IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日東電工株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159298
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】配線回路基板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
H05K3/46 N
H05K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075193
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【弁理士】
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】石井 淳
(72)【発明者】
【氏名】藤林 征宏
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA15
5E316AA32
5E316AA43
5E316BB16
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC16
5E316CC31
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC36
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316DD24
5E316EE33
5E316FF05
5E316FF07
5E316FF08
5E316FF09
5E316FF10
5E316FF14
5E316GG15
5E316GG17
5E316HH40
(57)【要約】
【課題】複数の配線および複数の端子間の電気的な接続の信頼性が高く、配線の設計の自由度が拡大された配線回路基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】再配線基板100において、支持層10の第3の面s1上に第2の絶縁層60および第1の絶縁層50が積層形成され、それらの層内に複数の導体層が形成される。支持層10の第4の面s2上に第3の絶縁層70および第4の絶縁層80が積層形成され、それらの層内に複数の導体層が形成される。支持層10には、第4の面s2から第3の面s1に向かって漸次小さくなる貫通孔THbが形成されている。その内部にビア導体部10vが形成されている。第3の面s1上でビア導体部10vの一端を覆うように第1のランド部11Lが形成されている。第4の面s2上でビア導体部10vの他端を覆うように第1のランド部11Lよりも大きい第2のランド部12Lが形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚み方向において互いに逆方向を向く第1の面および第2の面を有し、前記第1の面に形成される第1の端子と、前記第2の面に形成され、前記第1の端子よりも大きい第2の端子とを含む配線回路基板であって、
前記第1の面と前記第2の面との間に設けられ、前記第1の面に対向する第3の面および前記第2の面に対向する第4の面を有するとともに前記第3の面から前記第4の面に貫通する第1の貫通孔を有する支持層と、
前記支持層よりも低い剛性を有し、前記第3の面上に形成される第1の絶縁層と、
前記支持層よりも低い剛性を有し、前記第4の面上に形成される第2の絶縁層と、
前記第3の面上または前記第1の絶縁層上に形成される複数の配線部を含み、前記第1の端子に電気的に接続された第1の導体層と、
前記第4の面上または前記第2の絶縁層上に形成される複数の配線部を含み、前記第2の端子に電気的に接続された第2の導体層と、
前記支持層の前記第1の貫通孔の内部で前記厚み方向に延びるように形成され、前記第3の面側に位置する第1の端部および前記第4の面側に位置する第2の端部を有する第3の導体層とを備え、
前記第1の導体層は、前記支持層の前記第3の面上で前記第3の導体層の前記第1の端部を覆うとともに、前記第1の導体層または前記第1の端子が電気的に接続される第1のランド部を含み、
前記第2の導体層は、前記支持層の前記第4の面上で前記第3の導体層の前記第2の端部を覆うとともに、前記第2の導体層または前記第2の端子が電気的に接続される第2のランド部を含み、
前記第1の貫通孔の内周面の少なくとも一部は、前記第4の面から前記第3の面に向かって、前記厚み方向に直交する開口断面が漸次小さくなるテーパ状に形成され、
前記第1のランド部は、前記第2のランド部よりも小さい、配線回路基板。
【請求項2】
前記支持層は、
前記第3の面と前記第4の面との間に設けられ、前記第3の面に対向する第5の面および前記第4の面に対向する第6の面を有するとともに前記第5の面から前記第6の面に貫通する第2の貫通孔を有する金属支持体と、
前記支持層の前記第5の面および前記第6の面を覆うとともに前記第2の貫通孔の内周面を覆い、絶縁性材料からなる絶縁被覆層とを含み、
前記第1の貫通孔の内周面は、前記絶縁被覆層のうち前記第2の貫通孔の内周面を覆う部分により形成される、請求項1記載の配線回路基板。
【請求項3】
前記第2の貫通孔の内周面の少なくとも一部は、前記第6の面から前記第5の面に向かって、前記厚み方向に直交する開口断面が漸次小さくなるテーパ状に形成された、請求項2記載の配線回路基板。
【請求項4】
前記支持層は、有機材料、無機材料、有機無機ハイブリッド材料または複合材料からなる、請求項1記載の配線回路基板。
【請求項5】
厚み方向において互いに逆方向を向く第1の面および第2の面を有し、前記第1の面に形成される第1の端子と、前記第2の面に形成され、前記第1の端子よりも大きい第2の端子とを含む配線回路基板の製造方法であって、
前記厚み方向において互いに逆方向を向く第3の面および第4の面を有するとともに前記第3の面から前記第4の面に貫通する第1の貫通孔を有する支持層を用意する工程と、
前記支持層よりも低い剛性を有する第1の絶縁層を前記支持層の前記第3の面上に形成する工程と、
前記支持層よりも低い剛性を有する第2の絶縁層を前記支持層の前記第4の面上に形成する工程と、
前記第3の面上または前記第1の絶縁層上に複数の配線部を含み、前記第1の端子に電気的に接続されることになる第1の導体層を形成する工程と、
前記第4の面上または前記第2の絶縁層上に複数の配線部を含み、前記第2の端子に電気的に接続されることになる第2の導体層を形成する工程と、
前記支持層の前記第1の貫通孔の内部で前記厚み方向に延びる第3の導体層を形成する工程とを含み、
前記第1の導体層を形成する工程は、前記支持層の前記第3の面上で前記第3の導体層のうち前記第3の面側に位置する第1の端部を覆うとともに、前記第1の導体層または前記第1の端子と電気的に接続されることになる第1のランド部を形成することを含み、
前記第2の導体層を形成する工程は、前記支持層の前記第4の面上で前記第3の導体層のうち前記第4の面側に位置する第2の端部を覆うとともに、前記第2の導体層または前記第2の端子と電気的に接続されることになる第2のランド部を形成することを含み、
前記支持層の前記第3の面は、前記第1の面に対向し、
前記支持層の前記第4の面は、前記第2の面に対向し、
前記第1の貫通孔の内周面の少なくとも一部は、前記第4の面から前記第3の面に向かって、前記厚み方向に直交する開口断面が漸次小さくなるテーパ状に形成され、
前記第1のランド部は、前記第2のランド部よりも小さい、配線回路基板の製造方法。
【請求項6】
前記支持層は、
前記第3の面と前記第4の面との間に設けられ、前記第3の面に対向する第5の面および前記第4の面に対向する第6の面を有するとともに前記第5の面から前記第6の面に貫通する第2の貫通孔を有する金属支持体と、
前記支持層の前記第5の面および前記第6の面を覆うとともに前記第2の貫通孔の内周面を覆い、絶縁性材料からなる絶縁被覆層とを含み、
前記支持層を用意する工程は、
前記第5の面および前記第6の面を有する金属板を用意する工程と、
前記金属板の前記第5の面から前記第6の面に向かって前記第2の貫通孔を形成することにより前記金属支持体を形成することと、
形成された前記金属支持体の前記第5の面および前記第6の面をそれぞれ覆うことにより前記第3の面および前記第4の面を形成するとともに、前記第2の貫通孔を埋めるように、前記金属支持体の外表面に仮絶縁被覆層を形成することと、
前記第2の貫通孔の内部の仮絶縁層の部分に前記第1の貫通孔を形成することにより前記絶縁被覆層を形成することとを含む、請求項5記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項7】
前記第2の貫通孔の内周面の少なくとも一部は、前記第6の面から前記第5の面に向かって、前記厚み方向に直交する開口断面が漸次小さくなるテーパ状に形成された、請求項6記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項8】
前記支持層は、有機材料、無機材料、有機無機ハイブリッド材料または複合材料からなる、請求項5記載の配線回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線回路基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パッケージオンパッケージ技術に利用可能な配線回路基板の一例として、特許文献1には、互いに逆方向を向く第1の主面および第2の主面を有するプリント配線板が記載されている。そのプリント配線板は、複数の配線層と複数の絶縁層とが交互に積層されたビルドアップ構造を有する。
【0003】
プリント配線板の第1の主面上には、複数の導体パッドを含む配線層が形成されている。第1の主面の配線層が形成されていない領域に、接着層を介してベース板が貼り付けられている。プリント配線板の第2の主面上には、電子部品を実装するための構成(ビア導体を被覆する表面処理層)、および当該プリント配線板を他の配線板と電気的に接続するための構成(導体ポスト)が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-152536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のプリント配線板のように、一の配線回路基板の一の主面上に、電子部品を実装するとともに、他の配線回路基板との電気的接続のための構成を設ける場合を想定する。この場合、当該一の主面上には高密度で多数の配線および多数の端子が形成されることが望ましい。それにより、配線回路基板における配線の設計の自由度が拡大される。
【0006】
また、上記のように、配線回路基板において配線の高密度化を図る場合、複数の配線および複数の端子間の電気的な接続には、高い信頼性が求められる。
【0007】
本発明の目的は、複数の配線および複数の端子間の電気的な接続の信頼性が高く、配線の設計の自由度が拡大された配線回路基板およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面に従う配線回路基板は、厚み方向において互いに逆方向を向く第1の面および第2の面を有し、前記第1の面に形成される第1の端子と、前記第2の面に形成され、前記第1の端子よりも大きい第2の端子とを含む配線回路基板であって、前記第1の面と前記第2の面との間に設けられ、前記第1の面に対向する第3の面および前記第2の面に対向する第4の面を有するとともに前記第3の面から前記第4の面に貫通する第1の貫通孔を有する支持層と、前記支持層よりも低い剛性を有し、前記第3の面上に形成される第1の絶縁層と、前記支持層よりも低い剛性を有し、前記第4の面上に形成される第2の絶縁層と、前記第3の面上または前記第1の絶縁層上に形成される複数の配線部を含み、前記第1の端子に電気的に接続された第1の導体層と、前記第4の面上または前記第2の絶縁層上に形成される複数の配線部を含み、前記第2の端子に電気的に接続された第2の導体層と、前記支持層の前記第1の貫通孔の内部で前記厚み方向に延びるように形成され、前記第3の面側に位置する第1の端部および前記第4の面側に位置する第2の端部を有する第3の導体層とを備え、前記第1の導体層は、前記支持層の前記第3の面上で前記第3の導体層の前記第1の端部を覆うとともに、前記第1の導体層または前記第1の端子が電気的に接続される第1のランド部を含み、前記第2の導体層は、前記支持層の前記第4の面上で前記第3の導体層の前記第2の端部を覆うとともに、前記第2の導体層または前記第2の端子が電気的に接続される第2のランド部を含み、前記第1の貫通孔の内周面の少なくとも一部は、前記第4の面から前記第3の面に向かって、前記厚み方向に直交する開口断面が漸次小さくなるテーパ状に形成され、前記第1のランド部は、前記第2のランド部よりも小さい。
【0009】
本発明の他の局面に従う配線回路基板の製造方法は、厚み方向において互いに逆方向を向く第1の面および第2の面を有し、前記第1の面に形成される第1の端子と、前記第2の面に形成され、前記第1の端子よりも大きい第2の端子とを含む配線回路基板の製造方法であって、前記厚み方向において互いに逆方向を向く第3の面および第4の面を有するとともに前記第3の面から前記第4の面に貫通する第1の貫通孔を有する支持層を用意する工程と、前記支持層よりも低い剛性を有する第1の絶縁層を前記支持層の前記第3の面上に形成する工程と、前記支持層よりも低い剛性を有する第2の絶縁層を前記支持層の前記第4の面上に形成する工程と、前記第3の面上または前記第1の絶縁層上に複数の配線部を含み、前記第1の端子に電気的に接続されることになる第1の導体層を形成する工程と、前記第4の面上または前記第2の絶縁層上に複数の配線部を含み、前記第2の端子に電気的に接続されることになる第2の導体層を形成する工程と、前記支持層の前記第1の貫通孔の内部で前記厚み方向に延びる第3の導体層を形成する工程とを含み、前記第1の導体層を形成する工程は、前記支持層の前記第3の面上で前記第3の導体層のうち前記第3の面側に位置する第1の端部を覆うとともに、前記第1の導体層または前記第1の端子と電気的に接続されることになる第1のランド部を形成することを含み、前記第2の導体層を形成する工程は、前記支持層の前記第4の面上で前記第3の導体層のうち前記第4の面側に位置する第2の端部を覆うとともに、前記第2の導体層または前記第2の端子と電気的に接続されることになる第2のランド部を形成することを含み、前記支持層の前記第3の面は、前記第1の面に対向し、前記支持層の前記第4の面は、前記第2の面に対向し、前記第1の貫通孔の内周面の少なくとも一部は、前記第4の面から前記第3の面に向かって、前記厚み方向に直交する開口断面が漸次小さくなるテーパ状に形成され、前記第1のランド部は、前記第2のランド部よりも小さい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、配線回路基板における複数の配線および複数の端子間の電気的な接続の信頼性が向上するとともに、配線回路基板における配線の設計の自由度が拡大される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態に係る再配線基板の縦断面図である。
図2図1の再配線基板の平面図である。
図3図1の再配線基板の底面図である。
図4図1の再配線基板の一部拡大縦断面図である。
図5】再配線基板の製造工程で用いられるロール・ツー・ロール装置500の一例を示す模式的側面図である。
図6図1の再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図7図1の再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図8図1の再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図9図1の再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図10図1の再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図11図1の再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図12図1の再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図13図1の再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図14図1の再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図15図1の再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図16図1の再配線基板の適用例を示す図である。
図17】他の実施の形態に係る再配線基板の縦断面図である。
図18】さらに他の実施の形態に係る再配線基板の縦断面図である。
図19】さらに他の実施の形態に係る再配線基板の縦断面図である。
図20】さらに他の実施の形態に係る再配線基板の縦断面図である。
図21】他の実施の形態に係る再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図22】他の実施の形態に係る再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図23】他の実施の形態に係る再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図24】他の実施の形態に係る再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図25】他の実施の形態に係る再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図26】他の実施の形態に係る再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図27】他の実施の形態に係る再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図28】他の実施の形態に係る再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図29】他の実施の形態に係る再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図30】他の実施の形態に係る再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図31】他の実施の形態に係る再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図32】他の実施の形態に係る再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
図33】他の実施の形態に係る再配線基板の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態に係る配線回路基板および配線回路基板の製造方法について図面を参照しつつ説明する。配線回路基板の一例として、再配線基板を説明する。再配線基板は、例えば半導体素子等の電子部品とリジッドプリント配線回路基板(以下、リジッド基板と略記する。)等の他の配線回路基板との間に配置され、電子部品の微細パターンと他の配線回路基板の粗パターンとのピッチを変換する役割を担う。再配線基板は、インターポーザ基板とも呼ばれる。
【0013】
1.再配線基板の基本構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る再配線基板の縦断面図である。図2は、図1の再配線基板100の平面図である。図3は、図1の再配線基板100の底面図である。図4は、図1の再配線基板100の一部拡大縦断面図である。図1は、図2および図3のA-A線断面を表す。図1に示すように、再配線基板100は、その厚み方向DTにおいて互いに逆の方向を向く第1の面(本例では上面)101および第2の面(本例では下面)102を有する。図1において、再配線基板100の厚み方向DTは、下から上に向く矢印で示される。
【0014】
再配線基板100は、その厚み方向DTにおいて半導体素子200とリジッド基板300との間に配置される。第1の面101上には、複数の端子部T1が形成されている。複数の端子部T1は、円形状を有し、平面視で共通の最大寸法(直径)を有する。端子部T1の直径は例えば20μm以上100μm以下であり、30μm以上70μm以下であることが好ましく、40μm以上60μm以下であることがより好ましい。半導体素子200は、再配線基板100に実装された状態で再配線基板100に対向する対向面211を有する。また、半導体素子200は、対向面211から一定長さ突出するように形成された複数の柱状接合部220を有する。柱状接合部220の先端部は、半導体素子200の接続端子を構成し、予め対応付けられた再配線基板100の端子部T1に半田Sを介して接合される。
【0015】
半導体素子200の対向面211と再配線基板100の第1の面101との間には、アンダーフィル290が充填されている。アンダーフィル290は、例えばエポキシ樹脂により形成される。再配線基板100の第1の面101上には、半導体素子200を覆う蓋部材(図示せず)が設けられてもよい。図1および図2では、半導体素子200が一点鎖線で示される。
【0016】
再配線基板100の第2の面102上には、複数の端子部T2が形成されている。複数の端子部T2は、円形状を有し、平面視で共通の最大寸法(直径)を有する。端子部T2の直径は、端子部T1の直径よりも大きく、例えば100μm以上300μm以下であり、170μm以上250μm以下であることが好ましく、175μm以上230μm以下であることがより好ましい。リジッド基板300は、当該リジッド基板300の複数の接続端子として複数の電極パッド301を有する。電極パッド301は、予め対応付けられた再配線基板100の端子部T2に半田Sを介して接合される。図1図3では、リジッド基板300が二点鎖線で示される。
【0017】
なお、本実施の形態においては、再配線基板100の複数の端子部T2に半田ボールが設けられる。これにより、再配線基板100の第2の面102上には、例えばBGA(ボールグリッドアレイ)が形成される。
【0018】
再配線基板100は、主として一の支持層10、複数の絶縁層および複数の導体層から構成される。支持層10は、複数の絶縁層よりも高い剛性を有する。また、支持層10は、厚み方向DTにおいて再配線基板100の略中央部に位置し、厚み方向DTにおいて互いに逆方向を向く第3の面s1および第4の面s2を有する。第3の面s1は第1の面101に対向し、第4の面s2は第2の面102に対向する。
【0019】
本実施の形態に係る支持層10は、具体的には、金属支持体110および絶縁被覆層120を含み、金属支持体110の外表面が絶縁被覆層120により覆われた構成を有する。
【0020】
図4に示すように、金属支持体110は、厚み方向DTにおいて互いに逆方向を向く第5の面110aおよび第6の面110bを有する。第5の面110aは第1の面101(図1)に対向し、第6の面110bは第2の面102(図1)に対向する。金属支持体110には、複数の貫通孔THaが形成されている(図4の点線の矢印参照)。各貫通孔THaは、平面視で円形状を有する。その貫通孔THaの内周面は、第6の面110bから第5の面110aに向かって、厚み方向DTに直交する開口断面が漸次小さくなるテーパ状に形成されている。貫通孔THaの内径は、第6の面110bから第5の面110aにかけて10μm以上80μm以下の範囲内にあり、20μm以上70μm以下の範囲内にあることが好ましく、30μm以上60μm以下の範囲内にあることがより好ましい。
【0021】
金属支持体110は、例えばステンレス鋼で形成される。なお、金属支持体110は、ステンレス鋼に代えて、銅、銅合金、アルミニウム、チタン、または、鉄およびニッケルを含む合金のいずれかにより形成されてもよい。鉄およびニッケルを含む合金としては、インバー、42アロイ、45パーマロイおよびコパール等が挙げられる。金属支持体110の厚みは、10μm以上100μm以下であり、20μm以上60μm以下であることが好ましい。
【0022】
絶縁被覆層120は、金属支持体110の第5の面110a、第6の面110bおよび貫通孔THaの内周面を覆うように形成されている。支持層10の複数の部分においては、金属支持体110の貫通孔THaの形成部分を厚み方向DTに通過するように、貫通孔THbが形成されている(図4の一点差鎖線の矢印参照)。各貫通孔THbは、平面視で円形状を有する。その貫通孔THbの内周面は、第4の面s2から第3の面s1に向かって、厚み方向DTに直交する開口断面が漸次小さくなるテーパ状に形成されている。貫通孔THbの内径は、第4の面s2から第3の面s1にかけて5μm以上85μm以下の範囲内にあり、15μm以上75μm以下の範囲内にあることが好ましく、25μm以上65μm以下の範囲内にあることがより好ましい。
【0023】
絶縁被覆層120は、例えば感光性ポリイミドにより形成され、1μm以上25μm以下の厚みを有し、3μm以上20μm以下の厚みを有することが好ましい。なお、絶縁被覆層120は、感光性ポリイミドに代えて、他の感光性材料で形成されてもよい。このような他の感光性材料としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂またはポリ塩化ビニル樹脂等の感光性樹脂が挙げられる。なお、絶縁被覆層120の材料として、感光性材料以外の材料が用いられてもよい。例えば、絶縁被覆層120の材料としては、無機絶縁材料または有機絶縁材料を用いることもできる。具体的には、絶縁被覆層120の材料としては、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化アルミニウムまたは酸化アルミニウム等を用いることもできる。
【0024】
支持層10の貫通孔THbの内部には、厚み方向DTに延びるように、導電性材料からなるビア導体部10vが形成されている。支持層10の第3の面s1上には、ビア導体部10vの第3の面s1側の端部を覆うように導電性材料からなるランド部11Lが形成されている。本実施の形態においては、ランド部11Lは、平面視で円形状を有する。そのランド部11Lの外径は、第3の面s1における貫通孔THbの開口部の内径よりも30μm程度大きい。例えば、ランド部11Lは、第3の面s1において、貫通孔THbの内縁から約15μmの範囲をカバーするように設計される。
【0025】
支持層10の第4の面s2上には、ビア導体部10vの第4の面s2側の端部を覆うように導電性材料からなるランド部12Lが形成されている。本実施の形態においては、ランド部12Lは、平面視で円形状を有する。そのランド部12Lの外径は、第4の面s2における貫通孔THbの開口部の内径よりも30μm程度大きい。例えば、ランド部12Lは、第4の面s2において、貫通孔THbの内縁から約15μmの範囲をカバーするように設計される。
【0026】
上記のような構成により、貫通孔THbのうち最小径の部分をカバーするランド部11Lは、貫通孔THbのうち最大径の部分をカバーするランド部12Lよりも小さい。上記のビア導体部10vおよびランド部11L,12Lは、複数の導体層の一部である。
【0027】
図1の再配線基板100は、4つの絶縁層を含む。4つの絶縁層のうち2つの絶縁層は、支持層10の第3の面s1上に積層形成されている。4つの絶縁層のうち残りの2つの絶縁層は、支持層10の第4の面s2上に積層形成されている。以下の説明では、図1の再配線基板100を構成する4つの絶縁層を区別する場合に、4つの絶縁層をそれぞれ第1の絶縁層50、第2の絶縁層60、第3の絶縁層70および第4の絶縁層80と呼ぶ。第2の絶縁層60および第1の絶縁層50は、この順で支持層10の第3の面s1上に積層形成されている。第3の絶縁層70および第4の絶縁層80は、この順で支持層10の第4の面s2上に積層形成されている。
【0028】
4つの絶縁層(50,60,70,80)の各々は、感光性材料で形成される。4つの絶縁層(50,60,70,80)に用いられる感光性材料としては、本実施の形態では感光性ポリイミドが用いられる。なお、絶縁層(50,60,70,80)は、感光性ポリイミドに代えて、他の感光性樹脂(アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂またはポリ塩化ビニル樹脂等の他の感光性樹脂)により形成されてもよい。絶縁層(50,60,70,80)の各々の導体上の厚みは、2μm以上25μm以下であり、4μm以上20μm以下であることが好ましく、5μm以上10μm以下であることがより好ましい。
【0029】
複数の導体層は、上記の複数のビア導体部10vおよび複数のランド部11L,12Lに加えて、複数のビア導体部60v,70v、複数のランド部61L,71Lおよび複数の配線部11T,12T,61T,71Tを含む。
【0030】
配線部11Tは、複数のランド部11Lとともに支持層10の第3の面s1上に形成されている。第2の絶縁層60は、複数のランド部11Lおよび配線部11Tを覆うように支持層10の第3の面s1上に形成されている。第2の絶縁層60には、厚み方向DTに延びる複数の貫通孔THc(後述する図12参照)がビアホールとして形成されている。それらの複数の貫通孔THc内に、ビア導体部60vが形成されている。
【0031】
複数のランド部61Lは、複数のビア導体部60vを覆うように第2の絶縁層60上に形成されている。配線部61Tは、複数のランド部61Lとともに第2の絶縁層60上に形成されている。第1の絶縁層50は、複数のランド部61Lおよび配線部61Tを覆うように第2の絶縁層60上に形成されている。第1の絶縁層50には、複数のランド部61Lの各々を再配線基板100の第1の面101上に露出させるための複数の貫通孔THe(後述する図14参照)が形成されている。各貫通孔THe内に端子部T1が形成されている。端子部T1は、ランド部61Lの一部で構成されてもよいし、ランド部61Lの一部に表面処理を施すことにより形成されてもよい。例えば、端子部T1は、ランド部61Lの一部に防錆処理を施すことにより形成されてもよい。あるいは、端子部T1は、ランド部61Lの一部に、金等の耐食性に優れた金属のめっき層を成長させることにより形成されてもよい。
【0032】
上記の再配線基板100において第1の面101と支持層10との間に形成される複数のランド部11L,61Lおよび配線部11T,61Tの各々は、直接的または間接的に、複数の端子部T1のいずれかに電気的に接続されている。また、複数のランド部11L,61Lおよび複数の配線部11T,61Tの各々は、直接的または間接的に、複数のビア導体部10vのいずれかに電気的に接続されている。
【0033】
配線部12Tは、複数のランド部12Lとともに支持層10の第4の面s2上に形成されている。第3の絶縁層70は、複数のランド部12Lおよび配線部12Tを覆うように支持層10の第4の面s2上に形成されている。第3の絶縁層70には、厚み方向DTに延びる複数の貫通孔THd(後述する図12参照)がビアホールとして形成されている。それらの複数の貫通孔THd内に、ビア導体部70vが形成されている。
【0034】
複数のランド部71Lは、複数のビア導体部70vを覆うように第3の絶縁層70上に形成されている。複数の配線部71Tは、複数のランド部71Lとともに第3の絶縁層70上に形成されている。第4の絶縁層80は、複数のランド部71Lおよび配線部71Tを覆うように第3の絶縁層70上に形成されている。第4の絶縁層80には、複数のランド部71Lの各々を再配線基板100の第2の面102上に露出させるための複数の貫通孔THf(後述する図14参照)が形成されている。各貫通孔THf内に端子部T2が形成されている。端子部T2は、ランド部71Lの一部で構成されてもよいし、ランド部71Lの一部に表面処理を施すことにより形成されてもよい。例えば、端子部T2は、ランド部71Lの一部に防錆処理を施すことにより形成されてもよい。あるいは、端子部T2は、ランド部71Lの一部に、金等の耐食性に優れた金属のめっき層を成長させることにより形成されてもよい。
【0035】
上記の再配線基板100において第2の面102と支持層10との間に形成される複数のランド部12L,71Lおよび配線部12T,71Tの各々は、直接的または間接的に、複数の端子部T2のいずれかに電気的に接続されている。また、複数のランド部12L,71Lおよび複数の配線部12T,71Tの各々は、直接的または間接的に、複数のビア導体部10vのいずれかに電気的に接続されている。
【0036】
複数の導体層の各々は、基本的には、シード層上に電解めっき法によりめっき層を成長させることにより形成される。導体層を形成するシード層は、例えばクロム薄膜および銅薄膜からなる。または、シード層は銅薄膜からなる。あるいは、シード層は、ニッケルおよびパラジウムのいずれかを含んでもよい。一方、めっき層は、銅、金、銀、白金、鉛、錫、ニッケル、コバルト、インジウム、ロジウム、クロム、タングステンおよびルテニウム等のうち1種または複数種を含む金属または合金により形成される。本実施の形態においては、めっき層は銅である。上記のランド部11L,61Lおよび配線部11T,61Tの各々の厚みは、20μm以上120μm以下であり、40μm以上100μm以下であることが好ましく、60μm以上80μm以下であることがより好ましい。また、上記のランド部12L,71Lおよび配線部12T,71Tの各々の厚みは、20μm以上300μm以下であり、50μm以上250μm以下であることが好ましく、70μm以上200μm以下であることがより好ましい。
【0037】
なお、本実施の形態では、再配線基板100の第1の面101に位置する複数の端子部T1の数と、再配線基板100の第2の面102に位置する複数の端子部T2の数とは一致するが、本発明はこれに限定されない。再配線基板100の第1の面101に位置する複数の端子部T1の数と、再配線基板100の第2の面102に位置する複数の端子部T2の数とは一致しなくてもよい。
【0038】
2.再配線基板100の製造方法
本実施の形態においては、再配線基板100は、例えばロール・ツー・ロール方式により製造される。図5は、再配線基板100の製造工程で用いられるロール・ツー・ロール装置500の一例を示す模式的側面図である。
【0039】
図5に示すように、ロール・ツー・ロール装置500は、巻き出し部501、巻き取り部502および複数の処理部510,520,…を含む。まず、長尺状の金属支持体110が巻回されたロール(繰り出しロール)R1が用意され、ロール・ツー・ロール装置500の巻き出し部501にセットされる。
【0040】
用意された繰り出しロールR1から金属支持体110が繰り出される。繰り出された金属支持体110は、図5に点線の矢印で示すように、巻き取り部502にセットされた他のロール(巻き取りロール)R2に巻き取られる。
【0041】
ロール・ツー・ロール装置500においては、複数の処理部510,520,…が、2つのロール(R1,R2)の間で、金属支持体110の移動方向に沿って並ぶように設けられている。複数の処理部510,520,…は、2つのロール(R1,R2)間を移動する長尺状の金属支持体110に絶縁被覆層120を形成する。また、絶縁被覆層120が形成された金属支持体110の各領域に、上記の複数の絶縁層および複数の導体層等をそれぞれ形成する。それにより、巻き取りロールR2に巻き取られる金属支持体110に、複数の再配線基板100が形成される。
【0042】
以下、再配線基板100の製造方法について詳細を説明する。
【0043】
図6図15は、図1の再配線基板100の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。図6図15に示される模式的断面図は、図1の再配線基板100の模式的断面図に対応する。図6図15の各図には、図1の厚み方向DTが示される。
【0044】
上記のように、金属支持体110が巻回された繰り出しロールR1(図5)が用意され、当該繰り出しロールR1から金属支持体110が繰り出される。図6に、繰り出された金属支持体110の一部の断面が示される。上記のように、金属支持体110は、厚み方向DTにおいて互いに逆の方向を向く第5の面110aおよび第6の面110bを有する。
【0045】
まず、金属支持体110の一面(本例では、第5の面110a)全体を覆うように、当該第5の面110a上に感光性ポリイミドの前駆体が塗布される。また、塗布された感光性ポリイミドの前駆体が、露光され、現像される。それにより、図7に示すように、金属支持体110の第5の面110a上に第1の仮被覆層121が形成される。形成された第1の仮被覆層121は硬化処理される。なお、第1の仮被覆層121は、第5の面110a上に感光性ポリイミドの前駆体を塗布することに代えて、感光性ポリイミドからなるフィルムを貼り付けることにより形成されてもよい。
【0046】
次に、金属支持体110の他面(本例では、第6の面110b)上に所定パターンのエッチングレジストが形成される。また、金属支持体110の第6の面110bのうち、エッチングレジストの開口部を通して露出する部分がエッチングされ、金属支持体110に複数の貫通孔THaが形成される。その後、エッチングレジストが金属支持体110から剥離される。
【0047】
上記のように、金属支持体110は、第6の面110bから第5の面110aに向かってエッチングされる。この場合、図8に示すように、各貫通孔THaは、第6の面110bから第5の面110aに向かって内径が漸次小さくなるように形成される。金属支持体110のエッチングに用いられるエッチング液は、第1の仮被覆層121を溶解しない。そのため、各貫通孔THaの一端部は、第1の仮被覆層121によって塞がれる。
【0048】
なお、金属支持体110の複数の貫通孔THaは、エッチングに限らず、例えばレーザ加工により形成されてもよい。この場合、レーザ光は、第6の面110bから第5の面110aに向かって進行するようにかつ第1の仮被覆層121を貫通しないように、金属支持体110に照射される。これにより、各貫通孔THaは、第6の面110bから第5の面110aに向かって内径が漸次小さくなるように形成される。また、各貫通孔THaの一端部は、第1の仮被覆層121によって塞がれる。
【0049】
次に、金属支持体110の他面(本例では、第6の面110b)全体を覆うようにかつ各貫通孔THaの内部に進入するように、当該第6の面110b上に感光性ポリイミドの前駆体が塗布される。また、塗布された感光性ポリイミドの前駆体が、露光され、現像される。それにより、図9に示すように、金属支持体110の第6の面110bおよび複数の貫通孔THaの内周面を覆うとともに、複数の貫通孔THaを埋めるように、第2の仮被覆層122が形成される。形成された第2の仮被覆層122は硬化処理される。なお、第2の仮被覆層122は、第6の面110b上に感光性ポリイミドの前駆体を塗布することに代えて、感光性ポリイミドからなるフィルムを貼り付けることにより形成されてもよい。
【0050】
その後、図10に示すように、金属支持体110の各貫通孔THaの内部を通って厚み方向DTに延びるように、金属支持体110の複数の部分に複数の貫通孔THbがそれぞれ形成される。これらの複数の貫通孔THbは、例えばエッチングまたはレーザ加工により形成される。ここで、各貫通孔THbの形成時において、エッチングまたはレーザ加工は、第6の面110bから第5の面110aに向かって孔が形成されるように行われる。これにより、各貫通孔THbは、第6の面110bから第5の面110aに向かって内径が漸次小さくなるように形成される。このようにして、支持層10が完成する。
【0051】
次に、支持層10の第3の面s1のうち予め定められた領域、支持層10の第4の面s2のうち予め定められた領域、および貫通孔THbの内周面に、シード層が形成され、シード層上にめっき層が形成される。それにより、図11に示すように、支持層10の第3の面s1上に、複数のランド部11Lおよび複数の配線部11Tが形成される。また、支持層10の第4の面s2上に、複数のランド部12Lおよび配線部12Tが形成される。さらに、支持層10の複数の貫通孔THaの内部に複数のビア導体部10vが形成される。
【0052】
次に、図12に示すように、支持層10の第3の面s1上に、複数のランド部11Lおよび複数の配線部11Tを覆うように第2の絶縁層60が形成される。また、複数のランド部11Lのうち一部が第2の絶縁層60上に露出するように、第2の絶縁層60に複数の貫通孔THcが形成される。さらに、支持層10の第4の面s2上に、複数のランド部12Lおよび配線部12Tを覆うように第3の絶縁層70が形成される。また、複数のランド部12Lのうち一部が第3の絶縁層70上に露出するように、第3の絶縁層70に複数の貫通孔THdが形成される。
【0053】
次に、露出する第2の絶縁層60の表面のうち予め定められた領域、および露出する第3の絶縁層70の表面のうち予め定められた領域にシード層が形成される。また、複数の貫通孔THc,THdの内周面および複数のランド部11L,12Lのうち露出する部分にシード層が形成される。形成されたシード層上にめっき層が形成される。それにより、図13に示すように、第2の絶縁層60上に、複数のランド部61Lおよび複数の配線部61Tが形成される。また、第3の絶縁層70上に、複数のランド部71Lおよび配線部71Tが形成される。さらに、第2の絶縁層60の複数の貫通孔THcの内部に複数のビア導体部60vが形成され、第3の絶縁層70の複数の貫通孔THdの内部に複数のビア導体部70vが形成される。
【0054】
次に、図14に示すように、第2の絶縁層60上に、複数のランド部61Lおよび複数の配線部61Tを覆うように第1の絶縁層50が形成される。また、複数のランド部61Lのうち一部が第1の絶縁層50上に露出するように、第1の絶縁層50に複数の貫通孔THeが形成される。さらに、第3の絶縁層70上に、複数のランド部71Lおよび配線部71Tを覆うように第4の絶縁層80が形成される。また、複数のランド部71Lのうち一部が第4の絶縁層80上に露出するように、第4の絶縁層80に複数の貫通孔THfが形成される。
【0055】
最後に、図15に示すように、複数のランド部61Lのうち複数の貫通孔THeを介して露出する部分に端子部T1が形成される。また、複数のランド部71Lのうち複数の貫通孔THfを介して露出する部分に端子部T2が形成される。それにより、図1の再配線基板100が完成する。
【0056】
3.効果
(a)上記の再配線基板100においては、支持層10は、複数の絶縁層(50,60,70,80)よりも高い剛性を有する。それにより、上記の再配線基板100は、支持層10を含まない場合に比べて高い取り扱い性を有する。
【0057】
支持層10に形成された各貫通孔THbの内周面は、第4の面s2から第3の面s1に向かって、厚み方向DTに直交する開口断面が漸次小さくなるテーパ状に形成されている。それにより、支持層10の第3の面s1における貫通孔THbの開口面積は、第4の面s2における貫通孔THbの開口面積よりも小さい。また、支持層10の第3の面s1に形成されるランド部11Lは、第4の面s2に形成されるランド部12Lよりも小さい。このように、厚み方向DTにおけるビア導体部10vの両端に位置するランド部11L,12Lが、貫通孔THbの開口面積に応じて形成されている。それにより、ビア導体部10vと一方のランド部11Lとの間の電気的な接続の信頼性が確保され、ビア導体部10vと他方のランド部12Lとの間の電気的な接続の信頼性が確保される。
【0058】
ここで、再配線基板100のうち支持層10よりも第1の面101側に位置する部分を、第1の基板部と呼ぶ。また、再配線基板100のうち支持層10よりも第2の面102側に位置する部分を、第2の基板部と呼ぶ。
【0059】
第1の基板部に形成されるランド部11Lは、第2の基板部に形成されるランド部12Lよりも小さい。また、第1の基板部に形成される端子部T1は、第2の基板部に形成される端子部T2よりも小さい。この場合、第1の基板部においては、第2の基板部でランド部12Lおよび端子部T2を形成するために必要となる領域に比べて、ランド部11Lおよび端子部T1を形成するために必要となる領域を低減することができる。
【0060】
それにより、複数の配線部11T,61Tを高い密度で第1の基板部に形成することができる。したがって、高い配線密度を要する半導体素子200を第1の面101上に実装することが可能になる。また、高い配線密度を要しないリジッド基板300上に第2の基板部を接続することができる。
【0061】
これらの結果、電気的な接続の信頼性が高く、配線の設計の自由度が拡大された再配線基板100が実現される。
【0062】
(b)上記の再配線基板100においては、支持層10が金属支持体110を含む。それにより、支持層10において、再配線基板100に要求される剛性を確保しやすい。
【0063】
(c)上記のように、支持層10に形成された各貫通孔THbの内周面は、第4の面s2から第3の面s1に向かって、厚み方向DTに直交する開口断面が漸次小さくなるテーパ状に形成されている。さらに、支持層10においては、絶縁被覆層120により被覆される金属支持体110の各貫通孔THaも、第4の面s2から第3の面s1に向かって、厚み方向DTに直交する開口断面が漸次小さくなるテーパ状に形成されている。
【0064】
この場合、絶縁被覆層120により形成される貫通孔THbの内周面の形状と、金属支持体110により形成される貫通孔THaの内周面の形状とが概ね一致する。これにより、貫通孔THbの内周面を形成する絶縁被覆層120の部分が、金属支持体110の貫通孔THaの内周面により適切に補強される。したがって、支持層10における貫通孔THbおよびその近傍部分の機械的強度が向上し、ビア導体部10vにおける電気的導通の信頼性が向上する。
【0065】
4.図1の再配線基板100の適用例
図16は、図1の再配線基板100の適用例を示す図である。図16では、図1の再配線基板100を積層型の半導体装置に適用した例が示される。図16の半導体装置900は、2つの再配線基板100および2つの半導体素子200を備え、リジッド基板300上に実装される。
【0066】
ここで、図16の2つの再配線基板100を区別する場合に、一方の再配線基板100を第1の再配線基板100Aと呼び、他方の再配線基板100を第2の再配線基板100Bと呼ぶ。また、図16の2つの半導体素子200を区別する場合に、一方の半導体素子200を第1の半導体素子200Aと呼び、他方の半導体素子200を第2の半導体素子200Bと呼ぶ。
【0067】
半導体装置900においては、第1の再配線基板100A上に第1の半導体素子200Aがフリップチップボンディングにより実装されている。また、第1の再配線基板100A上に、第1の半導体素子200Aを覆うように、第2の再配線基板100Bが積層配置されている。さらに、第2の再配線基板100B上に第2の半導体素子200Bがフリップチップボンディングにより実装されている。第1の再配線基板100Aと第2の再配線基板100Bとの間では、複数の半田ボールを用いて複数の配線間の電気的導通が確保されている。また、第1の再配線基板100Aとリジッド基板300との間でも、複数の半田ボールを用いて複数の配線間の電気的導通が確保されている。
【0068】
第1の半導体素子200Aは、第2の再配線基板100B上に実装された第2の半導体素子200Bとの間で電気信号の授受を行うとともに、リジッド基板300上に実装された他の電子部品と電気信号の授受を行う。そのため、第1の再配線基板100Aのうち第1の半導体素子200Aが実装される面側では、第1の半導体素子200Aが第2の半導体素子200Bおよびリジッド基板300上の他の電子機器と電気信号の授受を行うための多数の配線が必要になる。
【0069】
図1の再配線基板100は、上記のように、第1の面101側で配線密度を高くすることができる。そこで、第1の面101上に第1の半導体素子200Aを実装するとともに第2の再配線基板100Bを積層配置する。それにより、大型化を抑制しつつ、第1の半導体素子200Aに対する信頼性の高い配線構造を確保することができる。このように、図1の再配線基板100は、パッケージオンパッケージ技術を利用した構成に有効に利用することができる。
【0070】
5.他の実施の形態
(a)図17は、他の実施の形態に係る再配線基板100の縦断面図である。図17の再配線基板100について、図1の再配線基板100と異なる点を説明する。
【0071】
図17の再配線基板100においては、白抜きの矢印で示すように、金属支持体110の複数の貫通孔THaがテーパ状に形成されていない。換言すれば、金属支持体110の複数の貫通孔THaの各々は、第4の面s2から第3の面s1にかけて一定の内径を有する。しかしながら、絶縁被覆層120に形成される貫通孔THb(支持層10の貫通孔THb)は、第4の面s2から第3の面s1に向かって、厚み方向DTに直交する開口断面が漸次小さくなるテーパ状に形成されている。これにより、上記実施の形態に係る再配線基板100と同様に、複数の導体層間で信頼性の高い電気的接続を確保するとともに配線の設計の自由度を拡大することが可能になる。
【0072】
(b)図18は、さらに他の実施の形態に係る再配線基板100の縦断面図である。図18の再配線基板100について、図1の再配線基板100と異なる点を説明する。
【0073】
図18の再配線基板100においては、白抜きの矢印で示すように、貫通孔THbが一部くびれるように形成されている。このような場合でも、第3の面s1における貫通孔THbの開口部の内径が、第4の面s2における貫通孔THbの開口部の内径よりも小さければよい。これにより、上記実施の形態に係る再配線基板100と同様に、複数の導体層間で信頼性の高い電気的接続を確保するとともに配線の設計の自由度を拡大することが可能になる。
【0074】
(c)図19は、さらに他の実施の形態に係る再配線基板100の縦断面図である。図19の再配線基板100について、図1の再配線基板100と異なる点を説明する。
【0075】
支持層10は、複数の絶縁層(50,60,70,80)よりも高い剛性を有すればよい。そこで、図19の再配線基板100においては、支持層10として図1の金属支持体110を含まない単一部材が用いられる。本例の支持層10にもちいられる材料としては、例えば複数の絶縁層(50,60,70,80)よりも高い剛性を有する有機材料、無機材料、有機無機ハイブリッド材料または複合材料が挙げられる。
【0076】
この場合、有機材料としては、ポリイミド等を用いることができる。また、無機材料としては、ガラス等のセラミックを用いることができる。また、有機無機ハイブリッド材料および複合材料としては、エポキシ樹脂とシリカフィラーとで構成される材料、またはエポキシ樹脂とガラス繊維とで構成される材料(いわゆるガラスエポキシ)等を用いることができる。
【0077】
上記の他、支持層10には、ガラス繊維で構成された布にエポキシ樹脂を含浸させて硬化させることにより作製された材料(FR4)等を用いることもできる。この場合、金属支持体110を絶縁被覆層120で被覆する工程が不要になる。あるいは、既製品を用いることが可能になる。それにより、支持層10の製造工程が単純化される。
【0078】
(d)図20は、さらに他の実施の形態に係る再配線基板100の縦断面図である。図20の再配線基板100について、図1の再配線基板100と異なる点を説明する。
【0079】
図20の再配線基板100においては、支持層10の第3の面s1上に第2の絶縁層60が形成されているが、第2の絶縁層60上には図1の第1の絶縁層50が形成されていない。また、支持層10の第4の面s2上に第3の絶縁層70が形成されているが、第3の絶縁層70上には図1の第4の絶縁層80が形成されていない。そのため、再配線基板100のうち支持層10よりも第1の面101側の第1の基板部には、単一面内に複数の導体層(ランド部11Lおよび配線部11T)が形成されている。また、再配線基板100のうち支持層10よりも第2の面102側の第2の基板部にも、単一面内に複数の導体層(ランド部12Lおよび配線部12T)が形成されている。このような構成においても、第1の基板部に形成される配線部11Tの密度を高くすることができる。
【0080】
(e)上記実施の形態に係る再配線基板100は、図6図15に示される例に限らず、以下の方法で作製されてもよい。なお、以下に説明する再配線基板100の製造方法においても、再配線基板100は、例えばロール・ツー・ロール方式により作製される。
【0081】
図21図33は、他の実施の形態に係る再配線基板100の製造方法の一例を説明するための模式的断面図である。図21図33に示される模式的断面図は、図6図15の例と同様に、図1の再配線基板100の模式的断面図に対応する。図21図33の各図には、図1の厚み方向DTが示される。図21図33の厚み方向DTの矢印の向きは、再配線基板100が半導体素子200とリジッド基板300との間に配置される場合にリジッド基板300から半導体素子200に向く方向であるものとする。
【0082】
まず、第5の面110aおよび第6の面110bを有する図6の金属支持体110が用意される。次に、図21に示すように、金属支持体110の第5の面110a上に、第1の仮被覆層121が形成される。また、第1の仮被覆層121に1または複数(本例では2つ)の貫通孔THgが形成される。第1の仮被覆層121の露出する一面が、支持層10の第3の面s1となる。
【0083】
第1の仮被覆層121は、第5の面110a上に感光性ポリイミドの前駆体を塗布することまたは感光性ポリイミドからなるフィルムを貼り付けることにより形成される。1または複数の貫通孔THgは、所定のフォトマスクを用いて感光性ポリイミドを露光し、現像することにより形成されてもよいし、硬化処理された第1の仮被覆層121の一部をエッチングまたはレーザ加工することにより形成されてもよい。
【0084】
次に、第3の面s1のうち予め定められた領域および貫通孔THgの内周面に、シード層が形成され、シード層上にめっき層が形成される。それにより、図22に示すように、第3の面s1上に、複数のランド部11Lおよび複数の配線部11Tが形成される。さらに、第1の仮被覆層121の複数の貫通孔THgの内部に複数のビア導体部が形成される。ランド部11L、配線部11Tおよびビア導体部の形成後、シード層は除去される。
【0085】
次に、図23に示すように、第3の面s1上に、複数のランド部11Lおよび複数の配線部11Tを覆うように第2の絶縁層60が形成される。また、複数のランド部11Lのうち一部が第2の絶縁層60上に露出するように、第2の絶縁層60に複数の貫通孔THhが形成される。
【0086】
次に、露出する第2の絶縁層60の表面のうち予め定められた領域にシード層が形成される。また、複数の貫通孔THhの内周面および複数のランド部11Lのうち露出する部分にシード層が形成される。形成されたシード層上にめっき層が形成される。それにより、図24に示すように、第2の絶縁層60上に、複数のランド部61Lおよび複数の配線部61Tが形成される。また、第2の絶縁層60の複数の貫通孔THhの内部に複数のビア導体部60vが形成される。ランド部61L、配線部61Tおよびビア導体部60vの形成後、シード層は除去される。
【0087】
次に、図25に示すように、第2の絶縁層60上に、複数のランド部61Lおよび複数の配線部61Tを覆うように第1の絶縁層50が形成される。また、複数のランド部61Lのうち一部が第1の絶縁層50上に露出するように、第1の絶縁層50に複数の貫通孔THiが形成される。その後、図26に示すように、複数のランド部61Lのうち複数の貫通孔THiを介して露出する部分に端子部T1が形成される。上記の図22図26の処理で、再配線基板100のうち金属支持体110の第5の面110a上に位置する部分(図1の半導体素子200側の部分)が完成する。
【0088】
続いて、再配線基板100のうち金属支持体110の第6の面110b上に位置する部分(図1のリジッド基板300側の部分)が作製される。図27図33では、再配線基板100のうちリジッド基板300側の部分を作製していることが理解しやすいように、模式的断面図の厚み方向DTの向きを図22図26の模式的断面図に対して上下方向で反転させている。
【0089】
まず、図27に示すように、金属支持体110の予め定められた複数の部分に複数の貫通孔THjが形成される。複数の貫通孔THjの各々は、第1の仮被覆層121の複数の貫通孔THg(図21)内部に形成されたビア導体部の一部を当該貫通孔THjを通して金属支持体110の第6の面110b上に露出させる。
【0090】
ここで、金属支持体110の複数の貫通孔THjの形成方法は、上記実施の形態で説明した金属支持体110の複数の貫通孔THaの形成方法と同じである。そのため、各貫通孔THjは、第6の面110bから第5の面110aに向かって内径が漸次小さくなるように形成される。
【0091】
次に、金属支持体110の第6の面110bの全体を覆うとともに複数の貫通孔THjが埋まるように、金属支持体110の第6の面110b上に第2の仮被覆層122が形成される。また、各貫通孔THj内の第2の仮被覆層122の部分にさらに貫通孔THkが形成される。それにより、図28に示すように、金属支持体110の第5の面110a、第6の面110bおよび金属支持体110の貫通孔THj(図27)の内周面を覆う絶縁被覆層120が完成する。
【0092】
金属支持体110および絶縁被覆層120により支持層10が形成される。第2の仮被覆層122の露出する一面が、支持層10の第4の面s2となる。各貫通孔THkの内部では、第1の仮被覆層121の貫通孔THg内に形成された導体層(ビア導体部)の一部が露出する。なお、第2の仮被覆層122の形成方法および複数の貫通孔THkの形成方法は、基本的に第1の仮被覆層121の形成方法および複数の貫通孔THgの形成方法と同じである。
【0093】
次に、第4の面s2のうち予め定められた領域、複数の貫通孔THkの内周面および各貫通孔THk内で露出する導体層(ビア導体部)の部分に、シード層が形成され、シード層上にめっき層が形成される。それにより、図29に示すように、第4の面s2上に、複数のランド部12Lおよび配線部12Tが形成される。また、複数の貫通孔THkの内部に複数のビア導体部10vが形成される。ランド部12L、配線部12Tおよびビア導体部10vの形成後、シード層は除去される。
【0094】
次に、図30に示すように、第4の面s2上に、複数のランド部12Lおよび配線部12Tを覆うように第3の絶縁層70が形成される。また、複数のランド部12Lのうち一部が第3の絶縁層70上に露出するように、第3の絶縁層70に複数の貫通孔THlが形成される。
【0095】
次に、露出する第3の絶縁層70の表面のうち予め定められた領域にシード層が形成される。また、複数の貫通孔THlの内周面および複数のランド部12Lのうち露出する部分にシード層が形成される。形成されたシード層上にめっき層が形成される。それにより、図31に示すように、第3の絶縁層70上に、複数のランド部71Lおよび配線部71Tが形成される。また、第3の絶縁層70の複数の貫通孔THlの内部に複数のビア導体部70vが形成される。ランド部71L、配線部71Tおよびビア導体部70vの形成後、シード層は除去される。
【0096】
次に、図32に示すように、第3の絶縁層70上に、複数のランド部71Lおよび配線部71Tを覆うように第4の絶縁層80が形成される。また、複数のランド部71Lのうち一部が第4の絶縁層80上に露出するように、第4の絶縁層80に複数の貫通孔THmが形成される。その後、図33に示すように、複数のランド部71Lのうち複数の貫通孔THmを介して露出する部分に端子部T2が形成される。それにより、他の実施の形態に係る再配線基板100が完成する。
【0097】
なお、本例の再配線基板100の製造方法において、複数の絶縁層(50,60,70,80)の形成方法および各絶縁層の複数の貫通孔(THi,THh,THl,THm)の形成方法は、基本的に第1の仮被覆層121の形成方法および複数の貫通孔THgの形成方法と同じである。
【0098】
図21図33の製造方法によれば、再配線基板100のうち金属支持体110を基準として半導体素子200側の部分と、再配線基板100のうち金属支持体110を基準としてリジッド基板300側の部分とが個別に形成される。それにより、再配線基板100のうち半導体素子200側の部分とリジッド基板300側の部分とを同時に形成する場合に比べて、各部の形成時の位置決めおよび処理条件の調整が容易になる。その結果、設計寸法に対して高い精度で各部を形成することが可能になる。また、複雑な処理が必要ないので、高価な製造装置を用意する必要がない。
【0099】
上記のように、図22図26に示される製造方法の例では、第1の仮被覆層121上に、ランド部および配線部を含む導体層の形成と絶縁層の形成とが交互に行われる。それにより、再配線基板100のうち半導体素子200側の部分が作製され、半導体素子200用の複数の端子部T1が形成される。しかしながら、再配線基板100における複数の端子部T1の形状または配線のレイアウトによっては、再配線基板100の半導体素子200側の部分は、以下のように作製されてもよい。
【0100】
まず、図22に示すように、第3の面s1上に、複数のランド部11Lおよび複数の配線部11Tが形成された状態で、それらの導体層の形成に用いたシード層を除去することなく、第3の面s1上にドライフィルムレジストを貼り合わせる。その上で、貼り合わされたドライフィルムレジストを所望のパターンで露光し、現像し、ドライフィルムレジストに所定パターンの開口部を形成する。ここで、開口部の所定パターンは、複数のランド部11Lの一部を露出させるように定められる。
【0101】
次に、第3の面s1上に残留するシード層を用いて、ドライフィルムレジストの開口部で露出するランド部11L上に追加のめっき層を形成する。その後、ドライフィルムレジストを除去し、シード層を除去する。
【0102】
上記の追加のめっき層は、当該めっき層が形成されたランド部11Lから第3の面s1が向く方向に所定距離突出する。ランド部11L上に形成される追加のめっき層を、めっき突出部と呼ぶ。
【0103】
めっき突出部が形成された後の第3の面s1上では、当該めっき突出部を除く領域に比較的容易に絶縁層を形成することができる。そこで、第3の面s1上でめっき突出部以外の部分を覆うように、第2の絶縁層60を形成する。あるいは、めっき突出部を含む第3の面s1上の全体に第2の絶縁層60を形成した後、当該第2の絶縁層60のうちめっき突出部に重なる部分に開口を形成する。これらの場合、めっき突出部の先端部に端子部T1を形成することができる。
【0104】
(f)上記実施の形態に係る再配線基板100においては、端子部T1および端子部T2の各々が平面視で円形状を有するが、本発明はこれに限定されない。端子部T1および端子部T2の各々は、平面視で円形状以外の形状(楕円形状または多角形状)を有してもよい。
【0105】
(g)上記実施の形態に係る再配線基板100においては、貫通孔THaおよび貫通孔THbの各々が平面視で円形状を有するが、本発明はこれに限定されない。貫通孔THaおよび貫通孔THbの各々は、平面視で円形状以外の形状(楕円形状または多角形状)を有してもよい。
【0106】
(h)上記実施の形態に係る再配線基板100においては、複数の絶縁層(50,60,70,80)の各々に対応するように配線部11T,12T,61T,71Tが形成されているが、本発明はこれに限定されない。
【0107】
複数の絶縁層(50,60,70,80)のうち一部の絶縁層にのみ対応するように配線部が形成されてもよい。例えば、図1の再配線基板100においては、配線部71Tは設けられなくてもよい。また、図1の再配線基板100においては、配線部12Tは設けられなくてもよい。
【0108】
(i)上記実施の形態では、再配線基板100は、ロール・ツー・ロール方式により製造されるが、本発明はこれに限定されない。再配線基板100は、ロール・ツー・ロール方式以外の方式で作製されてもよい。例えば、1枚のシートに順次処理を行う枚葉方式で作製されてもよい。
【0109】
(j)上記実施の形態は本発明を再配線基板に適用した例であるが、これに限らず、複数の絶縁層および複数の導体層が積層形成された他の配線回路基板に本発明を適用してもよい。
【0110】
6.請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【0111】
上記実施の形態では、再配線基板100が配線回路基板の例であり、第1の面101が第1の面の例であり、第2の面102が第2の面の例であり、端子部T1が第1の端子の例であり、端子部T2が第2の端子の例であり、第3の面s1が第3の面の例であり、第4の面s2が第4の面の例である。
【0112】
また、支持層10が支持層の例であり、貫通孔THbが第1の貫通孔の例であり、第1の絶縁層50および第2の絶縁層60が第1の絶縁層の例であり、第3の絶縁層70および第4の絶縁層80が第2の絶縁層の例であり、ランド部11L,61Lおよび配線部11T,61Tが第1の導体層の例であり、ランド部12L,71Lおよび配線部12T,71Tが第2の導体層の例であり、ビア導体部10vが第3の導体層の例である。
【0113】
また、ランド部11Lが第1のランド部の例であり、ランド部12Lが第2のランド部の例であり、第5の面110aが第5の面の例であり、第6の面110bが第6の面の例であり、金属支持体110が金属支持体の例であり、絶縁被覆層120が絶縁被覆層の例である。
【0114】
7.実施の形態の総括
(第1項)第1項に係る配線回路基板は、
厚み方向において互いに逆方向を向く第1の面および第2の面を有し、前記第1の面に形成される第1の端子と、前記第2の面に形成され、前記第1の端子よりも大きい第2の端子とを含む配線回路基板であって、
前記第1の面と前記第2の面との間に設けられ、前記第1の面に対向する第3の面および前記第2の面に対向する第4の面を有するとともに前記第3の面から前記第4の面に貫通する第1の貫通孔を有する支持層と、
前記支持層よりも低い剛性を有し、前記第3の面上に形成される第1の絶縁層と、
前記支持層よりも低い剛性を有し、前記第4の面上に形成される第2の絶縁層と、
前記第3の面上または前記第1の絶縁層上に形成される複数の配線部を含み、前記第1の端子に電気的に接続された第1の導体層と、
前記第4の面上または前記第2の絶縁層上に形成される複数の配線部を含み、前記第2の端子に電気的に接続された第2の導体層と、
前記支持層の前記第1の貫通孔の内部で前記厚み方向に延びるように形成され、前記第3の面側に位置する第1の端部および前記第4の面側に位置する第2の端部を有する第3の導体層とを備え、
前記第1の導体層は、前記支持層の前記第3の面上で前記第3の導体層の前記第1の端部を覆うとともに、前記第1の導体層または前記第1の端子が電気的に接続される第1のランド部を含み、
前記第2の導体層は、前記支持層の前記第4の面上で前記第3の導体層の前記第2の端部を覆うとともに、前記第2の導体層または前記第2の端子が電気的に接続される第2のランド部を含み、
前記第1の貫通孔の内周面の少なくとも一部は、前記第4の面から前記第3の面に向かって、前記厚み方向に直交する開口断面が漸次小さくなるテーパ状に形成され、
前記第1のランド部は、前記第2のランド部よりも小さい。
【0115】
その配線回路基板においては、支持層は、第1の絶縁層および第2の絶縁層よりも高い剛性を有する。それにより、上記の配線回路基板は、支持層を含まない場合に比べて高い取り扱い性を有する。
【0116】
支持層の第1の貫通孔の内周面は、少なくとも一部がテーパ状に形成される。それにより、支持層の第3の面における当該第1の貫通孔の開口面積を、支持層の第4の面における当該第1の貫通孔の開口面積よりも小さくすることができる。そのため、第3の導体層における第1の端部の大きさと第2の端部の大きさとの関係が、第1のランド部の大きさと第2のランド部の大きさとの関係に一致する。したがって、第3の導体層と第1のランド部との間の電気的な接続の信頼性が確保され、第3の導体層と第2のランド部との間の電気的な接続の信頼性が確保される。
【0117】
配線回路基板のうち支持層よりも第1の面側に位置する部分を、第1の基板部と呼ぶ。第1のランド部は、第1の端子とともに第1の基板部に形成されている。配線回路基板のうち支持層よりも第2の面側に位置する部分を、第2の基板部と呼ぶ。第2のランド部は、第2の端子とともに第2の基板部に形成されている。第1の端子は第2の端子よりも小さく、第1のランド部は第2のランド部よりも小さい。
【0118】
この場合、第1の基板部においては、第2の基板部で第2のランド部および第2の端子部を形成するために必要となる領域に比べて、第1のランド部および第1の端子部を形成するために必要となる領域を低減することができる。それにより、第1の導体層を構成する複数の配線部を高い密度で第1の基板部に形成することができる。したがって、高い配線密度を要する半導体チップ等の一の電気的要素を第1の面上に実装することが可能になる。また、高い配線密度を要しないリジッドプリント配線回路基板等の他の電気的要素上に第2の基板部を実装することにより、上記の配線回路基板は再配線基板として用いることもできる。
【0119】
これらの結果、電気的な接続の信頼性が高く、配線の設計の自由度が拡大された配線回路基板が実現される。
【0120】
(第2項)第1項に記載の配線回路基板において、
前記支持層は、
前記第3の面と前記第4の面との間に設けられ、前記第3の面に対向する第5の面および前記第4の面に対向する第6の面を有するとともに前記第5の面から前記第6の面に貫通する第2の貫通孔を有する金属支持体と、
前記支持層の前記第5の面および前記第6の面を覆うとともに前記第2の貫通孔の内周面を覆い、絶縁性材料からなる絶縁被覆層とを含み、
前記第1の貫通孔の内周面は、前記絶縁被覆層のうち前記第2の貫通孔の内周面を覆う部分により形成されてもよい。
【0121】
この場合、支持層が金属支持体を含むので、配線回路基板に要求される剛性を確保しやすい。
【0122】
(第3項)第2項に記載の配線回路基板において、
前記第2の貫通孔の内周面の少なくとも一部は、前記第6の面から前記第5の面に向かって、前記厚み方向に直交する開口断面が漸次小さくなるテーパ状に形成されてもよい。
【0123】
この場合、第1の貫通孔の内周面の少なくとも一部の形状と、第2の貫通孔の内周面の少なくとも一部の形状とが概ね一致する。これにより、第1の貫通孔の内周面を形成する絶縁被覆層の部分が、金属支持体の第2の貫通孔の内周面により適切に補強される。したがって、支持層における第1の貫通孔およびその近傍部分の機械的強度が向上し、第3の導体層における電気的導通の信頼性が向上する。
【0124】
(第4項)第1項に記載の配線回路基板において、
前記支持層は、有機材料、無機材料、有機無機ハイブリッド材料または複合材料からなってもよい。
【0125】
この場合、絶縁性の有機材料、無機材料、有機無機ハイブリッド材料または複合材料を用いることにより、支持層を単一部材で構成することができる。それにより、支持層の作製に要する材料および作業工程を低減することができる。
【0126】
(第5項)第5項に係る配線回路基板の製造方法は、
厚み方向において互いに逆方向を向く第1の面および第2の面を有し、前記第1の面に形成される第1の端子と、前記第2の面に形成され、前記第1の端子よりも大きい第2の端子とを含む配線回路基板の製造方法であって、
前記厚み方向において互いに逆方向を向く第3の面および第4の面を有するとともに前記第3の面から前記第4の面に貫通する第1の貫通孔を有する支持層を用意する工程と、
前記支持層よりも低い剛性を有する第1の絶縁層を前記支持層の前記第3の面上に形成する工程と、
前記支持層よりも低い剛性を有する第2の絶縁層を前記支持層の前記第4の面上に形成する工程と、
前記第3の面上または前記第1の絶縁層上に複数の配線部を含み、前記第1の端子に電気的に接続されることになる第1の導体層を形成する工程と、
前記第4の面上または前記第2の絶縁層上に複数の配線部を含み、前記第2の端子に電気的に接続されることになる第2の導体層を形成する工程と、
前記支持層の前記第1の貫通孔の内部で前記厚み方向に延びる第3の導体層を形成する工程とを含み、
前記第1の導体層を形成する工程は、前記支持層の前記第3の面上で前記第3の導体層のうち前記第3の面側に位置する第1の端部を覆うとともに、前記第1の導体層または前記第1の端子と電気的に接続されることになる第1のランド部を形成することを含み、
前記第2の導体層を形成する工程は、前記支持層の前記第4の面上で前記第3の導体層のうち前記第4の面側に位置する第2の端部を覆うとともに、前記第2の導体層または前記第2の端子と電気的に接続されることになる第2のランド部を形成することを含み、
前記支持層の前記第3の面は、前記第1の面に対向し、
前記支持層の前記第4の面は、前記第2の面に対向し、
前記第1の貫通孔の内周面の少なくとも一部は、前記第4の面から前記第3の面に向かって、前記厚み方向に直交する開口断面が漸次小さくなるテーパ状に形成され、
前記第1のランド部は、前記第2のランド部よりも小さい。
【0127】
その製造方法により作製される配線回路基板においては、支持層は、第1の絶縁層および第2の絶縁層よりも高い剛性を有する。それにより、上記の配線回路基板は、支持層を含まない場合に比べて高い取り扱い性を有する。
【0128】
支持層の第1の貫通孔の内周面は、少なくとも一部がテーパ状に形成される。それにより、支持層の第3の面における当該第1の貫通孔の開口面積を、支持層の第4の面における当該第1の貫通孔の開口面積よりも小さくすることができる。そのため、第3の導体層における第1の端部の大きさと第2の端部の大きさとの関係が、第1のランド部の大きさと第2のランド部の大きさとの関係に一致する。したがって、第3の導体層と第1のランド部との間の電気的な接続の信頼性が確保され、第3の導体層と第2のランド部との間の電気的な接続の信頼性が確保される。
【0129】
配線回路基板のうち支持層よりも第1の面側に位置する部分を、第1の基板部と呼ぶ。第1のランド部は、第1の端子とともに第1の基板部に形成されている。配線回路基板のうち支持層よりも第2の面側に位置する部分を、第2の基板部と呼ぶ。第2のランド部は、第2の端子とともに第2の基板部に形成されている。第1の端子は第2の端子よりも小さく、第1のランド部は第2のランド部よりも小さい。
【0130】
この場合、第1の基板部においては、第2の基板部で第2のランド部および第2の端子部を形成するために必要となる領域に比べて、第1のランド部および第1の端子部を形成するために必要となる領域を低減することができる。それにより、第1の導体層を構成する複数の配線部を高い密度で第1の基板部に形成することができる。したがって、高い配線密度を要する半導体チップ等の一の電気的要素を第1の面上に実装することが可能になる。また、高い配線密度を要しないリジッドプリント配線回路基板等の他の電気的要素上に第2の基板部を実装することにより、上記の配線回路基板は再配線基板として用いることもできる。
【0131】
これらの結果、電気的な接続の信頼性が高く、配線の設計の自由度が拡大された配線回路基板が実現される。
【0132】
(第6項)第5項に係る配線回路基板の製造方法において、
前記支持層は、
前記第3の面と前記第4の面との間に設けられ、前記第3の面に対向する第5の面および前記第4の面に対向する第6の面を有するとともに前記第5の面から前記第6の面に貫通する第2の貫通孔を有する金属支持体と、
前記支持層の前記第5の面および前記第6の面を覆うとともに前記第2の貫通孔の内周面を覆い、絶縁性材料からなる絶縁被覆層とを含み、
前記支持層を用意する工程は、
前記第5の面および前記第6の面を有する金属板を用意する工程と、
前記金属板の前記第5の面から前記第6の面に向かって前記第2の貫通孔を形成することにより前記金属支持体を形成することと、
形成された前記金属支持体の前記第5の面および前記第6の面をそれぞれ覆うことにより前記第3の面および前記第4の面を形成するとともに、前記第2の貫通孔を埋めるように、前記金属支持体の外表面に仮絶縁被覆層を形成することと、
前記第2の貫通孔の内部の仮絶縁層の部分に前記第1の貫通孔を形成することにより前記絶縁被覆層を形成することとを含んでもよい。
【0133】
この場合、支持層が金属支持体を含むので、配線回路基板に要求される剛性を確保しやすい。
【0134】
(第7項)第6項に係る配線回路基板の製造方法において、
前記第2の貫通孔の内周面の少なくとも一部は、前記第6の面から前記第5の面に向かって、前記厚み方向に直交する開口断面が漸次小さくなるテーパ状に形成されてもよい。
【0135】
この場合、第1の貫通孔の内周面の少なくとも一部の形状と、第2の貫通孔の内周面の少なくとも一部の形状とが概ね一致する。これにより、第1の貫通孔の内周面を形成する絶縁被覆層の部分が、金属支持体の第2の貫通孔の内周面により適切に補強される。したがって、支持層における第1の貫通孔およびその近傍部分の機械的強度が向上し、第3の導体層における電気的導通の信頼性が向上する。
【0136】
(第8項)第5項に係る配線回路基板の製造方法において、
前記支持層は、有機材料、無機材料、有機無機ハイブリッド材料または複合材料からなってもよい。
【0137】
この場合、絶縁性の有機材料、無機材料、有機無機ハイブリッド材料または複合材料を用いることにより、支持層を単一部材で構成することができる。それにより、支持層の作製に要する材料および作業工程を低減することができる。
【符号の説明】
【0138】
10…支持層,10v,60v,70v…ビア導体部,11L,61L,71L…ランド部,11T,61T,71T…配線部,12L…ランド部,12T…配線部,50…第1の絶縁層,60…第2の絶縁層,70…第3の絶縁層,80…第4の絶縁層,100…再配線基板,100A…第1の再配線基板,100B…第2の再配線基板,101…第1の面,102…第2の面,110…金属支持体,110a…第5の面,110b…第6の面,120…絶縁被覆層,121…第1の仮被覆層,122…第2の仮被覆層,200…半導体素子,200A…第1の半導体素子,200B…第2の半導体素子,211…対向面,220…柱状接合部,290…アンダーフィル,300…リジッド基板,301…電極パッド,500…ロール装置,501…巻き出し部,502…巻き取り部,510…処理部,520…処理部,900…半導体装置,DT…厚み方向,R1…繰り出しロール,R2…巻き取りロール,S…半田,T1…端子部,T2…端子部,THa,THb,THc,THd,THe,THf,THg,THh,THi,THj,THk,THl,THm…貫通孔,s1…第3の面,s2…第4の面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33