IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-モータユニット 図1
  • 特開-モータユニット 図2
  • 特開-モータユニット 図3
  • 特開-モータユニット 図4
  • 特開-モータユニット 図5
  • 特開-モータユニット 図6
  • 特開-モータユニット 図7
  • 特開-モータユニット 図8
  • 特開-モータユニット 図9
  • 特開-モータユニット 図10
  • 特開-モータユニット 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159171
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】モータユニット
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/33 20160101AFI20241031BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H02K11/33
H02K5/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075002
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】中鉢 達哉
【テーマコード(参考)】
5H605
5H611
【Fターム(参考)】
5H605BB05
5H605BB10
5H605CC01
5H605DD03
5H605DD09
5H605EC05
5H605EC12
5H605GG06
5H611BB01
5H611BB04
5H611TT00
5H611TT01
5H611UA04
(57)【要約】
【課題】水平方向の寸法を小さくすること。
【解決手段】モータユニットは、インバータと外部電源コネクタとを接続するバスバアッシーを備える。バスバアッシーは、インバータの一対の入力端子に各々接続される第1バスバ及び第2バスバと、絶縁性のホルダと、を有する。第1バスバ及び第2バスバの各コネクタ側バスバは、ホルダの上面に対向し、外部電源コネクタに接続される第1固定部と、ホルダの下面に対向する第2固定部と、第1固定部及び第2固定部を接続する第1中間部と、を各々有する。第1バスバ及び第2バスバの各インバータ側バスバは、第2固定部に接続される第3固定部と、ホルダの下方でインバータに接続される第4固定部と、第3固定部及び第4固定部を接続する第2中間部と、を各々有する。各第1固定部は前後方向に並んで配置され、各第4固定部は軸方向に並んで配置され、第2バスバの第1中間部は第1バスバと上下方向に重なる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ軸を中心に回転可能なロータを有するモータと、
複数のギヤを有し前記モータの動力を伝達する伝達機構と、
前記伝達機構によって伝達される動力を外部に出力する出力軸と、
前記モータに電気的に接続されるインバータと、
前記インバータと外部電源コネクタとを電気的に接続するバスバアッシーと
を備え、
前記バスバアッシーは、
前記インバータの一方の入力端子に電気的に接続される第1バスバと、
前記インバータの他方の入力端子に電気的に接続される第2バスバと、
絶縁性のホルダと、
を有し、
前記第1バスバおよび前記第2バスバは、前記外部電源コネクタ側のコネクタ側バスバおよび前記インバータ側のインバータ側バスバをそれぞれ有し、
各前記コネクタ側バスバは、
前記ホルダの上面に対向し、前記外部電源コネクタに接続される第1固定部と、
前記ホルダの下面に対向する第2固定部と、
前記第1固定部および前記第2固定部を電気的に接続する第1中間部と、
をそれぞれ有し、
各前記インバータ側バスバは、
前記第2固定部に接続される第3固定部と、
前記ホルダの下方で前記インバータに接続される第4固定部と、
前記第3固定部および前記第4固定部を電気的に接続する第2中間部と、
をそれぞれ有し、
前記第1バスバの前記第1固定部および前記第2バスバの前記第1固定部は、前記モータ軸の軸方向および上下方向と直交する前後方向に並んで配置され、
前記第1バスバの前記第4固定部および前記第2バスバの前記第4固定部は、前記軸方向に並んで配置され、
前記第2バスバの前記第1中間部は、前記第1バスバと前記上下方向に重なる
モータユニット。
【請求項2】
前記第1バスバの前記第1中間部は、前記ホルダの前記前後方向の他方側の面に沿って前記上下方向に延び、
前記軸方向から見て、前記前後方向の他方側から、前記第1バスバの前記第2固定部と前記第1バスバの前記第3固定部との接続部、前記第1バスバと前記外部電源コネクタとの接続部、前記第2バスバと前記外部電源コネクタとの接続部の順に並んで配置される
請求項1に記載のモータユニット。
【請求項3】
前記ホルダは、前記第2バスバと前記外部電源コネクタとの接続部の前記軸方向の他方側において、上面から下側に向かって凹み、前記前後方向に延びる溝部を有し、
前記第2バスバの前記第1中間部は、板厚方向が前記軸方向を向くように前記溝部に収容され、
前記第2バスバの前記第2固定部は、前記第2バスバの前記第1中間部における前記前後方向の他方側の端部において、当該第1中間部の下端から前記軸方向の他方側に延びる
請求項1または2に記載のモータユニット。
【請求項4】
前記ホルダは、前記溝部における前記軸方向の他方側に、前記前後方向に延び、かつ下側に凹む収容部を有する
請求項3に記載のモータユニット。
【請求項5】
前記第2バスバの前記第1中間部は、前記第1バスバの前記第4固定部の上側に位置し、前記ホルダを介して前記第1バスバの前記第4固定部と前記上下方向に重なる
請求項3に記載のモータユニット。
【請求項6】
前記ホルダは、下面から下側に突出する第1位置決めピンおよび第2位置決めピンを有し、
前記第1バスバの前記第3固定部は、前記第1位置決めピンが挿入される第1貫通孔を有し、
前記第2バスバの前記第3固定部は、前記第2位置決めピンが挿入される第2貫通孔を有する
請求項1または2に記載のモータユニット。
【請求項7】
前記第2バスバの前記第2固定部は、前記第2位置決めピンが挿入される切り欠きを有する
請求項6に記載のモータユニット。
【請求項8】
各前記第3固定部は、前記軸方向から見て、それぞれ前記前後方向に延び、
各前記第4固定部は、前記軸方向から見て、前記前後方向の他方側に向かうにつれて下側に傾斜する
請求項1または2に記載のモータユニット。
【請求項9】
前記第1バスバの前記第4固定部に対して垂直な方向から見て、前記第1バスバの前記第4固定部と前記第2バスバの前記第2固定部および前記第3固定部とが重なる
請求項8に記載のモータユニット。
【請求項10】
前記インバータを収容するインバータハウジング、を備え、
前記インバータハウジングは、
前記インバータを収容するインバータ収容部と、
前記ホルダを収容するホルダ収容部と、
前記インバータ収容部と前記ホルダ収容部との間に配置される隔壁と、
前記隔壁から前記ホルダ収容部に向かって突出し、前記軸方向に延びる複数のリブと、
を有し、
前記前後方向の他方側の前記リブは、前記前後方向の一方側の前記リブよりも前記上下方向の寸法が大きい
請求項1または2に記載のモータユニット。
【請求項11】
各前記第2固定部および各前記第3固定部は、前記ホルダ収容部に位置する
請求項10に記載のモータユニット。
【請求項12】
前記第2バスバの前記第1固定部は、前記隔壁と前記上下方向に重なり、
前記第1バスバの前記第4固定部は、前記第1バスバの前記第2固定部と前記第3固定部との接続部よりも前記前後方向の一方側、かつ前記隔壁の下側で前記インバータに接続され、
前記第2バスバの前記第4固定部は、前記第2バスバの前記第2固定部と前記第3固定部との接続部よりも前記前後方向の一方側、かつ前記隔壁の下側で前記インバータに接続される
請求項10に記載のモータユニット。
【請求項13】
各前記コネクタ側バスバは、それぞれ前記ホルダとスナップフィットによって固定される
請求項1または2に記載のモータユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モータユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータと、このモータを駆動するインバータとを備えるモータユニットにおいて、インバータと外部電源コネクタとを金属製のバスバで電気的に接続する構造が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-041282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来構造では、モータユニット内においてバスバが水平方向に沿って配置されていることから、モータユニットにおける水平方向の寸法が拡大してしまう恐れがあった。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、水平方向の寸法を小さくすることができるモータユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係るモータユニットは、モータと、伝達機構と、出力軸と、インバータと、バスバアッシーとを備える。モータは、モータ軸を中心に回転可能なロータを有する。伝達機構は、複数のギヤを有し前記モータの動力を伝達する。出力軸は、前記伝達機構によって伝達される動力を外部に出力する。インバータは、前記モータに電気的に接続される。バスバアッシーは、前記インバータと外部電源コネクタとを電気的に接続する。前記バスバアッシーは、第1バスバと、第2バスバと、絶縁性のホルダと、を有する。第1バスバは、前記インバータの一方の入力端子に電気的に接続される。第2バスバは、前記インバータの他方の入力端子に電気的に接続される。前記第1バスバおよび前記第2バスバは、前記外部電源コネクタ側のコネクタ側バスバおよび前記インバータ側のインバータ側バスバをそれぞれ有する。各前記コネクタ側バスバは、第1固定部と、第2固定部と、第1中間部とをそれぞれ有する。第1固定部は、前記ホルダの上面に対向し、前記外部電源コネクタに接続される。第2固定部は、前記ホルダの下面に対向する。第1中間部は、前記第1固定部および前記第2固定部を電気的に接続する。各前記インバータ側バスバは、第3固定部と、第4固定部と、第2中間部とをそれぞれ有する。第3固定部は、前記第2固定部に接続される。第4固定部は、前記ホルダの下方で前記インバータに接続される。第2中間部は、前記第3固定部および前記第4固定部を電気的に接続する。前記第1バスバの前記第1固定部および前記第2バスバの前記第1固定部は、前記モータ軸の軸方向および上下方向と直交する前後方向に並んで配置される。前記第1バスバの前記第4固定部および前記第2バスバの前記第4固定部は、前記軸方向に並んで配置される。前記第2バスバの前記第1中間部は、前記第1バスバと前記上下方向に重なる。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、モータユニットにおける水平方向の寸法を小さくすることができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るモータユニットを軸方向の一方側の上方から見た概略斜視図である。
図2図2は、実施形態に係るモータユニットを軸方向の他方側の下方から見た概略斜視図である。
図3図3は、図1に示すA-A線の矢視断面図である。
図4図4は、実施形態に係るインバータおよびバスバアッシーの構成の一例を示す斜視図である。
図5図5は、実施形態に係るバスバアッシーの構成の一例を示す斜視図である。
図6図6は、実施形態に係る第1バスバおよび第2バスバの構成の一例を示す上面図である。
図7図7は、実施形態に係る第1バスバおよび第2バスバの構成の一例を示す斜視図である。
図8図8は、実施形態に係るインバータ、インバータハウジングおよびバスバアッシーの構成の一例を示す拡大断面図である。
図9図9は、実施形態に係るバスバアッシーを第4固定部に対して垂直な方向から見た場合の拡大図である。
図10図10は、実施形態に係るインバータハウジングの構成の一例を示す拡大斜視図である。
図11図11は、実施形態に係るバスバアッシーの構成の一例を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係るモータユニットについて詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
以下に示す実施形態では、「直交」、「垂直」あるいは「平行」といった表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密に「直交」、「垂直」あるいは「平行」であることを要しない。すなわち、上記した各表現は、例えば製造精度、設置精度などのずれを許容するものとする。
【0011】
また、本開示では、モータユニット1が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合の位置関係を基に、鉛直方向を規定して説明する。また、図面には、X,Y,Zの3次元直交座標系(X,Y,Z座標系)を示している。
【0012】
X,Y,Z座標系において、Z軸方向は、正方向を上側とし、負方向を下側とする鉛直方向である。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であり、たとえばモータユニット1が搭載される車両の前後方向である。
【0013】
また、本開示では、X軸の正方向側(+X方向側)を「前後方向の一方側」とも呼称し、X軸の負方向側(-X方向側)を「前後方向の他方側」とも呼称する。
【0014】
Y軸方向は、X軸方向およびZ軸方向のそれぞれと直交する方向であり、たとえばモータユニット1が搭載される車両の左右方向である。後述するモータ10のモータ軸は、Y軸方向に延びる。以下の説明では、とくに断りのない限り、モータ10のモータ軸に平行な方向を単に「軸方向」とも呼称する。
【0015】
また、本開示では、Y軸の正方向側(+Y方向側)を「軸方向の一方側」とも呼称し、Y軸の負方向側(-Y方向側)を「軸方向の他方側」とも呼称する。
【0016】
<モータユニットの概略構成>
最初に、実施形態に係るモータユニット1の概略構成について、図1図3を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係るモータユニット1を軸方向の一方側の上方から見た概略斜視図である。図2は、実施形態に係るモータユニット1を軸方向の他方側の下方から見た概略斜視図である。図3は、図1に示すA-A線の矢視断面図である。
【0017】
実施形態に係るモータユニット1は、たとえば、図示しない車両に搭載される。モータユニット1が搭載される車両は、たとえば、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)など、少なくともモータ10を動力源とする車両である。モータユニット1は、上記の車両の動力源として使用される。
【0018】
図1図3に示すように、モータユニット1は、モータ10と、伝達機構20と、出力軸30と、インバータ40と、バスバアッシー60とを備える。
【0019】
図3に示すように、モータ10は、Y軸方向に延びるモータ軸を中心として回転するロータ12と、かかるロータ12の径方向外側に位置するステータ13とを有する。すなわち、実施形態に係るモータ10は、ステータ13の内側にロータ12が配置されるインナーロータ型のモータである。なお、本開示では、モータ10がインナーロータ型のモータである場合に限られず、アウターロータ型のモータであってもよい。
【0020】
モータユニット1において、モータ10はモータハウジング11に収容される。すなわち、モータハウジング11は、モータ10を収容する収容室を有する。
【0021】
図1に示すように、伝達機構20は、たとえばモータ10における軸方向の一方側(+Y方向側)に設けられ、複数のギヤ(図示せず)を有する。伝達機構20は、モータ10の動力を出力軸30に伝達する。伝達機構20は、たとえば、モータ10の回転速度を減じて、モータ10から出力されるトルクを減速比に応じて増大させる減速機能を有する。
【0022】
モータユニット1において、伝達機構20はギヤハウジング21に収容される。すなわち、ギヤハウジング21は、伝達機構20を収容する収容室を有する。
【0023】
図2に示すように、出力軸30は、たとえばモータ10における前後方向の他方側(-X方向側)に設けられる。出力軸30は、モータ10で発生し、伝達機構20によって伝達される動力をモータユニット1の外部(たとえば、モータユニット1が搭載される車両の車輪)に出力する。
【0024】
出力軸30は、たとえば、モータ10のモータ軸と平行に配置される。すなわち、出力軸30は、たとえば、Y軸方向に延びる。
【0025】
なお、本開示では、出力軸30が、車両の左右に設けられる一対の車輪にそれぞれ動力を出力してもよい。またこの場合、伝達機構20には、車両の旋回時に左右の車輪の速度差を吸収しつつ、左右の車輪にそれぞれ動力を出力する差動装置(図示せず)が設けられるとよい。
【0026】
インバータ40は、モータ10に電気的に接続される。インバータ40は、車両に搭載されるバッテリー(図示せず)から外部電源ケーブルC1、C2などを介して供給される直流電力を、交流電力に変換してモータ10に供給する。さらに、インバータ40は、モータ10に供給する交流電力を制御することで、モータ10の動作を制御する。
【0027】
図3に示すように、インバータ40は、フィルムコンデンサ41と、パワーモジュール42と、制御基板43とを有する。フィルムコンデンサ41は、外部電源ケーブルC1、C2(図1参照)などを介して供給される直流電力を平滑化する。
【0028】
パワーモジュール42は、フィルムコンデンサ41によって平滑化された直流電力を交流電力に変換する。パワーモジュール42によって生成された交流電力は、ワイヤハーネス(図示せず)などによってモータ10に伝達される。
【0029】
パワーモジュール42には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などのスイッチング素子が搭載される。
【0030】
制御基板43は、平板状の基板であり、たとえばガラスエポキシ基板を備える銅張積層板などで構成される。制御基板43には、フィルムコンデンサ41、パワーモジュール42および各種素子(図示せず)が搭載され、インバータ10に必要な回路が構成される。
【0031】
モータユニット1において、インバータ40はインバータハウジング50に収容される。すなわち、インバータハウジング50は、インバータ40を収容するインバータ収容部51(図8参照)を有する。
【0032】
バスバアッシー60は、インバータ40と、外部電源コネクタC1a、C2a(図4参照)とを電気的に接続する。外部電源コネクタC1a、C2aは、バッテリーなどから直流電力を供給する外部電源ケーブルC1、C2(図1参照)の端部に配置される。
【0033】
図4に示すように、バスバアッシー60は、第1バスバ70と、第2バスバ80と、ホルダ90とを有する。
【0034】
第1バスバ70は、インバータ40の一方の入力端子40a(図8参照)に電気的に接続される。第1バスバ70は、かかる入力端子40aと、外部電源コネクタC1aとを電気的に接続する。外部電源コネクタC1aは、たとえば、車両に搭載されるバッテリーの正極に電気的に接続される。
【0035】
第2バスバ80は、インバータ40の他方の入力端子40b(図4参照)に電気的に接続される。第2バスバ80は、かかる入力端子40bと、外部電源コネクタC2aとを電気的に接続する。外部電源コネクタC2aは、たとえば、車両に搭載されるバッテリーの負極に電気的に接続される。
【0036】
ホルダ90は、絶縁性材料(たとえば、樹脂やセラミックなど)で構成され、第1バスバ70および第2バスバ80を保持する。バスバアッシー60の詳細な構成については後述する。
【0037】
モータユニット1において、バスバアッシー60はインバータハウジング50に収容される。すなわち、インバータハウジング50は、バスバアッシー60を収容するホルダ収容部52(図8参照)を有する。
【0038】
<バスバアッシーの構成>
つづいて、バスバアッシー60の詳細な構成について、ここまで説明した図1図3に加えて、図4図11も参照しながら説明する。図4は、実施形態に係るインバータ40およびバスバアッシー60の構成の一例を示す斜視図である。図5は、実施形態に係るバスバアッシー60の構成の一例を示す斜視図である。
【0039】
図6は、実施形態に係る第1バスバ70および第2バスバ80の構成の一例を示す上面図である。図7は、実施形態に係る第1バスバ70および第2バスバ80の構成の一例を示す斜視図である。図8は、実施形態に係るインバータ40、インバータハウジング50およびバスバアッシー60の構成の一例を示す拡大断面図である。
【0040】
図7などに示すように、第1バスバ70は、外部電源コネクタC1a(図4参照)側のコネクタ側バスバ71と、インバータ40(図4参照)側のインバータ側バスバ72とを有する。同様に、第2バスバ80は、外部電源コネクタC2a(図4参照)側のコネクタ側バスバ81と、インバータ40側のインバータ側バスバ82とを有する。
【0041】
第1バスバ70のコネクタ側バスバ71およびインバータ側バスバ72と、第2バスバ80のコネクタ側バスバ81およびインバータ側バスバ82とは、それぞれ所望の形状に加工された板状の金属部材で構成される。
【0042】
第1バスバ70のコネクタ側バスバ71は、第1固定部71aと、第2固定部71bと、第1中間部71cとを有する。図4に示すように、第1固定部71aは、ホルダ90の上面91に対向し、外部電源コネクタC1aに接続される。第1固定部71aは、板厚方向が上下方向を向き、外部電源コネクタC1aとの接続部から前後方向の他方側(-X方向側)に延びる。
【0043】
図5に示すように、第2固定部71bは、ホルダ90の下面92に対向する。第2固定部71bは、板厚方向が上下方向を向き、第1固定部71aにおいて外部電源コネクタC1aとの接続部から前後方向の他方側に延びる部位の下方に位置する。
【0044】
第1中間部71cは、第1固定部71aおよび第2固定部71bを電気的に接続する。第1中間部71cは、板厚方向が前後方向を向き、ホルダ90の前後方向における他方側(-X方向側)の面93に沿って上下方向に延びる。
【0045】
第1バスバ70のインバータ側バスバ72は、第3固定部72aと、第4固定部72bと、第2中間部72cとを有する。第3固定部72aは、コネクタ側バスバ71の第2固定部71bに対向し、かかる第2固定部71bに接続される。第3固定部72aは、板厚方向が上下方向を向き、第2固定部71bとの接続部から、軸方向の他方側(-Y方向側)に延びる。
【0046】
図4に示すように、第4固定部72bは、ホルダ90の下方でインバータ40の一方の入力端子40a(図8参照)に接続される。図5に示すように、第4固定部72bは、板厚方向が上下方向および前後方向を向き、第2中間部72cの下端部から軸方向の他方側(-Y方向側)に延びる。
【0047】
第2中間部72cは、第3固定部72aおよび第4固定部72bを電気的に接続する。図7および図8に示すように、第2中間部72cは、板厚方向が軸方向を向き、第3固定部72aにおける軸方向の他方側(-Y方向側)の端部から、下方かつ前後方向の一方側(+X方向側)に延びる。
【0048】
第2バスバ80のコネクタ側バスバ81は、第1固定部81aと、第2固定部81bと、第1中間部81cとを有する。図4に示すように、第1固定部81aは、ホルダ90の上面91に対向し、外部電源コネクタC2aに接続される。第1固定部81aは、板厚方向が上下方向を向き、外部電源コネクタC2aとの接続部から軸方向の他方側(-Y方向側)に延びる。
【0049】
図5に示すように、第2固定部81bは、ホルダ90の下面92に対向する。第2固定部81bは、板厚方向が上下方向を向き、第1中間部81cにおける前後方向の他方側(-X方向側)の端部において、かかる第1中間部81cの下端から軸方向の他方側(-Y方向側)に延びる。
【0050】
第1中間部81cは、第1固定部81aおよび第2固定部81bを電気的に接続する。第1中間部81cは、板厚方向が軸方向を向き、第1固定部81aにおける軸方向の他方側(-Y方向側)の端部から、前後方向の他方側(-X方向側)に延びる。
【0051】
また、図4に示すように、ホルダ90は、第2バスバ80と外部電源コネクタC2aとの接続部の軸方向の他方側(-Y方向側)において、上面から下側に向かって凹み、前後方向に延びる溝部95を有する。第1中間部81cは、ホルダ90の上面91において、前後方向に延びる溝部95に収容される。第1中間部81cは、板厚方向が軸方向を向くように溝部95に収容される。
【0052】
図5に示すように、第2バスバ80のインバータ側バスバ82は、第3固定部82aと、第4固定部82bと、第2中間部82cとを有する。第3固定部82aは、コネクタ側バスバ81の第2固定部81bに対向し、かかる第2固定部81bに接続される。第3固定部82aは、板厚方向が上下方向を向く。
【0053】
図4に示すように、第4固定部82bは、ホルダ90の下方でインバータ40の他方の入力端子40bに接続される。第4固定部82bは、板厚方向が上下方向および前後方向を向き、第2中間部82cの下端部から前後方向の一方側(+X方向側)かつ上方に延びる。
【0054】
第2中間部82cは、第3固定部82aおよび第4固定部82bを電気的に接続する。図7および図8に示すように、第2中間部82cは、第3固定部82aにおける軸方向の他方側(-Y方向側)の端部から、下方かつ前後方向の一方側(+X方向側)に延びる。
【0055】
ここで、実施形態では、図6などに示すように、第1バスバ70の第1固定部71aおよび第2バスバ80の第1固定部81aが前後方向に並んで配置され、第1バスバ70の第4固定部72bおよび第2バスバ80の第4固定部82bが軸方向に並んで配置される。さらに、実施形態では、第2バスバ80の第1中間部81cが、第1バスバ70と上下方向に重なる。
【0056】
これにより、バスバアッシー60における水平方向(軸方向および前後方向)の寸法を縮小しながら、バスバアッシー60で外部電源コネクタC1a、C2aとインバータ40とを電気的に接続することができる。
【0057】
したがって、実施形態によれば、モータユニット1における水平方向の寸法を小さくすることができる。
【0058】
また、実施形態では、図8に示すように、軸方向から見て、前後方向の他方側(-X方向側)から、第1バスバ70の第2固定部71bと第3固定部72aとの接続部、第1バスバ70の第1固定部71aと外部電源コネクタC1a(図4参照)との接続部、第2バスバ80の第1固定部81aと外部電源コネクタC2a(図4参照)との接続部の順に並んで配置されてもよい。
【0059】
これにより、第1バスバ70のコネクタ側バスバ71の長さを抑えながら、かかるコネクタ側バスバ71を前後方向の他方側(-X方向側)からホルダ90に組み付けることができる。
【0060】
また、第1バスバ70の第1固定部71aと第2バスバ80の第1固定部81aとを水平面において前後方向にずらして配置することで、外部電源コネクタC1a、C2aを固定するためのボルト孔をそれぞれの接続部に形成することができる。したがって、実施形態によれば、ホルダ90が軸方向に大きくなることを抑制できる。
【0061】
また、実施形態では、上述のように、第2バスバ80の第1中間部81cがホルダ90の溝部95に収容され、第2固定部81bが第1中間部81cの下端から軸方向の他方側に延びてもよい。
【0062】
これにより、第1中間部81cをホルダ90の上面および側面に沿わせて配置する場合よりも第1中間部81cの長さを抑えながら、前後方向の他方側から、コネクタ側バスバ81をホルダ90に組み付けることができる。
【0063】
また、実施形態では、図4に示すように、ホルダ90が、溝部95における軸方向の他方側(-Y方向側)に収容部96を有してもよい。かかる収容部96は、たとえば、前後方向に延び、かつ下側に凹んでいる。
【0064】
これにより、モータユニット1のEMC(Electro-Magnetic Compatibility)対策のため、バスバアッシー60にノイズフィルタを追加する場合にも、かかるノイズフィルタを収容部96に収容することができる。したがって、実施形態によれば、モータユニット1の寸法を拡大することなく、モータユニット1のEMC特性を向上させることができる。
【0065】
また、実施形態では、第2バスバ80の第1中間部81cが、第1バスバ70の第4固定部72bの上側に位置し、ホルダ90における溝部95の底部を介して第1バスバ70の第4固定部72bと上下方向に重なってもよい。
【0066】
これにより、ホルダ90によって絶縁性を担保しながら、第1バスバ70と第2バスバ80とを交差させる引き回しができる。したがって、実施形態によれば、モータユニット1における水平方向の寸法をさらに小さくすることができる。
【0067】
ここで、実施形態に係るバスバアッシー60をモータユニット1に組み付ける手順の一例について説明する。まず、ホルダ90に第1バスバ70のコネクタ側バスバ71および第2バスバ80のコネクタ側バスバ81が組み付けられる。
【0068】
具体的には、コネクタ側バスバ71は、ホルダ90における前後方向の他方側(-X方向側)から一方側(+X方向側)に向けて、同じ姿勢で水平移動するようにホルダ90に組み付けられる。
【0069】
また、コネクタ側バスバ81は、まず、第1固定部81aが上方を向いた姿勢で、第2固定部81bの一部がホルダ90の下面92に接するように配置される。そして、コネクタ側バスバ81の向きを上下方向から前後方向に旋回させながら、第1中間部81cを溝部95に挿入して、第1固定部81aをホルダ90の上面91に近づける。
【0070】
最後に、第1固定部81aをホルダ90の上面91に接触させて、コネクタ側バスバ81がホルダ90に組み付けられる。
【0071】
次に、コネクタ側バスバ71、81を組み付けたホルダ90が、図8に示すように、インバータハウジング50のホルダ収容部52に組み付けられる。そして、ホルダ収容部52の底部に位置する孔部53a(図10参照)から露出するコネクタ側バスバ71、81に、インバータ側バスバ72、82がそれぞれ組み付けられる。
【0072】
具体的には、第3固定部72aが第2固定部71bに接するように、インバータ側バスバ72がコネクタ側バスバ71に組み付けられる。また、第3固定部82aが第2固定部81bに接するように、インバータ側バスバ82がコネクタ側バスバ81に組み付けられる。
【0073】
このように、実施形態では、第1バスバ70および第2バスバ80を、それぞれコネクタ側バスバ71、81とインバータ側バスバ72、82とに2分割することで、バスバアッシー60をモータユニット1に円滑に組み付けることができる。
【0074】
ここで、実施形態では、図5に示すように、ホルダ90が、下面92から下側に突出する第1位置決めピン98を有してもよい。そして、第1バスバ70の第3固定部72aは、この第1位置決めピン98を挿入可能な第1貫通孔72a1(図6参照)を有してもよい。
【0075】
これにより、第1バスバ70のインバータ側バスバ72をホルダ90に組み付ける際に、第1位置決めピン98を第1貫通孔72a1に挿入しながら組み付けることで、インバータ側バスバ72を精度よく位置決めすることができる。
【0076】
また、実施形態では、ホルダ90が、下面92から下側に突出する第2位置決めピン99を有してもよい。そして、第2バスバ80の第3固定部82aは、この第2位置決めピン99を挿入可能な第2貫通孔82a1(図6参照)を有してもよい。
【0077】
これにより、第2バスバ80のインバータ側バスバ82をホルダ90に組み付ける際に、第2位置決めピン99を第2貫通孔82a1に挿入しながら組み付けることで、インバータ側バスバ82を精度よく位置決めすることができる。
【0078】
また、実施形態では、第2バスバ80におけるコネクタ側バスバ81の第2固定部81bが、第2位置決めピン99を挿入可能な切り欠き81b1を有してもよい。切り欠き81b1は、第2固定部81bにおいて前後方向の一方側(+X方向側)の端部から前後方向の他方側(-X方向側)に向かって延びる。これにより、コネクタ側バスバ81を旋回させながらホルダ90に組み付ける際に、第2位置決めピン99を切り欠き81b1に挿入しながら組み付けることで、コネクタ側バスバ81を精度よく位置決めすることができる。
【0079】
また、実施形態では、図3に示すように、制御基板43が、軸方向から見て、前後方向の他方側(-X方向側)に向かうにつれて下側に傾斜してもよい。これにより、出力軸30の上側、かつモータ10における前後方向の他方側(-X方向側)の空間に、制御基板43を隙間なく配置することができる。
【0080】
したがって、実施形態によれば、モータユニット1内の空間を効率よく活用できるため、モータユニット1を小型化することができる。
【0081】
また、実施形態では、図8に示すように、第3固定部72a、82aが、軸方向から見てそれぞれ前後方向に延びる一方で、第4固定部72b、82bが、軸方向から見て、前後方向の他方側に向かうにつれて下側に傾斜してもよい。
【0082】
これにより、制御基板43が水平面に対して傾斜する場合に、この傾きを第4固定部72b、82bで吸収することができる。
【0083】
また、第3固定部72a、82aを水平面と平行に配置していることから、コネクタ側バスバ71の第1固定部71aと第2固定部71bとを平行に配置することができるとともに、コネクタ側バスバ81の第1固定部81aと第2固定部81bとを平行に配置することができる。
【0084】
そのため、ホルダ90に形成されるバスバ固定ボルトB(図9参照)の挿入孔を、金型の上下抜きで製造することができる。したがって、実施形態によれば、ホルダ90を簡便に製造することができる。
【0085】
また、コネクタ側バスバ71の第1固定部71aと第2固定部71bとを平行に配置することができるため、コネクタ側バスバ71をホルダ90に容易に取り付けることができる。
【0086】
図9は、実施形態に係るバスバアッシー60を第4固定部72bに対して垂直な方向から見た場合の拡大図である。図9に示すように、実施形態では、第1バスバ70の第4固定部72bに対して垂直な方向から見て、第1バスバ70の第4固定部72bと、第2バスバ80の第2固定部81bおよび第3固定部82aとが重なっていてもよい。
【0087】
これにより、第1バスバ70および第2バスバ80を近づけて配置できるため、バスバアッシー60を小型化することができる。したがって、実施形態によれば、モータユニット1を小型化することができる。
【0088】
また、実施形態では、第3固定部72a、82aに対して第4固定部72b、82bがそれぞれ傾斜しているため、バスバ固定ボルトBによるインバータ側バスバ72、82の固定時に治具の挿入スペースを確保することができる。
【0089】
図10は、実施形態に係るインバータハウジング50の構成の一例を示す拡大斜視図である。図10に示すように、実施形態に係るインバータハウジング50は、インバータ40(図3参照)を収容するインバータ収容部51(図3参照)と、バスバアッシー60(図3参照)を収容するホルダ収容部52との間に位置する隔壁53を有する。
【0090】
また、インバータハウジング50は、隔壁53からホルダ収容部52に向かって突出し、軸方向に延びる複数のリブ54を有する。これにより、インバータハウジング50の剛性を強化することができる。
【0091】
また、実施形態では、図8に示すように、複数のリブ54のうち、前後方向の他方側(-X方向側)のリブ54Aが、前後方向の一方側(+X方向側)のリブ54Bよりも上下方向の寸法が大きくてもよい。これにより、インバータハウジング50の剛性をさらに強化することができる。
【0092】
なお、本開示では、インバータハウジング50にリブ54が2つ設けられる例について示したが、本開示はかかる例に限られず、リブ54が1つ設けられていてもよいし、リブ54が3つ以上設けられてもよい。これによっても、インバータハウジング50の剛性を強化することができる。
【0093】
また、実施形態では、図8に示すように、第1バスバ70の第2固定部71bおよび第3固定部72aと、第2バスバ80の第2固定部81bおよび第3固定部82aとが、ホルダ収容部52に位置してもよい。これにより、インバータ側バスバ72、82を、ホルダ収容部52に収容されたホルダ90に容易に組み付けることができる。
【0094】
また、実施形態では、図8に示すように、第2バスバ80の第1固定部81aが、隔壁53と上下方向に重なっている。そして、実施形態では、第1バスバ70の第4固定部72bが、第1バスバ70の第2固定部71bと第3固定部72aとの接続部よりも前後方向の一方側(+X方向側)、かつ隔壁73の下側でインバータ40に接続されてもよい。
【0095】
さらに、実施形態では、第2バスバ80の第4固定部82bが、第2バスバ80の第2固定部81bと第3固定部82aとの接続部よりも前後方向の一方側(-X方向側)、かつ隔壁53の下側でインバータ40に接続されてもよい。
【0096】
これにより、バスバアッシー60が前後方向の他方側(-X方向側)に突出することを抑制できる。したがって、実施形態によれば、モータユニット1を小型化することができる。
【0097】
図11は、実施形態に係るバスバアッシー60の構成の一例を示す拡大斜視図である。図11に示すように、実施形態では、ホルダ90が、溝部95の開口部にスナップフィット101を有する。第2バスバ80のコネクタ側バスバ81は、このスナップフィット101によってホルダ90に固定されてもよい。
【0098】
本実施形態では、スナップフィット101は、溝部95の上端において、軸方向に突出し、第2バスバ80の第1中間部81cの上面と上下方向に対向する。この場合、溝部95に収容された第2バスバ80の第1中間部81cが、溝部95の開口部に位置するスナップフィット101によって溝部95から脱離しないように固定される。
【0099】
これにより、第2バスバ80のコネクタ側バスバ81をホルダ90に簡便に固定することができる。
【0100】
また、実施形態に係るホルダ90は、上面91における第1固定部71aと外部電源コネクタC1a(図4参照)との接続部よりも前後方向の他方側(-X方向側)に、複数のスナップフィット102を有する。
【0101】
そして、実施形態では、第1バスバ70のコネクタ側バスバ71が、複数のスナップフィット102によってホルダ90に固定されてもよい。本実施形態では、スナップフィット102は、上方向に突出し、第1バスバ70の第1固定部71aの前後方向の他方側(-X方向側)の面と前後方向に対向する。この場合、前後方向の他方側(-X方向側)から一方側(+X方向側)にスライドさせてホルダ90に組み付けられたコネクタ側バスバ71が、上面91に位置する複数のスナップフィット102によって前後方向の他方側に脱離しないように固定される。
【0102】
これにより、第1バスバ70のコネクタ側バスバ71をホルダ90に簡便に固定することができる。
【0103】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0104】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【0105】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
(1)
モータ軸を中心に回転可能なロータを有するモータと、
複数のギヤを有し前記モータの動力を伝達する伝達機構と、
前記伝達機構によって伝達される動力を外部に出力する出力軸と、
前記モータに電気的に接続されるインバータと、
前記インバータと外部電源コネクタとを電気的に接続するバスバアッシーと
を備え、
前記バスバアッシーは、
前記インバータの一方の入力端子に電気的に接続される第1バスバと、
前記インバータの他方の入力端子に電気的に接続される第2バスバと、
絶縁性のホルダと、
を有し、
前記第1バスバおよび前記第2バスバは、前記外部電源コネクタ側のコネクタ側バスバおよび前記インバータ側のインバータ側バスバをそれぞれ有し、
各前記コネクタ側バスバは、
前記ホルダの上面に対向し、前記外部電源コネクタに接続される第1固定部と、
前記ホルダの下面に対向する第2固定部と、
前記第1固定部および前記第2固定部を電気的に接続する第1中間部と、
をそれぞれ有し、
各前記インバータ側バスバは、
前記第2固定部に接続される第3固定部と、
前記ホルダの下方で前記インバータに接続される第4固定部と、
前記第3固定部および前記第4固定部を電気的に接続する第2中間部と、
をそれぞれ有し、
前記第1バスバの前記第1固定部および前記第2バスバの前記第1固定部は、前記モータ軸の軸方向および上下方向と直交する前後方向に並んで配置され、
前記第1バスバの前記第4固定部および前記第2バスバの前記第4固定部は、前記軸方向に並んで配置され、
前記第2バスバの前記第1中間部は、前記第1バスバと前記上下方向に重なる
モータユニット。
(2)
前記第1バスバの前記第1中間部は、前記ホルダの前記前後方向の他方側の面に沿って前記上下方向に延び、
前記軸方向から見て、前記前後方向の他方側から、前記第1バスバの前記第2固定部と前記第1バスバの前記第3固定部との接続部、前記第1バスバと前記外部電源コネクタとの接続部、前記第2バスバと前記外部電源コネクタとの接続部の順に並んで配置される
(1)に記載のモータユニット。
(3)
前記ホルダは、前記第2バスバと前記外部電源コネクタとの接続部の前記軸方向の他方側において、上面から下側に向かって凹み、前記前後方向に延びる溝部を有し、
前記第2バスバの前記第1中間部は、板厚方向が前記軸方向を向くように前記溝部に収容され、
前記第2バスバの前記第2固定部は、前記第2バスバの前記第1中間部における前記前後方向の他方側の端部において、当該第1中間部の下端から前記軸方向の他方側に延びる
(1)または(2)に記載のモータユニット。
(4)
前記ホルダは、前記溝部における前記軸方向の他方側に、前記前後方向に延び、かつ下側に凹む収容部を有する
(3)に記載のモータユニット。
(5)
前記第2バスバの前記第1中間部は、前記第1バスバの前記第4固定部の上側に位置し、前記ホルダを介して前記第1バスバの前記第4固定部と前記上下方向に重なる
(3)または(4)に記載のモータユニット。
(6)
前記ホルダは、下面から下側に突出する第1位置決めピンおよび第2位置決めピンを有し、
前記第1バスバの前記第3固定部は、前記第1位置決めピンが挿入される第1貫通孔を有し、
前記第2バスバの前記第3固定部は、前記第2位置決めピンが挿入される第2貫通孔を有する
(1)~(5)のいずれか一つに記載のモータユニット。
(7)
前記第2バスバの前記第2固定部は、前記第2位置決めピンが挿入される切り欠きを有する
(6)に記載のモータユニット。
(8)
各前記第3固定部は、前記軸方向から見て、それぞれ前記前後方向に延び、
各前記第4固定部は、前記軸方向から見て、前記前後方向の他方側に向かうにつれて下側に傾斜する
(1)~(7)のいずれか一つに記載のモータユニット。
(9)
前記第1バスバの前記第4固定部に対して垂直な方向から見て、前記第1バスバの前記第4固定部と前記第2バスバの前記第2固定部および前記第3固定部とが重なる
(8)に記載のモータユニット。
(10)
前記インバータを収容するインバータハウジング、を備え、
前記インバータハウジングは、
前記インバータを収容するインバータ収容部と、
前記ホルダを収容するホルダ収容部と、
前記インバータ収容部と前記ホルダ収容部との間に配置される隔壁と、
前記隔壁から前記ホルダ収容部に向かって突出し、前記軸方向に延びる複数のリブと、
を有し、
前記前後方向の他方側の前記リブは、前記前後方向の一方側の前記リブよりも前記上下方向の寸法が大きい
(1)~(9)のいずれか一つに記載のモータユニット。
(11)
各前記第2固定部および各前記第3固定部は、前記ホルダ収容部に位置する
(10)に記載のモータユニット。
(12)
前記第2バスバの前記第1固定部は、前記隔壁と前記上下方向に重なり、
前記第1バスバの前記第4固定部は、前記第1バスバの前記第2固定部と前記第3固定部との接続部よりも前記前後方向の一方側、かつ前記隔壁の下側で前記インバータに接続され、
前記第2バスバの前記第4固定部は、前記第2バスバの前記第2固定部と前記第3固定部との接続部よりも前記前後方向の一方側、かつ前記隔壁の下側で前記インバータに接続される
(10)または(11)に記載のモータユニット。
(13)
各前記コネクタ側バスバは、それぞれ前記ホルダとスナップフィットによって固定される
(1)~(12)のいずれか一つに記載のモータユニット。
【符号の説明】
【0106】
1 モータユニット
10 モータ
12 ロータ
20 伝達機構
30 出力軸
40 インバータ
40a、40b 入力端子
50 インバータハウジング
51 インバータ収容部
52 ホルダ収容部
53 隔壁
54、54A、54B リブ
60 バスバアッシー
70 第1バスバ
71 コネクタ側バスバ
71a 第1固定部
71b 第2固定部
71c 第1中間部
72 インバータ側バスバ
72a 第3固定部
72a1 第1貫通孔
72b 第4固定部
72c 第2中間部
80 第2バスバ
81 コネクタ側バスバ
81a 第1固定部
81b 第2固定部
81b1 切り欠き
81c 第1中間部
82 インバータ側バスバ
82a 第3固定部
82a1 第2貫通孔
82b 第4固定部
82c 第2中間部
90 ホルダ
91 上面
92 下面
95 溝部
96 収容部
98 第1位置決めピン
99 第2位置決めピン
101 スナップフィット
102 スナップフィット
C1a、C2a 外部電源コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11