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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159290
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ガス検知器
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/12 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
G01N27/12 B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075176
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000190301
【氏名又は名称】新コスモス電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 信二
(72)【発明者】
【氏名】浦崎 康司
【テーマコード(参考)】
2G046
【Fターム(参考)】
2G046AA05
2G046AA07
2G046AA08
2G046AA10
2G046AA11
2G046AA12
2G046AA14
2G046AA19
2G046AA24
2G046BH02
2G046BJ11
(57)【要約】
【課題】ガス検知器が装着対象物に装着されている状態で、ガス検知器が所定ガスを十分に検知できるようにする。
【解決手段】ガス検知器(1)は、所定ガスを検知するガス検知素子(3)と、第1端(21)と、第1端(21)とは反対側にある第2端(22)と、を有し、ガス検知素子(3)を収容する筒状の筐体(2)と、筐体(2)のうち第1端(21)側に設けられ、筐体(2)を装着対象物に装着するための装着部(4)と、を備え、筐体(2)のうち第1端(21)側には、所定ガスを筐体(2)の内部に導入するための検知孔(23)が形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定ガスを検知するガス検知素子と、
第1端と、前記第1端とは反対側にある第2端と、を有し、前記ガス検知素子を収容する筒状の筐体と、
前記筐体のうち前記第1端側に設けられ、前記筐体を装着対象物に装着するための装着部と、を備え、
前記筐体のうち前記第1端側には、前記所定ガスを前記筐体の内部に導入するための検知孔が形成されることを特徴とするガス検知器。
【請求項2】
前記検知孔は、前記筐体のうち、前記筐体と前記装着部との接続箇所よりも前記第1端に近い位置に形成されることを特徴とする請求項1に記載のガス検知器。
【請求項3】
前記ガス検知素子は、前記筐体の内部のうち前記第1端側に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載のガス検知器。
【請求項4】
前記ガス検知素子は、前記筐体の内部のうち、前記接続箇所よりも前記第1端に近い位置に設けられることを特徴とする請求項2に記載のガス検知器。
【請求項5】
前記筐体の内部のうち前記第1端側に設けられ、前記ガス検知器の外部の機器と通信可能な通信部をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のガス検知器。
【請求項6】
前記通信部は、前記筐体の内部のうち、前記筐体と前記装着部との接続箇所よりも前記第1端に近い位置に設けられることを特徴とする請求項5に記載のガス検知器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガス検知器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、各種センサが設けられ、携帯性に優れたペン型の電子機器が開示されている。特許文献1に開示の電子機器は、手に持って使用されることが想定されており、電子機器においてクリップとは反対側にセンサ素子が設けられ、貫通孔が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-146909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、ガス検知器においては、使用者の目的はガスを検知すること自体ではなく、使用者の作業中の安全を確保するためにガス検知器が使用されることが多い。このため、ガス検知器は、手に持って使用されるだけではなく、使用者に装着して使用されることもある。よって、特許文献1に開示の電子機器が、ガス検知器として使用者に装着して使用される場合、衣服のポケット等にクリップによって装着されることが考えられる。
【0005】
しかし、特許文献1に開示の電子機器では、電子機器においてクリップとは反対側にセンサ素子が設けられ、貫通孔が形成されている。このため、電子機器がポケットに収容されるようにポケットに装着された場合、センサ素子及び貫通孔がポケットに覆われ、センサ素子の所望の機能を十分に発揮できないという懸念が生じる。本開示の一態様は、ガス検知器が装着対象物に装着されている状態で、ガス検知器が所定ガスを十分に検知できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の第1態様のガス検知器は、所定ガスを検知するガス検知素子と、第1端と、前記第1端とは反対側にある第2端と、を有し、前記ガス検知素子を収容する筒状の筐体と、前記筐体のうち前記第1端側に設けられ、前記筐体を装着対象物に装着するための装着部と、を備え、前記筐体のうち前記第1端側には、前記所定ガスを前記筐体の内部に導入するための検知孔が形成される。
【0007】
筐体において装着部が設けられている側と同じ側に検知孔が形成される。これにより、筐体が装着部により衣服のポケット等に装着された場合、筐体における検知孔が形成される部分をポケット等から露出させることができる、または、ポケットの開口近傍に位置させることができる。このため、検知孔から筐体の内部に十分な量の所定ガスを導入することができ、ガス検知器がポケット等に装着されている状態において、ガス検知器は所定ガスを検知するという機能を十分に発揮することができる。
【0008】
本開示の第2態様のガス検知器では、第1態様のガス検知器において、前記検知孔は、前記筐体のうち、前記筐体と前記装着部との接続箇所よりも前記第1端に近い位置に形成されてもよい。
【0009】
検知孔が筐体と装着部との接続箇所よりも第1端に近い位置に形成される。これにより、ガス検知器が装着部により衣服のポケット等に装着される場合、筐体における検知孔が形成される部分をポケット等からより十分に露出させることができる、または、ポケットの開口により十分に近い位置に配置することができる。よって、検知孔から筐体の内部に、より十分な量の所定ガスを導入することができる。
【0010】
本開示の第3態様のガス検知器では、第1態様または第2態様のガス検知器において、前記ガス検知素子は、前記筐体の内部のうち前記第1端側に設けられてもよい。検知孔は、筐体の第1端側に形成されており、ガス検知素子は、筐体の内部のうち第1端側に設けられる。これにより、ガス検知素子が検知孔の近傍に設けられることになり、ガス検知素子に検知孔から導入された所定ガスを検知させ易くできる。
【0011】
本開示の第4態様のガス検知器では、第2態様のガス検知器において、前記ガス検知素子は、前記筐体の内部のうち、前記接続箇所よりも前記第1端に近い位置に設けられてもよい。
【0012】
検知孔が筐体と装着部との接続箇所よりも第1端に近い位置に形成されており、ガス検知素子が当該接続箇所よりも第1端に近い位置に設けられる。これにより、ガス検知器が装着部により衣服のポケット等に装着される場合、筐体における検知孔が形成される部分をポケット等からより十分に露出させることができる、または、ポケットの開口により十分に近い位置に配置することができる。このため、ガス検知素子が検知孔の近傍に設けられることになる。よって、ガス検知素子に検知孔から導入された所定ガスをより検知させ易くできる。
【0013】
本開示の第5態様のガス検知器は、第1態様または第2態様のガス検知器において、前記筐体の内部のうち前記第1端側に設けられ、前記ガス検知器の外部の機器と通信可能な通信部をさらに備えてもよい。
【0014】
ガス検知器が装着部により衣服のポケット等に装着される場合、通信部はポケット等の外部に位置することになる、または、ポケットの開口近傍に位置することになる。よって、通信部にガス検知器の外部の機器と通信させ易くできる。
【0015】
本開示の第6態様のガス検知器では、第5態様のガス検知器において、前記通信部は、前記筐体の内部のうち、前記筐体と前記装着部との接続箇所よりも前記第1端に近い位置に設けられてもよい。
【0016】
通信部は、筐体と装着部との接続箇所よりも筐体の第1端に近い位置に設けられる。これにより、通信部は筐体の外部により近い位置に配置されることになる。よって、通信部にガス検知器の外部の機器とより通信させ易くできる。
【発明の効果】
【0017】
本開示の一態様によれば、ガス検知器が装着対象物に装着されている状態で、ガス検知器が所定ガスを十分に検知できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の実施形態に係るガス検知器の構成を示す図である。
図2図1に示すガス検知器の電気的構成を示すブロック図である。
図3図1に示すガス検知器が衣服のポケットに装着されている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<ガス検知器1の構成>
図1は、本開示の実施形態に係るガス検知器1の構成を示す図である。図1の符号101は、ガス検知器1の正面図であり、図1の符号102は、ガス検知器1の背面図であり、図1の符号103は、ガス検知器1の斜視図である。ガス検知器1は、工場等の作業現場で作業する作業者が装着して使用するものである。また、ガス検知器1は、病院等の医療施設で勤務する医療関係者が装着して使用するものであってもよい。さらに、ガス検知器1は、作業者または医療関係者が手に持って使用するものであってもよい。
【0020】
ガス検知器1は、装着対象物として、例えば、作業者または医療関係者の衣服のポケット等に装着可能なものである。また、ガス検知器1は、装着対象物として、作業者または医療関係者が持っているカバン等に装着可能なものであってもよい。図1の符号101~103に示すように、ガス検知器1は、筐体2と、ガス検知素子3と、装着部4と、通信部5と、音声出力部6と、発光部7と、操作部8と、電源スイッチ9と、電池収容部10と、を備える。ガス検知器1は、ペン型の形状に形成されている。
【0021】
なお、ガス検知器1において、発光部7が設けられ、開口孔24が形成されている側をガス検知器1の正面側とし、ガス検知器1において、装着部4が設けられている側をガス検知器1の背面側とする。換言すると、背面側は筐体2の軸心から装着部4に向かう側であり、正面側は筐体2の軸心から装着部4に向かう側とは反対方向に向かう側である。
【0022】
<筐体2の構成>
筐体2は、筒状に形成されており、第1端21と、第1端21とは反対側にある第2端22と、を有する。筐体2は、ガス検知素子3と、通信部5と、音声出力部6と、を収容する。図1の符号103に示すように、筐体2は、円柱状に形成されているが、これに限定されず、例えば、三角柱または四角柱等の多角柱状に形成されていてもよい。
【0023】
筐体2のうち第1端21側には、所定ガスを筐体2の内部に導入するための複数の検知孔23が形成されている。筐体2のうち第1端21側とは、筐体2のうち、筐体2の延伸方向における中央位置よりも第1端21側の位置である。筐体2の延伸方向は、第1端21及び第2端22が並ぶ方向である。複数の検知孔23は、第1端21に沿って形成されている。なお、筐体2のうち第1端21側には、1つの検知孔23が形成されていてもよい。
【0024】
また、複数の検知孔23は、筐体2のうち、筐体2と装着部4との接続箇所41よりも第1端21に近い位置に形成されていることが好ましい。これにより、ガス検知器1が装着部4により衣服のポケット等に装着される場合、筐体2における検知孔23が形成される部分をポケット等から十分に露出させることができる、または、ポケットの開口に十分に近い位置に配置することができる。よって、検知孔23から筐体2の内部に十分な量の所定ガスを導入することができる。
【0025】
さらに、複数の検知孔23は、曲面状に形成されている筐体2の側面2Sにおける第1端21の近傍に形成されている。筐体2が装着対象物に装着された状態で、筐体2における複数の検知孔23が形成される部分を装着対象物から露出させるために、複数の検知孔23は、以下に説明する位置に形成されていることが好ましい。
【0026】
具体的には、筐体2が円柱状に形成されている場合、複数の検知孔23は、筐体2のうち、接続箇所41の近傍以外の部分に形成されていることが好ましく、装着部4と重なる部分以外の部分に形成されていることが好ましい。筐体2が多角柱状に形成されている場合、複数の検知孔23は、筐体2の側面のうち、装着部4が設けられる側面以外の側面に設けられることが好ましい。なお、複数の検知孔23は、筐体2の第1端21を構成している上面2Tに形成されていてもよい。
【0027】
筐体2において装着部4が設けられている側と同じ側に検知孔23が形成されることで、筐体2をポケット等に収容した場合、ポケット等の開口の近傍に検知孔23が位置することになる。このため、所定ガスを検知孔23から筐体2の内部に導入することができる。また、装着部4の近傍に検知孔23を位置させることが好ましく、この場合、ポケット等の開口の近傍に検知孔23が位置するため、筐体2の内部に所定ガスをより導入することができる。
【0028】
<ガス検知素子3の構成>
ガス検知素子3は、検知孔23により筐体2の外部から筐体2の内部に導入された所定ガスを検知する。例えば、ガス検知素子3は、所定ガスの濃度を検出する。ガス検知素子3は、所定ガスとして、例えば、エタノールガス、メタンガス、水素ガス、二酸化炭素ガス、酸素ガス、一酸化炭素ガス、硫化水素ガス、二酸化硫黄ガス、塩素ガスまたはアンモニアガスのいずれかを検出する。
【0029】
また、ガス検知素子3は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical System)型のセンサ、定電位電解式センサ、NDIR(Non-Dispersive Infrared)センサ、接触燃焼式センサまたは半導体式センサである。なお、ガス検知器1は、複数のガス検知素子3を備えていてもよく、複数のガス検知素子3がそれぞれ、互いに異なる種類の所定ガスを検出してもよい。
【0030】
ガス検知素子3は、筐体2の内部のうち第1端21側に設けられることが好ましい。筐体2の内部のうち第1端21側とは、筐体2の内部のうち、筐体2の延伸方向における中央位置よりも第1端21側の位置である。上述のように、検知孔23は、筐体2の第1端21側に形成されており、ガス検知素子3は、筐体2の内部のうち第1端21側に設けられる。これにより、ガス検知素子3が検知孔23の近傍に設けられることになり、ガス検知素子3に検知孔23から導入された所定ガスを検知させ易くできる。
【0031】
さらに、ガス検知素子3は、筐体2の内部のうち、接続箇所41よりも第1端21に近い位置に設けられることがより好ましい。上述のように、検知孔23が接続箇所41よりも第1端21に近い位置に形成されており、ガス検知素子3が接続箇所41よりも第1端21に近い位置に設けられる。
【0032】
これにより、ガス検知器1が装着部4により衣服のポケット等に装着される場合、筐体2における検知孔23が形成される部分をポケット等からより十分に露出させることができる、または、ポケットの開口により十分に近い位置に配置することができる。このため、ガス検知素子3が検知孔23の近傍に設けられることになる。よって、ガス検知素子3に検知孔23から導入された所定ガスをより検知させ易くできる。
【0033】
<装着部4の構成>
装着部4は、筐体2のうち第1端21側に設けられ、筐体2を装着対象物に装着するためのものである。装着部4は、筐体2の側面2Sで筐体2と接続され、筐体2と接続される接続箇所41を起点として、筐体2から離れる方向に延伸し、第1端21から第2端22に向かう方向に曲がるように形成され、筐体2の延伸方向に沿って延伸する。筐体2と装着部4との間には隙間SPが形成され、隙間SPに装着対象物の一部を入れることにより、筐体2が装着対象物に装着される。装着部4は、例えば、装着対象物の一部を挟むクリップ等の留め具である。
【0034】
ガス検知器1を装着部4により装着対象物に装着することができるため、作業者または医療関係者は、衣服にガス検知器1を装着した状態で作業を行うことができる。よって、作業者または医療関係者が作業を行っている間、ガス検知器1が所定ガスを検知することにより、作業者または医療関係者の安全を確保することができる。
【0035】
<通信部5の構成>
通信部5は、筐体2の内部のうち第1端21側に設けられ、ガス検知器1の外部の機器16と通信可能なものである。外部の機器16については図2に示し、外部の機器16の詳細は後述する。通信部5は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を用いて、外部の機器16と通信可能なものである。なお、通信部5は、Wifi(登録商標)、LoRaWAN(登録商標)またはローカル5G(登録商標)等の他の無線通信方式で外部の機器16と通信可能なものであってもよい。
【0036】
ガス検知器1が装着部4により衣服のポケット等に装着される場合、通信部5はポケット等の外部に位置することになる、または、ポケットの開口近傍に位置することになる。よって、通信部5にガス検知器1の外部の機器16と通信させ易くできる。
【0037】
また、通信部5は、筐体2の内部のうち、筐体2と装着部4との接続箇所41よりも第1端21に近い位置に設けられることが好ましい。これにより、通信部5は筐体2の外部により近い位置に配置されることになる。よって、通信部5にガス検知器1の外部の機器16とより通信させ易くできる。
【0038】
<音声出力部6、発光部7及び操作部8の構成>
ガス検知器1には、ガス検知器1の状態やガス検知素子3による検知結果を知らせるための報知部として音声出力部6及び発光部7が設けられる。音声出力部6は、例えば、スピーカであり、音声を出力するものである。音声出力部6は、筐体2の内部のうち、筐体2に形成された開口孔24の近傍に設けられている。発光部7は、例えばLED(Light Emitting Diode)であり、筐体2の外表面に複数設けられている。操作部8は、ガス検知器1を使用する作業者または医療関係者が、ガス検知器1を操作するためのものである。
【0039】
<電源スイッチ9及び電池収容部10の構成>
電源スイッチ9は、筐体2の外表面に設けられており、ガス検知器1の電源をオンまたはオフするためのスイッチである。電池収容部10は、筐体2の内部のうち第2端22側に設けられている。筐体2の内部のうち第2端22側とは、筐体2の内部のうち、筐体2の延伸方向における中央位置よりも第2端22側の位置である。
【0040】
電池収容部10は、電池11を収容することが可能なように構成されている。筐体2の外表面に設けられた図示しない蓋を取り外すことにより、電池収容部10に電池11を収容することが可能になっている。電池11は、ガス検知器1を駆動するための電源として機能する。
【0041】
<ガス検知器1の電気的構成>
図2は、図1に示すガス検知器1の電気的構成を示すブロック図である。図2に示すように、ガス検知器1は制御部15を備える。制御部15は、例えば、CPU、MCU(Micro Controller Unit)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を含む。ガス検知器1は、所定の制御プログラムを記憶する図示しない記憶部を備えており、制御部15は、当該制御プログラムに従って、ガス検知器1の各部の制御を行う。
【0042】
制御部15は、所定の第1周期でガス検知素子3が検出した所定ガスの濃度を示す濃度情報を取得してもよい。制御部15は、所定の第2周期で当該濃度情報を、通信部5により外部の機器16に送信することが可能である。外部の機器16は、例えば、スマートフォン等の携帯情報端末またはPC(Personal Computer)である。
【0043】
上記第1周期と上記第2周期は同じでも異なっていてもよいが、上記第1周期は上記第2周期と同じであることが好ましい。これにより、制御部15が外部の機器16に送信する濃度情報の精度を十分に維持しつつ、制御部15から外部の機器16への濃度情報の送信回数を最小限に抑えられ、制御部15の処理負担を最小限にできる。また、制御部15は、通信部5により、外部の機器16から所定の情報を受信することが可能である。
【0044】
さらに、制御部15は、ガス検知素子3が検出した所定ガスの濃度が所定値以上になった場合、音声出力部6によりスピーカを鳴らす。また、制御部15は、所定ガスの濃度が高くなっていることを示す音声を出力してもよく、所定ガスの濃度を示す濃度情報を示す音声を出力してもよい。
【0045】
制御部15は、ガス検知素子3が検出した所定ガスの濃度に応じて、発光部7を発光させる。例えば、制御部15は、ガス検知素子3が検出した所定ガスの濃度が高くなるほど、より多くの発光部7を発光させてもよい。これにより、ガス検知器1を装着している作業者または医療関係者の周囲の者に対して、所定ガスの濃度が高くなっていることを知らせることができる。制御部15は、操作部8に対する操作に応じて、ガス検知器1の設定を変更してもよい。
【0046】
<ガス検知器1の装着例>
図3は、図1に示すガス検知器1が衣服17のポケット18に装着されている状態を示す図である。図3の符号301,302に示すように、作業者または医療関係者が着用している衣服17に設けられたポケット18に、ガス検知器1を装着可能である。また、筐体2の第1端21が上側となるように、ガス検知器1が装着部4によりポケット18に装着される。装着部4は、装着対象物としての衣服17のポケット18に筐体2を装着するためのものであってもよい。
【0047】
図3の符号301に示すように、ガス検知器1の正面側がポケット18の外側を向くようにガス検知器1がポケット18に装着された場合、筐体2がポケット18から露出し、装着部4の一部がポケット18に覆われる。また、発光部7及び開口孔24がポケット18の外側を向くため、ガス検知器1を装着している作業者または医療関係者の周囲の者に、発光部7が発光していること、または、音声出力部6が音声を出力していることを認識させることができる。
【0048】
図3の符号302に示すように、ガス検知器1の背面側がポケット18の外側を向くようにガス検知器1がポケット18に装着された場合、装着部4がポケット18から露出し、筐体2の大部分がポケット18に覆われる。この場合、筐体2の大部分がポケット18に覆われるため、ガス検知器1をポケット18に安定して保持させることができる。また、作業者または医療関係者が作業を行っている間において、ガス検知器1が水等の故障の原因となるものにさらされる可能性を低減できるため、ガス検知器1が故障する可能性を低減できる。
【0049】
図3の符号301,302に示すように、検知孔23は、筐体2がポケット18に装着されている状態において、筐体2のうち、ポケット18から露出する位置に形成されている。つまり、ガス検知器1が装着部4により衣服17のポケット18に装着される状態において、検知孔23は、ポケット18から露出する位置に形成される。これにより、検知孔23から筐体2の内部に十分な量の所定ガスを導入することができる。
【0050】
以上の通り、筐体2において装着部4が設けられている側と同じ側に検知孔23が形成される。これにより、筐体2が装着部4により衣服17のポケット18等に装着された場合、筐体2における検知孔23が形成される部分をポケット18等から露出させることができる、または、ポケット18の開口近傍に位置させることができる。このため、検知孔23から筐体2の内部に十分な量の所定ガスを導入することができ、ガス検知器1がポケット18等に装着されている状態において、ガス検知器1は所定ガスを検知するという機能を十分に発揮することができる。
【0051】
〔変形例1〕
ガス検知器1は、電池収容部10を備えていなくてもよい。ガス検知器1が電池収容部10を備えていない場合、ガス検知器1は、発電を行う発電デバイスを備えていてもよい。当該発電デバイスは、筐体2の外部からの光、熱、振動または電磁波等の環境エネルギーを利用して発電を行うものである。
【0052】
上記発電デバイスは、ガス検知器1を駆動するための電源として機能する。上記発電デバイスは、例えば、光エネルギーを電力に変換する太陽電池、熱エネルギーを電力に変換する熱発電素子、または、振動エネルギーを電力に変換する振動発電素子である。なお、ガス検知器1は、電源スイッチ9を備えていなくてもよい。また、操作部8が電源スイッチ9を兼ねるようにしてもよい。
【0053】
〔変形例2〕
複数の検知孔23は、筐体2のうち装着部4が設けられている側とは反対側に形成され、筐体2のうち装着部4が設けられている側には形成されていなくてもよい。図3の符号301に示すように、ガス検知器1の正面側がポケット18の外側を向くようにガス検知器1がポケット18に装着された場合を考える。
【0054】
この場合、複数の検知孔23は、筐体2のうち衣服17側とは反対側に配置されることになり、筐体2における検知孔23が形成される部分を露出させることができる。よって、ガス検知器1の正面側がポケット18の外側を向くようにガス検知器1をポケット18に装着して使用することを想定している場合、複数の検知孔23は、筐体2のうち装着部4が設けられている側とは反対側に形成されていることが好ましい。
【0055】
〔変形例3〕
複数の検知孔23は、筐体2のうち装着部4が設けられている側に形成され、筐体2のうち装着部4が設けられている側とは反対側には形成されていなくてもよい。図3の符号302に示すように、ガス検知器1の背面側がポケット18の外側を向くようにガス検知器1がポケット18に装着された場合を考える。
【0056】
この場合、複数の検知孔23は、筐体2のうち衣服17側とは反対側に配置されることになり、筐体2における検知孔23が形成される部分を露出させることができる。よって、ガス検知器1の背面側がポケット18の外側を向くようにガス検知器1をポケット18に装着して使用することを想定している場合、複数の検知孔23は、筐体2のうち装着部4が設けられている側に形成されていることが好ましい。
【0057】
〔変形例4〕
筐体2のうち第1端21側には、突出部が設けられていてもよい。この場合、当該突出部の内部に通信部5が設けられている。また、上記突出部は筐体2の一部であり、通信部5が上記突出部の内部に設けられている場合、通信部5は、筐体2の内部に設けられていることになる。例えば、上記突出部は、筐体2の側面であって、筐体2から筐体2の外方に向かって突出するように設けられてもよく、筐体2の上面2Tを起点として第2端22側から第1端21側に向かう方向に突出するように設けられてもよい。通信部5は、筐体2の外部に設けられてもよい。
【0058】
〔変形例5〕
ガス検知素子3、通信部5、音声出力部6、発光部7、操作部8、電源スイッチ9及び電池収容部10の複数の構成のうち、少なくとも2つの構成がモジュール化されていてもよい。具体的には、上記複数の構成のうち少なくとも2つの構成が図示しない基板に設けられ、当該基板が筐体2の内部に収容されていてもよい。これにより、筐体2から上記基板を取り出すことにより、複数の構成をまとめて交換することができる。
【0059】
音声出力部6はブザーで構成されてもよく、音のみを発するように構成されてもよい。また、ガス検知器1が報知部として音声出力部6及び発光部7のどちらか一方のみを備えるようにしてもよい。
【0060】
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された複数の技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1 ガス検知器
2 筐体
3 ガス検知素子
4 装着部
5 通信部
16 外部の機器
21 第1端
22 第2端
23 検知孔
41 接続箇所
図1
図2
図3