(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159276
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】駆動装置及びポンプ
(51)【国際特許分類】
H02K 21/12 20060101AFI20241031BHJP
H02K 7/09 20060101ALI20241031BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20241031BHJP
F16C 32/04 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H02K21/12 M
H02K7/09
H02K7/14 B
F16C32/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075147
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000127352
【氏名又は名称】株式会社イワキ
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鬼塚 敏樹
【テーマコード(参考)】
3J102
5H607
5H621
【Fターム(参考)】
3J102AA01
3J102BA03
3J102BA17
3J102BA18
3J102CA19
3J102DA03
3J102DA09
3J102DA16
3J102DA28
3J102DA30
3J102DB01
3J102DB05
3J102DB10
3J102DB12
3J102FA03
3J102FA17
3J102FA23
3J102GA06
5H607FF06
5H607GG19
5H621BB10
5H621GA04
5H621GA12
5H621JK03
(57)【要約】
【課題】駆動装置全体の径方向の大きさを小さくして小型化を図る。
【解決手段】駆動装置は、ロータとロータを支持する軸受とロータを駆動する駆動機構とを備える。駆動機構は、ロータに設けられた被駆動部材とこれと径方向に対向するように配置されて被駆動部材を磁気駆動する駆動ステータとを有する。駆動ステータは、駆動コアと、これに巻回された駆動コイルとを含む。駆動コアの縦断面形状は、ロータの軸方向の一方の端部から軸方向に離れた位置で径方向に延び駆動コイルが巻回される第1部分と、第1部分の径方向の一方の端部から軸方向に延びる第2部分と、第2部分の先端部からロータ側に向けて径方向に延び被駆動部材と径方向に対向配置される第3部分と、を有するコの字状に形成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータと、
前記ロータを支持する軸受と、
前記ロータを回転駆動する駆動機構と、
を備え、
前記駆動機構は、
前記ロータに設けられた被駆動部材と、前記被駆動部材と径方向に対向するように配置されて前記被駆動部材を磁気駆動する駆動ステータと、を有し、
前記駆動ステータは、磁性材料からなる駆動コアと、前記駆動コアに巻回された駆動コイルと、を含み、
前記駆動コアの縦断面形状は、
前記ロータの軸方向の一方の端部から前記軸方向に離れた位置で前記径方向に延び前記駆動コイルが巻回される第1部分と、
前記第1部分の前記径方向の一方の端部から前記軸方向に延びる第2部分と、
前記第2部分の先端部から前記ロータ側に向けて前記径方向に延び前記被駆動部材と前記径方向に対向配置される第3部分と、を有するコの字状に形成されている
駆動装置。
【請求項2】
前記軸受は、前記ロータを磁気力によって支持する磁気軸受であり、
前記磁気軸受は、
前記ロータに設けられた磁性材料からなる軸受ロータ部材と、前記軸受ロータ部材と前記ロータの径方向に対向するように配置された軸受ステータ部材と、を有する
請求項1記載の駆動装置。
【請求項3】
前記駆動ステータは、前記駆動コアの前記第3部分が前記被駆動部材の前記径方向の内側に配置され、
前記軸受ステータ部材は、前記軸受ロータ部材の前記径方向の外側に複数配置され、前記軸受ロータ部材と前記径方向にそれぞれ対向する
請求項2記載の駆動装置。
【請求項4】
前記駆動ステータは、前記駆動コアの前記第3部分が前記被駆動部材の前記径方向の外側に配置され、
前記軸受ステータ部材は、前記軸受ロータ部材の前記径方向の内側に複数配置され、前記軸受ロータ部材と前記径方向にそれぞれ対向する
請求項2記載の駆動装置。
【請求項5】
前記駆動コイルは、前記軸方向の幅が前記ロータの周方向の幅よりも大きい
請求項1記載の駆動装置。
【請求項6】
前記駆動コイルは、前記駆動コアの前記第1部分に前記軸方向の高さが前記径方向の外側に向かって増大するように巻回されている
請求項1記載の駆動装置。
【請求項7】
前記軸受ロータ部材は、
円環状の永久磁石と、
前記永久磁石を前記ロータの軸方向に挟み込むように配置された円環状の一対のヨークと、を有し、
前記一対のヨークのそれぞれにおける前記径方向に対向する一組の円周方向に所定範囲の部分の縦断面形状は、
前記永久磁石の前記軸方向の両端面を覆い前記径方向に延びるヨーク主部と、一方のヨークの前記ヨーク主部の前記径方向の一方の端部から、他方のヨークの前記軸方向の外側端面の位置まで前記軸方向に延びるヨーク副部と、を有するL字状に形成され、
前記ヨーク副部は、前記円周方向に前記一方のヨークと前記他方のヨークとで互い違いに組み合わされて配置され、
前記一方のヨークの前記ヨーク副部と前記他方のヨーク及び前記永久磁石との間には、間隙が形成されている
請求項2記載の駆動装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1記載の駆動装置と、
前記ロータに取り付けられたインペラを含むポンプ機構と、
を備えた
ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置及びポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、いわゆるテンプルモータ(temple motor)として構成された駆動装置(例えば、特許文献1参照)が知られている。この駆動装置は、ステータのコイルコアが、ロータの軸線方向に延びる長手方向リムと、この長手方向リムの第2端部からロータの径方向に延びる永久磁石又は横リムと、を備え、L字形状に形成されている。
【0003】
そして、コイルコアの長いリムを構成する長手方向リムに、コイルの巻線が軸線方向に延在するように径方向に巻回されて、ステータが構成されている。これにより、ステータのコイルを、磁気ロータ面の下に配置して、ロータが動作状態で駆動及び支持される面内にはコイルが配置されない構造を実現している。
【0004】
また、アウターロータ型の駆動装置(例えば、特許文献2参照)も知られている。この駆動装置は、磁気軸受部とモータ部との間にドーナツ状のロータを配置している。そして、ロータに向けて突出するモータヨークの突極の径方向の内側に、モータ用コイルを径方向に延在するように巻回している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-192295号公報
【特許文献2】国際公開第2009/095949号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来技術の駆動装置では、長手方向リムに軸線方向に沿ってコイルが延在するように巻線を巻き付けている。このため、径方向のコイル厚さ(コイル高さ)を薄くしてステータの径方向の大きさを小さくするには限界がある。また、上記特許文献2に開示された従来技術の駆動装置では、モータ用コイルが大きくなると、装置の径方向の外径寸法が大きくなってしまうので、駆動装置全体の径方向の大きさを小さくして小型化を図るには、いずれの場合も改善の余地があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、駆動装置全体の径方向の大きさを小さくして小型化を図ることができる駆動装置及びポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る駆動装置は、ロータと、前記ロータを支持する軸受と、前記ロータを回転駆動する駆動機構と、を備え、前記駆動機構は、前記ロータに設けられた被駆動部材と、前記被駆動部材と径方向に対向するように配置されて前記被駆動部材を磁気駆動する駆動ステータと、を有し、前記駆動ステータは、磁性材料からなる駆動コアと、前記駆動コアに巻回された駆動コイルと、を含み、前記駆動コアの縦断面形状は、前記ロータの軸方向の一方の端部から前記軸方向に離れた位置で前記径方向に延び前記駆動コイルが巻回される第1部分と、前記第1部分の前記径方向の一方の端部から前記軸方向に延びる第2部分と、前記第2部分の先端部から前記ロータ側に向けて前記径方向に延び前記被駆動部材と前記径方向に対向配置される第3部分と、を有するコの字状に形成されている。
【0009】
本発明の一実施形態において、前記軸受は、前記ロータを磁気力によって支持する磁気軸受であり、前記磁気軸受は、前記ロータに設けられた磁性材料からなる軸受ロータ部材と、前記軸受ロータ部材と前記ロータの径方向に対向するように配置された軸受ステータ部材と、を有する。
【0010】
本発明の他の実施形態において、前記駆動ステータは、前記駆動コアの前記第3部分が前記被駆動部材の前記径方向の内側に配置され、前記軸受ステータ部材は、前記軸受ロータ部材の前記径方向の外側に複数配置され、前記軸受ロータ部材と前記径方向にそれぞれ対向する。
【0011】
本発明の更に他の実施形態において、前記駆動ステータは、前記駆動コアの前記第3部分が前記被駆動部材の前記径方向の外側に配置され、前記軸受ステータ部材は、前記軸受ロータ部材の前記径方向の内側に複数配置され、前記軸受ロータ部材と前記径方向にそれぞれ対向する。
【0012】
本発明の更に他の実施形態において、前記駆動コイルは、前記軸方向の幅が前記ロータの周方向の幅よりも大きい。
【0013】
本発明の更に他の実施形態において、前記駆動コイルは、前記駆動コアの前記第1部分に前記軸方向の高さが前記径方向の外側に向かって増大するように巻回されている。
【0014】
本発明の更に他の実施形態において、前記軸受ロータ部材は、円環状の永久磁石と、前記永久磁石を前記ロータの軸方向に挟み込むように配置された円環状の一対のヨークと、を有し、前記一対のヨークのそれぞれにおける前記径方向に対向する一組の円周方向に所定範囲の部分の縦断面形状は、前記永久磁石の前記軸方向の両端面を覆い前記径方向に延びるヨーク主部と、一方のヨークの前記ヨーク主部の前記径方向の一方の端部から、他方のヨークの前記軸方向の外側端面の位置まで前記軸方向に延びるヨーク副部と、を有するL字状に形成され、前記ヨーク副部は、前記円周方向に前記一方のヨークと前記他方のヨークとで互い違いに組み合わされて配置され、前記一方のヨークの前記ヨーク副部と前記他方のヨーク及び前記永久磁石との間には、間隙が形成されている。
【0015】
本発明に係るポンプは、上記の駆動装置と、前記ロータに取り付けられたインペラを含むポンプ機構と、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、駆動装置全体の径方向の大きさを小さくして小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る駆動装置が適用されたポンプの全体構成を概略的に示す縦断面図である。
【
図2】同駆動装置の全体構成を概略的に示す切欠斜視図である。
【
図3】同駆動装置の駆動ステータの全体構成を概略的に示す平面図である。
【
図4】同駆動ステータの駆動コアを概略的に示す一部拡大斜視図である。
【
図5】同駆動装置の変形例が適用されたポンプの全体構成を概略的に示す縦断面図である。
【
図6】同変形例の駆動ステータの全体構成を概略的に示す平面図である。
【
図7】他の変形例の駆動ステータの全体構成を概略的に示す正面図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係る駆動装置の全体構成を概略的に示す切欠斜視図である。
【
図9】同駆動装置の軸受ロータ部材の全体構成を示す斜視図である。
【
図10】同軸受ロータ部材の全体構成を示す分解斜視図である。
【
図12】本発明の第3の実施形態に係る駆動装置が適用されたポンプの一部構成を概略的に示す縦断面図である。
【
図13】本発明の第4の実施形態に係る駆動装置をモータとして適用したポンプの一部構成を概略的に示す縦断面図である。
【
図14】本発明の第5の実施形態に係る駆動装置をモータとして適用したポンプの一部構成を概略的に示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態に係る駆動装置及びポンプを詳細に説明する。ただし、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、以下の実施形態において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、実施形態においては、各構成要素の配置、縮尺及び寸法等が誇張或いは矮小化されて、実際のものとは一致しない状態で示されている場合、並びに一部の構成要素につき記載が省略されて示されている場合がある。
【0019】
[第1の実施形態]
[駆動装置及びポンプの構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る駆動装置50が適用されたポンプ100の全体構成を概略的に示す縦断面図である。
図2は、駆動装置50の全体構成を概略的に示す一部を切欠した斜視図である。
図3は、駆動装置50の駆動ステータ12の全体構成を概略的に示す平面図である。
図4は、駆動ステータ12の駆動コア13を概略的に示す一部拡大斜視図である。
【0020】
図1~
図4に示すように、第1の実施形態に係るポンプ100は、例えば半導体産業におけるウエハ洗浄液、研磨用スラリー液、メッキ液移送用のポンプ等に用いられ、ロータ20と、このロータ20を支持する軸受として、例えば磁気力により非接触で支持する磁気軸受30と、ロータ20を回転駆動する駆動機構10と、を備えている。
【0021】
なお、ポンプ100は、上記ウエハ洗浄液、研磨用スラリー液、メッキ液移送用のポンプの他、例えば血液移送用のポンプ、要求純度の高い移送流体の移送用のポンプ、研磨物質の搬送用ポンプ等の各種ポンプにも適用可能である。また、第1の実施形態ではポンプ100を示しているが、上記ロータ20、磁気軸受30及び駆動機構10は、ロータ20を回転駆動するという機能のみに着目すると、
図2に示すように、駆動装置(アクチュエータ)50として捉えることが可能である。また、磁気軸受30の代わりに公知の各種の軸受でロータ20を支持するようにして、駆動装置50を構成するようにしても良い。
【0022】
以降の説明においては、ロータ20の回転軸方向をZ方向(アキシャル方向とも呼ぶ。)、ロータ20の径方向をX方向及びY方向(ラジアル方向とも呼ぶ。)、Z軸(回転軸)周りの回転方向をΨ方向、X軸周りの回転方向をΘ方向、及びY軸周りの回転方向をΦ方向と、それぞれ呼ぶことにする。また、X軸、Y軸及びZ軸は、互いに直交するものとする。また、
図1の紙面に向かって上側をポンプ100の前方(前面)側、下側を後方側とする。
【0023】
ロータ20は、全体が樹脂等の非磁性体で形成されている。ロータ20は、Z軸方向の一端に設けられた環状の軸受/駆動部21と、Z軸方向の他端に設けられたインペラ22と、を備える。軸受/駆動部21及びインペラ22は、例えば図示のように互いに螺合接続することによりロータ20として一体化されているが、これに限定されるものではない。軸受/駆動部21及びインペラ22は、樹脂成形等により一体に形成されていても良い。
【0024】
ポンプ100は、例えば全体が円筒状に形成され、Z軸方向の一方にフロントケーシング41を有する。フロントケーシング41は、内部にインペラ22が収容されるポンプ室A1を形成する。フロントケーシング41は、前面側の中央部にポンプ室A1に連通し、
図1中矢印Iで示すように移送流体を導入するための吸込口48を有する。また、フロントケーシング41は、側面の一部にポンプ室A1に連通し、
図1中矢印Oで示すように移送流体を排出するための吐出口49を有する。
【0025】
フロントケーシング41の後端には、リアケーシング42が接続されている。リアケーシング42は、フロントケーシング41と共にポンプ室A1を含む密閉空間Aを形成する。また、リアケーシング42は、後方に突出した環状空間(収容空間)A2を形成する。円筒状のブラケット43は、このリアケーシング42の外周を覆うように設けられている。
【0026】
ロータ20は、フロントケーシング41及びリアケーシング42を含むケーシング40で形成される密閉空間A内に収容されている。この密閉空間Aは、上記のようにインペラ22が収容されるポンプ室A1と、軸受/駆動部21が収容される環状空間A2と、を含む。そして、インペラ22は、ポンプ室A1と共にポンプ機構を構成する。軸受/駆動部21は、環状空間A2に収容される。
【0027】
磁気軸受30は、ロータ20の軸受/駆動部21の径方向の外周側に装着された環状の磁性材料からなる軸受ロータ部材31と、この軸受ロータ部材31のラジアル方向の外側に、軸受ロータ部材31と所定の間隔を空けて配置された軸受ステータ部材32と、を有する。軸受ステータ部材32は、環状のヨークベース44と、リアケーシング42の外周部と、円筒状のブラケット43と、の間に装着されている。
【0028】
軸受ロータ部材31は、例えば、円環状に成形されたネオジム磁石からなる永久磁石33と、この永久磁石33と同心で、アキシャル方向(Z軸方向)に挟み込むように配置された円環状の電磁軟鉄からなる一対のヨーク34,35と、を有する。永久磁石33は、例えば、アキシャル方向にN極及びS極が対向し、且つ円周方向全周に亘って同極となるように着磁されている。
【0029】
一方、軸受ステータ部材32は、本実施形態では、
図2に示すように、軸受ロータ部材31の円周方向の4箇所に90°の角度を介して4つ配置されている。これらの軸受ステータ部材32のうちの、例えば、X軸方向に対向する一対の軸受ステータ部材32は、ロータ20のX軸方向の位置及びΦ方向の角度を制御する。また、これらの軸受ステータ部材32のうちの、例えば、Y軸方向に対向する一対の軸受ステータ部材32は、ロータ20のY軸方向の位置及びΘ方向の角度を制御する。また、これらの軸受ステータ部材32は、Z軸方向の高さを制御する。なお、軸受ステータ部材32の数は、上記のものに限定されるものではなく、例えば、6個、10個、12個、16個等、種々の形態を採用し得る。
【0030】
なお、図示は省略するが、ヨークベース44には、軸受ロータ部材31のラジアル方向及び各回転方向の変位を検出可能な変位センサが、例えば軸受ステータ部材32とそれぞれ45°の角度をなす(すなわち、X軸方向及びY軸方向とそれぞれ45°の角度で交差する)ように、複数(例えば、4つ)配置されている。
【0031】
また、変位センサには、例えばヨークベース44等に、軸受/駆動部21とアキシャル方向に対向するように設けられ、軸受ロータ部材31等のアキシャル方向及び回転方向の変位を検出可能なセンサも含まれる。これらの変位センサは、例えば、渦電流式のセンサが挙げられるが、これに限定されるものではなく、種々のセンサを採用し得る。また、変位センサの配置態様や数は、上記のものに限定されず、種々の形態を採用し得る。
【0032】
なお、本実施形態のポンプ100の場合、ロータ20のZ軸方向の一方にインペラ22が配置されているので、ロータ20がZ軸に対して傾斜する場合、Z軸上のインペラ22に近い位置を回転中心としてロータ20が傾斜する。このため、変位センサを、例えばインペラ22から離れた位置、好ましくは軸受/駆動部21のZ軸方向の中央の位置に配置しておけば、変位センサによって、ロータ20のX軸方向の位置及びΦ方向の角度、Y軸方向の位置及びΘ方向の角度を検知可能である。これにより、回転軸の傾きについても、例えば二軸制御によって十分にコントロール可能となる。
【0033】
軸受ステータ部材32は、例えば、積層電磁鋼板等の磁性材料からなる軸受コア37と、軸受コア37に巻回された軸受コイル38と、を有する。軸受コア37の縦断面形状は、軸受ロータ部材31側を開放端とするほぼC字形となっているが、C字形状の開放端部分に一対のカギ型形状部分を有し、開放端側の部分を互いにZ軸方向に近づけた形状を有している。なお、軸受コア37の縦断面形状の詳細については、例えば、国際公開第2020/183884号、及び国際公開第2021/015034号に記載された内容を援用することができるので、ここでは説明を省略する。
【0034】
このような形状であると、軸受コイル38のZ軸方向の長さを、軸受コア37の開放端側のカギ型形状部分におけるZ軸方向の対向面間の距離よりも大きくすることが可能である。従って、軸受コイル38の巻回部分のZ軸方向の長さよりも開放端の先端間の距離を小さくすることができ、軸受ロータ部材31のZ軸方向の大きさを小さく設計することができる。また、軸受コア37の開放端側のカギ型形状部分におけるZ軸方向の対向面と反対側の面間の距離を、軸受ロータ部材31のZ軸方向の長さとほぼ等しい大きさとすることが可能であるので、寸法設計の自由度を向上させることができる。なお、磁気軸受30は上述した構成に限定されず、種々の公知の構成を採用することが可能である。
【0035】
駆動機構10は、ロータ20の軸受/駆動部21の径方向の内周側に装着された環状の被駆動部材としての駆動マグネット11と、この駆動マグネット11を磁気駆動する駆動部としての駆動ステータ12と、を有する。駆動ステータ12は、駆動マグネット11に対してラジアル方向の内側に、径方向に対向するように駆動マグネット11と所定の隙間を介して配置されている。この駆動機構10は、径方向の内側から外側にかけて駆動ステータ12及び駆動マグネット11が順に配置されるいわゆるアウターロータ型に構成されている。なお、軸受/駆動部21においては、駆動マグネット11と軸受ロータ部材31との間に、アルミニウム等の非磁性体からなる環状のセパレートヨーク36(
図2においては図示せず)が配置されている。
【0036】
駆動マグネット11は、
図2に示すように、例えば円周方向に4分割可能なラジアル方向2極又は4極に着磁したネオジム磁石から構成されている。駆動ステータ12は、モータステータとして機能する。駆動ステータ12は、
図3に示すように、例えば円周方向に60°ずつ配置される6つ(6スロット)の突極を有する磁性材料からなる駆動コア13と、この駆動コア13に巻回された駆動コイル14と、を含み、例えば三相ブラシレスモータのステータとして構成されている。駆動ステータ12は、ブラケット43の内側に固定されたハウジング45とリアケーシング42の中央部の間に装着されている。
【0037】
駆動ステータ12の駆動コア13は、その縦断面形状がコの字形(コの字状)となるように形成されている。具体的には、駆動コア13の縦断面形状は、
図4に示すように、ロータ20の軸方向(Z軸方向)の一方の端部(
図1では後方端部)から軸方向に離れた位置で、ラジアル方向(径方向)に延びて駆動コイル14が巻回される第1部分13aを有する。なお、ここでは、駆動コイル14は、Z軸方向の高さがラジアル方向に沿って均一となるように、第1部分13aに巻回されている。
【0038】
また、駆動コア13の縦断面形状は、第1部分13aのラジアル方向の一方の端部(
図1では径方向内側の端部)から軸方向に(
図1では軸方向前方に)延びる第2部分13bと、第2部分13bの先端部(
図1では前方側の先端部)からロータ20側に向けてラジアル方向に延びて、駆動マグネット11と径方向に対向配置される第3部分13cと、を有する。
【0039】
なお、駆動コア13の第3部分13cの駆動マグネット11側の端面13dは、円周方向に沿った曲面で構成され、駆動コア13の主要部よりも幅広に形成されている。また、駆動コア13は、
図2に示すように、第1部分13aの第2部分13bと反対側の端部が、円環状部材15の切欠き部15aに嵌合されて円環状部材15に接続されている。
【0040】
駆動コア13がこのような形状であると、第3部分13c及び駆動マグネット11のラジアル方向の寸法を極力小さくしつつも、必要な駆動機構10の性能を得るための駆動コイル14を第1部分13aに巻回させて、ロータ20のZ軸方向の一方の端部側に配置することが可能である。これにより、駆動機構10のラジアル方向の寸法の小型化を図ることができる。
【0041】
なお、駆動機構10の性能を向上させるために、駆動コイル14の線径及び巻線ターン数を増加させたとしても、駆動機構10の軸方向の寸法が僅かに大きくなるだけで、駆動機構10のラジアル方向の寸法が大きくなることはない。換言すれば、同一性能の駆動機構10においてラジアル方向の寸法をより小さく構成することができるようになる。従って、駆動機構10を含む駆動装置50全体の径方向の大きさを小さくすることができ、結果的に、円筒状のポンプ100の径方向の寸法増大を抑えて小型化を図ることが可能となる。
【0042】
また、駆動コイル14が巻回された第1部分13aが、例えば、ロータ20の軸方向の後方端部から軸方向に離れた位置に配置されるため、これらの間のスペースに、例えば、ヨークベース44と軸方向にほぼ同一箇所に配置され、駆動装置50の各部を制御する各種制御部品18aが表面実装された基板18を搭載することも可能である。これにより、円筒状のポンプ100の駆動ステータ12とロータ20との軸方向の間のスペースを有効活用することができる。
【0043】
[駆動装置及びポンプの動作]
次に、上記のように構成された駆動装置50が適用されたポンプ100の動作を説明する。
ポンプ100では、磁気軸受30を構成する軸受ロータ部材31及び軸受ステータ部材32が磁性材料で構成されているので、磁気回路を形成する。軸受ロータ部材31の永久磁石33は、この磁気回路にバイアス磁束を供給する。
【0044】
図示しない制御回路は、変位センサで検出されたロータ20のX軸、Y軸及びZ軸の各方向の変位並びにΦ方向及びΘ方向の傾きを補正するように、軸受コイル38に流れる電流を制御して、軸受コイル38により発生する制御磁束を調整する。これにより、ロータ20は、磁気軸受30によって所定位置及び所定姿勢を維持しつつ、非接触状態で支持される。
【0045】
また、この状態で駆動ステータ12の駆動コイル14に三相交流電力を供給すると、三相ブラシレスモータとして駆動機構10が動作して、ロータ20が回転する。ロータ20が回転することにより、インペラ22が密閉空間A内で非接触で回転する。これにより、吸込口48を介してポンプ室A1内に移送流体が導入され、吐出口49を介して移送流体がポンプ室A1内から外部に排出される。
【0046】
[実施形態の効果]
ここで、ポンプ100に採用される一般的な駆動機構においては、駆動ステータのみに着目すると、駆動ステータを構成する駆動コアに巻回される駆動コイルの線径及び巻線ターン数が多くなるほど一般的には性能が向上することが知られている。一方、いわゆるテンプルモータのL字状の駆動コアに駆動コイルを巻回して性能の向上を図ろうとすると、駆動コイルの線径及び巻線ターン数に応じて駆動機構のラジアル方向の寸法が増加する。同様に、ロータに向けて突出するモータヨークの突極の径方向の内側に駆動コイルを巻回して性能の向上を図ろうとすると、駆動コイルの線径及び巻線ターン数に応じて駆動機構のラジアル方向のみならずアキシャル方向の寸法も増加する。
【0047】
この点、本実施形態に係る駆動装置50の駆動機構10によれば、上記特許文献1及び2に記載の従来技術の駆動装置に比べて、駆動ステータ12の駆動コア13がコの字形であり、第3部分13cのラジアル方向の寸法を極力小さくしつつも、径方向に延びる第1部分13aに駆動コイル14を、線径及び巻線ターン数を任意の設計の下で自在に巻回させることができる。これにより、駆動機構10に要求される性能を十分に実現しつつも、径方向の寸法を小さくすることができるので、駆動機構10を含む駆動装置50及びポンプ100の径方向の寸法増大を抑えて、小型化を図ることが可能となる。
【0048】
[第1の実施形態の変形例]
[駆動機構の他の構成]
図5は、駆動装置50の変形例が適用されたポンプ100の全体構成を概略的に示す縦断面図である。
図6は、変形例の駆動ステータ12の全体構成を概略的に示す平面図である。
図7は、他の変形例の駆動ステータ12の全体構成を概略的に示す正面図である。なお、
図5を含む以降の説明においては、上記第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付しているので、以下では重複する説明は省略する。
【0049】
すなわち、
図5及び
図6に示すように、変形例のポンプ100は、駆動機構10の駆動ステータ12における駆動コア13の第1部分13aに巻回される駆動コイル14が、Z軸方向の高さが径方向の外側に向かって増大するように巻回されている点が、第1の実施形態における駆動ステータ12とは相違している。
【0050】
この変形例の駆動ステータ12によれば、駆動コイル14が縦断面形状で径方向の内側に向かってZ軸方向の高さが低くなる台形状に巻回されるので、第1の実施形態に比べて、図示のように駆動コア13の第1部分13aの径方向の長さを短く構成することが可能であると共に、例えば同じ収容スペースにおいて軸受/駆動部21のZ軸方向の長さを長くすることも可能である。
【0051】
なお、駆動コイル14の巻回態様はこれに限定されるものではない。例えば、
図7に示すように、他の変形例の駆動ステータ12としては、駆動コイル14が、Z軸方向の幅W1が図示しないロータ20の周方向の幅W2よりも大きくなるように、駆動コア13の第1部分13aに直交する断面形状が、角丸矩形状又は楕円状等に巻回されるものが挙げられる。このようにすれば、必要な巻数ターン数等を得つつも円周方向に配置される駆動ステータ12のスロット数を更に増加させることが可能となる。
【0052】
また、図示は省略するが、例えばZ軸方向の幅W1が、第1部分13aにおける巻回開始位置から巻回終了位置までの径方向の中央部分で最も大きくなるように第1部分13aに巻回されたり、上記とは逆に径方向の外側に向かってZ軸方向の高さが低くなる台形状に巻回されたりしても良い。このように、駆動コイル14の巻回態様は、駆動コア13の第1部分13aがロータ20の端部からZ軸方向に離れているため、種々の態様を採用し得る。
【0053】
[第2の実施形態]
[駆動装置の他の構成]
図8は、本発明の第2の実施形態に係る駆動装置50Aの全体構成を概略的に示す切欠斜視図である。
図9は、駆動装置50Aの軸受ロータ部材60の全体構成を示す斜視図である。
図10は、軸受ロータ部材60の全体構成を示す分解斜視図である。
図11は、
図9のA-A´断面図である。
【0054】
図8に示すように、第2の実施形態に係る駆動装置50Aは、第1の実施形態に係るポンプ100にも適用可能に構成され、磁気軸受30及び駆動機構10を有する点は、第1の実施形態の駆動装置50と同様であるが、磁気軸受30の軸受ロータ部材60が、先の駆動機構10に含まれる駆動マグネット11のような被駆動部材も兼用している点が、第1の実施形態の駆動装置50と相違している。
【0055】
なお、図示は省略するが、軸受ロータ部材60は、ポンプ100に適用する場合は上記と同様にロータ20の軸受/駆動部21に設けられ、磁気軸受30の軸受ステータ部材32と、駆動機構10の駆動ステータ12と、は上述した駆動装置50と同様の構成を備えているので、ここでは説明を省略する。
【0056】
すなわち、
図9~
図11に示すように、軸受ロータ部材60は、円環状の永久磁石63と、この永久磁石63をZ軸方向に挟み込むように配置された円環状の一対のヨーク61,62と、を有する。一対のヨーク61,62は、電磁軟鉄等の磁性材料からなる。永久磁石63は、上記永久磁石33と同様に、アキシャル方向にN極及びS極が対向し、且つ円周方向全周に亘って同極となるように着磁されている。
【0057】
一対のヨーク61,62は、それぞれにおける径方向に対向する一組の円周方向に所定範囲の部分(例えば、円周方向に90°の範囲の部分)の縦断面形状が、次のように形成されている。すなわち、各ヨーク61,62は、永久磁石63のZ軸方向の両端面を覆う円環状のヨーク主部61a,62aと、一方のヨークのヨーク主部61a,62aの径方向の一方の端部(例えば、径方向内側の端部)から、他方のヨークのZ軸方向の外側端面の位置までZ軸方向に延びるヨーク副部61b,62bと、を有するL字状に形成されている。本実施形態では、ヨーク副部61b,62bは、ヨーク主部61a,62aの内周側において径方向に対向し、それぞれが円周方向に90°の範囲に延びるように形成されている。
【0058】
一対のヨーク61,62のヨーク副部61b,62bは、円周方向に一方のヨーク(例えば、ヨーク61)と他方のヨーク(例えば、ヨーク62)とで互い違いに組み合わされて(円周方向に90°ずつずらされて)配置される。これにより、ヨーク副部61b,62bは、ヨーク主部61a,62aの径方向の内周側に永久磁石63の磁極を集中させる作用を有するので、上述した駆動マグネット11と同様に機能することが可能であり、径方向に対向配置される駆動ステータ12の駆動コアの第3部分13cからの磁束によって、被駆動部材として磁気駆動され得る。なお、互い違いに組み合わされたヨーク副部61b,62bの周方向には、それぞれ隙間が形成されているが、この隙間には図示しない樹脂等の非磁性体からなるスペーサが介挿されているため、一対のヨーク61,62が円周方向に動いてしまってガタつくことは防止されている。
【0059】
また、
図11に示すように、一対のヨーク61,62は、それぞれ、一方のヨーク61(又はヨーク62)のヨーク副部61b(又はヨーク副部62b)と、他方のヨーク62(又はヨーク61)及び永久磁石63との間に閉磁路が形成されないように、間隙g1が形成されている。なお、図示は省略するが、例えば、間隙g1に代えて、間隙g1に相当する部分に、アルミニウム等の非磁性体からなる環状のセパレートヨークが配置されても良い。
【0060】
このように構成された軸受ロータ部材60では、永久磁石63が磁気浮上中にZ軸に対して傾く力は、一対のヨーク61,62のN極及びS極がそれぞれ対面構造となっているので相殺される。従って、軸受ロータ部材60はZ軸に対して傾かない構造を備える。また、駆動機構10の駆動マグネット11に相当する部品が不要となるため、駆動装置50Aの構成部品の削減及びシンプル化によるコストダウンを図ることが可能となる。なお、各ヨーク副部61b,62bの径方向の厚みをより薄く構成すれば、駆動装置50Aのラジアル方向の寸法増大を抑えることが可能である。
【0061】
[第3の実施形態]
[ポンプの構成]
図12は、本発明の第3の実施形態に係る駆動装置50Bが適用されたポンプ100Aの一部構成を概略的に示す縦断面図である。上記第1及び第2の実施形態に係る駆動装置50,50Aは、いわゆるアウターロータ型の構造を備えているが、第3の実施形態に係る駆動装置50Bは、いわゆるインナーロータ型の構造を備えている。
【0062】
すなわち、上述した第1の実施形態の駆動装置50では、駆動ステータ12が、駆動コア13の第3部分13cが駆動マグネット11の径方向の内側に配置されて構成され、軸受ステータ部材32が、軸受ロータ部材31の径方向の外側に複数配置されて、軸受ロータ部材31と径方向にそれぞれ対向する構造を備えている。
【0063】
また、上述した第2の実施形態の駆動装置50Aでは、軸受ロータ部材60が、一対のヨーク61,62のヨーク副部61b,62bが永久磁石63の径方向の内側に配置されて構成され、駆動ステータ12が、駆動コア13の第3部分13cが軸受ロータ部材60の径方向の内側に配置されて構成され、軸受ステータ部材32が、軸受ロータ部材60の径方向の外側に複数配置されて、軸受ロータ部材60と径方向にそれぞれ対向する構造を備えている。
【0064】
これらに対し、第3の実施形態の駆動装置50Bは、駆動ステータ12が、駆動コア13の第3部分13cが駆動マグネット11の径方向の外側に配置され、軸受ステータ部材32が、軸受ロータ部材31の径方向の内側に複数配置されて、軸受ロータ部材31と径方向にそれぞれ対向する構造を備える。
【0065】
なお、この場合、軸受ロータ部材31の永久磁石33及び一対のヨーク34,35は、駆動マグネット11の径方向の内側に、セパレートヨーク36を介して配置されている。また、駆動ステータ12の駆動コア13は、第1部分13aの第2部分13bと反対側の端部が、径方向の外周側に切欠き部15aが形成された円環状部材15に嵌合されて円環状部材15に接続されている。
【0066】
この第3の実施形態に係る駆動装置50Bが適用されたポンプ100Aは、径方向の内側から外側にかけて軸受ステータ部材32、軸受ロータ部材31、駆動マグネット11及び駆動ステータ12がリアケーシング42を介して順に配置されるインナーロータ型に構成される。従って、ポンプ100Aは、第1及び第2の実施形態に係る駆動装置50,50Aが適用されたポンプ100と同様に、インナーロータ型であっても駆動装置50Bの径方向の寸法の増大を抑えて、小型化を図ることが可能となる。
【0067】
なお、図示は省略するが、第3の実施形態の駆動装置50Bに第2の実施形態の駆動装置50Aの構成を適用した場合、軸受ロータ部材60は、一対のヨーク61,62のヨーク副部61b,62bが永久磁石63の径方向の外側に配置されて構成される。また、駆動ステータ12は、駆動コア13の第3部分13cが軸受ロータ部材60の径方向の外側側に配置されて構成される。更に、軸受ステータ部材32は、軸受ロータ部材60の径方向の内側に複数配置されて、軸受ロータ部材60と径方向にそれぞれ対向する構造を備える。このように構成した駆動装置50Bが適用されたポンプ100Aによれば、第2の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0068】
[第4の実施形態]
[ポンプの構成]
図13は、本発明の第4の実施形態に係る駆動装置をモータ10Aとして適用したポンプ100Bの一部構成を概略的に示す縦断面図である。
【0069】
第4の実施形態に係る駆動装置としてのモータ10Aは、例えばモータ軸19が中心に配置された円柱状のモータマグネット11Aを有するロータ20Aと、ロータ20Aを回転駆動する駆動ステータ12と、を有する。ロータ20Aは、図示しないベアリングを介してリアケーシング42に装着されポンプ100Bに設けられている。モータ軸19には、図示しないインペラ等が取り付けられる。駆動ステータ12は、駆動コア13の第3部分13cがロータ20Aの径方向の外側に配置されているので、モータ10Aは、インナーロータ型のモータとして構成されている。
【0070】
第4の実施形態のモータ10Aが適用されたポンプ100Bによれば、モータ10Aの駆動ステータ12の駆動コア13が第1~第3部分13a~13cを有し、駆動コイル14が第1部分13aに巻回されているので、上記第3の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0071】
[第5の実施形態]
[ポンプの構成]
図14は、本発明の第5の実施形態に係る駆動装置をモータ10Bとして適用したポンプ100Cの一部構成を概略的に示す縦断面図である。
【0072】
第5の実施形態に係る駆動装置としてのモータ10Bは、モータ軸19が中心に配置された有底円筒状のロータ部材20aの円筒部分に配置されたモータマグネット11Bを有するロータ20Bと、ロータ20Bを回転駆動する駆動ステータ12と、を有する。ロータ20Bは、図示しないベアリングを介してリアケーシング42に装着されポンプ100Cに設けられている。モータ軸19には、図示しないインペラ等が取り付けられる。駆動ステータ12は、駆動コア13の第3部分13cがロータ20Bの径方向の内側に配置されているので、モータ10Bは、アウターロータ型のモータとして構成されている。
【0073】
第5の実施形態のモータ10Bが適用されたポンプ100Cによれば、モータ10Bの駆動ステータ12の駆動コア13が第1~第3部分13a~13cを有し、駆動コイル14が第1部分13aに巻回されているので、上記第1及び第2の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0074】
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
10 駆動機構
10A,10B モータ
11 駆動マグネット
12 駆動ステータ
13 駆動コア
13a 第1部分
13b 第2部分
13c 第3部分
14 駆動コイル
15 円環状部材
15a 切欠き部
20 ロータ
21 軸受/駆動部
22 インペラ
30 磁気軸受
31,60 軸受ロータ部材
32 軸受ステータ部材
33,63 永久磁石
34,35 ヨーク
36 セパレートヨーク
37 軸受コア
38 軸受コイル
40 ケーシング
50,50A 駆動装置
61,62 ヨーク
61a,62a ヨーク主部
61b,62b ヨーク副部
100 ポンプ