つを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記運転手情報、前記会話情報、前記運転情報及び前記交通情報の少なくとも一つが入力された場合に前記運転手情報、前記会話情報、前記運転情報及び前記交通情報のうち入力されていない情報が出力される学習済モデルを用いて、前記運転手及び管理者に向けて、前記学習済モデルから出力される前記情報を出力部に出力させる運転手支援部と、
を有することを特徴とする運転手支援装置。
【請求項2】
前記運転手支援部は、前記運転手に向けて、前記会話情報、前記交通情報及び前記管理者からの指示に関する指示情報の少なくとも一つを前記出力部に出力させる、
請求項1に記載の運転手支援装置。
【請求項3】
前記運転手支援部は、前記運転手に向けて、前記運転手の状況に応じて異なる内容の前記会話情報を前記出力部に出力させる、
請求項2に記載の運転手支援装置。
【請求項4】
前記運転手支援部は、前記運転手に向けて、前記運転手が運転中であるか否かに応じて異なる内容の前記会話情報を前記出力部に出力させる、
請求項3に記載の運転手支援装置。
【請求項5】
前記運転手支援部は、前記運転手に向けて、運行方法、ルート及び休憩のタイミングの少なくとも一つに関する前記交通情報を前記出力部に出力させる、
請求項2に記載の運転手支援装置。
【請求項6】
前記運転手支援部は、前記管理者に向けて、前記運転手情報及び前記運転情報の少なくとも一方を前記出力部に出力させる、
請求項1に記載の運転手支援装置。
【請求項7】
前記運転手支援部は、前記管理者に向けて、前記運転手の表情、動作、感情及びストレスの少なくとも一つに関する前記運転手情報を前記出力部に出力させる、
請求項6に記載の運転手支援装置。
【請求項8】
前記運転手支援部は、前記管理者に向けて、車の運転時間、位置、速度及び急ブレーキの有無の少なくとも一つに関する前記運転情報を前記出力部に出力させる、
請求項6に記載の運転手支援装置。
【請求項9】
運転手支援装置によって実行される運転手支援方法であって、
運転手に関する運転手情報、当該運転手の会話に関する会話情報、当該運転手の運転に関する運転情報、及び交通に関する交通情報の少なくとも一つを取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記運転手情報、前記会話情報、前記運転情報及び前記交通情報の少なくとも一つが入力された場合に前記運転手情報、前記会話情報、前記運転情報及び前記交通情報のうち入力されていない情報が出力される学習済モデルを用いて、前記運転手及び管理者に向けて、前記学習済モデルから出力される前記情報を出力させる運転手支援工程と、
を含むことを特徴とする運転手支援方法。
【請求項10】
運転手に関する運転手情報、当該運転手の会話に関する会話情報、当該運転手の運転に関する運転情報、及び交通に関する交通情報の少なくとも一つを取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得された前記運転手情報、前記会話情報、前記運転情報及び前記交通情報の少なくとも一つが入力された場合に前記運転手情報、前記会話情報、前記運転情報及び前記交通情報のうち入力されていない情報が出力される学習済モデルを用いて、前記運転手及び管理者に向けて、前記学習済モデルから出力される前記情報を出力させる運転手支援ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする運転手支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転手支援装置、運転手支援方法及び運転手支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
2024年問題によって自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限され、長時間労働によって支えられていた配送ドライバーが大きく不足し、配送ドライバー以外もタクシー運転手、バス運転手も高齢化し、不足することが見込まれる。いずれも長時間労働、激務のため担い手が次々と減っている。自動運転が完全に導入されれば運転手の過酷な状況は大きく改善されるが、導入されるまで時間がかかり、導入されても必ずしも完全に人の運転手がいらなくなるわけではない。このため、特に、配送、運転業従事者等の運転手の労働環境が過酷化している。
【0003】
そこで、運転手を支援する技術として、例えば、運転手の感情を総合的に判断し、運転手に通知したり、車両を制御したりする技術(例えば、特許文献1参照)、車両の走行中に運転手の不安を検知して、運転手の不安の要因に対する対策を実行する技術(例えば、特許文献2参照)、及び走行状態や運転手の感情の変化に応じて走行を制御する技術(例えば、特許文献3参照)が知られている。また、ロボットの感情を生成する技術(例えば、特許文献4~特許文献6参照)、及びユーザの感情を認識する技術(例えば、特許文献7~特許文献8参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-65704号公報
【特許文献2】特許第6865896号公報
【特許文献3】特開2017-109708号公報
【特許文献4】特許第6273314号公報
【特許文献5】特許第6273313号公報
【特許文献6】特許第6199927号公報
【特許文献7】特許第3676969号公報
【特許文献8】特許第4704952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、運転手を十分に支援することができない場合がある。例えば、従来技術では、単に、運転手の不安等の感情や走行状態に基づいて、不安の要因に対する対策の実行や、車両の走行の制御を行うだけなので、これら以外に基づく運転手の支援等、これら以外に要求される運転手の支援を好適に行うことができない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る運転手支援装置は、運転手に関する運転手情報、当該運転手の会話に関する会話情報、当該運転手の運転に関する運転情報、及び交通に関する交通情報の少なくとも一つを取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記運転手情報、前記会話情報、前記運転情報及び前記交通情報の少なくとも一つが入力された場合に前記運転手情報、前記会話情報、前記運転情報及び前記交通情報のうち入力されていない情報が出力される学習済モデルを用いて、前記運転手及び管理者に向けて、前記学習済モデルから出力される前記情報を出力部に出力させる運転手支援部と、を有する。
【0007】
本発明の一態様に係る運転手支援方法は、運転手支援装置によって実行される運転手支援方法であって、運転手に関する運転手情報、当該運転手の会話に関する会話情報、当該運転手の運転に関する運転情報、及び交通に関する交通情報の少なくとも一つを取得する取得工程と、前記取得工程によって取得された前記運転手情報、前記会話情報、前記運転情報及び前記交通情報の少なくとも一つが入力された場合に前記運転手情報、前記会話情報、前記運転情報及び前記交通情報のうち入力されていない情報が出力される学習済モデルを用いて、前記運転手及び管理者に向けて、前記学習済モデルから出力される前記情報を出力させる運転手支援工程と、を含む。
【0008】
本発明の一態様に係る運転手支援プログラムは、運転手に関する運転手情報、当該運転手の会話に関する会話情報、当該運転手の運転に関する運転情報、及び交通に関する交通情報の少なくとも一つを取得する取得ステップと、前記取得ステップによって取得された前記運転手情報、前記会話情報、前記運転情報及び前記交通情報の少なくとも一つが入力された場合に前記運転手情報、前記会話情報、前記運転情報及び前記交通情報のうち入力されていない情報が出力される学習済モデルを用いて、前記運転手及び管理者に向けて、前記学習済モデルから出力される前記情報を出力部に出力させる運転手支援ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、運転手を十分に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、運転手支援装置10の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、運転手支援装置10の一例について説明するための図である。
【
図3】
図3は、運転手支援装置10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、運転手支援装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一態様に係る運転手支援装置及び運転手支援方法を実施するための実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明するが、この実施形態によって、本発明の一態様に係る運転手支援装置及び運転手支援方法が限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0012】
(実施形態)
〔1.運転手支援装置〕
図1を用いて、実施形態に係る運転手支援装置10の一例について説明する。
図1は、運転手支援装置10の構成の一例を示すブロック図である。運転手支援装置10は、運転手を支援する。運転手支援装置10は、例えば、Pepper(登録商標)等の感情を認識可能なAI(Artificial Intelligence)の人型ロボット等によって実現され、車内(特に業務用の車内)において、運転中の会話による支援等に用いられる。また、運転手支援装置10は、例えば、サービスエリアのガソリンスタンドや充電スタンド(電気ステーション)等においても用いることができる。運転手支援装置10は、カーナビゲーションシステム、ドライブレコーダー、オーディオ機器等の車内に設置される機器を用いて実現されてもよい。
図1に示す例では、運転手支援装置10は、取得部11と、制御部12と、出力部13と、記憶部14とを有する。
【0013】
(取得部11)
取得部11は、運転手に関する運転手情報、運転手の会話に関する会話情報、運転手の運転に関する運転情報、及び交通に関する交通情報の少なくとも一つを取得する。一例として、取得部11は、運転手の表情、動作、感情及びストレスの少なくとも一つに関する運転手情報を取得する。この場合、取得部11は、運転手が撮像された撮像情報に基づいて認識された運転手の表情及び動作の少なくとも一方に関する運転手情報を取得する。また、取得部11は、運転手の表情及び会話情報の少なくとも一方に基づいて認識された運転手の感情及びストレスの少なくとも一方に関する運転手情報を取得する。取得部11は、運転手の表情及び動作の少なくとも一方に関する運転手情報を取得する際に、撮像情報から運転手の表情及び動作の少なくとも一方を認識することによって取得してもよいし、あらかじめ運転手の表情及び動作の少なくとも一方が認識されたものを取得してもよい。表情や動作の認識方法は、通常の画像処理に基づく方法と同様であるため説明を省略する。取得部11は、運転手の感情及びストレスの少なくとも一方に関する運転手情報を取得する際に、運転手の感情を認識することによって取得してもよいし、あらかじめ運転手の感情が認識されたものを取得してもよい。感情の認識方法は、特許文献4~特許文献8に記載の方法と同様であるため説明を省略する。感情の認識方法は、これらの方法に限られず、公知の他の方法を用いてもよい。
【0014】
別の一例として、取得部11は、会話の内容に関する会話情報を取得する。別の一例として、取得部11は、車の運転時間、位置(例えば、GPS(Global Positioning System)によって示される位置等)、速度及び急ブレーキの有無の少なくとも一つに関する運転情報を取得する。別の一例として、取得部11は、運行方法、ルート及び休憩のタイミングの少なくとも一つに関する交通情報を取得する。例えば、取得部11は、最適な運行方法、ルート及び休憩タイミングの少なくとも一つに関する交通情報を取得する。
【0015】
(制御部12)
制御部12は、運転手支援装置10全体を制御する。一例として、制御部12は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、運転手支援装置10の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることによって実現される。別の一例として、制御部12は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路によって実現される。
図1に示す例では、制御部12は、学習済モデル生成部121と、運転手支援部122とを有する。
【0016】
(学習済モデル生成部121)
学習済モデル生成部121は、取得部11によって取得された運転手情報、会話情報、運転情報及び交通情報の少なくとも一つが入力された場合に運転手情報、会話情報、運転情報及び交通情報のうち入力されていない情報が出力される学習済モデル141を生成する。一例として、学習済モデル生成部121は、取得部11により取得された運転手情報、会話情報、運転情報及び交通情報を教師データとして用いて、運転手情報、運転情報及び交通情報が入力された場合に会話情報が出力される学習済モデル141が含まれる対話機能を有する文章生成モデルを生成する。別の一例として、学習済モデル生成部121は、取得部11により取得された運転手情報、会話情報、運転情報及び交通情報を教師データとして用いて、運転手情報、会話情報及び交通情報が入力された場合に運転情報が出力される学習済モデル141が含まれる対話機能を有する文章生成モデルを生成する。別の一例として、学習済モデル生成部121は、取得部11により取得された運転手情報、会話情報、運転情報及び交通情報を教師データとして用いて、運転手情報、会話情報及び運転情報が入力された場合に交通情報が出力される学習済モデル141が含まれる対話機能を有する文章生成モデルを生成する。対話機能を有する文章生成モデルは、例えば、ChatGPT(Chat Generative Pre-trained Transformer)等により実現される。
【0017】
(運転手支援部122)
運転手支援部122は、取得部11によって取得された運転手情報、会話情報、運転情報及び交通情報の少なくとも一つが入力された場合に運転手情報、会話情報、運転情報及び交通情報のうち入力されていない情報が出力される学習済モデル141を用いて、運転手及び管理者に向けて、学習済モデル141から出力される情報を出力部13に出力させる。これにより、運転手支援部122は、単に、運転手の不安等の感情や走行状態に基づいて、不安の要因に対する対応の実行や、車両の走行の制御を行う従来技術と異なり、会話による支援を行ったり、運送事業者のバックオフィス等の管理者による支援を促したりすることができる。このため、運転手支援部122は、過酷化する配送、運転業従事者等の運転手を十分に支援することができる。
【0018】
以下、
図2を用いて、運転手支援部122による運転手の支援の一例について説明する。
図2は、運転手支援装置10の一例について説明するための図である。
図2に示す例では、運転手支援装置10は、Pepper等のロボットであり、業務用の車20の内部に設置されている。
図2に示すように、運転手支援部122は、運転手30に向けて、会話情報、交通情報及び管理者40からの指示に関する指示情報の少なくとも一つを出力部13に出力させてよい。例えば、運転手支援部122は、運転手30に向けて、運転手支援部122によって決定された内容の会話情報を出力部13に出力させ、運転手30の会話の相手をさせることによって、運転手30のストレス解消、労働時間や健康管理を支援することができる。運転手支援部122は、運転手30に向けて、運転手30の状況に応じて異なる内容の会話情報を出力部13に出力させてよい。これにより、運転手支援部122は、運転手30の状況に応じて運転手30を支援することができる。運転手支援部122は、運転手30に向けて、運転手30が運転中か否かに応じて異なる内容の会話情報を出力部13に出力させてよい。一例として、運転手支援部122は、運転手30が運転中である場合に、運転手30に向けて落ち着いた会話や業務指示等を出力部13に行わせる。これにより、運転手支援部122は、運転手30の注意力が低下しないようにさせることができる。別の一例として、運転手支援部122は、運転手30が休憩中等、運転中でない場合に、運転手30に向けて楽しい会話を出力部13に行わせる。これにより、運転手支援部122は、運転手30のストレスを解消させることができる。
【0019】
運転手支援部122は、運転手30に向けて、運行方法、ルート及び休憩のタイミングの少なくとも一つに関する交通情報を出力部13に出力させてよい。これにより、運転手支援部122は、運転手30をより十分に支援できる。例えば、運転手支援部122は、運転手30に向けて、運行方法、ルートや休憩のタイミングに関する管理者40からの指示やアドバイスを出力部13に出力させる。これにより、運転手支援部122は、管理者40との連携による運転手30の遠隔管理、管理者40とのデータの交換や、管理者40からの指示の的確な伝達ができる。別の一例として、運転手支援部122は、運転手30に向けて、運転手の状況に応じて異なる会話の内容にて管理者40からの指示やアドバイスを出力部13に出力させる。例えば、運転手支援部122は、取得部11によって取得された運転手の感情及びストレスの少なくとも一方に関する運転手情報に基づき、運転手が焦っている場合やイライラしている場合には運転手を落ち着かせる会話を出力部13にさせた上で指示を伝達させてもよい。これにより、運転手支援部122は、運転手30の気分を害さずに的確に出力部13に指示させることができる。
【0020】
図2に示すように、運転手支援部122は、管理者40に向けて、運転手情報及び運転情報の少なくとも一方を出力部13に出力させてよい。これにより、運転手支援部122は、管理者40に、運転手情報及び運転情報の少なくとも一方を共有させることができる。運転手支援部122は、管理者40に向けて、運転手30の表情、動作、感情及びストレスの少なくとも一つに関する運転手情報を出力部13に出力させてよい。これにより、運転手支援部122は、管理者40に詳細な運転手情報を共有させることができる。運転手支援部122は、管理者40に向けて、車の運転時間、位置、速度及び急ブレーキの有無の少なくとも一つに関する運転情報を出力部13に出力させてよい。これにより、運転手支援部122は、管理者40に詳細な運転情報を共有させることができる。
【0021】
(出力部13)
図1の説明に戻る。出力部13は、運転手及び管理者に向けて、学習済モデル141から出力される情報を出力する。出力部13による出力方法は特に限定されず、例えば、出力部13が音声出力部である場合には音声の出力による出力であってもよいし、出力部13が表示部である場合には文字や記号等の表示による出力であってもよいし、出力対象が管理者である場合には、通信を介した出力であってもよい。
【0022】
(記憶部14)
記憶部14は、運転手情報、会話情報、運転情報、交通情報及び学習済モデル141等の各種データや各種プログラムを記憶する。記憶部14は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0023】
〔2.運転手支援方法〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る運転手支援装置10による処理の一例について説明する。
図3は、運転手支援装置10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0024】
ステップS1において、取得部11は、運転手に関する運転手情報、運転手の会話に関する会話情報、運転手の運転に関する運転情報、及び交通に関する交通情報の少なくとも一つを取得する。例えば、取得部11は、運転手や管理者から運転手の支援に関する要求を受け付けた場合に、運転手情報、会話情報、運転情報及び交通情報の少なくとも一つを取得する。
【0025】
ステップS2において、運転手支援部122は、取得部11によって取得された運転手情報、会話情報、運転情報及び交通情報の少なくとも一つが入力された場合に運転手情報、会話情報、運転情報及び交通情報のうち入力されていない情報が出力される学習済モデル141を用いて、運転手及び管理者に向けて、学習済モデル141から出力される情報を出力部13に出力させる。例えば、運転手支援部122は、運転手30に向けて、会話情報、交通情報及び管理者40からの指示に関する指示情報の少なくとも一つを出力部13に出力させる。また、運転手支援部122は、管理者40に向けて、運転手情報及び運転情報の少なくとも一方を出力部13に出力させる。
【0026】
〔3.ハードウェア構成〕
図4は、運転手支援装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。運転手支援装置10として機能するコンピュータ1200にインストールされたプログラムは、実施形態に係る装置の一又は複数の「部」としてコンピュータ1200を機能させ、又は装置に関連付けられるオペレーション又は一以上の「部」をコンピュータ1200に実行させることができ、実施形態に係るプロセス又はプロセスの段階をコンピュータ1200に実行させることができる。そのようなプログラムは、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションをコンピュータ1200に実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0027】
実施形態に係るコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を有し、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。また、コンピュータ1200は、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブ等の入出力ユニットを有し、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。また、コンピュータ1200は、ROM1230及びキーボード等のレガシの入出力ユニットを有し、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0028】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0029】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、プログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0030】
ROM1230は、その中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、コンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。また、入出力チップ1240は、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0031】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカード等のコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと上述の様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法がコンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0032】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカード等の記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0033】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等の外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0034】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベース等の様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索、置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0035】
上述のプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAM等の記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0036】
フローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路や、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルやアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)やディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等の論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0037】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0038】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語等の従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0039】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0040】
以上、実施形態を用いて本発明の一態様について説明したが、本発明の技術的範囲は上述の実施形態に記載の範囲には限定されない。上述の実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0041】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0042】
10 運転手支援装置
11 取得部
12 制御部
13 出力部
14 記憶部
121 学習済モデル生成部
122 運転手支援部
141 学習済モデル