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特開2024-159229データ解析システム、データ解析装置およびデータ解析方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159229
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】データ解析システム、データ解析装置およびデータ解析方法
(51)【国際特許分類】
   G06N 20/00 20190101AFI20241031BHJP
   G06F 8/71 20180101ALI20241031BHJP
   G06F 9/445 20180101ALI20241031BHJP
【FI】
G06N20/00 130
G06F8/71
G06F9/445 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075080
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100172362
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達哉
(72)【発明者】
【氏名】澤田 隆二
(72)【発明者】
【氏名】森谷 友香
(72)【発明者】
【氏名】津島 啓晃
(72)【発明者】
【氏名】大野 剛士
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AC04
5B376AC06
5B376DA05
(57)【要約】
【課題】バージョンが異なる複数の学習済みモデルを一見して容易に把握することが可能なデータ解析システムを提供する。
【解決手段】このデータ解析システム100は、データ取得部10と、学習済みモデル30を用いて解析対象データ20を解析する解析部12aと、学習済みモデル30を生成する学習済みモデル生成部12bと、生成された複数の学習済みモデル30の各々を生成する際に使用した教師データ21と関連付けるとともに、解析目的が同一であり、バージョンが異なる複数の学習済みモデル30を関連付けて記憶する記憶部11と、学習済みモデル30を表示する表示部2aと、表示された複数の学習済みモデル30のうち、選択された学習済みモデル30と、選択された学習済みモデル30と関連付けられたバージョンが異なる学習済みモデル30とを同一画面上に表示させる制御を行う制御部12と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習済みモデルを用いて解析対象のデータである解析対象データを解析するデータ解析システムであって、
前記解析対象データを取得するデータ取得部と、
前記学習済みモデルを用いて前記解析対象データを解析する解析部と、
少なくとも教師データを用いて前記学習済みモデルを生成する学習済みモデル生成部と、
前記学習済みモデル生成部によって生成された複数の前記学習済みモデルの各々を生成する際に使用した前記教師データと関連付けるとともに、解析目的が同一であり、バージョンが異なる前記複数の学習済みモデルを関連付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記複数の学習済みモデルを表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記複数の学習済みモデルのうち、選択された前記学習済みモデルと、選択された前記学習済みモデルと関連付けられたバージョンが異なる前記学習済みモデルとを同一画面上に表示させる制御を行う制御部と、を備える、データ解析システム。
【請求項2】
前記記憶部は、前記複数の学習済みモデルの各々に対して、前記教師データとともに、前記解析対象データの解析結果の精度に関する情報を関連付けて、解析目的が同一のバージョンが異なる前記複数の学習済みモデルを関連付けて記憶するように構成されている、請求項1に記載のデータ解析システム。
【請求項3】
前記制御部は、解析目的が同一のバージョンが異なる前記複数の学習済みモデルの前記解析結果の精度に関する情報を比較可能に前記表示部に表示させる制御を行うように構成されている、請求項2に記載のデータ解析システム。
【請求項4】
操作者の選択の操作入力を受け付ける入力受付部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力受付部によって受け付けた前記選択の操作入力に基づいて選択された、解析目的が同一の前記学習済みモデルおよび前記解析対象データに基づく前記解析結果の精度に関する情報を比較可能に前記表示部に表示させる制御を行うように構成されている、請求項3に記載のデータ解析システム。
【請求項5】
前記記憶部は、解析目的が同一のバージョンが異なる前記複数の学習済みモデルの前記解析結果の精度に関する情報である第1解析精度情報と、バージョンが同じ前記学習済みモデルに対して、互いに異なる前記解析対象データを解析させた際の前記解析結果の精度に関する情報である第2解析精度情報と、を関連付けて記憶するように構成されており、
前記制御部は、前記第1解析精度情報と、前記第2解析精度情報とを、比較可能に前記表示部に表示させる制御を行うように構成されている、請求項3に記載のデータ解析システム。
【請求項6】
前記学習済みモデル生成部は、前記記憶部に記憶された前記複数の学習済みモデルのうちの、選択された前記学習済みモデルに基づいて、解析目的が同一のバージョンが異なる前記学習済みモデルを生成することが可能であるように構成されている、請求項2に記載のデータ解析システム。
【請求項7】
前記学習済みモデル生成部は、解析目的が同一の前記学習済みモデルが選択された状態で前記学習済みモデルが生成される場合、前記教師データ、または、前記学習済みモデルを生成する際に設定される学習パラメータのうちの、少なくとも1つが変更された状態で学習することにより、解析目的が同一のバージョンが異なる前記学習済みモデルを生成するように構成されている、請求項6に記載のデータ解析システム。
【請求項8】
前記制御部は、解析目的が同一のバージョンが異なる前記学習済みモデルを生成する際に、前記記憶部に記憶された複数のバージョンの前記学習済みモデルを選択可能に前記表示部に表示させる制御を行うように構成されている、請求項7に記載のデータ解析システム。
【請求項9】
前記制御部は、解析目的が同一のバージョンが異なる前記学習済みモデルが生成された場合に、最新バージョンの前記学習済みモデルを選択肢として順次追加していく制御を行うように構成されている、請求項1に記載のデータ解析システム。
【請求項10】
操作者の入力を受け付ける入力受付部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力受付部によって入力されたバージョン名が、命名規則に基づいた最新のバージョン名であるか否かを判定し、命名規則に基づいた最新のバージョン名でない場合、前記学習済みモデル生成部に前記学習済みモデルを生成させない制御を行うように構成されている、請求項1に記載のデータ解析システム。
【請求項11】
前記記憶部は、学習用モデルのアルゴリズムが同一であり、前記教師データ、または、前記学習済みモデルを生成する際に設定される学習パラメータのうちの、少なくとも1つが変更された状態で生成された前記学習済みモデルを、バージョンが異なる前記学習済みモデルとして関連付けて記憶するように構成されている、請求項1に記載のデータ解析システム。
【請求項12】
学習済みモデルを用いて解析対象のデータである解析対象データを解析するデータ解析装置であって、
前記解析対象データを取得するデータ取得部と、
前記学習済みモデルを用いて前記解析対象データを解析する解析部と、
少なくとも教師データを用いて前記学習済みモデルを生成する学習済みモデル生成部と、
前記学習済みモデル生成部によって生成された複数の前記学習済みモデルの各々を生成する際に使用した前記教師データと関連付けるとともに、解析目的が同一であり、バージョンが異なる前記複数の学習済みモデルを関連付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記複数の学習済みモデルを表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記複数の学習済みモデルのうち、選択された前記学習済みモデルと、選択された前記学習済みモデルと関連付けられたバージョンが異なる前記学習済みモデルとを同一画面上に表示させる制御を行う制御部と、を備える、データ解析装置。
【請求項13】
学習済みモデルを用いて解析対象のデータである解析対象データを解析するデータ解析方法であって、
少なくとも教師データを用いて前記学習済みモデルを生成するステップと、
前記学習済みモデル生成部によって生成された複数の前記学習済みモデルの各々を生成する際に使用した前記教師データと関連付けるとともに、解析目的が同一であり、バージョンが異なる前記複数の学習済みモデルを関連付けて記憶するステップと、
記憶された前記複数の学習済みモデルのうち、選択された前記学習済みモデルと、選択された前記学習済みモデルと関連付けられたバージョンが異なる前記学習済みモデルとを同一画面上に表示させるステップと、を備える、データ解析方法。
【請求項14】
バージョンが異なる前記複数の学習済みモデルを関連付けて記憶するステップにおいて、前記複数の学習済みモデルの各々に対して、前記教師データとともに、前記解析対象データの解析結果の精度に関する情報を関連付けて、解析目的が同一のバージョンが異なる前記複数の学習済みモデルを関連付けて記憶する、請求項13に記載のデータ解析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、データ解析システム、データ解析装置およびデータ解析方法に関し、特に、学習済みモデルを生成するとともに、生成した学習済みモデルを用いて解析対象データの解析を行うデータ解析システム、データ解析装置およびデータ解析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、学習済みモデルを生成するとともに、生成した学習済みモデルを用いて解析対象データの解析を行うデータ解析システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、測定装置と、表示部と、記憶部と、制御部とを備える学習支援システムが開示されている。上記特許文献1には、複数の学習済みモデルを表示部に表示し、複数の学習済みモデルのうちの選択された学習済みモデルに基づいて、学習済みモデルを生成する構成が開示されている。また、上記特許文献1に開示されている学習支援システムは、生成した学習済みモデルを用いて細胞画像の解析を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-174740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1には開示されていないが、細胞画像(解析対象データ)の解析を行う際に、解析対象データの解析精度を向上させるために、教師データおよび学習パラメータなどを変化させたバージョンが異なる複数の学習済みモデルが生成される場合がある。この場合、操作者は、解析対象データの解析を行う際に、バージョンが異なる複数の学習済みモデルのうちから、解析対象データの解析に用いる学習済みモデルを選択する。しかしながら、上記特許文献1に開示されている構成では、複数の学習済みモデルが表示部に一覧表示されるため、この特許文献1の構成をバージョンが異なる複数の学習済みモデルを表示する構成に適用した場合、バージョンが異なる複数の学習済みモデルを、一見して把握しにくいという不都合がある。そこで、バージョンが異なる複数の学習済みモデルを一見して容易に把握することが可能な技術が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、バージョンが異なる複数の学習済みモデルを一見して容易に把握することが可能なデータ解析システム、データ解析装置およびデータ解析方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面によるデータ解析システムは、学習済みモデルを用いて解析対象のデータである解析対象データを解析するデータ解析システムであって、解析対象データを取得するデータ取得部と、学習済みモデルを用いて解析対象データを解析する解析部と、少なくとも教師データを用いて学習済みモデルを生成する学習済みモデル生成部と、学習済みモデル生成部によって生成された複数の学習済みモデルの各々を生成する際に使用した教師データと関連付けるとともに、解析目的が同一であり、バージョンが異なる複数の学習済みモデルを関連付けて記憶する記憶部と、記憶部に記憶された複数の学習済みモデルを表示する表示部と、表示部に表示された複数の学習済みモデルのうち、選択された学習済みモデルと、選択された学習済みモデルと関連付けられたバージョンが異なる学習済みモデルとを同一画面上に表示させる制御を行う制御部と、を備える。ここで、「バージョンが異なる」とは、ネットワーク構造の生成について記載されたソースコードが同一であり、かつ、教師データおよび学習パラメータなどを変化させたものを意味する。
【0008】
また、この発明の第2の局面によるデータ解析装置は、学習済みモデルを用いて解析対象のデータである解析対象データを解析するデータ解析装置であって、解析対象データを取得するデータ取得部と、学習済みモデルを用いて解析対象データを解析する解析部と、少なくとも教師データを用いて学習済みモデルを生成する学習済みモデル生成部と、学習済みモデル生成部によって生成された複数の学習済みモデルの各々を生成する際に使用した教師データと関連付けるとともに、解析目的が同一であり、バージョンが異なる複数の学習済みモデルを関連付けて記憶する記憶部と、記憶部に記憶された複数の学習済みモデルを表示する表示部と、表示部に表示された複数の学習済みモデルのうち、選択された学習済みモデルと、選択された学習済みモデルと関連付けられたバージョンが異なる学習済みモデルとを同一画面上に表示させる制御を行う制御部と、を備える。
【0009】
また、この発明の第3の局面によるデータ解析方法は、学習済みモデルを用いて解析対象のデータである解析対象データを解析するデータ解析方法であって、少なくとも教師データを用いて学習済みモデルを生成するステップと、学習済みモデル生成部によって生成された複数の学習済みモデルの各々を生成する際に使用した教師データと関連付けるとともに、解析目的が同一であり、バージョンが異なる複数の学習済みモデルを関連付けて記憶するステップと、記憶された複数の学習済みモデルのうち、選択された学習済みモデルと、選択された学習済みモデルと関連付けられたバージョンが異なる学習済みモデルとを同一画面上に表示させるステップと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
上記第1の局面におけるデータ解析システム、および、記第2の局面におけるデータ解析装置では、記憶部に記憶された複数の学習済みモデルを表示する表示部と、選択された学習済みモデルと、選択された学習済みモデルとバージョンが異なる学習済みモデルとを同一画面上に表示させる制御を行う制御部とを備える。また、上記第3の局面におけるデータ解析方法では、上記のように、記憶された複数の学習済みモデルのうち、選択された学習済みモデルと、選択された学習済みモデルと関連付けられたバージョンが異なる学習済みモデルとを同一画面上に表示させるステップを備える。これにより、記憶された複数の学習済みモデルのうち、選択された学習済みモデルと、選択された学習済みモデルと関連付けられたバージョンが異なる学習済みモデルとが同一画面上に表示されるので、バージョンが異なる複数の学習済みモデルを一見して容易に把握することができる。その結果、バージョンが異なる複数の学習済みモデルを一見して容易に把握することが可能なデータ解析システム、データ解析装置およびデータ解析方法を提供することができる。これにより、操作者は、解析対象データの解析を行う際に、バージョンが異なる複数の学習済みモデルのうちから、解析対象データの解析に用いる学習済みモデルを選択する作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態によるデータ解析システムの全体構成を示した模式図である。
図2】一実施形態による解析対象データが、解析目的が同一でバージョンが異なる複数の学習済みモデルを関連付ける構成を説明するための模式図である。
図3】一実施形態によるデータ解析システムの、学習済みモデルを生成する際の学習モデルなどの選択を行う画面例を示す模式図である。
図4】一実施形態によるデータ解析システムにおいて、複数の学習済みモデルを表示する画面例を示す模式図である。
図5】一実施形態によるデータ解析システムにおいて、解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデルのバージョン履歴を表示する画面例を示す模式図である。
図6】一実施形態によるデータ解析システムにおいて、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデルにおける解析精度の評価画面を示す模式図である。
図7】一実施形態によるデータ解析システムにおいて、学習済みモデルを用いた解析を行う際の解析レシピを設定する画面例を示す模式図である。
図8】一実施形態によるデータ解析システムにおいて、解析レシピを選択する際の、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデルを表示する画面例を示す模式図である。
図9】一実施形態によるデータ解析システムにおいて、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデルを表示する処理を説明するためのフローチャートである。
図10】一実施形態によるデータ解析システムにおいて、学習済みモデルのバージョン名が最新であるか否かの判定を行う処理を説明するためのフローチャートである。
図11】第1変形例によるデータ解析システムの全体構成を示した模式図である。
図12】第2変形例によるデータ解析システムの全体構成を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1を参照して、一実施形態によるデータ解析システム100の構成について説明する。データ解析システム100は、学習済みモデル30を用いて解析対象のデータである解析対象データ20を解析するデータ解析システムである。また、データ解析システム100は、学習済みモデル30を生成するシステムである。データ解析システム100は、たとえば、解析対象データ20として、細胞が写る画像の解析を行う。なお、データ解析システム100が解析する解析対象データ20は、細胞が写る画像に限定されない。たとえば、解析対象データ20は、X線画像を含み得る。
【0014】
(データ解析システムの構成)
データ解析システム100は、図1に示すように、サーバ1と、解析データ表示装置2と、を備える。
【0015】
図1では、オンプレミスのクライアントサーバモデルで構築されたデータ解析システム100の例を示している。解析データ表示装置2は、データ解析システム100におけるクライアント端末として機能する。サーバ1は、データ解析システム100において、データの解析を行うサーバとして機能する。サーバ1と、解析データ表示装置2とは、ネットワーク90を介して相互に通信可能に接続されている。サーバ1は、ユーザが操作する解析データ表示装置2からのリクエスト(処理要求)に応じて、各種の情報処理を行う。サーバ1は、リクエストに応じて、解析対象データ20の解析を行う。なお、オンプレミスとは、サーバ1と、解析データ表示装置2とが、互いに同一の施設内に配置されていることを意味する。
【0016】
また、サーバ1は、リクエストに応じて、学習済みモデル30を表示する画面である学習済みモデル表示画面41を、作成する。また、サーバ1は、作成した学習済みモデル表示画面41を、解析データ表示装置2に対して送信する。
【0017】
ネットワーク90は、サーバ1と、解析データ表示装置2とを相互に通信可能に接続する。ネットワーク90は、たとえば施設内に構築されたLAN(Local Area Network)でありうる。
【0018】
解析データ表示装置2は、解析対象のデータである解析対象データ20を解析した解析結果を表示する解析データ表示装置である。また、解析データ表示装置2は、解析対象データ20の解析に用いる学習済みモデル30を表示するように構成されている。解析データ表示装置2は、いわゆるパーソナルコンピュータであり、プロセッサ(図示せず)および記憶部(図示せず)を備える。また、解析データ表示装置2は、表示部2aおよび入力受付部2bを備える。
【0019】
表示部2aは、解析対象データ20、および、学習済みモデル30の少なくとも一方を表示する。本実施形態では、表示部2aは、後述する記憶部11に記憶された複数の学習済みモデル30を表示する。表示部2aは、たとえば、液晶モニタ、または、有機EL(Electro Luminescence)モニタなどの表示装置である。表示部2aは、プロジェクタ、ヘッドマウントディスプレイであってもよい。
【0020】
入力受付部2bは、操作者の入力を受け付けるように構成されている。入力受付部2bは、たとえば、マウスおよびキーボードを含む入力装置である。入力受付部2bは、タッチパネルであってもよい。解析データ表示装置2は、データ解析システム100において1つまたは複数設けられる。
【0021】
サーバ1は、データ取得部10と、記憶部11と、制御部12とを備える。
【0022】
データ取得部10は、解析対象データ20を取得するように構成されている。具体的には、データ取得部10は、解析データ表示装置2からネットワーク90を介して入力された解析対象データ20を取得するように構成されている。また、本実施形態では、データ取得部10は、解析データ表示装置2からネットワーク90を介して入力された教師データ21を取得するように構成されている。教師データ21は、学習済みモデル30を生成するために用いられる教師用データである。データ取得部10は、たとえば、入出力インタフェースを含む。
【0023】
記憶部11は、制御部12が実行する各種プログラムを記憶する。また、記憶部11は、解析対象データ20、および、学習済みモデル30を記憶するように構成されている。本実施形態では、記憶部11は、後述する学習済みモデル生成部12bによって生成された複数の学習済みモデル30の各々を生成する際に使用した教師データ21と関連付けるとともに、解析目的が同一であり、バージョンが異なる複数の学習済みモデル30を関連付けて記憶するように構成されている。また、記憶部11は、後述する解析結果の精度に関する情報22、および、後述する学習パラメータ23を記憶するように構成されている。なお、解析目的とは、どのような解析対象データ20に対して、どのような解析を行うかを意味する。解析目的は、たとえば、細胞画像のセグメンテーション処理、X線画像のセグメンテーション処理などの、どういった処理を行うかの情報を含む。また、解析目的が同一とは、解析対象データ20に対する解析の種類が等しいことを意味する。
【0024】
記憶部11は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、または、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶装置を含む。記憶部11が学習済みモデル30と教師データ21とを関連付けて記憶する構成、および、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30を関連付けて記憶する構成の詳細については、後述する。
【0025】
学習済みモデル30は、たとえば、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional neural network;CNN)であるか、畳み込みニューラルネットワークを一部に含む学習モデルを、教師データ21によって学習させることにより生成される。
【0026】
制御部12は、解析対象データ20を解析するように構成されている。また、制御部12は、複数の学習済みモデル30を表示部2aに表示させる制御を行うように構成されている。制御部12は、CPU(Central Processing Unit)、回路(Circuitly)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、GPU(Graphics Processing Unit)、または、画像処理用に構成されたFPGA(Field-Programmable Gate Array)などを含んでいる。
【0027】
制御部12は、解析部12aと、学習済みモデル生成部12bと、を含む。解析部12a、および、学習済みモデル生成部12bは、制御部12がプログラムを実行することにより実現される機能ブロックとしてソフトウェア的に構成される。解析部12a、および、学習済みモデル生成部12bは、専用のプロセッサ(処理回路)を設けてハードウェアにより構成されていてもよい。
【0028】
解析部12aは、学習済みモデル30を用いて解析対象データ20を解析するように構成されている。解析部12aは、操作者によって選択された学習済みモデル30を用いて、解析対象データ20の解析を行う。たとえば、解析対象データ20が細胞画像の場合、解析部12aは、学習済みモデル30を用いて、細胞画像に写る細胞が分化しているか、未分化を維持しているかの解析を行う。なお、解析部12aが行う解析処理は、解析対象データ20、および、解析部12aが利用する学習済みモデル30によって異なり得る。
【0029】
学習済みモデル生成部12b、少なくとも教師データ21を用いて学習済みモデル30を生成するように構成されている。本実施形態では、学習済みモデル生成部12bは、操作者が選択した学習用モデルのアルゴリズム24、および、学習済みモデル30のいずれかと、操作者が選択した教師データ21とに基づいて、学習済みモデル30を生成する。学習用モデルのアルゴリズム24は、たとえば、ニューラルネットワークを含む。
【0030】
制御部12が学習済みモデル30を表示させる制御を行う構成の詳細については、後述する。
【0031】
(学習済みモデルのバージョン管理)
次に、図2を参照して、制御部12(図1参照)が学習済みモデル30(図1参照)のバージョンを管理する構成について説明する。
【0032】
本実施形態では、制御部12は、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30を関連付けて記憶部11(図1参照)に記憶することにより、学習済みモデル30のバージョン管理を行う。
【0033】
図2に示す例は、解析目的が同一のバージョンが異なる第1学習済みモデル30a~第3学習済みモデル30cを関連付けて記憶している。第1学習済みモデル30a、第2学習済みモデル30b、および、第3学習済みモデル30cは、学習用モデルのアルゴリズム24(図1参照)が同一で、かつ、バージョン名25が互いに異なる学習済みモデル30である。
【0034】
本実施形態では、制御部12は、学習済みモデル30に対して、解析対象データ20、教師データ21、解析結果の精度に関する情報22、学習パラメータ23、および、バージョン名25を関連付けて記憶するように構成されている。
【0035】
また、教師データ21は、学習用データ21aと、妥当性検証用データ21bと、精度検証用データ21cとを含む。学習用データ21aは、学習済みモデル30を生成する際の学習に用いられるデータである。また、妥当性検証用データ21bは、生成した学習済みモデル30の妥当性を検証するためのデータである。また、精度検証用データ21cは、生成した学習済みモデル30の精度を検証するためのデータである。
【0036】
なお、本実施形態では、記憶部11は、学習用モデルのアルゴリズム24が同一であり、教師データ21、または、学習済みモデル30を生成する際に設定される学習パラメータ23のうちの、少なくとも1つが変更された状態で生成された学習済みモデル30を、バージョンが異なる学習済みモデル30として関連付けて記憶するように構成されている。なお、学習用モデルのアルゴリズム24が同一とは、学習用モデルのアルゴリズム24のネットワーク構造が同一であることを意味する。
【0037】
本実施形態では、記憶部11(図1参照)は、複数の学習済みモデル30の各々に対して、教師データ21とともに、解析対象データ20の解析結果の精度に関する情報22を関連付けて、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30を関連付けて記憶するように構成されている。解析結果の精度に関する情報22は、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30の解析結果の精度に関する情報22である第1解析精度情報22aと、互いに異なる解析対象データ20を解析させた際の解析結果の精度に関する情報22である第2解析精度情報22bとを含む。したがって、本実施形態では、記憶部11は、学習済みモデル30に対して、第1解析精度情報22aと、第2解析精度情報22bと、を関連付けて記憶するように構成されている。
【0038】
ここで、本実施形態によるデータ解析システム100は、学習済みモデル30の生成、および、学習済みモデル30を用いた解析対象データ20の解析を行うように構成されている。
【0039】
(学習済みモデルの生成)
まず、図3図6を参照して、データ解析システム100(図1参照)が学習済みモデル30を生成する構成について説明する。
【0040】
図3に示す学習済みモデル生成画面40は、操作者が学習済みモデル30(図1参照)を生成する際に、表示部2a(図1参照)に表示される画面である。
【0041】
学習済みモデル生成画面40は、名前入力欄40a、プロジェクト選択欄40b、モデル選択欄40c、データセット選択欄40d、学習済みモデル選択欄40e、バージョン名入力欄40f、概要入力欄40g、学習パラメータ入力欄40h、生成ボタン40i、および、キャンセルボタン40jが表示されている。
【0042】
名前入力欄40aは、生成される学習済みモデル30の名前が入力される入力欄である。また、プロジェクト選択欄40bは、生成される学習済みモデル30のプロジェクトを選択する選択欄である。なお、学習済みモデル30のプロジェクトとは、学習済みモデル30に設定されるカテゴリーである。すなわち、学習済みモデル30は、選択されたプロジェクト毎に、記憶部11に記憶される。
【0043】
また、モデル選択欄40cは、学習済みモデル30を生成する際の学習用モデルのアルゴリズム24(図1参照)を選択する選択欄である。また、データセット選択欄40dは、学習済みモデル30の生成に用いる教師データ21(図1参照)を選択する選択欄である。
【0044】
また、学習済みモデル選択欄40eは、学習済みモデル30の生成に用いる学習済みモデル30の選択欄である。学習済みモデル選択欄40eによって学習済みモデル30を選択することにより、記憶部11に記憶されている学習済みモデル30に基づいて学習済みモデル30を生成することができる。すなわち、既に生成された学習済みモデル30を改良した学習済みモデル30を生成することができる。本実施形態では、制御部12は、解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30を生成する際に、記憶部11に記憶された複数のバージョンの学習済みモデル30を選択可能に表示部2aに表示させる制御を行うように構成されている。
【0045】
また、バージョン名入力欄40fは、生成する学習済みモデル30のバージョン名25を入力する入力欄である。また、概要入力欄40gは、生成する学習済みモデル30の概要、操作者のコメントなどを入力する入力欄である。また、学習パラメータ入力欄40hは、学習済みモデル30を生成する際に用いる学習パラメータ23(図1参照)を入力する入力欄である。図3に示す例では、学習パラメータ入力欄40hは、エポック数を入力するエポック数入力欄40kと、バッチサイズを入力するバッチサイズ入力欄40lとを含む。
【0046】
名前入力欄40a、バージョン名入力欄40f、概要入力欄40g、エポック数入力欄40k、および、バッチサイズ入力欄40lの各々は、たとえば、テキストボックスである。また、プロジェクト選択欄40b、モデル選択欄40c、データセット選択欄40d、および、学習済みモデル選択欄40eの各々は、たとえば、コンボボックスである。
【0047】
また、生成ボタン40iは、学習済みモデル生成画面40に表示されるGUI(Graphical User Interface)のボタンである。生成ボタン40iが押下された場合、学習済みモデル生成部12b(図1参照)は、各入力欄に入力された情報、および、各選択欄において選択された情報に基づいて、学習済みモデル30を生成する。たとえば、モデル選択欄40cにおいて学習用モデルのアルゴリズム24が選択された状態で生成ボタン40iが押下された場合、学習済みモデル生成部12bは、選択された学習用モデルのアルゴリズム24を用いて、学習済みモデル30を生成する。
【0048】
また、たとえば、学習済みモデル選択欄40eが選択された状態で生成ボタン40iが押下された場合、学習済みモデル生成部12bは、記憶部11に記憶された複数の学習済みモデル30のうちの、選択された学習済みモデル30に基づいて、解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30を生成することが可能であるように構成されている。
【0049】
また、本実施形態では、学習済みモデル生成部12bは、学習済みモデル表示画面41において解析目的が同一の学習済みモデル30が選択された状態で学習済みモデル30が生成される場合、教師データ21(図1参照)、または、学習済みモデル30を生成する際に設定される学習パラメータ23(図1参照)のうちの、少なくとも1つが変更された状態で学習することにより、解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30を生成するように構成されている。
【0050】
また、本実施形態では、制御部12は、解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30が生成された場合に、最新バージョンの学習済みモデル30を選択肢として順次追加していく制御を行うように構成されている。
【0051】
また、キャンセルボタン40jは、学習済みモデル生成画面40に表示されるGUIの押しボタンである。キャンセルボタン40jが押下された場合、制御部12は、学習済みモデル30を生成することなく、学習済みモデル生成画面40を閉じる制御を行うように構成されている。
【0052】
(バージョン名の管理)
ここで、本実施形態では、制御部12は、学習済みモデル30のバージョン名25(図2参照)の命名規則として、セマンティックバージョニングを用いる。セマンティックバージョニングとは、メジャーバージョン、マイナーバージョン、および、パッチバージョンと呼ばれる3の数字を、カンマで区切ることによりバージョン名25を命名する規則である。なお、命名規則は、セマンティックバージョニング以外の命名規則を含み得る。
【0053】
また、本実施形態では、制御部12は、学習済みモデル30のバージョン名25が枝分かれしないように設定された命名規則に基づいて、学習済みモデル30のバージョン名25の判定を行うように構成されている。枝分かれしないように設定された命名規則とは、新たに生成される学習済みモデル30のバージョン名25が、常に最新のバージョン名25となるように設定された命名規則である。たとえば、枝分かれしないように設定された命名規則とは、バージョン名25が「1.1.1」の学習済みモデル30と、バージョン名25が「1.1.3」の学習済みモデル30とが記憶部11に記憶されている場合に、バージョン名25が「1.1.2」の学習済みモデル30を生成することを禁止する規則である。
【0054】
そのため、本実施形態では、制御部12は、入力受付部2bによって入力されたバージョン名25が、命名規則に基づいた最新のバージョン名25であるか否かを判定し、命名規則に基づいた最新のバージョン名25でない場合、学習済みモデル生成部12bに学習済みモデル30を生成させない制御を行うように構成されている。具体的には、制御部12は、各学習済みモデル30のバージョン名25において、メジャーバージョン、マイナーバージョン、および、パッチバージョンの各々を比較し、バージョン名25が最新であるか否かを判定する。
【0055】
(複数の学習済みモデルの表示)
ここで、学習済みモデル30(図1参照)用いて解析対象データ20(図1参照)の解析を行う際に、教師データ21(図1参照)および学習パラメータ23(図1参照)の少なくともいずれかを変更して複数の学習済みモデル30を生成し、解析精度が最も高い学習済みモデル30を用いて解析を行うことが考えられる。この場合、解析目的が同一でバージョンが異なる複数の学習済みモデル30が生成されるため、複数の学習済みモデル30を表示部2a(図1参照)において一覧表示させる構成の場合、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30を、一見して把握することが困難になる。そこで、本実施形態では、制御部12(図1参照)は、解析目的が同一でバージョンが異なる複数の学習済みモデル30を比較可能に表示するように構成されている。
【0056】
図4および図5を参照して、制御部12が、解析目的が同一でバージョンが異なる複数の学習済みモデル30(図1参照)を表示部2aに表示させる構成について説明する。
【0057】
図4に示す学習済みモデル表示画面41は、記憶部11(図1参照)に記憶された複数の学習済みモデル30を表示する画面である。学習済みモデル表示画面41は、学習済みモデル表示領域41aを含む。なお、学習済みモデル表示画面41に表示される複数の学習済みモデル30は、互いに解析目的(図1参照)が異なる学習済みモデル30である。言い換えると、学習済みモデル表示画面41は、解析目的が異なる複数の学習済みモデル30を一覧表示する画面である。
【0058】
学習済みモデル表示領域41aは、名前表示欄41bと、バージョン名表示欄41cと、プロジェクト名表示欄41dとを含む。
【0059】
名前表示欄41bは、学習済みモデル30の名前を表示する欄である。また、バージョン名表示欄41cは、学習済みモデル30のバージョン名25(図2参照)を表示する欄である。また、プロジェクト名表示欄41dは、学習済みモデル30のプロジェクト名を表示する欄である。また、プロジェクト名表示欄41dには、学習済みモデル30毎に、詳細ボタン41eおよび更新ボタン41fが表示されている。
【0060】
詳細ボタン41eは、GUIの押しボタンである。詳細ボタン41eが押下された場合、対応する学習済みモデル30の詳細画面が表示される。詳細画面は、図5に示すバージョン履歴画面42と、図6に示す精度評価画面43とを含む。
【0061】
(学習済みモデルのバージョン履歴の表示)
図5に示すバージョン履歴画面42は、学習済みモデル表示画面41(図4参照)において選択された学習済みモデル30(図1参照)と、選択された学習済みモデル30と関連付けられた解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30とを表示する画面である。
【0062】
本実施形態では、制御部12(図1参照)は、表示部2a(図1参照)に表示された複数の学習済みモデル30のうち、選択された学習済みモデル30と、選択された学習済みモデル30と関連付けられたバージョンが異なる学習済みモデル30とを同一画面上に表示させる制御を行うように構成されている。本実施形態では、制御部12は、選択された学習済みモデル30と、選択された学習済みモデル30と関連付けられた解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30とを同一画面上に表示させる制御を行うように構成されている。具体的には、制御部12は、バージョン履歴画面42を表示部2aに表示させる制御を行うことにより、選択された学習済みモデル30と、選択された学習済みモデル30と関連付けられた解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30とを同一画面上に表示させるように構成されている。なお、画面をスクロールすることにより表示される学習済みモデル30は、同一画面上に表示される学習済みモデル30に含まれる。
【0063】
バージョン履歴画面42は、複数の学習済みモデル30の詳細情報を表示する詳細情報表示欄42aを含む。図5に示す例では、「学習済みモデルA」のうち、互いにバージョン名25(図2参照)が異なる3つの詳細情報表示欄42aと、バージョン名25が同じで、検証用データセットが異なる詳細情報表示欄42aを含む。具体的には、図5に示す例では、バージョン名25が「1.0.0」で、検証用データセットがデータセットA、バージョン名25が「1.0.0.」で、検証用データセットがデータセットB、バージョン名25が「1.0.1」で、検証用データセットがデータセットA、バージョン名25が「2.0.0」で、検証用データセットがデータセットA、の4つの詳細情報表示欄42aを含む。
【0064】
詳細情報表示欄42aの各々は、バージョン名表示欄42b、名前表示欄42c、モデル名表示欄42d、データセット表示欄42e、学習済みモデル表示欄42f、概要表示欄42g、学習パラメータ表示欄42h、検証データセット表示欄42i、推論用パラメータ表示欄42j、および、精度表示欄42kを含む。
【0065】
バージョン名表示欄42bは、学習済みモデル30のバージョン名25を表示する表示欄である。また、名前表示欄42cは、学習済みモデル30の名前を表示する表示欄である。また、モデル名表示欄42dは、学習済みモデル30を生成する際に用いた学習用モデルのアルゴリズム24(図1参照)を表示する表示欄である。また、データセット表示欄42eは、学習済みモデル30を生成した際に用いた教師データ21を表示する表示欄である。また、学習済みモデル表示欄42fは、学習済みモデル30を生成する際に用いた学習済みモデル30を表示欄である。また、概要表示欄42gは、学習済みモデル30を生成する際に操作者が入力した概要を表示する表示欄である。また、学習パラメータ表示欄42hは、学習済みモデル30を生成する際に用いた学習パラメータ23(図1参照)を表示する表示欄である。また、検証データセット表示欄42iは、生成した学習済みモデル30によって解析した解析対象データ20(図1参照)を表示する表示欄である。また、推論用パラメータ表示欄42jは、生成した学習済みモデル30を用いて解析対象データ20を解析する際に設定された推論用パラメータを表示する表示欄である。また、精度表示欄42kは、生成した学習済みモデル30を用いて解析対象データ20を解析した際の解析結果の精度に関する情報22(図1参照)を表示する表示欄である。
【0066】
なお、本実施形態では、解析部12a(図1参照)は、操作者の操作に基づいて、生成した学習済みモデル30を用いて、解析対象データ20の解析を行うように構成されている。制御部12は、解析部12aによって解析対象データ20の解析を行った際に、解析対象データ20と、解析の際に設定された推論用パラメータと、解析結果の精度に関する情報22とを、学習済みモデル30と関連付けて記憶部11に記憶している。したがって、制御部12は、バージョン履歴画面42の検証データセット表示欄42i、推論用パラメータ表示欄42j、および、精度表示欄42kにおいて、生成した学習済みモデル30によって解析した解析対象データ20、推論用パラメータ、および、解析結果の精度に関する情報22を表示することができる。
【0067】
(学習済みモデルの精度評価の表示)
ここで、学習済みモデル30の改良を行う場合には、教師データ21(図1参照)および学習パラメータ23(図1参照)の少なくともいずれかを変更して、複数の学習済みモデル30の生成を行うことが考えられる。しかしながら、教師データ21および学習パラメータ23の少なくともいずれかを変更して複数の学習済みモデル30を生成したとしても、複数の学習済みモデル30の解析結果の精度に関する情報22を比較できない場合、どの学習済みモデル30が解析対象データ20の解析に適しているか否かを一見して把握することが困難である。そこで、本実施形態では、制御部12は、複数の学習済みモデル30の解析結果の精度に関する情報22を比較可能に表示部2aに表示させる制御を行うように構成されている。
【0068】
図6に示す精度評価画面43は、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30(図1参照)の解析結果の精度に関する情報22(図1参照)を表示する画面である。精度評価画面43は、解析結果の精度に関する情報22をグラフ形式で表示するグラフ表示領域43aと、解析結果の精度に関する情報22をマトリクス形式で表示するマトリクス表示領域43bとを含む。
【0069】
図6に示すように、制御部12(図1参照)は、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30の解析結果の精度に関する情報22を比較可能に表示部2a(図1参照)に表示させる制御を行うように構成されている。具体的には、制御部12は、入力受付部2b(図1参照)によって受け付けた選択の操作入力に基づいて選択された、解析目的が同一の学習済みモデル30および解析対象データ20に基づく解析結果の精度に関する情報22を比較可能に表示部2aに表示させる制御を行うように構成されている。
【0070】
グラフ表示領域43aに表示されたグラフ50は、縦軸が精度指標(Accuracy)であり、横軸がデータセット名である。また、グラフ50は、凡例51に示すように、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30の解析結果の精度に関する情報22を表示する。具体的には、グラフ50では、第1凡例51a~第3凡例51cに示すように、名前が「学習済みモデルA」の学習済みモデル30のうちの、バージョン名25(図2参照)が「1.0.0」、「1.0.1」、および、「2.0.0」の学習済みモデル30の解析結果の精度に関する情報22を表示している。なお、第1凡例51aは、バージョン名25が「1.0.0」の学習済みモデル30を示している。また、第2凡例51bは、バージョン名25が「1.0.1」の学習済みモデル30を示している。また、第3凡例51cは、バージョン名25が「2.0.0」の学習済みモデル30を示している。
【0071】
また、グラフ50に示す曲線52aは、バージョン名25が「1.0.0」の学習済みモデル30の解析結果の精度に関する情報22を示している。また、曲線52bは、バージョン名25が「1.0.1」の学習済みモデル30の解析結果の精度に関する情報22を示している。また、曲線52cは、バージョン名25が「2.0.0」の学習済みモデル30の解析結果の精度に関する情報22を示している。
【0072】
グラフ50では、各バージョンの学習済みモデル30に対して、データセットA~データセットDの各々を用いて解析した場合の解析結果の精度に関する情報22を表示している。すなわち、グラフ50は、一つのデータセットに着目した場合、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30の解析結果の精度に関する情報22である第1解析精度情報22aを表示しているといえる。また、グラフ50は、1つのバージョンに着目した場合、互いに異なる解析対象データ20を解析された際の解析結果の精度に関する情報22である第2解析精度情報22bを表示しているといえる。言い換えると、制御部12は、第1解析精度情報22aと、第2解析精度情報22bとを、比較可能に表示部2aに表示させる制御を行うように構成されている。
【0073】
また、マトリクス表示領域47bに表示されるマトリクス53は、バージョン名表示欄53aと、データセット名表示欄53bと、パラメータ表示欄53cと、Accuracy表示欄53dと、IoU表示欄53eとを含む。なお、マトリクス53では、グラフ50に対応する情報が表示されるが、図6に示す例では、マトリクス53において、便宜的に、一部の情報のみを表示している。
【0074】
バージョン名表示欄53aは、学習済みモデル30のバージョン名25を表示する表示欄である。また、データセット名表示欄53bは、学習済みモデル30を用いて解析した解析対象データ20の名称を表示する表示欄である。また、パラメータ表示欄53cは、解析対象データ20の解析を行う際に設定された推論用パラメータを表示する表示欄である。また、Accuracy表示欄53dは、学習済みモデル30が解析対象データ20を解析した際のAccuracyの値を表示する表示欄である。また、IoU表示欄53eは、学習済みモデル30が解析対象データ20を解析した際のIoUを表示する表示欄である。言い換えると、Accuracy表示欄53dおよびIoU表示欄53eは、解析結果の精度に関する情報22を表示する表示欄である。また、図6に示す例では、IoU表示欄53eは、IoU_1、IoU_2、IoU_3、および、IoU_4の、4つのIoUを表示する表示欄を含む。なお、Accuracyとは、学習済みモデル30が解析対象データ20を解析した際の推論が正しい割合を示す値である。また、IoUとは、学習済みモデル30が解析対象データ20を解析した際の、推論結果と真の結果とのマッチ度を示す値である。
【0075】
本実施形態では、制御部12は、操作者が選択した学習済みモデル30のうちの、操作者が選択したバージョンを表示するバージョン履歴画面42および精度評価画面43を表示可能に構成されている。すなわち、制御部12は、操作者が選択した学習済みモデル30、および、選択したバージョンに基づいて、記憶部11(図1参照)から各バージョンに関連付けられた各種データを取得し、バージョン履歴画面42および精度評価画面43を表示部2aに表示させるように構成されている。
【0076】
(解析レシピの設定)
次に、図7および図8を参照し、生成した学習済みモデル30(図1参照)を用いて解析対象データ20(図1参照)を解析する構成について説明する。
【0077】
図7に示す解析レシピ設定画面44は、入力データ設定欄44aと、学習済みモデル設定欄44bと、解析結果出力先設定欄44cとを含む。
【0078】
入力データ設定欄44aは、学習済みモデル30に解析させる解析対象データ20を設定するための設定欄である。また、学習済みモデル設定欄44bは、入力データ設定欄44aによって設定された解析対象データ20を解析する学習済みモデル30を設定するための設定欄である。また、解析結果出力先設定欄44cは、学習済みモデル30が解析対象データ20を解析した際に出力される解析結果の出力先を設定する設定欄である。
【0079】
操作者は、各設定欄において、解析対象データ20、学習済みモデル30、および、解析結果の出力先を設定することにより、どのような解析対象データ20を、どのような学習済みモデル30を用いて解析し、解析結果をどこに出力するかといった、解析レシピを作成することができる。また、操作者は、作成した解析レシピに基づいて、解析対象データ20を解析することができる。
【0080】
また、学習済みモデル設定欄44bには、設定ボタン44dが表示されている。設定ボタン44dは、GUIの押しボタンである。設定ボタン44dが押下された場合、制御部12は、図8に示す学習済みモデル選択画面45を表示する。
【0081】
図8に示す学習済みモデル選択画面45は、学習済みモデル選択欄45aと、更新ボタン45bとを含む。学習済みモデル選択欄45aは、学習済みモデル30の選択肢45cを表示する選択欄である。学習済みモデル選択欄45aは、たとえば、コンボボックスである。また、更新ボタン45bは、学習済みモデル選択画面45に表示されるGUIの押しボタンである。
【0082】
制御部12(図1参照)は、操作者が選択した学習済みモデル30(図1参照)と、操作者が選択した学習済みモデル30と解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30とを、選択肢45cとして表示する。
【0083】
選択肢45cのうちのいずれかが選択された状態で更新ボタン45bが押下された場合、制御部12は、選択されたバージョンの学習済みモデル30を、解析レシピ設定画面44(図7参照)の学習済みモデル設定欄44b(図7参照)に設定し、学習済みモデル選択画面45を閉じる。
【0084】
(学習済みモデルの表示処理)
次に、図9を参照して、本実施形態によるデータ解析システム100(図1参照)が、複数の学習済みモデル30(図1参照)を表示部2a(図1参照)に表示する処理について説明する。
【0085】
ステップ101において、学習済みモデル生成部12b(図1参照)は、少なくとも教師データ21(図1参照)を用いて学習済みモデル30を生成する。本実施形態では、学習済みモデル生成部12bは、教師データ21、学習パラメータ23、学習済みモデル30または学習用モデルのアルゴリズム24のいずれかを用いて、学習済みモデル30を生成する。
【0086】
ステップ102において、解析部12a(図1参照)は、生成した学習済みモデル30を用いて、解析対象データ20(図1参照)の解析を行い、解析結果の精度に関する情報22(図1参照)を取得する。
【0087】
ステップ103において、制御部12(図1参照)は、学習済みモデル生成部12bによって生成された複数の学習済みモデル30の各々を生成する際に使用した教師データ21と関連付けるとともに、解析目的が同一であり、バージョンが異なる複数の学習済みモデル30を関連付けて記憶する。また、本実施形態では、制御部12は、ステップ103において、複数の学習済みモデル30の各々に対して、教師データ21とともに、解析対象データ20の解析結果の精度に関する情報22(図1参照)を関連付けて、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30を関連付けて記憶する。
【0088】
ステップ104において、制御部12は、記憶された複数の学習済みモデル30のうち、選択された学習済みモデル30と、選択された学習済みモデル30と関連付けられたバージョンが異なる学習済みモデル30とを同一画面上に表示させる。本実施形態では、制御部12は、選択された学習済みモデル30と関連付けられた解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30とを同一画面上に表示させる。その後、処理は、終了する。
【0089】
なお、ステップ103において、制御部12が教師データ21とともに、解析結果の精度に関する情報22を学習済みモデル30に関連付けて記憶部11に記憶しない場合、ステップ102の処理はスキップできる。
【0090】
(学習済みモデルのバージョン名の判定処理)
次に、図11を参照して、制御部12(図1参照)が、学習済みモデル30(図1参照)を生成する際のバージョン名25(図2参照)を判定する処理について説明する。
【0091】
ステップ110において、制御部12は、学習済みモデル生成画面40(図3参照)のバージョン名入力欄40f(図3参照)に入力されたバージョン名25を取得する。
【0092】
ステップ111において、制御部12は、学習済みモデル表示画面41(図4参照)において選択された学習済みモデル30のバージョン名25と、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30のバージョン名25とを取得する。
【0093】
ステップ112において、制御部12は、バージョン名入力欄40fに入力されたバージョン名25が最新であるか否かを判定する。具体的には、制御部12は、バージョン名入力欄40fに入力されたバージョン名25のメジャーバージョン、マイナーバージョン、および、パッチバージョンと、ステップ111において取得した複数の学習済みモデル30の各々のバージョン名25のメジャーバージョン、マイナーバージョン、および、パッチバージョンと、を比較する。制御部12は、バージョン名入力欄40fに入力されたバージョン名25が最新である場合、処理は、ステップ113へ進む。制御部12は、バージョン名入力欄40fに入力されたバージョン名25が最新でない場合、処理は、ステップ114へ進む。
【0094】
ステップ113において、学習済みモデル生成部12b(図1参照)は、バージョン名入力欄40fに入力されたバージョン名25を用いて、学習済みモデル30を生成する。その後、処理は、終了する。
【0095】
また、処理が、ステップ112からステップ114へ進んだ場合、ステップ114において、制御部12は、バージョン名入力欄40fに入力されたバージョン名25が最新でない旨を表示する。制御部12は、たとえば、学習済みモデル生成画面40上にポップアップ形式で、バージョン名入力欄40fに入力されたバージョン名25が最新でない旨を表示する。また、制御部12は、学習済みモデル生成部12bに学習済みモデル30を生成させない制御を行う。たとえば、制御部12は、学習済みモデル生成画面40に表示される生成ボタン40i(図3参照)を押下不可とする制御を行う。その後、処理は、終了する。
【0096】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0097】
本実施形態では、上記のように、データ解析システム100は、学習済みモデル30を用いて解析対象のデータである解析対象データ20を解析するデータ解析システムであって、解析対象データ20を取得するデータ取得部10と、学習済みモデル30を用いて解析対象データ20を解析する解析部12aと、少なくとも教師データ21を用いて学習済みモデル30を生成する学習済みモデル生成部12bと、学習済みモデル生成部12bによって生成された複数の学習済みモデル30の各々を生成する際に使用した教師データ21と関連付けるとともに、解析目的が同一であり、バージョンが異なる複数の学習済みモデル30を関連付けて記憶する記憶部11と、記憶部11に記憶された複数の学習済みモデル30を表示する表示部2aと、表示部2aに表示された複数の学習済みモデル30のうち、選択された学習済みモデル30と、選択された学習済みモデル30と関連付けられたバージョンが異なる学習済みモデル30とを同一画面上に表示させる制御を行う制御部12と、を備える。
【0098】
これにより、選択された学習済みモデル30と、選択された学習済みモデル30と関連付けられたバージョンが異なる学習済みモデル30とが同一画面上に表示されるので、バージョンが異なる複数の学習済みモデル30を一見して容易に把握することができる。その結果、バージョンが異なる複数の学習済みモデル30を一見して容易に把握することができる。これにより、操作者は、解析対象データ20の解析を行う際に、バージョンが異なる複数の学習済みモデル30のうちから、解析対象データ20の解析に用いる学習済みモデル30を選択する作業を効率的に行うことができる。
【0099】
また、本実施形態では、上記のように、データ解析方法は、学習済みモデル30を用いて解析対象のデータである解析対象データ20を解析するデータ解析方法であって、少なくとも教師データ21を用いて学習済みモデル30を生成するステップと、学習済みモデル生成部12bによって生成された複数の学習済みモデル30の各々を生成する際に使用した教師データ21と関連付けるとともに、解析目的が同一であり、バージョンが異なる複数の学習済みモデル30を関連付けて記憶するステップと、記憶された複数の学習済みモデル30のうち、選択された学習済みモデル30と、選択された学習済みモデル30と関連付けられたバージョンが異なる学習済みモデル30とを同一画面上に表示させるステップと、を備える。
【0100】
これにより、上記データ解析システム100と同様に、バージョンが異なる複数の学習済みモデル30を一見して容易に把握することが可能となるので、バージョンが異なる複数の学習済みモデル30を一見して容易に把握することが可能なデータ解析方法を提供することができる。その結果、操作者が解析対象データ20の解析を行う際に、バージョンが異なる複数の学習済みモデル30のうちから、解析対象データ20の解析に用いる学習済みモデル30を選択する作業を効率的に行うことが可能なデータ解析方法を提供することできる。
【0101】
また、上記実施形態では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
【0102】
すなわち、本実施形態では、上記のように、記憶部11は、複数の学習済みモデル30の各々に対して、教師データ21とともに、解析対象データ20の解析結果の精度に関する情報22を関連付けて、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30を関連付けて記憶するように構成されている。これにより、解析目的が同一の複数の学習済みモデル30における解析対象データ20の解析結果の精度に関する情報22を操作者に比較可能に提示することができる。その結果、各学習済みモデル30の解析結果の精度に関す情報22を操作者に比較可能に提示することが可能となるので、操作者は、解析目的が同一の複数の学習済みモデル30のうちから、解析対象データ20の解析に適した学習済みモデル30選択する作業を、より効果的に行うことができる。
【0103】
また、本実施形態では、上記のように、制御部12は、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30の解析結果の精度に関する情報22を比較可能に表示部2aに表示させる制御を行うように構成されている。操作者は、解析結果の精度に関する情報22を比較することにより、解析目的が同一の複数の学習済みモデル30のうち、解析対象データ20の解析に適した学習済みモデル30を一見して容易に判別することができる。その結果、操作者は、解析対象データ20の解析を行う際に、解析精度の高い学習済みモデル30を容易に選択することができる。
【0104】
また、本実施形態では、上記のように、操作者の選択の操作入力を受け付ける入力受付部2bをさらに備え、制御部12は、入力受付部2bによって受け付けた選択の操作入力に基づいて選択された、解析目的が同一の学習済みモデル30および解析対象データ20に基づく解析結果の精度に関する情報22を比較可能に表示部2aに表示させる制御を行うように構成されている。これにより、操作者は、選択した学習済みモデル30と解析目的が同一で、バージョンが異なる複数の学習済みモデル30のうち、解析対象データ20の解析に適した学習済みモデル30を容易に判別することができる。したがって、操作者は、解析対象データ20の解析に適した学習済みモデル30を容易に選択することができる。その結果、解析対象データ20の解析に適した学習済みモデル30を選択する際の作業効率をより向上させることができる。
【0105】
また、本実施形態では、上記のように、記憶部11は、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30の解析結果の精度に関する情報22である第1解析精度情報22aと、バージョンが同じ学習済みモデル30に対して、互いに異なる解析対象データ20を解析させた際の解析結果の精度に関する情報22である第2解析精度情報22bと、を関連付けて記憶するように構成されており、制御部12は、第1解析精度情報22aと、第2解析精度情報22bとを、比較可能に表示部2aに表示させる制御を行うように構成されている。これにより、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30から出力された第1解析精度情報22aを比較することにより、操作者は、解析対象データ20の解析に適した学習済みモデル30を容易に判別することができる。また、操作者は、第2解析精度情報22bを比較することにより、学習済みモデル30の解析精度が低下しているか否かを容易に判別することができる。したがって、操作者は、学習済みモデル30の精度を向上させるために学習済みモデル30を改良する必要があるか否かを、容易に判別することができる。これらの結果、解析対象データ20の解析に適した学習済みモデル30の判別、および、学習済みモデル30の開量が必要であるか否かの判別を容易に行うことが可能となるので、操作者の利便性(ユーザビリティ)を向上させることができる。
【0106】
また、本実施形態では、上記のように、学習済みモデル生成部12bは、記憶部11に記憶された複数の学習済みモデル30のうちの、選択された学習済みモデル30に基づいて、解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30を生成することが可能であるように構成されている。これにより、選択された学習済みモデル30に基づいて、解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30が生成することが可能であるので、解析目的が同一であり、既に生成された学習済みモデル30を容易に改良することができる。その結果、既に生成された学習済みモデル30を容易に改良することが可能となるので、解析対象データ20の解析精度を向上させた学習済みモデル30を容易に生成することができる。
【0107】
また、本実施形態では、上記のように、学習済みモデル生成部12bは、解析目的が同一の学習済みモデル30が選択された状態で学習済みモデル30が生成される場合、教師データ21、または、学習済みモデル30を生成する際に設定される学習パラメータ23のうちの、少なくとも1つが変更された状態で学習することにより、解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30を生成するように構成されている。これにより、教師データ21、および、学習パラメータ23の少なくとも1つを変更することにより、解析目的が同一でバージョンが異なる学習済みモデル30を容易に生成することができる。したがって、学習済みモデル30による解析対象データ20の解析精度を向上させるために、学習済みモデル30を改良する場合に、解析目的が同一でバージョンが異なる複数の学習済みモデル30を容易に生成することができる。その結果、学習済みモデル30による解析対象データ20の解析精度を向上させるために学習済みモデル30を効率よく改良することができる。
【0108】
また、本実施形態では、上記のように、制御部12は、解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30を生成する際に、記憶部11に記憶された複数のバージョンの学習済みモデル30を選択可能に表示部2aに表示させる制御を行うように構成されている。これにより、既に生成済みの解析目的が同一でバージョンが異なる学習済みモデル30を選択し、改良して新たなバージョンの学習済みモデル30を生成する場合に、操作者は、解析目的が同一でバージョンが異なる学習済みモデル30を容易に把握することができる。その結果、操作者の利便性(ユーザビリティ)を向上させることができる。
【0109】
また、本実施形態では、上記のように、制御部12は、解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30が生成された場合に、最新バージョンの学習済みモデル30を選択肢として順次追加していく制御を行うように構成されている。ここで、解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30を生成した場合、解析対象データ20の解析の精度は、必ずしも向上するとは限らない。そのため、たとえば、解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30を生成された場合に、最新バージョンの学習済みモデル30を用いて解析対象データ20の解析を行うように自動的に設定する構成の場合、解析対象データ20の解析精度が低下する場合がある。そこで、上記のように、最新バージョンの学習済みモデル30を選択肢として順次追加していく制御を行うように構成することにより、最新バージョンの学習済みモデル30が、解析対象データ20の解析を行う学習済みモデル30として自動的に設定されることを抑制することができる。その結果、最新バージョンの学習済みモデル30が、解析対象データ20の解析を行う学習済みモデル30として自動的に設定されることにより、解析対象データ20の解析精度が低下することを抑制することができる。
【0110】
また、本実施形態では、上記のように、操作者の入力を受け付ける入力受付部2bをさらに備え、制御部12は、入力受付部2bによって入力されたバージョン名25が、命名規則に基づいた最新のバージョン名25であるか否かを判定し、命名規則に基づいた最新のバージョン名25でない場合、学習済みモデル生成部12bに学習済みモデル30を生成させない制御を行うように構成されている。これにより、解析目的が同一でバージョンが異なる学習済みモデル30のバージョン名25が過去のバージョン名25から派生した別系統のバージョンの学習済みモデル30が生成されることを抑制することができる。その結果、解析目的が同一の学習済みモデル30のバージョン名25の管理が複雑化することを抑制することができる。
【0111】
また、本実施形態では、上記のように、記憶部11は、学習用モデルのアルゴリズム24が同一であり、教師データ21、または、学習済みモデル30を生成する際に設定される学習パラメータ23のうちの、少なくとも1つが変更された状態で生成された学習済みモデル30を、バージョンが異なる学習済みモデル30として関連付けて記憶するように構成されている。ここで、学習用モデルのアルゴリズム24のバージョンが更新された場合、データ解析システム100における解析動作を担保できない場合がある。解析動作を担保できない学習済みモデル30を関連付けて記憶すると、データ解析システム100の保守作業が煩雑化する。そこで、上記のように構成することにより、学習用モデルのアルゴリズム24が互いに異なる学習済みモデル30同士を、互いに異なる系統でバージョン管理することができる。したがって、解析動作を担保できない可能性がある学習済みモデル30をバージョン管理に含めることを防止することができる。その結果、データ解析システム100の保守作業が煩雑化することを抑制することができる。
【0112】
また、本実施形態では、上記のように、バージョンが異なる複数の学習済みモデル30を関連付けて記憶するステップにおいて、複数の学習済みモデル30の各々に対して、教師データ21とともに、解析対象データ20の解析結果の精度に関する情報22を関連付けて、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30を関連付けて記憶する。これにより、解析目的が同一の複数の学習済みモデル30における解析対象データ20の解析結果の精度に関する情報22を操作者に比較可能に提示することができる。その結果、各学習済みモデル30の解析結果の精度に関す情報22を操作者が比較可能に提示することが可能となるので、解析目的が同一の複数の学習済みモデル30のうちから、解析対象データ20の解析に適した学習済みモデル30を操作者に容易に選択させることが可能なデータ解析方法を提供することができる。
【0113】
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0114】
たとえば、上記実施形態では、データ解析システム100が、いわゆる、オンプレミスのシステムとして構成される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図11に示す第1変形例のように、データ解析システム200は、いわゆる、クラウドサービス型のシステムとして構成されていてもよい。
【0115】
図11に示す第1変形例では、サーバ1と解析データ表示装置2とは、ネットワーク91を介して接続されている。ネットワーク91は、たとえばインターネットでありうる。第1変形例では、ネットワーク91がインターネットであるため、データ解析システム200は、いわゆる、クラウドコンピューティングの形態で構築されるシステムとして構成される。このように構成しても、上記実施形態によるデータ解析システム100と同様に、バージョンが異なる複数の学習済みモデル30を一見して容易に把握することが可能さデータ解析システム200を提供することができる。
【0116】
また、上記実施形態では、データ解析システム100が、サーバ1と、解析データ表示装置2とが互いに異なる装置である構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図12に示すデータ解析装置300のように、1つの情報処理装置において構成されてもよい。
【0117】
図12に示すように、データ解析装置300は、データ取得部310と、記憶部311と、制御部312と、表示部313と、入力受付部314とを備える。
【0118】
データ解析装置300が備えるデータ取得部310、記憶部311、および、制御部312は、上記実施形態によるデータ解析システム100が備えるデータ取得部10,記憶部11、および、制御部12と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0119】
また、制御部312は、解析部312aおよび学習済みモデル生成部312bを備える。解析部312a、および、学習済みモデル生成部312bは、上記実施形態による解析部12a、および、学習済みモデル生成部12bと同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0120】
また、第2変形例によるデータ解析装置300が備える表示部313および入力受付部314は、上記実施形態によるデータ解析システム100が備える表示部2a、および、入力受付部2bと同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0121】
第2変形例によるデータ解析装置300は、上記のように、学習済みモデル30を用いて解析対象のデータである解析対象データ20を解析するデータ解析装置であって、解析対象データ20を取得するデータ取得部310と、学習済みモデル30を用いて解析対象データ20を解析する解析部312aと、少なくとも教師データ21を用いて学習済みモデル30を生成する学習済みモデル生成部312bと、学習済みモデル生成部312bによって生成された複数の学習済みモデル30の各々を生成する際に使用した教師データ21と関連付けるとともに、解析目的が同一であり、バージョンが異なる複数の学習済みモデル30を関連付けて記憶する記憶部311と、記憶部311に記憶された複数の学習済みモデル30を表示する表示部313と、表示部313に表示された複数の学習済みモデル30のうち、選択された学習済みモデル30と、選択された学習済みモデル30と関連付けられたバージョンが異なる学習済みモデル30とを同一画面上に表示させる制御を行う制御部312と、を備える。
【0122】
これにより、上記データ解析システム100と同様に、バージョンが異なる複数の学習済みモデル30を一見して容易に把握することが可能となるので、バージョンが異なる複数の学習済みモデル30を一見して容易に把握することが可能なデータ解析装置300を提供することができる。その結果、操作者が解析対象データ20の解析を行う際に、バージョンが異なる複数の学習済みモデル30のうちから、解析対象データ20の解析に用いる学習済みモデル30を選択する作業を効率的に行うことが可能なデータ解析装置300を提供することできる。
【0123】
また、上記実施遺体では、制御部12が、選択された学習済みモデル30と関連付けられた解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30とを同一画面上に表示させる制御を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部は、選択された学習済みモデル30とバージョンが異なる複数の学習済みモデル30であれば、解析目的が同一でない複数の学習済みモデル30を同一画面上に表示させるように構成されていてもよい。
【0124】
また、上記実施形態では、記憶部11が、複数の学習済みモデル30の各々に対して、教師データ21とともに、解析対象データ20の解析結果の精度に関する情報22を関連付けて記憶する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、記憶部11は、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30を記憶していれば、複数の学習済みモデル30の各々に対して解析対象データ20の解析結果の精度に関する情報22を関連付けて記憶しなくてもよい。しかしながら、記憶部11が、複数の学習済みモデル30の各々に対して解析対象データ20の解析結果の精度に関する情報22を関連付けて記憶しない構成の場合、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30の解析結果の精度に関する情報22を操作者に比較可能に提示することが困難になる。したがって、記憶部11は、複数の学習済みモデル30の各々に対して、教師データ21とともに、解析対象データ20の解析結果の精度に関する情報22を関連付けて記憶するように構成されることが好ましい。
【0125】
また、上記実施形態では、制御部12が、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30の解析結果の精度に関する情報22を比較可能に表示部2aに表示させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。制御部12は、選択された学習済みモデル30と、選択された学習済みモデル30と解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30とを同一画面上に表示すれば、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30の解析結果の精度に関する情報22を比較可能に表示部2aに表示させなくてもよい。しかしながら、制御部12が、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30の解析結果の精度に関する情報22を比較可能に表示部2aに表示させない構成の場合、操作者が、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30の解析結果の精度に関する情報22を容易に比較することが困難になる。したがって、制御部12は、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30の解析結果の精度に関する情報22を比較可能に表示部2aに表示させるように構成されることが好ましい。
【0126】
また、上記実施形態では、記憶部11が、解析目的が同一のバージョンが異なる複数の学習済みモデル30の解析結果の精度に関する情報22として、第1解析精度情報22aおよび第2解析精度情報22bを、学習済みモデル30と関連付けて記憶する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、記憶部11は、第1解析精度情報22aおよび第2解析精度情報22bの少なくとも一方を、学習済みモデル30と関連付けて記憶するように構成されていてもよい。
【0127】
また、上記実施形態では、制御部12が、第1解析精度情報22aおよび第2解析精度情報22bを比較可能に表示部2aに表示させる制御を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部12は、第1解析精度情報22aおよび第2解析精度情報22bのいずれかを、比較可能に表示部2aに表示させる制御を行うように構成されていてもよい。
【0128】
また、上記実施形態では、学習済みモデル生成部12bが、記憶部11に記憶された複数の学習済みモデル30のうちの、選択された学習済みモデル30に基づいて、解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30を生成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、学習済みモデル生成部12bは、選択された学習済みモデル30ではなく、教師データ21および学習パラメータ23の少なくともいずれかが異なり、同一の解析目的の学習用モデルのアルゴリズム24に基づいて学習済みモデル30を生成するように構成されていてもよい。
【0129】
また、上記実施形態では、制御部12が、解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30を生成する際に、記憶部11に記憶された複数のバージョンの学習済みモデル30を選択可能に表示部2aに表示させる制御を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部12は、解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30を生成する際に、記憶部11に記憶された複数のバージョンの学習済みモデル30を選択可能に表示部2aに表示させなくてもよい。しかしながら、制御部12が、解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30を生成する際に、記憶部11に記憶された複数のバージョンの学習済みモデル30を選択可能に表示部2aに表示させないように構成されている場合、操作者は、解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30を把握することが困難になる。したがって、制御部12は、解析目的が同一のバージョンが異なる学習済みモデル30を生成する際に、記憶部11に記憶された複数のバージョンの学習済みモデル30を選択可能に表示部2aに表示させる制御を行うように構成されることが好ましい。
【0130】
また、上記実施形態では、制御部12が、解析目的が同一のバージョンが異なるが生成された場合に、最新バージョンの学習済みモデル30を選択肢として順次追加していく制御を行うように構成される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部12は、最新バージョンの学習済みモデル30を、選択肢として追加しなくてもよい。
【0131】
また、上記実施形態では、制御部12が、入力受付部2bによって入力されたバージョン名25が、命名規則に基づいた最新のバージョン名25であるか否かを判定し、命名規則に基づいた最新のバージョン名25でない場合、学習済みモデル生成部12bに学習済みモデル30を生成させない制御を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部12は、入力受付部2bによって入力されたバージョン名25が、命名規則に基づいた最新のバージョン名25でない場合でも、学習済みモデル生成部12bによって学習済みモデル30を生成するように構成されていてもよい。しかしながら、制御部12が、入力受付部2bによって入力されたバージョン名25が、命名規則に基づいた最新のバージョン名25でない場合でも学習済みモデル生成部12bに学習済みモデル30を生成させる制御を行う場合、生成された学習済みモデル30のバージョン名25の管理が煩雑になる。したがって、制御部12は、入力受付部2bによって入力されたバージョン名25が、命名規則に基づいた最新のバージョン名25でない場合、学習済みモデル生成部12bに学習済みモデル30を生成させない制御を行うように構成されることが好ましい。
【0132】
また、上記実施形態では、制御部12が、学習用モデルのアルゴリズム24が同一であり、教師データ21、または、学習済みモデル30を生成する際に設定される学習パラメータ23のうちの、少なくとも1つが変更された状態で生成された学習済みモデル30を、バージョンが異なる学習済みモデル30として関連付けて記憶する制御を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部12は、教師データ21および学習済みモデル30を生成する際に設定される学習パラメータ23が同一であり、学習用モデルのアルゴリズム24のバージョンが変更された状態で生成された学習済みモデル30を、バージョンが異なる学習済みモデル30として関連付けて記憶する制御を行うように構成されてよい。しかしながら、学習用モデルのアルゴリズム24のバージョンが更新された場合、生成された学習済みモデル30が正常に動作しない場合がある。したがって、制御部12は、学習用モデルのアルゴリズム24が同一であり、教師データ21、または、学習済みモデル30を生成する際に設定される学習パラメータ23のうちの、少なくとも1つが変更された状態で生成された学習済みモデル30を、バージョンが異なる学習済みモデル30として関連付けて記憶する制御を行うように構成されることが好ましい。
【0133】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0134】
(項目1)
学習済みモデルを用いて解析対象のデータである解析対象データを解析するデータ解析システムであって、
前記解析対象データを取得するデータ取得部と、
前記学習済みモデルを用いて前記解析対象データを解析する解析部と、
少なくとも教師データを用いて前記学習済みモデルを生成する学習済みモデル生成部と、
前記学習済みモデル生成部によって生成された複数の前記学習済みモデルの各々を生成する際に使用した前記教師データと関連付けるとともに、解析目的が同一であり、バージョンが異なる前記複数の学習済みモデルを関連付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記複数の学習済みモデルを表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記複数の学習済みモデルのうち、選択された前記学習済みモデルと、選択された前記学習済みモデルと関連付けられたバージョンが異なる前記学習済みモデルとを同一画面上に表示させる制御を行う制御部と、を備える、データ解析システム。
【0135】
(項目2)
前記記憶部は、前記複数の学習済みモデルの各々に対して、前記教師データとともに、前記解析対象データの解析結果の精度に関する情報を関連付けて、解析目的が同一のバージョンが異なる前記複数の学習済みモデルを関連付けて記憶するように構成されている、項目1に記載のデータ解析システム。
【0136】
(項目3)
前記制御部は、解析目的が同一のバージョンが異なる前記複数の学習済みモデルの前記解析結果の精度に関する情報を比較可能に前記表示部に表示させる制御を行うように構成されている、項目2に記載のデータ解析システム。
【0137】
(項目4)
操作者の選択の操作入力を受け付ける入力受付部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力受付部によって受け付けた前記選択の操作入力に基づいて選択された、解析目的が同一の前記学習済みモデルおよび前記解析対象データに基づく前記解析結果の精度に関する情報を比較可能に前記表示部に表示させる制御を行うように構成されている、項目2または3に記載のデータ解析システム。
【0138】
(項目5)
前記記憶部は、解析目的が同一のバージョンが異なる前記複数の学習済みモデルの前記解析結果の精度に関する情報である第1解析精度情報と、バージョンが同じ前記学習済みモデルに対して、互いに異なる前記解析対象データを解析させた際の前記解析結果の精度に関する情報である第2解析精度情報と、を関連付けて記憶するように構成されており、
前記制御部は、前記第1解析精度情報と、前記第2解析精度情報とを、比較可能に前記表示部に表示させる制御を行うように構成されている、項目3または4に記載のデータ解析システム。
【0139】
(項目6)
前記学習済みモデル生成部は、前記記憶部に記憶された前記複数の学習済みモデルのうちの、選択された前記学習済みモデルに基づいて、解析目的が同一のバージョンが異なる前記学習済みモデルを生成することが可能であるように構成されている、項目2~4のいずれか1項に記載のデータ解析システム。
【0140】
(項目7)
前記学習済みモデル生成部は、解析目的が同一の前記学習済みモデルが選択された状態で前記学習済みモデルが生成される場合、前記教師データ、または、前記学習済みモデルを生成する際に設定される学習パラメータのうちの、少なくとも1つが変更された状態で学習することにより、解析目的が同一のバージョンが異なる前記学習済みモデルを生成するように構成されている、項目6に記載のデータ解析システム。
【0141】
(項目8)
前記制御部は、解析目的が同一のバージョンが異なる前記学習済みモデルを生成する際に、前記記憶部に記憶された複数のバージョンの前記学習済みモデルを選択可能に前記表示部に表示させる制御を行うように構成されている、項目7に記載のデータ解析システム。
【0142】
(項目9)
前記制御部は、解析目的が同一のバージョンが異なる前記学習済みモデルが生成された場合に、最新バージョンの前記学習済みモデルを選択肢として順次追加していく制御を行うように構成されている、項目1~8のいずれか1項に記載のデータ解析システム。
【0143】
(項目10)
操作者の入力を受け付ける入力受付部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力受付部によって入力されたバージョン名が、命名規則に基づいた最新のバージョン名であるか否かを判定し、命名規則に基づいた最新のバージョン名でない場合、前記学習済みモデル生成部に前記学習済みモデルを生成させない制御を行うように構成されている、項目1~3のいずれか1項に記載のデータ解析システム。
【0144】
(項目11)
前記記憶部は、学習用モデルのアルゴリズムが同一であり、前記教師データ、または、前記学習済みモデルを生成する際に設定される学習パラメータのうちの、少なくとも1つが変更された状態で生成された前記学習済みモデルを、バージョンが異なる前記学習済みモデルとして関連付けて記憶するように構成されている、項目1~10のいずれか1項に記載のデータ解析システム。
【0145】
(項目12)
学習済みモデルを用いて解析対象のデータである解析対象データを解析するデータ解析装置であって、
前記解析対象データを取得するデータ取得部と、
前記学習済みモデルを用いて前記解析対象データを解析する解析部と、
少なくとも教師データを用いて前記学習済みモデルを生成する学習済みモデル生成部と、
前記学習済みモデル生成部によって生成された複数の前記学習済みモデルの各々を生成する際に使用した前記教師データと関連付けるとともに、解析目的が同一であり、バージョンが異なる前記複数の学習済みモデルを関連付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記複数の学習済みモデルを表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記複数の学習済みモデルのうち、選択された前記学習済みモデルと、選択された前記学習済みモデルと関連付けられたバージョンが異なる前記学習済みモデルとを同一画面上に表示させる制御を行う制御部と、を備える、データ解析装置。
【0146】
(項目13)
学習済みモデルを用いて解析対象のデータである解析対象データを解析するデータ解析方法であって、
少なくとも教師データを用いて前記学習済みモデルを生成するステップと、
前記学習済みモデル生成部によって生成された複数の前記学習済みモデルの各々を生成する際に使用した前記教師データと関連付けるとともに、解析目的が同一であり、バージョンが異なる前記複数の学習済みモデルを関連付けて記憶するステップと、
記憶された前記複数の学習済みモデルのうち、選択された前記学習済みモデルと、選択された前記学習済みモデルと関連付けられたバージョンが異なる前記学習済みモデルとを同一画面上に表示させるステップと、を備える、データ解析方法。
【0147】
(項目14)
バージョンが異なる前記複数の学習済みモデルを関連付けて記憶するステップにおいて、前記複数の学習済みモデルの各々に対して、前記教師データとともに、前記解析対象データの解析結果の精度に関する情報を関連付けて、解析目的が同一のバージョンが異なる前記複数の学習済みモデルを関連付けて記憶する、項目13に記載のデータ解析方法。
【符号の説明】
【0148】
2a、313 表示部
2b、314 入力受付部
10、310 データ取得部
11、311 記憶部
12、312 制御部
12a、312a 解析部
12b、312b 学習済みモデル生成部
20 解析対象データ
21 教師データ
22 解析結果の精度に関する情報
22a 第1解析精度情報
22b 第2解析精度情報
23 学習パラメータ
24 学習用モデルのアルゴリズム
25 バージョン名
30、30a、30b、30c 学習済みモデル
100、200 データ解析システム
300 データ解析装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12