(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159241
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】供給システム
(51)【国際特許分類】
A01G 9/18 20060101AFI20241031BHJP
A01G 7/02 20060101ALI20241031BHJP
F24D 3/10 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A01G9/18
A01G7/02
F24D3/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075097
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(71)【出願人】
【識別番号】390010814
【氏名又は名称】株式会社誠和
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】花岡 和紀
(72)【発明者】
【氏名】中本 達也
(72)【発明者】
【氏名】奥村 和晃
(72)【発明者】
【氏名】宮元 省吾
(72)【発明者】
【氏名】小原 英也
(72)【発明者】
【氏名】中村 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】栗田 晋吾
【テーマコード(参考)】
2B022
2B029
3L070
【Fターム(参考)】
2B022DA12
2B022DA14
2B022DA17
2B029JA01
2B029JA02
2B029JA03
2B029JA10
3L070AA06
3L070BC02
(57)【要約】
【課題】ダクトに残留する排気ガスがダクトから燃焼装置に逆流することを抑制することが可能な供給システムを提供する。
【解決手段】供給システム1は、燃料を燃焼させてCO
2を含む排気ガスを生じさせる燃焼装置10と、燃焼装置10から排出された排気ガスを栽培室2に導くダクト1aと、ダクト1aに配置され、排気ガスを栽培室2へと送り込む送風機40と、を備える。ダクト1aには、ダクト1a内を外部に開放するガラリ23が設けられ、燃焼装置10の排気筒11は、ガラリ23より上方の位置でダクト1aに接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を燃焼させてCO2を含む排気ガスを生じさせる燃焼装置と、
前記燃焼装置から排出された前記排気ガスを栽培室に導くダクトと、
前記ダクトに配置され、前記排気ガスを前記栽培室へと送り込む送風機と、を備え、
前記ダクトには、前記ダクト内を外部に開放するガラリが設けられ、
前記燃焼装置の排気筒は、前記ガラリより上方の位置で前記ダクトに接続される、
ことを特徴とする供給システム。
【請求項2】
請求項1に記載の供給システムにおいて、
前記排気筒は、前記ダクトに対して上方から接続されている、
ことを特徴とする供給システム。
【請求項3】
請求項1に記載の供給システムにおいて、
前記排気筒が接続される前記ダクトの部分は天面を有し、
前記排気筒は、前記天面に接続されている、
ことを特徴とする供給システム。
【請求項4】
請求項1に記載の供給システムにおいて、
前記排気筒は、前記ダクトに対して側方から接続されている、
ことを特徴とする供給システム。
【請求項5】
請求項1に記載の供給システムにおいて、
前記排気筒が接続される前記ダクトの部分は前記燃焼装置側に側面を有し、
前記排気筒は、前記側面に接続されている、
ことを特徴とする供給システム。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載の供給システムにおいて、
前記燃焼装置で生じた熱を前記栽培室に供給する熱供給部をさらに備え、
前記栽培室に前記排気ガスを供給するために前記送風機を動作させた場合、前記ガラリは、前記排気ガスに外気を混合させるための給気口となり、
前記熱供給部による熱供給のために前記燃焼装置を動作させた状態で、前記排気ガスを非供給とするために前記送風機を停止させた場合、前記ガラリは、前記排気ガスを外部に排出するための排気口となる、
ことを特徴とする供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の栽培室にCO2を供給して植物の育成を促進させる供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、植物を栽培するためのハウス(栽培室)にCO2を供給して植物の育成を促進させる供給システムが知られている。この種のシステムでは、燃焼装置から排出されたCO2を含む排気ガスがダクトを通ってハウス内へ供給される。燃焼装置で生じた熱をハウス内に供給するための構成が、このシステムにさらに配置され得る。
【0003】
以下の特許文献1には、屋外への排気ガスの排出と、ハウス内への排気ガスの供給との切替えが、ダンパー(切替弁)の制御により行われる光合成促進システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のようなシステムでは、排気ガスに外気を取り込むためのガラリをダクトに設けることで、排気ガスの濃度、温度および風量を調整できる。この構成では、燃焼装置の動作後、ダクトに残留する排気ガスは、徐々にガラリから排出される。しかし、排気ガスがガラリから排出されるまでの間は、排気ガスがダクトから燃焼装置へと逆流して、燃焼装置を腐食させるおそれがある。
【0006】
かかる課題に鑑み、本発明は、ダクトに残留する排気ガスがダクトから燃焼装置に逆流することを抑制することが可能な供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主たる態様に係る供給システムは、燃料を燃焼させてCO2を含む排気ガスを生じさせる燃焼装置と、前記燃焼装置から排出された前記排気ガスを栽培室に導くダクトと、前記ダクトに配置され、前記排気ガスを前記栽培室へと送り込む送風機と、を備える。前記ダクトには、前記ダクト内を外部に開放するガラリが設けられ、前記燃焼装置の排気筒は、前記ガラリより上方の位置で前記ダクトに接続される。
【0008】
上記の構成によれば、燃焼装置の運転後にダクトに残留した排気ガスは、比重が高いため、ダクトの底から滞留する。上記の構成では、燃焼装置の排気筒がガラリより上方の位置でダクトに接続されるため、ダクトに残留した排気ガスは、その比重により、排気筒より低い位置にあるガラリから外部に排出され、排気筒には流入しにくい。よって、ダクトに残留する排気ガスがダクトから燃焼装置に逆流することを抑制できる。
【発明の効果】
【0009】
以上のとおり、本発明によれば、ダクトに残留する排気ガスがダクトから燃焼装置に逆流することを抑制することが可能な供給システムを提供することができる。
【0010】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る、供給システムの構成を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る、燃焼装置の内部構成を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る、栽培室に配置される分岐ダクトおよび温水管の構成を示す平面図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係る、供給システムが備える制御盤の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態1に係る、供給システムの運転に対応した各部の状態を説明するための図である。
【
図6】
図6(a)は、実施形態1に係る、CO
2供給/暖房運転またはCO
2供給運転が行われるときのダクト内の排気ガスの流れを模式的に示す図である。
図6(b)は、実施形態1に係る、暖房運転が行われるときのダクト内の排気ガスの流れを模式的に示す図である。
【
図7】
図7(a)は、比較例に係る、第1ダクトおよび燃焼装置を左方向に見た場合の構成を模式的に示す図である。
図7(b)は、実施形態1に係る、第1ダクトおよび燃焼装置を左方向に見た場合の構成を模式的に示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態2に係る、供給システムの構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。便宜上、各図には上下方向、左右方向および前後方向が付記されている。
【0013】
<実施形態1>
図1は、供給システム1の構成を模式的に示す図である。
【0014】
供給システム1は、熱媒(水)を循環させて栽培室2内を暖める暖房と、栽培室2内の農作物等の植物へのCO2(二酸化炭素)の供給とを、個別または同時に実行可能なシステムである。栽培室2は、植物を育成するための建屋であり、たとえば、ビニールハウスである。供給システム1により、栽培室2内の植物にCO2が供給されることで、植物の光合成が促進される。
【0015】
供給システム1は、燃焼装置10と、第1ダクト20と、第2ダクト30と、送風機40と、温水管51、52と、ポンプ61と、三方弁62と、温水管71、72と、放熱器80と、CO
2濃度センサ91と、温度センサ92と、を備える。第1ダクト20および第2ダクト30は、ダクト1aを構成している。また、供給システム1は、上記構成に加えて、
図4に示す制御盤200も備える。
【0016】
燃焼装置10は、燃焼式の燃焼機器であり、燃料(ガス)を燃焼させてCO2を含む排気ガスを生じさせる。燃焼装置10は、燃焼によって生じた熱を利用して、温水管52内を流れる水を暖める。燃焼装置10は、排気ガスを第1ダクト20へと導く排気筒11を備える。排気筒11は、燃焼装置10の筐体から上方に延び、上方において後方に延び、第1ダクト20に向かって下方に延びている。燃焼装置10とは反対側の排気筒11の端部は、第1ダクト20に接続されており、燃焼装置10から排出された排気ガスは、排気筒11を介して、第1ダクト20内に排出される。実施形態1では、燃焼装置10は、左右方向に並んで5台配置されている。
【0017】
第1ダクト20は、内部に通路21を有する筒状の部材である。第1ダクト20は、平面視においてL字形状を有し、その屈曲部22の前面が外部に開放されて、ガラリ23が形成されている。ガラリ23は、第1ダクト20に形成された開口である。第1ダクト20には、屈曲部22から右方向に延びるダクト部分24が形成されており、ダクト部分24の通路21の右端は、外部に対して閉じられている。ダクト部分24は、水平面に平行な天面24aを有する。各燃焼装置10の排気筒11の端部は、天面24aに接続されている。第1ダクト20の後端は、第2ダクト30に接続されており、この接続位置で第1ダクト20の内部の通路21と、第2ダクト30の内部の通路とが繋がっている。
【0018】
第2ダクト30は、第1ダクト20の通路21の後端と、栽培室2とを接続している。第1ダクト20および第2ダクト30により構成されるダクト1aは、燃焼装置10から排出された排気ガスを栽培室2に導く。送風機40は、第2ダクト30に配置され、排気ガスを栽培室2へと送り込む。送風機40は、ケーシングと、ケーシング内に配置されるファン41(
図6(a)、(b)参照)と、ファン41を回転させるモータと、を含む。送風機40のファン41は、たとえば、軸流ファンである。
【0019】
5台の燃焼装置10は、ガラリ23に対して送風機40と反対側の第1ダクト20の通路21に接続されている。具体的には、5台の燃焼装置10の排気筒11は、ダクト部分24の天面24aから通路21に接続されており、排気筒11内の通路が、ダクト部分24の通路21と繋がっている。各燃焼装置10からの排気ガスは、屈曲部22へと向かう。このとき、送風機40が動作していると、ガラリ23を介して外気が導入されて、排気ガスに外気が混合される。そして、混合気体が、第1ダクト20および第2ダクト30により栽培室2に送り込まれる。一方、送風機40が停止していると、第1ダクト20内の排気ガスは、屈曲部22において後方に移動せず、ガラリ23から排出される。
【0020】
温水管51は、燃焼装置10から栽培室2に向かって温水を移送するための配管であり、温水管52は、栽培室2から燃焼装置10に向かって温水を移送するための配管である。温水管51から、各燃焼装置10に向かって分岐管51aが形成されており、各分岐管51aは、対応する燃焼装置10に接続されている。温水管52から、各燃焼装置10に向かって分岐管52aが形成されており、各分岐管52aは、対応する燃焼装置10に接続されている。温水管52の右端は、放熱器80に接続されている。
【0021】
ポンプ61は、温水管51に設置されており、温水管51の温水を栽培室2および放熱器80に向かう方向に移送する。ポンプ61が駆動することにより、温水管52の温水が、各分岐管52aを介して各燃焼装置10に供給される。ポンプ61が停止することにより、温水管52の温水が、各燃焼装置10に供給されなくなる。
【0022】
三方弁62は、温水管51、71と、温水管72の一方の端部と、に接続されている。三方弁62は、制御盤200の制御部201(
図4参照)の制御に基づいて、温水管51を、温水管71および温水管72のいずれかに接続する。温水管71は、三方弁62と放熱器80とを接続するための配管である。温水管72は、栽培室2内に熱を供給するための配管である。温水管72の他方の端部は、温水管52に接続されている。
【0023】
各温水管の温水を冷却する場合、三方弁62により温水管51、71が接続される。放熱器80は、筐体内に、冷却ファンと、冷却ファンを回転させるモータと、を備える。放熱器80の冷却ファンは、たとえば、軸流ファンである。放熱器80は、ファンを駆動して温水管71からの水を冷却し、冷却後の水を温水管52に送り出す。これにより、温水管51内の温水が冷却される。
【0024】
各温水管の温水を栽培室2に送る場合、三方弁62により温水管51と温水管72の一方の端部とが接続される。これにより、温水管51、52の温水が温水管72を循環し、栽培室2内が暖められる。
【0025】
CO
2濃度センサ91および温度センサ92は、栽培室2内の植物の近傍に配置される。CO
2濃度センサ91は、栽培室2内の植物の近傍のCO
2濃度を検出し、検出信号を制御盤200の制御部201(
図4参照)に送信する。温度センサ92は、栽培室2内の植物の近傍の温度を検出し、検出信号を制御部201に送信する。
【0026】
図2は、燃焼装置10の内部構成を模式的に示す図である。
【0027】
燃焼装置10は、筐体110と、缶体120と、配管131と、電磁弁132と、比例弁133と、配管141と、流量センサ142と、出湯弁143と、配管144と、混合器145と、バイパス弁146と、ファン150と、回路基板160と、を備える。
【0028】
燃焼装置10は、筐体110によって燃焼装置10の外殻が構成される。燃焼装置10の各部は、筐体110内に配置されている。筐体110には、外気を導入するための給気口111と、缶体120で生じた排気ガスを排気するための排気口112と、が設けられている。ファン150が駆動されると、筐体110の内部が負圧となるため、給気口111を介して、筐体110内に外気が導入される。
【0029】
缶体120は、内部に、燃焼器121と、1次熱交換器122と、2次熱交換器123と、を収容している。燃焼器121には、配管131によって燃料ガスが供給される。配管131には、配管131を開閉するための電磁弁132と、燃料ガスの供給量を調節するための比例弁133と、が設けられている。電磁弁132および比例弁133は、回路基板160の制御部161によって制御される。
【0030】
配管141は、1次熱交換器122および2次熱交換器123に接続されている。温水管52の水が、分岐管52aを介して配管141の入口に供給され、配管141の出口から、分岐管51aを介して温水管51に温水が放出される。流量センサ142は、配管141の入口付近に設置されており、配管141の入口に供給される水の流量を検出する。回路基板160の制御部161は、流量センサ142の検出信号が配管141に水が供給されたことを示していると、燃焼装置10を動作させる。他方、制御部161は、流量センサ142の検出信号が配管141に水が供給されていないことを示していると、燃焼装置10を停止させる。
【0031】
配管141を流れる水が1次熱交換器122および2次熱交換器123の流路を通る間に、燃焼器121で生じた熱が1次熱交換器122および2次熱交換器123を介して水に伝達される。これにより、配管141内の水が暖められる。1次熱交換器122は、顕熱回収式の熱交換器であり、2次熱交換器123は、潜熱回収式の熱交換器である。1次熱交換器122の流路部は、銅により構成されており、2次熱交換器123の流路部は、ステンレス鋼(SUS)により構成されている。2次熱交換器123は、1次熱交換器122に対して排気口112側に設けられている。配管141を流れる水は、2次熱交換器123を通る際に暖められた後、さらに、1次熱交換器122を通る際に暖められる。
【0032】
出湯弁143は、配管141に設けられ、温水の放出量を調整するための弁である。出湯弁143は、ステッピングモータによって駆動される。ステッピングモータは、回路基板160の制御部161によって制御される。
【0033】
配管144は、配管141の入口側と出口側を接続しており、配管144の一端は、混合器145によって配管141の出口側に接続されている。配管141の出口へと向かう温水に配管144から水が混入されることにより、配管141の出口から放出される温水の温度が調節される。バイパス弁146は、配管144に設けられており、水の混入量を調節するための弁である。バイパス弁146は、ステッピングモータによって駆動される。ステッピングモータは、回路基板160の制御部161によって制御される。
【0034】
ファン150は、缶体120の給気口120aに連結されている。缶体120の排気口120bは、筐体110に形成された排気口112を介して排気筒11に接続されている。ファン150は、たとえば、単相ファンである。ファン150は、シロッコファンであってもよい。ファン150は、モータが駆動されることにより、缶体120内に燃焼用の空気を供給する。ファン150は、回路基板160の制御部161によって制御される。
【0035】
回路基板160は、制御部161と、燃焼装置10を駆動するための回路部と、が実装されている。制御部161は、たとえば、マイクロコンピュータと、マイクロコンピュータの制御プログラムを格納したメモリとからなっている。メモリは、RAMやROM等を含む。制御部161は、燃焼装置10の各部を制御する。
【0036】
図3は、栽培室2に配置される分岐ダクト31および温水管72の構成を示す平面図である。
図3には、便宜上、植物Pが一点鎖線の円で示されている。
【0037】
栽培室2内には、たとえば、複数の畝Hが設けられ、各畝Hに植物Pが一列に並ぶように植えられる。
【0038】
第2ダクト30の先端は、複数の畝Hが並ぶ方向と直交する方向に延びている。第2ダクト30の先端は閉じられている。分岐ダクト31は、円筒形ダクトであり、畝Hの個数だけ設けられる。分岐ダクト31は、第2ダクト30から分岐し、畝Hの上を畝Hに沿って畝Hを超える位置まで延びている。分岐ダクト31は、たとえば、第2ダクト30と別体に形成され、第2ダクト30に接続される。分岐ダクト31は、第2ダクト30と一体に形成されてもよい。
【0039】
分岐ダクト31は、植物Pの株元(根元)を通るように配置される。あるいは、分岐ダクト31は、植物Pの株の中を通るように配置される。ここで、「株の中」とは、株元よりも上方の領域であって、茎と茎の間の領域、葉と葉の間の領域、茎と葉の間の領域など、株の内部の領域を意味する。
【0040】
分岐ダクト31には、複数個の円形の放出口31aが形成される。放出口31aは、分岐ダクト31が延びる方向に並ぶように複数個設けられるとともに、分岐ダクト31の周方向にも複数個、たとえば、ほぼ90度の間隔を開けて4個、設けられる。4個の放出口31aが周方向に設けられることにより、分岐ダクト31から排気ガスを四方に放出できる。
【0041】
各分岐ダクト31は、複数の支持具を介して栽培室2の床面に配置される。これら支持具は、分岐ダクト31が植物Pの株元を通されるときには、それに合った高さとされ、分岐ダクト31が植物Pの株の中を通されるときには、それに合った高さとされる。なお、植物Pは、畝Hに植えられるのではなく、畝Hと同様に細長く延びる栽培用の棚に植えられてもよい。
【0042】
温水管72は、たとえば、栽培室2の床面に配置される。温水管72は、畝Hに沿いつつ、隣り合う2つの畝Hの間に配置される。これにより、栽培室2内において、植物Pの周囲を効率的に暖めることができる。
【0043】
図4は、供給システム1が備える制御盤200の構成を示すブロック図である。
【0044】
制御盤200は、制御部201と、表示入力部202と、を備える。
【0045】
制御部201は、たとえば、マイクロコンピュータである。制御部201は、制御盤200内の各部を制御する。また、制御部201は、送風機40、CO2濃度センサ91、温度センサ92、ポンプ61、および三方弁62と接続されている。表示入力部202は、たとえば、タッチパネル式のディスプレイである。ユーザは、表示入力部202を操作することにより、供給システム1に対する運転指示を入力する。制御部201は、表示入力部202を介してユーザにより入力された指示と、CO2濃度センサ91の検出信号と、温度センサ92の検出信号とに基づいて、送風機40と、ポンプ61と、三方弁62とを制御する。
【0046】
図5は、供給システム1の運転に対応した各部の状態を説明するための図である。
図6(a)は、CO
2供給/暖房運転またはCO
2供給運転が行われるときのダクト1a内の排気ガスの流れを模式的に示す図であり、
図6(b)は、暖房運転が行われるときのダクト1a内の排気ガスの流れを模式的に示す図である。
【0047】
図5に示すように、供給システム1は、ユーザが表示入力部202を操作して入力した指示に応じて、CO
2供給/暖房運転、CO
2供給運転、暖房運転、および運転なし、のいずれかの運転を行う。「CO
2供給/暖房運転」は、CO
2供給および暖房の両方を行う運転のことであり、「CO
2供給運転」は、CO
2供給のみを行う運転のことであり、「暖房運転」は、暖房のみを行う運転のことであり、「運転なし」は、CO
2供給および暖房の両方を行わない運転のことである。
【0048】
CO2供給/暖房運転の指示が入力されると、制御部201は、ポンプ61および送風機40を動作させる。また、制御部201は、三方弁62を制御して、温水管51と温水管72とを接続させる。
【0049】
ポンプ61が動作することにより、温水管52から各燃焼装置10に水が供給される。各燃焼装置10の制御部161は、温水管52から水が供給されたことを流量センサ142により検出すると、燃焼器121を駆動する。これにより、配管141に流れる水が暖められ、温水が温水管51に放出される。温水管51に放出された温水は、栽培室2に配置された温水管72を循環し、栽培室2内を暖める。
【0050】
また、
図6(a)に示すように、燃焼器121の駆動により、CO
2を含む排気ガスが、排気筒11を通って通路21に排出され、ガラリ23付近まで進む。このとき、送風機40が動作しているため、ガラリ23から外気が導入され、ガラリ23付近の排気ガスに外気が混合される。そして、外気が混合された排気ガスは、第2ダクト30を通って栽培室2へと送られ、分岐ダクト31の放出口31aから植物Pに供給される。
【0051】
図5を参照して、CO
2供給運転の指示が入力されると、制御部201は、ポンプ61および送風機40を駆動させる。また、制御部201は、三方弁62を制御して、温水管51と温水管71とを接続させ、栽培室2内に延びた温水管72に温水を循環させない。これにより、栽培室2内が暖められず、
図6(a)に示したように、栽培室2内への排気ガスの供給のみが行われる。
【0052】
暖房運転の指示が入力されると、制御部201は、ポンプ61を駆動させ、送風機40を停止させる。また、制御部201は、三方弁62を制御して、温水管51と温水管72とを接続させる。この場合も、各燃焼装置10で暖められた温水が、栽培室2内に延びた温水管72を循環するため、栽培室2内が暖められる。また、
図6(b)に示すように、燃焼器121の駆動により、CO
2を含む排気ガスが、排気筒11を通って通路21に排出され、ガラリ23付近まで進む。このとき、送風機40が停止しているため、通路21の排気ガスは第1ダクト20の後方に送られず、ガラリ23から外部に排出される。これにより、排気ガスが栽培室2内に供給されない。
【0053】
運転なしの指示が入力されると、制御部201は、ポンプ61および送風機40を停止させる。また、制御部201は、三方弁62を制御して、温水管51と温水管71とを接続させる。これにより、栽培室2内が暖められず、栽培室2内に排気ガスが供給されない。
【0054】
また、制御部201は、CO2濃度センサ91および温度センサ92の検出信号に基づいて、CO2供給/暖房運転、CO2供給運転、暖房運転および運転なしのいずれかの運転を自動で切り替えて、栽培室2内のCO2濃度および温度を調整する。
【0055】
具体的には、制御部201は、CO2濃度センサ91の検出信号に基づいて、栽培室2内のCO2濃度が所定値以下であると判定すると、排気ガスが栽培室2に供給されるようポンプ61および送風機40を動作させる。他方、制御部201は、栽培室2内のCO2濃度が所定値より高いと判定すると、排気ガスが栽培室2に供給されないよう送風機40を停止させる。なお、栽培室2内のCO2濃度が所定値より高い場合、制御部201は、ポンプ61を停止させて各燃焼装置10を停止させてもよい。
【0056】
また、制御部201は、温度センサ92の検出信号に基づいて、栽培室2内の温度が所定値以下であると判定すると、ポンプ61を駆動し、三方弁62を制御して、温水管72に温水を循環させて栽培室2内を暖める。他方、制御部201は、栽培室2内の温度が所定値より高いと判定すると、三方弁62を制御して、温水を放熱器80に循環させる。なお、栽培室2内の温度が所定値より高い場合、制御部201は、ポンプ61を停止させて各燃焼装置10を停止させてもよい。
【0057】
なお、ユーザが入力する指示は、
図5に示した4種類の運転指示に限らず、供給システム1のオンおよびオフのみでもよい。この場合、制御部201は、CO
2濃度センサ91および温度センサ92の検出信号に基づいて、栽培室2内のCO
2濃度が所望の濃度となり、栽培室2内の温度が所望の温度となるよう、ポンプ61と、送風機40と、三方弁62とを制御する。
【0058】
ところで、供給システム1の運転が停止されると、送風機40が停止され、温水管51と温水管71とが接続される。また、ポンプ61が停止されることにより、燃焼装置10の動作も停止される。このとき、所定時間だけ燃焼装置10のファン150(
図2参照)の動作が継続される、いわゆるポストパージにより、燃焼装置10内の排気ガスが、排気筒11を介して第1ダクト20内に排出される。その後、所定時間が経過すると、ファン150が停止される。この場合、たとえば、ガラリ23付近への枯れ葉やゴミなどの異物の付着等により、ガラリ23からの排気ガスの排出に時間がかかり、第1ダクト20内に排気ガスが残ってしまうことがある。
【0059】
このように第1ダクト20内に排気ガスが残ると、燃焼装置10の排気筒11がダクト部分24(
図1参照)に接続される位置によっては、第1ダクト20に残留した排気ガスが、排気筒11を通って燃焼装置10へと逆流することがある。
【0060】
たとえば、排気筒11が、ガラリ23と同じ位置またはガラリ23より下方の位置でダクト部分24に接続される構成(比較例)の場合、排気ガスの比重が高いことにより、排気ガスが燃焼装置10へと逆流することがある。この場合、燃焼装置10へと逆流した排気ガスが、燃焼装置10を腐食させるおそれがある。これに対し、実施形態1では、排気筒11が、ガラリ23より上方の位置でダクト部分24に接続されている。これにより、第1ダクト20に残留する排気ガスが、第1ダクト20から燃焼装置10へと逆流することを抑制できる。
【0061】
以下、比較例および実施形態1の構成を比較して、実施形態1において排気ガスの逆流を抑制できることについて説明する。
【0062】
図7(a)、(b)は、それぞれ、比較例および実施形態1に係る、第1ダクト20および燃焼装置10を左方向に見た場合の構成を模式的に示す図である。
【0063】
図7(a)に示すように、比較例では、燃焼装置10の排気筒11が、第1ダクト20のダクト部分24(
図1参照)の前方の側面24bに接続されている。具体的には、上下方向において、排気筒11とダクト部分24との接続位置の上端および下端は、ガラリ23の上端から下端までの範囲に含まれている。
【0064】
比較例において、供給システム1の運転が停止され、その後ファン150が停止されると、比重の高い排気ガスが第1ダクト20内において下方から溜まる。このとき、排気ガスは、ガラリ23からの外部へ排出されるだけでなく、排気筒11を通って燃焼装置10へと逆流してしまう。
【0065】
図7(b)に示すように、実施形態1では、燃焼装置10の排気筒11は、ガラリ23より上方の位置で第1ダクト20のダクト部分24に接続されている。具体的には、排気筒11は、第1ダクト20のダクト部分24の天面24aに接続されている。排気筒11の天面24a側の端部は、上下方向に延び、天面24aに対して垂直である。上下方向において、排気筒11の天面24a側の端部は、ガラリ23の上端より上に位置している。
【0066】
実施形態1において、供給システム1の運転が停止され、その後ファン150が停止されると、比重の高い排気ガスが第1ダクト20内において下方から溜まる。このとき、実施形態1では、排気筒11の接続位置がガラリ23よりも上方に位置するため、比重の高い排気ガスは排気筒11に入りにくい。これにより、第1ダクト20内の排気ガスは、排気筒11に入ることなくガラリ23から排出される。よって、排気ガスが燃焼装置10へと逆流することが抑制される。
【0067】
<実施形態1の効果>
実施形態1によれば、以下の効果が奏される。
【0068】
ダクト1a(第1ダクト20および第2ダクト30)には、ダクト1a内を外部に開放するガラリ23が設けられている。燃焼装置10の排気筒11は、ガラリ23より上方の位置でダクト1aに接続される。
【0069】
この構成によれば、燃焼装置10の運転後にダクト1aに残留した排気ガスは、比重が高いため、ダクト1aの底から滞留する。上記の構成では、燃焼装置10の排気筒11がガラリ23より上方の位置でダクト1aに接続されるため、ダクト1aに残留した排気ガスは、その比重により、排気筒11より低い位置にあるガラリ23から外部に排出され、排気筒11には流入しにくい。よって、ダクト1aに残留する排気ガスがダクト1aから燃焼装置10に逆流することを抑制できる。
【0070】
排気筒11は、ダクト1a(第1ダクト20および第2ダクト30)に対して上方から接続されている。
【0071】
この構成によれば、排気筒11がダクト1aとの接続位置から上方に延びる部分を有するため、ダクト1a内に滞留した排気ガスが排気筒11へと逆流しにくい。よって、ダクト1aに残留する排気ガスがダクト1aから燃焼装置10に逆流することを効果的に抑制できる。
【0072】
排気筒11が接続されるダクト1a(第1ダクト20および第2ダクト30)のダクト部分24は天面24aを有し、排気筒11は、天面24aに接続されている。
【0073】
高比重の排気ガスは、ダクト1aの天面24a付近には滞留しにくい。このため、上記の構成にように、ダクト1aの天面24aに排気筒11を接続させることにより、ダクト1aに残留する排気ガスがダクト1aから燃焼装置10に逆流することを効果的に抑制できる。
【0074】
ダクト1a(第1ダクト20および第2ダクト30)に対して複数の燃焼装置10の排気筒11がそれぞれ接続されている。
【0075】
この構成によれば、複数の燃焼装置10がダクト1aに接続されているため、ダクト1aに取り込まれる排気の量を増やすことができる。このため、栽培室2の容量が大きい場合も、CO2を適切に栽培室2に供給できる。また、それぞれの燃焼装置10の排気筒11がガラリ23より上方の位置でダクト1aに接続されているため、一の燃焼装置10に他の燃焼装置10からの排気が逆流しにくくなる。
【0076】
燃焼装置10で生じた熱を栽培室2に供給する温水管51、52、72(熱供給部)を備える。
【0077】
この構成によれば、栽培室2内を植物Pに適する温度に暖めることができる。
【0078】
図6(a)に示すように、栽培室2に排気ガスを供給するために送風機40を動作させた場合、ガラリ23は、排気ガスに外気を混合させるための給気口となる。一方、
図6(b)に示すように、温水管51、52、72(熱供給部)による熱供給のために燃焼装置10を動作させた状態で、排気ガスを非供給とするために送風機40を停止させた場合、ガラリ23は、排気ガスを外部に排出するための排気口となる。
【0079】
この構成によれば、送風機40のオン/オフ制御により、ガラリ23を給気口と排気口とに切り替えることができる。よって、供給システム1の構成を簡素にできる。
【0080】
<実施形態1の変更例>
上記実施形態1では、排気筒11が接続されるダクト部分24の天面24aは、
図7(b)に示したように、水平面に平行な平面であった。しかしながら、これに限らず、排気筒11がガラリ23より上方の位置でダクト1aに接続される限りにおいて、天面24aの構成は、上記構成に限らない。たとえば、天面24aは、水平面に対してやや傾いた平面でもよい。また、天面24aは、平面に限らず、やや丸みを帯びていてもよい。また、天面24aの表面に凹凸が形成されてもよい。
【0081】
また、上記実施形態1では、排気筒11の天面24a側の端部は、
図7(b)に示したように、上下方向に延び、天面24aに対して垂直であった。しかしながら、これに限らず、排気筒11がガラリ23より上方の位置でダクト1aに接続される限りにおいて、排気筒11の天面24a側の端部の構成は、上記構成に限らない。たとえば、排気筒11の天面24a側の端部は、上下方向に対して角度を有する方向に延び、天面24aに対して斜め方向に接続されてもよい。また、排気筒11の天面24a側の端部は、直線的に延びていなくてもよく、たとえば、曲線的に延びてもよい。
【0082】
<実施形態2>
実施形態1では、燃焼装置10の排気筒11は、ダクト部分24の天面24aに接続されたが、実施形態2では、ダクト部分24の側面24bに接続される。
【0083】
図8は、実施形態2に係る、供給システム1の構成を模式的に示す図である。
【0084】
実施形態2では、
図1に示した実施形態1と比較して、第1ダクト20の天面(上面)が上方向に引き上げられ、ガラリ23の上端と、第1ダクト20の天面との間に所定の隙間が設けられている。燃焼装置10の排気筒11は、第1ダクト20のダクト部分24の前方の側面24bに接続されている。側面24bは、前後方向に垂直な平面である。
【0085】
燃焼装置10の排気筒11は、実施形態1と同様、ガラリ23より上方の位置で第1ダクト20のダクト部分24に接続されている。具体的には、排気筒11は、第1ダクト20のダクト部分24の側面24bに接続されている。排気筒11の側面24b側の端部は、前後方向に延び、側面24bに対して垂直である。上下方向において、排気筒11の側面24b側の端部の下端は、ガラリ23の上端より上に位置している。実施形態2のその他の構成および制御は、実施形態1と同様である。
【0086】
実施形態2においても、供給システム1の運転が停止され、ファン150が停止されると、比重の高い排気ガスが第1ダクト20内において下方から溜まる。このとき、排気筒11の接続位置がガラリ23よりも上方に位置するため、比重の高い排気ガスは排気筒11に入りにくい。これにより、第1ダクト20内の排気ガスは、排気筒11に入る前にガラリ23から排出される。よって、排気ガスが燃焼装置10へと逆流することが抑制される。
【0087】
<実施形態2の効果>
実施形態2によれば、以下の効果が奏される。
【0088】
実施形態1と同様、ダクト1a(第1ダクト20および第2ダクト30)には、ダクト1a内を外部に開放するガラリ23が設けられている。燃焼装置10の排気筒11は、ガラリ23より上方の位置でダクト1aに接続される。
【0089】
この構成によれば、実施形態1と同様の効果が奏される。すなわち、燃焼装置10の運転後にダクト1aに残留した排気ガスは、比重が高いため、ダクト1aの底から滞留する。上記構成では、燃焼装置10の排気筒11がガラリ23より上方の位置でダクト1aに接続されるため、ダクト1aに残留した排気ガスは、その比重により、排気筒11より低い位置にあるガラリ23から外部に排出され、排気筒11には流入しにくい。よって、ダクト1aに残留する排気ガスがダクト1aから燃焼装置10に逆流することを抑制できる。
【0090】
排気筒11は、ダクト1a(第1ダクト20および第2ダクト30)に対して側方から接続されている。
【0091】
この構成によれば、ダクト1aの上方に排気筒11を引き回すためのスペースが必要ない。よって、排気筒11を円滑にダクト1aに接続でき、供給システム1の大型化を回避できる。
【0092】
排気筒11が接続されるダクト1a(第1ダクト20および第2ダクト30)のダクト部分24は燃焼装置10側に側面24bを有し、排気筒11は、側面24bに接続されている。
【0093】
この構成によれば、短い経路の排気筒11で燃焼装置10とダクト1aとを円滑に接続できる。
【0094】
<実施形態2の変更例>
上記実施形態2では、排気筒11が接続されるダクト部分24の側面24bは、
図8に示したように、前後方向に垂直な平面であった。しかしながら、これに限らず、排気筒11がガラリ23より上方の位置でダクト1aに接続される限りにおいて、側面24bの構成は、上記構成に限らない。たとえば、側面24bは、前後方向に対してやや傾いた平面でもよい。また、側面24bは、平面に限らず、やや丸みを帯びていてもよい。また、側面24bの表面に凹凸が形成されてもよい。
【0095】
また、上記実施形態2では、排気筒11の側面24b側の端部は、
図8に示したように、前後方向に延び、側面24bに対して垂直であった。しかしながら、これに限らず、排気筒11がガラリ23より上方の位置でダクト1aに接続される限りにおいて、排気筒11の側面24b側の端部の構成は、上記構成に限らない。たとえば、排気筒11の側面24b側の端部は、前後方向に対して角度を有する方向に延び、側面24bに対して斜め方向に接続されてもよい。また、排気筒11の側面24b側の端部は、直線的に延びていなくてもよく、たとえば、曲線的に延びてもよい。
【0096】
また、上記実施形態2では、排気筒11は、ダクト部分24の前方の側面24bに接続された。しかしながら、これに限らず、排気筒11がガラリ23より上方の位置でダクト1aに接続される限りにおいて、排気筒11が接続される側面は、前方の側面24bに限らない。たとえば、排気筒11は、ダクト部分24の後方の側面に接続されてもよい。また、複数の燃焼装置10のうち、最も右側に位置する燃焼装置10の排気筒11は、ダクト部分24の右方の側面に接続されてもよい。
【0097】
このように、排気筒11がダクト部分24の側面に接続される場合、
図8に例示するように、排気筒11が接続されるダクト部分24の側面は、燃焼装置10側の側面であることが好ましい。これにより、短い経路の排気筒11で燃焼装置10とダクト部分24とを円滑に接続できる。
【0098】
<ダクト部分の変更例>
上記実施形態1、2では、第1ダクト20には、ガラリ23に対して送風機40と反対側に1つのダクト部分24が設けられ、このダクト部分24に5台の燃焼装置10が接続された。しかしながら、これに限らず、第1ダクト20には、ガラリ23に対して送風機40と反対側に複数のダクト部分24が設けられ、各ダクト部分24に複数の燃焼装置10が接続されてもよい。
【0099】
たとえば、第1ダクト20には、ガラリ23に対して送風機40と反対側に、2つのダクト部分24が形成されてもよい。この場合、2つのダクト部分24は、屈曲部22を中心として対称に構成され、同一直線上に配置される。2つのダクト部分24内の各通路21は、屈曲部22において、ガラリ23と、第1ダクト20の後端側の通路21とに繋がっている。2つのダクト部分24の各通路21に、それぞれ、5台の燃焼装置10が接続される。各燃焼装置10には、分岐管51a、52aが接続される。
【0100】
このように燃焼装置10が接続される通路が複数設けられると、複数の燃焼装置10をダクト1aに円滑に接続できる。また、ダクト1aに接続可能な燃焼装置10の数を増やすことができ、栽培室2の容量に応じた量の排気を栽培室2に円滑に供給できる。
【0101】
また、複数のダクト部分24の各々の通路21に、複数の燃焼装置10の排気筒11が接続されている。
【0102】
この構成によれば、多くの燃焼装置10がダクト1aに接続されるため、燃焼装置10から排出された排気ガスをより多く栽培室2に供給することができる。
【0103】
なお、各ダクト部分24には、5台の燃焼装置10が接続されることに限らず、他の台数の燃焼装置10が接続されてもよい。たとえば、各ダクト部分24に1台の燃焼装置10が接続されてもよい。また、ガラリ23に対して送風機40と反対側に、2つのダクト部分24が設けられたが、3つ以上のダクト部分24が設けられてもよい。
【0104】
<その他の変更例>
本発明に係る供給システム1は、上記実施形態および変更例の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0105】
上記実施形態1、2では、1つのダクト部分24に5台の燃焼装置10が接続されたが、他の台数の燃焼装置10が接続されてもよい。たとえば、1つのダクト部分24に1台の燃焼装置10が接続されてもよい。
【0106】
上記実施形態1、2および変更例では、ガラリ23に対して送風機40と反対側のダクト部分24が、第1ダクト20の前後方向に延びるダクト部分に対して90度の角度で形成された。しかしながら、これに限らず、ダクト部分24は、第1ダクト20の前後方向に延びるダクト部分に対して90度以外の角度で形成されてもよい。また、ダクト部分24は、第1ダクト20の前後方向に延びるダクト部分と同一直線上に形成されてもよい。たとえば、上記実施形態1、2において、第1ダクト20は、直線状に形成されてもよい。
【0107】
上記実施形態1、2および変更例において、ガラリ23は、屈曲部22の前端に形成されたが、これに限らず、排気筒11がガラリ23より上方の位置でダクト1aに接続される限りにおいて、ガラリ23は、ダクト1a(第1ダクト20および第2ダクト30)の他の位置に設けられてもよい。たとえば、ガラリ23は、送風機40と反対に位置するダクト部分24の端部に設けられてもよい。実施形態1、2では、ガラリ23が、ダクト部分24の右端に設けられてもよく、第1ダクト20が複数のダクト部分24を備える場合、ガラリ23が、複数のダクト部分24の各端部に設けられてもよい。
【0108】
ただし、ガラリ23は、燃焼装置10が第1ダクト20の通路21に接続される位置と、送風機40との間の位置にあるのが好ましい。たとえば、ガラリ23は、上記実施形態1、2および変更例に示した位置の他、第1ダクト20の後端付近の側面に形成されてもよく、第1ダクト20の後端と送風機40との間の第2ダクト30に形成されてもよい。これにより、送風機40のオン/オフ制御によって、排気ガスに対する外気の導入と、排気ガスの外部への排出を実現できる。また、特にダクト1aにダンパーを設けずとも、上記制御を実現できる。よって、供給システム1の構成および制御を極めて簡素にすることができる。
【0109】
上記実施形態1、2および変更例において、ガラリ23の輪郭は、矩形形状であったが、これに限らず、多角形形状や円形状でもよい。
【0110】
上記実施形態1、2および変更例において、第1ダクト20に形成されたガラリ23(開口)に、雨やごみなどが侵入することを防止するためのフードやメッシュが装着されてもよい。
【0111】
上記実施形態1、2および変更例において、第1ダクト20と第2ダクト30が一体に形成されてもよい。
【0112】
上記実施形態1、2および変更例では、栽培室2内を暖めるための熱媒として、水が用いられたが、これに限らず、水以外の液体(たとえば、不凍液など)や、気体が用いられてもよい。
【0113】
上記実施形態1、2および変更例では、燃焼装置10において燃焼を生じさせる燃料は、燃料ガスであったが、これに限らず、燃料オイル等の他の燃料でもよい。
【0114】
上記実施形態1、2および変更例において、燃焼装置10の構成は、
図2に示した構成に限らず、適宜変更可能である。
【0115】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜種々の変更可能である。
【符号の説明】
【0116】
1 供給システム
1a ダクト
2 栽培室
10 燃焼装置
11 排気筒
20 第1ダクト(ダクト)
24 ダクト部分
24a 天面
24b 側面
23 ガラリ
30 第2ダクト(ダクト)
40 送風機
51、52、72 温水管(熱供給部)