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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159097
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ボトルケース
(51)【国際特許分類】
   B67B 7/14 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
B67B7/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074862
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000228442
【氏名又は名称】日本クロージャー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 信男
(74)【代理人】
【識別番号】100138254
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 容子
(72)【発明者】
【氏名】小林 龍太
(72)【発明者】
【氏名】村元 勝広
(72)【発明者】
【氏名】塚本 龍一
(72)【発明者】
【氏名】榎本 勝己
【テーマコード(参考)】
3E081
【Fターム(参考)】
3E081AA14
3E081AB01
3E081AC01
3E081BB11
3E081EE03
(57)【要約】
【課題】収容されたボトルのキャップを動力駆動により脱着することが可能で、立てて置いた際の安定性が高く、蓋体の開放時にも自立可能であり、特にハンディキャプを持つ人が容易にキャップを開け締め可能なボトルケースを提供すること。
【解決手段】ボトルBを収容可能なケース本体102と、ボトルBの上部を覆う蓋体101とを有するボトルケース100であって、蓋体101がボトルBのキャップCを固定するとともに上方から押圧可能なチャック機構を有し、ケース本体102がケース本体102内でボトルBを自転させる回転機構部130を有し、回転機構部130がボトルBに回転駆動力を伝達する回転伝達部材131と、回転伝達部材131の下方に配置される駆動ユニット133とを備えること。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトルを収容可能なケース本体と、ボトルの上部を覆う蓋体とを有するボトルケースであって、
前記蓋体は、キャップを固定するとともに上方から押圧可能なチャック機構を有し、
前記ケース本体は、ケース本体内でボトルを自転させる回転機構部を有し、
前記回転機構部は、ボトルに回転駆動力を伝達する回転伝達部材と、前記回転伝達部材の下方に配置される駆動ユニットとを備えることを特徴とするボトルケース。
【請求項2】
前記ケース本体は、前記回転機構部が取り外し可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のボトルケース。
【請求項3】
前記蓋体は、前記ケース本体に対し開閉可能にヒンジ結合されていることを特徴とする請求項1に記載のボトルケース。
【請求項4】
前記蓋体は、前記駆動ユニットの操作スイッチを有することを特徴とする請求項1に記載のボトルケース。
【請求項5】
前記操作スイッチは、上方から押圧して作動するように配置されていることを特徴とする請求項4に記載のボトルケース。
【請求項6】
前記チャック機構は、キャップに嵌合して回転方向が固定され上下方向に移動可能な嵌合部材と、前記嵌合部材を下方に押圧するバネ部材とを有することを特徴とする請求項1に記載のボトルケース。
【請求項7】
前記回転伝達部材は、ボトルの底面と接触して摩擦力で回転駆動力を伝達する摩擦駆動面を有することを特徴とする請求項1に記載のボトルケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ボトルを収容可能なケース本体と、ボトルの上部を覆う蓋体とを有するボトルケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボトルを収容可能なケース本体と、ボトルの上部を覆う蓋体とを有するボトルケースは周知である。
周知のボトルケースは、ネジ式のキャップを脱着する場合、蓋体を開けてボトルの上部を露出させ、キャップを手で回転させることで脱着を行っていた。
このような周知のボトルケースでは、一方の手でケース本体を保持し、他方の手でキャップを回転させる必要があり利便性が悪く、特にハンディキャップを持つ人にとってキャップの開け締めが困難となることもあった。
一方、ネジ式のキャップを脱着の利便性を向上させるため、動力駆動によりボトルのキャップを脱着する装置は公知である(特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3141324号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で公知の装置は、キャップの上方から装置をキャップに嵌合させ、装置に内蔵された駆動機構により、ネジ式のキャップを回転させるように構成されている。
しかしながら、ボトルを手で持ってこの装置を嵌合させる必要があり、キャップを回転させるための力が不要となるもの、依然として両手を用いる必要があり、利便性の向上は僅かで、握る動作が困難、片方の手が使用できない等のハンディキャップを持つ人にとっては、依然として開け締めが困難であった。
これを、ボトルを収容可能なボトルケースの蓋体として採用することで、ボトルケースに収容されたボトルのキャップを動力駆動により脱着することも考えられる。
しかしながら、蓋体の上方に駆動のための機構や電源となる電池等の重量物が配置されることとなり、ボトルケースを立てて置いた際の安定性が悪くなる。
さらに、蓋体をケース本体に対してヒンジ等で結合して開閉可能とした場合、ボトル内に残った内容物の量によっては、蓋体の開放時に自立できない可能性もある。
【0005】
そこで、本発明は、収容されたボトルのキャップを動力駆動により脱着することが可能で、立てて置いた際の安定性が高く、蓋体の開放時にも自立可能であり、特にハンディキャプを持つ人が容易にキャップを開け締め可能なボトルケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ボトルを収容可能なケース本体と、ボトルの上部を覆う蓋体とを有するボトルケースであって、前記蓋体は、ボトルのキャップを固定するとともに上方から押圧可能なチャック機構を有し、前記ケース本体は、ケース本体内でボトルを自転させる回転機構部を有し、前記回転機構部は、ボトルに回転駆動力を伝達する回転伝達部材と、前記伝達部材の下方に配置される駆動ユニットとを備えることにより、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に係る発明のボトルケースによれば、収容されたボトルのキャップを動力駆動により脱着することが可能となるとともに、回転機構部はボトルに回転駆動力を伝達する回転伝達部材と伝達部材の下方に配置される駆動ユニットとを備えることにより、重量のある回転機構部をボトルケースの最下部に配置することができ、立てて置いた際の安定性が高く、蓋体の開放時にも自立可能となる。
【0008】
請求項2に記載の構成によれば、回転機構部が取り外し可能に構成されていることにより、ケース本体から重量のある回転機構部を取り外して軽量な底蓋等を取り付けることが可能となり、キャップを動力駆動による脱着の必要がない場合に軽量で携帯性の高いボトルケースとすることが可能となる。
また、高さや外形が異なるボトルが収容される複数のボトルケースに対し共通の回転機構部とすることが可能となる。
さらに、ケース本体内部の清掃や洗浄が容易となる。
請求項3に記載の構成によれば、蓋体がケース本体に対し開閉可能にヒンジ結合されていることにより、蓋体が分離することなく、特にハンディキャップを持つ人にとって開閉動作の利便性が向上する。
また、重量のある回転機構部をボトルケースが最下部に配置されていることで、ヒンジ結合された蓋体を開いた状態であっても転倒しづらい構成となる。
【0009】
請求項4に記載の構成によれば、蓋体が駆動ユニットの操作スイッチを有することにより、ボトルケースを立てて置いた状態で、回転機構部の動作を操作することが可能となり、特にハンディキャップを持つ人にとってキャップの開閉動作の操作性が向上する。
請求項5に記載の構成によれば、回転機構部の動作を操作する際に握る動作を必要としないため、さらにキャップの開閉動作の操作性が向上する。
請求項6に記載の構成によれば、チャック機構がボトルキャップに嵌合して回転方向が固定され上下方向に移動可能な嵌合部材と、前記嵌合部材を下方に押圧するバネ部材とを有することにより、ボトルケースの最下部にある回転機構部に対してボトルを押し付けて回転駆動力の伝達を確実に行うことができるとともに、キャップの開閉動作時のキャップのネジによる上下動を吸収することが可能となる。
請求項7に記載の構成によれば、回転伝達部材がボトルの底面と接触して摩擦力で回転駆動力を伝達する摩擦駆動面を有することにより、ボトルの胴部を挟み込むことなく上方からの押付力のみでボトルの胴部の強度や、形状に左右されることなくボトルを確実に回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の1実施形態であるボトルケースのカバーを付けた状態の斜視図。
図2】本発明の1実施形態であるボトルケースの斜視図。
図3図2のストッパ側からの正面図。
図4図2のストッパ側からの正面断面図。
図5図2の側面図。
図6図2の側面断面図。
図7】蓋体の斜視図。
図8】ケース胴部の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【実施例0011】
本発明の一実施形態に係るボトルケース100は、図1乃至図8に示すように、ボトルBを収容可能なケース本体102とボトルの上部を覆う蓋体101とを有しており、蓋体101は、ケース本体102に対し開閉可能にヒンジ機構121によってヒンジ結合され、ロック機構122によって閉じた状態でロック可能に構成されている。
なお、図1に示すように、持ち手孔を有する本体カバー151がケース本体102の外周に巻きつけるよう設けられてもよい。
【0012】
蓋体101は、閉じたときにキャップCを固定するとともに上方から押圧可能なチャック機構を備えている。
チャック機構は、図4、6、7に示すように、キャップCに嵌合して回転方向は固定され上下方向に移動可能な嵌合部材111と、嵌合部材111を下方に押圧するバネ部材112とを有している。
ケース本体102は、ケース本体102内でボトルを自転させる回転機構部130を有し、回転機構部130がケース胴部140に対して取り外し可能に構成されている。
このことで、サイズや形状の異なるボトルに対して、ケース胴部140のみを変更して対応することが可能となる。
また、長さの異なるボトルに対して、ケース胴部140と回転機構部130の間に延長部材を取り付けるようにすることも可能となる。
【0013】
回転機構部130は、ボトルBに回転駆動力を伝達する回転伝達部材131と、回転伝達部材131の下方に配置される駆動ユニット133とを有している。
本実施形態では、回転伝達部材131は、ボトルBの底面と接触して摩擦力で回転駆動力を伝達する摩擦駆動面132を有しており、ボトルBを把持することなく回転させることが可能となる。
駆動ユニット133は、電動モータ134を駆動源としてギヤ機構135により回転伝達部材131を回転させるように構成されており、ケース胴部140のヒンジ機構121側の側面に設けられた電池収容部141に電動モータ134を駆動するための電池(図示せず)が収容される。
蓋体101の天面側には、1対の操作スイッチ113が設けられており、いずれかの操作スイッチ113を上方から押すことで電動モータ134の正転または逆転の操作を行うことができる。
【0014】
以上のように構成されたボトルケース100の使用時の動作について説明する。
蓋体101を開放した状態でボトルBをケース本体102に収容し、蓋体101を閉めてロック機構122をロックした際にキャップCは嵌合部材111と嵌合する。
ケース胴部140の内径はボトルBの胴部の最大径よりも大きく設定されており、ケース本体102内でボトルBが自由に回転可能に設定されている。
嵌合部材111は、キャップCに嵌合した際にキャップCを回転不能に固定するように設定されており、嵌合部材111も蓋体101に対して上下方向移動可能で回転不能に取り付けられていることで、後述するように、ボトルBをケース本体102内で回転してもキャップCが回転しないように構成されている。
【0015】
本実施形態では、ボトルケース100で開栓、閉栓されるキャップCは、硬質ポリエチレン、ポリプロピレン等の適宜の合成樹脂から形成され、キャップCの内周面にはボトルBの口部のオネジ部と螺合するメネジ部が形成され、キャップCの外周面には周方向にわたって複数形成されたナール部が形成されている。
そして、図7に示すように、嵌合部材111の内面にはキャップCのナール部と回転方向に係合可能な複数のローレット部114が設けられ、キャップCのナール部とローレット部114がお互いに係合することによって、キャップCは嵌合部材111に対して回転不能に固定される。
【0016】
蓋体101を閉めてロック機構122をロックした状態で、キャップCを嵌合した嵌合部材111がバネ部材112を僅かに圧縮してボトルBを下方押し付けるように構成されている。
この状態で、操作スイッチ113の一方を操作すると、電動モータ134に駆動されて回転伝達部材131が回転し、前述の押付力によって摩擦駆動面132を介してキャップCが緩む方向にボトルBを回転させる。
ボトルBの回転によりキャップCが嵌合した嵌合部材111は、バネ部材112をさらに圧縮して上方に移動し、キャップCが完全に開栓するとボトルBは空転する。
操作者は、空転による音の変化で開栓を確認することができる。
開栓を確認したら、ロック機構122を解除して蓋体101を開けることで、キャップCは嵌合部材111に嵌合したまま蓋体101とともに開放され、キャップCがない状態の開封されたボトルBが露出する。
【0017】
再閉栓する場合は、キャップCが嵌合部材111に嵌合した状態の蓋体101を閉めることでボトルBの口部にキャップCが嵌合する。
この状態で、ロック機構122をロックし、もう一方の操作スイッチ113を操作すると、電動モータ134に駆動されて回転伝達部材131が回転し、前述の押付力によって摩擦駆動面132を介してキャップCが締まる方向にボトルBを回転させる。
ボトルBの回転によりキャップCが嵌合した嵌合部材111は下方に移動し、キャップCが完全に再閉栓するとボトルBの回転が駆動力に抗して停止する。
操作者は、停止による音の変化で再閉栓を確認することができる。
【0018】
本実施形態では、1対の操作スイッチ113が上方から押すこと作動するように構成されているため、上記の開栓、再閉栓を、ボトルケース100を置いたまま片手で行うことが可能であり、指の動作にハンディキャップを持つ人であっても、容易に開栓、再閉栓を行うことができる。
なお、本実施形態では、電池収容部141がケース胴部140のヒンジ機構121側の側面に設けられているが、電池が回転機構部130に内蔵される等、他の場所に設けられてもよい。
また、蓋体101はケース本体102に対してヒンジ結合されているが、閉じたときに回転不能に固定される構成であれば、どのような結合方式であってもよい。
【0019】
なお、本実施形態では、開栓、閉栓されるキャップCをナール部が形成された合成樹脂製のものとしたが、キャップの材質は、樹脂、金属、ガラス等いかなるものであってもよく、嵌合部材とキャップの回転固定の構造もいかなるものであってもよい。
また、キャップが嵌合されるボトルについても、その材質は、樹脂、金属、ガラス等いかなるものであってもよい。
【符号の説明】
【0020】
100 ・・・ ボトルケース
101 ・・・ 蓋体
102 ・・・ ケース本体
111 ・・・ 嵌合部材
112 ・・・ バネ部材
113 ・・・ 操作スイッチ
114 ・・・ ローレット部
121 ・・・ ヒンジ機構
122 ・・・ ロック機構
130 ・・・ 回転機構部
131 ・・・ 回転伝達部材
132 ・・・ 摩擦駆動面
133 ・・・ 駆動ユニット
134 ・・・ 電動モータ
135 ・・・ ギヤ機構
140 ・・・ ケース胴部
141 ・・・ 電池収容部
151 ・・・ 本体カバー
C ・・・ キャップ
B ・・・ ボトル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8