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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159242
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】支柱基礎用コンクリートブロック
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/60 20160101AFI20241031BHJP
【FI】
E01F9/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075098
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】502045884
【氏名又は名称】株式会社赤羽コンクリート
(74)【代理人】
【識別番号】110003111
【氏名又は名称】あいそう弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】赤羽 宏
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 悟
【テーマコード(参考)】
2D064
【Fターム(参考)】
2D064AA12
2D064DB03
(57)【要約】
【課題】側溝の側溝蓋上に載置し、側溝蓋に連結して使用するものであり、設置されている側溝を利用して簡易に設置できる支柱基礎用コンクリートブロックを提供する。
【解決手段】支柱基礎用コンクリートブロック1は、ブロック本体部10と、支柱挿入用孔11と、一対の連結用金具20,20とを備える。ブロック本体部は、略直方体形状の第1本体部12と、第1本体部12の上部に設けられ、略四角錐台形状の第2本体部13とを備える。一対の連結用金具は、それぞれ、取付板部21と挟持板部22とを備える。さらに、連結用金具は、ブロック本体部に対して上下方向に移動可能に取り付けられており、第1本体部12の下面と挟持板部22の上面の間で側溝蓋を挟持可能であり、側溝蓋の厚さに合わせて、第1本体部12の下面と挟持板部22の上面の間の距離tを調整可能となっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側溝上に支柱を固定するための支柱基礎用コンクリートブロックであって、
前記支柱基礎用コンクリートブロックは、前記側溝の側溝蓋上に載置し、前記側溝蓋に連結して使用するものであり、
コンクリート製のブロック本体部と、前記ブロック本体部の上面に開口する支柱挿入用孔と、一対の連結用金具とを備え、
前記ブロック本体部は、略直方体形状の第1本体部と、前記第1本体部の上部に設けられ、略四角錐台形状の第2本体部とを備え、
前記一対の連結用金具は、それぞれ、上下方向に延び、前記第1本体部の対向する側面に取り付けられる取付板部と、前記取付板部の下端から、対向する前記連結用金具方向に向かって延びる挟持板部とを備え、
さらに、前記連結用金具は、前記ブロック本体部に対して上下方向に移動可能に取り付けられており、
前記第1本体部の下面と前記挟持板部の上面の間で前記側溝蓋を挟持可能であり、前記側溝蓋の厚さに合わせて、前記第1本体部の下面と前記挟持板部の上面の間の距離を調整可能となっていることを特徴とする支柱基礎用コンクリートブロック。
【請求項2】
前記第1本体部の前記対向する側面は、ボルト固定穴を備え、
前記取付板部は、上下方向に延びる長孔状のボルト挿通孔を備え、
前記ボルト挿通孔を通して前記ボルト固定穴に挿入されたボルトによって、前記連結用金具を前記ブロック本体部に対して上下方向に移動可能に案内して位置決めし、前記ボルト固定穴に前記ボルトを締結して前記連結用金具を固定可能となっている請求項1に記載の支柱基礎用コンクリートブロック。
【請求項3】
前記第1本体部の前記対向する側面は、2つのボルト固定穴を備え、
前記取付板部は、上下方向に延びる長孔状の2つのボルト挿通孔を備え、
前記2つのボルト挿通孔を通して前記2つのボルト固定穴に挿入された2本のボルトによって、前記連結用金具を前記ブロック本体部に対して上下方向に移動可能に案内して位置決めし、前記2つのボルト固定穴に前記2本のボルトを締結して前記連結用金具を固定可能となっている請求項1に記載の支柱基礎用コンクリートブロック。
【請求項4】
前記連結用金具を最も上方に移動させた場合であっても、前記取付板部の上端は前記第1本体部の上端よりも上方に突出しない請求項1または2に記載の支柱基礎用コンクリートブロック。
【請求項5】
前記連結用金具は、前記第1本体部の前記対向する側面の横方向の略中央に取り付けられる請求項1または2に記載の支柱基礎用コンクリートブロック。
【請求項6】
前記支柱挿入用孔は、下部に径方向内方に突出する環状突出部を備える請求項1または2に記載の支柱基礎用コンクリートブロック。
【請求項7】
前記ブロック本体部は、底面より、前記支柱挿入用孔の前記環状突出部を貫通し、前記支柱挿入用孔と連通する連通孔を備えている請求項6に記載の支柱基礎用コンクリートブロック。
【請求項8】
前記側溝蓋としては、長手方向と短手方向を有する略直方体形状を有するものが用いられ、前記ブロック本体部の前記第1本体部の前記対向する側面は、前記側溝蓋の長手方向において対向する側面であり、前記一対の連結用金具は、前記側溝蓋の長手方向において対向する側面に取り付けられるものである請求項1または2に記載の支柱基礎用コンクリートブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側溝上に支柱を固定するための支柱基礎用コンクリートブロックであって、側溝の側溝蓋上に載置し、側溝蓋に連結して使用する支柱基礎用コンクリートブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、標識等は、その支柱の下部をコンクリートで固定した状態で道路に設置されている。道路の路肩に沿って側溝が設置されている場合、標識等の支柱は当該側溝を避けて固定されることとなるが、特に狭い道の場合、そのように設置された標識等の支柱が歩行者や車両の通行の邪魔になり危険である。
これに対し、そのような危険を回避するために、側溝上に標識等の支柱を固定するための技術が種々開示されている。例えば、特許文献1(実用新案登録第3025705号)には、側溝蓋Mの縦孔(1)の底面開口外縁(1a)に、ポ-ルPの挿入筒(3)を垂設した支持プレ-ト(2)を、該挿入筒(3)の上部が縦孔(1)の上部開口(1b)より突出する状態で固定し、ポールPを支持できるようにしたコンクリート製側溝蓋が開示されている。また、特許文献2(特許第4113095号)には、他の側溝蓋3とほぼ同一の長さ、幅および厚みを有する矩形のブロック体を呈する側溝蓋20であって、防さび処理が施された鋼板等の金属材により形成された鉄枠部材21と、この鉄枠部材21の内部に一体に成形されたコンクリート製の蓋体部22と、この蓋体部22内に一体に埋設された標識支持ポール取付部材23とから構成される側溝蓋20が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3025705号
【特許文献2】特許第4113095号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、側溝蓋に標識等の支柱を固定する場合、側溝蓋の重さだけでは標識等を支えるための基礎としての重量が足りず、標識等が倒れたりする恐れがある。また、他の側溝蓋(支柱を固定するための構成を備えない側溝蓋)とは異なる標識等の支柱を固定するための構成を備える側溝蓋を用いる場合、当該支柱固定用の側溝蓋を準備したり、そのような側溝蓋を適切な位置に配置したりすることが必要となり、施行に手間がかかるという問題が新たに生じる。
そこで、本発明の目的は、側溝の側溝蓋上に載置し、側溝蓋に連結して使用する支柱基礎用コンクリートブロックであって、従来設置されている側溝を利用して簡易に設置できる支柱基礎用コンクリートブロックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 側溝上に支柱を固定するための支柱基礎用コンクリートブロックであって、
前記支柱基礎用コンクリートブロックは、前記側溝の側溝蓋上に載置し、前記側溝蓋に連結して使用するものであり、
コンクリート製のブロック本体部と、前記ブロック本体部の上面に開口する支柱挿入用孔と、一対の連結用金具とを備え、
前記ブロック本体部は、略直方体形状の第1本体部と、前記第1本体部の上部に設けられ、略四角錐台形状の第2本体部とを備え、
前記一対の連結用金具は、それぞれ、上下方向に延び、前記第1本体部の対向する側面に取り付けられる取付板部と、前記取付板部の下端から、対向する前記連結用金具方向に向かって延びる挟持板部とを備え、
さらに、前記連結用金具は、前記ブロック本体部に対して上下方向に移動可能に取り付けられており、
前記第1本体部の下面と前記挟持板部の上面の間で前記側溝蓋を挟持可能であり、前記側溝蓋の厚さに合わせて、前記第1本体部の下面と前記挟持板部の上面の間の距離を調整可能となっている支柱基礎用コンクリートブロック。
【0006】
(2) 前記第1本体部の前記対向する側面は、ボルト固定穴を備え、
前記取付板部は、上下方向に延びる長孔状のボルト挿通孔を備え、
前記ボルト挿通孔を通して前記ボルト固定穴に挿入されたボルトによって、前記連結用金具を前記ブロック本体部に対して上下方向に移動可能に案内して位置決めし、前記ボルト固定穴に前記ボルトを締結して前記連結用金具を固定可能となっている上記(1)に記載の支柱基礎用コンクリートブロック。
(3) 前記第1本体部の前記対向する側面は、2つのボルト固定穴を備え、
前記取付板部は、上下方向に延びる長孔状の2つのボルト挿通孔を備え、
前記2つのボルト挿通孔を通して前記2つのボルト固定穴に挿入された2本のボルトによって、前記連結用金具を前記ブロック本体部に対して上下方向に移動可能に案内して位置決めし、前記2つのボルト固定穴に前記2本のボルトを締結して前記連結用金具を固定可能となっている上記(1)に記載の支柱基礎用コンクリートブロック。
(4) 前記連結用金具を最も上方に移動させた場合であっても、前記取付板部の上端は前記第1本体部の上端よりも上方に突出しない上記(1)から(3)のいずれかに記載の支柱基礎用コンクリートブロック。
(5) 前記連結用金具は、前記第1本体部の前記対向する側面の横方向の略中央に取り付けられる上記(1)から(4)のいずれかに記載の支柱基礎用コンクリートブロック。
(6) 前記支柱挿入用孔は、下部に径方向内方に突出する環状突出部を備える上記(1)から(5)のいずれかに記載の支柱基礎用コンクリートブロック。
(7) 前記ブロック本体部は、底面より、前記支柱挿入用孔の前記環状突出部を貫通し、前記支柱挿入用孔と連通する連通孔を備えている上記(6)に記載の支柱基礎用コンクリートブロック。
(8) 前記側溝蓋としては、長手方向と短手方向を有する略直方体形状を有するものが用いられ、前記ブロック本体部の前記第1本体部の前記対向する側面は、前記側溝蓋の長手方向において対向する側面であり、前記一対の連結用金具は、前記側溝蓋の長手方向において対向する側面に取り付けられるものである上記(1)から(7)のいずれかに記載の支柱基礎用コンクリートブロック。
【発明の効果】
【0007】
本発明の支柱基礎用コンクリートブロックは、側溝の側溝蓋上に載置し、側溝蓋に連結して使用するものであり、コンクリート製のブロック本体部と、ブロック本体部の上面に開口する支柱挿入用孔と、一対の連結用金具とを備える。ブロック本体部は、略直方体形状の第1本体部と、第1本体部の上部に設けられ、略四角錐台形状の第2本体部とを備え、一対の連結用金具は、それぞれ、上下方向に延び、第1本体部の対向する側面に取り付けられる取付板部と、取付板部の下端から、対向する連結用金具方向に向かって延びる挟持板部とを備える。さらに、連結用金具は、ブロック本体部に対して上下方向に移動可能に取り付けられており、第1本体部の下面と挟持板部の上面の間で側溝蓋を挟持可能であり、側溝蓋の厚さに合わせて、第1本体部の下面と挟持板部の上面の間の距離を調整可能となっている。これにより、支柱基礎用コンクリートブロックを、従来設置されている側溝(側溝蓋)を利用して簡易に設置できる。また、支柱基礎用コンクリートブロックは、側溝蓋と連結することにより、側溝蓋の重量を利用して、支柱を固定した標識等の転倒を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施例の支柱基礎用コンクリートブロックを示す正面図である。
図2図2は、図1に示す支柱基礎用コンクリートブロックを示す左側面図である。
図3図3は、図1に示す支柱基礎用コンクリートブロックのブロック本体部を示す正面図である。
図4図4は、図3に示すブロック本体部を示す平面図である。
図5図5は、図3に示すブロック本体部を示す左側面図である。
図6図6は、図4におけるA-A断面図である。
図7図7は、図1に示す支柱基礎用コンクリートブロックの連結用金具を示す正面拡大図である。
図8図8は、図7に示す連結用金具を示す左側面拡大図である。
図9図9は、図1に示す支柱基礎用コンクリートブロックにおいて第1本体部の下面と挟持板部の上面の間の距離を調整する態様を説明するための左側面図である。
図10図10は、図1に示す支柱基礎用コンクリートブロックにおいて第1本体部の下面と挟持板部の上面の間の距離を調整する態様を説明するための左側面図である。
図11図11は、本発明の実施例の支柱基礎用コンクリートブロックの取付対象となる既設の側溝の例を示す平面図である。
図12図12は、図11におけるB-B断面図であって、図11に示す側溝の側溝蓋に図1に示す支柱基礎用コンクリートブロックを連結した状態を示す断面説明図である。
図13図13は、図12に対応する断面説明図であって、図12に示すよりも幅寸法の大きい側溝蓋に図1に示す支柱基礎用コンクリートブロックを連結した状態を示す断面説明図である。
図14図14は、図12のC-C断面図である。
図15図15は、図12に対応する断面説明図であって、支柱基礎用コンクリートブロックに支柱を固定した状態を示す断面説明図である。
図16図16は、本発明の他の実施例の支柱基礎用コンクリートブロックを示す左側面図である。
図17図17は、図16のD-D断面部分説明図である。
図18図18は、本発明の別の実施例の支柱基礎用コンクリートブロックを示す断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の集水桝本体を図面に示した実施例を用いて説明する。
本発明の支柱基礎用コンクリートブロック1は、側溝上に標識等の支柱を固定するための支柱基礎用コンクリートブロックであって、側溝の側溝蓋上に載置し、側溝蓋に連結して使用するものである。図1から図10に示すように、支柱基礎用コンクリートブロック1は、コンクリート製のブロック本体部10と、ブロック本体部10の上面に開口する支柱挿入用孔11と、一対の連結用金具20,20とを備える。ブロック本体部10は、略直方体形状の第1本体部12と、第1本体部12の上部に設けられ、略四角錐台形状の第2本体部13とを備える。一対の連結用金具20,20は、それぞれ、上下方向に延び、第1本体部12の対向する側面14,14(ここでは、ブロック本体部10の長手方向において対向する側面14,14)に取り付けられる取付板部21と、取付板部21の下端から、対向する連結用金具20方向に向かって延びる挟持板部22とを備える。さらに、連結用金具20は、ブロック本体部10に対して上下方向に移動可能に取り付けられており、第1本体部12の下面と挟持板部22の上面の間で側溝蓋を挟持可能であり、側溝蓋の厚さに合わせて、第1本体部12の下面と挟持板部22の上面の間の距離tを調整可能となっている。
【0010】
本実施例のブロック本体部10は、図1から図6に示すように、コンクリート製の一体物である。ブロック本体部10は、その下側部分が、略直方体形状の第1本体部12となっている。言い換えれば、ブロック本体部10は、その下側部分(第1本体部12)において、水平断面における断面積が上下方向全長に亘って略同一となっている。
【0011】
ブロック本体部10は、その上側部分が、略四角錐台形状の第2本体部13となっている。言い換えれば、ブロック本体部10は、その上側部分(第2本体部13)において、水平断面における断面積が上方に向かって小さくなっている。なお、第2本体部13は、一般的な面取り(例えば、製品の角部に略45°の角度でわずかに傾斜面を形成すること)により形成されるものとは異なるものである。図3および図5に示すように、第2本体部13の側面の傾斜角度(長手方向において対向する側面の傾斜角度θ1および短手方向において対向する側面の傾斜角度θ2)は、50~80°であることが好ましい。これにより、ブロック本体部10(第2本体部13)に歩行者等が衝突することを回避し、または衝突した際の危険を低減しつつ、ブロック本体部10の重量を確保することができる。
【0012】
本実施例のブロック本体部10(第1本体部12)の下面には、対向する側面14,14にそれぞれ開口する工具係合用凹部15,15が設けられている。このような工具係合用凹部15は、工具(バール等)を用いて支柱基礎用コンクリートブロック1(ブロック本体部10)を動かす際に利用することができる。
【0013】
本実施例のブロック本体部10(第2本体部)の側面(ここでは、ブロック本体部10の長手方向において対向する両側面と短手方向において対向する一の側面の3つ)には、反射板等を取り付けるための凹部16が設けられている。このような凹部16に反射板を取り付けることで、支柱基礎用コンクリートブロック1の視認性を向上させることができる。
【0014】
ブロック本体部10には、その上面(ここでは、ブロック本体部10の第2本体部13の上面)に開口する支柱挿入用孔11が設けられている。支柱挿入用孔11は、ブロック本体部10を貫通している。支柱挿入用孔11は、後述する環状突出部17の形成部分を除き、支柱基礎用コンクリートブロック1によって固定する支柱の外径よりも大きな内径となっている。支柱挿入用孔11には、上方から支柱を挿入することができる。なお、支柱挿入用孔11は、成形のための抜きテーパ(ここでは、内径が下方に向かって僅かに縮径する)が設定されていてもよい。
【0015】
支柱挿入用孔11は、下部(ここでは、ブロック本体部10の第1本体部12の下側部分に対応する部分)に径方向内方に突出する環状突出部17を備える。図4および図6に示すように、支柱挿入用孔11は、環状突出部17の形成部分において、その内径が、支柱の外径よりも小さくなっている。言い換えれば、支柱基礎用コンクリートブロック1において、支柱挿入用孔11は、ブロック本体部10の第2本体部13の全部および第1本体部12の上側部分に対応する部分において、支柱の外径よりも大きな内径を有し、支柱を挿入できるようになっている一方、ブロック本体部10の第1本体部12の下側部分(上下方向中央よりも下側の部分)に対応する部分において環状突出部17が形成されて、支柱の外径よりも小さな内径となっている。これにより、支柱挿入用孔11の上方から挿入された支柱を、環状突出部17上に載置(仮固定)することができる。本実施例では、環状突出部17は、上方に向かって突出量が大きくなっている。言い換えれば、環状突出部17の内周面は、上方に向かって縮径するテーパ面となっている。言い換えれば、本実施例では、ブロック本体部10は、底面より、支柱挿入用孔11の環状突出部17を貫通し、支柱挿入用孔11の環状突出部17よりも上部と連通する連通孔51を備えている。そして、連通孔51は、上方に向かって縮径している。
【0016】
支柱基礎用コンクリートブロック1の第1本体部12の対向する側面14(ここでは、ブロック本体部10の長手方向において対向する側面14)は、それぞれ、ボルト固定穴18を備える。本実施例の支柱基礎用コンクリートブロック1では、第1本体部12の側面14(ここでは、ブロック本体部10の長手方向において対向する側面14)は、それぞれ、上下方向において略同じ位置に設けられた2つのボルト固定穴18,18を備える。なお、2つのボルト固定穴18,18は、上下方向において位置が異なるものであってもよい。
【0017】
ここで、ボルト固定穴の態様としては、種々の態様が挙げられる、例えば、本実施例では、ブロック本体部10に埋め込まれた金属製のインサート部材31(Pインサートとも言われる)によって、ボルト固定穴18が形成されている。具体的には、インサート部材31には、第1本体部12の側面14において開口し、かつ内面に雌ねじ部が形成された穴が形成されており、当該穴によってボルト固定穴18が形成されている。これにより、ボルト固定穴18に固定するボルトとして、後述するような一般的なボルト(雄ねじ)(30)を用いることができる。なお、ボルト固定穴のその他の態様としては、例えば、ボルト固定穴に固定するボルトとしてアンカーボルトを用いる場合、ボルト固定穴は、ブロック本体部に形成された適切な大きさの下穴であってもよい。
【0018】
図7および図8に詳細に示すように、ブロック本体部10(第1本体部12)に取り付けられる連結用金具20は、上下方向に延びる取付板部21と、取付板部21の下端から延びる挟持板部22とを備える。本実施例では、取付板部21と挟持板部22とは、略90°の角度をなしており、連結用金具20は全体として略L字板形状となっている。
【0019】
連結用金具20は、厚板からなり、支柱基礎用コンクリートブロック1の使用時に容易に屈曲しないものであることが好ましい。具体的には、連結用金具20(取付板部21および挟持板部22)は、厚さが4mm以上の金属製の板材からなることが好ましい。
【0020】
連結用金具20の取付板部21は、上下方向に延びる長孔状のボルト挿通孔23を備える。本実施例の連結用金具20では、取付板部21は、上下方向において略同じ位置に設けられ、上下方向に延びる長孔状の2つのボルト挿通孔23、23を備える。なお、2つのボルト挿通孔23,23は、上述したボルト固定穴18,18に対応して設けられるものであり、上下方向において位置が異なるものであってもよい。
【0021】
支柱基礎用コンクリートブロック1においては、連結用金具20のボルト挿通孔23を通して、ブロック本体部10のボルト固定穴18に挿入されたボルト30によって、連結用金具20をブロック本体部10に対して上下方向に移動可能に案内して位置決めし、ボルト固定穴18にボルト30を締結して連結用金具20を固定可能となっている。なお、本実施例では、2本のボルト30,30が、連結用金具20の取付板部21に設けられた2つのボルト挿通孔23,23を通して、ブロック本体部10の2つのボルト固定穴18,18に挿入されていることにより、固定前の連結用金具20のブロック本体部10に対する回転を防止することができる。
【0022】
また、本実施例では、連結用金具20が、ブロック本体部10に取り付けられたとき、連結用金具20によって、工具係合用凹部15が隠れる(外部に露出しない)ものとなっている。このため、連結用金具20が取り付けられた状態では、工具係合用凹部15を用いた支柱基礎用コンクリートブロック1の移動ができないものとなっている。具体的には、工具係合用凹部15は、2つのボルト固定穴18,18の下方に設けられている。
【0023】
本実施例において、ブロック本体部10に連結用金具20を固定するためのボルト30としては、ボルト固定穴18(インサート部材31に形成された雌ねじ部)に螺合可能な一般的なボルトを用いることができる。これにより、連結用金具20の位置決め、すなわち第1本体部12の下面と挟持板部22の上面の間の距離の調整を、繰り返し実施すること(再調整)が可能となる。また、ボルト30は、緩み止め加工を施したり、緩み止めのための他の部材(例えば、ばね座金等)とともに用いることもできる。
なお、ボルトのその他の態様としては、例えば、アンカーボルトを用いることができる。そのようなアンカーボルトは、コンクリート部材(ブロック本体部)に形成された下穴(ボルト固定穴)に挿入して、芯または外周部など特定の部位をハンマーで叩くことで、所定の部分が広がり、下穴の内部にしっかりと食い込んで固定される。このようなアンカーボルトとしては、芯棒打込み式の雄ネジタイプのものや、本体打込み式の雌ネジタイプのもの等があるが、任意に引き抜きおよび再固定可能なアンカーボルトを用いることが好ましい。このような再固定可能なボルトを用いることにより、連結用金具の位置決め、すなわち第1本体部の下面と挟持板部の上面の間の距離の調整を、繰り返し実施すること(再調整)が可能となる。
【0024】
図9および図10に示すように、支柱基礎用コンクリートブロック1においては、第1本体部12の下面と挟持板部22の上面の間の最大距離(連結用金具20を最も下方に移動させた場合の第1本体部12の下面と挟持板部22の上面の間の距離)t1と、第1本体部12の下面と挟持板部22の上面の間の最小距離(連結用金具20を最も上方に移動させた場合の第1本体部12の下面と挟持板部22の上面の間の距離)t2との差が、50mm~75mm程度であることが好ましい。また、最大距離t1は、140mm~160mm程度の範囲で設定することが好ましく、最小距離t2は、80mm~100mm程度の範囲で設定することが好ましい。
【0025】
なお、支柱基礎用コンクリートブロック1においては、図10に示すように、連結用金具20を最も上方に移動させた場合であっても、取付板部21の上端が第1本体部12の上端よりも上方に突出しないことが好ましい。これにより、連結用金具20(取付板部21)の上部が、ブロック本体部10(略四角錐台形状となっている第2本体部13)から離間して突出することにより生じ得る危険を回避できる。
【0026】
図2に示すように、連結用金具20は、第1本体部12の対向する側面(ここでは、ブロック本体部10の長手方向において対向する側面14)の横方向(ここでは、ブロック本体部10の短手方向であって、図2における左右方向)の略中央に取り付けられている。これにより、側溝蓋の幅が変わった場合でも、支柱基礎用コンクリートブロック1を側溝蓋の中央に配置できる(図12および図13参照)。
【0027】
支柱基礎用コンクリートブロック1は、側溝の側溝蓋上に載置し、側溝蓋に連結して使用するものである。
【0028】
図11から図15に示すように、対象となる既設の側溝4は、道路に沿って連続して設けられた複数の側溝本体41(ここでは、1つの側溝本体41のみを示す)を備える。側溝本体41は、底板部42と、底板部42の両側部より上方に延びる側壁43,43とを備える。側溝本体41は道路の路肩に埋められるようにして配置される。側溝本体41の側壁43,43の上部には、向かい合う一対の段部からなる蓋受部44が形成されている。なお、本実施例において、側溝本体41の周辺の構成(道路、地中、側溝本体を載置する基礎板等)の説明や図示は省略する。
【0029】
図12に示すように、側溝本体41の蓋受部44には、側溝本体41の上部を閉塞するように側溝蓋45が載置される。ここでは、側溝蓋45は、道路に沿った方向(図11における上下方向)に長くなっている(道路に沿った方向が長手方向となっている)。側溝蓋45の長手方向の一端部または両端部(ここでは、両端部)には、雨水等を側溝本体41内に排水するための排水口形成凹部46が設けられている。
【0030】
このような側溝蓋としては、例えば、JIS A5372「プレキャストコンクリート製品」に落ちふた式U形側溝として推奨されている形態等があり、そのように寸法が規定されているものもあるが、種類によって厚さが異なることがある。また、同じ種類の側溝蓋であっても、製造誤差や経年劣化等により寸法の変化が生じることもある。
【0031】
本実施例では、側溝蓋45としては、長手方向(図11の上下方向)と短手方向(図11の左右方向)を有する略直方体形状を有するものが用いられ、ブロック本体部10の第1本体部12の対向する側面は、側溝蓋45の長手方向において対向する側面14,14であり、一対の連結用金具20,20は、側溝蓋45の長手方向において対向する側面14,14に取り付けられるものである。
【0032】
図12および図14に、本実施例の支柱基礎用コンクリートブロック1を、上述した側溝の側溝蓋(側溝本体41の蓋受部44に載置された側溝蓋)45上に載置し、側溝蓋45に連結した状態を示す。本実施例では、図14に示すように、支柱基礎用コンクリートブロック1は、側溝本体41上に道路に沿った方向(長手方向)に隣り合って並んだ2つの側溝蓋45,45上に載置されている。これにより、支柱基礎用コンクリートブロック1(ブロック本体部10)の長手方向を道路に沿った方向に配置することができ、道路を通行する歩行者や車両の妨げとなり難くしつつ、2つの側溝蓋45,45の重量を利用して、支柱を固定した標識等の転倒を防止することができる。
【0033】
また、支柱基礎用コンクリートブロック1の短手方向寸法は側溝蓋45の短手方向寸法(幅寸法)よりも大きく、支柱基礎用コンクリートブロック1が側溝本体41(側壁43,43)の上面にも載置されている。なお、支柱基礎用コンクリートブロック1は、図13に示すように、支柱基礎用コンクリートブロック1の短手方向寸法よりも短手方向寸法(幅寸法)が大きい側溝蓋45aに載置し、連結することもできる。
【0034】
図14に示すように、支柱基礎用コンクリートブロック1の連結用金具20は、側溝蓋45の排水口形成凹部46を通じて、側溝4(側溝本体41と側溝蓋45とで区画された空間)内に進入する。そして、第1本体部12の下面と挟持板部22の上面の間で側溝蓋45を挟持するようにして、支柱基礎用コンクリートブロック1を側溝蓋45に連結する。また、この実施例では、支柱挿入用孔11の連通孔51は、隣り合う2つの側溝蓋45,45に形成されている排水口形成凹部46,46の上部に位置するものとなっている。このため、支柱5の固定前の状態や固定した支柱5の内部空間を通して支柱挿入用孔11内に流入した水は、排水口形成凹部46,46より、側溝内に流下する。
【0035】
上述のように、側溝蓋45に連結された支柱基礎用コンクリートブロック1に標識等の支柱5を固定する。図15に示すように、支柱5を支柱挿入用孔11に挿入し、支柱挿入用孔11の内面と支柱5の外面との間の隙間にモルタル6を充填することで、支柱5を支柱基礎用コンクリートブロック1に対して回転不可に固定する。
【0036】
支柱基礎用コンクリートブロック1は、連結用金具20が、ブロック本体部10に対して上下方向に移動可能に取り付けられており、第1本体部12の下面と挟持板部22の上面の間で側溝蓋45を挟持可能であり、側溝蓋45の厚さに合わせて、第1本体部12の下面と挟持板部22の上面の間の距離を調整可能となっている。これにより、支柱基礎用コンクリートブロック1を、従来設置されている側溝4(側溝蓋45)を利用して簡易に設置できる。また、支柱基礎用コンクリートブロック1は、側溝蓋45と連結することにより、側溝蓋45の重量を利用して、支柱5を固定した標識等の転倒を防止することができる。
【0037】
なお、図16および図17に示す支柱基礎用コンクリートブロック1aのように、ブロック本体部10aに設けられているボルト固定穴18、および連結用金具20aに設けられているボルト挿通孔23は、それぞれ1つずつであってもよい。このような場合、連結用金具20aの一部と、ブロック本体部10aの一部とを、連結用金具20aの上下方向への移動を妨げない態様で係合させることで、連結用金具20aの回転を防止することができる。例えば、本実施例では、図16および図17に示すように、連結用金具20aに凸部24を設けるとともに、ブロック本体部10a(第1本体部12)に上下方向に延びる溝19を設け、それら凸部24と溝19とを係合させることで、連結用金具20aをブロック本体部10aに対して上下方向に移動可能としつつ、連結用金具20aの回転を防止することができる。
【0038】
また、図18に示す支柱基礎用コンクリートブロック1bのように、側溝蓋45の製造誤差や、排水口形成凹部46の形状の違い等による長手方向(ここでは、図18における左右方向)寸法の差に対応するために、スペーサ部材70を備えるものであってもよい。本実施例では、2つの連結用金具20,20の取付板部21とブロック本体部10の第1本体部12との間に、それぞれ、スペーサ部材70を挿入することで、側溝蓋45の長手方向寸法の差に対応するものである。スペーサ部材70は、どちらか一方の連結用金具20の取付板部21とブロック本体部10の第1本体部12との間に挿入するものであってもよい。なお、このようなスペーサ部材として、厚さの異なる複数種類のスペーサ部材を準備しておき、現場において適切なスペーサ部材を選択して用いることも有効である。スペーサ部材の構成材料としては、金属、樹脂、ゴム等が挙げられる。
【符号の説明】
【0039】
1 支柱基礎用コンクリートブロック
10 ブロック本体部
11 支柱挿入用孔
12 第1本体部
13 第2本体部
17 環状突出部
18 ボルト固定穴
20 連結用金具
21 取付板部
22 挟持板部
23 ボルト挿通孔
30 ボルト
31 インサート部材
4 側溝
41 側溝本体
45 側溝蓋
5 支柱
6 モルタル
70 スペーサ部材
図1
図2
図3
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