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特開2024-159138媒体搬送装置、画像処理システム、媒体搬送方法及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159138
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】媒体搬送装置、画像処理システム、媒体搬送方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
H04N1/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074932
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】服部 克洋
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB17
5C062AB23
5C062AB32
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC11
(57)【要約】
【課題】利用者の利便性を向上させることが可能な媒体搬送装置、画像処理システム、媒体搬送方法及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】媒体搬送装置は、利用者により指定された撮像処理又は画像処理に関する設定情報を設定する設定部と、複数の媒体を順次搬送する搬送部と、搬送部により順次搬送された媒体を撮像して入力画像を生成する撮像部と、入力画像に基づいて、設定情報が入力画像に含まれる媒体に適合するか否かを判定する判定部と、複数の媒体のうち、設定情報が適合しないと判定された媒体の数の度合いを算出する算出部と、算出された度合いが閾値より大きい場合、以降の媒体の搬送を停止する制御部と、算出された度合いが閾値より大きい場合、利用者に判定結果に関する情報を通知する通知部と、を有する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者により指定された撮像処理又は画像処理に関する設定情報を設定する設定部と、
複数の媒体を順次搬送する搬送部と、
前記搬送部により順次搬送された媒体を撮像して入力画像を生成する撮像部と、
前記入力画像に基づいて、前記設定情報が前記入力画像に含まれる媒体に適合するか否かを判定する判定部と、
前記複数の媒体のうち、前記設定情報が適合しないと判定された媒体の数の度合いを算出する算出部と、
前記算出された度合いが閾値より大きい場合、以降の媒体の搬送を停止する制御部と、
前記算出された度合いが前記閾値より大きい場合、利用者に判定結果に関する情報を通知する通知部と、
を有することを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記度合いとして、前記複数の媒体のうちの所定数の媒体のうち、前記設定情報が適合しないと判定された媒体の割合、又は、前記設定情報が適合しないと判定された媒体の数を算出する、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記通知部は、前記判定結果に関する情報として、前記設定情報を変更して全ての媒体を再撮像する提案を通知する、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記算出された度合いが前記閾値以下である場合、媒体の搬送を停止させない、請求項1または2に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記通知部は、前記算出された度合いが前記閾値以下である場合、全ての媒体の搬送が完了した後に、前記設定情報を変更して前記設定情報が適合しないと判定された媒体を再撮像する提案を通知する、請求項4に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
前記撮像部は、前記搬送部により搬送された全ての媒体が再搬送された場合、前記設定情報が適合しないと判定された媒体のみを再撮像する、請求項4に記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
他の媒体搬送装置又は他のソフトウェアの撮像処理又は画像処理に関する能力を示す能力情報を取得する取得部をさらに有し、
前記通知部は、前記他の媒体搬送装置又は他のソフトウェアのうち、前記設定情報が適合しないと判定された媒体に適合する能力を有する媒体搬送装置又はソフトウェアに関する情報を通知する、請求項1または2に記載の媒体搬送装置。
【請求項8】
媒体搬送装置と、情報処理装置とを有する画像処理システムであって、
前記媒体搬送装置及び前記情報処理装置のうちの何れかかが、利用者により指定された撮像処理又は画像処理に関する設定情報を設定する設定部を有し、
前記媒体搬送装置が、
複数の媒体を順次搬送する搬送部と、
前記搬送部により順次搬送された媒体を撮像して入力画像を生成する撮像部と、を有し、
前記媒体搬送装置及び前記情報処理装置のうちの何れかかが、
前記入力画像に基づいて、前記設定情報が前記入力画像に含まれる媒体に適合するか否かを判定する判定部と、
前記複数の媒体のうち、前記設定情報が適合しないと判定された媒体の数の度合いを算出する算出部と、を有し、
前記媒体搬送装置が、前記算出された度合いが閾値より大きい場合、以降の媒体の搬送を停止する制御部を有し、
前記媒体搬送装置及び前記情報処理装置のうちの何れかかが、前記算出された度合いが閾値より大きい場合、利用者に判定結果に関する情報を通知する通知部を有する、
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項9】
利用者により指定された撮像処理又は画像処理に関する設定情報を設定し、
搬送部により、複数の媒体を順次搬送し、
撮像部により、前記搬送部により順次搬送された媒体を撮像して入力画像を生成し、
前記入力画像に基づいて、前記設定情報が前記入力画像に含まれる媒体に適合するか否かを判定し、
前記複数の媒体のうち、前記設定情報が適合しないと判定された媒体の数の度合いを算出し、
前記算出された度合いが閾値より大きい場合、以降の媒体の搬送を停止し、
前記算出された度合いが前記閾値より大きい場合、利用者に判定結果に関する情報を通知する、
ことを特徴とする媒体搬送方法。
【請求項10】
コンピュータの制御プログラムであって、
利用者により指定された撮像処理又は画像処理に関する設定情報を設定し、
順次搬送された複数の媒体を撮像して生成された入力画像に基づいて、前記設定情報が前記入力画像に含まれる媒体に適合するか否かを判定し、
前記複数の媒体のうち、前記設定情報が適合しないと判定された媒体の数の度合いを算出し、
前記算出された度合いが閾値より大きい場合、以降の媒体の搬送を停止し、
前記算出された度合いが前記閾値より大きい場合、利用者に判定結果に関する情報を通知する、
ことを前記コンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置、画像処理システム、媒体搬送方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の媒体を順次搬送しながら撮像して画像を生成するスキャナ等の媒体搬送装置が、様々な用途において、様々な種類の媒体を撮像するために利用されている。媒体搬送装置に求められる画像の品質は、その用途又は読取対象の媒体の種類等に応じて異なる。一般に、媒体搬送装置は、用途又は媒体の種類等に応じた適切な画像を生成するために、解像度又は色のように、媒体の撮像処理又は画像処理に関する多様な設定情報を設定できるように設けられている。しかしながら、誤った設定情報が設定されていた場合、利用者は、誤った設定情報に従って画像が生成された媒体の再搬送及び再撮像を実施する必要がある。
【0003】
原稿の読み取りが開始された後に異常が発生して原稿の情報の読み取りが中断されたとき、中断前に情報を読み取った原稿を含めて媒体セット部にセットすることを報知する原稿読み取り装置が開示されている(特許文献1を参照)。この原稿読み取り装置は、既に情報を読み取った原稿を搬送する搬送速度を、読み取りが中断された以降の原稿を搬送する搬送速度より速くする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4544926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
媒体搬送装置では、利用者の利便性を向上させることが求められている。
【0006】
本発明の目的は、利用者の利便性を向上させることが可能な媒体搬送装置、画像処理システム、媒体搬送方法及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る媒体搬送装置は、利用者により指定された撮像処理又は画像処理に関する設定情報を設定する設定部と、複数の媒体を順次搬送する搬送部と、搬送部により順次搬送された媒体を撮像して入力画像を生成する撮像部と、入力画像に基づいて、設定情報が入力画像に含まれる媒体に適合するか否かを判定する判定部と、複数の媒体のうち、設定情報が適合しないと判定された媒体の数の度合いを算出する算出部と、算出された度合いが閾値より大きい場合、以降の媒体の搬送を停止する制御部と、算出された度合いが閾値より大きい場合、利用者に判定結果に関する情報を通知する通知部と、を有する。
【0008】
本発明の一側面に係る画像処理システムは、媒体搬送装置と、情報処理装置とを有する画像処理システムであって、媒体搬送装置及び情報処理装置のうちの何れかかが、利用者により指定された撮像処理又は画像処理に関する設定情報を設定する設定部を有し、媒体搬送装置が、複数の媒体を順次搬送する搬送部と、搬送部により順次搬送された媒体を撮像して入力画像を生成する撮像部と、を有し、媒体搬送装置及び情報処理装置のうちの何れかかが、入力画像に基づいて、設定情報が入力画像に含まれる媒体に適合するか否かを判定する判定部と、複数の媒体のうち、設定情報が適合しないと判定された媒体の数の度合いを算出する算出部と、を有し、媒体搬送装置が、算出された度合いが閾値より大きい場合、以降の媒体の搬送を停止する制御部を有し、媒体搬送装置及び情報処理装置のうちの何れかかが、算出された度合いが閾値より大きい場合、利用者に判定結果に関する情報を通知する通知部を有する。
【0009】
本発明の一側面に係る媒体搬送方法は、利用者により指定された撮像処理又は画像処理に関する設定情報を設定し、搬送部により、複数の媒体を順次搬送し、撮像部により、搬送部により順次搬送された媒体を撮像して入力画像を生成し、入力画像に基づいて、設定情報が入力画像に含まれる媒体に適合するか否かを判定し、複数の媒体のうち、設定情報が適合しないと判定された媒体の数の度合いを算出し、算出された度合いが閾値より大きい場合、以降の媒体の搬送を停止し、算出された度合いが閾値より大きい場合、利用者に判定結果に関する情報を通知する。
【0010】
本発明の一側面に係る制御プログラムは、コンピュータの制御プログラムであって、利用者により指定された撮像処理又は画像処理に関する設定情報を設定し、順次搬送された複数の媒体を撮像して生成された入力画像に基づいて、設定情報が入力画像に含まれる媒体に適合するか否かを判定し、複数の媒体のうち、設定情報が適合しないと判定された媒体の数の度合いを算出し、算出された度合いが閾値より大きい場合、以降の媒体の搬送を停止し、算出された度合いが閾値より大きい場合、利用者に判定結果に関する情報を通知することをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、媒体搬送装置、画像処理システム、媒体搬送方法及び制御プログラムは、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に従った画像処理システム1の概略構成を示す図である。
図2】媒体搬送装置100を示す斜視図である。
図3】媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
図4】媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
図5】結果テーブルのデータ構造について説明するための模式図である。
図6】設定情報について説明するための模式図である。
図7】第1記憶装置130及び第1処理回路140の概略構成を示す図である。
図8】情報処理装置200の概略構成を示すブロック図である。
図9】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
図10】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
図11】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
図12】第1通知データ1200の一例を示す模式図である。
図13】第2通知データ1300の一例を示す模式図である。
図14】他の第1処理回路340の概略構成を示すブロック図である。
図15】第2記憶装置410及び第2処理回路420の概略構成を示す図である。
図16】他の第2処理回路520の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一側面に係る媒体搬送装置、画像処理システム、媒体搬送方法及び制御プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0014】
図1は、実施形態に従った画像処理システム1の概略構成を示す図である。
【0015】
図1に示すように、画像処理システム1は、一又は複数の媒体搬送装置100と、一又は複数の情報処理装置200とを有する。媒体搬送装置100及び情報処理装置200は、ネットワークNを介して、相互に通信接続されている。ネットワークNは、インターネット、イントラネット等である。
【0016】
媒体搬送装置100は、例えば原稿である媒体を搬送しながら撮像するADF(Auto Document Feeder)タイプのスキャナ装置である。媒体は、用紙、薄紙、厚紙又はカード等である。媒体は、レシート、名刺、請求書、納品書等、様々な種類の媒体を含む。なお、媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。
【0017】
情報処理装置200は、パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン等である。情報処理装置200は、クラウドネットワークに設けられたサーバでもよい。
【0018】
図2は、媒体搬送装置100を示す斜視図である。
【0019】
媒体搬送装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103、排出台104、第1入力装置105及び第1表示装置106等を備える。
【0020】
上側筐体102は、媒体搬送装置100の上面を覆う位置に配置され、媒体つまり時、媒体搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体101に係合している。
【0021】
載置台103は、搬送される媒体を載置可能に下側筐体101に係合している。排出台104は、排出口から排出された媒体を保持可能に下側筐体101に係合している。
【0022】
第1入力装置105は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。第1表示装置106は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
【0023】
図2において矢印A1は媒体搬送方向を示し、矢印A2は媒体搬送方向と直交する幅方向を示し、矢印A3は媒体搬送方向及び幅方向と直交する高さ方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。
【0024】
図3は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0025】
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、第1媒体センサ111、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第2媒体センサ116、撮像装置117、第3搬送ローラ118、第4搬送ローラ119等を有している。各ローラの数は一つに限定されず、各ローラの数はそれぞれ複数でもよい。その場合、各ローラは、それぞれ幅方向A2に間隔を空けて並べて配置される。給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119は、搬送部の一例であり、複数の媒体を順次搬送する。
【0026】
媒体搬送装置100は、いわゆるストレートパスを有する。下側筐体101の上面は、媒体の搬送路の下側ガイド107aを形成し、上側筐体102の下面は、媒体の搬送路の上側ガイド107bを形成する。
【0027】
第1媒体センサ111は、給送ローラ112及び分離ローラ113より上流側に配置される。第1媒体センサ111は、接触検出センサを有し、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。第1媒体センサ111は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第1媒体信号を生成して出力する。なお、第1媒体センサ111は接触検出センサに限定されず、第1媒体センサ111として、光検知センサ等の、媒体の有無を検出可能な他の任意のセンサが使用されてもよい。
【0028】
給送ローラ112は、下側筐体101に設けられ、載置台103に載置された媒体を下側から順に給送する。分離ローラ113は、いわゆるブレーキローラ又はリタードローラであり、上側筐体102に設けられ、給送ローラ112に対向して配置される。給送ローラ112及び分離ローラ113は、媒体を分離する分離部として機能する。
【0029】
第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115は、給送ローラ112及び分離ローラ113より下流側に、相互に対向して配置され、給送ローラ112及び分離ローラ113によって給送された媒体を撮像装置117に搬送する。
【0030】
第2媒体センサ116は、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115より下流側且つ撮像装置117より上流側に配置され、その位置に搬送された媒体を検出する。第2媒体センサ116は、媒体搬送路に対して一方の側(例えば下側筐体101)に設けられた発光器及び受光器と、媒体搬送路を挟んで発光器及び受光器と対向する位置(例えば上側筐体102)に設けられた導光管とを含む。発光器は、LED(Light Emitting Diode)等であり、媒体搬送路に向けて光を照射する。一方、受光器は、フォトダイオード等であり、発光器により照射され、導光管により導かれた光を受光する。第2媒体センサ116と対向する位置に媒体が存在するときは、発光器から照射された光は媒体により遮られるため、受光器は発光器から照射された光を検出しない。受光器は、受光する光の強度に基づいて、第2媒体センサ116の位置に媒体が存在する状態と存在しない状態とで信号値が変化する第2媒体信号を生成して出力する。
【0031】
なお、導光管の代わりに、ミラー等の反射部材が使用されてもよい。また、発光器及び受光器は、媒体搬送路を挟んで対向して設けられてもよい。また、第2媒体センサ116は、媒体が接触している場合、又は、媒体が接触していない場合に所定の電流を流す接触検知センサ等により、媒体の存在を検出してもよい。
【0032】
撮像装置117は、撮像部の一例である。撮像装置117は、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115より下流側且つ第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119より上流側に配置される。撮像装置117は、第1撮像装置117a及び第2撮像装置117bを含む。第1撮像装置117a及び第2撮像装置117bは、媒体の搬送路の近傍に、搬送路を挟んで対向して配置される。
【0033】
第1撮像装置117aは、光源、及び、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置117aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置117aは、搬送部により順次搬送された媒体の表面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0034】
同様に、第2撮像装置117bは、光源、及び、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置117bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、A/D変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置117bは、搬送部により順次搬送された媒体の裏面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0035】
媒体搬送装置100は、第1撮像装置117a及び第2撮像装置117bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0036】
また、第1撮像装置117aは、媒体搬送路を挟んで第2撮像装置117bのラインセンサと対向する位置に設けられた裏当てを有する。第2撮像装置117bは、媒体搬送路を挟んで第1撮像装置117aのラインセンサと対向する位置に設けられた裏当てを有する。各裏当ては、各ラインセンサと対向する対向面を有する。各裏当ての対向面は、例えば白色を有し、各裏当ては、対向面が撮像された画像信号に基づいてシェーディング等の画像の補正を行うための白基準部材として機能する。各裏当ては、各対向面が各ラインセンサと対向する対向位置と、各対向面が対向位置から外れた非対向位置との間で移動可能に設けられる。裏当てが対向位置に配置された状態で生成される画像内の、媒体が存在しない背景領域には裏当てが含まれ、その領域内の画素は白色を有する。一方、裏当てが非対向位置に配置された状態で生成される画像内の背景領域には、各撮像装置の底面(壁)が含まれ、その領域内の画素は黒色を有する。
【0037】
第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119は、撮像装置117より下流側に、相互に対向して配置され、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115によって搬送された媒体を排出台104上に排出する。
【0038】
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ112が図3の矢印A4の方向に回転することによって、下側ガイド107aと上側ガイド107bの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。分離ローラ113は、媒体搬送時、図3の矢印A5の方向に回転又は停止する。給送ローラ112及び分離ローラ113の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ112と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限される(重送の防止)。
【0039】
媒体は、下側ガイド107aと上側ガイド107bによりガイドされながら、第1搬送ローラ114と第2搬送ローラ115の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115がそれぞれ図3の矢印A6及びA7の方向に回転することによって、第1撮像装置117aと第2撮像装置117bの間に送り込まれる。撮像装置117により読み取られた媒体は、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119がそれぞれ図3の矢印A8及びA9の方向に回転することによって排出台104上に排出される。
【0040】
図4は、媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0041】
媒体搬送装置100は、前述した構成に加えて、モータ121、第1通信装置122、第1記憶装置130及び第1処理回路140等をさらに有する。
【0042】
モータ121は、一又は複数のモータを含む。モータ121は、第1処理回路140からの制御信号によって、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119を回転させて媒体の搬送動作を行う。なお、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115のうちの一方のローラは他方のローラに従動回転する従動ローラでもよい。また、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119のうちの一方のローラは、他方のローラに従動回転する従動ローラでもよい。
【0043】
第1通信装置122は、無線信号を送受信するアンテナと、無線LAN(Local Area Network)等の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有する。第1通信装置122は、情報処理装置200と通信可能であり、第1処理回路140からの指示に従って、情報処理装置200と通信接続して各種の画像及び情報を送受信する。なお、第1通信装置122は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信プロトコルに従った有線通信インタフェース回路を有し、ネットワークを介して情報処理装置200と接続されてもよい。また、第1通信装置122は、USB(Universal Serial Bus)等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、USBケーブル等の有線ケーブルを介して情報処理装置200と接続されてもよい。
【0044】
第1記憶装置130は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、第1記憶装置130には、媒体搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第1記憶装置130にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等である。また、コンピュータプログラムは、サーバ等から配信されて第1記憶装置130にインストールされてもよい。また、第1記憶装置130には、データとして、結果テーブルが記憶される。結果テーブルの詳細については後述する。
【0045】
第1処理回路140は、予め第1記憶装置130に記憶されているプログラムに基づいて動作する。第1処理回路140は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。第1処理回路140として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0046】
第1処理回路140は、第1入力装置105、第1表示装置106、第1媒体センサ111、第2媒体センサ116、撮像装置117、モータ121、第1通信装置122及び第1記憶装置130等と接続され、これらの各部を制御する。第1処理回路140は、第1入力装置105又は第1通信装置122を介して利用者により指定された撮像処理又は画像処理に関する設定情報を設定する。第1処理回路140は、設定した設定情報に従って、モータ121の駆動制御、撮像装置117の撮像制御等を行い、入力画像を取得する。また、第1処理回路140は、設定情報が入力画像に含まれる媒体に適合するか否かを判定し、適合しないと判定された媒体の数の度合いが閾値より大きい場合、以降の媒体の搬送を停止し、利用者に通知する。
【0047】
図5は、結果テーブルのデータ構造について説明するための模式図である。
【0048】
図5に示すように、結果テーブルには、媒体搬送装置100により搬送された媒体毎に、媒体番号、入力画像、処理画像、及び、判定結果等が相互に関連付けて記憶される。媒体番号は、搬送される媒体を識別するための番号であり、載置台103にまとめて載置され、順次搬送される媒体群の中で各媒体が搬送された順番を示す。入力画像は、設定情報に従ってその媒体が撮像された画像である。処理画像は、設定情報に従って、入力画像に対して画像処理を実施して生成された画像である。判定結果は、設定情報が、入力画像に含まれる媒体に適合するか否かを判定した結果であり、適合又は不適合を示す。結果テーブル内で各媒体に対応する項目は、媒体読取処理の開始時に初期化され、媒体が搬送されるたびに追加又は更新される。
【0049】
図6は、設定情報について説明するための模式図である。
【0050】
図6に示すように、設定情報は、撮像処理又は画像処理に関する情報であり、媒体搬送装置100が、媒体を撮像する際の動作又は撮像した画像に対して実行する画像処理の内容等を規定するための情報である。設定情報で規定される項目には、解像度、媒体サイズ、色、背景色等が含まれる。
【0051】
解像度、媒体サイズ、色、背景色等は、撮像処理に関する設定である。また、解像度、媒体サイズ、色等は、画像処理に関する設定である。
【0052】
解像度は、生成される画像の解像度の設定であり、解像度の設定値として、150dpi(Dots Per Inch)、200dpi、300dpi、600dpi、1200dpi等が設定される。媒体搬送装置100は、撮像処理において媒体の搬送速度、撮像装置117の撮像タイミング(時間間隔)、ラインセンサ内でどの位置に配置された撮像素子に撮像させるか等を設定することにより、設定された解像度を有する画像を生成することができる。また、媒体搬送装置100は、画像処理において、撮像処理で生成された画像の間引き又は補間を実行することにより、設定された解像度を有する画像を生成することができる。
【0053】
媒体サイズは、生成される画像に含まれる媒体のサイズの設定であり、媒体サイズの設定値として名刺サイズ、レターサイズ、A4サイズ、A3サイズ等が設定される。媒体搬送装置100は、撮像処理において撮像装置117の撮像終了タイミング、ラインセンサ内でどの位置に配置された撮像素子に撮像させるか等を設定することにより、設定された媒体サイズの媒体を含む画像を生成することができる。また、媒体搬送装置100は、画像処理において、撮像処理で生成された画像のクロッピングを実行することにより、設定された媒体サイズの媒体を含む画像を生成することができる。
【0054】
色は、生成される画像の色の設定であり、色の設定値として、二値、グレースケール、カラー等が設定される。媒体搬送装置100は、撮像処理において撮像装置117の光源に照射させる光の色、A/D変換器で変換する階調範囲等を設定することにより、生成される画像の色を変更することができる。また、媒体搬送装置100は、画像処理において、撮像処理で生成されたカラー画像のグレースケール変換又は二値化等を実行することにより、生成される画像の色を変更することができる。
【0055】
背景色は、生成される画像内の媒体以外の部分の色の設定であり、背景色の設定値として、白色、黒色等が設定される。媒体搬送装置100は、撮像処理において撮像装置117の裏当ての位置(対向位置/非対向位置)を切り替えることにより、生成される画像内の背景色を変更することができる。
【0056】
図7は、第1記憶装置130及び第1処理回路140の概略構成を示す図である。
【0057】
図7に示すように、第1記憶装置130には、制御プログラム131、設定プログラム132、判定プログラム133、算出プログラム134、特定プログラム135、取得プログラム136、通知プログラム137及び受付プログラム138が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。第1処理回路140は、第1記憶装置130に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、制御部141、設定部142、判定部143、算出部144、特定部145、取得部146、通知部147及び受付部148として機能する。
【0058】
図8は、情報処理装置200の概略構成を示すブロック図である。
【0059】
情報処理装置200は、第2入力装置201と、第2表示装置202と、第2通信装置203と、第2記憶装置210と、第2処理回路220とを有する。
【0060】
第2入力装置201は、キーボード、マウス等の入力装置及び入力装置から信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者の操作に応じた信号を第2処理回路220に出力する。
【0061】
第2表示装置202は、液晶、有機EL等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、第2処理回路220からの指示に従って、各種の情報をディスプレイに表示する。
【0062】
第2通信装置203は、無線信号を送受信するアンテナと、無線LAN等の所定の通信プロトコルに従って無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有する。第2通信装置203は、媒体搬送装置100と通信可能であり、第2処理回路220からの指示に従って、媒体搬送装置100と通信接続して各種の画像及び情報を送受信する。なお、第2通信装置203は、TCP/IP等の通信プロトコルに従った有線通信インタフェース回路を有し、ネットワークを介して媒体搬送装置100と接続されてもよい。また、第1通信装置122は、USB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、USBケーブル等の有線ケーブルを介して媒体搬送装置100と接続されてもよい。
【0063】
第2記憶装置210は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。第2記憶装置210には、情報処理装置200の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第2記憶装置210にインストールされてもよい。また、コンピュータプログラムは、サーバ等から配信されて第2記憶装置210にインストールされてもよい。
【0064】
第2処理回路220は、予め第2記憶装置210に記憶されているプログラムに基づいて動作する。第2処理回路220は、例えばCPUである。なお、第2処理回路220として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
【0065】
第2処理回路220は、第2入力装置201、第2表示装置202、第2通信装置203及び第2記憶装置210等と接続され、これらの各部を制御する。第2処理回路220は、第2通信装置203を介した媒体搬送装置100とのデータ送受信制御、第2入力装置201の入力制御、第2表示装置202の表示制御等を行う。
【0066】
図9図10及び図11は、媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0067】
以下、図9図10及び図11に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め第1記憶装置130に記憶されているプログラムに基づき主に第1処理回路140により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。
【0068】
最初に、制御部141は、利用者により第1入力装置105又は情報処理装置200を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、媒体の読み取りを指示する操作信号を第1入力装置105又は第1通信装置122から受信するまで待機する(ステップS101)。操作信号には、利用者により第1入力装置105又は情報処理装置200を用いて、読み取りの指示とともに指定された撮像処理又は画像処理に関する設定情報が含まれる。
【0069】
次に、設定部142は、操作信号に含まれる設定情報を取得し、取得した設定情報に示される設定に従って入力画像が生成されるように、設定情報を撮像装置117、モータ121等に設定する(ステップS102)。なお、設定情報は、読み取りの指示とともに指定されるのでなく、読み取りの指示が入力される前に予め設定され、第1記憶装置130に記憶されていてもよい。その場合、設定部142は、第1記憶装置130から設定情報を読み出すことにより取得する。また、制御部141は、搬送される媒体の媒体番号を1に設定(初期化)する。
【0070】
次に、制御部141は、載置台103に媒体が載置されるまで待機する(ステップS103)。制御部141は、第1媒体センサ111から第1媒体信号を取得し、取得した第1媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する。
【0071】
次に、制御部141は、モータ121を駆動し、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第3搬送ローラ118及び/又は第4搬送ローラ119を回転させる(ステップS104)。これにより、制御部141は、載置台103に載置された媒体を給送及び搬送させる。
【0072】
次に、制御部141は、搬送される媒体が、撮像済みであるか否かと、再撮像の対象であるか否かと、を判定する(ステップS105)。後述する処理において利用者により撮像済みの媒体に対して再撮像が指示された場合、撮像済みの媒体が再搬送される。その場合、設定情報が搬送された媒体に適合しないと判定された媒体のみが再撮像の対象となる。制御部141は、搬送中の媒体の媒体番号が、結果テーブルに既に記憶されているか否かにより、搬送される媒体が撮像済みであるか否かを判定する。また、制御部141は、結果テーブルにおいて、搬送中の媒体の媒体番号と関連付けて記憶された判定結果が不適合を示すか否かにより、搬送される媒体が再撮像の対象であるか否かを判定する。搬送される媒体が撮像済みであり且つ再撮像の対象でない場合、制御部141は、ステップS134へ処理を移行する。
【0073】
一方、搬送される媒体が撮像済みでない場合、又は、搬送される媒体が再撮像の対象である場合、設定部142は、モータ121の回転速度を第1速度に設定する(ステップS106)。第1速度は、ステップS102で取得された設定情報に従って入力画像が生成される速度、特に設定情報で指定された解像度の処理画像が生成可能な速度である。
【0074】
次に、制御部141は、撮像装置117から入力画像を取得し、取得した入力画像に基づいて処理画像を生成し、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信することにより出力する(ステップS107)。
【0075】
制御部141は、例えば、第2媒体センサ116から受信する第2媒体信号に基づいて媒体の先端が第2媒体センサ116の位置を通過したか否かを判定する。制御部141は、第2媒体センサ116から定期的に第2媒体信号を取得し、第2媒体信号の信号値が、媒体が存在しないことを示す値から媒体が存在することを示す値に変化したときに、媒体の先端が第2媒体センサ116の位置を通過したと判定する。制御部141は、媒体の先端が第2媒体センサ116の位置を通過した時に、撮像装置117に撮像を開始させる。制御部141は、ステップS102で取得された設定情報に従って入力画像が生成されるように撮像装置117を制御する。
【0076】
その後、制御部141は、ステップS102で取得された設定情報に示される媒体サイズにマージンを加えた分だけ媒体が搬送された時に、撮像装置117に撮像を終了させる。なお、制御部141は、媒体の後端が撮像装置117の撮像位置を通過した時に、撮像装置117に撮像を終了させてもよい。例えば、制御部141は、第2媒体センサ116から受信する第2媒体信号に基づいて媒体の後端が第2媒体センサ116の位置を通過したか否かを判定する。制御部141は、第2媒体センサ116から定期的に第2媒体信号を取得し、第2媒体信号の信号値が、媒体が存在することを示す値から媒体が存在しないことを示す値に変化したときに、媒体の先端が第2媒体センサ116の位置を通過したと判定する。制御部141は、媒体の後端が第2媒体センサ116の位置を通過してから第1所定時間が経過した時に媒体の後端が撮像装置117の撮像位置を通過したと判定する。第1所定時間は、媒体が第2媒体センサ116の位置から撮像位置まで移動するのに要する時間に設定される。
【0077】
制御部141は、撮像装置117が所定ライン分の入力画像を生成するたびに撮像装置117から入力画像を取得し、撮像装置117に撮像を終了させた時に、入力画像を合成する。制御部141は、撮像装置117に撮像を終了させた時に、全ライン分の入力画像をまとめて取得してもよい。制御部141は、ステップS102で取得された設定情報に従って、入力画像に対して画像処理を実施して処理画像を生成する。画像処理を実施する必要がない場合、制御部141は、入力画像自体を処理画像とする。処理画像は、入力画像に基づく画像の一例である。搬送された媒体が撮像済みでなかった場合(初めて撮像された媒体である場合)、制御部141は、搬送された媒体の媒体番号と、取得した入力画像と、生成した処理画像とを相互に関連付けて結果テーブルに記憶する。一方、搬送された媒体が撮像済みであった場合(再撮像の対象である場合)、制御部141は、結果テーブルにおいて、搬送された媒体の媒体番号と関連付けて記憶された入力画像及び処理画像を、新たに取得した入力画像及び新たに生成した処理画像に置換する。
【0078】
また、搬送された媒体が撮像済みでなかった場合(初めて撮像された媒体である場合)、制御部141は、処理画像をその媒体番号とともに情報処理装置200に送信する。情報処理装置200の第2処理回路220は、第2通信装置203を介して媒体搬送装置100から処理画像及び媒体番号を受信し、受信した処理画像及び媒体番号を関連付けて第2記憶装置210に記憶する。一方、搬送された媒体が撮像済みであった場合(再撮像の対象である場合)、制御部141は、新たに生成した処理画画像と、置換要求信号とを、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信する。置換要求信号は、第2記憶装置210に記憶された処理画像を新たに生成した処理画像に置換することを要求する信号であり、置換要求信号には、置換される処理画像に対応する媒体番号が含まれる。情報処理装置200の第2処理回路220は、第2通信装置203を介して媒体搬送装置100から置換要求信号を受信した場合、置換要求信号に含まれる媒体番号に関連付けられた処理画像を、新たに受信した処理画像に置換する。
【0079】
次に、制御部141は、通知部147により、設定情報が搬送された媒体に適合しない旨を利用者に通知済みであるか否かを判定する(ステップS108)。通知部147は、後述する処理において、判定部143により設定情報が搬送された媒体に適合しないと判定された場合、その旨を利用者に通知する。設定情報が搬送された媒体に適合しない旨を利用者に通知済みである場合、制御部141は、ステップS123へ処理を移行させる。この場合、以後、判定部143は、設定情報が搬送された媒体に適合するか否かの判定を実行しない。これにより、以後、制御部141は、設定情報が搬送された媒体に適合しない場合でも以後の媒体の搬送を停止させず、通知部147は、設定情報が搬送された媒体に適合しない旨を利用者に通知しない。したがって、利用者は、設定情報が搬送された媒体に適合しない旨の通知を受けた上でその設定情報に従って媒体の搬送を継続させることを決定した後に、繰り返し媒体の搬送が停止されて同様の通知を受けることを回避できる。媒体搬送装置100は、利用者にわずらわしさを感じさせず、利用者による利便性を向上させるとともに、媒体読取処理の処理時間の増大を抑制することができる。
【0080】
次に、判定部143は、入力画像に基づいて、利用者により設定された設定情報が、入力画像に含まれる媒体(入力画像の特徴)に適合するか否かを判定する(ステップS109)。
【0081】
例えば、判定部143は、公知のOCR(Optical Character Recognition)技術を利用して、入力画像から文字を検出する。判定部143は、検出した全ての文字の数に対する、その画素数が画素数閾値未満である文字の数の割合が文字数割合閾値以上である場合、設定情報が、入力画像に含まれる媒体に適合しないと判定する。画素数閾値及び文字数割合閾値は、予め設定される。
【0082】
判定部143は、検出した各文字の媒体上の文字サイズ(ポイント)に基づいて、設定情報が、入力画像に含まれる媒体に適合するか否かを判定してもよい。その場合、文字サイズ毎に、各文字サイズを撮像するための解像度の条件が予め第1記憶装置130に設定される。例えば文字サイズが8ポイント未満である場合の解像度の条件は400dpi以上に設定される。文字サイズが8ポイント以上且つ10ポイント以下である場合の解像度の条件は300dpi以上に設定される。文字サイズが10ポイントより大きい場合の解像度の条件は200dpi以上に設定される。判定部143は、検出した各文字の画素数と、設定情報に含まれる解像度とから文字サイズを特定し、設定情報に示される解像度が、特定した文字サイズの解像度の条件を満たすか否かを判定する。判定部143は、検出した全ての文字の数に対する、設定情報に示される解像度が文字サイズの解像度の条件を満たさない文字の数の割合が文字数割合閾値以上である場合、設定情報が、入力画像に含まれる媒体に適合しないと判定する。
【0083】
また、判定部143は、入力画像にテキスト又は罫線以外の画像データが含まれるか否かを判定する。判定部143は、入力画像内の各画素の階調値のばらつき度合いがばらつき度合い閾値以上である場合、入力画像にテキスト又は罫線以外の画像データが含まれると判定する。階調値は、輝度値又は色値等である。ばらつき度合いは、分散又は標準偏差等である。一方、判定部143は、入力画像内の各画素の階調値のばらつき度合いがばらつき度合い閾値未満である場合、入力画像にテキスト又は罫線以外の画像データが含まれないと判定する。
【0084】
判定部143は、画像が入力された場合に、画像にテキスト又は罫線以外の画像データが含まれるか否かを示す情報を出力するように事前学習された識別器により、入力画像にテキスト又は罫線以外の画像データが含まれるか否かを判定してもよい。この識別器は、例えばディープラーニング等により、様々な種類の媒体を含む複数の画像を用いて事前学習され、予め第1記憶装置130に記憶される。判定部143は、入力画像を識別器に入力し、識別器から出力された情報に基づいて、入力画像にテキスト又は罫線以外の画像データが含まれるか否かを判定する。
【0085】
判定部143は、入力画像にテキスト又は罫線以外の画像データが含まれると判定し且つ設定情報に示される解像度が予め定められた第1解像度閾値(例えば200dpi等)以下である場合、設定情報が、入力画像に含まれる媒体に適合しないと判定する。一方、判定部143は、入力画像にテキスト又は罫線以外の画像データが含まれないと判定し且つ設定情報に示される解像度が予め定められた第2解像度閾値(例えば600dpi等)以上である場合、設定情報が、入力画像に含まれる媒体に適合しないと判定する。
【0086】
また、判定部143は、入力画像にテキスト又は罫線以外の画像データが含まれると判定し且つ設定情報に示される色が二値である場合、設定情報が、入力画像に含まれる媒体に適合しないと判定する。一方、判定部143は、入力画像にテキスト又は罫線以外の画像データが含まれないと判定し且つ設定情報に示される色がカラーである場合、設定情報が、入力画像に含まれる媒体に適合しないと判定する。
【0087】
また、判定部143は、公知の画像処理技術を利用して、入力画像からエッジ画素を検出し、エッジ画素で囲まれる領域のうち、最も大きい領域を媒体領域として検出する。判定部143は、検出した媒体領域に含まれる画素の数と入力画像を生成したときの解像度とから、入力画像に含まれる媒体のサイズを算出する。判定部143は、算出したサイズと、設定情報に示される媒体サイズとが一致しない場合、設定情報が、入力画像に含まれる媒体に適合しないと判定する。また、判定部143は、入力画像内で検出された媒体領域が入力画像の下端と重なっている場合、設定情報に従って生成された入力画像に媒体全体が含まれておらず、設定情報が、入力画像に含まれる媒体に適合しないと判定する。
【0088】
また、判定部143は、媒体の一方の面が撮像された入力画像内で裏写りとみなされる範囲の階調値を有する画素を候補画素として抽出する。判定部143は、その媒体の他方の面が撮像された入力画像内で輝度値が予め定められた輝度閾値以下である画素(黒色に近い画素)を低輝度画素として抽出する。判定部143は、抽出された候補画素の数に対する、候補画素に対応する位置で抽出された低輝度画素の数の割合が、予め定められた低輝度画素割合閾値以上である場合、媒体の裏写りが発生していると判定する。判定部143は、媒体の裏写りが発生していると判定し、且つ、設定情報に示される背景色が白色である場合、設定情報が、入力画像に含まれる媒体に適合しないと判定する。
【0089】
次に、判定部143は、設定情報が、入力画像に含まれる媒体に適合するか否かの判定結果を結果テーブルに記憶する(ステップS110)。判定部143は、判定結果を、搬送された媒体の媒体番号と関連付けて結果テーブルに記憶する。
【0090】
次に、算出部144は、結果テーブルを参照し、搬送された複数の媒体のうち、設定情報が適合しないと判定された媒体の数の度合いである第1度合いを算出する(ステップS111)。算出部144は、第1度合いとして、搬送された複数の媒体のうちの所定数の媒体のうち、設定情報が適合しないと判定された媒体の割合、又は、設定情報が適合しないと判定された媒体の数を算出する。搬送された複数の媒体のうちの所定数の媒体は、例えば直近に搬送された所定数の媒体である。所定数は、二以上の任意の値に予め設定される。設定情報が適合しないと判定された媒体の数は、設定情報が適合しないと判定された媒体の連続数でもよい。
【0091】
次に、制御部141は、算出部144により算出された第1度合いが停止条件を満たすか否かを判定する(ステップS112)。停止条件は、例えば算出部144により算出された割合が第1割合閾値より大きいこと、又は、算出部144により算出された媒体の数が第1媒体数閾値より大きいこと等に予め設定される。停止条件は、算出された割合が第1割合閾値より大きいこと、及び、算出された媒体の数が第1媒体数閾値より大きいことのうちの何れか一方、又は、両方を満たすことに設定されてもよい。第1割合閾値及び/又は第1媒体数閾値は、閾値の一例であり、任意の値に予め設定される。第1割合閾値及び/又は第1媒体数閾値は、利用者により第1入力装置105又は情報処理装置200を用いて指定されてもよい。
【0092】
第1度合いが停止条件を満たさない場合、制御部141は、特に処理を実行せずに、ステップS123へ処理を移行する。即ち、算出された第1度合い(割合又は媒体の数)が閾値(第1割合閾値又は第1媒体数閾値)以下である場合、制御部141は、媒体の搬送を停止さず、通知部147は、利用者に判定結果に関する情報を通知しない。
【0093】
上記したように、媒体搬送装置100は、利用者により設定された設定情報が、一つの媒体に適合しない場合に即時に適切でないと判定するのでなく、二つ以上の媒体に対して適合するか否かにより、適切であるか否かを判定する。これにより、媒体搬送装置100は、設定情報が適切であるか否かを誤って判定することを抑制できる。したがって、媒体搬送装置100は、誤って媒体の搬送を停止すること、又は、誤って利用者に通知することを抑制し、媒体読取処理の処理時間が増大することを抑制できる。
【0094】
一方、第1度合いが停止条件を満たす場合、制御部141は、モータ121を停止させる。これにより、制御部141は、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第3搬送ローラ118及び/又は第4搬送ローラ119を停止させ、以降の媒体の搬送を一旦停止させる(ステップS113)。
【0095】
次に、特定部145は、設定情報が適合しないと判定された媒体に適合する設定情報を特定する(ステップS114)。特定部145は、判定部143による判定対象の媒体、即ち第1度合いの算出対象である所定数の媒体のうち、判定部143により設定情報が適合しないと判定された媒体に適合する設定情報を特定する。特定部145は、判定部143により適合しないと判定された各項目について、判定部143により判定された判定結果に基づいて、対応する各媒体に適合する設定情報を特定する。
【0096】
例えば、解像度の項目が適合しないと判定されていた場合、特定部145は、解像度の項目について、対応する各媒体に適合する設定情報を特定する。特定部145は、入力画像にテキスト又は罫線以外の画像データが含まれると判定されていた場合、第1解像度閾値(例えば200dpi等)より大きい解像度を、その媒体に適合する設定情報として特定する。その場合、特定部145は、媒体搬送装置100がサポートする最大解像度を、その媒体に適合する設定情報として特定してもよい。一方、特定部145は、入力画像にテキスト又は罫線以外の画像データが含まれないと判定されていた場合、第2解像度閾値(例えば600dpi等)未満である解像度を、その媒体に適合する設定情報として特定する。その場合、特定部145は、媒体搬送装置100がサポートする最小解像度を、その媒体に適合する設定情報として特定してもよい。特定部145は、複数の媒体について解像度の項目が適合しないと判定されていた場合、全ての媒体に適合するように、特定した解像度のうちの最大の解像度を、設定情報が適合しないと判定された媒体に適合する設定情報として特定する。
【0097】
また、色の項目が適合しないと判定されていた場合、特定部145は、色の項目について、対応する媒体に適合する設定情報を特定する。特定部145は、入力画像にテキスト又は罫線以外の画像データが含まれると判定されていた場合、カラー又はグレースケールを、その媒体に適合する設定情報として特定する。一方、特定部145は、入力画像にテキスト又は罫線以外の画像データが含まれないと判定されていた場合、グレースケール又は二値を、その媒体に適合する設定情報として特定する。特定部145は、複数の媒体について色の項目が適合しないと判定されていた場合、全ての媒体に適合するように、特定した色のうちの最も高い能力が求められる色を、設定情報が適合しないと判定された媒体に適合する設定情報として特定する。カラー、グレースケール、二値の順に高い能力が求められる。
【0098】
また、媒体サイズの項目が適合しないと判定されていた場合、特定部145は、媒体サイズの項目について、対応する媒体に適合する設定情報を特定する。特定部145は、ステップS109において算出された媒体のサイズを、その媒体に適合する設定情報として特定する。特定部145は、複数の媒体について媒体サイズの項目が適合しないと判定されていた場合、全ての媒体に適合するように、特定した媒体サイズのうちの最大の媒体サイズを、設定情報が適合しないと判定された媒体に適合する設定情報として特定する。
【0099】
また、背景色の項目が適合しないと判定されていた場合、特定部145は、背景色の項目について、対応する媒体に適合する設定情報を特定する。特定部145は、何れかの媒体について、媒体の裏写りが発生していると判定されていた場合、黒色を、その媒体に適合する設定情報として特定する。
【0100】
次に、特定部145は、その媒体に適合する設定情報として特定した設定情報が媒体搬送装置100によりサポートされているか否かを判定する(ステップS115)。特定した設定情報が媒体搬送装置100によりサポートされている場合、特定部145は、特に処理を実行せずにステップS118へ処理を移行させる。
【0101】
一方、特定した設定情報が媒体搬送装置100によりサポートされていない場合、取得部146は、他の媒体搬送装置又は他のソフトウェアの撮像処理又は画像処理に関する能力を示す能力情報を取得する(ステップS116)。他の媒体搬送装置は、画像処理システム1が有する、媒体搬送装置100以外の媒体搬送装置であり、他のソフトウェアは、画像処理システム1が有する、媒体搬送装置100にインストールされたソフトウェア以外のソフトウェアである。ソフトウェアは、媒体搬送装置100に各処理を実行させるドライバソフトウェア等である。能力情報は、設定情報で規定される項目毎に、媒体搬送装置又はソフトウェアが対応可能な機能(媒体を撮像する際の動作又は撮像した画像に対して実行する画像処理の内容)を示す。画像処理システム1が有する各媒体搬送装置又は各ソフトウェアの能力情報は、情報処理装置200の第2記憶装置210又は外部のサーバ装置の記憶装置等に予め記憶される。取得部146は、各媒体搬送装置又は各ソフトウェアの能力情報を、第1通信装置122を介して情報処理装置200又は外部のサーバ装置から受信することにより取得する。
【0102】
次に、特定部145は、他の媒体搬送装置又は他のソフトウェアのうち、設定情報が適合しないと判定された媒体に適合する能力を有する媒体搬送装置又はソフトウェアを特定する(ステップS117)。特定部145は、ステップS108で特定した設定情報に対応可能な能力情報を有する媒体搬送装置又はソフトウェアを、設定情報が適合しないと判定された媒体に適合する能力を有する媒体搬送装置又はソフトウェアとして特定する。
【0103】
次に、通知部147は、設定情報が、搬送された媒体に適合しないことを利用者に通知するための第1通知データを生成する。通知部147は、生成した第1通知データを、第1表示装置106に表示し、又は、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信することにより出力し、利用者に通知する(ステップS118)。情報処理装置200は、第2通信装置203を介して媒体搬送装置100から第1通知データを受信した場合、受信した第1通知データを第2表示装置202に表示させる。第1通知データは、判定部143による判定結果に関する情報の一例である。
【0104】
図12は、第1通知データ1200の一例を示す模式図である。
【0105】
図12に示すように、第1通知データ1200には、概要情報1201、詳細情報1202、媒体番号1203、画像1204、設定変更オブジェクト1205、再撮像ボタン1206、継続ボタン1207、終了ボタン1208及び付随情報1209等が含まれる。概要情報1201は、判定部143による判定結果、即ち利用者により設定された設定情報が少なくとも一部の媒体に適合しない旨、及び、設定情報を変更して全ての媒体を再撮像する提案を示す。
【0106】
このように、通知部147は、判定結果に関する情報として、設定情報を変更して全ての媒体を再撮像する提案を通知する。第1度合いが停止条件を満たしている場合、載置台103にまとめてセットされた媒体群の中に種類が異なる媒体が混じっているのでなく、利用者により設定された設定情報自体が誤っている可能性が高い。この場合、媒体搬送装置100は、利用者に設定情報を変更して全ての媒体を再撮像することを推奨し、全ての媒体を再撮像させることにより、適切な処理画像を生成する可能性を高めることができる。
【0107】
詳細情報1202は、利用者により設定された設定情報、設定情報が適合しないと判定された媒体に適合する推奨設定、その媒体に適合する推奨設定をサポートする推奨装置又は推奨ソフトウェア等を示す。推奨設定は、設定情報が適合しないと判定された媒体に適合する設定情報として特定部145により特定された特定情報である。推奨装置又は推奨ソフトウェアは、設定情報が適合しないと判定された媒体に適合する能力を有する媒体搬送装置又はソフトウェアとして特定部145により特定された媒体搬送装置又はソフトウェアである。
【0108】
このように、通知部147は、設定情報が適合しないと判定された媒体に適合する設定情報として特定部145により特定された特定情報を利用者に通知する。これにより、利用者は、各媒体に対する適切な設定を認識でき、その設定に従って各媒体を再搬送及び再撮像することができる。したがって、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0109】
また、通知部147は、他の媒体搬送装置又は他のソフトウェアのうち、設定情報が適合しないと判定された媒体に適合する能力を有する媒体搬送装置又はソフトウェアに関する情報を通知する。これにより、利用者は、各媒体に適した画像を生成できる媒体搬送装置又はソフトウェアを認識でき、その媒体搬送装置又はソフトウェアを用いて所望の画像を取得できる。したがって、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0110】
媒体番号1203及び画像1204は、設定情報が適合しないと判定された媒体毎に相互に対応付けて表示される。媒体番号1203は、判定対象の媒体のうち、設定情報が適合しないと判定された各媒体の媒体番号であり、画像1204は、各媒体が撮像された入力画像、又は、その入力画像に基づく処理画像である。利用者は、媒体番号1203及び画像1204を閲覧することにより、各媒体を設定情報に従って撮像又は処理した画像を確認でき、設定情報の妥当性を確認できる。設定変更オブジェクト1205は、利用者による設定情報の変更を受け付けるためのオブジェクトであり、設定情報に含まれる項目毎に、利用者により指定された設定値を入力するためのボックスを含む。
【0111】
再撮像ボタン1206は、設定情報を変更して媒体の再撮像を実行させるためのボタンである。利用者は、再撮像ボタン1206を押下することにより、設定変更オブジェクト1205で指定した設定情報に従って、設定情報が適合しないと判定された各媒体の再撮像を実行させることができる。継続ボタン1207は、設定情報を変更せずに媒体の搬送及び撮像を再開させるためのボタンである。利用者は、継続ボタン1207を押下することにより、現在設定されている設定情報に従って残りの媒体の搬送及び撮像を再開させることができる。終了ボタン1208は、媒体読取処理を終了させるためのボタンである。利用者は、終了ボタン1208を押下することにより、現在設定されている設定情報に従った残りの媒体の搬送及び撮像を中止することができる。付随情報1209は、再撮像を行う場合は全ての媒体を再セットする必要がある旨を示す。
【0112】
次に、受付部148は、利用者により第1入力装置105又は情報処理装置200を用いて、媒体の再搬送及び再撮像の指示、媒体の搬送及び撮像の継続の指示、又は、媒体の搬送及び撮像の終了の指示が入力されて、第1指示信号を第1入力装置105又は第1通信装置122から受信するまで待機する(ステップS119)。利用者により再撮像ボタン1206が押下された場合、受付部148は、媒体の再搬送及び再撮像を指示する第1指示信号を第1入力装置105又は第1通信装置122から受信する。媒体の再搬送及び再撮像を指示する第1指示信号には、設定変更オブジェクト1205に入力された設定情報が含まれる。利用者により継続ボタン1207が押下された場合、受付部148は、媒体の搬送及び撮像の継続(再開)を指示する第1指示信号を第1入力装置105又は第1通信装置122から受信する。利用者により終了ボタン1208が押下された場合、受付部148は、媒体の搬送及び撮像の終了を指示する第1指示信号を第1入力装置105又は第1通信装置122から受信する。
【0113】
受付部148は、第1指示信号を受信した場合、第1指示信号において媒体の再搬送及び再撮像が指示されているか否かを判定する(ステップS120)。第1指示信号において再搬送及び再撮像が指示されている場合、制御部141は、ステップS102へ処理を戻し、ステップS102以降の処理を実行する。この場合、利用者は、これまでに搬送された全ての媒体、及び、まだ搬送されていない全ての媒体を載置台103に再載置する。ステップS102において、設定部142は、第1指示信号に含まれる設定情報を取得し、取得した設定情報に示された各設定に従って入力画像が生成されるように、設定情報を撮像装置117、モータ121等に設定する。また、制御部141は、搬送される媒体の媒体番号を1に設定(初期化)する。ステップS106において、設定部142は、ステップS102で取得された設定情報に従ってモータ121の回転速度を第1速度に設定する。
【0114】
ステップS107において、制御部141は、ステップS102で取得された設定情報に従って入力画像が生成されるように撮像装置117を制御し、ステップS102で取得された設定情報に従って入力画像に対して画像処理を実施して処理画像を生成する。制御部141は、結果テーブルにおいて、搬送された媒体の媒体番号と関連付けて記憶された入力画像及び処理画像を、新たに取得した入力画像及び新たに生成した処理画像に置換する。また、制御部141は、新たに生成した処理画画像と、置換要求信号とを、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信し、情報処理装置200に処理画像を置換させる。このように、制御部141は、設定情報が適合しないと判定された媒体を再撮像して入力画像を再生成した場合、その媒体を含む処理画像が記憶された第1記憶装置130及び/又は第2記憶装置210においてその処理画像を、再生成した処理画像に置換する。これにより、利用者は、誤った設定情報に従って生成された処理画像を探し出して、再撮像した処理画像に置き換える必要がなくなり、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0115】
一方、ステップS120において、媒体の再搬送及び再撮像が指示されていなかった場合、受付部148は、第1指示信号において媒体の搬送及び撮像の継続が指示されているか、媒体の搬送及び撮像の終了が指示されているかを判定する(ステップS121)。媒体の搬送及び撮像の終了が指示されている場合、制御部141は、残りの媒体を搬送することなく媒体読取処理を終了する。
【0116】
一方、媒体の搬送及び撮像の継続が指示されている場合、制御部141は、モータ121を再駆動し、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第3搬送ローラ118及び/又は第4搬送ローラ119を再回転させる。これにより、制御部141は、載置台103に載置された残りの媒体を給送及び搬送させる(ステップS122)。
【0117】
次に、制御部141は、第1媒体センサ111から受信する第1媒体信号に基づいて載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS123)。載置台103に媒体が残っている場合、制御部141は、搬送される媒体の媒体番号をインクリメント(+1)し、次に搬送される媒体の媒体番号をセットする。そして、制御部141は、ステップS105へ処理を戻し、ステップS105~S123の処理を繰り返す。
【0118】
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、制御部141は、モータ121を停止し、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119を停止させる(ステップS124)。これにより、制御部141は、媒体の搬送を停止させる。
【0119】
次に、算出部144は、結果テーブルを参照し、搬送された複数の媒体のうち、設定情報が適合しないと判定された媒体の数の度合いである第2度合いを算出する(ステップS125)。算出部144は、第2度合いとして、搬送された全ての媒体のうち、設定情報が適合しないと判定された媒体の割合、又は、設定情報が適合しないと判定された媒体の数を算出する。設定情報が適合しないと判定された媒体の数は、設定情報が適合しないと判定された媒体の連続数でもよい。
【0120】
次に、制御部141は、算出部144により算出された第2度合いが通知条件を満たすか否かを判定する(ステップS126)。通知条件は、停止条件より緩やかな条件に設定される。通知条件は、例えば算出部144により算出された割合が第2割合閾値より大きいこと、又は、算出部144により算出された媒体の数が第2媒体数閾値より大きいこと等に予め設定される。通知条件は、例えば算出された割合が第2割合閾値より大きいこと、及び、算出された媒体の数が第2媒体数閾値より大きいことのうちの何れか一方、又は、両方を満たすことに設定されてもよい。第2割合閾値及び第2媒体数閾値は、それぞれ第1割合閾値及び第1媒体数閾値より小さい値に予め設定される。第2割合閾値及び第2媒体数閾値は、例えばそれぞれ0に設定される。その場合、設定情報と適合しない媒体が一つでも存在する場合、利用者に通知が行われる。第2割合閾値及び/又は第2媒体数閾値は、利用者により第1入力装置105又は情報処理装置200を用いて指定されてもよい。第2度合いが通知条件を満たさない場合、制御部141は、利用者に通知を行わず、媒体読取処理を終了する。
【0121】
一方、第2度合いが通知条件を満たす場合、特定部145は、ステップS114の処理と同様にして、設定情報が適合しないと判定された媒体に適合する設定情報を特定する(ステップS127)。特定部145は、判定部143により設定情報が適合しないと判定された全ての媒体に適合する設定情報を特定する。
【0122】
次に、特定部145は、ステップS115の処理と同様にして、その媒体に適合する設定情報として特定した設定情報が媒体搬送装置100によりサポートされているか否かを判定する(ステップS128)。特定した設定情報が媒体搬送装置100によりサポートされている場合、特定部145は、特に処理を実行せずにステップS131へ処理を移行させる。
【0123】
一方、特定した設定情報が媒体搬送装置100によりサポートされていない場合、取得部146は、ステップS116の処理と同様にして、他の媒体搬送装置又は他のソフトウェアの能力情報を取得する(ステップS129)。
【0124】
次に、特定部145は、ステップS117の処理と同様にして、他の媒体搬送装置又は他のソフトウェアのうち、設定情報が適合しないと判定された媒体に適合する能力を有する媒体搬送装置又はソフトウェアを特定する(ステップS130)。
【0125】
次に、通知部147は、設定情報が、搬送された媒体に適合しないことを利用者に通知するための第2通知データを生成する。通知部147は、生成した第2通知データを、第1表示装置106に表示し、又は、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信することにより出力し、利用者に通知する(ステップS131)。情報処理装置200は、第2通信装置203を介して媒体搬送装置100から第2通知データを受信した場合、受信した第1通知データを第2表示装置202に表示させる。第2通知データは、判定部143による判定結果に関する情報の一例である。
【0126】
図13は、第2通知データ1300の一例を示す模式図である。
【0127】
図13に示すように、第2通知データ1300には、概要情報1301、詳細情報1302、媒体番号1303、画像1304、設定変更オブジェクト1305、再撮像ボタン1306、終了ボタン1307及び付随情報1308等が含まれる。概要情報1301は、判定部143による判定結果、即ち利用者により設定された設定情報が一部の媒体に適合しない旨、及び、設定情報を変更して設定情報が適合しないと判定された媒体を再撮像する提案を示す。
【0128】
このように、通知部147は、算出部144により算出された第1度合いが停止条件を満たさず且つ第2度合いが通知条件を満たす場合、全ての媒体の搬送が完了した後に、設定情報を変更して、設定情報が適合しないと判定された媒体を再撮像する提案を通知する。第1度合いが停止条件を満たさず且つ第2度合いが通知条件を満たす場合、載置台103にまとめてセットされた媒体群の中に種類が異なる媒体が混じっていた可能性が高く、状況によっては再撮像が不要である可能性もある。媒体搬送装置100は、全ての媒体の搬送が完了するまで媒体の搬送を中断せずに、全ての媒体の搬送が完了してから利用者に処理を選択させることにより、状況に応じた適切な対処を実行することができる。
【0129】
詳細情報1302、媒体番号1303、画像1304、設定変更オブジェクト1305、再撮像ボタン1306、終了ボタン1307及び付随情報1308は、それぞれ第1通知データ1200の詳細情報1202、媒体番号1203、画像1204、設定変更オブジェクト1205、再撮像ボタン1206、終了ボタン1208及び付随情報1209と同様の情報、オブジェクト又はボタンである。但し、詳細情報1202は、設定情報が適合しないと判定された全ての媒体に適合する推奨設定、設定情報が適合しないと判定された全ての媒体に適合する推奨設定をサポートする推奨装置又は推奨ソフトウェア等を示す。媒体番号1303は、設定情報が適合しないと判定された全ての媒体の媒体番号である。
【0130】
次に、受付部148は、利用者により第1入力装置105又は情報処理装置200を用いて、媒体の再搬送及び再撮像の指示、又は、媒体の搬送及び撮像の終了の指示が入力されて、第2指示信号を第1入力装置105又は第1通信装置122から受信するまで待機する(ステップS132)。利用者により再撮像ボタン1306が押下された場合、受付部148は、媒体の再搬送及び再撮像を指示する第2指示信号を第1入力装置105又は第1通信装置122から受信する。媒体の再搬送及び再撮像を指示する第2指示信号には、設定変更オブジェクト1305に入力された設定情報が含まれる。利用者により終了ボタン1307が押下された場合、受付部148は、媒体の搬送及び撮像の終了を指示する第2指示信号を第1入力装置105又は第1通信装置122から受信する。
【0131】
受付部148は、第2指示信号を受信した場合、第2指示信号において媒体の再搬送及び再撮像が指示されているか、媒体の搬送及び撮像の終了が指示されているかを判定する(ステップS133)。媒体の搬送及び撮像の終了が指示されている場合、制御部141は、媒体読取処理を終了する。
【0132】
一方、第2指示信号において再搬送及び再撮像が指示されている場合、制御部141は、ステップS102へ処理を戻し、ステップS102以降の処理を実行する。この場合、利用者は、搬送された全ての媒体を載置台103に再載置する。利用者は、誤った設定情報に従って撮像された媒体を探し出して、載置台103に再載置する必要がなく、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。ステップS102において、設定部142は、第2指示信号に含まれる設定情報を取得し、取得した設定情報に示された各設定に従って入力画像が生成されるように、設定情報を撮像装置117、モータ121等に設定する。また、制御部141は、搬送される媒体の媒体番号を1に設定(初期化)する。ステップS106において、設定部142は、ステップS102で取得された設定情報に従ってモータ121の回転速度を第1速度に設定する。
【0133】
ステップS107において、制御部141は、ステップS102で取得された設定情報に従って入力画像が生成されるように撮像装置117を制御し、ステップS102で取得された設定情報に従って入力画像に対して画像処理を実施して処理画像を生成する。制御部141は、結果テーブルにおいて、搬送された媒体の媒体番号と関連付けて記憶された入力画像及び処理画像を、新たに取得した入力画像及び新たに生成した処理画像に置換する。また、制御部141は、新たに生成した処理画画像と、置換要求信号とを、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信し、情報処理装置200に処理画像を置換させる。このように、制御部141は、設定情報が適合しないと判定された媒体を再撮像して入力画像を再生成した場合、その媒体を含む処理画像が記憶された第1記憶装置130及び/又は第2記憶装置210においてその処理画像を、再生成した処理画像に置換する。これにより、利用者は、誤った設定情報に従って生成された処理画像を探し出して、再撮像した処理画像に置き換える必要がなくなり、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0134】
また、ステップS120又はS133で再搬送及び再撮像が指示され、ステップS105で搬送される媒体が撮像済みであり且つ再撮像の対象でないと判定された場合、設定部142は、モータ121の回転速度を第2速度に設定する(ステップS134)。第2速度は、第1速度以上の速度であり、例えば媒体搬送装置100が媒体を搬送可能な最高速度である。
【0135】
次に、制御部141は、撮像装置117に媒体を撮像させることなく、媒体の後端が撮像位置を通過するまで待機し(ステップS135)、ステップS123へ処理を移行する。
【0136】
このように、搬送部により搬送された全ての媒体が再搬送された場合、撮像装置117は、設定情報が適合しないと判定された媒体のみを再撮像する。撮像装置117が媒体を撮像しないことにより、媒体搬送装置100は、撮像装置117の撮像タイミングを考慮せずに、媒体を高速に搬送することができる。したがって、媒体搬送装置100は、再撮像にかかる処理時間を低減させることができる。以上により、媒体読取処理の説明を終了する。
【0137】
なお、ステップS108の処理は、ステップS109及びS110の処理の後に実行され、設定情報が搬送された媒体に適合しない旨を利用者に通知済みであっても、判定部143は、設定情報が入力画像に含まれる媒体に適合するか否かを判定してもよい。また、ステップS108の処理、ステップS114の処理、ステップS115~S117の処理、ステップS119の処理、ステップS120の処理、ステップS125~S126の処理、ステップS127の処理、ステップS128~S130の処理、ステップS131~S132の処理、ステップS133の処理、及び/又は、ステップS134~S135の処理は省略されてもよい。
【0138】
以上詳述したように、媒体搬送装置100は、所定数の媒体のうち、設定情報が適合しない媒体の割合又は数が閾値より大きい場合に、以降の媒体の搬送を停止し、利用者に通知を行う。これにより、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることが可能となった。
【0139】
特に媒体搬送装置が業務で利用される場合、一度に大量の媒体が搬送されて撮像されるケースが多い。そのときに誤った設定を利用してしまった場合、全ての媒体の搬送及び撮像が完了した後の確認フェーズで適切な画像が生成されていないことが判明し、全ての媒体を再搬送及び再撮像させる必要がある。また、大量の媒体の中に異なる種類の媒体が混じっていた場合、利用者は、搬送及び撮像が完了した媒体群の中から、異なる種類の媒体を抜き出して再搬送及び再撮像させる必要がある。媒体搬送装置100は、設定情報が、搬送された媒体に適合しない場合、以降の媒体の搬送を一旦停止させる。そのため、利用者は、全ての媒体の搬送及び撮像が完了する前に、媒体を再搬送及び再撮像させることができ、媒体搬送装置100は、媒体読取処理の処理時間が増大することを抑制できる。また、利用者は、全ての媒体の中からでなく、搬送済みの一部の媒体の中から、設定が適合しない媒体を抽出できるため、設定が適合しない媒体を容易に抽出でき、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0140】
そして、媒体搬送装置100は、設定情報が、一つの媒体に適合しない場合に即時に適切でないと判定するのでなく、二つ以上の媒体に対して適合するか否かにより、適切であるか否かを判定する。これにより、媒体搬送装置100は、設定情報が適切であるか否かを誤って判定することを抑制できる。したがって、媒体搬送装置100は、誤って媒体の搬送を停止すること、又は、誤って利用者に通知することを抑制し、媒体読取処理の処理時間が増大することを抑制できる。
【0141】
また、利用者は、画像読取処理に関する知識又はスキルが低い場合であっても、所望の画像を生成可能な設定情報、他の媒体搬送装置又は他のソフトウェアを適切に選択できる。これにより、媒体搬送装置100は、不適切な設定、媒体搬送装置100又はソフトウェアが使用されることによる画像読取処理の手戻りの発生を抑制でき、利用者の作業効率又は作業品質の低減を抑制できる。
【0142】
図14は、他の実施形態に係る媒体搬送装置における第1処理回路340の概略構成を示すブロック図である。
【0143】
第1処理回路340は、第1処理回路140の代わりに用いられ、媒体読取処理等を実行する。第1処理回路340は、制御回路341、設定回路342、判定回路343、算出回路344、特定回路345、取得回路346、通知回路347及び受付回路348等を有する。
【0144】
制御回路341は、制御部の一例であり、制御部141と同様の機能を有する。制御回路341は、第1入力装置105又は第1通信装置122から操作信号を、受付回路348から第1指示信号又は第2指示信号を、第1媒体センサ111から第1媒体信号を、第2媒体センサ116から第2媒体信号を受信する。また、制御回路341は、第1記憶装置130から第1度合いを読み出す。制御回路341は、受信した又は読み出した各情報に基づいて、モータ121を制御する。また、制御回路341は、撮像装置117から入力画像を取得し、入力画像に基づいて処理画像を生成し、第1記憶装置130に記憶するとともに、第1表示装置106又は第1通信装置122に出力する。
【0145】
設定回路342は、設定部の一例であり、設定部142と同様の機能を有する。設定回路342は、第1入力装置105又は第1通信装置122から設定情報を受信し、第1記憶装置130に記憶するとともに、撮像装置117又はモータ121に設定する。
【0146】
判定回路343は、判定部の一例であり、判定部143と同様の機能を有する。判定回路343は、第1記憶装置130から設定情報及び入力画像を読み出し、入力画像に基づいて、設定情報が入力画像に含まれる媒体に適合するか否かを判定し、判定結果を第1記憶装置130に記憶する。
【0147】
算出回路344は、算出部の一例であり、算出部144と同様の機能を有する。算出回路344は、第1記憶装置130から設定情報が入力画像に含まれる媒体に適合するか否かの判定結果を読み出し、読み出した情報に基づいて第1度合い及び第2度合いを算出し、第1記憶装置130に記憶する。
【0148】
特定回路345は、特定部の一例であり、特定部145と同様の機能を有する。特定回路345は、第1記憶装置130から入力画像を読み出し、入力画像に含まれる媒体に適合する設定情報を特定し、特定結果を第1記憶装置130に記憶する。また、特定回路345は、第1記憶装置130から設定情報及び能力情報を読み出し、媒体に適合する能力を有する媒体搬送装置又はソフトウェアを特定し、特定結果を第1記憶装置130に記憶する。
【0149】
取得回路346は、取得部の一例であり、取得部146と同様の機能を有する。取得回路346は、第1通信装置122から能力情報を受信し、第1記憶装置130に記憶する。
【0150】
通知回路347は、通知部の一例であり、通知部147と同様の機能を有する。通知回路347は、第1記憶装置130から、第1度合い、第2度合い、判定回路343による判定結果、及び、特定回路345による特定結果を読み出す。通知回路347は、第1度合い及び第2度合いに基づいて、判定回路343による判定結果、及び、特定回路345による特定結果を第1表示装置106又は第1通信装置122に出力する。
【0151】
受付回路348は、受付部の一例であり、受付部148と同様の機能を有する。受付回路348は、第1入力装置105又は第1通信装置122から第1指示信号又は第2指示信号を受信し、制御回路341に出力する。
【0152】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、第1処理回路340を用いる場合も、利用者の利便性を向上させることが可能となった。
【0153】
図15は、さらに他の実施形態に係る情報処理装置における第2記憶装置410及び第2処理回路420の概略構成を示す図である。
【0154】
図15に示すように、第2記憶装置410には、管理プログラム411、設定プログラム412、判定プログラム413、算出プログラム414、特定プログラム415、取得プログラム416、通知プログラム417及び受付プログラム418が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。第2処理回路420は、第1記憶装置130に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、管理部421、設定部422、判定部423、算出部424、特定部425、取得部426、通知部427及び受付部428として機能する。設定部422、判定部423、算出部424、特定部425、取得部426、通知部427及び受付部428は、それぞれ媒体搬送装置100の設定部142、判定部143、算出部144、特定部145、取得部146、通知部147及び受付部148と同様の機能を有する。第2記憶装置410は、第1記憶装置130が記憶する各データを記憶する。
【0155】
本実施形態において媒体読取処理が実行される場合、ステップS101において、管理部421は、利用者により第2入力装置201を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて操作信号を第2入力装置201から受信するまで待機する。管理部421は、受信した操作信号を、第2通信装置203を介して媒体搬送装置100に送信する。
【0156】
ステップS102において、設定部422は、操作信号に含まれる設定情報を取得し、取得した設定情報に示された各設定に従って入力画像を生成することを要求する要求信号を、第2通信装置203を介して媒体搬送装置100に送信する。媒体搬送装置100の設定部142は、第1通信装置122を介して情報処理装置200から要求信号を受信し、要求信号で指定された各設定に従って入力画像が生成されるように、設定情報を撮像装置117、モータ121等に設定する。これにより、設定部422は、利用者により指定された設定情報を設定する。
【0157】
ステップS107において、制御部141は、入力画像及び処理画像を、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信する。管理部421は、第2通信装置203を介して媒体搬送装置100から入力画像及び処理画像を受信し、第2記憶装置410の結果テーブルに記憶する。
【0158】
ステップS109において、判定部423は、入力画像に基づいて、利用者により設定された設定情報が入力画像に含まれる媒体に適合するか否かを判定し、ステップS110において、判定部423は、判定結果を第2記憶装置210の結果テーブルに記憶する。ステップS111において、算出部424は、結果テーブルを参照して第1度合いを算出し、第2通信装置203を介して媒体搬送装置100に送信する。媒体搬送装置100の算出部144は、第1通信装置122を介して情報処理装置200から第1度合いを受信する。
【0159】
ステップS114及びS127において、特定部425は、設定情報が適合しないと判定された媒体に適合する設定情報を特定する。ステップS115及びS128において、特定部425は、その媒体に適合する設定情報として特定した設定情報が媒体搬送装置100によりサポートされているか否かを判定する。ステップS116及びS129において、取得部426は、他の媒体搬送装置又は他のソフトウェアの撮像処理又は画像処理に関する能力を示す能力情報を取得する。ステップS117及びS130において、特定部425は、他の媒体搬送装置又は他のソフトウェアのうち、設定情報が適合しないと判定された媒体に適合する能力を有する媒体搬送装置又はソフトウェアを特定する。
【0160】
ステップS118において、通知部427は、第1通知データを生成し、生成した第1通知データを第2表示装置202に表示することにより出力し、利用者に通知する。このように、通知部427は、第1度合いが停止条件を満たす場合、設定情報を変更して全ての媒体を再撮像する提案を通知する。また、通知部427は、設定情報が適合しないと判定された媒体に適合する設定情報として特定部425により特定された特定情報を利用者に通知する。また、通知部427は、他の媒体搬送装置又は他のソフトウェアのうち、設定情報が適合しないと判定された媒体に適合する能力を有する媒体搬送装置又はソフトウェアに関する情報を通知する。
【0161】
ステップS119において、受付部428は、利用者により第2入力装置201を用いて媒体の再搬送及び再撮像の指示、媒体の搬送及び撮像の継続の指示又は媒体の搬送及び撮像の終了の指示が入力されて、第1指示信号を第2入力装置201から受信するまで待機する。受付部428は、受信した第1指示信号を、第2通信装置203を介して媒体搬送装置100に送信する。
【0162】
ステップS125において、算出部424は、結果テーブルを参照して第2度合いを算出する。媒体搬送装置100の算出部144は、第1通信装置122を介して情報処理装置200から第2度合いを受信する。
【0163】
ステップS131において、通知部427は、第2通知データを生成し、生成した第2通知データを第2表示装置202に表示することにより出力し、利用者に通知する。このように、通知部427は、第2度合いが通知条件を満たす場合、全ての媒体の搬送が完了した後に、設定情報を変更して設定情報が適合しないと判定された媒体を再撮像する提案を通知する。
【0164】
ステップS132において、受付部428は、利用者により第2入力装置201を用いて媒体の再搬送及び再撮像の指示又は媒体の搬送及び撮像の終了の指示が入力されて、第2指示信号を第2入力装置201から受信するまで待機する。受付部428は、受信した第2指示信号を、第2通信装置203を介して媒体搬送装置100に送信する。
【0165】
なお、上記において情報処理装置の各部により実行される各処理のうちの一部は、媒体搬送装置の対応する各部により実行されてもよい。
【0166】
以上詳述したように、画像処理システムは、情報処理装置が媒体読取処理の一部を実行する場合も、利用者の利便性を向上させることが可能となった。
【0167】
図16は、さらに他の実施形態に係る情報処理装置における第2処理回路520の概略構成を示すブロック図である。
【0168】
第2処理回路520は、第2処理回路420の代わりに用いられ、媒体読取処理等を実行する。第2処理回路520は、管理回路521、設定回路522、判定回路523、算出回路524、特定回路525、取得回路526、通知回路527及び受付回路528等を有する。
【0169】
管理回路521は、管理部の一例であり、管理部421と同様の機能を有する。管理回路521は、第2入力装置201から操作信号を受信し、受信した操作信号を第2通信装置203に出力する。また、管理回路521は、第2通信装置203から入力画像及び処理画像を受信し、第2記憶装置210に記憶するとともに、第2表示装置202に出力する。
【0170】
設定回路522は、設定部の一例であり、設定部422と同様の機能を有する。設定回路522は、第2入力装置201から設定情報を受信し、第2記憶装置210に記憶するとともに、第2通信装置203に出力する。
【0171】
判定回路523は、判定部の一例であり、判定部423と同様の機能を有する。判定回路523は、第2記憶装置210から設定情報及び入力画像を読み出し、入力画像に基づいて、設定情報が入力画像に含まれる媒体に適合するか否かを判定し、判定結果を第2記憶装置210に記憶する。
【0172】
算出回路524は、算出部の一例であり、算出部424と同様の機能を有する。算出回路524は、第2記憶装置210から設定情報が入力画像に含まれる媒体に適合するか否かの判定結果を読み出し、読み出した情報に基づいて第1度合い及び第2度合いを算出し、第2記憶装置210に記憶するとともに、第2通信装置203に出力する。
【0173】
特定回路525は、特定部の一例であり、特定部425と同様の機能を有する。特定回路525は、第2記憶装置210から入力画像を読み出し、入力画像に含まれる媒体に適合する設定情報を特定し、特定結果を第2記憶装置210に記憶する。また、特定回路525は、第2記憶装置210から設定情報及び能力情報を読み出し、媒体に適合する能力を有する媒体搬送装置又はソフトウェアを特定し、特定結果を第2記憶装置210に記憶する。
【0174】
取得回路526は、取得部の一例であり、取得部426と同様の機能を有する。取得回路526は、第2通信装置203から能力情報を受信し、第2記憶装置210に記憶する。
【0175】
通知回路527は、通知部の一例であり、通知部427と同様の機能を有する。通知回路527は、第2記憶装置210から、第1度合い、第2度合い、判定回路523による判定結果及び特定回路525による特定結果を読み出し、第1度合い又は第2度合いに基づいて判定結果及び/又は特定結果を第2表示装置202に出力する。
【0176】
受付回路528は、受付部の一例であり、受付部428と同様の機能を有する。受付回路528は、第2入力装置201から第1指示信号又は第2指示信号を受信し、第2通信装置203に出力する。
【0177】
以上詳述したように、情報処理装置は、第2処理回路520を用いる場合も、利用者の利便性を向上させることが可能となった。
【0178】
以上、好適な実施形態について説明してきたが、実施形態はこれらに限定されない。例えば、制御部141は、媒体の再搬送及び再撮像時に、図9のステップS107において、新たに生成された入力画像に含まれる媒体と元の入力画像に含まれる媒体とが同一であるか否かを判定してもよい。その場合、制御部141は、新たに生成された入力画像と元の入力画像との類似度合いを算出する。類似度合いは、例えば正規化相互相関等である。制御部141は、類似度合いが類似度合い閾値以上である場合、各入力画像に含まれる媒体が同一であると判定し、入力画像及び処理画像を情報処理装置200に送信する。一方、制御部141は、類似度合いが類似度合い閾値未満である場合、各入力画像に含まれる媒体が異なると判定し、警告を第1表示装置106に表示し又は第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信することにより出力し、利用者に通知する。
【0179】
また、判定部143は、設定情報が入力画像に含まれる媒体に適合するか否かを、入力画像全体を用いて判定するのでなく、入力画像の一部(先頭側の一部)のみを用いて判定してもよい。その場合、判定部143は、制御部141が撮像装置117から所定数のライン分の入力画像を取得した時点で、ステップS109の判定処理を実行する。これにより、媒体搬送装置100は、設定情報が入力画像に含まれる媒体に適合するか否かをより早期に判定することができる。
【0180】
また、受付部148は、利用者から、設定情報が適合しないと判定された媒体毎に、各媒体を再撮像するか否かの指示を受け付けてもよい。その場合、第1通知データ1200及び/又は第2通知データ1300には、設定情報が適合しないと判定された媒体毎に、各媒体を再撮像するか否かを指定するためのボタンが表示される。図9のステップS105において、制御部141は、結果テーブルにおいて判定結果が不適合を示すか否かでなく、利用者により再撮像の指示を受け付けているか否かにより、搬送される媒体が、再撮像の対象であるか否かを判定する。これにより、媒体搬送装置100は、適切でない設定情報に従って搬送及び撮像された媒体をより確実に再搬送及び再撮像させることができる。その場合、媒体搬送装置100は、利用者に全ての媒体を載置台103に再セットさせるのでなく、再撮像の対象となる媒体のみを載置台103に再セットさせてもよい。制御部141は、搬送された媒体の順番に従って、再搬送された媒体の媒体番号を特定し、対応する入力画像及び/又は処理画像を更新する。
【0181】
また、受付部148は、利用者から、設定情報が適合しないと判定された媒体が含まれる入力画像及び/又は処理画像が記憶された第1記憶装置130又は第2記憶装置210からその入力画像及び/又は処理画像を削除するか否かの指示を受け付けてもよい。その場合、第1通知データ1200及び/又は第2通知データ1300には、設定情報が適合しないと判定された媒体毎に、各媒体が撮像された入力画像及び/又は処理画像を削除するか否かを指定するためのボタンが表示される。制御部141は、結果テーブルにおいて、対応する入力画像及び/又は処理画像を削除するように指定された媒体の媒体番号に関連付けて記憶された入力画像及び/又は処理画像を削除する。また、制御部141は、処理画像を削除することを要求する削除要求信号を、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信する。削除要求信号には、削除される処理画像に対応する媒体番号が含まれる。情報処理装置200の第2処理回路220は、第2通信装置203を介して媒体搬送装置100から削除要求信号を受信した場合、削除要求信号に含まれる媒体番号に関連付けられた処理画像を第2記憶装置210から削除する。これにより、まとめて搬送された媒体の中に処理対象でない媒体が混じっていた場合、利用者は、まとめて搬送された各媒体が撮像された各画像の中から、その媒体が撮像された入力画像及び/又は処理画像を探して削除する必要がなくなる。したがって、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0182】
また、媒体搬送装置は、いわゆるUターンパスを有し、載置台に載置された媒体を上側から順に給送及び搬送し、排出台に排出してもよい。
【符号の説明】
【0183】
1 画像処理システム、100 媒体搬送装置、112 給送ローラ、113 分離ローラ、114 第1搬送ローラ、115 第2搬送ローラ、118 第3搬送ローラ、119 第4搬送ローラ、117 撮像装置、130 第1記憶装置、141 制御部、142、422 設定部、143、423 判定部、144、424 算出部、146、426 取得部、147、427 通知部、200 情報処理装置、210 第2記憶装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16