(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159313
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
H05B 47/16 20200101AFI20241031BHJP
H05B 47/195 20200101ALI20241031BHJP
H05B 45/345 20200101ALI20241031BHJP
H05B 45/355 20200101ALI20241031BHJP
H05B 45/375 20200101ALI20241031BHJP
【FI】
H05B47/16
H05B47/195
H05B45/345
H05B45/355
H05B45/375
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075219
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】入川 敦志
(72)【発明者】
【氏名】片野田 寛治
(72)【発明者】
【氏名】供田 梢吾
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA08
3K273QA30
3K273QA38
3K273QA39
3K273RA12
3K273RA13
3K273SA02
3K273SA08
3K273SA09
3K273SA23
3K273SA32
3K273SA33
3K273SA34
3K273SA35
3K273SA38
3K273SA48
3K273SA50
3K273TA15
3K273TA17
3K273TA22
3K273TA27
3K273TA28
3K273TA40
3K273TA55
3K273UA13
3K273UA16
3K273UA17
3K273UA21
3K273UA22
3K273UA23
3K273UA24
3K273UA29
(57)【要約】
【課題】本開示の課題は、点検に要する作業負担の軽減を図ることである。
【解決手段】照明器具A1は、表示板20と、ランプユニット3と、交換可能な第1蓄電池41と、充電回路部43と、常用点灯回路部45と、非常用点灯回路部44と、制御回路部40と、を備える。非常用点灯回路部44は、第1蓄電池41から供給される非常用電力でランプユニット3を点灯させる。点検部(制御回路部40)は、非常用点灯回路部44を制御し、第1蓄電池41の点検を行う。計時部(制御回路部40)は、経過時間が所定のインターバル時間に達したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示板と、
前記表示板に光を照射する光源と、
交換可能な蓄電池と、
常用電源から供給される常用電力で前記蓄電池を充電する充電回路部と、
前記常用電力で前記光源を点灯させる常用点灯回路部と、
前記蓄電池から供給される非常用電力で前記光源を点灯させる非常用点灯回路部と、
前記非常用点灯回路部を制御し、前記蓄電池の点検を行う点検部と、
経過時間を計時する計時部と、
を備え、
前記計時部は、前記経過時間が所定のインターバル時間に達したときに前記点検部に前記点検を開始させるための点検開始信号を出力し、
前記点検部は、前記点検開始信号を受け取ると前記点検を開始する、
照明器具。
【請求項2】
前記計時部は、前記充電回路部と前記蓄電池が電気的に接続された時点から前記経過時間の計時を開始する、
請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
操作入力を受け付ける操作入力受付部を更に備え、
前記計時部は、前記操作入力受付部が所定の操作入力を受け付けた時点から前記経過時間の計時を開始する、
請求項1記載の照明器具。
【請求項4】
前記計時部は、前記インターバル時間として、第1インターバル時間と、前記第1インターバル時間よりも長い第2インターバル時間と、を有し、
前記計時部は、前記経過時間が前記第1インターバル時間に達したときに初回の前記点検開始信号を出力し、前記経過時間が前記第2インターバル時間に達するごとに2回目以降の前記点検開始信号を出力する、
請求項1-3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記計時部は、前記蓄電池が交換された場合、交換後の新しい蓄電池の充電が完了した時点から前記経過時間の計時を開始する、
請求項1-3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記計時部は、前記非常用点灯回路部が前記光源を点灯させた点灯時間が、所定の上限時間を超えた場合、前記経過時間が前記第2インターバル時間に達するまで前記点検開始信号を出力しない、
請求項4記載の照明器具。
【請求項7】
前記計時部は、前記点灯時間が前記上限時間を超えない場合、前記経過時間が前記第2インターバル時間に達するごとに前記点検開始信号を出力する、
請求項6記載の照明器具。
【請求項8】
前記非常用点灯回路部は、前記光源に第1の電流を供給する非常点灯モードと、前記第1の電流よりも大きい第2の電流を供給する点検モードと、を有し、
前記点検部は、前記点検開始信号を受け取ると前記非常用点灯回路部を前記点検モードで動作させ、所定時間が経過した後の前記蓄電池の電圧に基づいて前記蓄電池の良否を判定する、
請求項1-3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項9】
前記非常用点灯回路部は、前記光源に第1の電流を供給する非常点灯モードと、前記第1の電流よりも小さい第3の電流を供給する点検モードと、を有し、
前記点検部は、前記点検開始信号を受け取ると前記非常用点灯回路部を前記点検モードで動作させ、所定時間が経過した後の前記蓄電池の電圧に基づいて前記蓄電池の良否を判定する、
請求項1-3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項10】
前記所定時間は、前記非常点灯モードにおける定格時間に等しい、
請求項9記載の照明器具。
【請求項11】
前記所定時間は、前記非常点灯モードにおける定格時間よりも長い、
請求項9記載の照明器具。
【請求項12】
前記常用点灯回路部を制御する制御回路部を更に備え、
前記制御回路部は、前記常用点灯回路部に前記光源を点灯させる常時点灯モード、及び前記常用点灯回路部に前記光源を点灯させない常時消灯モードの二つの動作モードを択一的に選択して動作し、
前記点検部は、前記制御回路部が前記常時消灯モードで動作しているときに前記点検開始信号を受け取っても前記点検を行わない、
請求項1-3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項13】
前記制御回路部は、前記点検部の点検中に前記常時消灯モードに移行する場合、前記点検部に点検を中断させる、
請求項12記載の照明器具。
【請求項14】
点滅用光源と、
前記点滅用光源を点灯させる点滅用点灯回路部と、
を更に備え、
前記点滅用点灯回路部は、第1の電流を供給して前記点滅用光源を点滅させる通常モードと、前記第1の電流よりも小さい第2の電流を供給して前記点滅用光源を点滅させる点検モードと、を有し、
前記点検部は、前記点検開始信号を受け取って点検を行う際に前記点滅用点灯回路部を前記点検モードで動作させる、
請求項1-3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項15】
スピーカと、
前記スピーカから誘導音を出力させる誘導音出力部と、
を更に備え、
前記誘導音出力部は、第1の音量で前記誘導音を前記スピーカから出力される通常モードと、前記第1の音量よりも小さい第2の音量で前記誘導音を前記スピーカから出力させる点検モードと、を有し、
前記点検部は、前記点検開始信号を受け取って点検を行う際に前記誘導音出力部を前記点検モードで動作させる、
請求項1-3のいずれか1項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関し、より詳細には、蓄電池を搭載して非常時用照明を行う照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として特許文献1記載の照明装置を例示する。特許文献1記載の照明装置(以下、従来例という。)は、停電時などの外部電源の遮断時に、内蔵する非常用電源(蓄電池)の電力によって点灯する非常用照明装置である。
【0003】
従来例においては、蓄電池の点検を定期的に実施する必要がある。点検時には、作業者が点検する照明装置の下方でリモコンなどの端末を操作し、照明装置へ向けて点検信号を送信する。照明装置は、点検信号を受信すると点検モードとなり、蓄電池の電力で光源を点灯させて蓄電池の寿命を判定する。照明装置は、点検完了後、点検結果をモニタランプで報知するとともに、リモコンなどの端末に点検結果を送信する。作業者は、モニタランプを目視で確認し、また、端末に受信した点検結果を確認することで蓄電池の状態を把握する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来例では、点検を開始するために人(作業者)が端末を操作し、点検開始から所定時間(数十分から1時間)が経過した後に照明装置から報知される点検結果を確認しなければならず、点検を行う作業者の負担が大きかった。
【0006】
本開示の目的は、点検に要する作業負担の軽減を図ることができる照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る照明器具は、表示板と、光源と、交換可能な蓄電池と、充電回路部と、常用点灯回路部と、非常用点灯回路部と、点検部と、経過時間を計時する計時部と、を備える。前記光源は、前記表示板に光を照射する。前記充電回路部は、常用電源から供給される常用電力で前記蓄電池を充電する。前記常用点灯回路部は、前記常用電力で前記光源を点灯させる。前記非常用点灯回路部は、前記蓄電池から供給される非常用電力で前記光源を点灯させる。前記点検部は、前記非常用点灯回路部を制御し、前記蓄電池の点検を行う。前記計時部は、前記経過時間が所定のインターバル時間に達したときに前記点検部に前記点検を開始させるための点検開始信号を出力する。前記点検部は、前記点検開始信号を受け取ると前記点検を開始する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の照明器具は、点検に要する作業負担の軽減を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る照明器具の回路ブロック図である。
【
図3】
図3は、同上の照明器具の分解斜視図である。
【
図4】
図4は、同上の照明器具の点検動作を説明するためのタイムチャートである。
【
図5】
図5は、同上の照明器具の点検動作を説明するためのタイムチャートである。
【
図6】
図6は、同上の照明器具の点検動作を説明するためのタイムチャートである。
【
図7】
図7は、同上の照明器具の常時消灯時の点検動作を説明するためのタイムチャートである。
【
図8】
図8は、同上の照明器具の常時点灯時の点検動作を説明するためのタイムチャートである。
【
図9】
図9は、同上の照明器具における第1蓄電池の放電特性を説明する図である。
【
図10】
図10は、同上の照明器具の変形例1における点検動作を説明するためのタイムチャートである。
【
図11】
図11は、同上の照明器具の変形例2における点検動作を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態に係る照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(1)概要
実施形態に係る照明器具A1は、表示板20と、光源(ランプユニット3)と、交換可能な蓄電池(第1蓄電池41)と、充電回路部43と、常用点灯回路部45と、非常用点灯回路部44と、点検部と、経過時間を計時する計時部と、を備える(
図1-
図3参照)。ランプユニット3は、表示板20に光を照射する。表示板20の表面に、避難口に誘導するためのピクトグラムが形成されている。
【0012】
光源(ランプユニット3)は、LEDなどの発光素子と、発光素子から出射する光を導光する棒状の導光体と、を有し、導光体の長手方向に沿った一面から光を放射する。ただし、発光素子はLEDに限定されず、有機エレクトロルミネッセンス素子、半導体レーザなどでも構わない。
【0013】
蓄電池(第1蓄電池41)は、例えば、ニッケル水素蓄電池である。ただし、蓄電池(第1蓄電池41)は、リチウムイオン蓄電池などでも構わない。
【0014】
充電回路部43は、常用電源(例えば、電力系統)から供給される常用電力で蓄電池を充電する。常用点灯回路部45は、常用電力で光源(ランプユニット3)を点灯させる。非常用点灯回路部44は、蓄電池(第1蓄電池41)から供給される非常用電力で光源(ランプユニット3)を点灯させる。
【0015】
点検部は、非常用点灯回路部44を制御し、蓄電池(第1蓄電池41)の点検を行う。計時部は、経過時間が所定のインターバル時間(第1インターバル時間T1、第2インターバル時間T2)に達したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。なお、点検部及び計時部は、制御回路部40が備えるマイクロコントローラのプロセッサに、点検用のプログラム及び計時用のプログラムを実行させて実現されることが好ましい。
【0016】
しかして、実施形態に係る照明器具A1は、計時部が計時する経過時間がインターバル時間に達すると、点検部に点検開始信号を出力して点検を開始させるので、従来例のように点検を開始するための人の作業が不要になる。その結果、実施形態に係る照明器具A1は、従来例と比べて、点検に要する作業負担の軽減を図ることができる。
【0017】
(2)詳細
実施形態に係る照明器具A1(以下、照明器具A1と略す。)は、電池内蔵形非常時用照明器具の一種である誘導灯である。誘導灯は、常用電力が供給されている間及び火災などの災害発生による停電の際に、避難口又は避難口への通路を表示するための非常時用照明器具である。なお、照明器具A1は、避難口に誘導するための誘導音(例えば「避難口はこちらです。」というような音声メッセージ)を発する機能、及び点滅用光源50を点滅させることで誘導効果を高める機能を有する、いわゆる点滅形誘導音装置付き誘導灯である。ただし、実施形態に係る照明器具は、誘導音を発する機能及び点滅用光源50を点滅させて誘導効果を高める機能の一方又は両方を有していなくても構わない。
【0018】
(2-1)照明器具の構造
照明器具A1は、建物の屋内の壁に埋め込むように取り付けられる、いわゆる壁埋込型の誘導灯である(
図2参照)。ただし、照明器具A1は、壁面に直接取り付けられる直付け型の誘導灯でもよいし、天井面に取り付けられる天井取付型の誘導灯でも構わない。
【0019】
照明器具A1は、器具本体1を備える(
図2及び
図3参照)。器具本体1は、前面が開放された箱状のボディ10と、長方形の平板状に形成されてボディ10の前面を覆うカバー11と、カバー11の背面における長手方向の両端に一つずつ設けられた取付ばね12と、を有する。なお、ボディ10とカバー11は難燃性の材料、例えば、金属板で形成される。
【0020】
ボディ10の中央に表示ユニット2とランプユニット3が収容される(
図3参照)。表示ユニット2は、表示板20と、導光板と、枠体21と、を有する。表示板20は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂によって4角形の平板状に形成されている。また、表示板20の前面にピクトグラムが印刷されている。導光体は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂によって4角形の平板状に形成される。枠体21は、透光性を有しない合成樹脂材料で4角形の枠状に形成される。枠体21は、表示板20と導光板を厚み方向(前後方向)に重ねた状態で、表示板20及び導光板のそれぞれの上辺を除く三つの辺を厚み方向から挟むようにして、表示板20と導光板を支持する。
【0021】
ランプユニット3は、LEDと、棒状の導光体と、LED及び導光体を収容するケース30と、を有する(
図3参照)。ケース30は、透光性を有しない合成樹脂材料で長尺の角筒状に形成される。ただし、ケース30の長手方向に沿った一面(下面)は開口している。LEDは、ケース30の長手方向の一端に収容される。導光体は、長手方向の一端面(入射面)をLEDと対向させ、長手方向に沿った一側面(下面)をケース30の下面(開口面)と対向させるようにしてケース30に収容される。しかして、ランプユニット3は、LEDから出射する光を導光体に導光させながらケース30の開口面(下面)から出射するように構成されている。
【0022】
ボディ10の内底面における長手方向(左右方向)の中央に取付台13が設けられている(
図3参照)。取付台13は、合成樹脂材料によって前面と下面が開放された箱形に形成されている。また、取付台13には第1蓄電池41を収容する第1電池収容部130が設けられている(
図3参照)。第1蓄電池41は、例えば、複数本の乾電池型の電池セルが電気的に直列接続されて構成される。各電池セルは、ニッケル水素蓄電池である。ただし、電池セルは、リチウムイオン蓄電池などでも構わない。第1電池収容部130は、前面が開口した箱状に形成されている。第1電池収容部130は、第1蓄電池41を着脱可能に収容する。なお、取付台13は、例えば、ねじ止めによってボディ10の内底面に固定される。
【0023】
ランプユニット3は、取付台13の前面における上部に着脱可能に取り付けられる(
図3参照)。表示ユニット2は、取付台13の前面における、ランプユニット3の下方に着脱可能に取り付けられる。つまり、取付台13の前面は、表示ユニット2とランプユニット3で覆われる。
【0024】
取付台13に取り付けられた状態において、ランプユニット3のケース30の開口面(下面)から出射する光が、表示ユニット2の導光体の上面(入射面)から導光体に入射する。導光体に入射する光は、下方に向かって導光体内を導光されながら、導光体の前面から出射する。つまり、表示ユニット2は、導光体の前面から出射する光で表示板20を後方から照らすことにより、表示板20の表面の輝度を高めるように構成されている。
【0025】
ボディ10の長手方向の中央における表示ユニット2の下方に、点滅装置5、第1操作ユニット71、及び第2操作ユニット72が収容される(
図3参照)。
【0026】
点滅装置5は、点滅用光源50と、点滅用光源50から放射する光の配光を制御するレンズ51と、を有する(
図1及び
図3参照)。点滅用光源50は、例えば、LEDである。ただし、点滅用光源50は、有機エレクトロルミネッセンス素子又は半導体レーザなどのLED以外の発光素子でも構わない。レンズ51はLEDを覆うようにLEDの前方に配置される。レンズ51は、LEDから出射される光を広範囲に放射するように構成される。
【0027】
第1操作ユニット71は、一つ以上の押釦スイッチ、赤外線を媒体とする制御信号を受信する赤外線受信モジュール、表示用のLED、及びそれらを収容する第1筐体710などを有する。第2操作ユニット72は、一つ以上の押釦スイッチ、表示用のLED及びそれらを収容する第2筐体720などを有する。第1筐体710及び第2筐体720の前面に複数の穴が設けられ、各穴を通して、一つ以上の押釦スイッチが押操作可能とされ、かつ、表示用のLEDの光が外部に放射可能とされる。
【0028】
正面から見てボディ10の内底面における左隅に電池ケース14が着脱可能に取り付けられる(
図3参照)。電池ケース14は、第2蓄電池42を収容する。第2蓄電池42は、例えば、複数本の乾電池型の電池セルが電気的に直列接続されて構成される。各電池セルは、ニッケル水素蓄電池である。ただし、電池セルは、リチウムイオン蓄電池などでも構わない。
【0029】
ボディ10の正面から見て、表示ユニット2の左隣にスピーカ60が収容される。スピーカ60は、後述する誘導音出力部61から出力される電気信号を音響に変換する。スピーカ60は、避難口に誘導するための誘導音、例えば「避難口はこちらです。」というような音声メッセージを出力する。
【0030】
カバー11は、長方形の平板状に形成されている(
図3参照)。カバー11の中央には四角形状の窓110が開口している。この窓110は、ボディ10の前面をカバー11で塞いだ状態において、表示ユニット2の表示板20の前面を露出させるために設けられる(
図2参照)。また、カバー11における窓110の下に円形の穴111が開口している。この穴111に点滅装置5のレンズ51が挿通される(
図2参照)。さらに、カバー11における窓110の右隣に、穴111よりも小径の複数の穴112が設けられている。これら複数の穴112は、第1操作ユニット71が有する押釦スイッチを押操作するための穴、赤外線受信モジュールに赤外線信号を受信させるための穴、表示用のLEDの光を通過させるための穴などを含む。また、カバー11における窓110の左隣に、窓110よりも小さい四角形の角穴113が開口している。ただし、この角穴113は、多数の貫通穴が網の目状に形成されたメッシュ板114で塞がれている。
【0031】
一対の取付ばね12はそれぞれ、金属製の線材によって略ひし形に形成される。一対の取付ばね12は、カバー11の背面における長手方向(左右方向)の両端に一つずつ取り付けられる。これらの取付ばね12は、ボディ10の長手方向両端の側面に設けられたばね受け部100(
図3参照)に、着脱可能に引っ掛けられる。つまり、カバー11は、一対の取付ばね12によって、ボディ10に対して着脱可能に取り付けられる(
図2及び
図3参照)。
【0032】
(2-2)照明器具の回路構成
次に、
図1を参照して照明器具A1の回路構成を詳細に説明する。
【0033】
照明器具A1は、制御回路部40、充電回路部43、非常用点灯回路部44、常用点灯回路部45、点滅用点灯回路部46、電源回路部47、報知部48、及び操作入力受付部49などを備える。
【0034】
電源回路部47は、例えば、リンギングチョークコンバータなどの自励型のスイッチング電源回路で構成され、電力系統から供給される交流電圧を、当該交流電圧の実効値よりも低い直流電圧に変換する。ただし、電源回路部47は、力率改善回路とバックコンバータなどで構成されても構わない。
【0035】
充電回路部43は、二つの充電回路を有する。一方の充電回路は、電源回路部47から第1蓄電池41に一定の充電電流を流すように構成される。他方の充電回路は、電源回路部47から第2蓄電池42に一定の充電電流を流すように構成される。ただし、充電回路部43は、一つの充電回路から第1蓄電池41と第2蓄電池42のそれぞれに一定の充電電流を供給するように構成されても構わない。
【0036】
常用点灯回路部45は、電源回路部47から供給される直流電流を定電流化してランプユニット3に供給する。非常用点灯回路部44は、第1蓄電池41から供給される直流電流を定電流化してランプユニット3に供給する。
【0037】
点滅用点灯回路部46は、電源回路部47及び第2蓄電池42から択一的に供給される直流電流を断続することで点滅用光源50を点滅させる。
【0038】
操作入力受付部49は、第1操作ユニット71の一つ以上の押釦スイッチ、赤外線受信モジュール、及び第2操作ユニット72の一つ以上の押釦スイッチを有する。操作入力受付部49は、各押釦スイッチが押操作されることで各押釦スイッチに対応した操作入力を受け付け、受け付けた操作入力に対応する操作入力信号を制御回路部40に出力する。また、操作入力受付部49は、リモートコントローラから送信される制御信号を赤外線受信モジュールで受信することで操作入力信号(制御コマンド)を受け付け、受け付けた操作入力信号(制御コマンド)を制御回路部40に出力する。
【0039】
報知部48は、第1操作ユニット71及び第2操作ユニット72のそれぞれの表示用のLEDを有する。なお、各LEDは、緑色又は赤色などの白色以外の光色の光を放射する。ただし、報知部48は、表示用のLEDとともに、あるいは、表示用のLEDに代えて、液晶ディスプレイなどの表示デバイスを有しても構わない。さらに、報知部48は、圧電ブザーなどを有し、光だけでなく、音による報知を行っても構わない。
【0040】
制御回路部40は、(1)概要で説明したように、一つ以上のプロセッサ及びメモリを有するマイクロコントローラを備える。制御回路部40は、一つ以上のプロセッサに、通常動作用(第1蓄電池41及び第2蓄電池42の充電、常時及び非常時におけるランプユニット3の点灯、点滅用光源50の点滅、誘導音の出力など)のプログラムを実行させる。また、制御回路部40は、点検用及び計時用の各プログラムを実行させることで点検部及び計時部の機能を実現する。なお、制御回路部40は、計時部の機能を実現するに当たって、マイクロコントローラが有するタイマ(カウンタ)を利用する。
【0041】
制御回路部40は、通常、電力系統から常用電力が供給されているときに常用点灯回路部45を動作させてランプユニット3を点灯させる。また、制御回路部40は、電力系統が停電した場合、非常用点灯回路部44を動作させ、第1蓄電池41から供給される非常用電力によってランプユニット3を点灯させる。つまり、制御回路部40は、電力系統の停電の有無に関わらず、ランプユニット3を常に点灯させる。
【0042】
ここで、誘導灯(照明器具A1のランプユニット3)は原則として常時点灯させる必要があるが、自動火災報知設備と連動して点灯し、かつ、設置場所の利用形態に応じて点灯するように措置されている場合は誘導灯を消灯させることができる。ただし、誘導灯を消灯可能とする場合、自動火災報知設備からの移報(火災発生信号)を誘導灯に伝達するために誘導灯用信号装置及び中継盤が必要である。中継盤は、誘導灯用信号装置からの点灯信号及び消灯信号によって誘導灯を点灯/消灯する役割を担っている。
【0043】
しかして、制御回路部40は、中継盤を介して、誘導灯用信号装置から点灯信号及び消灯信号を受信可能であり、ランプユニット3の点灯中に消灯信号を受信すると、常用点灯回路部45を制御してランプユニット3を消灯する。また、制御回路部40は、ランプユニット3の消灯中に点灯信号を受信すると、常用点灯回路部45を制御してランプユニット3を点灯させる。
【0044】
さらに、制御回路部40は、充電回路部43を動作させて常用電源(電力系統)から供給される常用電力で第1蓄電池41及び第2蓄電池42を充電させる。なお、制御回路部40は、報知部48のLEDを点灯させることで第1蓄電池41及び第2蓄電池42が充電中であることを報知する。
【0045】
また、制御回路部40は、電源回路部47の入力電圧(又は出力電圧)を監視し、入力電圧(又は出力電圧)が、所定時間以上継続して所定の下限値を下回ったら電力系統が停電していると判断する。制御回路部40は、電力系統が停電していると判断すれば、充電回路部43及び常用点灯回路部45を停止させ、非常用点灯回路部44を動作させて第1蓄電池41から供給される直流電力(非常用電力)でランプユニット3を点灯させ続ける。なお、制御回路部40は、非常用点灯回路部44の動作中は報知部48のLEDを消灯させる。
【0046】
また、制御回路部40は、誘導灯用信号装置から点滅指示信号を受信したとき、点滅用点灯回路部46を制御して点滅用光源50を点滅発光させる。例えば、制御回路部40は、約500ms毎に約50msの期間だけ点滅用光源50を発光させるように点滅用点灯回路部46を制御する。
【0047】
さらに、制御回路部40は、誘導灯用信号装置から誘導音指示信号を受信した場合、誘導音出力部61を制御し、スピーカ60から誘導音を出力させる。なお、誘導音出力部61は、例えば、制御回路部40から出力される誘導音の波形データをDA変換し、変換後のアナログ信号を増幅してスピーカ60を駆動するように構成される。
【0048】
ここで、点滅用点灯回路部46及び誘導音出力部61は、電力系統が停電していないときは電源回路部47から供給される直流電力で動作し、電力系統が停電しているときは第2蓄電池42から供給される直流電力で動作する。
【0049】
(2-3)照明器具の点検
次に、照明器具A1で行われる点検について説明する。誘導灯については、6か月に1度の割合で非常点灯への切替え、及び点灯時間(非常点灯した時間)の確認(点検)を行うことが法令(消防法令)で義務づけられている。そして、点検の結果、非常点灯しない、あるいは、法令で定められた非常点灯の定格時間(20分又は40分)が経過する前に消灯した場合、適切な処置、例えば、新しい蓄電池への交換などを実施する必要がある。
【0050】
(2-3-1)基本的な点検動作
制御回路部40で実現される点検部(以下、点検部と略す。)は、非常用点灯回路部44及び点滅用点灯回路部46を制御して蓄電池(第1蓄電池41及び第2蓄電池42)の点検を行う。制御回路部40で実現される計時部(以下、計時部と略す。)は、経過時間が所定のインターバル時間に達したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。例えば、点検部は、充電回路部43を停止させ、第1蓄電池41から供給される非常用電力によって非常用点灯回路部44にランプユニット3を点灯させることで点検を行う。また、点検部は、第2蓄電池42から供給される非常用電力によって点滅用点灯回路部46に点滅用光源50を点滅させることで点検を行う。ただし、点検部は、操作入力受付部49から出力される操作入力信号及び制御コマンドに応じて点検を開始する場合もある。
【0051】
点検部は、点検開始時点から計時部に計時を開始させる。点検部は、計時部が計時する時間が非常点灯の定格時間(20分又は40分)に達した後、非常用点灯回路部44からランプユニット3に電流が供給されているか否かを確認するとともに、点滅用点灯回路部46から点滅用光源50に電流が供給されているか否かを確認する。
【0052】
点検部は、ランプユニット3及び点滅用光源50にそれぞれ電流が供給されていれば、第1蓄電池41及び第2蓄電池42に異常なしと判断する。一方、ランプユニット3又は点滅用光源50に電流が供給されていなければ、点検部は、第1蓄電池41又は第2蓄電池42に異常有りと判断する。例えば、第1蓄電池41又は第2蓄電池42が寿命末期に至っている場合、定格時間に達する前に、第1蓄電池41又は第2蓄電池42の電池電圧が非常用点灯回路部44又は点滅用点灯回路部46の下限電圧(ランプユニット3及び点滅用光源50に電流を供給するために必要な最低電圧)を下回ってしまえば、ランプユニット3又は点滅用光源50に電流が供給されなくなる。
【0053】
制御回路部40は、点検部の点検結果(第1蓄電池41及び第2蓄電池42の異常の有無)を報知部48から報知させる。点検部の点検結果が第1蓄電池41及び第2蓄電池42の両方とも異常なしの場合、制御回路部40は、報知部48の第1操作ユニット71及び第2操作ユニット72のそれぞれの表示用のLEDを点灯させるとともに充電回路部43による充電を再開する。
【0054】
一方、点検部の点検結果が第1蓄電池41又は第2蓄電池42の少なくとも一方に異常ありの場合、制御回路部40は、充電回路部43を停止させたまま、報知部48の第1操作ユニット71及び第2操作ユニット72の一方又は両方の表示用のLEDを点滅させることで第1蓄電池41又は第2蓄電池42の異常を報知する。
【0055】
(2-3-2)自動的に点検を開始する動作
次に、点検部が自動的に点検を開始する動作について、
図4-
図6を参照して詳細に説明する。
【0056】
まず、照明器具A1が設置された後、電力系統の給電が開始されるか、あるいは、電力系統の給電開始後に第1蓄電池41及び第2蓄電池42が充電回路部43と電気的に接続されると、制御回路部40が動作を開始する。
【0057】
制御回路部40が動作を開始することにより、計時部が経過時間(制御回路部40の動作開始時点をゼロとした経過時間)の計時を開始する(
図4の時点S1-1)。計時部は、経過時間が第1インターバル時間T1(例えば、60日)に達したときに初回の点検開始信号を出力する(
図4の時点S1-2)。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。なお、計時部は、点検開始信号の出力後に経過時間の計時を中止し、点検部の点検完了後に新たに経過時間の計時を開始する。
【0058】
計時部は、再開後の経過時間が第2インターバル時間T2(例えば、180日)に達したときに2回目の点検開始信号を出力する(
図4の時点S1-3)。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。なお、計時部は、点検開始信号の出力後に経過時間の計時を中止し、点検部の点検完了後に新たに経過時間の計時を開始する。
【0059】
さらに、計時部は、再開後の経過時間が第2インターバル時間T2(例えば、180日)に達したときに3回目の点検開始信号を出力する(
図4の時点S1-4)。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。なお、計時部は、点検開始信号の出力後に経過時間の計時を中止し、点検部の点検完了後に新たに経過時間の計時を開始する。以降、計時部は、再開後の経過時間が第2インターバル時間T2(例えば、180日)に達するごとに3回目、4回目、5回目、…の点検開始信号を出力する。
【0060】
しかして、照明器具A1は、計時部が計時する経過時間がインターバル時間(第1インターバル時間T1及び第2インターバル時間T2)に達すると、点検部に点検開始信号を出力して点検を開始させる。そのため、照明器具A1は、従来例のように点検を開始するための人の作業が不要になるので、従来例と比べて、点検に要する作業負担の軽減を図ることができる。また、照明器具A1は、初回の点検を2回目以降の点検よりも短期間で行うことにより、蓄電池(第1蓄電池41又は第2蓄電池42)の初期不良を早期に発見できる。
【0061】
ここで、点検で第1蓄電池41又は第2蓄電池42の異常有りと判断された場合、照明器具A1は、異常有りと判断された第1蓄電池41又は第2蓄電池42が交換される。交換作業を行う作業者は、電力系統の給電を継続した状態でボディ10からカバー11を取り外し、第1蓄電池41又は第2蓄電池42を交換する。制御回路部40は、充電回路部43の充電電流の供給が停止した後、充電電流の供給が再開された場合、第1蓄電池41又は第2蓄電池42が交換されたと判定し、計時部が計時する経過時間をリセットする。また、制御回路部40は、第1蓄電池41又は第2蓄電池42が交換されて新しい第1蓄電池41又は第2蓄電池42が充電回路部43に接続されると、充電回路部43から充電電流の供給を開始させる。
【0062】
あるいは、新しい第1蓄電池41又は第2蓄電池42を取り付けた後、第1操作ユニット71又は第2操作ユニット72の操作部材を作業者が押操作して操作入力受付部49に操作入力を受け付けさせてもよい。操作入力受付部49は、受け付けた操作入力に対応する操作入力信号を制御回路部40に出力する。制御回路部40は、操作入力受付部49から受け取った操作入力信号に基づいて計時部の経過時間をリセットする。
【0063】
計時部は、第1蓄電池41又は第2蓄電池42が交換されると、交換された時点から経過時間の計時を行う(
図5の時点S2-1)。そして、計時部は、経過時間が所定の充電時間T3(例えば、48時間)に達すると、再度、経過時間をリセットして再度ゼロから計時を開始する(
図5の時点S2-2)。なお、充電時間T3は、新しい第1蓄電池41又は第2蓄電池42を満充電まで充電するのに要する時間である。
【0064】
計時部は、第1蓄電池41又は第2蓄電池42の充電完了後の経過時間が第2インターバル時間T2(例えば、180日)に達したときに初回の点検開始信号を出力する(
図5の時点S2-3)。計時部は、点検開始信号の出力後に経過時間の計時を中止し、点検部の点検完了後に新たに経過時間の計時を開始する。以降、計時部は、再開後の経過時間が第2インターバル時間T2(例えば、180日)に達するごとに2回目、3回目、4回目、…の点検開始信号を出力する。
【0065】
しかして、照明器具A1は、交換された第1蓄電池41又は第2蓄電池42の充電が完了した後、点検を開始するための経過時間の計時を計時部に再開させるので、第1蓄電池41又は第2蓄電池42が満充電されていない状態で点検が開始されることを回避できる。
【0066】
ところで、照明器具A1は、経過時間が第2インターバル時間T2に達する前に停電が発生した場合(
図6の時点S3-1)、制御回路部40が非常用点灯回路部44を動作させてランプユニット3を非常点灯させる。なお、制御回路部40は、ランプユニット3を非常点灯させている時間(以下、点灯時間という。)を計時部に計時させる。
【0067】
電力系統が復電すると、制御回路部40は、計時部が計時した点灯時間Tonを上限時間(例えば、30分)と比較する(
図6の時点S3-2、S3-4)。点灯時間Tonが上限時間を超えた場合、計時部は、経過時間をリセットしてゼロから計時を再開する。そして、計時部は、復電後の経過時間が第2インターバル時間T2(例えば、180日)に達したときに点検開始信号を出力する(
図6の時点S3-3)。計時部は、点検開始信号の出力後に経過時間の計時を中止し、点検部の点検完了後に新たに経過時間の計時を開始する。言い換えると、計時部は、ランプユニット3の点灯時間が上限時間を超えた場合、経過時間が第2インターバル時間T2に達するまで点検開始信号を出力しない。すなわち、ランプユニット3の点灯時間Tonが上限時間を超えた場合、実質的に第1蓄電池41の点検が行われたことになるので、不要な点検が行われることを避けて第1蓄電池41の劣化抑制を図ることができる。なお、計時部は、再開後の経過時間が第2インターバル時間T2(例えば、180日)に達するごとに点検開始信号を出力する。
【0068】
一方、点灯時間Tonが上限時間を超えなかった場合、計時部は、経過時間をリセットせずに計時を継続する(
図6の時点S3-4)。そして、計時部は、前回の点検完了からの経過時間が第2インターバル時間T2(例えば、180日)に達したときに点検開始信号を出力する(
図6の時点S3-5)。計時部は、点検開始信号の出力後に経過時間の計時を中止し、点検部の点検完了後に新たに経過時間の計時を開始する。以降、計時部は、経過時間が第2インターバル時間T2(例えば、180日)に達するごとに点検開始信号を出力する。
【0069】
しかして、計時部は、点灯時間Tonが上限時間を超えない場合、経過時間が第2インターバル時間T2に達するごとに点検開始信号を出力する。つまり、点灯時間Tonが上限時間を超えなかった場合、実質的に点検が行われたことにはならないので、計時部が経過時間の計時を継続することで定期的な点検を自動で行うことができる。
【0070】
ここで、計時部は、操作入力受付部49が受け付ける操作入力に応じて、複数のインターバル時間を設定しても構わない。例えば、操作入力受付部49がディップスイッチを有し、ディップスイッチによって1か月から6か月までの6通りのインターバル時間を選択できるように構成されても構わない。これにより、照明器具A1は、点検を行う期間(インターバル時間)の設定の自由度を高めて使い勝手の向上を図ることができる。
【0071】
さらに、計時部は、操作入力受付部49が受け付ける操作入力に応じて、経過時間の計時をリセットしても構わない。すなわち、照明器具A1は、操作入力受付部49を操作して計時部による経過時間のリセットを可能とすれば、例えば、インターバル時間の誤設定等によって不要な点検が行われることを回避できる。
【0072】
ところで、照明器具A1の制御回路部40は、計時部に代えて判定部を有しても構わない。ただし、判定部は、計時部と同様に、制御回路部40が有するマイクロコントローラのプロセッサに、判定用のプログラムを実行させることで実現することが好ましい。
【0073】
制御回路部40で実現される判定部(以下、判定部と略す。)は、点検部が点検を行う予定のスケジュール時刻と現在時刻の一致・不一致を判定する。そのため、判定部は、マイクロコントローラに搭載されているRTC(リアルタイムクロック)機能を利用して現在時刻(日付と時刻)を計時する。なお、判定部が計時する現在時刻は、操作入力受付部49が受け付ける操作入力に応じて設定されることが好ましい。また、判定部は、現在時刻の設定が行われた時点を起点として、6か月ごとの定刻(例えば、深夜零時)を点検開始時刻に設定することが好ましい。
【0074】
しかして、判定部は、現在時刻がスケジュール時刻と一致したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。
【0075】
上述のように照明器具A1は、あらかじめ決められたスケジュールに従って自動的に点検を行うことにより、従来例のように点検を開始するための人の作業が不要になるので、従来例と比べて、点検に要する作業負担の軽減を図ることができる。
【0076】
(2-3-3)消灯時の点検動作
上述したように、制御回路部40は、中継盤を介して、誘導灯用信号装置から点灯信号及び消灯信号を受信可能であり、ランプユニット3の点灯中に消灯信号を受信すると、常用点灯回路部45を制御してランプユニット3を消灯する(常時消灯モード)。また、制御回路部40は、ランプユニット3の消灯中に点灯信号を受信すると、常用点灯回路部45を制御してランプユニット3を点灯させる(常時点灯モード)。
【0077】
ここで、制御回路部40が消灯信号を受信してランプユニット3を消灯させているときに、計時部が計時する経過時間が第2インターバル時間T2に達した場合、計時部は、点検開始信号を出力せずに経過時間の計時を継続する(
図7の時点S4-1)。つまり、点検部は、制御回路部40が常時消灯モードで動作して常用点灯回路部45にランプユニット3を消灯させているときに点検開始信号を受け取っても点検を行わない。
【0078】
そして、制御回路部40は、誘導灯用信号装置から点灯信号を受信すると、常時消灯モードから常時点灯モードに移行し、常用点灯回路部45を制御してランプユニット3を点灯させる(
図7の時点S4-2)。このとき、計時部は、点検開始信号を点検部に出力する。計時部は、点検開始信号の出力後に経過時間の計時を中止し、点検部の点検完了後に新たに経過時間の計時を開始する(
図7の時点S4-3)。以降、計時部は、再開後の経過時間が第2インターバル時間T2(例えば、180日)に達するごとの点検開始信号を出力する(
図7の時点S4-4)。
【0079】
しかして、照明器具A1は、消灯信号に基づく消灯中に点検を実施しないので、ランプユニット3を点灯させたくない状況で点検が行われてランプユニット3が点灯することを回避できる。
【0080】
また、計時部から点検開始信号が出力された時点(
図8の時点S5-1)から点検部が点検を開始した後、点検が終了する前に制御回路部40が誘導灯用信号装置から消灯信号を受信すると、点検部は点検を中断する(
図8の時点S5-2)。さらに、制御回路部40は、常用点灯回路部45及び非常用点灯回路部44を停止させてランプユニット3を消灯させ、充電回路部43に充電を再開させる。
【0081】
そして、制御回路部40は、誘導灯用信号装置から点灯信号を受信すると(
図8の時点S5-3)、常用点灯回路部45を制御してランプユニット3を点灯させる。また、計時部は、ランプユニット3の点灯時点から経過時間の計時を開始し、点灯時点からの経過時間が所定時間T4に達したら(
図8の時点S5-4)、経過時間をリセットして経過時間の計時を再開する。なお、所定時間T4は、例えば、充電回路部43が第1蓄電池41を満充電まで充電するために必要な最長時間(例えば、48時間)である。計時部は、再開した経過時間が第2インターバル時間T2に達したら、点検開始信号を出力する。
【0082】
しかして、照明器具A1は、点検部による点検中に消灯信号を受信した場合、点検部に点検を中断させるので、ランプユニット3を点灯させたくない状況で点検が行われてランプユニット3が点灯することを回避できる。
【0083】
(3)実施形態の変形例
次に、実施形態に係る照明器具A1の変形例を説明する。ただし、以下に説明する変形例の照明器具A1の基本構成は、実施形態に係る照明器具A1の基本構成と共通である。したがって、実施形態に係る照明器具A1の基本構成と共通する構成及び実質的に共通する構成については、同一の符号を付して図示及び説明を適宜省略する。なお、以下の説明において「実質的に共通する構成」とは、形状・大きさなどは多少相違しているが機能は共通している構成を意味する。
【0084】
(3-1)変形例1
誘導灯に関する規格(「誘導灯及び誘導標識の基準」平成11年3月17日消防庁告示第2号)によれば、誘導灯の表示面の平均輝度は、常用電源で点灯中の値に対して、非常電源で点灯中の値が小さく規定されている。
【0085】
また、実施形態における第1蓄電池41に使用されるニッケル水素蓄電池は、満充電からの放電開始直後と放電終了直前の期間を除いて、放電時間に対して電池電圧がほぼ直線的に低下する特性(放電特性)を有している(
図9参照)。
【0086】
そこで、変形例1の照明器具A1では、非常用点灯回路部44が、ランプユニット3に第1の電流を供給する非常点灯モードと、第1の電流よりも大きい第2の電流を供給する点検モードと、を有する。そして、点検部が、点検開始信号を受け取ると非常用点灯回路部44を点検モードで動作させ、所定時間が経過した後の第1蓄電池41の電圧に基づいて第1蓄電池41の良否を判定する。つまり、実施形態に係る照明器具A1において、点検部は、少なくとも非常点灯の定格時間よりも長い時間、非常用点灯回路部44にランプユニット3を点灯させ続ける必要があるのに対して、変形例1の照明器具A1では、点検時間の短縮を図ることができる。なお、点検モードにおける第2の電流の大きさは、常用点灯回路部45がランプユニット3に供給する電流の大きさと同じ程度であることが望ましい。
【0087】
例えば、
図10に示すように、時刻t=t1に点検部が点検を開始し、非常用点灯回路部44を点検モードで動作させたと仮定する。
図10において、一点破線は非常用点灯回路部44が非常点灯モードで動作して第1の電流をランプユニット3に供給する場合の放電特性を表している。一方、
図10において、実線は非常用点灯回路部44が点検モードで動作して第2の電流(>第1の電流)をランプユニット3に供給する場合の放電特性を表している。
【0088】
ここで、第1蓄電池41に使用されるニッケル水素蓄電池の放電特性から、第1蓄電池41の放電時間に対する電池電圧の減少率が既知であると仮定する。そうすると、点検開始時点(放電開始時点)の時刻t=t1から非常点灯の定格時間に達する時刻t=t3における第1蓄電池41の電池電圧を、時刻t=t3以前の時刻t=t2の時点の第1蓄電池41の電池電圧から推定できる。したがって、点検部は、点検開始時点から所定時間が経過した時点(時刻t=t2)の第1蓄電池41の電池電圧に基づいて、第1蓄電池41の良否を判定できる。
【0089】
しかして、変形例1の照明器具A1は、実施形態に係る照明器具A1に比べて、点検に要する時間(点検時間)の短縮を図ることができる。
【0090】
(3-2)変形例2
変形例1の照明器具A1は、点検時に非常点灯時の電流(第1の電流)よりも大きな電流(第2の電流)を流して点検時間の短縮を図っている。
【0091】
これに対して、変形例2の照明器具A1は、点検モードにおいて非常用点灯回路部44からランプユニット3の供給する電流を、非常点灯モードにおける第1の電流よりも小さい第3の電流とする。なお、第3の電流の大きさは、例えば、第1の電流の半分程度で構わない。
【0092】
例えば、
図11に示すように、時刻t=t1に点検部が点検を開始し、非常用点灯回路部44を点検モードで動作させたと仮定する。
図11において、一点破線は非常用点灯回路部44が非常点灯モードで動作して第1の電流をランプユニット3に供給する場合の放電特性を表している。一方、
図11において、実線は非常用点灯回路部44が点検モードで動作して第3の電流(<第1の電流)をランプユニット3に供給する場合の放電特性を表している。
【0093】
ここで、第1蓄電池41に使用されるニッケル水素蓄電池の放電特性から、第1蓄電池41の放電時間に対する電池電圧の減少率が既知であると仮定する。そうすると、点検開始時点(放電開始時点)の時刻t=t1から非常点灯の定格時間に達する時刻t=t2における第1蓄電池41の電池電圧を、時刻t=t2よりも後の時刻t=t3の時点の第1蓄電池41の電池電圧から推定できる。したがって、点検部は、点検開始時点から所定時間が経過した時点(時刻t=t3)の第1蓄電池41の電池電圧に基づいて、第1蓄電池41の良否を判定できる。
【0094】
しかして、変形例2の照明器具A1は、点検時にランプユニット3に供給する電流を、非常点灯時に供給する電流よりも小さくするので、実施形態に係る照明器具A1に比べて、ランプユニット3の劣化の抑制を図ることができる。ただし、変形例2の照明器具A1は、点検開始時点の時刻t=t1から非常点灯の定格時間に達する時刻t=t2における第1蓄電池41の電池電圧に基づいて、点検部に第1蓄電池41の良否を判定させても構わない。この場合、変形例2の照明器具A1は、ランプユニット3の劣化の抑制を図りつつ点検時間を従来と同程度に抑えることができる。
【0095】
(3-3)変形例3
変形例3の照明器具A1では、点滅用点灯回路部46が、第1の電流を供給して点滅用光源50を点滅させる通常モードと、第1の電流よりも小さい第2の電流を供給して点滅用光源50を点滅させる点検モードと、を有する。点検部は、点検開始信号を受け取って点検を行う際に点滅用点灯回路部46を点検モードで動作させる。
【0096】
しかして、変形例3の照明器具A1は、点検部に第2蓄電池42の点検を行わせる際、非常点灯時に点滅用光源50に供給する第1の電流よりも小さい第2の電流を点滅用点灯回路部46から点滅用光源50に供給させる。そのため、変形例3の照明器具A1は、点検時に点滅用光源50に供給する電流を非常点灯時に供給する電流と同じ大きさとする場合に比べて、点滅用光源50の劣化の抑制を図ることができる。
【0097】
(3-4)変形例4
変形例4の照明器具A1では、誘導音出力部61が、第1の音量で誘導音をスピーカ60から出力される通常モードと、第1の音量よりも小さい第2の音量で誘導音をスピーカ60から出力させる点検モードと、を有する。点検部は、点検開始信号を受け取って点検を行う際に誘導音出力部61を点検モードで動作させる。
【0098】
しかして、変形例4の照明器具A1は、点検部に第2蓄電池42の点検を行わせる際、非常時にスピーカ60から出力する誘導音の音量(第1の音量)よりも小さい音量(第2の音力)の誘導音をスピーカ60から出力する。その結果、変形例4の照明器具A1は、点検用の誘導音による騒音の抑制を図ることができる。
【0099】
(4)まとめ
本開示の第1の態様に係る照明器具(A1)は、表示板(20)と、光源(ランプユニット3)と、交換可能な蓄電池(第1蓄電池41)と、充電回路部(43)と、常用点灯回路部(45)と、非常用点灯回路部(44)と、点検部(制御回路部40)と、経過時間を計時する計時部(制御回路部40)と、を備える。光源は、表示板(20)に光を照射する。充電回路部(43)は、常用電源から供給される常用電力で蓄電池を充電する。常用点灯回路部(45)は、常用電力で光源を点灯させる。非常用点灯回路部(44)は、蓄電池から供給される非常用電力で光源を点灯させる。点検部は、非常用点灯回路部(44)を制御し、蓄電池の点検を行う。計時部は、経過時間が所定のインターバル時間(第1インターバル時間T1、第2インターバル時間T2)に達したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。
【0100】
第1の態様に係る照明器具(A1)は、計時部が計時する経過時間がインターバル時間に達すると、点検部に点検開始信号を出力して点検を開始させるので、従来例のように点検を開始するための人の作業が不要になる。その結果、第1の態様に係る照明器具(A1)は、従来例と比べて、点検に要する作業負担の軽減を図ることができる。
【0101】
本開示の第2の態様に係る照明器具(A1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る照明器具(A1)において、計時部は、充電回路部(43)と蓄電池が電気的に接続された時点から経過時間の計時を開始することが好ましい。
【0102】
第2の態様に係る照明器具(A1)は、蓄電池が交換された場合、計時部に交換の時点から経過時間の計時を開始させるので、交換後の蓄電池に対しても自動的に点検できる。その結果、第2の態様に係る照明器具(A1)は、点検に要する作業負担の更なる軽減を図ることができる。
【0103】
本開示の第3の態様に係る照明器具(A1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る照明器具(A1)は、操作入力を受け付ける操作入力受付部(49)を更に備えることが好ましい。計時部は、操作入力受付部(49)が所定の操作入力を受け付けた時点から経過時間の計時を開始することが好ましい。
【0104】
第3の態様に係る照明器具(A1)は、例えば、経過時間の計時が誤って開始された場合でも、人の操作に基づいて経過時間の計時を開始できる。
【0105】
本開示の第4の態様に係る照明器具(A1)は、第1-第3のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係る照明器具(A1)において、計時部は、インターバル時間として、第1インターバル時間(T1)と、第1インターバル時間(T1)よりも長い第2インターバル時間(T2)と、を有することが好ましい。計時部は、経過時間が第1インターバル時間(T1)に達したときに初回の点検開始信号を出力し、経過時間が第2インターバル時間(T2)に達するごとに2回目以降の点検開始信号を出力することが好ましい。
【0106】
第4の態様に係る照明器具(A1)は、初回の点検を2回目以降の点検よりも短期間で行うことにより、蓄電池の初期不良を早期に発見できる。
【0107】
本開示の第5の態様に係る照明器具(A1)は、第1-第3のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係る照明器具(A1)において、計時部は、蓄電池が交換された場合、交換後の新しい蓄電池の充電が完了した時点から経過時間の計時を開始することが好ましい。
【0108】
第5の態様に係る照明器具(A1)は、蓄電池が満充電されていない状態で点検が開始されることを回避できる。
【0109】
本開示の第6の態様に係る照明器具(A1)は、第4の態様との組合せにより実現され得る。第6の態様に係る照明器具(A1)において、計時部は、非常用点灯回路部(44)が光源を点灯させた点灯時間(Ton)が、所定の上限時間を超えた場合、経過時間が第2インターバル時間(T2)に達するまで点検開始信号を出力しないことが好ましい。
【0110】
第6の態様に係る照明器具(A1)は、点灯時間(Ton)が上限時間を超えた場合、実質的に蓄電池の点検が行われたことになるので、不要な点検が行われることを避けて蓄電池の劣化抑制を図ることができる。
【0111】
本開示の第7の態様に係る照明器具(A1)は、第6の態様との組合せにより実現され得る。第7の態様に係る照明器具(A1)において、計時部は、点灯時間(Ton)が上限時間を超えない場合、経過時間が第2インターバル時間(T2)に達するごとに点検開始信号を出力することが好ましい。
【0112】
第7の態様に係る照明器具(A1)は、点灯時間(Ton)が上限時間を超えなかった場合、実質的に点検が行われたことにはならないので、計時部が経過時間の計時を継続することで定期的な点検を自動で行うことができる。
【0113】
本開示の第8の態様に係る照明器具(A1)は、第1-第7のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第8の態様に係る照明器具(A1)において、非常用点灯回路部(44)は、光源に第1の電流を供給する非常点灯モードと、第1の電流よりも大きい第2の電流を供給する点検モードと、を有することが好ましい。点検部は、点検開始信号を受け取ると非常用点灯回路部(44)を点検モードで動作させ、所定時間が経過した後の蓄電池の電圧に基づいて蓄電池の良否を判定することが好ましい。
【0114】
第8の態様に係る照明器具(A1)は、点検時間の短縮を図ることができる。
【0115】
本開示の第9の態様に係る照明器具(A1)は、第1-第7のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第9の態様に係る照明器具(A1)において、非常用点灯回路部(44)は、光源に第1の電流を供給する非常点灯モードと、第1の電流よりも小さい第3の電流を供給する点検モードと、を有することが好ましい。点検部は、点検開始信号を受け取ると非常用点灯回路部(44)を点検モードで動作させ、所定時間が経過した後の蓄電池の電圧に基づいて蓄電池の良否を判定することが好ましい。
【0116】
第9の態様に係る照明器具(A1)は、点検時に光源に供給する電流を、非常点灯時に供給する電流よりも小さくするので、光源の劣化の抑制を図ることができる。
【0117】
本開示の第10の態様に係る照明器具(A1)は、第9の態様との組合せにより実現され得る。第10の態様に係る照明器具(A1)において、所定時間は、非常点灯モードにおける定格時間に等しいことが好ましい。
【0118】
第10の態様に係る照明器具(A1)は、光源の劣化の抑制を図りつつ点検時間を従来と同程度に抑えることができる。
【0119】
本開示の第11の態様に係る照明器具(A1)は、第9の態様との組合せにより実現され得る。第11の態様に係る照明器具(A1)において、所定時間は、非常点灯モードにおける定格時間よりも長いことが好ましい。
【0120】
第11の態様に係る照明器具(A1)は、点検時に光源に流す電流を減少させることで光源の劣化の抑制を図ることができる。
【0121】
本開示の第12の態様に係る照明器具(A1)は、第1-第11のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第12の態様に係る照明器具(A1)は、常用点灯回路部(45)を制御する制御回路部(40)を更に備えることが好ましい。制御回路部(40)は、常用点灯回路部(45)に光源を点灯させる常時点灯モード、及び常用点灯回路部(45)に光源を点灯させない常時消灯モードの二つの動作モードを択一的に選択して動作することが好ましい。点検部は、制御回路部(40)が常時消灯モードで動作しているときに点検開始信号を受け取っても点検を行わないことが好ましい。
【0122】
第12の態様に係る照明器具(A1)は、光源を点灯させたくない状況で点検が行われて光源が点灯することを回避できる。
【0123】
本開示の第13の態様に係る照明器具(A1)は、第12の態様との組合せにより実現され得る。第13の態様に係る照明器具(A1)において、制御回路部(40)は、点検部の点検中に常時消灯モードに移行する場合、点検部に点検を中断させることが好ましい。
【0124】
第13の態様に係る照明器具(A1)は、光源を点灯させたくない状況で点検が行われて光源が点灯することを回避できる。
【0125】
本開示の第14の態様に係る照明器具(A1)は、第1-第13のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第14の態様に係る照明器具(A1)は、点滅用光源(50)と、点滅用光源を点灯させる点滅用点灯回路部(46)と、を更に備えることが好ましい。点滅用点灯回路部(46)は、第1の電流を供給して点滅用光源(50)を点滅させる通常モードと、第1の電流よりも小さい第2の電流を供給して点滅用光源(50)を点滅させる点検モードと、を有することが好ましい。点検部は、点検開始信号を受け取って点検を行う際に点滅用点灯回路部(46)を点検モードで動作させることが好ましい。
【0126】
第14の態様に係る照明器具(A1)は、点検時に点滅用光源(50)に供給する電流を通常モードで供給する電流と同じ大きさとする場合に比べて、点滅用光源(50)の劣化の抑制を図ることができる。
【0127】
本開示の第15の態様に係る照明器具(A1)は、第1-第14のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第15の態様に係る照明器具(A1)は、スピーカ(60)と、スピーカ(60)から誘導音を出力させる誘導音出力部(61)と、を更に備えることが好ましい。誘導音出力部(61)は、第1の音量で誘導音をスピーカ(60)から出力される通常モードと、第1の音量よりも小さい第2の音量で誘導音をスピーカ(60)から出力させる点検モードと、を有することが好ましい。点検部は、点検開始信号を受け取って点検を行う際に誘導音出力部(61)を点検モードで動作させることが好ましい。
【0128】
第15の態様に係る照明器具(A1)は、点検用の誘導音による騒音の抑制を図ることができる。
【符号の説明】
【0129】
A1 照明器具
T1 第1インターバル時間(インターバル時間)
T2 第2インターバル時間(インターバル時間)
Ton 点灯時間
3 ランプユニット(光源)
20 表示板
40 制御回路部(点検部、計時部)
41 第1蓄電池(蓄電池)
42 第2蓄電池(蓄電池)
43 充電回路部
44 非常用点灯回路部
45 常用点灯回路部
46 点滅用点灯回路部
49 操作入力受付部
50 点滅用光源
60 スピーカ
61 誘導音出力部