(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159299
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】毛髪成形器具
(51)【国際特許分類】
A45D 1/00 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
A45D1/00 C
A45D1/00 502B
A45D1/00 503B
A45D1/00 504B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075196
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】301000239
【氏名又は名称】テスコム電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】園原 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】臼井 郁也
(57)【要約】
【課題】使用中に比較的軽い力で容易にクリップの挟み力を調節することができる毛髪成形器具を提供する。
【解決手段】毛髪成形器具1は、本体10と、本体10の長手方向EDに延在する加熱部40であって、加熱された側面に毛髪が巻き付けられる加熱部40と、側面の一部に沿った形状に形成され、側面の一部を開閉可能に覆う被覆部51bと、被覆部51bに接続され、被覆部51bの延長方向と交差する方向に延在する開閉部51cと、本体10と開閉部51cとの間に配置され、開閉部51cを本体10から遠ざかる方向に付勢するばね機構21と、ばね機構21の弾性力を調整する弾性力調整機構24、32、33と、を備え、開閉部51cは、本体10に近づく方向に移動するときに、被覆部51bを側面から遠ざかる方向に移動させ、本体10から遠ざかる方向に移動するときに、被覆部51bを側面に近付く方向に移動させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体から前記本体の長手方向に延在する加熱部であって、加熱された側面に毛髪が巻き付けられる加熱部と、
前記側面の一部に沿った形状に形成され、前記側面の一部を開閉可能に覆う被覆部と、
前記被覆部に接続され、前記被覆部の延長方向と交差する方向に延在する開閉部と、
前記本体と前記開閉部との間に配置され、前記開閉部を前記本体から遠ざかる方向に付勢するばね機構と、
前記ばね機構の弾性力を調整する弾性力調整機構と、を備え、
前記開閉部は、前記本体に近づく方向に移動するときに、前記被覆部を前記側面から遠ざかる方向に移動させ、前記本体から遠ざかる方向に移動するときに、前記被覆部を前記側面に近付く方向に移動させる、
毛髪成形器具。
【請求項2】
前記開閉部は、移行部を介して前記被覆部と接続され、
前記被覆部と、前記移行部と、前記開閉部とは、前記移行部に設けられた軸を中心として回動可能である、
請求項1に記載の毛髪成形器具。
【請求項3】
前記ばね機構は、一端部が前記本体に配置され、他端部が前記開閉部に接するコイルばねである、
請求項2に記載の毛髪成形器具。
【請求項4】
前記弾性力調整機構は、前記コイルばねの延長方向の最大長さを規制する、
請求項3に記載の毛髪成形器具。
【請求項5】
前記弾性力調整機構は、前記長手方向に沿って厚みが異なり、前記本体の長手方向に移動可能である変圧板を含む、
請求項4に記載の毛髪成形器具。
【請求項6】
前記弾性力調整機構は、前記本体に回転可能に取り付けられたダイヤルの回転運動を前記本体の長手方向への平行移動に変換する変換部を含み、
前記変圧板は、前記変換部と接続されている、
請求項5に記載の毛髪成形器具。
【請求項7】
前記コイルばねの前記一端部は、前記変圧板と接している、
請求項5に記載の毛髪成形器具。
【請求項8】
前記コイルばねの前記一端部は、前記変圧板に向けて突出する凸部を介して前記変圧板に接する、
請求項5に記載の毛髪成形器具。
【請求項9】
前記変圧板は、前記本体の長手方向と平行な第1の面と、前記第1の面と平行な第2の面と、を備え、
前記コイルばねの前記一端部は、前記第1の面または前記第2の面に接する、
請求項5に記載の毛髪成形器具。
【請求項10】
前記変圧板は、前記本体の長手方向と平行な面に対して傾斜する面を備え、
前記コイルばねの前記一端部は、前記傾斜する面に接する、
請求項5に記載の毛髪成形器具。
【請求項11】
前記弾性力調整機構は、前記本体の長手方向に移動可能に取り付けられたスライダを含み、
前記変圧板は、前記スライダと接続されている、
請求項5に記載の毛髪成形器具。
【請求項12】
前記変換部は、前記変圧板に接続されたウォームギアと、内周に前記ウォームギアと噛み合う斜歯歯車が形成され、外周に前記ダイヤルの内周に形成された第1の平歯車と噛み合う第2の平歯車が形成された変換ギアと、を含む、
請求項6に記載の毛髪成形器具。
【請求項13】
前記弾性力調整機構は、周方向に沿って径が異なるカムを含み、
前記コイルばねの前記一端部が前記カムの側面と接している、
請求項3に記載の毛髪成形器具。
【請求項14】
前記カムは、前記本体に回転可能に取り付けられたダイヤルの回転に応じて回転する、
請求項13に記載の毛髪成形器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、毛髪成形器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱されている円筒状のバレルの側面に毛髪を巻き付け、バレルの表面に沿う形状のクリップでバレルの側面との間に挟み込むことにより、毛髪に癖付けを行うヘアアイロンが知られている。
【0003】
特許文献1には、調整ねじを回す量を変化させることでクリップの挟み力を調節することができるヘアアイロンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたヘアアイロンでは、クリップに付勢するばねの一端部の位置がねじによって規制されており、調整ねじを回す量を変化させることにより、クリップが毛髪を挟む力を変えることができる。しかし、特許文献1に記載されたヘアアイロンでは、ねじが持ち手から離れた位置に配置されているため、ユーザがヘアアイロンを掴んだままねじを回すことは困難であり、使用中にクリップの挟み力を調節することが難しいという問題がある。
【0006】
また、特許文献1に記載されたヘアアイロンでは、調整ねじを回して直接ばねの長さを調節するため、ばね力が強くなればなるほど調整ねじを回すために必要とされる力が強くなるという問題がある。
【0007】
上記の問題に鑑み、本発明は、使用中に比較的軽い力で容易にクリップの挟み力を調節することができる毛髪成形器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態の一態様に係る毛髪成形器具は、本体と、本体の長手方向に延在する加熱部であって、加熱された側面に毛髪が巻き付けられる加熱部と、側面の一部に沿った形状に形成され、側面の一部を開閉可能に覆う被覆部と、被覆部に接続され、被覆部の延長方向と交差する方向に延在する開閉部と、本体と開閉部との間に配置され、開閉部を本体から遠ざかる方向に付勢するばね機構と、ばね機構の弾性力を調整する弾性力調整機構と、を備え、開閉部は、本体に近づく方向に移動するときに、被覆部を側面から遠ざかる方向に移動させ、本体から遠ざかる方向に移動するときに、被覆部を側面に近付く方向に移動させる。
【発明の効果】
【0009】
上記態様によれば、本体に近い位置でばねの弾性力を変更できるため、使用中に比較的軽い力で容易にクリップの挟み力を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一つの実施の形態に係る毛髪成形器具の側面図である。
【
図2】本発明の一つの実施の形態に係る毛髪成形器具の別の側面図である。
【
図5】
図1に示す毛髪成形器具の別の断面図である。
【
図6】
図1に示す毛髪成形器具の別の断面図である。
【
図7】
図1に示す毛髪成形器具の別の断面図である。
【
図8】
図1に示す毛髪成形器具の別の断面図である。
【
図10】
図1に示す毛髪成形器具の別の斜視図である。
【
図11】本発明の別の実施形態に係る毛髪成形器具の断面図である。
【
図13】本発明の別の実施形態に係る毛髪成形器具の説明図である。
【
図15】変形例に係る毛髪成形器具の変圧板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下、本開示の一つの実施の形態に係るヘアアイロン1について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ要素には同じ符号を付して、説明が重複する場合にはその説明を省略する場合がある。また、図面においては、理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。
【0012】
本明細書において、「上」または「上方」と記載されている場合、特に断りの無い限り、ある構造体の上に他の構造体が直接接して配置される場合と、ある構造体の上に別の構造体を介して他の構造体が配置される場合と、の両方を含む。「下」または「下方」と記載されている場合も同様である。
【0013】
また、本明細書において、本発明の毛髪成形器具を水平な面に設置した場合に、鉛直上向き又は鉛直上向きに近い方向を「上」又は「上方」とし、「下」又は「下方」とは、「上」又は「上方」の反対方向をいう。
【0014】
さらに、本明細書において、「接する」と記載されている場合、特に断りの無い限り、ある構造体と他の構造体が直接接する場合と、ある構造体と他の構造体がさらに別の構造体を介して接する場合と、の両方を含む。
【0015】
図1に示すように、ヘアアイロン1は、長手方向EDに延在する本体10と、本体10からさらに長手方向EDに延在する円筒形状のバレル40と、バレル40の側面に沿ってバレル40の側面の一部を覆うクリップ50と、クリップ50から連続的に延び、ユーザが指で押すノブ52と、を備える。バレル40の内部には後述するヒータが内蔵されている。以下、
図1に示す鉛直上向きをZ方向とし、本体10からバレル40に向かう本体10およびバレル40の長手方向をX方向、X方向およびZ方向に垂直な方向をY方向とする。
【0016】
ヘアアイロン1は、加熱されているバレル40の側面に毛髪を巻き付けてクリップ50で挟み、一定の時間にわたって固定することによって、毛髪にカールの癖付けを行う器具である。
【0017】
(本体10)
本体10は、たとえば長さ約15cm、直径約2~4cmの円筒形の形状に形成されている。本体10の内部には、電源コード11を介して外部から電力の供給を受け、後述するバレル40に内蔵されたヒータに電流を流して発熱させる電気回路が配置されている。電気回路には、ユーザによって操作される電源スイッチ12および温度調節ボタン13が接続されている。電気回路には、ユーザにヘアアイロン1の設定温度を表示する温度表示部14が接続されている。電源スイッチ12、温度調節ボタン13および温度表示部14は、本体10の表面に配置されている。
【0018】
(バレル40)
バレル40は、たとえば長さ約15cm、直径約2~4cmの円筒形の形状に形成されている。バレル40と本体10の長手方向EDは共通である。バレル40と本体10は同軸であり、相互に接続される部分において、本体10の径は滑らかに変化する。バレル40の表面は、たとえばフッ素樹脂でコーティングされており、摩擦が低減されているため、巻き付けられた毛髪が引っかかることが少ない。
【0019】
バレル40の先端(本体10から遠い側)には、バレル40に対して回転可能にバレル40の直径とほぼ同じ直径の円筒形状に形成された回転保持部41が取り付けられている。回転保持部41は、熱を伝えにくく、熱に強い樹脂素材によって形成されている。このため、ユーザは、使用中に一方の手で本体10を握って、もう片方の手で回転保持部41を持つことで、ヘアアイロン1全体を安定して持つことができる。バレル40の根元(本体10に近い側)には、スタンド42が取り付けられている。ヘアアイロン1は、スタンド42と電源コード11が取り付けられている部分との両方が床面に接した状態で支持されるため、ヒータによって温められたバレル40は直接床面に接しない。
【0020】
(クリップ50)
クリップ50は、バレル40を覆う被覆部51bと、被覆部51bを開閉する操作を行う開閉部51cと、被覆部51bと開閉部51cの間に配置され両部を曲面で滑らかに結合する移行部51dと、を含む。被覆部51bは、バレル40の側面の曲面に沿う板状に形成されている。
【0021】
被覆部51bは、バレル40の側面を覆った状態で、長手方向EDに延在する。開閉部51cは、移行部51dを介して被覆部51bの延長方向に対して+Z方向から交差する方向に延在する。被覆部51bの先端側(+X方向の側)の延長方向と、開閉部51cの後端側(-X方向の側)の延長方向とがなす角度αは、鈍角、たとえば170°である。移行部51dの開閉部51c側の延長方向と、被覆部51bの先端側(+X方向の側)の延長方向とがなす角度βは、角度αより小さい鈍角、たとえば110°である。移行部51dの被覆部51b側の延長方向と、開閉部51cの後端側(-X方向の側)の延長方向とがなす角度γは、角度βより大きい鈍角、たとえば130°である。このように、被覆部51bと移行部51dと開閉部51cとは、互いに延長方向を異にして、複数の箇所で屈曲しながらクリップ50を構成している。開閉部51cには、後述するコイルばね21およびノブ52が接続される。移行部51dには、クリップ固定用ねじ51aが取り付けられ、クリップ50は、クリップ固定用ねじ51aを中心として回動可能である。
【0022】
(ノブ52)
開閉部51cの後端部には、ユーザが指で押すことができるノブ52が取り付けられている。ノブ52は、たとえば耐熱性樹脂によって形成されている。なお、ノブ52は、他の耐熱性材料、たとえば耐熱性ゴムによって形成されていてもよい。
【0023】
移行部51dに設けられたクリップ固定用ねじ51a、開閉部51c、被覆部51bはそれぞれ、てこ機構における支点、力点、作用点に対応する。支点、力点および作用点は、ある程度の広がりをもっていてもよい。たとえば、被覆部51bは、バレル40の側面と面で接触してもよい。開閉部51cは、本体10に近づく方向に移動するときに、被覆部51bをバレル40の側面から遠ざかる方向に移動させる。開閉部51cは、本体10から遠ざかる方向に移動するときに、被覆部51bをバレル40の側面に近付く方向に移動させる。
【0024】
ノブ52が本体10に近づく方向に押されていないときに、詳しくは後述するコイルばね21は、弾性力により、開閉部51cを本体10から遠ざかる方向DAに押し、開閉部51cは被覆部51bをバレル40の側面に近付く方向DBに閉める。
【0025】
図2は、ユーザがノブ52を本体10に近付く方向DCに押したときのヘアアイロン1を示す側面図である。ノブ52が本体10に近付く方向DCに押されたときに、開閉部51cは、被覆部51bをバレル40の側面から遠ざかる方向DDに開ける。
【0026】
図3は、+X方向から-X方向に向けてヘアアイロン1を見たときの正面図、すなわちヘアアイロン1をバレル40から本体10に向かう方向に見た図である。被覆部51bは、バレル40が形成する円筒面のうち上側(+Z方向)を覆っている。スタンド42は、本体10の正面から背面まで、バレル40の下部に回り込む角張った形状に形成されている。スタンド42は、クリップ固定用ねじ51aの位置で本体10に接続されている。
【0027】
図4は、
図3に示したヘアアイロン1のA1-A2線断面図である。バレル40には、本体10およびバレル40の長手方向EDにヒータ43が内蔵されている。ヒータ43が発する熱によって、バレル40の側面が加熱される。
【0028】
本体10の内部には、電気回路の回路基板15が配置されている。回路基板15上に集積回路、コイル、キャパシタ、抵抗器などの回路素子16が固定されている。電源コード11、電源スイッチ12、温度調節ボタン13、温度表示部14およびヒータ43は、回路素子16に電気的に接続されている。電源スイッチ12は、たとえば電子式のタクタイルスイッチを使用したプッシュスイッチであり、温度調節ボタン13は、たとえば2つの検知部を含むモーメンタリ型のプッシュスイッチであり、温度表示部14は、たとえば7セグメントディスプレイである。なお、電源スイッチ12は、たとえばスライドスイッチであってもよい。回路素子16は、電源スイッチ12がオンになっているときに、電源コード11を介して電力の供給を受けて、温度調節ボタン13によって設定された温度を温度表示部14に表示して、対応する電流をヒータ43に流す制御を行う。
【0029】
電源スイッチ12、温度調節ボタン13および温度表示部14は、本体10の表面に設けられている。また、本体10の表面には、本体10の円筒と同軸に回転可能に取り付けられた環状のダイヤル31が配置されている。ダイヤル31の表面には、ユーザが回転させやすいように、滑り止めの凹凸が設けられている。ユーザは本体10を握っている間に、親指で電源スイッチ12を押し、温度調節ボタン13を押し、親指または人差し指でダイヤル31を回すことができる。
【0030】
本体10の内部には、以下に示すように、ダイヤル31の回転を長手方向EDの平行移動に変換する変換機構が設けられている。
【0031】
ダイヤル31の内周には、回転方向に対して垂直な複数の歯が形成されている。ダイヤル31の内周に形成された平歯車の歯は、ダイヤル31より内側に配置された変換ギア33の外側の歯33aと噛み合う。
【0032】
変換ギア33は、平歯車の歯33aと斜歯歯車の歯33bとを備える複合歯車である。変換ギア33の斜歯歯車の歯33bは、内側に形成されている。また、変換ギア33には、軸方向の回転が制限されたウォームギア32が挿通されており、変換ギア33の斜歯歯車の歯33bとウォームギア32とが噛み合っている。
【0033】
ウォームギア32の端部はフランジ状に形成されており、ウォームギア32の端部は、変圧板24に形成された溝部24dと嵌合している。ウォームギア32が長手方向EDの+X方向または-X方向に移動すると、変圧板24がウォームギア32と接続されているため、変圧板24もウォームギア32の移動方向と同じ方向に移動する。
【0034】
図4の右下に示すMT部分の部分拡大図も参照すると、変圧板24には、長手方向EDに沿って厚さが異なる3つの段が設けられている。変圧板24が有する3つの段に対応する面をそれぞれ、第1の面24a、第2の面24bおよび第3の面24cとする。コイルばね21の下端部21bは、変圧板24の異なる厚さの段のうち、いずれかの段に対応する面で接している。
図4は、3つの段のうち、最も薄い段に対応する第1の面24aにコイルばね21の下端部21bが接していることを示したものである。
【0035】
図5は、
図4と比べて変圧板24が+X方向、すなわち図の左方向に移動した状態のヘアアイロン1を示したものである。コイルばね21の下端部21bは、3つの段のうち、変圧板24が最も厚い段に対応する第3の面24cに接している。
【0036】
コイルばね21の上端部21aには、ばね受け22aが接続されている。ばね受け22aには、金属球22bが嵌め込まれ、金属球22bの一部がばね受け22aから突出して露出している。ばね受け22aから露出している金属球22bの部分は、開閉部51cの裏側(ユーザが指で押す側の反対側)に接し、開閉部51cを上向きに、すなわち本体10から遠ざかる方向DDに付勢している。
【0037】
コイルばね21の下端部21bには、ばね受け23aが接続されている。ばね受け23aには、金属球23bが嵌め込まれ、金属球23bの一部がばね受け23aから突出して露出している。ばね受け23aから露出している金属球23bの部分は、変圧板24の第1の面24a、第2の面24b、第3の面24cのうちいずれかと接している。
【0038】
コイルばね21の下端部21bの位置が一定であるならば、コイルばね21は、ノブ52が下向き(本体10に近付く方向)に押されたときに最も圧縮され、大きい弾性力を発揮し、ノブ52がユーザに押されていないときに最も伸び、小さい弾性力を発揮する。コイルばね21の上端部21aの位置が一定であるならば、コイルばね21は、変圧板24が最も左にあるときに最も圧縮されて大きい弾性力を発揮し、変圧板24が最も右にあるときに最も伸びて小さい弾性力を発揮する。
【0039】
-X方向に見たダイヤル31を反時計回りに回転させたとき、変換ギア33は反時計回りに回転し、ウォームギア32と変圧板24は、-X方向に移動する。これにより、コイルばね21の下端部21bは、第3の面24cと接していたときには第2の面24bと接することになり、第2の面24bと接していたときには第1の面24aと接することになり、より弱く圧縮される。これに対し、ダイヤル31を時計回りに回転させたとき、変換ギア33は時計回りに回転し、ウォームギア32と変圧板24は、+X方向に移動する。これにより、コイルばね21の下端部21bは、第1の面24aと接していたときには第2の面24bと接することになり、第2の面24bと接していたときには第3の面24cと接することになり、より強く圧縮される。
【0040】
以上説明したように、コイルばね21の下端部21bの位置は、ダイヤル31の回転に連動した変圧板24の位置によって変化する。コイルばね21の上端部21aの位置は、ユーザによって押されたノブ52の位置によって変化する。コイルばね21の弾性力は、コイルばね21の変位、すなわちコイルばね21の上端部21aの位置と下端部21bの位置とによって変化する。このように、コイルばね21の弾性力は、変圧板24の位置と、ノブ52が本体10に向けて押されている量とによって変化する。
【0041】
なお、以上説明したダイヤル31、ウォームギア32、変換ギア33またはこれらの組合せは、ダイヤル31の回転運動を変圧板24の平行移動に変換する機構の一例である。ダイヤル31の回転動作を、変圧板24の直進動作に変換する機構であれば、本書に記載されたもの以外の方法が用いられてもよい。たとえば、ダイヤル31の回転動作は、リンク機構、クランク機構などによって変圧板24の直進動作に変換されてもよい。
【0042】
変圧板24の段の数は3に限られず、これより少なくてもよく、多くてもよい。変圧板24として金属球23bが接する面が長手方向EDと平行であるものを示したが、金属球23bが接する段の面が長手方向EDに対して傾いたもの、凹部を有するもの、凸部を有するもの等であってもよい。
【0043】
本体10とクリップ50の開閉部51cとの間にはコイルばね21が配置されている。コイルばね21の延長方向は、本体10の長手方向EDに垂直である。コイルばね21の一端部は、変圧板24に接している。
【0044】
図5は、
図4に示した変圧板24を本体10のバレル40に向かう長手方向ED(+X方向)に移動させたヘアアイロン1のA1-A2線(
図3参照)断面図である。
図5の右下に示すMT部分の部分拡大図も参照すると、コイルばね21の下端部21bは、
図4に示した第1の面24aより厚い部分である第3の面24cで変圧板24に接している。このため、
図5に示すコイルばね21は、
図4に示したコイルばね21より圧縮されている。
図4、
図5に示すヘアアイロン1は、いずれもノブ52が押されていないものである。ノブ52が押されていないとき、コイルばね21の上端部21aは本体10から最も遠ざかるから、コイルばね21は、延長方向に伸びた状態になる。コイルばね21の最も伸びた状態の長さ、言い換えれば延長方向の最大長さは、下端部21bが接する変圧板24の位置によって規制される。コイルばね21の弾性力は、圧縮されればされるほど大きくなるため、
図5に示すコイルばね21は、
図4に示したコイルばね21より最大長さを規制され、圧縮されている分、大きい弾性力を発揮している。コイルばね21の上端部21aは、開閉部51cを上向き、すなわち本体10から遠ざかる向きDDに付勢する。ノブ52、被覆部51b、開閉部51cおよび移行部51dは互いに機械的に接続されているから、
図5に示すクリップ50は、
図4に示したクリップ50に比べてバレル40を強く押している。
【0045】
図6と
図7はそれぞれ、
図4と
図5に示したヘアアイロン1のウォームギア32、変圧板24、コイルばね21の位置関係を示す図である。
図7に示すウォームギア32は、
図6に示すウォームギア32より左に位置している。ウォームギア32の左端部は、変圧板24に形成された溝部24dと嵌合して変圧板24と接続されているため、ウォームギア32の位置に応じて、変圧板24の位置も変化する。このため、
図4および
図5を参照して説明したように、コイルばね21と変圧板24は長手方向EDに沿って第1の面24a、第2の面24bまたは第3の面24cのいずれかの位置で接している。
図7に示すコイルばね21は、
図6に示すコイルばね21に比べて強く圧縮されている。たとえば、
図7に示されている長さがL2であるコイルばね21は、
図6に示されている長さがL1であるコイルばね21に比べ、差(L1-L2)の分だけ大きい弾性力を発揮する。このため、クリップ固定用ねじ51aを支点とするクリップ50が毛髪を挟む力も、圧縮されているコイルばね21によるものの方が大きい。
【0046】
図8は、
図6に示したヘアアイロン1のCS部を拡大した断面図である。
図8に示すように、ダイヤル31の内側には、コイルばね35が配置されている。コイルばね35の下端部35aは、ばね受け36aに固定されている。ばね受け36aは樹脂によって形成されており、ばね受け36aの下端部は、半球34aの形状に形成されている。半球34aは、ダイヤル31の内周面のうち、歯車の歯が配置されていない部分と接している。ばね受け36aの下端部に形成された半球34aは、コイルばね35によって、ダイヤル31の内側に押し付けられている。
【0047】
図9、
図10は、それぞれ
図6、
図7に示したヘアアイロン1の斜視図である。
図9、
図10に示すように、ダイヤル31の内周面には、3つの溝部31a、31b、31cが形成されている。溝部31bは、+X方向から見たダイヤル31の内周面のなす円において、溝部31aおよび溝部31cに対して約180°離れた位置に設けられている。
【0048】
ダイヤル31の回転位置に応じて、コイルばね35(
図8参照)によって付勢されたばね受け36aの樹脂製の半球34a(
図8参照)は、溝部31a、溝部31bまたは溝部31cに嵌合する。溝部31a~31cの深さは、ばね受け36aの半球34aの径に比べて小さいため、ユーザがダイヤル31を回転させることにより、溝部31a~31cに嵌合していた樹脂製の半球34aは、溝部31a~31cから脱出することができる。溝部31a~31cのいずれかに半球34aが嵌合する際に、コイルばね35は樹脂製の半球34aを溝部31a~31cに叩きつけるため、ヘアアイロン1に微小な衝撃が発生する。
【0049】
ある衝撃が発生してから次の衝撃が発生するまでにダイヤル31が回転する量と、コイルばね21が金属球23bを介して変圧板24と接触する段が切り替わるためにダイヤル31が回転しなければならない量とは対応するように設定されている。具体的には、半球34aが溝部31aに嵌合している場合には、金属球23bは第1の面24a(
図4参照)に接している。半球34aが溝部31bに嵌合している場合には、金属球23bは第2の面24b(
図4等参照)に接している。半球34aが溝部31cに嵌合している場合には、金属球23bは第3の面24c(
図5参照)に接している。このため、ユーザは、ダイヤル31を回すことで感じるクリック感によって、変圧板24が長手方向EDのどの位置にあるかを感覚的に認識することができる。
【0050】
ヘアアイロン1によれば、ダイヤル31を回転させる角度によって、変圧板24の長手方向EDの位置が変化し、変圧板24の長手方向EDの位置によってコイルばね21の最大長さも変化する。
【0051】
ダイヤル31の回転方向は、本体10の長手方向EDに対して垂直な方向である。ユーザが本体10(
図1参照)を片手で握ったときに、人差し指でノブ52を押さえ、同じ手の親指または中指でダイヤル31を回転させることができる。また、ユーザが本体10を片手で握ったときに、親指でノブ52を押さえ、同じ手の人差し指でダイヤル31を回転させることもできる。このため、ユーザは、ノブ52を押さえる力を加減しながら、ダイヤル31を時計回りまたは反時計回りに回転させ、クリップ50が毛髪を挟む力を最適なものに調節することができる。このように、本実施形態のヘアアイロン1によれば、ユーザは、使用中に容易にクリップの挟み力を調節することができる。
【0052】
また、ダイヤル31は、ウォームギア32、変換ギア33、変圧板24等の変換機構および金属球23bを介してコイルばね21の長さを調整するものである。ダイヤル31の内周面に設けられている平歯車と、この平歯車の歯と噛み合う変換ギア33の外側の歯33aのギア比は比較的大きく設定されている。コイルばね21の弾性力が作用する方向であるコイルばね21の延長方向とダイヤル31の回転方向は平行でない。このため、コイルばね21が圧縮されている程度が変わっても、ダイヤル31を回転させるために必要とされる力の大きさはほぼ一定である。コイルばね21の下端部21bは、金属球23bを介して変圧板24と接しているから、平面で接する場合に比べて摩擦力が小さく、ダイヤル31を回すために必要とされる力の大きさは小さい。
【0053】
また、
図5、
図6に示したように、コイルばね21の下端部21b、変圧板24、ウォームギア32及び変換ギア33は、本体10の内部に配置されている。このため、ヘアアイロン1によれば、器具全体をコンパクトにすることができる。
【0054】
ヘアアイロン1はコイルばね21を用いてクリップ50の挟み力を生成するものであるが、時間の経過とともにコイルばね21の弾性力が変化することがある。コイルばね21の弾性力が低下したときでも、ユーザは、ダイヤル31を回転させて、コイルばね21の延長方向の最大長さを短縮することができる。このように、ヘアアイロン1によれば、弾性力が変化したコイルばね21の最大長さを調節して、毛髪を挟む力を最適なものに修正することができる。
【0055】
以上説明したヘアアイロン1の各部の大きさは適宜変更されてもよい。また、ダイヤル31の内周面に設けられた溝部31a、31b、31c(
図9、
図10参照)は、3つより多くてもよい。
【0056】
図4、5に示した金属球22b、23bは、たとえば高炭素クロム軸受鋼を球状に形成したものであるが、金属球22b、23bの材質は高炭素クロム軸受鋼に限定されない。金属球22b、23bに代えて、樹脂の球を用いてもよい。また、角の部分で接触対象に接することがなく、接触対象に対してスムーズに移動が可能な凸部であれば、金属球22b、23b形状は、球に限られない。
【0057】
ヘアアイロン1に用いられるばねは、コイルばね21、コイルばね35に限られない。たとえば、コイルばね21、コイルばね35の代わりにねじりコイルばね、板ばね等を用いてもよい。また、弾性力を発揮できるものであれば、ばね以外のものであってもよい。
【0058】
(第2の実施形態)
ヘアアイロン1は、ウォームギア機構によってダイヤル31の回転を変圧板24の平行移動に変換するものであった(
図4ないし
図7参照)。しかし、変圧板24は、ウォームギア機構によらずに長手方向EDに平行移動するものでもよい。第2の実施形態に係るヘアアイロン2は、スライダによって変圧板24が長手方向EDに平行移動するものである。以下、ヘアアイロン1と異なる部分を中心に説明する。本実施形態の説明において、第1の実施形態と同じ要素については、図面において同じ符号を付して説明を省略する場合がある。
【0059】
図11は、ヘアアイロン2の変圧板24を長手方向EDに平行移動させる機構を中心に拡大した断面図である。また、本図は、
図6に示したヘアアイロン1と同様に、コイルばね21が金属球23bを介して変圧板24の厚さが最も小さい第1の面24aで接触している状態を示すものである。
【0060】
ヘアアイロン2は、長手方向EDに移動可能なスライダ71を備える。スライダ71のグリップ面71aは、本体10の温度表示部14(
図1参照)付近に設けられた穴から露出している。ユーザは、人差し指または親指でグリップ面71aを押し、スライダ71を長手方向EDに移動させることができる。
【0061】
スライダ71の凸部71bは、変圧板24に設けられた凹部と噛み合っている。このため、スライダ71が長手方向EDに移動すると、変圧板24も同じ方向に移動する。
【0062】
図12に示すスライダ71は、
図11に示したスライダ71より左に位置している。スライダ71の凸部71bは、変圧板24の凹部と接続されているため、スライダ71の位置に応じて、変圧板24の位置も変化する。このため、長手方向EDに沿って異なる位置でコイルばね21と変圧板24は接して、
図12に示すコイルばね21は、
図11に示したコイルばね21に比べて強く圧縮されている。たとえば、長さがL2であるコイルばね21(
図12)は、長さがL1であるコイルばね21(
図11)に比べ、差(L1-L2)の分だけ大きい弾性力を発揮する。このため、クリップ固定用ねじ51aを支点とするクリップ50が毛髪を挟む力も、圧縮されているコイルばね21が発揮するものの方が大きい。
【0063】
ヘアアイロン2は、ヘアアイロン1におけるダイヤル31、ウォームギア32、変換ギア33(
図4参照)等を備えない。ヘアアイロン2によれば、ヘアアイロン1に比べて簡易な構成でコイルばね21の弾性力を調整することができる。
【0064】
(第3の実施形態)
ヘアアイロン1は、長手方向EDに沿って厚さが異なる変圧板24を用いるものであるが、クリップ50(
図1参照)が毛髪を挟む力を調節する機構は変圧板24を用いたものに限られない。第3の実施形態に係るヘアアイロン3は、周方向に沿って径が変化する略円筒形状の回転可能なカムを用いるものである。
【0065】
図13は、ヘアアイロン3の概略断面を示す図である。ヘアアイロン3のダイヤル31には、円筒部81が取り付けられている。円筒部81は、ダイヤル31と同軸に回転可能に配置されている。
【0066】
円筒部81の側面である外周面には、コイルばね21の下端部21bが金属球23bを介して接している。コイルばね21の下端部21bは、円筒部81の外周面をほぼ垂直に付勢している。このため、コイルばね21の下端部21bがカムである円筒部81の外周面に沿うことで、コイルばね21の下端部21bが変位する。
【0067】
図14は、
図13に示した円筒部81をX方向から見た図である。
図14に示すように、円筒部81の断面は完全な円ではなく、点81aと点81cとの間に段差がある。このため、コイルばね21が円筒部81に点81aで接する場合には、点81cで接する場合に比べて、半径の差(R2-R1)の分だけ余計に圧縮される。コイルばね21が円筒部81に点81bで接する場合は、コイルばね21は、点81aで接する場合と点81cで接する場合の中間程度圧縮される。点81a、81b、81c以外の点で接する場合にも、同様に、円筒部81の角度に応じてコイルばね21は圧縮される。このため、円筒部81を用いる場合においても、変圧板24(
図4、
図5参照)を用いた場合と同様に、ダイヤル31を回してコイルばね21の弾性力を調節する構造を実現することができる。
【0068】
円筒部81の外周面は、点81aと点81cとの間にある段差を除いて滑らかに形成されている。このため、ヘアアイロン3によれば、コイルばね21の弾性力を滑らかに無段階に調節することができる。
【0069】
(変形例)
第3の実施形態に係るヘアアイロン3は、滑らかな外周面を備える円筒部81によってコイルばね21の弾性力を無段階に調節するものであるが(
図14参照)、コイルばね21の弾性力を無段階に調節する機構はこれに限られない。変形例に係るヘアアイロン4の変圧板は、長手方向EDに対して傾斜する面を有する。
【0070】
図15に示すように、ヘアアイロン4の変圧板91は、長手方向EDに沿って厚さが一定の割合で増大する形状に形成されている。コイルばね21の下端部21bは、金属球23bを介して変圧板91の傾斜する面91aに接している。ヘアアイロン4によれば、簡易な構成でコイルばね21の弾性力を無段階に調節することができる。
【0071】
なお、変圧板91は、長手方向EDに平行な面と長手方向EDに対して傾斜する面の両方を有していてもよい。
【0072】
図4に示した変圧板24、ウォームギア32、変換ギア33、
図13に示した円筒部81、
図15に示した変圧板91は、コイルばね21の弾性力を調整する弾性力調整機構の一例であるが、弾性力調整機構はこれらの要素によるものに限られない。コイルばね21の弾性力を調整することができる機構であれば、弾性力調整機構は、上述した要素の一部が取り除かれたもの、又は上述した要素以外の要素を含んだものであってもよい。また、弾性力調整機構は、上述した要素の一部が別の機械的又は電気的な要素に置き換えられたものであってもよい。さらには、弾性力調整機構は、コイルばね21以外の弾性力を発揮する部材の弾性力を調整するものであってもよい。
【0073】
以上、好適な実施形態を説明したが、本開示はこのような実施形態に限定されるものではない。実施形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本開示の技術的範囲に属する。また、上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。さらに、上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0074】
1、2、3、4 ヘアアイロン、10 本体、11 電源コード、12 電源スイッチ、13 温度調節ボタン、14 温度表示部、15 回路基板、16 回路素子、21、35 コイルばね、21a 上端部、21b、35a 下端部、22a、23a、36a ばね受け、22b、23b 金属球、24 変圧板、24a 第1の面、24b 第2の面、24c 第3の面、24d 溝部、31 ダイヤル、31a、31b、31c 溝部、32 ウォームギア、33 変換ギア、33a、33b 歯、34a 半球、40 バレル、41 回転保持部、42 スタンド、43 ヒータ、50 クリップ、51a クリップ固定用ねじ、51b 被覆部、51c 開閉部、51d 移行部、52 ノブ、71 スライダ、71a グリップ面、71b 凸部、81 円筒部、81a、81b、81c 点、91 変圧板