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  • 特開-コンビネーションケース 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159198
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】コンビネーションケース
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20241031BHJP
   A47F 3/04 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
F25D11/00 101C
A47F3/04 C
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075038
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000213493
【氏名又は名称】中野冷機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088720
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞一
(72)【発明者】
【氏名】藤井 宏行
(72)【発明者】
【氏名】馬上 朋之
(72)【発明者】
【氏名】足立 哲
(72)【発明者】
【氏名】印出 一生
【テーマコード(参考)】
3B110
3L045
【Fターム(参考)】
3B110AA05
3B110AA07
3B110BA04
3L045AA04
3L045BA01
3L045CA02
3L045DA02
3L045EA01
3L045HA01
3L045PA04
(57)【要約】
【課題】下方に位置する平型ショーケース部と上方に位置するリーチインショーケース部とを有するコンビネーションケースにおいて、製作効率を向上させ、部品点数を削減してコストダウンを図り、商品収容容積を増大させる。
【解決手段】コンビネーションケース1は、下方に位置する平型ショーケース部2と上方に位置するリーチインショーケース部3とを有し、平型ショーケース部2とリーチインショーケース部3との外周を囲む一体構造の外装ケース4を有し、外装ケース4の内側に形成されて平型ショーケース部2とリーチインショーケース部3とに冷気を導く連続した冷気通路5を有し、冷気通路5内に配置された一つの冷却器16を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に位置する平型ショーケース部と上方に位置するリーチインショーケース部とを有するコンビネーションケースであって、
前記平型ショーケース部と前記リーチインショーケース部との外周を囲む一体構造の外装ケースと、
前記外装ケースの内側に形成され、前記平型ショーケース部と前記リーチインショーケース部とに冷気を導く連続した冷気通路と、
前記冷気通路内に配置された一つの冷却器と、
を有することを特徴とするコンビネーションケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下方に位置する平型ショーケース部と上方に位置するリーチインショーケース部とを有するコンビネーションケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗では、下方に平型ショーケース部を有して上方にリーチインショーケース部を有するコンビネーションケースが使用されており、例えば、下記特許文献1に記載されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-166785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているコンビネーションケースは、平型ショーケース部とリーチインショーケース部とを個別に製作し、平型ショーケース部の上にリーチインショーケース部を重ねて配置し、連結している。従って、平型ショーケース部とリーチインショーケース部とを個別に製作しているため、部品点数が増加するとともに製作に手間がかかっている。また、個別に製作した平型ショーケース部とリーチインショーケース部とを連結する際には専用の連結部材が必要となるため、部品点数がさらに増加する要因となっている。しかも、平型ショーケース部とリーチインショーケース部とを連結する作業は、連結部(例えば、ネジ穴等)の位置合わせのために重量物であるリーチインショーケース部を前後左右に移動させて位置調節する必要があり、連結作業に手間と時間とがかかっている。さらに、平型ショーケース部とリーチインショーケース部との双方に冷却器や冷却器の霜付を防止するヒータ、及び、冷却器が上方に位置するリーチインショーケース部にあることでドレン受け、ドレンホース、ドレンヒータを設ける必要があり、これらはコンビネーションケースの製作費の中で大きな要素となっている。また、リーチインショーケース部は底板部を有し、この底板部は商品を収容するスペースではないため、コンビネーションケースは外観寸法の大きさに比べて商品収容容積の比率が小さくなっている。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、下方に位置する平型ショーケース部と上方に位置するリーチインショーケース部とを有するコンビネーションケースにおいて、製作効率を向上させ、部品点数を削減してコストダウンを図り、外形寸法に対する商品収容容積を増大させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコンビネーションケースは、下方に位置する平型ショーケース部と上方に位置するリーチインショーケース部とを有するコンビネーションケースであって、前記平型ショーケース部と前記リーチインショーケース部との外周を囲む一体構造の外装ケースと、前記外装ケースの内側に形成され、前記平型ショーケース部と前記リーチインショーケース部とに冷気を導く連続した冷気通路と、前記冷気通路内に配置された一つの冷却器と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るコンビネーションケースによれば、平型ショーケース部とリーチインショーケース部とが一体構造の外装ケース内に収まっているため、平型ショーケース部とリーチインショーケース部とを個別に製作する必要がなく、部品点数が少なくなるとともに製作に手間がかからなくなり、コストダウンが達成されている。しかも、個別に製作した平型ショーケース部とリーチインショーケース部とを連結するという作業が不要になるとともに、連結用の部品が不要となり、さらなるコストダウンが達成されている。また、平型ショーケース部とリーチインショーケース部とに冷気を導く連続した冷気通路が形成され、この冷気通路内に一つの冷却器が配置されているため、冷却器や冷却器の霜付を防止するヒータの数を減らすことができ、より一層のコストダウンが達成されている。しかも、冷却器を上方に位置するリーチインショーケース部に設ける必要がなくなり、上方に冷却器を設けた場合に必要となるドレン受け、ドレンホース、ドレンヒータの部品が不要となり、これらの部品が不要となることに伴ってさらなるコストダウンが達成される。また、リーチインショーケース部には底板部を設ける必要がないため、コンビネーションケースの外形寸法に対する商品収容容積の比率を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態のコンビネーションケースを示す断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態について図面に基いて説明する。図1はコンビネーションケース1を示す断面側面図であり、このコンビネーションケース1は、下方に位置する平型ショーケース部2と、上方に位置するリーチインショーケース部3とを有している。これらの平型ショーケース部2とリーチインショーケース部3とは、コンビネーションケース1の外周を囲む一体構造の外装ケース4内に形成されている。外装ケース4の内側には、平型ショーケース部2とリーチインショーケース部3とに亘って連続した構造の冷気通路5が形成されている。
【0010】
平型ショーケース部2は、商品(冷蔵商品、冷凍商品)が重ねた状態で収容される商品収容室6を有している。商品収容室6の底部には、商品が載置されるデッキパン7が取付けられている。商品収容室6の手前側上方部には、商品収容室6内に商品を出し入れする際に解放されるスライドドア8が取付けられている。
【0011】
リーチインショーケース部3は、商品が収容される商品収容室9を有している。この商品収容室9内には、上下方向に沿って配置された複数段の商品陳列棚10と、最下部に位置するデッキパン11とが取付けられている。各商品陳列棚10やデッキパン11上には、商品が平置き状態で収容されている。リーチインショーケース部3の正面側には、片開き形式又は両開き形式のスイングドア12が取付けられている。
【0012】
冷気通路5は、外装ケース4の内側に冷気通路形成板13を取付けることにより、外装ケース4と冷気通路形成板13との間に生じる空間として形成されている。冷気通路5の手前側上端部には、冷気通路5内を流れた冷気が下向きに吹出する吹出口14が形成されている。冷気通路形成板13における商品収容室6内に位置する部分には、冷気通路5内を流れる冷気の一部が商品収容室6内に吹出す複数の吹出口15が形成されている。
【0013】
冷気通路5内には、この冷気通路5内の空気を冷却して冷気を生成する一つの冷却器16と、生成された冷気を送風する送風ファン17、18とが配置されている。なお、この実施形態では冷気通路5内の下部と上部とに送風ファン17、18を配置した場合を示しているが、いずれか一方を省略することも許容される。
【0014】
このような構成において、このコンビネーションケース1の製作に当たっては、まず、一体構造の外装ケース4を形成し、この外装ケース4内に冷気通路形成板13を取付けることにより冷気通路5を形成し、冷気通路5内に冷却器16と送風ファン17、18とを配置する。
【0015】
つぎに、外装ケース4内の商品収容室9内に複数の商品陳列棚10を取付け、商品収容室9の底部にデッキパン11を取付け、商品収容室9の正面側にスイングドア12を取付けることによりリーチインショーケース部3を形成する。
【0016】
さらに、外装ケース4内の商品収容室6の底部にデッキパン7を取付け、商品収容室6の手前側上方部にスライドドア8を取付けることにより平型ショーケース部2を形成する。
【0017】
冷却器16や送風ファン17、18を駆動させてコンビネーションケース1を運転すると、冷気通路5内の空気が冷却器16により冷やされて冷気が生成され、生成された冷気が冷気通路5内を送風される。冷気通路5内を送風される冷気は、矢印で示すように吹出口14から吹出してリーチインショーケース部3に供給され、リーチインショーケース部3内の商品を冷却する。また、冷気通路5内を送風される冷気の一部は吹出口15から吹出すことにより平型ショーケース部2に供給され、平型ショーケース部2内の商品を冷却する。
【0018】
ここで、このコンビネーションケース1は、一体構造の外装ケース4を有し、この外装ケース4内に平型ショーケース部2とリーチインショーケース部3とを形成しているため、引用文献1において説明したように平型ショーケース部とリーチインショーケース部とを個別に形成した後に連結する場合に比べて、部品点数や製作の工程数が少なくなり、製作に手間がかからなくなり、コストダウンが達成されている。しかも、個別に製作した平型ショーケース部とリーチインショーケース部とを連結する作業が不要になるとともに連結用の部品も不要となり、さらなるコストダウンが達成されている。
【0019】
また、このコンビネーションケース1には、連続した構造の冷気通路5が形成され、この冷気通路5内に一つの冷却器16が配置されている。従って、引用文献1で説明したように平型ショーケース部とリーチインショーケース部とに個別に冷却器を設ける場合に比べて、冷却器の数や冷却器の霜付を防止するためのヒータの数を減らすことができ、これらの点からもより一層のコストダウンが達成されている。
【0020】
また、このコンビネーションケース1には、リーチインショーケース部3の下部には上下幅寸法の大きな底板部が存在しないため、コンビネーションケース1の外形寸法に対するコンビネーションケース1の商品収容容積を大きくすることができ、コンビネーションケース1の外形寸法の小型化を図りつつ商品収容容積の大型化を図ることができる。
【符号の説明】
【0021】
1 コンビネーションケース
2 平型ショーケース部
3 リーチインショーケース部
4 外装ケース
5 冷気通路
6 商品収容室
7 デッキパン
8 スライドドア
9 商品収容室
10 商品陳列棚
11 デッキパン
12 スイングドア
13 通気通路形成板
14 吹出口
15 吹出口
16 冷却器
17 送風ファン
18 送風ファン
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に位置する平型ショーケース部と上方に位置するリーチインショーケース部とを有するコンビネーションケースであって、
前記平型ショーケース部と前記リーチインショーケース部との外周を囲む一体構造の外装ケースと、
前記外装ケース部の内側に形成され、前記平型ショーケース部の商品陳列室内と前記リーチインショーケース部の商品陳列室内とに冷気を導く連続した冷気通路と、
前記冷気通路内に配置された一つの冷却器と、
を有し、
前記平型ショーケースの前記商品陳列室は、前記冷気通路内を流れる冷気の一部が前記冷気通路を形成する冷気通路形成板に形成された吹出口から下向きに吹き出し、吹き出した冷気が前記吹出口より下方であって前記平型ショーケースの正面側に位置する冷気循環用の通路を通って流れるように構成されていることを特徴とするコンビネーションケース。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係るコンビネーションケースは、下方に位置する平型ショーケース部と上方に位置するリーチインショーケース部とを有するコンビネーションケースであって、前記平型ショーケース部と前記リーチインショーケース部との外周を囲む一体構造の外装ケースと、前記外装ケースの内側に形成され、前記平型ショーケース部の商品陳列室内と前記リーチインショーケース部の商品陳列室内とに冷気を導く連続した冷気通路と、前記冷気通路内に配置された一つの冷却器と、を有し、前記平型ショーケースの前記商品陳列室は、前記冷気通路内を流れる冷気の一部が前記冷気通路を形成する冷気通路形成板に形成された吹出口から下向きに吹き出し、吹き出した冷気が前記吹出口より下方であって前記平型ショーケースの正面側に位置する冷気循環用の通路を通って流れるように構成されていることを特徴とする。