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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015931
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】陳列棚
(51)【国際特許分類】
   A47F 1/12 20060101AFI20240130BHJP
   A47F 5/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
A47F1/12
A47F5/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118322
(22)【出願日】2022-07-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】594193427
【氏名又は名称】株式会社スリー企画
(74)【代理人】
【識別番号】100143546
【弁理士】
【氏名又は名称】押久保 政彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 智久
(72)【発明者】
【氏名】松木 俊介
(72)【発明者】
【氏名】池田 和彦
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118DA12
(57)【要約】
【課題】より簡単な構造で、長期間使用してもより確実に動作できる。
【解決手段】陳列棚は、トレー、押し板および棚板を含み構成される。トレーの底板に、物品が並ぶ方向に平行の対向する直線状の端面となる孔が形成されていて、押し板は、下側の端部がトレーの底板から下側に突出した状態で、トレーの底板の孔の端面を挟み込んで、トレーに対して移動可能に設けられ、加えられた付勢力によりトレーに載置されている物品を押す。棚板の端部に表示部が設けられている。棚板のトレーを載せる部分のうち、表示部が設けられている端部から所定の距離の部分が上向きに突出した形状に形成されている。物品の数が所定の数以下になると、押し板の下側の端部が棚板の上向きに突出した形状の部分により押し上げられることで、トレーが押し上げられ、トレーの保持板の下側から表示部が露出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が一列に載置されるトレー、前記トレーから前記物品を取り出す側に向かって前記物品を押す押し板および前記トレーを載せる棚板を含み構成される陳列棚において、
前記トレーの前記物品を取り出す側に、前記押し板とで前記物品を挟んで保持する保持板が設けられていて、
前記トレーの底板に、前記物品が並ぶ方向に平行の対向する直線状の端面となる孔が形成されていて、
前記押し板は、下側の端部が前記トレーの前記底板から下側に突出した状態で、前記トレーの前記底板の前記孔の前記端面を挟み込んで、前記トレーに対して移動可能に設けられ、加えられた付勢力により前記トレーに載置されている前記物品を前記保持板側に押し、
前記棚板の端部のうち、前記トレーの前記保持板が配置される側の端部に、前記物品の数が所定の数以下になったことを知らせる表示部が設けられ、
前記棚板の前記トレーを載せる部分のうち、前記表示部が設けられている端部から所定の距離の部分が上向きに突出した形状に形成されていて、
前記トレーの前記保持板と前記押し板との間の前記物品の数が所定の数を超えていると、前記トレーの前記保持板の下側で前記表示部が覆われ、
前記トレーの前記保持板と前記押し板との間の前記物品の数が所定の数以下になると、前記押し板の下側の端部が前記棚板の上向きに突出した形状の部分により押し上げられることで、前記トレーが押し上げられ、前記トレーの前記保持板の下側から前記表示部が露出する
陳列棚。
【請求項2】
請求項1に記載の陳列棚において、
前記表示部の色は、前記トレーの前記保持板の色および前記棚板の色と異なる色とされている
陳列棚。
【請求項3】
請求項1に記載の陳列棚において、
1つの前記棚板に複数の前記トレーが載せられ、
前記表示部は、前記棚板の端部であって、前記トレーの前記保持板が配置される側の端部の全体に設けられていて、
前記棚板に乗せられている複数の前記トレーのうちのいずれかであって、前記保持板と前記押し板との間の前記物品の数が所定の数以下になった前記トレーが押し上げられて、押し上げられた前記トレーの前記保持板の下側から前記表示部の一部が露出する
陳列棚。
【請求項4】
請求項1に記載の陳列棚において、
前記棚板の前記トレーを載せる部分に、上向きに突出した形状に隣接して傾斜している傾斜部が設けられている
陳列棚。
【請求項5】
請求項1に記載の陳列棚において、
前記押し板が前記トレーに対して移動させられた場合、前記棚板に接したとき、前記棚板に対して滑るスライダ部が前記押し板の下側の端部に形成されている
陳列棚。
【請求項6】
請求項5に記載の陳列棚において、
前記押し板の前記スライダ部は、前記棚板の上向きに突出した部分に当接した場合、前記押し板および前記トレーが上向きに変位するように、前記棚板に当接する側が傾斜したフロート状に形成されている
陳列棚。
【請求項7】
請求項1に記載の陳列棚において、
前記トレーの前記保持板の下側に、下向きに突出した前垂部が形成され、
前記トレーの前記保持板と前記押し板との間の前記物品の数が所定の数を超えていると、前記前垂部で前記表示部が覆われ、
前記トレーの前記保持板と前記押し板との間の前記物品の数が所定の数以下になると、前記前垂部が前記表示部より上側に持ち上げられて、前記表示部が露出する
陳列棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は陳列棚に関し、特に、物品が載置される陳列棚に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店舗において、商品である物品を種類ごとに1列に載置する陳列棚が利用されている。陳列棚に載置されている物品の数が減ってくると、店舗の従業員などは、陳列棚に物品を適宜補充する。
【0003】
前壁部、側壁部および複数の商品を搭載するための底板部を有し前記商品が前後方向に一列に搭載される搭載部と、前記搭載部に沿って前後移動するように設けられた押板と、前記押板を前方に付勢する付勢部材と、前記押板が前後方向の所定の位置を通過する際に揺動する揺動部材と、前記搭載部に搭載される前記商品の個数が所定数N(Nは自然数)以下となったことを報知する残個数表示部と、を備え、前進する前記押板が前記所定の位置を通過し前記揺動部材が揺動することに連動して前記残個数表示部が上方または下方に移動し表示位置と待避位置とに遷移することによって、前記個数が前記所定数N以下になったことを報知するマガジンであって、前記残個数表示部は、前記前壁部の後方において前記搭載部の幅方向に長辺を有して配置され、前記表示位置における前記長辺の視認可能な寸法が、前記底板部の幅寸法2分の1以上であることを特徴とするマガジンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-93282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の陳列棚では比較的薄い部材が擦れ合って動作する構造が採用されているので、精度が高い加工が必要とされ、また長期間使用すると摩耗により動作しにくくなる。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より簡単な構造で、長期間使用してもより確実に動作できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面の陳列棚は、物品が一列に載置されるトレー、トレーから物品を取り出す側に向かって物品を押す押し板およびトレーを載せる棚板を含み構成される陳列棚であって、トレーの物品を取り出す側に、押し板とで物品を挟んで保持する保持板が設けられていて、トレーの底板に、物品が並ぶ方向に平行の対向する直線状の端面となる孔が形成されていて、押し板は、下側の端部がトレーの底板から下側に突出した状態で、トレーの底板の孔の端面を挟み込んで、トレーに対して移動可能に設けられ、加えられた付勢力によりトレーに載置されている物品を保持板側に押し、棚板の端部のうち、トレーの保持板が配置される側の端部に、物品の数が所定の数以下になったことを知らせる表示部が設けられ、棚板のトレーを載せる部分のうち、表示部が設けられている端部から所定の距離の部分が上向きに突出した形状に形成されていて、トレーの保持板と押し板との間の物品の数が所定の数を超えていると、トレーの保持板の下側で表示部が覆われ、トレーの保持板と押し板との間の物品の数が所定の数以下になると、押し板の下側の端部が棚板の上向きに突出した形状の部分により押し上げられることで、トレーが押し上げられ、トレーの保持板の下側から表示部が露出する。
【0008】
表示部の色は、トレーの保持板の色および棚板の色と異なる色とすることができる。
【0009】
1つの棚板に複数のトレーを載せるようにして、表示部を、棚板の端部であって、トレーの保持板が配置される側の端部の全体に設けて、棚板に乗せられている複数のトレーのうちのいずれかであって、保持板と押し板との間の物品の数が所定の数以下になったトレーが押し上げられて、押し上げられたトレーの保持板の下側から表示部の一部が露出するようにすることができる。
【0010】
棚板のトレーを載せる部分に、上向きに突出した形状に隣接して傾斜している傾斜部を設けることができる。
【0011】
押し板がトレーに対して移動させられた場合、棚板に接したとき、棚板に対して滑るスライダ部を押し板の下側の端部に形成することができる。
【0012】
押し板のスライダ部を、棚板の上向きに突出した部分に当接した場合、押し板およびトレーが上向きに変位するように、棚板に当接する側が傾斜したフロート状に形成することができる。
【0013】
トレーの保持板の下側に、下向きに突出した前垂部を形成し、トレーの保持板と押し板との間の物品の数が所定の数を超えていると、前垂部で表示部を覆い、トレーの保持板と押し板との間の物品の数が所定の数以下になると、前垂部を表示部より上側に持ち上げて、表示部を露出させることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、より簡単な構造で、長期間使用してもより確実に動作できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】陳列棚11の動作を説明する図である。
図2】陳列棚11の組み立て図である。
図3】棚板21の構成を示す図である。
図4】インジケータ22の構成を示す図である。
図5】トレー23の構成を示す図である。
図6】押し板24の構成を示す図である。
図7】トレー23に装着されている押し板24の状態を示す図である。
図8】トレー23の表板54の下側でインジケータ22が覆われている状態の陳列棚11を示す図である。
図9】トレー23-1およびトレー23-3の表板54の下側でインジケータ22が覆われ、トレー23-2の表板54の下側からインジケータ22が露出している状態の陳列棚11を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0017】
本発明の一側面の陳列棚は、物品が一列に載置されるトレー(例えば、図1のトレー23-1乃至23-8)、トレーから物品を取り出す側に向かって物品を押す押し板(例えば、図6の押し板24)およびトレーを載せる棚板(例えば、図1の棚板21)を含み構成される陳列棚であって、トレーの物品を取り出す側に、押し板とで物品を挟んで保持する保持板(例えば、図5の表板54)が設けられていて、トレーの底板(例えば、図5の底板51)に、物品が並ぶ方向に平行の対向する直線状の端面となる孔(例えば、図5の孔56)が形成されていて、押し板は、下側の端部がトレーの底板から下側に突出した状態で、トレーの底板の孔の端面を挟み込んで、トレーに対して移動可能に設けられ、加えられた付勢力によりトレーに載置されている物品を保持板側に押し、棚板の端部のうち、トレーの保持板が配置される側の端部に、物品の数が所定の数以下になったことを知らせる表示部(例えば、図1のインジケータ22)が設けられ、棚板のトレーを載せる部分のうち、表示部が設けられている端部から所定の距離の部分(例えば、図5の凸部32)が上向きに突出した形状に形成されていて、トレーの保持板と押し板との間の物品の数が所定の数を超えていると、トレーの保持板の下側で表示部が覆われ、トレーの保持板と押し板との間の物品の数が所定の数以下になると、押し板の下側の端部が棚板の上向きに突出した形状の部分により押し上げられることで、トレーが押し上げられ、トレーの保持板の下側から表示部が露出する。
【0018】
以下、図1乃至図9を参照して、本発明の実施の形態の陳列棚について説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態の陳列棚11の動作を説明する図である。陳列棚11は、物品1が一列に載置されるトレー23-1乃至23-8およびトレー23-1乃至23-8を載せる棚板21を含む。棚板21の端部のうち、物品1を取り出す側の端部(図1中の左下側の端部)に、物品1の数が所定の数以下になったことを知らせるインジケータ22が設けられている。また、詳細は後述するが、トレー23-1乃至23-8のそれぞれには、トレー23-1乃至23-8のそれぞれから物品1を取り出す側に向かって物品1を押す押し板24(図1には図示せず)が装着されている。
【0020】
陳列棚11に載せられる物品1は、個々に販売の対象となる商品とすることができる。陳列棚11に載せられる物品1は、直方体状であればよい。例えば、陳列棚11に載せられる物品1は、複数の紙巻きたばこを直方体状のパーケージに収容しているたばこ(シガレット)であって、販売(取引)の単位となるたばこ(シガレット)である。例えば、陳列棚11に載せられる物品1は、直方体状のパーケージに収容している加熱式たばこや電子たばことすることもできる。また、陳列棚11に載せられる物品1は、たばこに限らず、直方体状のパーケージに収容している菓子や薬、衛生用品などの商品とすることもできる。さらに、物品1は、商品に限らず、景品や記念品(ノベルティ)などであってもよい。
【0021】
トレー23-1乃至23-7のそれぞれには、17の物品1が一列に載置されている。トレー23-1乃至23-7の端部のうち、物品1を取り出す側の端部は、それぞれ、インジケータ22を覆っている。トレー23-8には、3つの物品1が一列に載置されている。トレー23-8の端部のうち、物品1を取り出す側の端部は、上向きに押し上げられて、インジケータ22を露出させる。すなわち、トレー23-8の端部のうち、物品1を取り出す側の端部の上下方向の位置は、トレー23-1乃至23-7のそれぞれの端部のうち、物品1を取り出す側の端部の上下方向の位置に比較して、上に変位させられて、インジケータ22を露出させる。
【0022】
このように、トレー23-1乃至23-8は、それぞれ、一列に載置されている物品1の数が3つ以下になると、上向きに押し上げられて、インジケータ22を露出させる。より詳細には、トレー23-1乃至23-8は、それぞれ、一列に載置されている物品1の数が3つ以下になると、上向きに押し上げられて、トレー23-1乃至23-8のそれぞれの下側の部分にインジケータ22の一部を露出させる。
【0023】
なお、トレー23-1乃至23-8は、それぞれ、一列に載置されている物品1の数が所定の数以下になると、上向きに押し上げられて、インジケータ22を露出させることができる。例えば、トレー23-1乃至23-8は、それぞれ、一列に載置されている物品1の数が5以下になると、上向きに押し上げられて、インジケータ22を露出させることもできる。物品1の奥行(厚さ)の寸法に合わせて、トレー23-1乃至23-8および棚板21の寸法を調整することで、所望の数でインジケータ22を露出させることができる。
【0024】
また、トレー23-1乃至23-8に載置されている物品1は、同じものであっても、異なるものであってもよい。さらに、トレー23-1乃至23-8のそれぞれにおいて、載置されている物品1は、同じものであっても、異なるものであってもよい。
【0025】
以下、トレー23-1乃至23-8を個々に区別する必要がない場合、単に、トレー23と称する。
【0026】
また、以下、棚板21に設けられている2つのインジケータ22を個々に区別する場合、インジケータ22-1および22-2と称する。
【0027】
図2は、陳列棚11の組み立て図である。棚板21には、トレー23が載せられる。棚板21には、8つまでのトレー23を載せることができる。棚板25には、トレー23が載せられる。棚板25には、2つまでのトレー23を載せることができる。
【0028】
棚板21の端部のうち、物品1を取り出す側の端部に、物品1の数が所定の数以下になったことを知らせるインジケータ22-1および22-2が設けられている。棚板21の端部のうち、物品1を取り出す側の端部と対向する端部には、スタンド27-1または27-2の支柱に装着するためのフックが設けられている。
【0029】
棚板25の端部のうち、物品1を取り出す側の端部に、物品1の数が所定の数以下になったことを知らせるインジケータ29が設けられている。棚板25の端部のうち、物品1を取り出す側の端部と対向する端部には、スタンド28の支柱に装着するためのフックが設けられている。
【0030】
スタンド27-1または27-2には、それぞれ、棚板21を装着することができる。棚板21がスタンド27-1または27-2に装着されると、棚板21の面のうち、トレー23を受ける面が概ね水平になる。スタンド27-1または27-2は、それぞれ、自立して、装着された棚板21を支える。スタンド27-1または27-2の左右端のそれぞれには、上下に所定の間隔で孔を形成した支柱が設けられている。スタンド27-1または27-2が床に自立させられている場合、スタンド27-1または27-2の左右端の支柱の長手方向は、床面に対して概ね直交する。棚板21のフックをスタンド27-1または27-2の支柱の孔に挿入することで、棚板21をスタンド27-1または27-2に装着することができる。
【0031】
スタンド27-1または27-2には、それぞれ、所望の数の棚板21を上下方向に所望の間隔で装着することができる。
【0032】
スタンド28は、左右端の支柱の間隔が異なる以外、スタンド27-1または27-2と同様に構成される。スタンド28には、棚板25を装着することができる。スタンド28は、自立して、装着された棚板25を支える。スタンド28の左右端には、上下に所定の間隔で孔を形成した支柱が設けられている。棚板25のフックをスタンド28の支柱の孔に挿入することで、棚板25をスタンド28に装着することができる。スタンド28には、それぞれ、所定の数の棚板25を上下方向に所定の間隔で装着することができる。
【0033】
スタンド27-1および27-2並びにスタンド28は、ボルトおよびナット、ピンまたは専用の留め具などにより、横並びに連結することができる。以下、スタンド27-1または27-2を個々に区別する必要がない場合、単に、スタンド27と称する。
【0034】
なお、所望の数のスタンド27および所望の数のスタンド28を任意の順に横並びに連結することができる。
【0035】
以下、棚板21、インジケータ22、トレー23および押し板24の詳細について説明する。まず、棚板21について説明する。
【0036】
図3は、棚板21の構成を示す図である。図3(A)は、棚板21の構成を示す平面図である。図3(B)は、棚板21の構成を示す正面図である。図3(C)は、棚板21の構成を示す左側面図である。図3(D)は、棚板21の構成を示す右側面図である。図3(D)は、図3(A)におけるAA‘線で示される切断部端面図である。
【0037】
棚板21は、鋼板やアルミニウム合金など金属の板により成形されている。棚板21は、黒色または白色などの色に塗装されている。棚板21は、受け板31並びに側板38-1および38-2を含み構成されている。受け板31は、上から見て概ね直方形状に形成されている。受け板31には、トレー23が載せられ、載せられているトレー23を受ける。受け板31の端部のうち、端部33は、載せられているトレー23から物品1を取り出す側の端部である。端部33は、受け板31を折り返して直線状に形成されている。
【0038】
端部33に対向している端部36は、スタンド27に留められる側の端部である。端部36は、受け板31を折り返したうえで、フランジ状となるように折り曲げられている。
【0039】
受け板31の側面のそれぞれには、側板38-1および38-2が設けられている。なお、図3(C)には、棚板21の受け板31の左側面側のフランジであって、側板38-1を固定するためのフランジが点線により示されている。受け板31の右側面側にも、図3(C)に示されるのと同様のフランジが形成されている。
【0040】
すなわち、受け板31の側面のそれぞれには、フランジが設けられていて、側板38-1または側板38-2が留められる。側板38-1の端部のうち、端部36側の端部には、フック39-1が設けられている。側板38-2の端部のうち、端部36側の端部には、フック39-2が設けられている。フック39-1および39-2をスタンド27の支柱の孔に挿入することで、棚板21をスタンド27に装着することができる。
【0041】
受け板31には、凸部32、傾斜部34、インジケータ取り付け部35およびトレー固定孔37が形成されている。
【0042】
凸部32は、端部33から所定の距離の部分であって、棚板21がスタンド27に装着された状態において、上向きに突出した形状に形成されている。言い換えれば、凸部32は、棚板21がスタンド27に装着された状態において、受け板31の部分のうち、端部36を除く他の部分に比較して、高くなるように形成されている。棚板21のトレー23を載せる部分のうち、インジケータ22が設けられている端部33から所定の距離の部分である凸部32が上向きに突出した形状に形成されているとも言える。凸部32は、上から見て概ね直方形状に形成されている。凸部32は、受け板31の側面のうち、一方の側面から他方の側面に至るまで、上向きに突出した形状に形成されている。凸部32の端部33側の端部と凸部32の端部36側の端部とは、端部33に平行になるように形成されている。端部33から凸部32の端部のうちの端部36側の端部までの距離は一定とされている。
【0043】
傾斜部34は、凸部32に隣接して傾斜している。すなわち、傾斜部34は、棚板21がスタンド27に装着された状態において、凸部32側が高く、端部36側が低くなるように傾斜している。

傾斜部34は、凸部32の端部36側の端部と連続して接続されるように形成されている。傾斜部34は、上から見て概ね直方形状に形成されている。傾斜部34は、受け板31の側面のうち、一方の側面から他方の側面に至るまで、凸部32に隣接している。
【0044】
インジケータ取り付け部35は、棚板21がスタンド27に装着された状態において、凸部32に比較して、低くなるように形成されている。インジケータ取り付け部35は、上から見て概ね直方形状に形成されている。インジケータ取り付け部35は、受け板31の側面のうち、一方の側面から他方の側面に至るまで、形成されている。インジケータ取り付け部35には、所定の間隔でインジケータ固定孔38が複数形成されている。インジケータ固定孔38は、直方形状の孔である。インジケータ固定孔38は、受け板31の上面から下面に貫通している。インジケータ22の爪(後述する)がインジケータ固定孔38に引っ掛かることにより、インジケータ22が端部33に固定される。
【0045】
受け板31の部分のうち、端部36と凸部32との間は、棚板21がスタンド27に装着された状態において、一定の高さであって、凸部32の高さより低くなるように形成されている。受け板31の部分のうち、端部36と凸部32との間には、トレー23の位置を規制するためのスリット37が複数形成されている。スリット37は、受け板31の側面に平行の直線状の孔である。スリット37は、受け板31の上面から下面に貫通している。
【0046】
なお、棚板21は、鋼板やアルミニウム合金など金属の板により成形されていると説明したが、これに限らず、棚板21を合成樹脂や複合材料などで成形するようにしてもよい。
【0047】
なお、棚板25は、幅、すなわち、側板38-1から側板38-2までの長さが異なる点を除いて、棚板21と同様に構成されるので、その詳細な説明は省略する。
【0048】
次に、インジケータ22について説明する。
【0049】
図4は、インジケータ22の構成を示す図である。図4(A)は、インジケータ22の構成を示す底面図である。図4(B)は、インジケータ22の構成を示す正面図である。図4(C)は、インジケータ22の構成を示す背面図である。図4(D)は、インジケータ22の構成を示す左側面図である。図4(E)は、インジケータ22の構成を示す右側面図である。図4(F)は、図4(A)におけるBB‘線で示される断面を拡大して示す拡大断面図である。
【0050】
インジケータ22の本体41は、赤色、黄色またはオレンジ色などのいわゆる興奮色のゴムまたは合成樹脂などにより成形されている。インジケータ22の本体41の色は、棚板21の色およびトレー23の色から色の距離(色差)の大きいものとされている。インジケータ22の本体41の色は、物品1の数が所定の数以下になったことを知らせるものであり、トレー23の色および棚板21の色と異なる色とされている。特に、インジケータ22の色は、トレー23の表板54(後述する)の色および棚板21の色と異なる色とされている。
【0051】
インジケータ22の本体41の上面の形状は、概ね直方形状とされ、本体41の断面であって、図4(A)におけるBB‘線で示される断面の形状は、概ねL字状とされている。インジケータ22の本体41の正面の形状は、概ね直方形状とされている。本体41の概ねL字状とされている部分のうち、L字の長手部分の端部側には、インジケータ固定孔38の間隔に対応する所定の間隔で複数の爪42が形成されている。
【0052】
本体41の概ねL字状とされている部分のうち、L字の短手部分の端部側には、所定の間隔で複数の爪44が形成されている。例えば、爪44は、爪42に対向する位置に設けられている。
【0053】
すなわち、爪42をインジケータ固定孔38に引っ掛けて、爪44を端部33に引っ掛けることで、インジケータ22は、棚板21の端部33を覆うように、棚板21のインジケータ取り付け部35に取り付けられる。
【0054】
なお、インジケータ22の本体41は、ゴムまたは合成樹脂などにより成形されていると説明したが、鋼板やアルミニウム合金などの金属により成形するようにしてもよい。本体41の素材の色を、赤色、黄色またはオレンジ色などのいわゆる興奮色とすることもできるし、本体41を赤色、黄色またはオレンジ色などのいわゆる興奮色に塗装するようにしてもよい。
【0055】
なお、インジケータ29は、幅が異なる点を除いて、インジケータ22と同様に構成されるので、その詳細な説明は省略する。
【0056】
次に、トレー23について説明する。
【0057】
図5は、トレー23の構成を示す図である。図5(A)は、トレー23の構成を示す平面図である。図5(B)は、トレー23の構成を示す右側面図である。図5(B)には、点線により底板51(後述する)などが示されている。図5(C)は、トレー23の構成を示す正面図である。図5(D)は、トレー23の右側面の輪郭のみを示す右側面図である。
【0058】
トレー23は、合成樹脂や複合材料などで成形されている。トレー23は、黒色または白色などの色の合成樹脂や複合材料などで成形されているか、または黒色または白色などの色に塗装されている。トレー23は、上側が開いた箱状に成形されている。すなわち、トレー23は、上側の面が開いている概ね直方体状に成形されている。トレー23の内幅は、載置される物品1の幅以上とされている。トレー23の奥行の長さは、インジケータ22を露出させる場合の物品1の数に比較して、十分に多い数の物品1を載置できる長さとされている。トレー23は、底板51、側板52、側板53、表板54および裏板55を含み構成されている。底板51は、トレー23の下側に配置されていて、載置されている物品1を受けて支える。側板52および側板53は、それぞれ、底板51の長手方向の側面のそれぞれに、底板51と直交するように設けられている。側板52および側板53は、同じ形状とされている。表板54は、底板51の短手方向の側面であって、トレー23から物品1を取り出す側の側面に、底板51並びに側板52および側板53と直交するように設けられている。裏板55は、底板51の短手方向の側面であって、表板54が設けられている側面に対向する側面に、底板51並びに側板52および側板53と直交するように設けられている。
【0059】
底板51、側板52、側板53、表板54および裏板55の形状をさらに詳細に説明する。底板51には、物品1が並ぶ方向に平行の対向する直線状の端面となる孔56が形成されている。孔56は、概ね直方形状に形成されている。孔56の端部であって、表板54側の端部は、底板51の短手方向の側面から所定の位置とされている。孔56の端面であって、物品1が並ぶ方向に平行の対向する直線状の端面は、それぞれ、底板51の長手方向の側面に対して平行とされている。孔56は、底板51の端部のうち、側板52側の端部および側板53側の端部から等しい距離となるように設けられている。すなわち、孔56は、底板51の端部のうち、側板52側の端部および側板53側の端部に対して中央部分に設けられている。
【0060】
底板51の短手方向の側面であって、トレー23から物品1を取り出す側の側面側には、バネ固定部63が設けられている。バネ固定部63は、押し板24に付勢力を加えるぜんまいばね(渦巻ばね)の端部を固定する。バネ固定部63は、雄ネジまたは木ネジなどからなる。バネ固定部63は、フックとすることもできるし、折り返してぜんまいばね(渦巻ばね)の端部を挟み込む板を雄ネジまたは木ネジで留めるようにすることもできる。
【0061】
側板53の上端の高さは、表板54の上端の高さおよび裏板55の上端の高さと概ねおなじとされている。側板53の上端であって、トレー23から物品1を取り出す側の近傍の上端は、その前後の上端の高さよりも低く形成されている。側板53の下端の中央部分には、概ね直方形状に下向きに突出したスリット挿入部58が形成されている。スリット挿入部58は、トレー23が棚板21に載せられた場合、いずれかのスリット37に嵌まり、棚板21に対するトレー23の位置を規制する。
【0062】
側板53の下端であって、スリット挿入部58と表板54側の端部との間には、概ね底板51の凸部32の高さまで上側に凹んでいる逃げ59が形成されている。側板53の下端であって、スリット挿入部58と逃げ59との間には、底板51から突出している上下方向の長さであって、スリット挿入部58の上下方向の長さに対して、概ね半分の長さで底板51から下向きに突出する上下位置規制部60が形成されている。また、側板53の下端であって、逃げ59と表板54側の端部との間には、底板51から下向きに突出する上下位置規制部61が形成されている。底板51から突出している上下位置規制部61の上下方向の長さは、底板51から突出している上下位置規制部60の上下方向の長さと同様とされている。
【0063】
トレー23が棚板21に載せられた場合、上下位置規制部60が受け板31に当接して、上下位置規制部61がインジケータ取り付け部35に当接して、逃げ59により、トレー23の下端が凸部32に接触しないように、棚板21に対するトレー23の上下方向の位置が規制される。
【0064】
なお、側板53の構成は、側板52の構成と同様なので、その説明は省略する。
【0065】
表板54は、保持板の一例である。表板54は、トレー23の物品1を取り出す側に設けられている。表板54は、押し板24とで物品1を挟んで保持する。表板54および裏板55は、それぞれ、概ね直方形の板状に形成されている。表板54の下側の端部には、下向きに突出した前垂部62が形成されている。前垂部62は、側板52側から側板53側まで所定の長さで下向きに突出している。すなわち、前垂部62は、表板54の幅全体に渡り、表板54の下側を覆う。
【0066】
次に、押し板24について説明する。
【0067】
図6は、押し板24の構成を示す図である。図6(A)は、押し板24の構成を示す正面図である。図6(B)は、押し板24の構成を示す右側面図である。図6(C)は、押し板24の構成を示す平面図である。図6(D)は、押し板24の構成を示す底面図である。図6(E)は、押し板24の構成を示す背面図である。図6(F)は、図6(A)におけるDD‘線で示される断面を示す断面図である。図6(G)は、図6(A)におけるEE‘線で示される断面を示す断面図である。
【0068】
図7は、トレー23に装着されている押し板24の状態を示す図である。
【0069】
押し板24は、合成樹脂や複合材料などで成形されている。押し板24は、トレー23に対して移動可能に設けられ、加えられた付勢力によりトレー23に載置されている物品1をトレー23の表板54側に押す。押し板24は、押し板24に格納されているぜんまいばね(渦巻ばね)(図示せず)であって、バネ固定部63に端部が固定されているぜんまいばね(渦巻ばね)により付勢される。押し板24は、鋼材やアルミニウム合金などの金属により成形するようにしてもよい。
【0070】
押し板24は、前板71、スライダ部73-1および73-2、後板75-1および75-2並びに連結板76-1および76-2を含み構成されている。また、押し板24には、凹部72-1および72-2並びにバネ通し孔74が形成されている。前板71は、概ね直方形状に形成されている。前板71の正面は、トレー23に載置されている物品1の所定の面に当接して、物品1に付勢力を伝達する。前板71には、抜きが形成されている。スライダ部73-1および73-2は、それぞれ、前板71の下側に形成されている。スライダ部73-1および73-2は、それぞれ、前板71の面に直交する向きに平行に配置されている丸棒状であって、中央部から前板71側の部分の下側が、後板75-1および75-2側から前板71側に向かうに従って上向きに傾斜する面をなすように形成されている。言い換えれば、前板71側の下側は、前板71側が上下方向に薄く、後板75-1および75-2側が厚くなるように傾斜している面をなすように形成されている。すなわち、スライダ部73-1および73-2は、それぞれ、下側が傾斜したフロート状に形成されている。
【0071】
前板71とスライダ部73-1および73-2との間には、それぞれ、押し板24の中心に向かって凹んでいる凹部72-1および72-2が形成されている。凹部72-1および72-2は、互いに対向するように形成されている。押し板24がトレー23に装着されている状態において、凹部72-1および72-2は、前板71から後板75-1および75-2までの水平方向の長さで、水平方向に対向するように形成されていると言える。凹部72-1および72-2の最も凹んでいる部分、すなわち、最も縊れている部分は、水平方向に所定の長さの、平行する面状に形成されている。
【0072】
図7に示されるように、押し板24がトレー23に装着されると、凹部72-1および72-2は、孔56の端面であって、物品1が並ぶ方向に平行の対向する直線状の端面を挟み込む。このようにすることで、押し板24は、トレー23に対して、表板54側または裏板55側に移動可能となる。凹部72-1および72-2の最も凹んでいる部分が、水平方向に所定の長さの、平行する面状に形成されているので、押し板24は、ぐらつくことなく、トレー23に対して、滑らかに移動させることができる。また、スライダ部73-1および73-2が上向きに変位すると、凹部72-1および72-2が孔56の端面を挟み込んでいるので、トレー23は持ち上げられる。
【0073】
押し板24のスライダ部73-1および73-2は、棚板21の上向きに突出した部分である凸部32に当接した場合、押し板24およびトレー23が上向きに変位するように、棚板21に当接する側が傾斜したフロート状に形成されている。
【0074】
図6に戻り、前板71とスライダ部73-1および73-2との間であって、凹部72-1および72-2の間には、バネ通し孔74が形成されている。バネ通し孔74は、前板71の下側から、後板75-1と後板75-2との間および連結板76-1と連結板76-2との間に通じている。バネ通し孔74には、押し板24に付勢するぜんまいばね(渦巻ばね)が通される。例えば、端部がバネ固定部63に固定されているぜんまいばねは、バネ通し孔74を通して伸ばされたり巻き込まれたりする。これにより、押し板24には、トレー23の表板54側に引っ張られる付勢力が加えられる。
【0075】
後板75-1および75-2は、それぞれ、前板71とで連結板76-1および76-2のそれぞれを挟んで、前板71に平行するように形成されている。前板71と後板75-2との距離は、前板71と後板75-1との距離と同じである。後板75-1および75-2は、それぞれ、角の一部が欠けた直方形状であって、押し板24の上下方向を結ぶ中心線に対して対称の形状に形成されている。後板75-1および75-2は、それぞれ、連結板76-1および76-2のそれぞれで前板71と接続されることで、前板71の外縁に対して一回り小さい外縁となる直方形状になる。連結板76-1および76-2は、それぞれ、後板75-1および75-2のそれぞれと前板71とを接続する。押し板24がトレー23に装着されている状態において、後板75-1および75-2を掴んで押し板24を動かすと、容易に、押し板24を表板54側または裏板55側に移動させることができる。
【0076】
このように、押し板24は、下側の端部がトレー23の底板51から下側に突出した状態で、トレー23の底板51の孔56の端面を挟み込んで、トレー23に対して移動可能に設けられる。押し板24は、加えられた付勢力によりトレー23に載置されている物品1を表板54側に押す。
【0077】
次に、陳列棚11の動作の詳細を説明する。
【0078】
図8は、トレー23の表板54の下側でインジケータ22が覆われている状態の陳列棚11を示す図である。図8(A)は、トレー23-1乃至23-3の表板54の下側でインジケータ22が覆われている状態の陳列棚11を示す正面図である。図8(B)は、図8(A)におけるFF‘線で示される、トレー23-2の断面を示す断面図である。なお、以下の説明において、トレー23-1乃至23-3の側板52および側板53のそれぞれのスリット挿入部58は、棚板21のスリット37のうちの、いずれかのスリット37に嵌まり、棚板21に対するトレー23の位置が規制されている。
【0079】
図8に示される陳列棚11のトレー23-2には、4つの物品1が一列に載置されている。押し板24が、付勢力によりトレー23に載置されている物品1をトレー23の表板54側に押すので、トレー23-2に載置されている4つの物品1は、表板54と押し板24とで挟んで保持される。
【0080】
トレー23-2に4つの物品1が一列に載置されている状態において、スライダ部73-1および73-2は、棚板21の受け板31、特に、凸部32および傾斜部34に接しない。トレー23-2に4つの物品1が一列に載置されている状態において、トレー23-2の側板52および側板53の上下位置規制部60のそれぞれが棚板21の受け板31に当接して、トレー23-2の側板52および側板53の上下位置規制部61のそれぞれが棚板21のインジケータ取り付け部35に当接して、トレー23-2の側板52および側板53のそれぞれの逃げ59により、トレー23-2の下端が棚板21の凸部32に接触しないように、棚板21に対するトレー23-2の上下方向の位置は規制される。この状態において、トレー23-2の表板54の下側に設けられている前垂部62は、インジケータ22を覆う。すなわち、インジケータ22は、トレー23-2の表板54の下側で覆われる。
【0081】
従って、トレー23-2に、4つの物品1が一列に載置されている状態においては、トレー23-2の表板54の下側からインジケータ22が見えることがない。
【0082】
このように、陳列棚11においては、トレー23の表板54と押し板24との間の物品1の数が所定の数を超えていると、トレー23の表板54の下側でインジケータ22が覆われる。
【0083】
次に、図8に示されている陳列棚11のトレー23-2から物品1が1つ取り出された状態について説明する。
【0084】
図9は、トレー23-1およびトレー23-3の表板54の下側でインジケータ22が覆われ、トレー23-2の表板54の下側からインジケータ22が露出している状態の陳列棚11を示す図である。図9(A)は、トレー23-1およびトレー23-3の表板54の下側でインジケータ22が覆われ、トレー23-2の表板54の下側からインジケータ22が露出している状態の陳列棚11を示す正面図である。図9(B)は、図9(A)におけるGG‘線で示される、トレー23-2の断面を示す断面図である。なお、以下の説明において、トレー23-1乃至23-3の側板52および側板53のそれぞれのスリット挿入部58は、棚板21のスリット37のうちの、いずれかのスリット37に嵌まり、棚板21に対するトレー23の位置が規制されている。
【0085】
図9に示される陳列棚11のトレー23-2には、3つの物品1が一列に載置されている。押し板24が、付勢力によりトレー23に載置されている物品1をトレー23の表板54側に押すので、トレー23-2に載置されている3つの物品1は、表板54と押し板24とで挟んで保持される。すなわち、図8に示される場合に比較して、押し板24は、物品1の奥行の長さだけ、表板54側に変位する。
【0086】
トレー23-2に3つの物品1が一列に載置されている状態において、スライダ部73-1および73-2は、棚板21の凸部32に乗り上げる。図8に示される状態から、トレー23-2から物品1が1つ取り出されて、図9に示されるように、押し板24が、物品1の奥行の長さだけ、表板54側に変位すると、押し板24のスライダ部73-1および73-2は、前板71側が上下方向に薄く、後板75-1および75-2側が下側により突出するように傾斜した形状に形成されているので、押し板24のスライダ部73-1および73-2は、凸部32に隣接して傾斜している傾斜部34に当接して、傾斜部34に乗り上げて、さらに、凸部32に乗り上げる。従って、押し板24の下側の端部は、棚板21の上向きに突出した形状の部分である凸部32により押し上げられる。
【0087】
図7に示されるように、押し板24の凹部72-1および72-2は、トレー23-2の底板51の孔56の端面であって、物品1が並ぶ方向に平行の対向する直線状の端面を挟み込んでいるので、押し板24が棚板21の凸部32により押し上げられると、トレー23-2は棚板21に対して押し上げられることになる。
【0088】
このとき、トレー23-2の側板52および側板53のそれぞれのスリット挿入部58が、棚板21のスリット37のうちの、いずれかのスリット37に嵌まった状態のまま、トレー23-2の表板54側は、棚板21に対して上側に変位する。これにより、トレー23-2の表板54の下側に設けられている前垂部62から、インジケータ22が露出する。すなわち、インジケータ22は、トレー23-2の表板54の下側から露出する。
【0089】
同様に、トレー23-2に、1つまたは2つの物品1が一列に載置されている場合、インジケータ22は、トレー23-2の表板54の下側から露出する。なお、トレー23-2の底板51の部分のうち、表板54に隣接する部分に傾斜が形成されているので、表板54の近傍では押し板24の表板54側への移動が規制され、トレー23-2に、物品1が載置されていない場合、すなわち、トレー23-2に、載置されている物品1の数が0になった場合、押し板24の位置は、トレー23-2に、1つの物品1が一列に載置されているときの押し板24の位置と同様になるので、インジケータ22は、トレー23-2の表板54の下側から露出する。
【0090】
このように、トレー23-2に、3つの物品1が一列に載置されている状態においては、トレー23-2の表板54の下側からインジケータ22が露出し、インジケータ22が見えるので、トレー23-2に載置されている物品1の数が3つ以下になったことを知ることができる。すなわち、陳列棚11においては、トレー23の表板54と押し板24との間の物品1の数が所定の数以下になると、押し板24の下側の端部が棚板21の上向きに突出した形状の部分により押し上げられることで、トレー23が押し上げられ、トレー23の表板54の下側からインジケータ22が露出する。
【0091】
また、陳列棚11においては、1つの棚板21に複数のトレー23が載せられ、インジケータ22が、棚板21の端部であって、トレー23の表板54が配置される側の端部33の全体に設けられていて、棚板21に乗せられている複数のトレー23のうちのいずれかであって、表板54と押し板24との間の物品1の数が所定の数以下になったトレー23が押し上げられて、押し上げられたトレー23の表板54の下側からインジケータ22の一部が露出する。
【0092】
さらに、陳列棚11においては、トレー23の表板54の下側に、下向きに突出した前垂部62が形成され、トレー23の表板54と押し板24との間の物品1の数が所定の数を超えていると、前垂部62でインジケータ22が覆われ、トレー23の表板54と押し板24との間の物品1の数が所定の数以下になると、前垂部62がインジケータ22より上側に持ち上げられて、インジケータ22が露出する。
【0093】
以上のように、陳列棚11においては、擦れ合って動作する部分が少なく、仮に摩耗したとしても、インジケータ22を露出または覆う動作にほとんど影響がなく、長期間使用しても、より確実に動作できる。また、複雑な形状や微妙な調整が必要な部分がなく、より簡単な構造とすることができる。このように、より簡単な構造で、長期間使用してもより確実に動作できるようになる。
【0094】
なお、陳列棚11は、トレー23に一列に載置されている物品1の数が所定の数以下になると、上向きに押し上げられて、インジケータ22を露出させることができる。インジケータ22を露出させる物品1の数は任意に決めることができる。物品1の奥行(厚さ)の寸法に合わせて、トレー23および棚板21の寸法を調整することで、物品1の数が所望の数以下になった場合、陳列棚11は、インジケータ22を露出させることができる。
【0095】
このように、陳列棚11は、物品1が一列に載置されるトレー23、トレー23から物品1を取り出す側に向かって物品1を押す押し板24およびトレー23を載せる棚板21を含み構成されている。トレー23の物品1を取り出す側に、押し板24とで物品1を挟んで保持する表板54が設けられている。トレー23の底板に、物品1が並ぶ方向に平行の対向する直線状の端面となる孔56が形成されている。
【0096】
押し板24は、下側の端部がトレー23の底板から下側に突出した状態で、トレー23の底板の孔の端面を挟み込んで、トレー23に対して移動可能に設けられ、加えられた付勢力によりトレー23に載置されている物品1を表板54側に押す。
【0097】
棚板21の端部のうち、トレー23の表板54が配置される側の端部に、物品1の数が所定の数以下になったことを知らせるインジケータ22が設けられている。棚板21のトレー23を載せる部分のうち、インジケータ22が設けられている端部から所定の距離の部分である凸部32が上向きに突出した形状に形成されている。
【0098】
陳列棚11においては、トレー23の表板54と押し板24との間の物品1の数が所定の数を超えていると、トレー23の表板54の下側でインジケータ22が覆われ、トレー23の表板54と押し板24との間の物品1の数が所定の数以下になると、押し板24の下側の端部が棚板21の上向きに突出した形状の部分により押し上げられることで、トレー23が押し上げられ、トレー23の表板54の下側からインジケータ22が露出する。
【0099】
インジケータ22の色は、トレー23の表板54の色および棚板21の色と異なる色とすることができる。
【0100】
1つの棚板21に複数のトレー23を載せるようにして、インジケータ22を、棚板21の端部であって、トレー23の表板54が配置される側の端部33の全体に設けて、棚板21に乗せられている複数のトレー23のうちのいずれかであって、表板54と押し板24との間の物品1の数が所定の数以下になったトレー23が押し上げられて、押し上げられたトレー23の表板54の下側からインジケータ22の一部が露出するようにすることができる。
【0101】
棚板21のトレー23を載せる部分である受け板31に、上向きに突出した形状である凸部32に隣接して傾斜している傾斜部34を設けることができる。
【0102】
押し板24がトレー23に対して移動させられた場合、棚板21に接したとき、棚板21に対して滑るスライダ部73-1および73-2を押し板24の下側の端部に形成することができる。
【0103】
押し板24のスライダ部73-1および73-2を、棚板21の上向きに突出した部分である凸部32に当接した場合、押し板24およびトレー23が上向きに変位するように、棚板21に当接する側が傾斜したフロート状に形成することができる。
【0104】
トレー23の表板54の下側に、下向きに突出した前垂部62を形成し、トレー23の表板54と押し板24との間の物品1の数が所定の数を超えていると、前垂部62でインジケータ22を覆い、トレー23の表板54と押し板24との間の物品1の数が所定の数以下になると、前垂部62をインジケータ22より上側に持ち上げて、インジケータ22を露出させることができる。
【0105】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0106】
11 陳列棚, 21および25 棚板, 22および29 インジケータ, 23-1乃至23-8および23 トレー, 24 押し板, 27-1または27-2,27および28 スタンド, 31 受け板, 32 凸部, 33 端部, 34 傾斜部, 35 インジケータ取り付け部, 36 端部, 37 トレー固定孔, 38-1および38-2 側板, 39-1および39-2 フック, 41 本体, 42および44 爪, 51 底板, 52および53 側板, 54 表板, 55 裏板, 56 孔, 58 スリット挿入部, 59 逃げ, 60および61 上下位置規制部, 62 前垂部, 71 前板, 72-1および72-2 凹部, 73-1および73-2 スライダ部, 74 バネ通し孔, 75-1および75-2 後板, 76-1および76-2 連結板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9