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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159218
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】防災制御盤
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
G08B17/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075065
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大上 佳一郎
【テーマコード(参考)】
5G405
【Fターム(参考)】
5G405AA06
5G405CA55
5G405CA60
5G405FA01
(57)【要約】
【課題】防災制御盤において防災に関する操作に用いられる操作部の高さを容易に調節できるようにする。
【解決手段】防災制御盤1Aは、筐体10と、筐体10の正面に取り付けられる扉部20Aと、を備える。扉部20Aの凹部200Aにおける側壁には、高さ方向に位置が変更可能に固定部材230が取り付けられる。扉部20Aには、防災に関する操作に用いられる操作部プレート22Aが設けられる。操作部プレート22Aは、固定部材230に引っ掛けられて操作部プレート22Aを筐体10に固定する引っ掛け部材300を備える。防災制御盤1Aでは、固定部材230の取り付け位置が変更されることにより操作部プレート22Aの高さ方向における位置が変更される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に対し高さ方向に位置が変更可能に取り付けられる固定部材と、
防災に関する操作に用いられる防災操作部に設けられ、前記固定部材に引っ掛けられて前記防災操作部を前記筐体に固定する引っ掛け部材と、を備え、
前記固定部材の取り付け位置が変更されることにより前記防災操作部の前記高さ方向における位置が変更される
防災制御盤。
【請求項2】
前記筐体は、前記防災操作部が収容される収容部を有し、
前記収容部の側面には、前記高さ方向に沿って複数の取付孔が形成され、
前記固定部材は、前記複数の取付孔の何れかの取付孔に取り付けられ、
前記固定部材が取り付けられる前記取付孔が変更されることにより前記防災操作部の前記高さ方向における位置が変更される
請求項1に記載の防災制御盤。
【請求項3】
防災に関する操作に用いられる防災操作部に設けられ、前記防災操作部から突出する突出部材と、
筐体に設けられ、前記突出部材を高さ方向に移動可能にガイドするガイド部と、
前記突出部材を前記高さ方向の何れかの位置で保持する保持部と、を備え、
前記突出部材が前記ガイド部に沿って前記高さ方向に移動することにより前記防災操作部の前記高さ方向における位置が変更される
防災制御盤。
【請求項4】
前記筐体は、前記防災操作部が収容される収容部を有し、
前記高さ方向における前記収容部の端部と前記防災操作部との間の開口部を遮蔽するスクリーン部と、
前記スクリーン部を巻き取り又は繰り出す巻取部と、をさらに備える
請求項3に記載の防災制御盤。
【請求項5】
前記巻取部は、巻取軸と、前記巻取軸を回転駆動する駆動部とを有し、
前記駆動部を操作する駆動操作部をさらに備え、
前記スクリーン部の一端は前記防災操作部に固定され、前記スクリーン部の他端は前記巻取軸に固定され、
前記突出部材は、前記駆動操作部の操作に応じて前記巻取軸が前記駆動部により回転駆動され前記スクリーン部を巻き取ることにより、前記ガイド部に沿って前記高さ方向に移動する
請求項4に記載の防災制御盤。
【請求項6】
前記巻取部は、巻取軸を有し、
前記巻取軸を回転させる操作に用いられる操作コードをさらに備え、
前記スクリーン部の一端は前記防災操作部に固定され、前記スクリーン部の他端は前記巻取軸に固定され、
前記突出部材は、前記操作コードの操作に応じて前記巻取軸が回転して前記スクリーン部を巻き取ることにより、前記ガイド部に沿って前記高さ方向に移動する
請求項4に記載の防災制御盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、防災制御盤、に関する。
【背景技術】
【0002】
火災受信機等の防災制御盤を設置する技術が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-192179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、防災制御盤の操作部の高さは固定されており、防災制御盤の設置後に操作部の高さを変更することは困難であった。しかし、操作部を操作し易い高さは操作者又は作業環境によって異なる。
【0005】
本開示は、防災制御盤の操作部の高さを容易に調節できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本開示の第1の態様に係る防災制御盤は、筐体に対し高さ方向に位置が変更可能に取り付けられる固定部材と、防災に関する操作に用いられる防災操作部に設けられ、前記固定部材に引っ掛けられて前記防災操作部を前記筐体に固定する引っ掛け部材と、を備え、前記固定部材の取り付け位置が変更されることにより前記防災操作部の前記高さ方向における位置が変更される。
【0007】
また、上記課題を解決するために本開示の第2の態様に係る防災制御盤は、防災に関する操作に用いられる防災操作部に設けられ、前記防災操作部から突出する突出部材と、筐体に設けられ、前記突出部材を前記高さ方向に移動可能にガイドするガイド部と、前記突出部材を前記高さ方向の何れかの位置で保持する保持部と、を備え、前記突出部材が前記ガイド部に沿って前記高さ方向に移動することにより前記防災操作部の前記高さ方向における位置が変更される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、防災制御盤の操作部の高さを容易に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の第1実施形態による防災制御盤1Aの正面図である。
図2】操作部プレート22Aが取り外された防災制御盤1Aの正面図である。
図3図1におけるX1X2線に沿った平面による防災制御盤1Aの断面の一例を示す断面図である。
図4】操作部プレート22Aの位置を変更する手順を説明するための説明図である。
図5】本開示の第2実施形態による防災制御盤1Bの正面図である。
図6図5におけるY1Y2線に沿った平面による防災制御盤1Bの断面の一例を示す断面図である。
図7】操作部プレート22Bの位置を変更する手順を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<A.実施形態>
以下に述べる実施形態には技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかし、本開示の実施形態は、以下に述べる形態に限られるものではない。
<A-1:第1実施形態>
図1は、本開示の第1実施形態による防災制御盤1Aの正面図である。本実施形態における防災制御盤1Aは、火災受信機である。図1に示されるように、防災制御盤1Aは、鉛直方向に長尺の直方体形状を有する自立型の筐体10と、筐体10の正面に設けられた扉部20Aとを有する。扉部20Aには、操作部プレート22Aと、目隠しプレート24A及び目隠しプレート24Bとが設けられる。操作部プレート22Aは、防災制御盤1Aに対する操作、即ち防災に関する操作に用いられる。操作部プレート22Aには、各種操作ボタンを備えた操作部と、液晶ディスプレイ等で構成された表示部と、プリンタとが設けられる。操作部プレート22Aは、本開示における防災操作部の一例である。詳細には後述するが、操作部プレート22Aは、着脱自在に扉部20Aに取り付けられる。
【0011】
図2は操作部プレート22Aが取り外された防災制御盤1Aの正面図であり、図3図1におけるX1X2線に沿った平面による防災制御盤1Aの断面図である。図2及び図3に示されるように、扉部20Aは、操作部プレート22Aを収容する凹部200Aを有する。凹部200Aは、本開示における収容部の一例である。図2及び図3に示されるように、凹部200Aの側壁には、複数の取付孔210が形成される。本実施形態における取付孔210は、ねじ孔である。
【0012】
本実施形態では、複数の取付孔210は、操作部プレート22Aが筐体10の底面から0.8m以上且つ1.5m以下の高さに設置されるような範囲を含む所定の範囲に等間隔で設けられる。これは、消防法においては操作部プレート22Aが床面から0.8m以上且つ1.5m以下の高さに設置するよう定められているからである。施工時に例えば地面に座って操作できるように、凹部200Aの側壁の一番下まで取付孔210が形成されてもよい。
【0013】
目隠しプレート24A及び目隠しプレート24Bは、防災制御盤1Aの内部を目隠しするために、扉部20Aの背面に設けられる。以下では、目隠しプレート24Aと目隠しプレート24Bとを区別する必要がない場合には、目隠しプレート24A及び目隠しプレート24Bは目隠しプレート24と称される。扉部20Aの背面において操作部プレート22Aにより隠れる位置には、配線孔220が形成される。配線孔220の位置の一例としては、操作部プレート22Aを地面から0.8m以上かつ1.5m以下の高さに設置したときに正面から見て操作部プレート22Aの後ろに隠れる位置が挙げられる。配線孔220は、操作部プレート22Aと防災制御盤1Aの内部の制御部とを接続するケーブルを通すための孔である。図2及び図3では、防災制御盤1Aの内部の制御部、及び当該制御部と操作部プレート22Aとを接続するケーブルの図示は省略されている。
【0014】
扉部20Aの凹部200Aの側壁に形成された複数の取付孔210には、固定部材230が取り外し可能に取り付けられる。図2及び図3に示されるように、扉部20Aの凹部200Aの側壁には、左右で一組となる2個の固定部材230が、2組取り付けられる。即ち、凹部200Aにおける左側の側壁には2個の固定部材230が取り付けられ、同右側の側壁にも2個の固定部材230が取り付けられる。
【0015】
固定部材230は、金属製の部材であり、ねじ部を有する軸と、当該軸よりも直径の大きい円形の部材である頭部とを有する。図3に示すように、操作部プレート22Aの背面の右上、左上、右下、及び左下には、引っ掛け部材300が設けられる。引っ掛け部材300は、凹部200Aの側面に取り付けられた固定部材230の軸に引っ掛けられる円弧状の部材である。引っ掛け部材300が固定部材230に引っ掛けられることにより、操作部プレート22Aは筐体10に固定される。本実施形態では、固定部材230の取り付け位置が変更されることにより、操作部プレート22Aの高さ方向における位置が変更される。
以上が防災制御盤1Aの構成である。
【0016】
次いで、防災制御盤1Aにおける操作部プレート22Aの位置を変更する手順を説明する。図4は、防災制御盤1Aにおける操作部プレート22Aの位置を変更する手順を説明するための説明図である。防災制御盤1Aの設置作業を行う作業者は、操作部プレート22Aを持ち上げることにより、引っ掛け部材300を固定部材230から外し、操作部プレート22Aを手前に引いて扉部20Aから取り外す(ステップSA1)。
【0017】
次いで、作業者は、固定部材230を取付孔210から取り外し、取り外した固定部材230を所望の高さの他の取付孔210に取り付ける(ステップSA2)。
【0018】
そして、作業者は、操作部プレート22Aの引っ掛け部材300を固定部材230に引っ掛ける(ステップSA3)。これにより、操作部プレート22Aの高さが変更され、操作部プレート22Aが扉部20Aに固定される。
【0019】
以上説明したように、本実施形態の防災制御盤1Aでは、固定部材230の取付位置を変更することにより、操作部プレート22Aの高さを現地で容易に調節することができる。
【0020】
<A-2:第1実施形態の変形例>
上記第1実施形態は、以下のように変形されてもよい。
(1)固定部材230の形状は他の形状でもよい。例えば、固定部材230の形状はダボのような円筒状であってもよい。
【0021】
(2)固定部材230及び引っ掛け部材300の数は4つに限定されない。例えば、より強固に固定するために、3組の固定部材230が凹部200Aの側壁に取り付けられ、これら6個の固定部材230に各々対応する6個の引っ掛け部材300が操作部プレート22Aに設けられてもよい。
【0022】
(3)取付孔210が形成される場所は凹部200Aの側壁に限定されない。例えば扉部20Aではなく、筐体10内に操作部プレート22Aが取り付けられる場合には、取付孔210は筐体10の側面又は背面に形成されてもよい。
【0023】
(4)引っ掛け部材300の形状は他の形状でもよい。引っ掛け部材300の形状は、固定部材230に引っ掛けられる形状であればどのような形状でもよい。
【0024】
<A-3:第2実施形態>
図5は、本開示の第2実施形態による防災制御盤1Bの正面図であり、図6は、図5におけるY1Y2線に沿った平面による防災制御盤1Bの断面の一例を示す断面図である。本実施形態における防災制御盤1Bは、防災制御盤1Aと同様に火災受信機である。図5及び図6では、第1実施形態におけるものと同一の構成要素には同一の符号が付されている。図5及び図6に示されるように、防災制御盤1Bは、筐体10と、扉部20Bとを有する。防災制御盤1Bの構成は、扉部20Aに代えて扉部20Bが設けられた点において防災制御盤1Aの構成と異なる。
【0025】
図5及び図6に示されるように、扉部20Bには、操作部プレート22Bが設けられる。操作部プレート22Bは、操作部プレート22Aと同様に、操作部、表示部、及びプリンタを有し、防災制御盤1Bの操作に用いられる。扉部20Bは、目隠しプレート24A及び目隠しプレート24Bに代えてスクリーン部26A及びスクリーン部26Bを有する点において扉部20Aと異なる。また、扉部20Bは、操作部プレート22Bを上下方向にスライド可能に構成されている点においても、扉部20Aと異なる。
【0026】
図6に示されるように、扉部20Bは、操作部プレート22Bを収容する凹部200Bを有する。凹部200Bの左右の側壁にはスライドレール250が設けられる。スライドレール250は、凹部200Bの左右の側壁にスライド孔を形成することにより、形成されてもよい。
【0027】
スライドレール250は、上下方向、即ち高さ方向に延びるガイド部250aと、各々ガイド部250aから分枝して奥行方向に延びる保持部250bとを有する。保持部250bの一端(手前側)は閉端であり、他端(奥側)はガイド部250aに繋がる開端である。
【0028】
操作部プレート22Bの上端及び下端の各々には、左右に突出する突出部材310が溶接等で固定されている。操作部プレート22Bの上端及び下端の各々から右に突出する突出部材310は、凹部200Bの右側の側壁に設けられたスライドレール250内に挿入される。操作部プレート22Bの上端及び下端の各々から左に突出する突出部材310は、凹部200Bの左側の側壁に設けられたスライドレール250内に挿入される。突出部材310は、直径がスライドレール250の開口部の幅より小さい棒状部材と、棒状部材の両端に各々一つずつ設けられる2つの端部とを有する。端部は、直径がスライドレール250の開口部の幅より大きい円形の部材である。棒状部材の直径がスライドレール250の開口部の幅より小さいため、突出部材310はスライドレール250内をスライドして移動できる。端部の直径がスライドレール250の開口部の幅より大きいため、突出部材310がスライドレール250から外れることはない。
【0029】
スクリーン部26A及びスクリーン部26Bの各々は、筐体10の内部を目隠しするための難燃性の織布である。スクリーン部26Aの一端は、操作部プレート22Bの上端側に固定された突出部材310に接着剤等で固定され、他端は巻取部320Aの巻取軸に固定され、巻取部320Aにより巻き取られる。スクリーン部26Bの一端は、操作部プレート22Bの下端側に固定された突出部材310に接着剤等で固定され、他端は巻取部320Bの巻取軸に固定され、巻取部320Bにより巻き取られる。なお、スクリーン部26A又は26Bを突出部材310に固定する方法は接着剤を用いた方法に限定されず、例えば強力マグネットでスクリーン部26A又は26Bを挟んで突出部材310に接着させてもよい。スクリーン部26Aは、操作部プレート22Bの上端と凹部200Bの上端との間の開口部を遮蔽する。スクリーン部26Bは、操作部プレート22Bの下端と凹部200Bの下端との間の開口部を遮蔽する。以下では、スクリーン部26A及びスクリーン部26Bの各々を区別する必要がない場合には、スクリーン部26A及びスクリーン部26Bはスクリーン部26と称される。同様に、巻取部320A及び巻取部320Bの各々を区別する必要がない場合には、巻取部320A及び巻取部320Bは巻取部320と称される。
【0030】
巻取部320A及び320Bは、それぞれ、凹部200Bの上端及び下端に固定される。図6では詳細な図示を省略したが、巻取部320は、巻取軸を回転駆動する駆動部を備える。駆動部は、巻取軸を回転駆動することにより、巻取軸に一端が固定されたスクリーン部26を巻き取り又は繰り出す。本実施形態では、駆動部は、スクリーン部26を巻き取る方向に常時付勢している。スクリーン部26を巻き取る方向に常時付勢することにより、操作部プレート22Bの上下方向の移動に伴ってスクリーン部26が弛むことはない。
以上が防災制御盤1Bの構成である。
【0031】
次いで、防災制御盤1Bにおける操作部プレート22Bの位置を変更する手順を説明する。図7は、防災制御盤1Bにおける操作部プレート22Bの位置を変更する手順を説明するための説明図である。防災制御盤1Bの設置作業を行う作業者は、まず、操作部プレート22Bをスライドレール250の保持部250bに沿って奥側に押し込む(ステップSB1)。操作部プレート22Bが奥側に押し込まれると、突出部材310が保持部250bに沿って奥側に移動し、ガイド部250aに到達する。
【0032】
次いで、作業者は、操作部プレート22Bをガイド部250aに沿って下方向に移動させる(ステップSB2)。操作部プレート22Bが下方向に移動されると、突出部材310がガイド部250aに沿って下方向に移動する。操作部プレート22Bの下方向への移動に伴って、巻取部320Aは、スクリーン部26Aを繰り出し、巻取部320Bは、スクリーン部26Bをたるまないように巻き取る。
【0033】
そして、作業者は所望の高さにおいて操作部プレート22Bを保持部250bに沿って手前側に移動させる(ステップSB3)。操作部プレート22Bが手前側に移動されると、突出部材310が保持部250bに沿って手前側に移動し、保持部250bにより保持される。これにより、操作部プレート22Bの高さが変更される。
【0034】
以上説明したように、本実施形態の防災制御盤1Bにおいても、操作部プレート22Bをスライドレール250に沿って移動させることにより、操作部プレート22Bの高さを現地で容易に調節することができる。
【0035】
<A-4:第2実施形態の変形例>
上述した第2実施形態は以下のように変形されてもよい。
(1)スクリーン部26に代えて、目隠しプレート24が扉部20Bに設けられてもよい。なお、この変形例に係る操作部プレート22Bの位置変更の方法には、上述した第2実施形態と同様に、作業者が操作部プレート22Bをスライドレール250に沿って移動させるという方法が採用される。
【0036】
(2)駆動部は、電動機であってもよい。作業者は、操作部プレート22Bを奥側に押し込んだ後、例えば巻取部320Aの操作スイッチをオンにする。この操作に応じて巻取部320Aが駆動部により回転駆動されスクリーン部26Aを巻き取り又は繰り出す。これにより、操作部プレート22Aがガイド部250aに沿って上側又は下側に移動する。作業者は、所望の高さにおいて上側の巻取部320Aの操作スイッチをオフにして、操作部プレート22Bを保持部250bに沿って手前側に移動させる。これにより、作業者は操作部プレート22Bを手動で上下に移動させなくても、操作スイッチを操作するだけで、操作部プレート22Bを高さ方向に移動させることができる。操作スイッチは、駆動部を操作する駆動操作部の一例である。
【0037】
(3)第2実施形態において、巻取部320は手動でスクリーン部26を巻き取ってもよい。具体的には、巻取部320には、巻取軸を回転させる操作コード(例えばチェーン)が設けられてもよい。作業者は、操作部プレート22Bを奥側に押し込んだ後、例えば巻取部320Aの操作コードを操作する。この操作に応じて巻取軸が回転して巻取部320Aがスクリーン部26Aを巻き取り又は繰り出す。他の例として、操作コードが巻取部320A及び320Bの両方に掛け渡されている場合には、作業者による操作コードの操作に応じて巻取部320A及び320Bがスクリーン部26A及び26Bを同じ量だけ巻き取り又は繰り出してもよい。これにより、操作部プレート22Bがガイド部250aに沿って上側又は下側に移動する。作業者は、操作コードの操作を停止し、操作部プレート22Bを保持部250bに沿って手前側に移動させる。これにより、作業者が操作部プレート22Bを手で持って上下に移動させなくても、操作部プレート22Bの高さを容易に調節することができる。本態様によれば、作業者は、操作コードを操作するだけで、操作部プレート22Bを高さ方向に移動させることができる。
【0038】
<B:その他の変形例>
上述した第1実施形態及び第2実施形態は以下のように変形されてもよい。
(1)操作部プレート22Aを持ち易くするため、操作部プレート22Aの上端及び下端のうち少なくとも何れかに取っ手が設けられてもよい。同様に、操作部プレート22Bを持ち易くするため、操作部プレート22Bの上端及び下端のうち少なくとも何れかに取っ手が設けられてもよい。また、操作部プレート22Aを持ち易くするため、操作部プレート22Aの上端及び下端のうち少なくとも何れかに作業者が手で持つための切り欠きが形成されてもよい。同様に、操作部プレート22Bを持ち易くするため、操作部プレート22Bの上端及び下端のうち少なくとも何れかに作業者が手で持つための切り欠きが形成されてもよい。なお、操作部プレート22A(操作部プレート22B)に切り欠きを形成する態様では、切り欠きから筐体10の内部が見えないように、当該切り欠きは、使用されるとき以外は、ゴム等で形成された閉塞部材により閉塞されてもよい。
【0039】
(2)操作部プレート22Aは、必ずしも表示部及びプリンタを有さなくてもよい。同様に操作部プレート22Bは、必ずしも表示部及びプリンタを有さなくてもよい。操作部プレート22A及び操作部プレート22Bは、操作者の操作に供されるものであればよい。
【0040】
(3)防災制御盤1A及び防災制御盤1Bは、火災受信機に限定されない。防災制御盤1A及び防災制御盤1Bは、消火設備の制御盤、防火・防排煙設備の制御盤、ガス漏れ火災警報設備の制御盤等の他の防災システムの制御盤であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1A、1B…防災制御盤、10…筐体、20A,20B…扉部、22A,22B…操作部プレート、24A、24B…目隠しプレート、26A,26B…スクリーン部、200A,200B…凹部、210…取付孔、220…配線孔、230…固定部材、250…スライドレール、250a…ガイド部、250b…保持部、300…引っ掛け部材、310…突出部材、320A,320B…巻取部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7