(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159220
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】脱離用プライマー組成物層を有する積層体及び積層体の脱離方法
(51)【国際特許分類】
B32B 27/28 20060101AFI20241031BHJP
B29B 17/02 20060101ALI20241031BHJP
C08J 7/04 20200101ALI20241031BHJP
【FI】
B32B27/28 102
B29B17/02 ZAB
C08J7/04 H CER
C08J7/04 CEZ
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075067
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000105947
【氏名又は名称】サカタインクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100214363
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100131587
【弁理士】
【氏名又は名称】飯沼 和人
(72)【発明者】
【氏名】瀧本 京平
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】原田 淳一
【テーマコード(参考)】
4F006
4F100
4F401
【Fターム(参考)】
4F006AA12
4F006AA35
4F006AA38
4F006AB20
4F006BA01
4F006BA11
4F006CA07
4F100AK04A
4F100AK07A
4F100AK07E
4F100AK21D
4F100AK42A
4F100AK46A
4F100AK63E
4F100AK69B
4F100AK69D
4F100AK73D
4F100AT00
4F100BA05
4F100EH232
4F100HB31C
4F100JL14
4F100JL16
4F401AA09
4F401AA10
4F401AA15
4F401AA22
4F401AA24
4F401AB07
4F401AD01
4F401BA13
4F401CA32
4F401CA48
4F401CA49
4F401CB01
4F401EA07
4F401EA46
(57)【要約】
【課題】使用時に確実に樹脂基材層と印刷層を結合でき、高温高湿下でのバリア性が優れ、かつ使用後に樹脂基材層から印刷層をより簡単に、更にその後に印刷層を脱離液から分離脱離しやすくすること。
【解決手段】樹脂基材層、脱離用プライマー層、印刷層、脱離用プライマー層、シーラント層を積層してなり、この2つの脱離用プライマー層のうちの少なくとも1層を形成する脱離用プライマー組成物が、エチレンビニルアルコール系樹脂を含有する脱離用プライマー組成物である積層体。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂基材層、脱離用プライマー層、印刷層、脱離用プライマー層、シーラント層を積層してなり、この2層の脱離用プライマー層のうちの少なくとも1層が、エチレンビニルアルコール系樹脂を含有する脱離用プライマー組成物から形成された層である積層体。
【請求項2】
2層の脱離用プライマー層のうちの1層が、エチレンビニルアルコール系樹脂を含有しない脱離用プライマー組成物からなる層であるとき、そのエチレンビニルアルコール系樹脂を含有しない脱離用プライマー組成物は、下記A~Bのいずれかである請求項1に記載の積層体。
A.ポリエチレンイミン系化合物を含有する脱離用プライマー組成物
B.ポリブタジエン系化合物を含有する脱離用プライマー組成物
C.ポリビニルアルコールを含有する脱離用プライマー組成物
【請求項3】
前記エチレンビニルアルコール系樹脂を構成する全単量体中のエチレン単位の含有比率は、1~35モル%である請求項1又は2に記載の積層体。
【請求項4】
上記エチレンビニルアルコール系樹脂のけん化度が90%以上である請求項1又は2に記載の積層体。
【請求項5】
前記エチレンビニルアルコール系樹脂を含有する脱離用プライマー組成物から形成される脱離用プライマー層の固形分塗布量が0.1~2.0g/m2である請求項1又は2に記載の積層体。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の積層体を脱離液に浸漬する工程、及び、樹脂基材層と印刷層を回収する工程を有する、樹脂基材層の脱離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱離用プライマー組成物層を有する積層体及び積層体の脱離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品、菓子、生活雑貨、ペットフード等には意匠性、経済性、内容物保護性、輸送性等の点から、各種プラスチックフィルムを使用した包装材料が使用されている。また、多くの包装材料には、消費者へアピールする意匠性、メッセージ性の付与を意図してグラビア印刷やフレキソ印刷が施されている。
そしてこれらの包装材料を得るために、包装材料の基材フィルムの表面に印刷される刷りっぱなし印刷、あるいは包装材料の基材フィルムの表面に印刷した印刷面に必要に応じて接着剤やアンカー剤を塗布し、基材フィルムにラミネート加工を施すための印刷が行われる。
ラミネート加工を施すための印刷では、ポリエステル、ナイロン、アルミニウム箔等の各種基材フィルム上に色インキ組成物、白インキ組成物を順次印刷後、該白インキ組成物の印刷層上に、接着剤を用いたドライラミネート加工や、アンカーコート剤を用いた押出しラミネート加工等によりヒートシールを目的としたポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等が積層されている(特許文献1参照)。
【0003】
近年、プラスチックフィルムを原料とするパッケージ、プラスチックボトルその他のプラスチック製品は海洋にゴミとして廃棄・投棄され、環境汚染問題となっている。これらのプラスチック製品は海水中で分解されてサブミクロンサイズの破片(マイクロプラスチック)となり、海水中に浮遊する。当該プラスチックを魚類等の海洋生物が摂取すれば、生物体内中で濃縮される。そうすれば当該海洋生物を食料として摂取する海鳥や人間の健康にも影響することが懸念される。
このような問題を改善するためにマイクロプラスチックを減らす様々な取り組みの1つとして、印刷インキ組成物を積層した積層体から、積層体のプラスチック基材を脱離するリサイクル方法が提案されている。積層体プラスチック基材を脱離する方法としては、脱離用インキ組成物(例えば、特許文献2参照)、脱離用接着剤(例えば、特許文献3参照)、脱離用アンカーコート剤等(例えば、特許文献4~6参照)、脱離液(例えば、特許文献7参照)が提案されている。
【0004】
しかし、これらの方法では、ラミネート印刷インキ組成物で使用する場合は、バリア性が不十分である問題を有していた。
また、脱離層として、ポリビニルアルコール(以後PVAと称する場合がある)を含有する樹脂層を設けることが提案されている(例えば、特許文献8参照)。
しかし脱離層として、ポリビニルアルコールを含有する樹脂層を設ける場合は、高温高湿下でのガスバリア性が低下する問題を有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5-97959号公報
【特許文献2】特許第6631964号公報
【特許文献3】特許第6642688号公報
【特許文献4】特許第6388131号公報
【特許文献5】特開2020-175620号公報
【特許文献6】特開2023-50125号公報
【特許文献7】特許第6690806号公報
【特許文献8】国際公開第2021/090690号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、高温高湿下でのガスバリア性に優れ、かつ使用後に印刷層と樹脂基材層、印刷層とシーラント層を分離脱離することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、下記の積層体及び積層体の脱離方法とすることにより、上記課題を解決しうることを見出し、以下の本発明とするに至った。
1.樹脂基材層、脱離用プライマー層、印刷層、脱離用プライマー層、シーラント層を積層してなり、この2層の脱離用プライマー層のうちの少なくとも1層が、エチレンビニルアルコール系樹脂を含有する脱離用プライマー組成物から形成された層である積層体。
2.2層の脱離用プライマー層のうちの1層が、エチレンビニルアルコール系樹脂を含有しない脱離用プライマー組成物からなる層であるとき、そのエチレンビニルアルコール系樹脂を含有しない脱離用プライマー組成物は、下記A~Bのいずれかである1に記載の積層体。
A.ポリエチレンイミン系化合物を含有する脱離用プライマー組成物
B.ポリブタジエン系化合物を含有する脱離用プライマー組成物
C.ポリビニルアルコールを含有する脱離用プライマー組成物
3.前記エチレンビニルアルコール系樹脂を構成する全単量体中のエチレン単位の含有比率は、1~35モル%である1又は2に記載の積層体。
4.上記エチレンビニルアルコール系樹脂のけん化度が90%以上である1~3のいずれかに記載の積層体。
5.前記エチレンビニルアルコール系樹脂を含有する脱離用プライマー組成物から形成される脱離用プライマー層の固形分塗布量が0.1~2.0g/m2である1~4のいずれかに記載の積層体。
6.1~5のいずれかに記載の積層体を脱離液に浸漬する工程、及び、樹脂基材層と印刷層を回収する工程を有する、樹脂基材層の脱離方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、積層体を構成する樹脂基材層、及びシーラント層を、印刷層から簡単に脱離液により脱離しやすくなる。その結果、印刷層とその他の層を別にして回収し、樹脂基材層、シーラント層を再利用できる。また、高温高湿下でのバリア性に優れる積層体にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、樹脂基材層、脱離用プライマー層、印刷層、脱離用プライマー層、シーラント層を積層してなる積層体であって、少なくとも脱離用プライマー層の1つが、エチレンビニルアルコール系樹脂を含有する脱離用プライマー組成物からなる積層体である。
本発明の積層体は、上記の樹脂基材層、脱離用プライマー層、印刷層、脱離用プライマー層及びシーラント層のみから形成されていても良い、その他にこれらの層のうち、任意の層の間に、アンカーコート層や接着剤層を形成しても良い。
更に、本発明の積層体は、樹脂基材層の脱離用プライマー層を形成する側の面の全面に、脱離用プライマー層及び印刷層を形成し、更に、脱離用プライマー層とシーラント層を積層してなるものでも良く、樹脂基材層の脱離用プライマー層を形成する側の面の一部の面に、脱離用プライマー層及び印刷層を形成し、更に、脱離用プライマー層とシーラント層を積層してなるものでも良い。
【0010】
[樹脂基材層]
本発明における樹脂基材層は、1層からなるものでも良く、複数層からなるものでも良い。紙基材に樹脂がラミネートされてなる樹脂フィルム等でもよい。また、熱可塑性樹脂層とポリエチレン系樹脂層を有する積層体を採用しても良く、採用しなくても良い。
このような樹脂基材層として、公知の樹脂を含有し、表面に印刷を行うことができる樹脂基材層であり、ラミネート印刷用の樹脂フィルムを採用できる。そのような樹脂基材層として、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、ナイロン(NY)等のポリアミド等の樹脂フィルム、アルミニウム等の金属層を有する上記樹脂フィルム、透明蒸着層を有する上記樹脂フィルム等を採用できる。具体的には、耐水性、耐熱性、耐衝撃性があり、防湿性やガス遮断性にも優れる、二軸延伸ポリプロピレン、ポリエステル、延伸ナイロン、透明蒸着フィルム等が好ましい。
また、樹脂基材層がフィルム状ではなく板状でも良い。
【0011】
樹脂基材層の脱離用プライマー組成物層を形成する側の表面に対して、予め表面処理を行なうことができる。
このような表面処理としては、プラズマ処理、コロナ放電処理、アンカーコート層、接着剤層の形成等、樹脂基材層表面と脱離用プライマー組成物層の接着性を向上させるための表面処理を選択できる。
【0012】
[脱離用プライマー層]
本発明中の脱離用プライマー層は、樹脂基材層表面と印刷層の間、及び/又は、印刷層とシーラント層の間に設けられて、印刷物を使用した後に再利用を行うにあたり、樹脂基材層と印刷層とを分離し、印刷層とシーラント層とを分離して、印刷層を樹脂基材層から脱離させるため、印刷層をシーラント層から脱離させるための脱離用プライマー層である。
そのため、基材上に形成した印刷面に単にアンカーコート層を形成し、その上に樹脂フィルム等をラミネートする際のアンカーコート剤に対して、その用途及び求める性質において異なる。
脱離用プライマー層を形成するためのエチレンビニルアルコール系樹脂を含有する脱離用プライマー組成物について以下に説明する。
【0013】
本発明の積層体を得るための脱離用プライマー層の一例は、樹脂基材層に印刷インキ組成物で印刷する前に、形成されるものである。
また、印刷層とシーラント層をドライラミネートする前、及び/又は、印刷層とシーラント層を押出しラミネートする前に、予め脱離用プライマー組成物によって脱離用プライマー層を形成させてもよい。
樹脂基材層と印刷層の間に位置するように設けられた脱離用プライマー層を形成するための脱離用プライマー組成物と、印刷層とシーラント層の間に位置するように設けられた脱離用プライマー層を形成するための脱離用プライマー組成物は、同一であっても、異なっていてもよい。
以下に、脱離用プライマー層を形成するためのエチレンビニルアルコール系樹脂を含有する脱離用プライマー組成物について説明する。
【0014】
<エチレンビニルアルコール系樹脂を含有する脱離用プライマー組成物>
本発明の積層体は、エチレンビニルアルコール系樹脂を含有する脱離用プライマー組成物からなる層を有する。
(エチレンビニルアルコール系樹脂)
エチレンビニルアルコール系樹脂は、エチレン-酢酸ビニル共重合体をけん化することによって得られ、湿度バリア性に優れ、透明性が高いという性質を有する。
また、エチレンビニルアルコール系樹脂は、酢酸ビニル及びそのけん化物である共重合単位と、エチレン由来の共重合単位からなる他に、別の共重合可能な単量体単位を含有してもよい。さらに、エチレンビニルアルコール系樹脂は、エチレン由来の共重合単位とビニルアルコール構造を由来とする単位を共重合成分として有する。
なお、エチレン含量は、エチレンビニルアルコール系樹脂を構成するエチレンを一方の共重合性成分とし、別の不飽和二重結合を有する成分を他方の共重合成分として、エチレンのモル数を全部の共重合成分の合計のモル数で除した値である。
エチレンビニルアルコール系樹脂のエチレン含有率は1モル%以上が好ましく、4モル%以上がより好ましい。また35モル%以下が好ましく、30モル%以下がより好ましい。
エチレン含有率が1モル%より小さいと、高温高湿時のガスバリア性が低下する傾向となり、エチレン含有率が35モル%より大きいと、粘度が高くなる傾向がある。
エチレンビニルアルコール系樹脂は、けん化度が95%以上であることが好ましく、96%以上がより好ましい。けん化度が95%未満であると、ガスバリア性及び耐油性が低下することがある。
脱離用プライマー組成物は、必要に応じて低級アルコールの混合溶媒中に、エチレンビニルアルコール系樹脂を加え撹拌溶解させることにより得ることができる。
【0015】
脱離用プライマー組成物には、樹脂基材層表面や印刷層等の隣接する層との接着性が低下しない範囲で、及び/又は、ラミネート適性が低下しない範囲で、無機層状化合物を含有させることができる。
無機層状化合物としては、分散媒体中で膨潤及びへき開する無機層状化合物が利用できる。例えば、フィロケイ酸塩の1:1構造をもつカオリナイト族、ジャモン石群に属するアンチゴライト族、層間カチオンの数によってスメクタイト族、含水ケイ酸塩鉱物であるバーミキュライト族、マイカ族等を挙げることができる。
無機層状化合物の具体例としては、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、スチーブンサイト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石等で天然であっても合成物であってもよい。
また、鱗片状シリカ等も使用できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、塗布性や、バリアコーティング剤に使用した場合のガスバリア性の観点からモンモリロナイトが好ましい。
【0016】
脱離用プライマー組成物が含有する分散媒体としては、水系分散媒体又は有機系分散媒体のどちらも利用でき、水系分散媒体としては、水のみであっても、水と、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコールとそのアルキルエーテル誘導体、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン等のケトン類といった水混和性有機溶媒とを混合した分散媒体であってもよい。
分散媒体としては、適度な固形分を維持する観点から、水50~95質量%と、炭素数2~4の低級アルコールであるエチルアルコール、プロピルアルコール及びブチルアルコールの少なくとも1種を5~50質量%含む混合物を使用することが好ましい。
上記脱離用プライマー層の量は、固形分塗布量が0.1~2g/m2となる範囲が好ましい。固形分塗布量が0.1g/m2より少ないと脱離性が低下する傾向となり、一方、2g/m2より多いと接着性が低下する傾向となる。
【0017】
<エチレンビニルアルコール系樹脂を含有する脱離用プライマー組成物以外の脱離用プライマー組成物>
本発明においては、脱離用プライマー組成物として、多くても1つの層のみに対して、エチレンビニルアルコール系樹脂を含有する脱離用プライマー組成物以外の脱離用プライマー組成物からなる層を使用してもよい。
そのような、エチレンビニルアルコール重合樹脂を含有しない脱離用プライマー組成物としては、A.ポリエチレンイミン系化合物を含有する脱離用プライマー組成物、B.ポリブタジエン系化合物を含有する脱離用プライマー組成物、及びC.ポリビニルアルコールを含有する脱離用プライマー組成物から選ばれた少なくとも1種を含有する組成物を採用できる。
【0018】
なお、A.ポリエチレンイミン系化合物を含有する脱離用プライマー組成物、B.ポリブタジエン系化合物を含有する脱離用プライマー組成物、及びC.ポリビニルアルコールを含有する脱離用プライマー組成物は、それぞれ、必要に応じて、上記のエチレンビニルアルコール系(EVOH)樹脂を含有する脱離用プライマー組成物に含有できる無機層状化合物を含有してもよい。更に、使用する分散媒体の種類や組成、ポリエチレンイミン系化合物、ポリブタジエン系化合物及びポリビニルアルコールの濃度についても、上記エチレンビニルアルコール系(EVOH)樹脂を含有する脱離用プライマー組成物と同様の範囲から選択できる。また、これらのエチレンビニルアルコール系(EVOH)樹脂を含有する脱離用プライマー組成物以外の脱離用プライマー組成物からなる層の量も、固形分塗布量が0.1~2g/m2となる範囲が好ましい。固形分塗布量が0.1g/m2より少ないと脱離性が低下する傾向となり、一方、2g/m2より多いと接着性が低下する傾向となる。
【0019】
(A.ポリエチレンイミン系化合物を含有する脱離用プライマー組成物)
ポリエチレンイミン系化合物を含有する脱離用プライマー組成物に使用されるポリエチレンイミン系化合物を更に細かくすると、A-1.ポリエチレンイミン化合物、A-2.ポリエチレンイミン化合物と、グリシジル基含有シランカップリング剤及び/又はイソシアネート基含有シランカップリング剤を含有する混合物、A-3.シロキサン変性ポリエチレンイミン化合物、のA-1~A-3が挙げられる。またこれらのA-1~A-3の化合物は互いに異なるものであり、重複するものではない。
そして、A.ポリエチレンイミン系化合物は、アミン価が5.0~25.0mmol/gであるものが好ましい。
【0020】
(A-1.ポリエチレンイミン化合物)
A-1.ポリエチレンイミン化合物としては、ポリエチレンイミン化合物のアミン価が15.0~25.0mmol/gのものが好ましく、中でも16.0mmol/g以上が好ましく、20.0mmol/g以下が好ましい。
また、分子内のアミノ基のうち、1級アミノ基から3級アミノ基のそれぞれの基を全て有するポリエチレンイミン系化合物が好ましい。更に、2級アミノ基が1級及び3級アミノ基よりも多く含有することが好ましく、更に1級から3級までの全アミノ基の合計数に対する2級アミノ基の数が、40%以上であることがより好ましい。これらの範囲内であるほど、脱離を容易に行うことができる。
ポリエチレンイミン化合物を含有する脱離用プライマー組成物は、上記ポリエチレンイミン化合物に溶剤を加え撹拌することにより得ることができる。上記溶剤としては、特に、水に、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールの等のアルコールを1種以上加えた混合物を利用できる。
なお、A-1.ポリエチレンイミン化合物は、A-3.シロキサン変性ポリエチレンイミン化合物を包含せず、A-3.シロキサン変性ポリエチレンイミン化合物はA-1.ポリエチレンイミン化合物とは異なる化合物である。
【0021】
(A-2.ポリエチレンイミン化合物と、グリシジル基含有シランカップリング剤及び/又はイソシアネート基含有シランカップリング剤から選ばれた1種以上を含有する混合物)
上記A-1.ポリエチレンイミン化合物を使用した場合に対して、よりラミネート適性を向上させる場合には、上記ポリエチレンイミン化合物に、更に、グリシジル基及び/イソシアネート基を含有するシランカップリング剤を含有させることが好ましい。
ポリエチレンイミン化合物としては、上記A-1.ポリエチレンイミン化合物が使用でき、このポリエチレンイミン化合物は、A-3.シロキサン変性ポリエチレンイミン化合物を包含しない。
【0022】
グリシジル基を含有するシランカップリング剤としては、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルメトキシジメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルメトキシジエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン等が例示できる。
【0023】
イソシアネート基を含有するシランカップリング剤としては、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、2-イソシアネートエチルトリエトキシシラン、2-イソシアネートエチルトリメトキシシラン等が例示できる。
【0024】
レトルト後のラミネート適性の点より、グリシジル基を含有するシランカップリング剤、イソシアネート基を含有するシランカップリング剤は、(ポリエチレンイミン系化合物のアミノ基の数)に対する、(シランカップリング剤のグリシジル基の数+イソシアネート基の数)の比((シランカップリング剤のグリシジル基の数+シランカップリング剤のイソシアネート基の数)/ポリエチレンイミン系化合物の1級アミノ基の数と2級アミノ基の数の合計)が0.20~2.50となるように配合することが好ましい。そして、0.30以上がより好ましく、2.20以下がより好ましく、1.90以下が更に好ましい。
なお、アミノ基の数は1級アミノ基の数と2級アミノ基の数の合計である。
この、(ポリエチレンイミン系化合物のアミノ基の数)に対する、(シランカップリング剤のグリシジル基の数+イソシアネート基の数)の比((シランカップリング剤のグリシジル基の数+イソシアネート基の数)/(ポリエチレンイミン系化合物の1級アミノ基の数と2級アミノ基の数の合計))は、以下の考えの式により求めることができる。
【0025】
[(グリシジル基含有シランカップリング剤の塗布量(g/m2)×1分子中の平均グリシジル基数)/グリシジル基含有シランカップリング剤の平均分子量(g/mmol)]+[(イソシアネート基含有シランカップリング剤の塗布量(g/m2)×1分子中の平均イソシアネート基数)/イソシアネート基含有シランカップリング剤の平均分子量(g/mmol)]を、[(ポリエチレンイミン系化合物塗布量(g/m2)×アミン価(mmol/g))×(1分子中の平均(1級アミノ基の数+2級アミノ基の数))/(1分子中の平均(1級アミノ基の数+2級アミノ基の数+3級アミノ基の数))]で割った値。
【0026】
なお、本発明における脱離用プライマー組成物が、A-1.ポリエチレンイミン化合物と、A-2.ポリエチレンイミン化合物と、グリシジル基含有シランカップリング剤及び/又はイソシアネート基含有シランカップリング剤を含有する混合物を、共に選んで含有する際には、これらはポリエチレンイミン化合物を含有する点において重複するので、実質的にA-2.ポリエチレンイミン化合物と、グリシジル基含有シランカップリング剤及び/又はイソシアネート基含有シランカップリング剤を含有する混合物を選択したことになる。
ポリエチレンイミン化合物とグリシジル基含有シランカップリング剤及びイソシアネート基含有シランカップリング剤から選ばれた1種以上を含有する混合物を含有する脱離用プライマー組成物は、ポリエチレンイミン化合物に溶剤を加え撹拌後、更にグリシジル基を含有するシランカップリング剤及び/又はイソシアネート基を含有するシランカップリング剤を加え撹拌することにより得ることができる。上記溶剤としては、水に、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールの等のアルコールを1種以上加えた混合物を利用できる。
【0027】
(A-3.シロキサン変性ポリエチレンイミン化合物)
ラミネート適性を向上させる場合は、シロキサン変性ポリエチレンイミン化合物を使用できる。シロキサン変性ポリエチレンイミン化合物のアミン価は、5.0mmol/g以上が好ましく、15.0mmol/g以下が好ましい。
A-3.シロキサン変性ポリエチレンイミン化合物としては、ポリエチレンイミンと、式:R-Z-SiY3
[式中、Rは、イソシアネート基、オキシラニル基、グリシドキシ基、アクリロキシ基、カルボエトキシ基、カルボメトキシ基、ビニルスルホニル基、及びアクリルアミド基からなる群から選択されるアミン反応性基を表し、Zは炭素原子を含有する二価の有機基を表し、各Yは独立して加水分解性基を表す]で表される少なくとも1種のアミン反応性の加水分解性オルガノシランであるシランカップリング剤と、を含む成分の反応によって得られるシランカップリング剤変性ポリエチレンイミン化合物が使用できる。
このシロキサン変性ポリエチレンイミン化合物は、上記シランカップリング剤の基Rとポリエチレンイミンのアミノ基が反応をして、ポリエチレンイミンに上記シランカップリング剤が結合した構造を有する。但し、上記のように、シロキサン変性ポリエチレンイミン化合物は所定のアミン価を有することが好ましい。
【0028】
A-3.シロキサン変性ポリエチレンイミン化合物を含有する脱離用プライマー組成物は、シロキサン変性ポリエチレンイミンに溶剤を加え撹拌することにより脱離用プライマー組成物を得ることができる。上記溶剤としては、水に、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールの等のアルコールを1種以上加えた混合物を利用できる。
本発明にてプライマー組成物に含有されてもよい上記A-1.及びA-2.中のポリエチレンイミン化合物、及び、A-3.中のシロキサン変性ポリエチレンイミン化合物の分子量としては、ラミネート適性の点より数平均分子量が、それぞれ独立して1,000~200,000であるものが好ましい。また、質量平均分子量が、それぞれ独立して4,000~800,000であるものが好ましい。
なお、A-3.シロキサン変性ポリエチレンイミン化合物は、上記a.ポリエチレンイミン化合物及びA-2.のポリエチレンイミン化合物には包含されず、ポリエチレンイミン化合物とは異なる化合物である。
【0029】
(B.ポリブタジエン系化合物を含有する脱離用プライマー組成物)
ポリブタジエン系化合物を含有する脱離用プライマー組成物は、水性の組成物であることが好ましい。水性とするため、かつ密着性を向上させるために、ポリブタジエン化合物に水酸基やカルボキシル基を導入した、水酸基含有ポリブタジエン化合物や、カルボキシル基含有ポリブタジエン化合物が好ましい。なお、ポリブタジエン化合物は架橋されていないことが脱離性を発揮する上で好ましい。具体的には、EL-451(東洋モートン社)、T-180E(日本曹達社)等が挙げられる。
ポリブタジエン系化合物を含有する脱離用プライマー組成物は、ポリブタジエン系化合物に溶剤を加え撹拌することにより得ることができる。上記溶剤としては、水に、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールの等のアルコールを1種以上加えた混合物を利用できる。
【0030】
(C.ポリビニルアルコールを含有する脱離用プライマー組成物)
ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをけん化して得られる水溶性樹脂である。
水溶性の包装材料や接着剤・乳化剤などに用いられ、合成繊維ビニロンの原料となる。一般的には、ポバールやPVAと省略されることもある。市販品としては、クラレ社ポバール、エルバノール、エクセバールや、三菱化学社ゴーセノール、日本酢ビ・ポバール社などが挙げられる。
ポリビニルアルコールのけん化度は、ポリ酢酸ビニルのビニル基を水酸基で置換えた比率で決定され、けん化度90%以上であることが好ましい。けん化度が90%以上のポリビニルアルコールとしては、例えば市販品として次のものが挙げられるがこれに限るものではない。クラレ社ポバール「3-98、5-98、28-98、60-98、27-96」、クラレ社エルバノール「71-30,90-50、T-25,T-66」、クラレ社エクセバール「AQ-4104,HR-3010,RS-2117,RS-1717」、三菱化学社ゴーセノール「N-300,NL-05,A-300,AL-06R」、日本酢ビ・ポバール社「JC-25,JC-33,JC-40,JF-02,JF-03,JF-04,JF-05,JF-10,JF-17,JF-17L、JF-22、JM-17,JM-17L,JM-23,JM-26,JM-33,JT-05,JT-13Y」等。
ポリビニルアルコールを含有する脱離用プライマー組成物は、ポリビニルアルコールに溶剤を加え撹拌することにより得ることができる。上記溶剤としては、水に、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールの等のアルコールを1種以上加えた混合物を利用できる。
【0031】
[印刷層]
本発明において、印刷インキ組成物により印刷された印刷層は、ラミネート用途の公知の印刷インキ組成物が使用できる。印刷インキ組成物としては、ラミネート用のグラビア印刷インキ組成物、ラミネート用の活性エネルギー線硬化型オフセット印刷インキ組成物、ラミネート用の活性エネルギー線硬化型インキジェット用組成物等が使用できる。
本発明の積層体は、印刷層の両面側に上記脱離用プライマー層が形成される。また、樹脂基材層と印刷層の間に脱離用プライマー組成物を設ける場合は、樹脂基材層表面にアンカーコート剤層を形成させた後、それらの層の上に脱離用プライマー組成物層を形成し、さらにその上に印刷層を形成しても良い。これらの場合には、樹脂基材層表面と印刷層とは直接接しない。しかしながら、樹脂基材層をアンカーコート剤層と共に印刷層から剥離させることができる。
【0032】
<ラミネート用のグラビア印刷インキ組成物>
ラミネート用のグラビア印刷インキとしては、バインダー樹脂、着色剤、有機溶剤や水性媒体等の溶剤、添加剤等を含む裏刷り用グラビア印刷インキが例示できる。
バインダー樹脂としては、(バイオマス)ウレタン樹脂、必要に応じて塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ロジン系樹脂を使用する。
また着色剤としては、一般のグラビアインキに使用されている有機、無機顔料や染料が挙げられる。有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系などの顔料が挙げられ、無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカ、ベンガラ、アルミニウム、マイカ(雲母)などが挙げられる。また、ガラスフレーク又は塊状フレークを母材とした上に金属、もしくは金属酸化物をコートした光輝性顔料(メタシャイン;日本板硝子株式会社)が挙げられる。
有機溶剤として、例えば芳香族有機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、n-プロパノール、イノプロパノール、n-ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤が挙げられ、近年は、環境面からエステル系溶剤、アルコール系溶剤を使用することが好ましい。また水性溶剤として、主成分の水に水溶性のアルコール系溶剤等を混合した溶剤が挙げられる。
添加剤としては、体質顔料、顔料分散剤、消泡剤、ワックス、可塑剤、ブロッキング防止剤、密着性向上剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤等が挙げられる。
【0033】
<ラミネート用の活性エネルギー線硬化型インクジェット用印刷インキ組成物>
ラミネート用の活性エネルギー線硬化型インクジェット用印刷インキ組成物としては、例えば、着色剤、水酸基を含有する光重合性化合物、アミン変性オリゴマーを含む光重合性化合物、必要に応じて重合開始剤、増感剤、顔料分散剤、添加剤等を含むラミネート用の活性エネルギー線硬化型インクジェット用印刷インキ組成物が例示できる。
例えば、国際公開第2023/276290号に記載のようなラミネート用の活性エネルギー線硬化型インクジェット用印刷インキ組成物が使用できる。
【0034】
<ラミネート用の活性エネルギー線硬化型オフセット印刷インキ組成物>
ラミネート用の活性エネルギー線硬化型オフセット印刷インキ組成物としては、着色顔料、水酸基を含有する光重合性化合物を含む光重合性化合物、オリゴマー、及び必要に応じて開始剤、顔料分散剤、及び添加剤等を含む。
例えば、特許第7110508号に記載のようなラミネート用の活性エネルギー線硬化型オフセット印刷インキ組成物が利用できる。
【0035】
[シーラント層]
印刷層の表面に、各種方法によるラミネート加工を施してシーラント層を形成し、包装袋等用のラミネート積層体を得る。このラミネート加工法としては、積層体の表面にアンカーコート剤を塗布した後、又は塗布せずに、溶融ポリマーを積層させる押出ラミネート法、積層体の表面に接着剤を塗布した後、フィルム状ポリマーを貼合させるドライラミネート法が利用できる。
【0036】
上記押出ラミネート法は、印刷インキ組成物による層を含む積層体の表面に、必要に応じて、チタン系、ウレタン系、イミン系、ポリブタジエン系等のアンカーコート剤を塗布してアンカーコート層を形成した後、又は塗布せずに、既知の押出ラミネート機によって、溶融した樹脂を積層させる方法であり、更に溶融樹脂を中間層として、他の材料とサンドイッチ状に積層することもできる。なお、この場合には、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤を使用しなくても良い。
上記押出ラミネート法で使用する溶融樹脂としては、低密度ポリエチレン等のポリエチレンポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体等の、従来使用されていた樹脂が使用できる。
【0037】
また、上記ドライラミネート法は、ラミネート印刷インキ組成物による層の表面にウレタン系、イソシアネート系等の接着剤を塗布し、得られた接着剤層上に、既知のドライラミネート機によって樹脂フィルムを貼合する方法である。このとき使用される上記樹脂フィルムとしては、無延伸ポリエチレンフィルム、無延伸プロピレンフィルム、金属蒸着層を有する無延伸プロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム等を挙げることができる。更にこれら樹脂フィルムについては、予め防曇剤の塗布、練り込み、マット剤の表面塗布、練り込み等の加工をして得られるフィルムも使用することが可能である。
また、それら樹脂フィルムとして、各種印刷用プラスチックフィルムに金属蒸着、バリア性樹脂をコーティングしたバリア層を積層したフィルム等を使用することができる。
【0038】
[アンカーコート層]
本発明の積層体は、樹脂基材層と脱離用プライマー層との間に接着性を向上させるためにアンカーコート層を設けることができる。
アンカーコート層を形成するアンカーコート剤としては、ウレタン系、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系等のアンカーコート剤が使用できる。
【0039】
[脱離用プライマー層を有する積層体の作成方法]
脱離用プライマー層を有する積層体の作成方法は、例えば、樹脂基材層に、必要に応じてアンカーコート剤を塗布しアンカーコート層を形成し、次いで、脱離用プライマー組成物を塗布し脱離プライマー層を形成した後に、上記各印刷インキ組成物を印刷、印字して印刷層を形成し、1.印刷面に脱離用プライマー組成物を塗布し脱離プライマー層を形成した後に、接着剤を塗布し、更にドライラミネート機でフィルムを接着させることによりシーラント層を設ける、又は2.印刷面に脱離用プライマー組成物を塗布し脱離プライマー層を形成した後に、アンカーコート剤を塗布し、更に押出しラミネート機で溶融樹脂を積層させてシーラント層を設けることにより本発明の積層体を得ることができる。
【0040】
[脱離用プライマー層を有する積層体の脱離方法]
脱離用プライマー層を有する積層体を、基材と印刷層とシーラント層に分離して、脱離用プライマー層を有する積層体から印刷層を脱離する。そのため、積層体を任意の手段で切断して細片化し、これを脱離液である、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の塩基性化合物を含有するアルカリ性水溶液に浸漬し、必要により撹拌する手段を採用できる。このときの水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの濃度は0.5~15質量%が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上が更に好ましい。また5.0質量%以下が使用後の廃液を処理する際に好ましく、3.0質量%以下が更に好ましい。脱離させるときの脱離液は25℃程度の室温でもよく、25~90℃の加熱されたものであっても良い。浸漬時間は1分~12時間が好ましく、より好ましくは1時間以下、更に好ましくは30分以下、最も好ましくは10分以下である。
同時に、細分化された積層体に対して、積層体の質量に対して100~100万倍の質量の、十分に多量の脱離液で処理することが円滑に脱離するうえで好ましい。
脱離液に浸漬する工程の後に、樹脂基材層と印刷層とシーラント層を回収する工程を設ける。そして、積層体の樹脂基材層が例えばポリエステルであれば、この脱離方法により、脱離液中でインキ層を除去し、分離されたポリエステルを水洗・乾燥して再生ポリエステル基材を得ることができる。また、再生ポリエステル基材を押出機によりペレットに再生して利用することができる。
【実施例0041】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
本発明中のエチレンビニルアルコール系樹脂を含有する脱離用プライマー組成物から形成された層ではなく、エチレンビニルアルコール系樹脂を含有しない脱離用プライマー組成物からなる脱離用プライマー層は、その層のみをみたときに、本発明中のエチレンビニルアルコール系樹脂を含有する脱離用プライマー組成物層よりも、高温高湿度時のガスバリア性に劣るが、本発明は、少なくとも1層のエチレンビニルアルコール系樹脂を含有する脱離用プライマー組成物から形成された層を形成してなる組成物であるので、積層体全体としての高温高湿度時のガスバリア性は低下しない。
【0042】
<樹脂基材層>
OPP:2軸延伸ポリプロピレンフィルム P-2161#25(東洋紡社製)
PET:ポリエチレンテレフタレートフィルム E-5102#12(東洋紡社製)
NY:ナイロンフィルム ONY-15#12(ユニチカ社製)
PE: 厚さ0.25μmのコロナ処理L-LDPEフィルム(直鎖状低密度ポリエチレン、三井化学東セロ社製)
<アンカーコート剤>
タケラックA-3210/タケラックA-3072を酢酸エチルで固形分7%に希釈したもの
【0043】
[エチレンビニルアルコール系樹脂を含有する脱離用プライマー組成物]
<脱離用プライマー組成物1>
精製水50質量%とイソプロピルアルコール50質量%を含む混合溶媒の95質量部に、エチレンビニルアルコール共重合体(商品名:ソアノールV2504NB(エチレン含有量25mol%))の5質量部を加え80℃で撹拌溶解して、固形分5質量%の脱離用プライマー組成物1を得た。
【0044】
<脱離用プライマー組成物2>
精製水50質量%とイソプロピルアルコール50質量%を含む混合溶媒の93質量部に、エチレンビニルアルコール共重合体(商品名:ソアノールV2504NB(エチレン含有量25mol%))の7質量部を加え80℃で撹拌溶解して、固形分7質量%の脱離用プライマー組成物2を得た。
【0045】
<脱離用プライマー組成物3>
精製水90質量部に、エチレンビニルアルコール共重合体(商品名:エクセバールHR-3010(エチレン含有量4.5mol%)) の10質量部を加え95℃で撹拌溶解させ、精製水50質量%とイソプロピルアルコール50質量%を含む混合溶媒で希釈し、固形分5質量%の脱離用プライマー組成物3を得た。
【0046】
<脱離用プライマー組成物4>
精製水30質量%とイソプロピルアルコール70質量%を含む混合溶媒の95質量部に、エチレンビニルアルコール共重合体(商品名:ソアノールDC3212(エチレン含有量32mol%))の5質量部を加え80℃で撹拌溶解して、固形分5質量%の脱離用プライマー組成物4を得た。
【0047】
<脱離用プライマー組成物5>
無機層状化合物であるモンモリロナイト(商品名:クニピアF、クニミネ工業社)5質量部を精製水95質量部中に撹拌しながら添加し、高圧分散装置にて圧力50MPaにて十分に分散し、固形分5質量%の無機層状化合物分散液を得た。
次いで、脱離用プライマー組成物1の85質量部を高速で撹拌しながら、無機層状化合物分散液15質量部を添加した後、更に高圧分散装置にて圧力50MPaで分散処理し、255メッシュのフィルターにて濾過し、固形分5質量%の脱離用プライマー組成物5(エチレンビニルアルコール共重合体樹脂/無機層状化合物=85/15(固形分質量比))を得た。
【0048】
<脱離用プライマー組成物1~5の塗布条件>
脱離用プライマー組成物1,3,4をバーコーターで乾燥塗布量が1.0g/m2となるよう塗布した。
脱離用プライマー組成物5をバーコーターで乾燥塗布量が0.5g/m2となるよう塗布した。
脱離用プライマー組成物2を、バーコーターで乾燥塗布量が1.4g/m2となるよう塗布した。
【0049】
[エチレンビニルアルコール系樹脂を含有しない脱離用プライマー組成物]
<A-1.ポリエチレンイミン系化合物を含有する脱離用プライマー組成物>
(ポリエチレンイミン系化合物含有脱離用プライマー組成物1)
(a)ポリエチレンイミン系化合物
エポミンP-1000(商品名エポミンP-1000(日本触媒社、数平均分子量70,000、質量平均分子量350,000、アミン価18mmol/g、アミン比(1級:2級:三級(%))=25/50/25)を固形分濃度2質量%となるように精製水50質量%とイソプロピルアルコール50質量%を含む混合溶媒で希釈してポリエチレンイミン系化合物含有脱離用プライマー組成物1を得た。
上記数平均分子量(Mn)は粘度法により測定し、質量平均分子量(Mw)はGPC法により測定した。
アミン価:非水系による酸滴定で測定した。
アミン比:NMR(13C)により測定した。
【0050】
<A-2.ポリエチレンイミン化合物とグリシジル基含有シランカップリング剤を含有する脱離用プライマー組成物>
(ポリエチレンイミン系化合物含有脱離用プライマー組成物2)
ポリエチレンイミン系化合物(商品名エポミンP-1000(日本触媒社))と3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランとの混合物(品名エポミンP-1000(日本触媒社))/3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(質量割合)=1/2)を、固形分濃度で2質量%となるように精製水50質量%とイソプロピルアルコール50質量%を含む混合溶媒で希釈してポリエチレンイミン系化合物含有脱離用プライマー組成物2を得た。
【0051】
<A-3.シロキサン変性ポリエチレンイミン化合物を含有する脱離用プライマー組成物>
(ポリエチレンイミン系化合物含有脱離用プライマー組成物3)
トリメトキシシリルプロピル変性ポリエチレンイミン(商品名:SSP-060、Gelest社)、分子量1,500~1,800、アミン価10mmol/g、アミン価は非水系による酸滴定で測定、アミン比はNMR(13C)により測定。)を固形分濃度で2質量%となるように精製水50質量%とイソプロピルアルコール50質量%を含む混合溶媒で希釈してポリエチレンイミン系化合物含有脱離用プライマー組成物3を得た。
【0052】
<B.ポリブタジエン系化合物含有脱離用プライマー組成物>
ポリブタジエン系化合物(商品名:チタボンドT-180E、(固形分濃度10質量%)日本曹達社)を固形分濃度2質量%となるように精製水50質量%とイソプロピルアルコール50質量%を含む混合溶媒で希釈してポリブタジエン系化合物含有脱離用プライマー組成物を得た。
【0053】
<C.ポリビニルアルコールを含有する脱離用プライマー組成物>
精製水50質量%とイソプロピルアルコール50質量%を含む混合溶媒の95質量部に、クラレ社ポバール5-98(けん化度が90%以上のポリビニルアルコール)の5質量部を加えて撹拌し、固形分濃度5質量%のポリビニルアルコール含有脱離用プライマー組成物を得た。
【0054】
(エチレンビニルアルコール系樹脂を含有しない脱離用プライマー組成物の塗布条件)
上記A.ポリエチレンイミン系化合物を含有する脱離用プライマー組成物、及び、B.ポリブタジエン系化合物を含有する脱離用プライマー組成物を、バーコーターで乾燥塗布量が0.2g/m2となるよう塗布、乾燥して、脱離用プライマー層を形成させた。
上記C.ポリビニルアルコールを含有する脱離用プライマー組成物を、バーコーターで乾燥塗布量が1.0g/m2となるよう塗布、乾燥して、脱離用プライマー層を形成させた。
【0055】
<印刷インキ組成物>
・裏刷り用印刷インキ組成物
裏刷り用印刷インキ組成物として、例えばベルフローラR藍800MK(サカタインクス社製)を使用できるが、この組成物に限定されない。
【0056】
<裏刷り用印刷インキ組成物の印刷方法>
[脱離層を有する場合]
上記4種の樹脂基材層のそれぞれに、必要に応じアンカーコート剤をバーコーターで乾燥塗布量が0.1g/m2となるように塗付・乾燥しアンカーコート層を得た。次いで、アンカーコート剤を塗付した塗布面に、上記の各脱離用プライマー組成物1~5及び比較例1及び2の脱離用プライマー組成物(計7種の脱離用プライマー組成物)を、バーコーターで所定の塗布量になるように塗布・乾燥して、各脱離用プライマー組成物層が形成された計28種の試料を得た。その後、各脱離用プライマー層の上に、裏刷り用印刷インキ組成物に混合溶剤(酢酸エチル/酢酸プロピル/IPA(イソプロピルアルコール)=50/25/25)を加え、離合社ザーンカップNo.3にて16秒になるように希釈した希釈裏刷り用インキ組成物を、バーコーターを用いて印刷、乾燥させて印刷層を形成させた。
[脱離層を有さない場合]
上記4種の樹脂基材層のそれぞれに、裏刷り用印刷インキ組成物に混合溶剤(酢酸エチル/酢酸プロピル/IPA(イソプロピルアルコール)=50/25/25)を加え、離合社ザーンカップNo.3にて16秒になるように希釈した希釈裏刷り用インキ組成物を、バーコーターを用いて印刷、乾燥させて印刷層を形成させた。
【0057】
<UV硬化型インクジェット用印刷インキ組成物及びそれによる印刷方法>
UV硬化型インクジェット用印刷インキ組成物として、例えばBSR06(サカタインクス社)を使用できるが、この組成物に限定されない。
[脱離層を有する場合]
上記4種の樹脂基材層のそれぞれに、必要に応じアンカーコート剤をバーコーターで乾燥塗布量が0.1g/m2となるように塗付・乾燥しアンカーコート層を得た。次いで、上記の各脱離用プライマー組成物1~5及び比較例1及び2の脱離用プライマー組成物(計7種の脱離用プライマー組成物)を、バーコーターで所定の塗布量になるように塗布・乾燥して、各脱離用プライマー組成物層が形成された計28種の試料を得た。その後、各脱離用プライマー層の上に、BSR06をバーコーターを用いて印刷し、フォセオン・テクノロジー社製UV-LED光ランプにて、ランプとインクの塗布面との距離2cm下で、UV積算光量180mJ/cm2で完全に硬化して印刷層を形成させた。
[脱離層を有さない場合]
上記4種の樹脂基材層のそれぞれに、BSR06をバーコーターを用いて印刷し、紫外線(UV)を十分に照射して完全に硬化して印刷層を形成させた。
【0058】
<EB硬化型オフセット用印刷インキ組成物>
EB(電子線)硬化型オフセット用印刷インキ組成物として、下記EB(電子線)硬化型オフセット用印刷インキ組成物の調製したものが使用できるが、この組成物に限定されない。
(EB硬化型オフセット用印刷インキ組成物の調製)
PB15:3の22.7質量部、ポリエステルアクリレートオリゴマー:CN704(サートマー社)の40.0質量部、6EO変性TMPTA(6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート)の36.2質量部、メチルハイドロキノンの0.1質量部、ジメチルシリコーンオイル:TSF-451-5M(モメンティブ社)の1.0質量部を配合し、撹拌混合して、電子線硬化型印刷インキ組成物を得た。
(EB(電子線)硬化型オフセット用印刷インキ組成物による印刷)
[脱離層を有する場合]
上記4種の樹脂基材層のそれぞれに、必要に応じアンカーコート剤をバーコーターで乾燥塗布量が0.1g/m2となるように塗付・乾燥しアンカーコート層を得た。次いで、上記の各脱離用プライマー組成物1~5及び比較例1及び2の脱離用プライマー組成物(計7種の脱離用プライマー組成物)を、バーコーターで所定の塗布量になるように塗布・乾燥して、各脱離用プライマー組成物層が形成された計28種の試料を得た。次いで、上記EB硬化型オフセット用印刷インキ組成物を、それらの試料の各脱離用プライマー組成物層上に、簡易展色機(RIテスター、豊栄精工(株)製)にて、それぞれ0.1cc転写し、電子線硬化装置(EC90、岩崎電気(株)製)(加速電圧90kV、照射量30kGy)を用いて、コンベアースピード10m/分で電子線を照射し、完全に硬化して各印刷層を形成させた。
[脱離層を有さない場合]
上記4種の樹脂基材層のそれぞれに、簡易展色機(RIテスター、豊栄精工(株)製)にて、それぞれ0.1cc転写し、電子線硬化装置(EC90、岩崎電気(株)製)(加速電圧90kV、照射量30kGy)を用いて、コンベアースピード10m/分で電子線を照射し、完全に硬化して各印刷層を形成させた。
【0059】
<UV硬化型オフセット用印刷インキ組成物>
ロジン変性マレイン酸樹脂(ハリマックM-453 ハリマ化成社)の50.0質量部、トリメチロールプロパン(6EO)トリアクリレート41.0質量部、ジメチルシリコーンオイル(KF-96H-10万cs)2.0質量部、2-メチル-1(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン1-オン5.0質量部、4.4、―ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを配合し、撹拌混合して、UV硬化型印刷インキ組成物を得た。
(UV硬化型オフセット用印刷インキ組成物による印刷)
[脱離層を有する場合]
上記4種の樹脂基材層のそれぞれに、必要に応じアンカーコート剤をバーコーターで乾燥塗布量が0.1g/m2となるように塗付・乾燥しアンカーコート層を得た。次いで、上記の各脱離用プライマー組成物1~5及び比較例1及び2の脱離用プライマー組成物1及び2(計7種の脱離用プライマー組成物)を、バーコーターで所定の塗布量になるように塗布・乾燥して、各脱離用プライマー組成物層が形成された計28種の試料を得た。次いで、上記UV硬化型オフセット用印刷インキ組成物を、それらの試料の各脱離用プライマー組成物層上に、簡易展色機(RIテスター、豊栄精工(株)製)にて、それぞれ0.1cc転写し、フォセオン・テクノロジー社製UV-LED光ランプにて、ランプとインクの塗布面との距離2cm下で、UV積算光量180mJ/cm2で完全に硬化して印刷層を形成させた。
[脱離層を有さない場合]
上記4種の樹脂基材層のそれぞれに、簡易展色機(RIテスター、豊栄精工(株)製)にて、それぞれ0.1cc転写し、フォセオン・テクノロジー社製UV-LED光ランプにて、ランプとインクの塗布面との距離2cm下で、UV積算光量180mJ/cm2で完全に硬化して印刷層を形成させた。
【0060】
<シーラント層>
(ドライラミネートの場合)
シーラント層
:RXC-22#60:無延伸プロピレンフィルム(三井化学東セロ社)
:T.U.XTM:直鎖状低密度ポリエチレン(三井化学東セロ社)
接着剤:
樹脂基材層がP-2161#25(2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP))の場合は、接着剤をタケラックA-969V/タケラックA-5(固形分30質量%、三井化学社製)とした。
樹脂基材層がPET、NY、PEの場合は、接着剤をタケラックA-515/タケラックA-50(固形分30質量%、三井化学社製)とした。
(押し出しラミネートの場合)
シーラント層:溶融ポリエチレンスミカセンL705 樹脂温度355℃(住友化学社製)
アンカーコート剤:タケラックA-3210/タケラックA-3072、固形分7質量%
【0061】
積層体の構造を、下記の(A)~(M)の積層体に分けて説明する。
(A)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/アンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層/印刷層/EVOH含有脱離用プライマー層/接着剤層/シーラント層(ドライ)
(B)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/アンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層/印刷層/接着剤層/EVOH含有脱離用プライマー層/シーラント層(ドライ)
(C)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/アンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層/印刷層/EVOH含有脱離用プライマー層/アンカーコート層/シーラント層(押出し)
(D)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/アンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層/印刷層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/接着剤層/シーラント層(ドライ)
(E)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/アンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層/印刷層/接着剤層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/シーラント層(ドライ)
(F)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/アンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層/印刷層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/アンカーコート層/シーラント層(押出し)
(G)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/必要に応じてアンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/印刷層/EVOH含有脱離用プライマー層/接着剤層/シーラント層(ドライ)
(H)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/必要に応じてアンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/印刷層/接着剤層/EVOH含有脱離用プライマー層/シーラント層(ドライ)
(I)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/必要に応じてアンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/印刷層/EVOH含有脱離用プライマー層/アンカーコート層/シーラント層(押出し)
(J)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/必要に応じてアンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/印刷層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/接着剤層/シーラント層(ドライ)
(K)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/必要に応じてアンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/印刷層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/アンカーコート層/シーラント層(押出し)
(L)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/印刷層/接着剤層/シーラント層(ドライ)
(M)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/印刷層/アンカーコート層/シーラント層(押出し)
【0062】
<ドライラミネートによるシーラント層の形成>
・(A)、(D)、(G)(J)の積層体の場合
各印刷層の上に各脱離用プライマー組成物を所定の厚さとなるようにバーコーターで塗付・乾燥させた後、各接着剤をバーコーターで塗付したRXC-22#60:無延伸プロピレンフィルム(三井化学東セロ社)、T.U.XTM:直鎖状低密度ポリエチレン(三井化学東セロ社)を手貼りで貼合し各積層体を得た。
・(B)、(E)、(H)の積層体の場合
RXC-22#60:無延伸プロピレンフィルム(三井化学東セロ社)、T.U.XTM:直鎖状低密度ポリエチレン(三井化学東セロ社)に各脱離用プライマー組成物を所定の厚さとなるようにバーコーターで塗付・乾燥させた各脱離層を形成した。その上にバーコーターで各接着剤を塗布した後に、上記各印刷層を手貼りで貼合し各積層体を得た。
・Lの積層体の場合
各接着剤をバーコーターで塗布したRXC-22#60:無延伸プロピレンフィルム(三井化学東セロ社)、T.U.XTM:直鎖状低密度ポリエチレン(三井化学東セロ社)と各印刷層とを手貼りで貼合し各積層体を得た。
【0063】
<押出しラミネートによるシーラント層の形成>
・(C)、(F)、(I)、(K)の積層体の場合
各印刷層の上に各脱離用プライマー組成物を所定の厚さとなるようにバーコーターで塗付・乾燥させた後、アンカーコート剤を塗布し、更に押出しラミネート機でポリエチレンスミカセンL705(住友化学社製)を積層させて各積層体を得た。
・Mの積層体の場合
各印刷層の上に、アンカーコート剤を塗布し、更に押出しラミネート機でポリエチレンスミカセンL705(住友化学社製)を積層させて各積層体を得た。
【0064】
<インキ脱離性の評価>
上記の各積層体を、MD15mm×TD25mm程度の小片に細断して、インキ脱離性試験用サンプルを得た。
(アルカリ水溶液からなる脱離液)
98.0質量部の水に水酸化ナトリウム2.0質量部を添加し、撹拌・溶解してアルカリ水溶液からなる脱離液を得た。
(脱離液との混合・分離)
上記アルカリ水溶液からなる脱離液を加熱して70℃に達した後、上記各インキ脱離試験用サンプルをそれぞれの中に投入し、羽の直径が25mmのステンレススチール製撹拌羽を用いて、30分間、撹拌した。撹拌後、HDPE(高密度ポリエチレン)製容器を湯浴より取り出し、室温下で5分間静置した。脱離液と各種フィルム片を目開き約2mmのステンレススチール製網を用いて分離した。
(すすぎ)
脱離後の各種フィルムを200ccのHDPE製容器に移し、水100gを加えた。羽の直径が25mmのステンレススチール製撹拌羽を用いて5分間撹拌した。5分間静置後、ステンレススチール製網を用いて各種フィルム片と水を分離した。各種フィルム片を乾燥後、各種フィルムからのインキ脱離性を目視評価した。
(評価基準)
○:インキ被膜が被膜片としてフィルムから完全に剥離した。
×:剥離しなかった。
【0065】
<テープ接着性(印刷、乾燥させた直後の各印刷物)>
得られた各印刷物のそれぞれの印刷面にセロハンテープを貼り付け、これを急速に剥がしたときの印刷被膜の剥離する度合いから、以下の評価基準に沿って接着性を評価した。(評価基準)
〇:印刷被膜の面積比率として、フィルムからの剥離が5%未満であった。
△:印刷被膜の面積比率として、5%以上30未満がフィルムから剥離した。
×:印刷被膜の面積比率として、30%以上がフィルムから剥離した。
【0066】
<バリア性>
各積層体を得た後にJIS K7126 B法に準じて酸素透過率測定装置(Mocon社、製品名:OX-TRAN1/50)を用いて酸素透過率(OTR値)を測定した。なお、測定は25℃において、0%RHの雰囲気下で行った。
(評価基準)
〇:OTR値が10以下
×:OTR値が10を超えるもの
【0067】
<ピール強度>
各積層体を得た後に15mm幅に切断し、安田精機製作所社剥離試験機を用いて、T型剥離強度を測定した。
(評価基準)
樹脂基材層がOPPの場合
〇:剥離強度が1.2N/15mm以上のもの
△:剥離強度が0.7N/15mm以上、1.2N/15mm未満のもの
×:剥離強度が0.7N/15mm未満のもの
樹脂基材層がPET,NY,PEの場合
〇:剥離強度が5N/15mm以上のもの
△:剥離強度が3N/15mm以上、5N/15mm未満のもの
×:剥離強度が3N/15mm未満のもの
【0068】
各種裏刷り印刷インキ組成物で印刷層を設けた場合
(A)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/アンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層/印刷層/EVOH含有脱離用プライマー層/接着剤層/シーラント層(ドライ)
下記表1に示すようにして積層体を得た。(A)の積層体1~5のそれぞれにおいて、樹脂基材層を4種、印刷層を4種及びシーラント層を2種の計32通り(4×4×2=32)の積層体を得た。
これらの積層体について、インキ脱離性、バリア性、接着性及びピール強度を評価したところ、全ての積層体について、各評価項目の評価結果が○であった。
【0069】
【0070】
(B)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/アンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層/印刷層/接着剤層/EVOH含有脱離用プライマー層/シーラント層(ドライ)
下記表2に示すようにして積層体を得た。(B)の積層体1~5のそれぞれにおいて、樹脂基材層を4種、印刷層を4種及びシーラント層を2種の計32通り(4×4×2=32)の積層体を得た。
これらの積層体について、インキ脱離性、バリア性、接着性及びピール強度を評価したところ、全ての積層体について、各評価項目の評価結果が○であった。
【0071】
【0072】
(C)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/アンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層/印刷層/EVOH含有脱離用プライマー層/アンカーコート層/シーラント層(押出し)
下記表3に示すようにして積層体を得た。(C)の積層体1~5のそれぞれにおいて、樹脂基材層を4種、印刷層を4種及びシーラント層を1種の計16通り(4×4×1=16)の積層体を得た。
これらの積層体について、インキ脱離性、バリア性、接着性及びピール強度を評価したところ、全ての積層体について、各評価項目の評価結果が○であった。
【0073】
【0074】
(D)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/アンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層/印刷層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/接着剤層/シーラント層(ドライ)
下記表4に示すようにして積層体を得た。(D)の積層体1~5において、印刷層を裏刷り用印刷インキ組成物からなる層とし、それぞれの積層体について樹脂基材層を4種、シーラント層を2種使用して、積層体1~5それぞれにおいて、8種の積層体を得た。また、積層体1~5それぞれにおいて、樹脂基材層としてPETのみ、シーラント層を2種使用し、これにEB硬化型インクジェット用印刷インキ組成物、EB硬化型オフセット用印刷インキ組成物、UV硬化型オフセット用印刷インキ組成物、の計3種のインキ組成物それぞれを印刷して6種の積層体を得た。
(D)の積層体6~9においても同様に、印刷層を裏刷り用印刷インキ組成物からなる層とし、それぞれの積層体において樹脂基材層を4種、シーラント層を2種使用した、その結果、積層体6~9それぞれにおいて、8種の積層体を得た。また、積層体6~9それぞれにおいて、樹脂基材層としてPETのみ、シーラント層を2種を使用し、これにEB硬化型インクジェット用印刷インキ組成物、EB硬化型オフセット用印刷インキ組成物、UV硬化型オフセット用印刷インキ組成物、の計3種のインキ組成物それぞれで印刷して6種の積層体を得た。
これらの積層体について、インキ脱離性、バリア性、接着性及びピール強度を評価したところ、全ての積層体について、各評価項目の評価結果が○であった。
【0075】
【0076】
(E)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/アンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層/印刷層/接着剤層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/シーラント層(ドライ)
下記表5に示すようにして積層体を得た。(E)の積層体1~9のそれぞれにおいて、印刷層を裏刷り用印刷インキ組成物からなる層とし、それぞれの積層体について樹脂基材層を4種、シーラント層2種使用して、積層体1~9それぞれにおいて、8種の積層体を得た。また、積層体1~9それぞれにおいて、樹脂基材層としてPETのみ、シーラント層2種を使用し、これにEB硬化型インクジェット用印刷インキ組成物、EB硬化型オフセット用印刷インキ組成物、UV硬化型オフセット用印刷インキ組成物、の計3種のインキ組成物それぞれを印刷して6種の積層体を得た。
これらの積層体について、インキ脱離性、バリア性、接着性及びピール強度を評価したところ、全ての積層体について、各評価項目の評価結果が○であった。
【0077】
【0078】
(F)樹脂基材層(OPP,PET,NY)/アンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層/印刷層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/接着剤層/シーラント層(押出し)
下記表6に示すようにして積層体を得た。(F)の積層体1~9のそれぞれにおいて、印刷層を裏刷り用印刷インキ組成物からなる層とし、それぞれの積層体について樹脂基材層を4種使用して、積層体1~9それぞれにおいて、樹脂基材層が異なる4種の積層体を得た。また、積層体1~9それぞれにおいて、樹脂基材層としてPETのみを使用し、これにEB硬化型インクジェット用印刷インキ組成物、EB硬化型オフセット用印刷インキ組成物、UV硬化型オフセット用印刷インキ組成物、の計3種のインキ組成物それぞれを印刷して3種の積層体を得た。
これらの積層体について、インキ脱離性、バリア性、接着性及びピール強度を評価したところ、全ての積層体について、各評価項目の評価結果が○であった。
【0079】
【0080】
(G)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/必要に応じてアンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/印刷層/EVOH含有脱離用プライマー層/接着剤層/シーラント層(ドライ)
下記表7に示すようにして積層体を得た。(F)の積層体1~9のそれぞれにおいて、印刷層を裏刷り用印刷インキ組成物からなる層とし、それぞれの積層体について樹脂基材層を4種、シーラント層を2種使用して、積層体1~9それぞれにおいて、8種の積層体を得た。また、積層体1~9それぞれにおいて、樹脂基材層としてPETのみ、シーラント層を2種使用し、これにEB硬化型インクジェット用印刷インキ組成物、EB硬化型オフセット用印刷インキ組成物、UV硬化型オフセット用印刷インキ組成物、の計3種のインキ組成物それぞれを印刷して6種の積層体を得た。
これらの積層体について、インキ脱離性、バリア性、接着性及びピール強度を評価したところ、全ての積層体について、各評価項目の評価結果が○であった。
【0081】
【0082】
(H)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/必要に応じてアンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/印刷層/接着剤層/EVOH含有脱離用プライマー層/シーラント層(ドライ)
下記表8に示すようにして積層体を得た。(H)の積層体1~9のそれぞれにおいて、印刷層を裏刷り用印刷インキ組成物からなる層とし、それぞれの積層体について樹脂基材層を4種、シーラント層を4種使用して、積層体1~9それぞれにおいて、8種の積層体を得た。また、積層体1~9それぞれにおいて、樹脂基材層としてPETのみ、シーラント層を2種使用し、これにEB硬化型インクジェット用印刷インキ組成物、EB硬化型オフセット用印刷インキ組成物、UV硬化型オフセット用印刷インキ組成物、の計3種のインキ組成物それぞれを印刷して6種の積層体を得た。
これらの積層体について、インキ脱離性、バリア性、印刷層接着性及びピール強度を評価したところ、全ての積層体について、各評価項目の評価結果が○であった。
【0083】
【0084】
(I)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/必要に応じてアンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/印刷層/アンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層/アンカーコート層/シーラント層(押出し)
下記表9に示すようにして積層体を得た。(I)の積層体1~9のそれぞれにおいて、印刷層を裏刷り用印刷インキ組成物からなる層とし、それぞれの積層体について樹脂基材層を4種使用して、積層体1~9それぞれにおいて、樹脂基材層が異なる4種の積層体を得た。また、積層体1~9それぞれにおいて、樹脂基材層としてPETのみを使用し、これにEB硬化型インクジェット用印刷インキ組成物、EB硬化型オフセット用印刷インキ組成物、UV硬化型オフセット用印刷インキ組成物、の計3種のインキ組成物それぞれを印刷して3種の積層体を得た。
これらの積層体について、インキ脱離性、バリア性、印刷層接着性及びピール強度を評価したところ、全ての積層体について、各評価項目の評価結果が○であった。
【0085】
【0086】
(J)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/必要に応じてアンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/印刷層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/接着剤層/シーラント層(ドライ)
下記表10に示すようにして積層体を得た。(J)の積層体1~5のそれぞれにおいて、印刷層を裏刷り用印刷インキ組成物からなる層とし、それぞれの積層体について樹脂基材層を4種、シーラント層を2種使用して、積層体1~5それぞれにおいて、樹脂基材層が異なる8種の積層体を得た。また、積層体1~5それぞれにおいて、樹脂基材層としてPETのみ、シーラント層を2種使用し、これにEB硬化型インクジェット用印刷インキ組成物、EB硬化型オフセット用印刷インキ組成物、UV硬化型オフセット用印刷インキ組成物、の計3種のインキ組成物それぞれを印刷して6種の積層体を得た。
これらの積層体について、インキ脱離性、接着性及びピール強度の各評価項目の評価結果は○であった。しかし、(J)の積層体1~5のバリア性は×であった。
【0087】
【0088】
(K)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/必要に応じてアンカーコート層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/印刷層/EVOH含有脱離用プライマー層以外の脱離用プライマー層/アンカーコート層/シーラント層(押出し)
下記表11に示すようにして積層体を得た。(K)の積層体1~5のそれぞれにおいて、印刷層を裏刷り用印刷インキ組成物からなる層とし、それぞれの積層体について樹脂基材層を4種使用して、積層体1~5それぞれにおいて、樹脂基材層が異なる4種の積層体を得た。また、積層体1~5それぞれにおいて、樹脂基材層としてPETのみを使用し、これにEB硬化型インクジェット用印刷インキ組成物、EB硬化型オフセット用印刷インキ組成物、UV硬化型オフセット用印刷インキ組成物、の計3種のインキ組成物それぞれを印刷して3種の積層体を得た。
これらの積層体について、インキ脱離性、接着性及びピール強度の各評価項目の評価結果は○であった。しかし、(K)の積層体1~5のバリア性は×であった。
【0089】
【0090】
(L)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/印刷層/接着剤層/シーラント層(ドライ)
下記表12に示すようにして積層体を得た。(L)の積層体1において、印刷層を裏刷り用印刷インキ組成物からなる層とし、それぞれの積層体について樹脂基材層を4種使用して、樹脂基材層が異なる4種の積層体を得た。また、積層体1において、樹脂基材層としてPETのみを使用し、これにEB硬化型インクジェット用印刷インキ組成物、EB硬化型オフセット用印刷インキ組成物、UV硬化型オフセット用印刷インキ組成物、の計3種のインキ組成物それぞれを印刷して3種の積層体を得た。
これらの積層体について、接着性及びピール強度の各評価項目の評価結果は○であった。しかし、脱離液による脱離性及びバリア性は×であった。
【0091】
【0092】
(M)樹脂基材層(OPP,PET,NY,PE)/印刷層/アンカーコート層/シーラント層(押出し)
下記表13に示すようにして積層体を得た。(M)の積層体1において、印刷層を裏刷り用印刷インキ組成物からなる層とし、それぞれの積層体について樹脂基材層を4種、シーラント層を2種使用して、樹脂基材層が異なる8種の積層体を得た。また、積層体1において、樹脂基材層としてPETのみ、シーラント層を2種使用し、これにEB硬化型インクジェット用印刷インキ組成物、EB硬化型オフセット用印刷インキ組成物、UV硬化型オフセット用印刷インキ組成物、の計3種のインキ組成物それぞれを印刷して6種の積層体を得た。
これらの積層体について、接着性及びピール強度の各評価項目の評価結果は○であった。しかし、脱離液による脱離性及びバリア性は×であった。
【0093】