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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159155
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】収納装置及び収納方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/04 20060101AFI20241031BHJP
   B01L 9/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
G01N35/04 H
B01L9/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074970
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】309007184
【氏名又は名称】あおい精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 照明
【テーマコード(参考)】
2G058
4G057
【Fターム(参考)】
2G058CB08
2G058CB11
2G058CB15
2G058CB20
2G058CD11
2G058CD18
2G058CD21
2G058CD26
2G058CF09
2G058CF11
2G058CF16
2G058CF25
4G057AE08
(57)【要約】
【課題】省スペースにて多数の検体容器を保持できる収納装置及び収納方法を提供する。
【解決手段】一形態にかかる収納装置は、第1方向に複数の検体容器を保持するラックを前記第1方向に交差する第2方向に複数列収納する収納空間を有する収納部と、前記収納部に支持される複数列の前記ラックを、所定ピッチずつ順次搬入位置に向けて第2方向一方側に供給し、搬入側において前記ラックを前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向に移動させ、複数の前記ラックを、所定ピッチずつ順次第2方向他方側に回収する、移動部を、第3方向に複数段備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に複数の検体容器を保持するラックを前記第1方向に交差する第2方向に複数列収納する収納空間を有する収納部と、
前記収納部に支持される複数列の前記ラックを、所定ピッチずつ順次搬入位置に向けて第2方向一方側に供給し、搬入側において前記ラックを前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向に移動させ、複数の前記ラックを、所定ピッチずつ順次第2方向他方側に回収する、移動部を、第3方向に複数段備える、収納装置。
【請求項2】
前記ラックは、少なくとも所定の第1方向に複数の検体容器を保持可能であり
前記収納部は、前記ラックを所定の第2方向に複数列配列して支持可能であり、
前記搬入位置は、前記収納部の前記第2方向の端部に配され、
前記移動部は、第2方向に並ぶ複数の前記ラックを所定のピッチで第2方向の一方側に移動させる第1移動部と、第2方向に並ぶ複数の前記ラックを所定のピッチで第2方向の他方側に移動させる第2移動部と、前記搬入位置において前記第1移動部と前記第2移動部との間で第3方向に前記ラックを移動させる第3移動部と、を備え、
前記第1移動部と前記第2移動部とが前記第1方向及び前記第2方向と異なる第3方向において、積層して配される、請求項1に記載の収納装置。
【請求項3】
前記搬入位置に供給されたラックに複数の検体容器を移載する移載部を備え、
前記供給または前記回収において、前記第2方向において1列または2列、第1方向に5本以上の、検体容器を同時に移動させる、請求項2に記載の収納装置。
【請求項4】
前記搬入位置と反対側の端部において、前記第2方向の他方側の端部の前記ラックを、第3方向において、前記第3移動部とは反対方向に移動させる第4移動部を備える、請求項2に記載の収納装置。
【請求項5】
前記第1移動部は、前記ラックの第1方向の端部に係合及び係合解除可能な係合部を前後方向に複数個並列して備える支持プレートと、
前記ラックの幅方向の端部に係合及び係合解除可能な係合部を前後方向に複数並列して備えるとともに、前記支持プレートに対して前後方向及び昇降方向に移動可能な移動プレートと、を備え、
前記移動プレートは、前記支持プレートの複数の係合部に複数のラックの係合部がセットされた状態で、前記支持プレートに対して、所定のピッチで上昇、前進、下降、後退する巡回ルートに沿って移動することで、複数の前記ラックを前進させる前進処理を繰り返し行うことで、複数の前記ラックを順次第2方向の一方側に前進させる、請求項2に記載の収納装置。
【請求項6】
前記搬入位置は前記収納部の前端部に配置され、
前記収納部内において、前記ラックが、前後方向において、3以上配列され、
前記ラックはそれぞれ供給及び回収の移動方向に交差する幅方向において複数本の検体容器を収容可能であり、
前記第1移動部により、後方から、前記ラックを前方に移動させる供給工程と、前記第2移動部により、移載後の前記ラックを後方に移動させる後退工程と、前記第3移動部により、前端部においてラックを上下方向に移動させる昇降工程と、前記移載部により、前端部の前記搬入位置にある前記ラックに収納される幅方向複数本の検体容器を移載する搬入工程と、を並行して行う、制御部を備える、
請求項1に記載の収納装置。
【請求項7】
前記収納部を、第1方向に並べて備え、
複数の前記収納部を収容する筐体と、を備える、
請求項5に記載の収納装置。
【請求項8】
検体容器を保持するラックを収納する収納空間を有する収納部に支持される複数の前記ラックを、収納部の搬入位置に向けて、所定のピッチで順次供給することと、
前記搬入位置に供給された前記ラックに前記検体容器を移載することと、
前記検体容器が移載された前記搬入位置にある前記ラックを、所定のピッチで順次前記収納空間内に移動させて回収することと、を
並行して行う、収納方法。
【請求項9】
前記ラックは、第1方向に複数の検体容器を並べて保持し、
前記搬入位置は前記収納空間における第2方向の端部に配置され、
前記供給及び前記回収は、前記第2方向において複数のラックを移動させる、請求項8に記載の収納方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体容器の収納装置及び収納方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血液等の検体を収容可能な検体容器を立位状態で保持する収納棚が知られている。例えば縦横2方向において複数列に検体容器を保持するラックが、高さ方向において複数段に、それぞれ複数個ずつ並べられている。このような構成において、各段のラックに検体容器を架設収納する際、各段フロアに設けられたラックの上部で検体容器を移動させてラックの所定カ所の保持穴に挿入する。このため各フロアにおいてラック上部で移載アームを水平に移動させる必要があり、全てのフロアに移載アームが移動する空間や検体容器を出し入れするための空間が必要となる。したがって、鉛直方向に並ぶ複数のフロアは、上下方向に距離をあけて設置する必要があり、装置全体の高さが高くなる。また、筐体内で複数のラックを昇降移動させる構成も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-238486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
収納装置において、省スペースにて多数の検体容器を保持できる構成が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一形態にかかる収納装置は、第1方向に複数の検体容器を保持するラックを前記第1方向に交差する第2方向に複数列収納する収納空間を有する収納部と、前記収納部に支持される複数列の前記ラックを、所定ピッチずつ順次搬入位置に向けて第2方向一方側に供給し、搬入側において前記ラックを前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向に移動させ、複数の前記ラックを、所定ピッチずつ順次第2方向他方側に回収する、移動部を、第3方向に複数段備える。
【発明の効果】
【0006】
実施形態によれば、省スペースにて多数の検体容器を保持することが可能な収納装置及び収納方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態に係る収納装置の側面図。
図2】同実施形態にかかる収納装置の側面図。
図3】同実施形態にかかる収納装置の一部を示す斜視図。
図4】同実施形態にかかる収納装置の正面図。
図5】同実施形態にかかる収納装置の一部を示す斜視図。
図6】同実施形態にかかる収納装置の一部を示す平面図。
図7】同実施形態にかかる収納装置の一部を示す斜視図。
図8】同実施形態にかかる収納装置の一部を示す斜視図。
図9】同実施形態にかかる収納方法を示す説明図。
図10】同実施形態にかかる収納方法を示す説明図。
図11】同実施形態にかかる収納方法を示す説明図。
図12】同実施形態にかかる収納方法を示す説明図。
図13】同実施形態にかかる収納方法を示す説明図。
図14】同実施形態にかかる収納方法を示す説明図。
図15】同実施形態にかかる収納方法を示す説明図。
図16】同実施形態にかかる収納方法を示す説明図。
図17】同実施形態にかかる収納方法を示す説明図。
図18】比較例に係る収納装置の側面図。
図19】比較例に係る収納装置の平面図。
図20】実施形態にかかる収納装置と比較例に係る収納装置の収納効率を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態にかかる収納装置及び収納方法について、図1乃至図17を参照して説明する。図1及び図2は収納装置の側面図である。図1は移載時を示し、図2は移載アームが退避している状態を示す。図3は収納装置の一部を示す斜視図であり、図4は収納装置の一部を示す正面図である。図5は収納棚を示す斜視図であり、図6は収納棚の平面図である。図7及び図8は収納装置の一部を示す斜視図である。図9乃至図17は収納方法を示す説明図である。図中X、Y、Zは互いに直交する3方向をそれぞれ示す。装置の幅方向を第1方向(X方)、前後方向を第2方向(Y方向)、高さ方向を第3方向(Z方向)として、一例を示す。なお、各図において説明のため、適宜構成を拡大、縮小または省略して示している。
【0009】
収納装置100は、複数の収納棚1と、各収納棚1の正面部に配置され検体容器50を収納棚1に移載する複数の移載部としての移載装置2と、制御部3と、を備える。一例として収納棚1の正面部において搬入位置P1が設けられ、当該搬入位置P1における回収レーン32の高さに移載装置2が設けられる例を示す。
【0010】
本実施形態において、一例として、収納部としての3つの収納棚1と、3つの移載装置2が幅方向に並列して設けられる例を示す。例えば収納棚1や移載装置2の数はこれに限られるものではなく適宜変更可能である。例えば収納棚1や移載装置2の数は同数であってもよいし、異なっていてもよい。例えば1台の収納棚1に対して複数の移載装置2が設けられていてもよい。また複数の収納棚1に対して1台の移載装置2を備えていてもよい。
【0011】
収納棚1は、外郭部10と、複数のラック20を供給、回収、及び昇降させる移動部30と、を備える。例えば本実施形態においては、外郭部10に形成される収容空間において昇降方向である高さ方向に3段の移動部30が設けられる例を示すがこれに限られるものではない。
【0012】
外郭部10は複数段にラック20を配置できる直方体状の収容空間を形成するとともに、移載装置2に対向する正面と、その反対側の背面の両側に開口を有している。例えば収納装置100は複数の収納棚1が並列配置された状態で、筐体に収容される。筐体は、例えば幅方向に並ぶ複数の収納棚1の、上下面及び幅方向の両側面を覆うとともに、少なくとも前端部の搬入位置P1において移載及び昇降動作が可能な開口を有する。なお複数の収納棚1と複数の移載装置2とがまとめて1つの筐体内に配置されていてもよい。
【0013】
外郭部10は、前側の開口縁を形成する矩形状の前フレーム11と、後側の開口縁を形成する矩形状の後フレーム12と、前後方向に延びる複数のサイドフレーム13と、を有する。また外郭部10は、各移動部30のラック20の下側において幅方向に延びるとともに各移動部30の底部に配置される複数のクロスメンバ14を有する。
【0014】
例えばサイドフレーム13は複数の移動部30にそれぞれ設けられる供給レーン31及び回収レーン32に、それぞれ対応して配置されている。例えば本実施形態においては、収納空間の上部において3段に設けられる移動部30において、それぞれ2段ずつ、合計6箇所に、サイドフレーム13が形成される。サイドフレーム13は、それぞれ幅方向両側に設けられる。
【0015】
ラック20は、収容空間において前後方向に複数列配列され、1または複数の検体容器50を保持する。例えば、本実施形態において、ラック20は、複数本の検体容器50を一方向に複数本並べて保持する保持容器である。ラック20は、第1方向に5本以上、第2方向に2列以下の検体容器50を保持し、本実施形態においては幅方向12本の1列ずつ、検体容器50を保持して移動させる。例えばラック20は、例えば樹脂材料等からブロック状に構成されるラックベース21と、ラックベース21の両端面に形成される係合部としての係合突起22と、を一体に備える。
【0016】
ラックベース21は、検体容器50の底部が挿入される円柱状の収容穴21aを複数有する。例えばラックベース21は、X方向において1列に12本の検体容器を収容する、12個の収容穴21aを有する。
【0017】
図7及び図8に示すように、係合突起22はラックベース21の長手方向の両端部に形成される。係合突起22は、例えばラックベース21の長手方向となる装置の幅方向に突出し、移動部30の支持プレート35や移動プレート36の係合溝35a,36aに係合する。すなわち、係合突起22は、移動方向となる前後方向及び高さ方向に対して直交または交差する幅方向に、突出する。例えば係合突起22は下方に突出するV字状の挿入部22aを有する。挿入部22aは、上側に開口するV字状の溝である係合溝35a.36aに係止され、支持プレート35及び移動プレート36に保持される。なお、係合突起22の厚さ寸法は、支持プレート35と移動プレート36が重ねて配置された状態で、支持プレート35及び移動プレート36の両方に係合可能な厚さに構成される。例えば係合突起22は、係合溝35a,36aに配されることにより、支持プレート35または移動プレート36に保持され、前後方向の移動が規制される。係合突起22は、支持プレート35及び移動プレート36のいずれかに係合して保持される。
【0018】
例えばラック20は、支持プレート35の溝35aに係合突起22が支持された状態と、移動プレート36の溝36aに係合して持ち上げられた状態とで切り替え可能である。
【0019】
ラック20は移動部30の供給レーン31において、移動プレート36の溝36aに係合され持ち上げられた状態で、移動プレート36が前進することで、前進する。
【0020】
反対にラック20は回収レーン32において、移動プレート36の係合溝36aに係合され持ち上げられた状態で、移動プレート36が後退することで、後退する。
【0021】
検体容器50は、例えば透明なガラス等からチューブ状に構成された採血管であり、内部に血清などの検体を収容する円柱状の空間を有する円筒形状を成し、上部開口を有している。上部開口には栓体51が設けられている。検体容器50の外周側面には例えばラベルが接着貼付されている。ラベルには検体の識別情報等の各種情報を示す情報表示部としてのバーコードが表示されている。
【0022】
移動部30は、複数のラック20を第1方向において順次前進させる第1移動部としての供給レーン31と、複数列のラック20を順次後退させる第2移動部としての回収レーン32と、前端においてラック20を下降させる第3移動部としての昇降部33と、後端部においてラック20を上昇させる第4移動部としての昇降部34と、を備える。
【0023】
例えば移動部30は、ラック20を前進させる供給レーン31とラック20を後退させる回収レーン32とが上下2段に配置される。例えば上段が供給レーン31であり、下段が回収レーン32である例を示すが、これに限られるものではなく、例えば供給レーン31と回収レーン32が逆であってもよい。
【0024】
供給レーン31は、収容空間内において複数のラック20を同時に、所定のピッチPt毎に、順次前進させ、前開口に送る。供給レーン31は、例えば第2方向において所定数のラック20の列に対応する所定のピッチPt毎に、移動し、一例として本実施形態においては1列ずつ、順次移動させる例を示す。供給レーン31は、複数のラック20を支持する支持部材としての複数の支持プレート35と、複数のラック20を移動させる移動部材としての複数の移動プレート36と、移動プレート36を駆動する駆動部37と、を備える。なおピッチPtはラック20の前後方向の寸法に基づいて設定される。一例としてピッチPtは1列のラック20の前後方向寸法と同じか、わずかに大きく設定される。例えば供給または回収時の移動単位は、第2方向の全てのラック20の1/10以下に分けて順次移動させ、好ましくは1/20以下の単位で移動させる。例えば本実施形態では70個のラック20を1個ずつ移動させ、第2方向の全てのラック20の1/70個ずつ、となる。
【0025】
回収レーン32は、複数のラック20を同時に、所定のピッチ毎に、順次後退させ、収容空間内において後開口に送る。供給レーン31は、複数のラック20を支持する支持プレート35と、複数のラック20を移動させる移動プレート36と、駆動部37と、を備える。
【0026】
例えば供給レーン31は、前後方向においてラック20を順次前進させる前進機構部を備え、回収部はラック20を順次後退させる後退機構部を備える。なお、回収部は供給部と移動の方向が逆であるが、その他の構成は同じであるため、共通する符号を付して説明する。
【0027】
支持プレート35は、前後方向に延び、複数のラック20を支持する。例えば支持プレート35は前後方向及び上下方向に沿う両主面を有し、厚さ方向が幅方向に沿う板状に構成され、サイドフレーム13に支持される。各支持プレート35は、各移動部30の、供給レーン31と回収レーン32において、幅方向の両側に、それぞれ設けられる。すなわち、一例として本実施形態においては3セットの移動部30において、上下2段に配置される供給レーン31と回収レーン32に、左右両側において、前後方向にそれぞれ複数の支持プレート35が設けられる。
【0028】
各支持プレート35は、ラック20の両端の係合突起22に係合可能な係合溝35a,を複数有する。支持プレート35は、前後方向に延びるとともに、上側の縁に、V字形状の谷状部が複数並列形成された板状部材である。例えば支持プレート35の上縁部は、山状部と谷状部が交互に配置される波形を成し、前後方向に所定のピッチPtで並ぶ複数の係合溝35aを有する。支持プレート35は、この係合溝35aに、ラック20の係合突起22が配置されることにより、ラック20を保持可能である。また、支持プレート35はラック20よりも下方に移動し、あるいはラック20が上方に持ち上げられることにより、ラック20の係合を解除可能である。
【0029】
移動プレート36は、前後方向に延び、複数のラック20を支持する。移動プレート36は前後方向に延び、サイドフレーム13に対して、相対移動可能に支持される。移動プレート36は前後方向及び上下方向に沿う両主面を有し、厚さ方向が幅方向に沿う板状に構成される。例えば移動プレート36は、駆動部37によって、前後動作及び昇降動作することで、所定の巡回ルートに沿って移動可能である。各移動プレート36は、各移動部30の、供給レーン31と回収レーン32において、幅方向の両側に、それぞれ設けられる。すなわち、一例として本実施形態においては3セットの移動部30において、上下2段に配置される供給レーン31と回収レーン32に、左右両側において、前後方向にそれぞれ複数の移動プレート36が設けられる。
【0030】
各移動プレート36は、ラック20の両端の係合突起22に係合可能な係合溝36aを複数有する。移動プレート36は、前後方向に延びるとともに、上側の縁に、V字形状の谷状部が複数並列形成された板状部材である。例えば移動プレート36の上縁部は、山状部と谷状部が交互に配置される波形を成し、前後方向に所定のピッチPtで並ぶ複数の係合溝36aを有する。移動プレート36は、この係合溝36aに、ラック20の係合突起22が配置されることにより、ラック20を保持可能である。また、移動プレート36はラック20よりも下方に移動し、あるいはラック20が上方に持ち上げられることにより、ラック20の係合を解除可能である。
【0031】
移動プレート36の係合溝36aは、支持プレート35の係合溝35aと同じピッチPtで同形状に構成される。すなわち、移動プレート36は支持プレート35と係合溝35a、36a同士が重なるように構成される。また、移動プレート36の前端部は前進状態において、支持プレート35の前端部よりも前方に突出した位置に配置され、支持プレート35よりも前方に設けられる昇降プレート41の係合溝41aと重なる位置に、係合溝36aが配置される。すなわち、この前進状態において移動プレート36は、前後方向に並ぶ支持プレート35と昇降プレート41の両方に対して外側に対向配置される。また移動プレート36の前端部は、後退状態において、支持プレート35の前端部の係合溝35aと重なる位置に、前端部の係合溝36aが配置される位置にセットされる。
【0032】
移動プレート36は、支持プレート35及びこの支持プレート35の前方に並んで配置される昇降プレート41に対して、幅方向外側に重ねて配置される。例えば移動プレート36は、支持プレート35及び昇降プレート41に対して所定の隙間を空けて、幅方向に
重ねて配置される。
【0033】
なお、一例として、前後方向の全長にわたって複数配列されるラック20の全てを、1枚の支持プレート35及び1枚の移動プレート36と、前端部の昇降プレート41とによって支持してもよい。あるいは、前後方向に複数の組に分け、前後方向において一定の本数毎に、支持プレート35及び移動プレート36と前端部の昇降プレート41によって、支持する構成であってもよい。
【0034】
駆動部37は、第1駆動源としての複数のエアシリンダD1及び第2駆動源としての複数のエアシリンダD2を備え、移動プレート36をサイドフレーム13に対して、2方向に移動可能に支持する。例えばエアシリンダD1は高さ方向に沿うシャフトを有し、移動プレート36を高さ方向に往復動させる。エアシリンダD2は、前後方向に沿うシャフトを有し、移動プレート36を第2方向に往復動作させる。駆動部37は制御部の制御により所定のタイミングで複数のエアシリンダD1,D2を駆動することで、移動プレート36を前後及び上下に移動させ、例えば上昇、前進、下降、後退、を1セットとする巡回移動を繰り返す。そして、上昇の際にラック20を持ち上げ、下降の際にラック20の係合を解除する。そしてラック20を持ち上げて保持した状態で移動プレート36が1ピッチPt前進することでラック20を1列ずつ、前進させる。
【0035】
供給レーン31において、移動プレート36は、支持プレート35の複数の係合溝35aに複数のラック20の係合突起22がセットされた状態において、移動プレート36の複数の係合溝36aに複数のラック20の係合突起22を係合させて、上方に移動することでラック20を持ち上げて支持プレート35の保持を解除し、前進移動することで、複数のラック20を前進させ、下方に移動することでラック20を支持プレート35の係合突起22にセットし、係合突起22から退避することで、移動プレート36の係合溝36aから係合突起22を退避させて係合解除し、後退することで元の位置に戻る、循環動作を、繰り返し行うことで、順次ラック20を前進させる。
【0036】
回収レーン32において、移動プレート36は、支持プレート35の複数の係合溝35aに複数のラック20の係合突起22がセットされた状態において、移動プレート36の複数の係合溝36aに複数のラック20の係合突起22を係合させて、上方に移動することでラック20を持ち上げて支持プレート35の保持を解除し、後退移動することで、複数のラック20を後退させ、下方に移動することでラック20を支持プレート35の係合突起22にセットし、係合突起22から退避することで、移動プレート36の係合溝36aから係合突起22を退避させて係合解除し、前進することで元の位置に戻る。この循環動作を、繰り返し行うことで、順次ラック20を後退させる。
【0037】
例えば収納装置1は、供給や回収において、第2方向において1列または2列、第1方向に5本以上の、移動単位で、検体容器50を同時に移動させる。一例として本実施形態では、第2方向に1列、第1方向に12本の、移動単位で、検体容器50を、同時に、1ピッチPtずつ移動させる。
【0038】
昇降部33、34は、支持プレート35の前後の端部に隣接して配置される昇降プレート41と、昇降プレート41を第3方向に沿って昇降移動させる昇降駆動部42と、を備え、ラック20を昇降移動させる。
【0039】
例えば正面部に設けられた昇降部33は、供給レーン31の正面部、すなわち供給レーン31の下流側にあるラック20を下降させることで、回収レーン32の正面部、つまり回収レーン32における上流側に移動させる。
【0040】
同様に、背面部に設けられた昇降部34は、回収レーン32の背面部つまり回収レーン32の下流側にあるラック20を上昇させることで、供給レーン31の背面部、つまり供給レーン31における上流側に移動させる。
【0041】
昇降プレート41は、支持プレート35の前後の端部にそれぞれ並べて配置され、前後方向に沿って配列されるプレート部材である。例えば昇降プレート41は、上端縁に支持プレート35や移動プレート36と同じ形状の係合溝41aを1つ有する。昇降プレート41は支持プレート35と前後方向に隣接して並んで配置される。支持プレート35の最前部の係合溝35aと、昇降プレート41の係合溝41aとが前後方向に、各プレート35,36におけるピッチと同ピッチPtにて、並ぶように、配置される。昇降プレート41は昇降駆動部42によって、昇降移動可能に構成される。
【0042】
例えば昇降駆動部42は高さ方向に沿う昇降軸を有するエアシリンダD3を備える。昇降駆動部42は所定のタイミングで昇降プレート41を上下方向に移動させることで、昇降プレート41に保持されたラック20を、供給レーン31から回収レーン32に受け渡し、あるいは回収レーン32から供給レーン31に受け渡す。
【0043】
移載装置2は、移載元に待機している、あるいは移載元において搬送される検体容器50を、把持して、搬入位置となる最前列にあるラック20に挿入する複数の移載アーム201と、所定のタイミングで移載アーム201を動作させるアーム駆動装置202と、を備える。移載装置2は、例えば隣接配置される他の処理装置60に設けられるコンベア機構61上にある検体容器50を、複数本、例えば同時に移動するラック20に挿入される対象の本数ずつ、同時に把持し、各移動部30の最前列にあるラック20に搬入する。すなわち、本実施形態においては1列のラック20に収納する対象の本数、検体容器50を同時に保持し、ラック20に移載する。例えば供給レーン31の最前列から下降し、回収レーン32へ回収される前のタイミングで、順次ラックベース21の収容穴21aに挿入する。なお、移載元は各種処理装置60のコンベア機構61等の搬送ラインであってもよいし、待機中の各種ラックであってもよい。
【0044】
制御部3は、各種データや演算・判定結果に基づいて、各部の動作を制御するプロセッサを備える。制御部3は、具体的には、所定のタイミングで移動部30の各駆動部37,42等の機構を動作させ、ラック20を移動させる。
【0045】
例えば制御部3は、複数の移動部30の複数のエアシリンダD1.D2を駆動することで、移動プレート36を前進、下降、後退、上昇させる。すなわち上下運動と前後運動を組み合わせることで、前進、下降、後退、上昇を繰り返し、所定の巡回経路に沿って繰り替えし移動プレート36を移動させる。ここで前進及び後退のストロークは1ピッチPtであり、下降と上昇のストローク、すなわちこの移動プレート36の上下運動のストロークは例えば係合溝35a、36a、41aの深さより大きい所定距離であって、係合及び係合解除が可能な大きさに設定される。
【0046】
また、制御部3は昇降部34のエアシリンダD3を所定のタイミングで駆動することで、昇降プレート41を昇降させる。昇降動作のストロークは、上下のレーン31,32間の距離である。
【0047】
また、制御部3は所定のタイミングで移載装置2を駆動することで、移載元の検体容器50を把持し、各移動部30の最前列にあるラック20に搬入する搬入処理を行う。
【0048】
次に、本実施形態に係る収納棚1を用いた収納方法について、図9乃至図17を参照して説明する。
【0049】
一例として、各移動部30における上の供給レーン31及び回収レーン32で検体容器50が挿入されていない空のラック20を順次循環させながら、前端部の下段の回収レーン32の正面部のラック20に検体容器50を順次挿入して搬入する処理を行う。
【0050】
本実施形態にかかる収納方法は、空のラック20を順次最前列へ供給する供給工程(ST1)と、昇降部により最前列のラック20を下降させる下降工程(ST2)と、回収レーン32の後退前に、移載装置2により検体容器50を移載する移載工程(ST3)と、移載後に、回収レーン32において順次ラック20を後退させる回収工程(ST4)と、下方の回収レーン32から上方の供給レーン31にむけてラック20を上昇する上昇工程(ST5)と、を備える。さらに制御部は、所定のタイミングで、前部においてST2で下降した後、回収工程の後退処理によって空となった昇降プレート41を上昇して上側の供給レーン31に戻す復元工程(ST6)と、後部においてST5で上昇した後、供給工程の前進処理によって空となった昇降プレート41を下降して下側の回収レーン32に戻す復元工程(ST7)と、を行う。例えば上段の供給レーン31における前進処理と、前側の昇降部33における昇降処理と、下段の回収レーン32における後退処理と、後ろ側の昇降部34における昇降処理と、は、並行して行うことにより、順次、ラック20を一列ずつ、前進、下降、後退、上昇、による巡回ルートに沿って、移動させる。そして、この巡回ルートに設定される移載位置において、順次、別に待機する検体容器50を、一列ずつ、搬入する移載処理を並行して行うことで、多数の検体容器50の収納処理を、高速にて、行うことができる。なお、本実施形態では1列のラック20毎に、処理する例を示したが、これに限られるものではない。例えば同時に2列のラック20を巡回ルートにそって移動させ、2列分の挿入穴に検体容器50を同時に挿入することも可能である。また、一列の12本としたが、これに限られるものではない。
【0051】
供給工程ST1においては、供給レーン31において、前後方向に並ぶ複数のラック20をまとめて1ピッチずつ前進させる前進処理を行う。
【0052】
具体的には、支持プレート35及び移動プレート36の係合溝35a、36aに、複数のラック20が係合して保持された状態から、エアシリンダD2を駆動して、移動プレート36だけを上昇させ、移動プレート36で上段側の複数のラック20を全て上昇させる。この持ち上げにより、支持プレート35の係合を解除させる。
【0053】
続いて、移動プレート36でラック20を持ち上げ保持したまま、エアシリンダD1を駆動して、移動プレート36を1ピッチ前進させる。
【0054】
さらにエアシリンダD2を駆動して移動プレート36を下降させることで、1ピッチ前の係合溝35a,41aに、係合突起22を配置する。以上により、複数のラック20を前進させることができる。このとき、支持プレート35の最前部の係合溝35aにあったラック20の係合突起22は、図9に示すように、支持プレート35の前方に配置される昇降プレート41の係合溝41aにセットされる。そして、図10に示すように、移動プレート36を後退させることで、次の後列のラック20の前進処理に備える。
【0055】
下降工程ST2においては、前方の昇降部33により、最前列のラック20を下降する。具体的には、昇降部33のエアシリンダD3を駆動し、昇降プレート41を、下降する。以上により、図11に示すように、昇降プレート41に支持されたラック20が回収レーン32の高さまで移動する。
【0056】
移載工程ST3においては、昇降部33による下降が完了したタイミングと同時に、図1に示すように、移載装置2によって、検体容器を最前列の回収レーン32の上流側にあるラック20に、1本あるいは複数本まとめて、検体容器50を挿入する。例えば昇降プレート41によって下降してきた空のラック20が検体移載ポジションに到着後、例えば待機場所となるコンベア機構61等から専用チャックで複数本、例えば最大12本の検体容器50を同時にラック20へ移載する。
【0057】
回収工程ST4として、回収レーン32にある複数のラック20をまとめて後退させる。具体的には、まず昇降プレート41,支持プレート35及び移動プレート36の係合溝41a、35a、36aに、複数のラック20が係合して保持された状態から、図12に示すように、回収レーン32の移動プレート36を上昇させる。例えば回収レーン32においてエアシリンダD1を駆動することで、移動プレート36が上昇し最大71個のラック20を同時に持ち上げる。これにより、複数のラック20を上昇させて、支持プレート35及び昇降プレート41の係合を解除させる。
【0058】
さらに、図13に示すように、ラック20を持ち上げ保持したまま、エアシリンダD2を駆動することで、移動プレート36を1ピッチ分後ろ側へ移動させ、全てのラック20を一列分後退移動する。
【0059】
そして、図14に示すように、エアシリンダD2が動作後停止状態で、エアシリンダD1により移動プレート36を下降させることで、1ピッチPt後ろの係合溝35aに、係合突起22を配置する。以上により、複数のラック20を後退させることができる。このとき、回収レーン32の最前列の搬入直後の昇降プレート41に保持されるラック20は1ピッチPt後退することで、後続の支持プレート35の最前列の係合溝35aにセットされ、昇降プレート41の係合溝41aは空となる。以上の動作を繰り返し行うことで、専用ラックが右端まで移動する。
【0060】
さらに制御部は復元工程ST6として、図15に示すように、空になった前端部の昇降プレート41を上昇させる。
【0061】
上昇工程ST5において、後側の昇降部34により、最後列のラック20を上昇する。具体的には、昇降部34のエアシリンダD3を駆動し、昇降プレート41を、上昇させる。以上により、昇降プレート41に支持されたラック20が供給レーン31の高さまで移動する。
【0062】
そして、上昇工程ST5によって上昇した検体容器50入りのラック20は、図16及び図17に示すように、供給工程ST1によって、一列ずつ前進させられる。
【0063】
以上の処理によって、供給レーン31,前側の昇降部33、回収レーン32、後ろ側の昇降部34によって構成される循環ルートに沿って、順次ラック20が一列ずつ移動する。なお、これらの前進、下降、後退、上昇の処理は、並行して行い、順次ラック20が一つずつ順番に所定の処理ピッチで供給、下降、回収、上昇、する。すなわちある1列のラック20が最前列に送られた後、下降するタイミングで、次列のラック20が最前列に送られる。このとき、下降と同時に検体容器が搬入されるように、移載装置2においても並行して順次処理搬入処理を行う。
【0064】
具体的には、供給レーン31により、後方から、ラック20を前方に移動させる供給工程と、昇降部33により、前端部においてラック20を上下方向に移動させる昇降工程と、移載装置2により、前端部の搬入位置にあるラック20に収納される幅方向複数本の検体容器を移載する搬入工程と、回収レーン32により、移載後のラックを後方に移動させる後退工程と、を並行して行う。さらに、後端部の昇降部33により、ラック20を上方に向に移動させる昇降工程も並行して行う。
【0065】
これらの供給、下降、搬入、回収、上昇、を一定数繰り返すことで、空のラック20に、1列ずつ順次検体容器が移載され、容器50が移載された後に、後退することで、再び収納棚1内にラック20が回収される。そして、収納棚1内部で循環ルートを一周することで、供給レーン31及び回収レーン32の全てのラック20に、容器50を移載して収納することができる。
【0066】
例えば収納装置は1フロアで検体は1ラック20あたり12本、前後方向に70個のラックを収納可能に構成され、収納棚11つにつき1フロアで840本の検体容器50が収納可能である。そして、6段構造にすることにより、5040本の検体容器50が収納可能である。
【0067】
以上のように構成された収納棚1においては、収納棚1内にてラックを移動可能とすることにより、最少スペースで多数の検体容器50を収納できるようになる。すなわち、ラック20を1列ずつ移動させることにより、移載装置2の移載アーム201を各フロアに配置する必要がない。このため、移載装置2の構成を単純化できるとともに、移載アーム201の移動空間及び検体を出し入れする空間が不要となる。すなわち、順次ラックを移載場所まで移動させ、移載場所を通る循環ルートに沿って移動させ、検体のラックへの架設は収納棚の最前面でのみ行うため、移載装置をラック上部で動かすためのスペースが不要となる。したがって、フロア間の隙間を最少限とすることができ、フロアを多数積層させることができる。例えば供給側と回収側の2段1組のラック収納棚を、複数段上下に積層配置することで床面積を増やすことなく架設検体数を増加でき、検体収納効率を大幅に向上できる。なお、例えば3段の移動部30において6フロアのレーンを有するが、フロア間に形成される空間、すなわち下段の検体容器50の上端から、1つ上段のレーンの底面まで、の高さ寸法は、例えば検体容器50の高さ寸法以下とすることができる。
【0068】
例えば、収納検体数量の例として、比較例として図18及び図19に示す収納装置100Aでは、例えばX方向1200mm、Y方向900mmのエリアにおいて、XY方向に340本収容できるラックL1を1フロアに4個配列し、4フロアで合計16個のラックL1搭載することで、検体容器を5440本収納する構成である。一方、本実施形態の収納装置100によれば、例えばX方向1200mm、Y方向1400mm程度のエリアにおいて、3つの収納棚1が配列でき、各収納棚1において、1ラック20あたり12本、前後方向に70本のラック20として、1フロアに840本収納可能である。そして、6フロアの構成とし、6段のレーン31,32に合計5040本の検体容器50を配列できる。このため、収納棚1を横3列に並べ、1つの筐体内に搭載することで、省スペースで最大収納数15120本収納可能となる。すなわち、装置全体を同様のサイズとした場合に、図20に示すように、比較例にかかる収納装置100Aに対して、フットプリントに対して従来比約1.74倍の有効利用が可能となる。
【0069】
また、上記収納装置100によれば、幅方向に複数の検体容器50を並べて保持するラック20の両端に、係合突起22を設け、この係合突起22を2枚のプレート35,36の溝で保持することにより省スペースで複数のラック20を同時に移動させ、並行して処理を進めることができる。例えば薄いプレート35,36によって、移動及び受け渡しが可能な構成を実現でき、スペースを有効に使うことができる。
【0070】
なお、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0071】
例えば収納棚1に収納する検体容器50は同じ種類であってもよく、あるいは異なる種類の検体容器50を収納する構成としてもよい。例えば3フロアの移動部30において、移動部30毎に、区別して異なる種類の検体容器50を収納することも可能である。
【0072】
また、上記実施形態において、ループ状の循環経路を設定したが、移動経路は任意設定可能である。また、上記実施形態において移載装置2は、例えば検体容器50の各種処理を行う処理装置60に設けられるようにしたが、これに限られるものではない。また、移載元は一例として処理装置60のコンベア機構61に搭載された検体容器50を対象としたが、これに限られるものではない。例えば別のラックに搬入された容器を対象としてもよい。
【0073】
また、上記実施形態においては、ラック20を一列ずつ、動作させる例を示したが、これに限られるものではない。例えば2列あるいは3列以上の複数列のラック20毎に、移動する構成であってもよい。
【0074】
また、上下2段に、移動方向が逆となる1組のレーンを設定し、3セットの移動部30を備える例を示したが、これに限られるものではない。また、供給レーン31と回収レーン32の動作が逆になっていても良い。
【0075】
この他、上記実施形態に例示された各構成要素を削除してもよく、各構成要素の形状、構造、材質等を変更してもよい。上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。
【符号の説明】
【0076】
1…収納棚、2…移載装置、3…制御部、10…外郭部、11…前フレーム、12…後フレーム、13…サイドフレーム、14…クロスメンバ、20…ラック、21…ラックベース、21a…収容穴、22…係合突起、22a…挿入部、30…移動部、31…供給レーン、32…回収レーン、33…昇降部、34…昇降部、35…支持プレート、35a…係合溝、36…移動プレート、36a…係合溝、37…駆動部、41…昇降プレート、41a…係合溝、42…昇降駆動部、50…検体容器、51…栓体、60…処理装置、61…コンベア機構、100…収納装置、100A…収納装置、201…移載アーム、202…アーム駆動装置、D1…エアシリンダ、D2…エアシリンダ、D3…エアシリンダ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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