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特開2024-159285プローブクリーニングシートおよびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159285
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】プローブクリーニングシートおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/06 20060101AFI20241031BHJP
   B24D 11/00 20060101ALI20241031BHJP
   B24D 3/00 20060101ALI20241031BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20241031BHJP
   A47L 13/16 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
G01R1/06 Z
B24D11/00 Q
B24D3/00 320A
H01L21/304 644Z
A47L13/16 C
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075169
(22)【出願日】2023-04-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】523162731
【氏名又は名称】神興科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CKT TEK CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 21-1, Ln. 340, Sec. 2, Zhongshan Rd., Zhonghe Dist., New Taipei City 235, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】許▲リィ▼文
(72)【発明者】
【氏名】陳俊良
(72)【発明者】
【氏名】李志唐
【テーマコード(参考)】
2G011
3B074
3C063
5F157
【Fターム(参考)】
2G011AC13
3B074AA02
3B074AB01
3B074BB01
3C063AA02
3C063AB07
3C063BB03
3C063BB07
3C063BC01
3C063BG08
3C063CC02
3C063CC16
3C063EE01
5F157BA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】熱膨張冷却収縮のプロセス作業後に湾曲、カール、気泡の発生等問題を改善するプローブクリーニングクロス提供する。
【解決手段】低穿刺プロセスのプローブクリーニングシートの構造部分については、内部に複数のグラスファイバー1031およびシリコン1032を有するシリコングラスファイバークロス層103含み、シリコン1032は各グラスファイバー1031の間の間隙および表面に塗布される。研磨層セット40はシリコングラスファイバークロス層103一側にプリントし、研磨層セット40は高密度研磨層20および低密度研磨層30を含み、高密度研磨層20はシリコングラスファイバークロス層103の一側にプリント接着し、シリコン1032は高密度研磨層20を接着し、低密度研磨層30は高密度研磨層20の最上面にプリント接着し、シリコングラスファイバークロス層103に対向する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブクリーニングシートの製造方法において、そのうち、
巻いて成形されたシリコングラスファイバークロスを準備し、前記シリコングラスファイバークロスを必要なサイズに切断して印刷機の治具上に置く材料準備ステップと、
前記印刷機を開き、前記印刷機で前記シリコングラスファイバークロスの一側面に対して高密度印刷を施し、前記シリコングラスファイバークロスの一側に高密度研磨層を形成させる一次印刷ステップと、
前記高密度研磨層が形成されたシリコングラスファイバークロスを焼成機の中に入れて第一次焼成作業を行い、前記シリコングラスファイバークロスのシリコンに高密度研磨層を結合させる一次焼成ステップと、
上述の前記一次焼成ステップ完成後、次に高密度研磨層を有するシリコングラスファイバークロスを冷却機に入れ、前記冷却機に依る温度によって第一次冷卻作業を行う一次冷卻ステップと、
上述の前記一次冷卻ステップ後のシリコングラスファイバークロスを再度前記印刷機に入れ、前記印刷機で低密度の印刷を行い、前記高密度研磨層の一側に低密度研磨層を形成し、前記低密度研磨層は前記シリコングラスファイバークロスに対向する二次印刷ステップと、
前記シリコングラスファイバークロスを再度前記焼成機の中に入れて第二次焼成作業を行い、前記低密度研磨層と前記高密度研磨層を結合させることができる二次焼成ステップと、
上述の前記二次焼成ステップ完成後、再度、前記冷却機内に入れて冷卻作業を行う二次冷卻ステップと、
を含むことを特徴とするプローブクリーニングシートの製造方法。
【請求項2】
前記二次冷卻ステップの後に、更に表面処理ステップを実施し、前記表面処理ステップにおいて、シリコングラスファイバークロスの高密度研磨層と対向する一側に処理剤を塗布することを特徴とする請求項1記載のプローブクリーニングシートの製造方法。
【請求項3】
前記表面処理ステップの後、更に前記低密度研磨層の表面に離型フィルムを貼り付け、前記離型フィルムは前記低密度研磨層と自在に接着剥離できることを特徴とする請求項2記載のプローブクリーニングシートの製造方法。
【請求項4】
前記プローブクリーニングシートニングシートの製造方法は、更に前記シリコングラスファイバークロスの高密度研磨層と反対側に接着剤を貼り付けることを特徴とする請求項3記載のプローブクリーニングシートニングシートの製造方法。
【請求項5】
前記一次印刷ステップにおいて、前記シリコングラスファイバークロス上にプリントされた高密度研磨層、および前記高密度研磨層上にプリントされた低密度研磨層は更にインクおよび複数の砥粒を含み、前記インクと各砥粒は相互に撹拌混合し、前記高密度研磨層内の各砥粒間の距離は前記低密度研磨層内の各砥粒間の距離よりも小さいことを特徴とする請求項1から4記載のプローブクリーニングシートの製造方法。
【請求項6】
前記インクはシリコン材質であり、各砥粒は球形酸化アルミニウムであり、且つ各砥粒の粒直径は2~5umであることを特徴とする請求項5記載のプローブクリーニングシートの製造方法。
【請求項7】
内部に複数のグラスファイバーおよびシリコンを有し、前記シリコンは各グラスファイバーの間の隙間および表面に塗布されるシリコングラスファイバークロス層と、
前記シリコングラスファイバークロス層の一側にプリントされ、少なくとも一つの高密度研磨層および少なくとも一つの低密度研磨層を含む研磨層セットであって、前記少なくとも一つの高密度研磨層は前記シリコングラスファイバークロス層の一側にプリントされ、前記シリコンは前記少なくとも一つの高密度研磨層を粘着させ、前記少なくとも一つの低密度研磨層は前記少なくとも一つの高密度研磨層の最上面にプリントされ、シリコングラスファイバークロス層に対向する研磨層セットと、
を含む低穿刺プロセスのプローブクリーニングシートにおいて、
そのうち、前記シリコングラスファイバークロス層と前記研磨層セットをプリント結合させ、前記シリコングラスファイバークロス層の弾性によって前記プローブクリーニングシートの凹み湾曲、カールを防止し、且つ印刷の際、シリコングラスファイバークロス層と前記研磨層セットの結合の作業時間が更に短くなり、更に生産効率が向上することを特徴とする低穿刺プロセスのプローブクリーニングシート。
【請求項8】
前記低穿刺プロセスのプローブクリーニングシートは、更に前記少なくとも一つの低密度研磨層の表面に離型フィルムを貼り付け、前記離型フィルムは前記少なくとも一つの低密度研磨層と自在に接着剥離できることを特徴とする請求項7記載の低穿刺プロセスのプローブクリーニングシート。
【請求項9】
前記低穿刺プロセスのプローブクリーニングシートは、更に前記シリコングラスファイバークロス層の高密度研磨層と反対側に接着剤を貼り付けることを特徴とする請求項8記載の低穿刺プロセスのプローブクリーニングシート。
【請求項10】
前記少なくとも一つの高密度研磨層および前記少なくとも一つの低密度研磨層は、更にインクおよび複数の砥粒を含み、前記インクと各砥粒は相互に撹拌混合し、また前記高密度研磨層内の各砥粒間の距離は前記低密度研磨層内の各砥粒間の距離よりも小さいことを特徴とする請求項7記載の低穿刺プロセスのプローブクリーニングシート。
【請求項11】
前記インクはシリコン材質であり、各砥粒は球形酸化アルミニウムであり、且つ各砥粒の粒直径は2~5umであることを特徴とする請求項10記載の低穿刺プロセスのプローブクリーニングシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低穿刺プロセスのプローブクリーニングシートおよびその製造方法に関し、特に電子機械領域の技術において主にプローブをクリーニングするのに用いる。
【背景技術】
【0002】
プローブは、各種電子部品の電極に接触し、通電検査を実施するための検査器具に用いられる。それは各種電子部品の検査に広く運用されており、検査できる電子部品対象は非常に多く、半導体、液晶パネル、ブランク基板、実装プリント基板、コネクタ、コンデンサ、センサー、電池等を含む。検査内容は通電チェックに加え、部品が回路内で動作するための検査(回路テスト)に用いるデータを収集する事、および機能検査(機能テストの)時の動作チェック等がある。そして仮にプローブに不純物、瑕疵または欠落があった場合、電子部品のテスト結果に影響を与える可能性がある。
【0003】
上述の他に、プローブ上に堆積した汚染物を取り除く方法として、よく見かけるのがQAの天然繊維ブラシ(TBR-1)でプローブの先端を軽くブラッシングする。最後に真空掃除機で落ちた粉塵を取り除くか、もしくは市場でよく見かけるプローブクリーニングクロスで拭き取る。しかしながら、市場のプローブクリーニングクロスは製造過程において、異なる材質を重ねて加工し、且つ異なる材質の間の重合では接着剤で粘着する必要があるため、公知のプローブクリーニングクロスは製作過程において、焼成加熱と冷卻のプロセスを経る必要があり、異なる材質が上述の加熱、冷卻プロセスを減ることで本体の特性が変化し、熱膨張冷却収縮後、変化量が異なり、延性が変化し、更にはプローブクリーニングクロスが凹み湾曲した形態になり、且つ凹んで湾曲したときに異なる材質の間には隙間が発生して気泡が生成されてしまう。
【0004】
上述の問題に加えて公知のプローブクリーニングクロスは製作において、使用する材質が硬い材質であるため、製作には時間と手間がかかり、更に注意を怠ると壊れてしまう。拠って、関連業者は公知のプローブクリーニングクロスの問題を改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
製作においてより迅速で且つ製品が凹んだり、巻いたり、気泡が発生するのを回避し、が異なる材質が相互に重合し且つ材質と材質の間が粘着させるだけで異なる材質が各々の温度特性を有するため、熱膨張冷却収縮のプロセス作業後に湾曲、カール、気泡の発生等問題を改善する公知のプローブクリーニングクロス提供することを本発明の主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は前述の目的と効果を達成するため、本発明のプローブクリーニングシートの製作方法のステップに以下を含む。
材料準備ステップにおいて、巻いて成形されたシリコングラスファイバークロスを準備し、該シリコングラスファイバークロスを必要なサイズに裁断して印刷機に入れる。
一次印刷ステップにおいて、該印刷機を開き、該シリコングラスファイバークロスを該印刷機治具に巻き入れ、該印刷機で該シリコングラスファイバークロスの一側面に対して高密度印刷を施し、該シリコングラスファイバークロスの一側に高密度研磨層を形成させる。
一次焼成ステップにおいて、該高密度研磨層が形成されたシリコングラスファイバークロスを焼成機の中に入れて第一次焼成作業を行い、該シリコングラスファイバークロス上のシリコンと高密度研磨層の間を結合させる。
一次冷卻ステップにおいて、上述の該一次焼成ステップ完成後、次に高密度研磨層を有するシリコングラスファイバークロスを冷却機に入れ、該冷却機に依る温度によって第一次冷卻作業を行い、該シリコングラスファイバークロス内のシリコンと高密度研磨層の間を結合させる。
二次印刷ステップにおいて、上述の該一次冷卻ステップ後のシリコングラスファイバークロスを再度該印刷機に入れ、該印刷機で低密度の印刷を行い、該高密度研磨層の一側に低密度研磨層を形成し、該低密度研磨層は該シリコングラスファイバークロスに対向する。
二次焼成ステップにおいて、該シリコングラスファイバークロスを再度該焼成機の中に入れて第二次焼成作業を行い、該低密度研磨層と該高密度研磨層を結合させることができる。
二次冷卻ステップにおいて、上述の該二次焼成ステップ完成後、再度該冷却機の中に入れて冷卻作業を行い、該低密度研磨層を硬化させて該高密度研磨層としっかりと結合させる。
【0007】
本発明の低穿刺プロセスのプローブクリーニングシートは、以下を含む。
シリコングラスファイバークロス層は、その内部に複数のグラスファイバーおよびシリコンを有し、該シリコンは各グラスファイバーの間の隙間および表面に塗布される。
研磨層セットは、該シリコングラスファイバークロス層の一側にプリントし、該研磨層セットは少なくとも一つの高密度研磨層および少なくとも一つの低密度研磨層を含む。該少なくとも一つの高密度研磨層は該シリコングラスファイバークロス層の一側にプリントされ、該シリコンは該少なくとも一つの高密度研磨層を粘着させる。該少なくとも一つの低密度研磨層は該少なくとも一つの高密度研磨層の最上面にプリントされ、シリコングラスファイバークロス層に対向する。
そのうち、該シリコングラスファイバークロス層と該研磨層セットをプリント結合させ、該シリコングラスファイバークロス層の耐高温、高い引張強度を利用して該プローブクリーニングシートが凹み湾曲、カールするのを防止し、更に印刷の際、シリコングラスファイバークロス層と該研磨層セットの結合の作業時間が更に短くなり、更に生産効率が向上する。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、シリコングラスファイバークロス層のクロスの特性として高い引張強度を有する。それと該研磨層セットを結合の後、焼成と冷卻のプロセス操作を経て、凹み湾曲、カールの問題が発生しなくなり、製品は更に平坦になり、且つプローブクリーニングシート内部に気泡が入りプローブのクリーニングに影響を与えることを回避する。その他、プローブクリーニングシートの製作において、プリント操作方式で高密度研磨層をシリコングラスファイバークロス上にプリント付着させることで、層と層の間に新たに粘着剤を添加するのを大幅に減らし、更に粘着剤が乾くまで待つ時間の節約になり、更に重要な事として、各材質に適した焼成冷却の温度が異なることを考慮しなくてもよい。拠って該プローブクリーニングシート変形、凹み湾曲、カール、気泡等問題の発生を確実に防止する。これらにより、本発明は実用性および進歩性を有し、産業上の利用性にも優れ、社会に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のステップフロー指示図である。
図2】本発明の機構フロー指示図である。
図3】本発明のプローブクリーニングシートの立体指示図である。
図4図3のIV-IV線の断面指示図である。
図5】本発明の別の一実施例立体指示図である。
図6図5の高密度研磨層と低密度研磨層各二層のVI-VI線の断面指示図である。
図7】本発明の更に別の一実施例立体指示図である。
図8図7のVIII-VIII線の断面指示図である。
図9】本発明の更に別の一実施例立体指示図である。
図10図9のX-X線の断面指示図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(一実施形態)
本発明が達成する上述の目的および効果を明らかにするため、図式を示し、実施例を挙げて詳細にその特徴と効果を説明する。図1から図4に示すとおり、まず本発明ステップフローの画定、本発明のプローブクリーニングシートの製作方法、該プローブクリーニングシート100の製作ステップは以下を含む。
材料準備ステップS1について、それは巻いて成形されたシリコングラスファイバークロス10を準備し、シリコングラスファイバークロス10を必要なサイズに裁断し、それを印刷機101に入れる。
一次印刷ステップS2について、該印刷機101を開いて該シリコングラスファイバークロス10片を入れ、該印刷機101で該シリコングラスファイバークロス10の一側面に高密度印刷を施し、該シリコングラスファイバークロス10の一側に高密度研磨層20を形成させる。
一次焼成ステップS3について、該高密度研磨層20が形成されたシリコングラスファイバークロス10を焼成機201の中に入れて第一次焼成作業を行い、該シリコングラスファイバークロス10のシリコン1032に高密度研磨層20を結合させる。
一次冷卻ステップS4について、上述の該一次焼成ステップS3完成後、次に高密度研磨層20を有するシリコングラスファイバークロス10を冷却機202に入れ、該冷却機202で第一次冷卻作業を行う。
二次印刷ステップS5について、上述の該一次冷卻ステップS4後のシリコングラスファイバークロス10を再度該印刷機101に入れ、該印刷機101で低密度印刷を行い、該高密度研磨層20の一側に低密度研磨層30を形成し、該低密度研磨層30は該シリコングラスファイバークロス10に対向する。
二次焼成ステップS6について、該シリコングラスファイバークロス10を再度該焼成機201の中に入れて第二次焼成作業を行うことで、該低密度研磨層30と該高密度研磨層20を結合させることができる。
二次冷卻ステップS7について、上述の該二次焼成ステップS6完成後、再度該冷却機202の中に入れて冷卻作業を行う。そのうち、一次焼成ステップS3、二次焼成ステップS6において二階段焼成作業方式を採用し、第一階段ではまず仮焼きを行い、60~70℃で、仮焼きを5~10分間に設定する。第二階段の本焼きは180~200℃で本焼きを20~30分間に設定する。
【0011】
構造について、上述の製作方法にもとづき画定する(すでに画定された部品は再度、画定されない)。本発明の構造の部分において、該プローブクリーニングシート100は主に以下を含む。
シリコングラスファイバークロス層103(即ち前述のシリコングラスファイバークロス10は、製作方法と純構造上の画定を区別するにすぎない)の内部は複数のグラスファイバー1031およびシリコン1032を有し、該シリコン1032は各グラスファイバー1031の間の隙間および表面に塗布される。
研磨層セット40は、該シリコングラスファイバークロス層103の一側にプリントし、該研磨層セット40は少なくとも一つの高密度研磨層20および少なくとも一つの低密度研磨層30を含む。該少なくとも一つの高密度研磨層20は該シリコングラスファイバークロス層103の一側にプリントされ、該シリコン1032は該少なくとも一つの高密度研磨層20を粘着させる。また該少なくとも一つの低密度研磨層30は該少なくとも一つの高密度研磨層20の最上面にプリントされ、シリコングラスファイバークロス層103に対向する。
そのうち、該シリコングラスファイバークロス層103と該研磨層セット40をプリント結合させ、該シリコングラスファイバークロス層103の高い引張強度を用いることで、該プローブクリーニングシート100が凹み湾曲、カールを防止し、且つ印刷の際、シリコングラスファイバークロス層103と該研磨層セット40の結合の作業時間が更に短くなり、更に生産効率が向上する。
【0012】
上述の該プローブクリーニングシート100の製作過程および構造説明において、該シリコングラスファイバークロス10の使用により、更に高密度研磨層20、低密度研磨層30をプリント方式で接合し、且つ該シリコングラスファイバークロス10本体が耐高温性、防腐食性、高引張強度性、高絶縁性、低温-50度から高温250度の耐熱性、防化学腐食性、耐劣化性および耐摩耗性の特性を有する事により、製程過程において焼成および冷卻のプロセスでも凹み湾曲、カールの変化が生じにくく、該プローブクリーニングシート100の完成品は良好な平面性、完全性を有し、また隙間や気泡が生成されないため、プローブ作動過程においてプローブを確実にクリーニングし、且つプローブの外表面に影響しない。
また、製作の方面では、シリコングラスファイバークロス10を使用するため、高密度研磨層20をシリコングラスファイバークロス10表面に直接プリントでき、シリコングラスファイバークロス10を傷つけないだけでなく、高密度研磨層20をシリコングラスファイバークロス10上に確実にプリントでき、粘着剤の類のサイシング剤を新たに添加する必要がなく、シリコングラスファイバークロス10本体に含まれるシリコン1032を用いるため、焼成、冷卻の変化に依る熱脹冷縮発生の問題を考慮する必要がない。
【0013】
本発明の製造工程の主な特徴が明らかになったところで、次に製作方法の細部特徴を詳細に説明する。まずは図4に示すとおり、まずは該プローブクリーニングシート100が制作完成後に収納でき、且つ使用しないときにはその表面が保護されるように、該二次冷卻ステップS7の後に表面処理ステップS8を行う。該シリコングラスファイバークロス10の高密度研磨層20と反対の一側表面に処理剤を塗布した後、接着剤70を貼り付け、該低密度研磨層30の表面には離型フィルム60を貼り付ける。該離型フィルム60は該低密度研磨層30と自在に接着剥離できる。該離型フィルム60の用途は主に異物の付着を回避することである。離型フィルム60を剥がすと、プローブの針先が低密度研磨層30の表面に穿刺され研磨に拠ってクリーニングされ、引き続き高密度研磨層20に穿刺され更に細かく研磨クリーニングされ、プローブ針表面の汚れを有効に剥がす。更にシリコングラスファイバークロス10内にあるシリコン1032自身に備わる負電荷および親油特性によって、プローブの汚れを研磨層セット40(低密度研磨層30と高密度研磨層20を含む)およびシリコングラスファイバークロス10のシリコン1032上に転移させる。シリコングラスファイバークロス10の複数のグラスファイバー1031の用途は更にプローブの過圧によって直接機台にぶつかり針先が損傷するのを防止する。該接着剤70は該プローブクリーニングシート100を必要な機台上に貼り付けるのに用いる。
【0014】
その他、本発明の高密度研磨層20および低密度研磨層30の形成において、該一次印刷ステップS2および該二次印刷ステップS5の時に使用する印刷機101に印刷顏料を添加する。この印刷顏料は主にインクAおよび複数の砥粒Bから構成され、主に各砥粒BをインクA内に添加し、続いて撹拌、冷蔵する。そのうちインクAはシリコン材質で、砥粒Bは酸化アルミニウムである。各砥粒Bの粒は直径が2~5umで、インクAとの間の架橋結合力を高め、使用過程で砥粒Bが剥がれるのを防止するため、砥粒Bにはシリコン親和性の表面処理を行う。また高密度研磨層20と低密度研磨層30の違いは、インクAに添加された各砥粒Bの間の距離にあり、該高密度研磨層20の各砥粒Bの間の距離は該低密度研磨層30の各砥粒Bの間の距離よりも小さいため、高密度研磨層20と低密度研磨層30はプローブ先端に対するクリーニング効果が異なる。図3図5に示す。
【0015】
最後に本発明の研磨層セット40(高密度研磨層20と低密度研磨層30を含む)の設置について、プローブのクリーニング力を強化するため、図3のように一層ずつ設置する以外に、図4図5に示すとおり複数層に増やして設置してもよく、該高密度研磨層20と該低密度研磨層30の数はそれぞれ二層ずつとしてもよく、且つ各層が交互に配列設置する。多層の設置によって該プローブクリーニングシート100はプローブ先端に対するクリーニング力が強化される。
更にユーザーの要求に応えるため、シリコングラスファイバークロス層103のシリコン1032量を調整することができる。図4のように紡績後のグラスファイバー1031の上下層どちらにもシリコン1032を充填する他に、図7図8のようにシリコン1032を紡績後のグラスファイバー1031の一側だけに充填してもよく、接着剤70は紡績後のグラスファイバー1031別一側に直接接着してもよく、ユーザーに合わせてプローブクリーニングシート100の厚みを調整できる。
もしくは紡績後のシリコングラスファイバークロス層103の上下層どちらにも研磨層セット40(高密度研磨層20および低密度研磨層30を含む)をプリントできる。最後に離型フィルム60によって保護することで、図9図10に示すとおり、単一のプローブクリーニングシート100が両面使用の効果を有する。
【符号の説明】
【0016】
10 シリコングラスファイバークロス
100 プローブクリーニングシート
101 印刷機
103 シリコングラスファイバークロス層
1031 グラスファイバー
1032 シリコン
20 高密度研磨層
201 焼成機
202 冷却機
30 低密度研磨層
40 研磨層セット
50 研磨機
60 離型フィルム
70 接着剤
A インク
B 砥粒
S1 材料準備ステップ
S2 一次印刷ステップ
S3 一次焼成ステップ
S4 一次冷卻ステップ
S5 二次印刷ステップ
S6 二次焼成ステップ
S7 二次冷卻ステップ
S8 表面処理ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブクリーニングシートの製造方法において、そのうち、
巻いて成形されたシリコングラスファイバークロスを準備し、前記シリコングラスファイバークロスを必要なサイズに切断して印刷機の治具上に置く材料準備ステップと、
前記印刷機を開き、前記印刷機で前記シリコングラスファイバークロスの一側面に対して高密度印刷を施し、前記シリコングラスファイバークロスの一側に高密度研磨層を形成させる一次印刷ステップと、
前記高密度研磨層が形成されたシリコングラスファイバークロスを焼成機の中に入れて第一次焼成作業を行い、前記シリコングラスファイバークロスのシリコンに高密度研磨層を結合させる一次焼成ステップと、
上述の前記一次焼成ステップ完成後、次に高密度研磨層を有するシリコングラスファイバークロスを冷却機に入れ、前記冷却機に依る温度によって第一次冷卻作業を行う一次冷卻ステップと、
上述の前記一次冷卻ステップ後のシリコングラスファイバークロスを再度前記印刷機に入れ、前記印刷機で低密度の印刷を行い、前記高密度研磨層の一側に低密度研磨層を形成し、前記低密度研磨層は前記シリコングラスファイバークロスに対向する二次印刷ステップと、
前記シリコングラスファイバークロスを再度前記焼成機の中に入れて第二次焼成作業を行い、前記低密度研磨層と前記高密度研磨層を結合させることができる二次焼成ステップと、
上述の前記二次焼成ステップ完成後、再度、前記冷却機内に入れて冷卻作業を行う二次冷卻ステップと、
を含み、
前記一次印刷ステップにおいて、前記シリコングラスファイバークロス上にプリントされた高密度研磨層、および前記高密度研磨層上にプリントされた低密度研磨層は更にインクおよび複数の砥粒を含み、前記インクと各砥粒は相互に撹拌混合し、前記高密度研磨層内の各砥粒間の距離は前記低密度研磨層内の各砥粒間の距離よりも小さいことを特徴とするプローブクリーニングシートの製造方法。
【請求項2】
前記二次冷卻ステップの後に、更に表面処理ステップを実施し、前記表面処理ステップにおいて、シリコングラスファイバークロスの高密度研磨層と対向する一側に処理剤を塗布することを特徴とする請求項1記載のプローブクリーニングシートの製造方法。
【請求項3】
前記表面処理ステップの後、更に前記低密度研磨層の表面に離型フィルムを貼り付け、前記離型フィルムは前記低密度研磨層と自在に接着剥離できることを特徴とする請求項2記載のプローブクリーニングシートの製造方法。
【請求項4】
前記プローブクリーニングシートの製造方法は、更に前記シリコングラスファイバークロスの高密度研磨層と反対側に接着剤を貼り付けることを特徴とする請求項3記載のプローブクリーニングシートの製造方法。
【請求項5】
前記インクはシリコン材質であり、各砥粒は球形酸化アルミニウムであり、且つ各砥粒の粒直径は2~5umであることを特徴とする請求項記載のプローブクリーニングシートの製造方法。
【請求項6】
内部に複数のグラスファイバーおよびシリコンを有し、前記シリコンは各グラスファイバーの間の隙間および表面に塗布されるシリコングラスファイバークロス層と、
前記シリコングラスファイバークロス層の一側にプリントされ、少なくとも一つの高密度研磨層および少なくとも一つの低密度研磨層を含む研磨層セットであって、前記少なくとも一つの高密度研磨層は前記シリコングラスファイバークロス層の一側にプリントされ、前記シリコンは前記少なくとも一つの高密度研磨層を粘着させ、前記少なくとも一つの低密度研磨層は前記少なくとも一つの高密度研磨層の最上面にプリントされ、シリコングラスファイバークロス層に対向する研磨層セットと、
を含むプローブクリーニングシートにおいて、
そのうち、前記シリコングラスファイバークロス層と前記研磨層セットをプリント結合させ、
前記少なくとも一つの高密度研磨層および前記少なくとも一つの低密度研磨層は、更にインクおよび複数の砥粒を含み、前記インクと各砥粒は相互に撹拌混合し、また前記高密度研磨層内の各砥粒間の距離は前記低密度研磨層内の各砥粒間の距離よりも小さいことを特徴とするプローブクリーニングシート。
【請求項7】
記プローブクリーニングシートは、更に前記少なくとも一つの低密度研磨層の表面に離型フィルムを貼り付け、前記離型フィルムは前記少なくとも一つの低密度研磨層と自在に接着剥離できることを特徴とする請求項記載のプローブクリーニングシート。
【請求項8】
記プローブクリーニングシートは、更に前記シリコングラスファイバークロス層の高密度研磨層と反対側に接着剤を貼り付けることを特徴とする請求項記載のプローブクリーニングシート。
【請求項9】
前記インクはシリコン材質であり、各砥粒は球形酸化アルミニウムであり、且つ各砥粒の粒直径は2~5umであることを特徴とする請求項記載のプローブクリーニングシート。