(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159185
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】取付構造物およびウインドレギュレータ
(51)【国際特許分類】
E05F 11/48 20060101AFI20241031BHJP
E05F 15/689 20150101ALI20241031BHJP
B60J 1/17 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
E05F11/48 A
E05F15/689
B60J1/17 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075021
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】390000996
【氏名又は名称】株式会社ハイレックスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 数磨
【テーマコード(参考)】
2E052
3D127
【Fターム(参考)】
2E052AA09
2E052CA06
2E052DA04
2E052DB04
2E052EA14
2E052EB01
2E052EC01
2E052GC05
2E052KA10
3D127CB05
3D127CC05
3D127DF03
3D127DF09
3D127EE15
(57)【要約】
【課題】弾性部材が取り付けられる取付構造物が十分に機能することを可能とする取付構造物を提供する。
【解決手段】取付構造物は、他の部材と接した際の衝撃を和らげる弾性部材が取り付けられるウインドレギュレータの取付構造物であって、弾性部材90と第1の方向で嵌合する嵌合部60と、弾性部材90が第2の方向で取り付けられた場合に、弾性部材90の取り付け位置よりも取付構造物の内部側に形成された空間82の壁部82aで弾性部材90を係止する係止部と、を備える。
【選択図】
図3C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の部材と接した際の衝撃を和らげる弾性部材が取り付けられるウインドレギュレータの取付構造物であって、
前記弾性部材と第1の方向で嵌合する嵌合部と、
前記弾性部材が第2の方向で取り付けられた場合に、前記弾性部材の取り付け位置よりも前記取付構造物の内部側に形成された空間の壁部で前記弾性部材を係止する係止部と、
を備える取付構造物。
【請求項2】
前記第1の方向は、前記第2の方向と90度異なる請求項1に記載の取付構造物。
【請求項3】
前記嵌合部は、前記弾性部材の互いに反対方向に突出する第1凸部および第2凸部とそれぞれ嵌合する第1凹部および第2凹部を有し、
前記係止部は、前記第2の方向において前記弾性部材の取り付け位置よりも前記取付構造物の外部側に形成された空間を有し、前記取付構造物の内部側に形成された空間の壁部で前記第1凸部を係止し、前記取付構造物の外部側に形成された空間の壁部で前記第2凸部を係止する請求項1に記載の取付構造物。
【請求項4】
前記弾性部材の挿入部が当接する前記嵌合部の部分の形状は、前記弾性部材の挿入部に対応した形状に形成されている請求項3に記載の取付構造物。
【請求項5】
前記取付構造物の外部側に形成された空間は、貫通孔である請求項3に記載の取付構造物。
【請求項6】
前記取付構造物は、ウインドウを保持するキャリアプレートに連結されたケーブルを巻き取って前記キャリアプレートを移動させるドラムを収容するドラムハウジングである請求項1に記載の取付構造物。
【請求項7】
前記取付構造物は、ウインドウを保持するキャリアプレートである請求項1に記載の取付構造物。
【請求項8】
前記取付構造物は、ウインドウを保持するキャリアプレートに連結されたケーブルの方向を転換する方向転換部である請求項1に記載の取付構造物。
【請求項9】
請求項1に記載の取付構造物を備えるウインドレギュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、取付構造物およびウインドレギュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の窓ガラスを保持するキャリアプレートをケーブルで牽引し、ガイドレール上を摺動させることにより窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータが広く用いられている。キャリアプレートがその昇降限度位置に到達した際にストッパ部材との当接音を抑制するためにストッパゴム(弾性部材)が用いられる。
【0003】
特許文献1には、キャリアプレートの固定部に挿入される挿入部と、キャリアプレートからの抜けを規制するための係止部とを有する弾性部材が開示されている。この弾性部材をキャリアプレートに取り付ける際には、係止部を撓ませながらキャリアプレートの固定部に挿入する。
【0004】
また、特許文献2には、ガイドレールの下端部に設けられたケーブル支持部材に、弾性部材からなるストッパ体を固定するための固定部が形成されているウインドレギュレータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2012/002093号
【特許文献2】特開2017-40093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のような弾性部材は、弾性により取付方向とは異なる方向で取り付けることができてしまう場合がある。そのため、このような場合であっても弾性部材が取り付けられる取付構造物が十分に機能することが望ましい。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するもので、弾性部材が取り付けられる取付構造物が十分に機能することを可能とする取付構造物およびウインドレギュレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明における取付構造物は、他の部材と接した際の衝撃を和らげる弾性部材が取り付けられるウインドレギュレータの取付構造物であって、前記弾性部材と第1の方向で嵌合する嵌合部と、前記弾性部材が第2の方向で取り付けられた場合に、前記弾性部材の取り付け位置よりも前記取付構造物の内部側に形成された空間の壁部で前記弾性部材を係止する係止部と、を備える。
【0009】
本発明におけるウインドレギュレータは、上記の取付構造物を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、弾性部材が取り付けられる取付構造物が十分に機能することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態におけるウインドレギュレータの正面図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施の形態におけるドラムハウジングを示す図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の一実施の形態における取付部を示す斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明の一実施の形態における取付部を示す上面図である。
【
図3C】
図3Cは、本発明の一実施の形態における取付部を示す部分断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施の形態における弾性部材を示す斜視図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の一実施の形態における取付部に弾性部材を挿入した状態を示す正面図である。
【
図5B】
図5Bは、
図5Aの構成を第1の方向に垂直な方向で弾性部材を通る平面で切断した部分断面図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の一実施の形態における取付部に弾性部材を挿入した状態を示す正面図である。
【
図6B】
図6Bは、
図6Aの構成を第1の方向に垂直な弾性部材を通る平面で切断した部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態におけるウインドレギュレータ1の正面図である。ウインドレギュレータ1は、キャリアプレート10を移動させるための装置である。
【0015】
例えば、
図1に示すウインドレギュレータ1は、車両のドアのインナーパネルとアウターパネルとの間に固定され、ドアに設けられたウインドウを昇降させる。また、キャリアプレート10の移動方向は、ウインドウの昇降方向を基準として規定される上下方向である。
【0016】
ウインドレギュレータ1は、
図1に示すように、キャリアプレート10、ケーブル20、駆動部30、ガイドレール40、及び方向転換部50を備える。ケーブル20は、キャリアプレート10を、
図1において矢印で示す上下方向に移動させる部材である。
【0017】
ケーブル20としては、公知のケーブルを用いることができ、例えば、金属素線及び樹脂繊維素線のうちの少なくとも一方を複数用いて撚り合わせたケーブルを用いることができる。ケーブル20は、その方向が方向転換部50により転換されることが可能な可撓性を有する。
【0018】
ケーブル20は、上昇用ケーブル21と下降用ケーブル22とを含み、上昇用ケーブル21および下降用ケーブル22のそれぞれの一端には、キャリアプレート10が接続され、他端には駆動部30が接続される。
【0019】
具体的には、上昇用ケーブル21は、一端がキャリアプレート10に連結され、ガイドレール40の上部に設けられた方向転換部50のプーリ51に掛け回され、他端が駆動部30のドラム32に連結されている。上昇用ケーブル21がドラム32に巻き取られることにより、キャリアプレート10が上方に牽引される。
【0020】
下降用ケーブル22は、一端がキャリアプレート10に連結され、他端が駆動部30のドラム32に連結されている。下降用ケーブル22がドラムに巻き取られることにより、キャリアプレート10が下方に牽引される。
【0021】
キャリアプレート10は、ドアに設けられたウインドウを保持し、ケーブル20により牽引されてガイドレール40上を昇降移動する。キャリアプレート10は、ガイドレール40の下端41と上端42間で移動する。
【0022】
駆動部30は、ケーブル20の他端、具体的には、上昇用ケーブル21及び下降用ケーブル22の他端と接続され、上昇用ケーブル21及び下降用ケーブル22の巻き取り、および、繰り出しを行う。
【0023】
駆動部30は、モータ31と、ドラム32と、モータ31の回転運動をドラム32に伝達するウォームギヤ等の動力伝達部(図示せず)、ドラム32を収容するドラムハウジング33とを有する。駆動部30は、モータ31を順方向と逆方向とに回転駆動し、この回転駆動によりドラム32が順方向と逆方向とに回転する。
【0024】
ドラム32には、上昇用ケーブル21と下降用ケーブル22とが、互いに逆向きに巻かれる。すなわち、ドラム32は、上昇用ケーブル21を巻き取るときには下降用ケーブル22を繰り出し、下降用ケーブル22を巻き取るときには、上昇用ケーブル21を繰り出す。
【0025】
ドラム32は、回転方向によって、上昇用ケーブル21を巻き取って上昇用ケーブル21を引っ張るか、下降用ケーブル22を巻き取って、下降用ケーブル22を引っ張る。
【0026】
また、ドラムハウジング33の上部には、後述する取付部60が設けられ、取付部60には弾性部材90が固定される。
【0027】
弾性部材90は、キャリアプレート10がその下降限度位置に到達した際に、キャリアプレート10との接触により生じる衝撃を和らげ、その衝撃により発生する音を抑制する。
【0028】
ガイドレール40は、キャリアプレート10の移動を案内し、キャリアプレート10を移動可能に支持する。ガイドレール40には、キャリアプレート10がガイドレール40の軸周り方向に回転することを抑制するリブ等の回転規制部(図示せず)が、長手方向に設けられている。
【0029】
方向転換部50は、ガイドレール40上においてケーブル20の移動方向を転換する。具体的には、方向転換部50は、一端がキャリアプレート10に接続され、他端がドラム32に接続された上昇用ケーブル21が巻掛けられて、上昇用ケーブル21の移動方向を転換する。方向転換部50は、上昇用ケーブル21を下方に引っ張る力を、上方に引っ張る力に転換する。
【0030】
図2は、本発明の一実施の形態におけるドラムハウジング33を示す図である。ドラムハウジング33の上部中央には、ガイドレール40の下端41が固定される凹部34が設けられており、その凹部34に隣接する位置に取付部60が設けられている。
【0031】
図3Aは、本発明の一実施の形態における取付部60を示す斜視図である。
図3Bは、本発明の一実施の形態における取付部60を示す上面図である。
図3Cは、本発明の一実施の形態における取付部60を示す部分断面図である。
【0032】
取付部60は、第1規制部70と、第2規制部80と、第1空間71と、第2空間82,83とを有している。取付部60の上面61には、矩形の開口62が形成されている。
【0033】
第1規制部70は、取付部60に形成された第1空間71に面し、対向する両側面63に形成されている。第1規制部70は、凸部70aと凹部70bとを有する。両側面63は、ドラムハウジング33の厚み方向に直交する第1の方向において対向している。第1規制部70は、弾性部材90と第1の方向で嵌合する嵌合部である。
【0034】
第2規制部80は、第1空間71において、第1の方向と直交する第2の方向において対向する両側面64の上部に形成されている。第2規制部80は、弾性部材90が第2の方向で取り付けられた場合に、弾性部材90の取り付け位置よりもドラムハウジング33の内部側および外部側に形成された第2空間82,83の壁部で弾性部材90を係止する係止部である。
【0035】
後に説明する
図5Bおよび
図5Cにも示されるように、第1空間71は、弾性部材90が挿入される空間であり、弾性部材90によってほぼ塞がれる。
【0036】
第2空間82は第1空間71の下部と連通する空間であり、第1空間71からドラムハウジング33の内部側に形成された空間である。第2空間83は、第1空間72の下部と連通する空間であり、第1空間72からドラムハウジング33の外部側に形成された空間である。第2空間83は、ドラムハウジング33の外部に貫通する貫通孔である。
【0037】
図4は、本発明の一実施の形態における弾性部材90を示す斜視図である。弾性部材90は当接部91と、挿入部92とを有している。当接部91は、三角柱の2つの側面が上方を向くよう配置した形状を有する。なお、当接部91はこのような三角柱の形状に限定されず、四角柱や半円柱等の他の形状であってもよい。
【0038】
当接部91の先端部91aはキャリアプレート10の当接部11に接する。弾性部材90には、打ち当て音を小さくするため、ポリウレタンなどの弾力性を有する合成樹脂、あるいはクロロプレンなどの合成ゴムなど、緩衝作用を奏するクッション部材が用いられる。
【0039】
図3Cおよび
図4に示すように、弾性部材90の先端部分が嵌合する取付部60の部分の形状は、弾性部材90の挿入部92に対応する形状に形成されており、本実施の形態では、挿入部92と略同一の形状とされている。
【0040】
また、挿入部92は、弾性部材90の内部方向に凹んだ凹部92aと、互いに反対方向に突出する凸部92bとを有する。
【0041】
凹部92aは、第1規制部70の凸部70aと嵌合し、凸部92bは、第1規制部70の凹部70bと嵌合する。これにより、弾性部材90は取付部60に確実に固定される。
【0042】
次に、弾性部材90が正規方向(上述した第1の方向)で取付部60に挿入され、取り付けられた状態について説明する。
【0043】
図5Aは、本発明の一実施の形態における取付部60に弾性部材90を挿入した状態を示す正面図である。
図5Bは、
図5Aの構成を第1の方向に垂直な方向で弾性部材90を通る平面で切断した部分断面図である。平面の位置は、
図5Cの線B-Bで示されている。
図5Cは、
図5AのA-A部分断面図である。
【0044】
弾性部材90の挿入部92は、取付部60の上面61の開口62に挿入される。この場合、挿入部92の凸部92bは、第1規制部70の凸部70aに引っ掛かるが、弾性部材90を押し込むことにより、凸部92bは圧縮される。
【0045】
その後、凸部92bが第1規制部70の凹部70bに進むことにより、凸部92bは第1空間71内で元の形に戻って凹部70bと嵌合する。
【0046】
また、取付部60の凸部70aは、挿入部92の凹部92aと嵌合する。さらに、ドラムハウジング33の厚さ方向にある弾性部材90の2つの面は、第2規制部80に当接する。このような構成により、弾性部材90は取付部60に確実に固定される。
【0047】
ここで、
図5Cに示すように、弾性部材90の当接部91の先端部91aに、キャリアプレート10の受け部11が当接した場合、挿入部92の底面は取付部60の底面に押し付けられる。
【0048】
この場合、弾性部材90の挿入部92は、第2空間82,83側(矢印の方向)に膨張するので、第2規制部80にかかる力を第2空間82,83がない場合よりも軽減することができ、第2規制部80が破損することを防止できる。
【0049】
特に、第2空間83が肉抜きのために形成されているような場合、第2空間83側の第2規制部80が二つの第1規制部70を繋ぐ梁状に形成されることがある。このような場合、弾性部材90の挿入部92が第2空間82,83側に膨張すると梁状の第2規制部80に過負荷が作用するが、第2空間82側にも挿入部92が膨張することができるため、梁状の第2規制部80を破損することを抑制できる。つまり、肉抜きを形成しても、第2規制部80の強度を維持することができる。
【0050】
次に、弾性部材90が正規方向から90度回転させた方向(上述した第2の方向)において取付部60に挿入され、取り付けられた状態について説明する。
【0051】
図6Aは、本発明の一実施の形態における取付部60に弾性部材90を挿入した状態を示す正面図である。
図6Bは、
図6Aの構成を第1の方向に垂直な弾性部材90を通る平面で切断した部分断面図である。平面の位置は、
図6Cの線D-Dで示されている。
図6Cは、
図6AのC-C部分断面図である。
【0052】
弾性部材90の挿入部92は、取付部60の上面61の開口62に挿入される。先ず、挿入部92の凸部92bは、第2規制部80に引っ掛かるが、弾性部材90を押し込むことにより、凸部92bは圧縮される。
【0053】
その後、凸部92bが取付部60の第2空間82,83に進むことにより、凸部92bは元の形に戻って第2空間82,83に入り込む。そのため、弾性部材90が第1空間71から抜ける方向に力が働いた場合であっても、凸部92bは第2規制部80、つまり、第2空間82,83を形成する壁部82a、83aで係止され、弾性部材90が脱落するのを防止できる。
【0054】
一方、第1規制部70の凸部70aは、第1の方向において挿入部92を挟み込む。このような構成により、弾性部材90は取付部60に確実に固定される。
【0055】
また、
図6Bに示すように、弾性部材90の当接部91の先端部91aに、キャリアプレート10の受け部11が当接した場合、挿入部92の底部の角は取付部60の曲面からなる底面に押し付けられ、挿入部92は第1規制部70の凹部70b側(矢印の方向)に膨張する。これによっても、第2規制部81にかかる力を軽減することができ、第2規制部80が破損することを防止できる。
【0056】
なお、本実施の形態では、2つの第2空間82,83を設けることとしたが、これに限定されず、どちらか片方だけ設けることとしてもよい。
【0057】
また、本実施の形態では、弾性部材90が正規方向(上述した第1の方向)および正規方向から90度回転させた方向(上述した第2の方向)で取付部60に取り付けられる場合について説明したが、これに限定されず、弾性部材90が360度のどの角度でも係止可能なように、弾性部材90を係止する係止部が形成されてもよい。
【0058】
例えば、弾性部材90の凹部92aと嵌合する凸部を、弾性部材90が取り付けられるドラムハウジング33の部分の周囲に設けることとしてもよい。
【0059】
また、本実施の形態では、取付部60が、弾性部材90の互いに反対方向に突出する2つの凸部70aとそれぞれ嵌合する2つの凹部70bを有することとしたが、弾性部材90が内側に凹んだ2つの凹部を有し、取付部がそれらとそれぞれ嵌合する2つの凸部を有することとしてもよい。
【0060】
また、本実施の形態では、ドラムハウジング33に嵌合部である第1規制部70と係止部である第2規制部80を設けることとしたが、キャリアプレート10または方向転換部50に嵌合部と係止部と設けることとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、取付構造物およびウインドレギュレータに広く利用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 ウインドレギュレータ
10 キャリアプレート
20 ケーブル
30 駆動部
40 ガイドレール
50 方向転換部
60 取付部
70 第1規制部
71 第1空間
80 第2規制部
82 第2空間
90 弾性部材
91 当接部
92 挿入部