(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159140
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ヒアルロン酸増加剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9761 20170101AFI20241031BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A61K8/9761
A61Q19/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074935
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100196977
【弁理士】
【氏名又は名称】上原 路子
(72)【発明者】
【氏名】蘇木 明日香
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AD551
4C083AD552
4C083CC01
4C083CC04
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE12
4C083FF01
(57)【要約】
【課題】ヒアルロン酸増加剤の提供。
【解決手段】本発明は、ヒノキ水を有効成分として含有するヒアルロン酸増加剤を提供する。また、本発明は、対象の皮膚にヒノキ水を適用することを含む、対象の皮膚におけるヒアルロン酸増加を増加することによる保湿のための方法を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒノキ水を有効成分として含有するヒアルロン酸増加剤。
【請求項2】
表皮におけるヒアルロン酸を増加するための、請求項1に記載のヒアルロン酸増加剤。
【請求項3】
前記表皮は乾燥状態にある、請求項2に記載のヒアルロン酸増加剤。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のヒアルロン酸増加剤を含有する、皮膚塗布用組成物。
【請求項5】
必要とする対象におけるヒアルロン酸を増加するための美容目的の方法であって、
対象の皮膚にヒノキ水を適用することを含む、方法。
【請求項6】
前記対象の表皮におけるヒアルロン酸を増加するための、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記表皮は乾燥状態にある、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヒアルロン酸増加剤に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚表皮では細胞間脂質、NMF、cornified envelopeなどの成分が皮膚表面を覆うことにより皮膚バリアとして働き、水分の蒸発を防ぐ役割を果たす。ヒアルロン酸は、このような皮膚表層における被覆の形成のみならず、表皮細胞や真皮細胞といった皮膚細胞の細胞外マトリックスの構成成分として、皮膚内部から潤いを保持し保湿するという役割を果たす。
【0003】
しかしながら、乾燥、紫外線、加齢、外部からの刺激等の要因により皮膚バリアが弱くなる。とりわけ、外気の湿度が低いと表面から皮膚の乾燥が進むため、皮膚バリアにより表層での乾燥を防ぐのみならず、皮膚細胞、とりわけ皮膚バリア直下にある表皮細胞におけるヒアルロン酸を増加させることにより水分保持機能を向上させるような方策が求められる。
【0004】
特許文献1は、アスタキサンチンと組み合わせる真皮ヒアルロン酸産生促進作用を有する物質としてのヒノキチオールを開示する。特許文献2は、ヒノキ科コノデガシワ族の種子の有機溶媒を用いて抽出した油性成分に表皮ヒアルロン酸産生促進作用があることを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-63563号公報
【特許文献2】特許第5913118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、ヒアルロン酸増加剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、様々な成分について鋭意研究の結果、ヒノキ水が、皮膚におけるヒアルロン酸増加剤として特に高い効果を有することを見出し、以下の発明を完成するに至った:
(1)ヒノキ水を有効成分として含有するヒアルロン酸増加剤。
(2)表皮におけるヒアルロン酸を増加するための、(1)に記載のヒアルロン酸増加剤。
(3)前記表皮は乾燥状態にある、(2)に記載のヒアルロン酸増加剤。
(4)(1)~(3)のいずれか1項に記載のヒアルロン酸増加剤を含有する、皮膚塗布用組成物。
(5)必要とする対象におけるヒアルロン酸を増加するための美容目的の方法であって、 対象の皮膚にヒノキ水を適用することを含む、方法。
(6)前記対象の表皮におけるヒアルロン酸を増加するための、(5)に記載の方法。
(7)前記表皮は乾燥状態にある、(6)に記載の方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明のヒアルロン酸増加剤の適用により、皮膚におけるヒアルロン酸を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、ヒノキ水(5.0重量%)添加又は水添加(対照)の場合におけるCD44およびHABPを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
特許文献1は、アスタキサンチンと組み合わせる真皮ヒアルロン酸産生促進作用を有する物質としてのヒノキチオールを開示するがヒノキチオール単独での効果は確認されていない。特許文献2は、ヒノキ科コノデガシワ族の種子の有機溶媒を用いて抽出した油性成分に表皮ヒアルロン酸産生促進作用があることを開示するが、有機溶媒を用いて抽出した油性成分の使用は化粧品原料として許容されてはいるものの、皮膚状態によっては必ずしも望ましいものではない。
【0011】
本発明は、ヒノキ水を有効成分として含有するヒアルロン酸増加剤を提供する。また、ヒノキ水は天然物であるヒノキの水抽出物由来であるため、皮膚に対する刺激が少ない点でも好ましい。
【0012】
ヒアルロン酸は、N-アセチルグルコサミンとD-グルクロン酸が直鎖上に連結する分子量80万~200万程度のムコ多糖である。ヒアルロン酸は、皮膚、軟骨など広く生体内に存在し、皮膚では保湿等の役割を果たすが、紫外線や加齢により減少することが知られている。
【0013】
ヒアルロン酸の増加は、例えばヒアルロン酸増加剤を付与していない状態(対照)に比べて、ヒアルロン酸増加剤を付与した場合に、皮膚試料におけるヒアルロン酸量が増加していることにより測定できる。このようなヒアルロン酸量の増加は、例えば、目視によりヒアルロン酸の量、又はヒアルロン酸受容体(例えば、CD44等)、ヒアルロン酸結合タンパク質HABP等のヒアルロン酸マーカーの量が増えていることを確認してもよいし、あるいは、増加量を算出し有意水準を5%とした統計学的有意差(例えばスチューデントのt検定)を有する増加、又は例えば5%以上、10%以上、20%以上、30%以上などといった増加率を求めることなどにより確認することもできる。CD44、HABP等のヒアルロン酸マーカーの量は、免疫染色、ELISA等により測定可能である。
【0014】
このようなヒアルロン酸の増加作用は、in vivo、in vitro、ex vivo等を含む各種方法で測定できる。例えば、本発明で使用する皮膚試料としては、皮膚におけるヒアルロン酸又はそのマーカー量が測定できれば限定されない。例えば、皮膚試料は、採取後の皮膚試料、例えば、ヒト等の動物から採取された後のex vivoの状態の皮膚試料であってもよいし、あるいは、3D皮膚モデルなどの人工皮膚試料等を用いることができる。例えば、ヒト等の動物から採取したされた皮膚細胞を培養した、例えば、単層又は重層培養細胞、培養角化細胞、培養繊維芽細胞、又はそれらの継代された細胞、株化された細胞等を用いることができる。
【0015】
本発明で用いられるヒノキ水は、ヒノキ(Chamaecyparis obtusa Siebold et Zuccarini)の幹及び/又は枝から水で抽出して得られた水抽出物を水蒸気蒸留して得られる水相部であり、医薬部外品原料規格2006(外原規2006)に示される「外原規 ヒノキ水」の規格内容に合致するものである。ヒノキ水は、「外原規 ヒノキ水」の規格の「基原」に記載されている製造方法に基づき製造される。また市販品を容易に入手可能である。
【0016】
特定の実施形態では、本発明の剤は、有効成分としてヒノキ水を、例えば、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、又は99質量%以上含有する。別の実施形態では、本発明の剤は、ヒノキ水からなる。
【0017】
また、本発明は、表皮、とりわけ乾燥条件における表皮のヒアルロン酸を増加することが本発明者らにより発見された。したがって、本発明のヒアルロン酸増加剤は、表皮、とりわけ乾燥状態にある表皮におけるヒアルロン酸を増加するための剤であってもよい。
【0018】
乾燥条件とは、外気の湿度が低いことを意味する。例えば、一実施形態では、-10℃~50℃、好ましくは0℃~50℃、より好ましくは10℃~40℃における湿度が、40%RH以下、30%RH以下、20%RH以下、10%RH以下であることを指す。例えば、一実施形態では、20~40℃、例えば37℃、における湿度が20%RH以下であることを指す。
【0019】
本発明の剤は、医薬品、医薬部外品、化粧品等の組成物に含有されてもよい。本発明の組成物は、皮膚、例えば表皮、とりわけ乾燥条件における表皮ヒアルロン酸の増加のための組成物であってもよい。本発明の組成物は、皮膚、例えば表皮、とりわけ乾燥条件における表皮ヒアルロン酸の増加による保湿、とりわけ乾燥条件における保湿のための組成物であってもよい。
【0020】
本発明の組成物におけるヒノキ水の配合量は、それらの種類、目的、形態、利用方法などに応じて、適宜決めることができる。例えば、外用投与する場合、例えば、ヒノキ水の配合量は、本発明の組成物の総重量当たり0.001~100重量%、0.005~75重量%、0.01~50重量%、0.05~25重量%、0.1~20重量%、0.5~15重量%、1.0~10.0重量%、2.5~5.0重量%等とすることができる。
【0021】
本発明のヒアルロン酸増加剤又は組成物は、必要に応じて添加剤を任意に選択し併用することができる。添加剤としては賦形剤等を含ませることができる。
【0022】
賦形剤としては、所望の剤型としたときに通常用いられるものであれば何でも良く、例えば、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デキストリン、シクロデキストリンなどのでんぷん類、結晶セルロース類、乳糖、ブドウ糖、砂糖、還元麦芽糖、水飴、フラクトオリゴ糖、乳化オリゴ糖などの糖類、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、マンニトールなどの糖アルコール類が挙げられる。これら賦形剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0023】
その他の添加剤として、着色剤、保存剤、増粘剤、結合剤、崩壊剤、分散剤、安定化剤、ゲル化剤、酸化防止剤、界面活性剤、保存剤、pH調整剤、油分、水、アルコール類、キレート剤、シリコーン類、紫外線吸収剤、保湿剤、香料、各種薬効成分、防腐剤、中和剤等の公知のものを適宜選択して使用できる。
【0024】
上記成分に加えて、さらに必要により、本発明の効果を損なわない範囲内で、通常化粧品、医薬品、医薬部外品等等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば酸化防止剤、油分、紫外線防御剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、色材、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0025】
本発明の剤又は組成物は、経口、経皮、静脈投与、等、任意の経路で適用されてもよい。しかしながら、皮膚におけるヒアルロン酸を増加させる観点から経皮による適用が好ましい。例えば、乾燥条件にある皮膚に適用することができる。皮膚に適用される場合、化粧品、医薬部外品等、特に好適には化粧品として適用可能であり、その形態も限定されず、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水-油二層系、水-油-粉末三層系、軟膏、化粧水、ゲル、エアゾール等任意である。化粧品として用いる場合は、例えば、フェイスクリーム、マッサージクリーム、ボディクリーム、乳液、ローション、美容液、ジェル、パック、クレンジングクリーム、ハンドクリーム、化粧水、ファンデーション、口紅、リップクリーム、ハンドパウダー、ボディシャンプー、浴用化粧品等の形態として用いてもよい。外用製剤であれば、ローション剤、懸濁剤・乳剤、液剤、軟膏剤、貼付剤等の各種形態として使用できる。しかしながら、本発明の剤および組成物の採り得る形態は、上述のものに限定されるものではない。
【0026】
適用頻度は、4週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、3日に1回、2日に1回、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回、都度適用等任意に選択できるがこれらに限定されない。
【0027】
また、本発明は、必要とする対象にヒノキ水あるいは本発明の剤又は組成物を適用することを含む、対象における皮膚保湿のための方法も提供する。本発明の一実施形態では、必要とする対象にヒノキ水あるいは本発明の剤又は組成物を適用することを含む、対象における表皮ヒアルロン酸の増加による、保湿のための方法も提供する。本発明の一実施形態では、必要とする対象にヒノキ水あるいは本発明の剤又は組成物を適用することを含む、乾燥条件における保湿のための方法も提供する。乾燥条件における保湿は、乾燥条件にある対象における表皮ヒアルロン酸の増加によるものであってもよい。
【0028】
一実施形態では、必要とする対象は、ヒトを含む哺乳動物であり、好ましくはヒト対象である。対象は,皮膚の乾燥が客観的又は主観的に認められる対象であっても,皮膚の乾燥を予防したいと希望する対象であってもよい。例えば、皮膚の水分量が低い等と判断された対象であってもよく、例えば、乾燥条件や紫外線に暴露する環境など皮膚が乾燥しやすい環境にある対象であってもよい。
【0029】
本発明の方法は、美容を目的とする方法であり、疾患の治療、医師や医療従事者による治療といった医療行為ではないことがある。このような美容方法は、個人的に行われてもよいし、美容室や、化粧品の販売店、エステサロンなどで行われてもよい。
【0030】
さらに、本発明は、皮膚、例えば表皮、とりわけ乾燥条件における表皮ヒアルロン酸の増加による保湿、とりわけ乾燥条件における保湿のための医薬の製造におけるヒノキ水の使用も提供する。本発明は、皮膚、例えば表皮、とりわけ乾燥条件における表皮ヒアルロン酸の増加による保湿、とりわけ乾燥条件における保湿のためのヒノキ水も提供する。
【実施例0031】
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0032】
試料の調製
ヒノキ水は、医薬部外品原料規格2006の「外原規 ヒノキ水」の規格の「基原」に記載されている製造方法に基づき製造した。より具体的には、ヒノキ(Chamaecyparis obtusa Siebold et Zuccarini)の幹及び/又は枝から水で抽出して得られた抽出物を水蒸気蒸留して得られた液をヒノキ水として使用した。
【0033】
皮膚モデルの培養
皮膚モデルはMatTek Life Science社よりEPI-200を購入し 37℃、100%RHの条件下でEPI-200付属培地にて一晩前培養した。終濃度5.0重量%のヒノキ水を加えたEPI-200付属培地に置換し37℃、100%RHないし20%RHにて24時間培養した。24時間後、培地を交換し更に24時間培養した。このように培養した皮膚モデルを用いてヒアルロン酸の測定を行った。対照としては、ヒノキ水の代わりに同量の水を用いた以外は上記と同じ方法で作成した皮膚モデルを使用した。
【0034】
ヒアルロン酸の測定
作成した皮膚モデルは、4%パラホルムアルデヒドをセルカルチャーインサート内に1mL添加し4℃、一晩静置することにより固定処理を実施した。その後、密閉式自動固定包埋装置・ティシュー・テックVIP(商標)6AI(サクラファインテックジャパン株式会社)により脱水・脱脂・パラフィン浸透の処理工程を単一の処理槽内で自動的に行った後に、パラフィン蝋で皮膚モデル試料を固定し、パラフィンブロックを作成した。パラフィンブロックから7μmの厚さに切り出してパラフィン切片を作成した。切片を5%牛血清アルブミン(富士フィルム社)含有リン酸緩衝液(PBS(-))-0.05%tween20(PBS-T)(ナカライテスク社)にて非特異的な抗体反応を防いだ。抗CD44抗体(F10-44-2)(sc-52535,Santa Cruz社)を用いて、1次抗体反応を行った。1次抗体反応後、余剰抗体をPBS-Tにて洗い流し、二次抗体反応を実施した。二次抗体はそれぞれ抗マウスIgG-Alexa488ヤギIgG抗体(A11001,Themo Fisher社)を用いた。二次抗体反応後PBS-Tにて余剰抗体を除去した。染色後、蛍光顕微鏡を用いて観察した。
切片を3%過酸化水素水にて5分間反応させ、内在性ペルオキシダーゼを消去した。その後5%牛血清アルブミン(富士フィルム社)含有リン酸緩衝液(PBS(-))-0.05%tween20(PBS-T)(ナカライテスク社)にて非特異的な抗体反応を防いだ。ヒアルロン酸結合タンパク質HABP(BC41, Hokudo社)を用いて、1次抗体反応を行った。1次抗体反応後、余剰抗体をPBS-Tにて洗い流し、二次抗体反応を実施した。二次抗体はストレプトアビジンHorseradish Peroxidase Conjugate(02517-61,Nacalai tesque社)を用いた。二次抗体反応後PBS-Tにて余剰抗体を除去した。DAB chromogen(K3468,Dako社)にて発色反応を実施し可視化した。光学顕微鏡を用いて観察した。
【0035】
結果
結果を
図1に示す。
図1に示すように、ヒノキ水を添加した場合、CD44とHABPが増加することが示された。とりわけ、20%RHではHABPの増加が顕著であった。したがって、特に乾燥条件下でのヒアルロン酸増加効果が期待される。
本発明のヒアルロン酸増加剤の適用により、皮膚、とりわけ表皮のヒアルロン酸を増加することができる。皮膚におけるヒアルロン酸が増加すると、皮膚の保湿が可能となり、ひいてはしわや光老化等の乾燥に起因する皮膚老化の抑制が期待できる。また、本発明のかかる保湿効果はとりわけ乾燥条件下で発揮されるという利点を有する。