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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159315
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/16 20200101AFI20241031BHJP
   H05B 45/345 20200101ALI20241031BHJP
   H05B 45/355 20200101ALI20241031BHJP
   H05B 45/375 20200101ALI20241031BHJP
   H05B 47/195 20200101ALI20241031BHJP
【FI】
H05B47/16
H05B45/345
H05B45/355
H05B45/375
H05B47/195
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075221
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】入川 敦志
(72)【発明者】
【氏名】片野田 寛治
(72)【発明者】
【氏名】供田 梢吾
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA08
3K273QA29
3K273QA30
3K273QA38
3K273QA39
3K273RA12
3K273RA13
3K273SA02
3K273SA08
3K273SA09
3K273SA23
3K273SA32
3K273SA33
3K273SA34
3K273SA35
3K273SA38
3K273SA48
3K273SA50
3K273SA60
3K273TA02
3K273TA15
3K273TA17
3K273TA22
3K273TA27
3K273UA16
3K273UA17
3K273UA21
3K273UA22
3K273UA23
3K273UA27
3K273UA29
(57)【要約】
【課題】本開示の課題は、点検に要する作業負担の軽減を図ることである。
【解決手段】照明器具A1は、LED20と、交換可能な蓄電池30と、充電回路部401と、点灯回路部402と、点検部と、経過時間を計時する計時部と、を備える。点検部は、充電回路部401及び点灯回路部402を制御して蓄電池30の点検を行う。計時部は、経過時間が所定のインターバル時間に達したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始し、点灯回路部402と充電回路部401を交互に動作させて蓄電池30を繰り返し充放電する。点検部は、蓄電池30を放電する時間の累積時間が所定の点検時間に達した後の蓄電池30の電池電圧に基づいて、蓄電池30の良否を判定する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
交換可能な蓄電池と、
常用電源から供給される常用電力で前記蓄電池を充電する充電回路部と、
前記蓄電池から供給される非常用電力で前記光源を点灯させる点灯回路部と、
前記充電回路部及び前記点灯回路部を制御して前記蓄電池の点検を行う点検部と、
経過時間を計時する計時部と、
を備え、
前記計時部は、前記経過時間が所定のインターバル時間に達したときに前記点検部に前記点検を開始させるための点検開始信号を出力し、
前記点検部は、前記点検開始信号を受け取ると前記点検を開始し、前記点灯回路部と前記充電回路部を交互に動作させて前記蓄電池を繰り返し充放電するとともに、前記蓄電池を放電する時間の累積時間が所定の点検時間に達した後の前記蓄電池の電池電圧に基づいて、前記蓄電池の良否を判定する、
照明器具。
【請求項2】
前記点検部は、前記点灯回路部を第1時間だけ動作させた後、前記第1時間よりも長い第2時間だけ前記充電回路部を動作させることを繰り返す、
請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記点検時間は、停電時に前記光源を点灯させるべき定格時間よりも短い、
請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項4】
前記点検時間は、停電時に前記光源を点灯させるべき定格時間に等しい、
請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項5】
前記計時部は、前記充電回路部と前記蓄電池が電気的に接続された時点から前記経過時間の計時を開始する、
請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項6】
前記計時部は、前記蓄電池が交換された場合、交換後の新しい蓄電池の充電が完了した時点から前記経過時間の計時を開始する、
請求項5記載の照明器具。
【請求項7】
前記点検部は、前記点検中に前記常用電源が停電した後に復電した場合、前記充電回路部による前記蓄電池の充電が完了した後、前記点検を再開する、
請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項8】
前記点検部は、前記点検を再開する場合、前記停電までに行った前記充放電の繰り返しよる前記累積時間をリセットする、
請求項7記載の照明器具。
【請求項9】
前記点検部は、前記点検中に前記常用電源が瞬時停電した場合、前記瞬時停電から復電した時点で前記点検を続行する、
請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項10】
操作入力を受け付ける操作入力受付部を更に備え、
前記計時部は、前記操作入力受付部が受け付ける前記操作入力に応じて、複数の前記インターバル時間を設定する、
請求項1又は2項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関し、より詳細には、蓄電池を搭載して非常時用照明を行う照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として特許文献1記載の照明装置を例示する。特許文献1記載の照明装置(以下、従来例という。)は、停電時などの外部電源の遮断時に、内蔵する非常用電源(蓄電池)の電力によって点灯する非常用照明装置である。
【0003】
従来例においては、蓄電池の点検を定期的に実施する必要がある。点検時には、作業者が点検する照明装置の下方でリモコンなどの端末を操作し、照明装置へ向けて点検信号を送信する。照明装置は、点検信号を受信すると点検モードとなり、蓄電池の電力で光源を点灯させて蓄電池の寿命を判定する。照明装置は、点検完了後、点検結果をモニタランプで報知するとともに、リモコンなどの端末に点検結果を送信する。作業者は、モニタランプを目視で確認し、また、端末に受信した点検結果を確認することで蓄電池の状態を把握する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-111458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来例では、点検を開始するために人(作業者)が端末を操作し、点検開始から所定時間(数十分から1時間)が経過した後に照明装置から報知される点検結果を確認しなければならず、点検を行う作業者の負担が大きかった。
【0006】
本開示の目的は、点検に要する作業負担の軽減を図ることができる照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る照明器具は、光源と、交換可能な蓄電池と、充電回路部と、点灯回路部と、点検部と、経過時間を計時する計時部と、を備える。前記充電回路部は、常用電源から供給される常用電力で前記蓄電池を充電する。前記点灯回路部は、前記蓄電池から供給される非常用電力で前記光源を点灯させる。前記点検部は、前記充電回路部及び前記点灯回路部を制御して前記蓄電池の点検を行う。前記計時部は、前記経過時間が所定のインターバル時間に達したときに前記点検部に前記点検を開始させるための点検開始信号を出力する。前記点検部は、前記点検開始信号を受け取ると前記点検を開始し、前記点灯回路部と前記充電回路部を交互に動作させて前記蓄電池を繰り返し充放電する。前記点検部は、前記蓄電池を放電する時間の累積時間が所定の点検時間に達した後の前記蓄電池の電池電圧に基づいて、前記蓄電池の良否を判定する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の照明器具は、点検に要する作業負担の軽減を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の実施形態に係る照明器具における点灯装置の回路ブロック図である。
図2図2は、同上の照明器具の斜視図である。
図3図3は、同上の照明器具の分解斜視図である。
図4図4は、同上の照明器具における蓄電池の放電特性を説明する図である。
図5図5は、同上の照明器具の点検動作を説明するためのタイムチャートである。
図6図6は、同上の照明器具の点検動作を説明するためのタイムチャートである。
図7図7は、同上の照明器具の点検動作を説明するためのタイムチャートである。
図8図8は、同上の照明器具の点検動作を説明するためのタイムチャートである。
図9図9は、変形例の照明器具の点検動作を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る照明器具A1について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(1)概要
実施形態に係る照明器具A1は、光源と、交換可能な蓄電池30と、充電回路部401と、点灯回路部402と、点検部と、経過時間を計時する計時部と、を備える(図1参照)。光源は、例えば、LED20である。蓄電池30は、例えば、ニッケル水素蓄電池である。ただし、光源は、有機エレクトロルミネッセンス素子、半導体レーザなどでも構わない。また、蓄電池30は、リチウムイオン蓄電池などでも構わない。
【0012】
充電回路部401は、常用電源から供給される常用電力で蓄電池30を充電する。常用電源は、例えば、電力系統P1である。点灯回路部402は、蓄電池30から供給される非常用電力で光源(LED20)を点灯させる。
【0013】
点検部は、充電回路部401及び点灯回路部402を制御して蓄電池30の点検を行う。計時部は、経過時間が所定のインターバル時間に達したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始し、点灯回路部402と充電回路部401を交互に動作させて蓄電池30を繰り返し充放電する。点検部は、蓄電池30を放電する時間の累積時間が所定の点検時間に達した後の蓄電池30の電池電圧に基づいて、蓄電池30の良否を判定する。なお、点検部及び計時部は、制御回路部404が備えるマイクロコントローラのプロセッサに、点検用のプログラム及び計時用のプログラムを実行させて実現されることが好ましい。
【0014】
しかして、実施形態に係る照明器具A1は、計時部が計時する経過時間がインターバル時間に達すると、点検部に点検開始信号を出力して点検を開始させるので、従来例のように点検を開始するための人の作業が不要になる。その結果、実施形態に係る照明器具A1は、従来例と比べて、点検に要する作業負担の軽減を図ることができる。さらに、実施形態に係る照明器具A1において、点検部は、点灯回路部402と充電回路部401を交互に動作させて蓄電池30を繰り返し充放電し、蓄電池30を放電する時間の累積時間が所定の点検時間に達した後の蓄電池30の電池電圧に基づいて、蓄電池30の良否を判定する。つまり、実施形態に係る照明器具A1は、点検における蓄電池30の温度上昇を抑制し、温度上昇に起因した蓄電池30の劣化の抑制を図ることができる。
【0015】
(2)詳細
実施形態に係る照明器具A1(以下、照明器具A1と略す。)は、電池内蔵形非常時用照明器具の一種である非常灯である。非常灯は、火災などの災害発生による停電の場合に、避難経路を照明するための全般照明用の非常時用照明器具である。なお、照明器具A1は、非常用照明のみを行う専用形非常時用照明器具であるが、常用照明と非常用照明の両方を行う併用形の電池内蔵形非常時用照明器具であっても構わない。あるいは、照明器具A1は、非常灯以外の電池内蔵形非常時用照明器具、例えば、誘導灯であっても構わない。
【0016】
(2-1)照明器具(非常灯)の構造
照明器具A1は、天井仕上材9の下面(天井面)に直接取り付けられる、いわゆる天井直付け型の非常灯である(図2参照)。ただし、照明器具A1は、天井仕上材9に設けられる穴を通して天井(天井仕上材9)に埋め込むように取り付けられる、いわゆる埋込型の非常灯であっても構わない。
【0017】
照明器具A1は、本体ユニット1と、光源ユニット2と、電池ユニット3と、点灯ユニット4と、を備える(図2及び図3参照)。
【0018】
(2-1-1)本体ユニット
本体ユニット1は、円盤状の取付板10と、バケツ型のカバー11と、一対の取付ばね12と、を有する(図3参照)。
【0019】
取付板10は、金属材料によって円盤状に形成されている。取付板10の中央に円形の引込穴100が開口している(図3参照)。この引込穴100に挿通される電源ケーブルを介して、電力系統P1と点灯ユニット4の点灯装置40が電気的に接続される(図1参照)。取付板10は、天井仕上材9にねじ止めされることで天井面に固定される。
【0020】
一対の取付ばね12はそれぞれ、金属製の線材によって略ひし形に形成される。一対の取付ばね12は、取付板10の中心を挟んで対向する周縁部分に一つずつ取り付けられる。
【0021】
カバー11は、上面が開口した円すい台形状(バケツ型)に形成されている(図3参照)。ただし、カバー11の上面の直径は、取付板10の直径よりもわずかに大きい。また、カバー11の下面(底面)の中央に円形の窓穴110が設けられている。この窓穴110に、後述する光源ユニット2のレンズ21が挿通される。さらに、カバー11の底面における窓穴110の近傍に、4つの穴(第1穴111、第2穴112、第3穴113、第4穴114)が縦横2列に並ぶように設けられている。
【0022】
カバー11の内周面に、一対のばね受け部材(図示せず)が設けられている。一対のばね受け部材は、窓穴110を挟んで対向する位置に配置される。各ばね受け部材は、取付ばね12が挿通される溝を有している。しかして、カバー11は、一対の取付ばね12が一対のばね受け部材の溝に一つずつ挿通されることによって、取付板10に着脱可能に取り付けられる(図2及び図3参照)。
【0023】
(2-1-2)光源ユニット
光源ユニット2は、図3に示すように、LED20、レンズ21、ホルダ22、放熱板23などを有する。
【0024】
LED20は、例えば、パッケージ型の照明用白色LEDである。レンズ21は、例えば、ガラス製であって、概ね半球状に形成されている。ホルダ22は、例えば、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂によって、中央部分が開口した枠状に形成されている。放熱板23は、アルミ又はアルミ合金製の板材によってU字状に形成されている。ホルダ22は、中央部分の開口からレンズ21を突出させ、放熱板23との間にLED20及びレンズ21を挟み込むようにして、放熱板23にねじ止めされる。
【0025】
(2-1-3)電池ユニット
電池ユニット3は、複数本(図示例では3本)の蓄電池30と、これら複数本の蓄電池30を収容する電池ケース31と、を有する(図1及び図3参照)。蓄電池30は、円筒形のニッケル水素蓄電池である。ただし、蓄電池30は、円筒形又は角筒形のニッケル水素蓄電池又はリチウムイオン蓄電池などでも構わない。また、蓄電池30の本数は、非常灯に要求される点灯時間の規格値を満たすことができる本数であれば、2本以下又は4本以上でも構わない。
【0026】
電池ケース31は、上下両側の底面が馬蹄形(U字形)である筒状に形成される。複数本の蓄電池30は、その軸方向を上下方向に一致させ、径方向に沿って一列に並ぶように電池ケース31内に収容される。なお、電池ケース31の下側の一端部にコネクタ部32が設けられる。コネクタ部32は、電池ケース31内で電気的に直列接続された複数本の蓄電池30を、後述する点灯ユニット4の点灯装置40と電気的に接続するように構成される。
【0027】
(2-1-4)点灯ユニット
点灯ユニット4は、点灯装置40と、点灯装置40を収容する筐体41と、端子台ケース42と、を有する(図1及び図3参照)。点灯装置40は、プリント回路で構成されている。筐体41は、合成樹脂材料で箱状に形成され、かしめ又はねじ止めなどの適宜の方法で取付板10の下面に取り付けられる。
【0028】
端子台ケース42は、合成樹脂材料で箱状に形成され、筐体41の外側面に取り付けられた端子台を覆うように筐体41に取り付けられる。なお、端子台は、点灯装置40と電気的に接続されるとともに、引込穴100から引き込まれる電源ケーブルが抜き差し可能に接続される。つまり、点灯装置40は、端子台を介して電源ケーブルと電気的に接続される。
【0029】
(2-2)照明器具の回路構成
次に、図1を参照して照明器具A1(点灯装置40)の回路構成を詳細に説明する。ただし、図1においては蓄電池30を一つしか図示していないが、実際は複数本(例えば、3本)の蓄電池30が電気的に直列接続されている。
【0030】
点灯装置40は、電源回路部400、充電回路部401、点灯回路部402、停電検出部403、制御回路部404、操作入力受付部405、報知部406、を有する。
【0031】
電源回路部400は、例えば、リンギングチョークコンバータなどの自励型のスイッチング電源回路で構成され、電力系統P1から供給される交流電圧を、当該交流電圧の実効値よりも低い直流電圧に変換する。ただし、電源回路部400は、力率改善回路とバックコンバータなどで構成されても構わない。
【0032】
充電回路部401は、電力系統P1から給電されているときに動作し、電源回路部400から蓄電池30へ一定の充電電流を流すように構成される。
【0033】
点灯回路部402は、蓄電池30から供給される直流電流を定電流化してLED20に供給する。
【0034】
停電検出部403は、電源回路部400の出力電圧から電力系統P1の停電を検出して制御回路部404に通知するように構成される。
【0035】
操作入力受付部405は、一つ以上の押釦スイッチと、赤外線を媒体とする制御信号を受信する赤外線受信モジュールと、を有する。操作入力受付部405は、押釦スイッチが押操作されることで操作入力を受け付け、受け付けた操作入力に対応する操作入力信号を制御回路部404に出力する。また、操作入力受付部405は、リモートコントローラから送信される制御信号を赤外線受信モジュールで受信することで操作入力信号(制御コマンド)を受け付け、受け付けた操作入力信号(制御コマンド)を制御回路部404に出力する。なお、制御信号(赤外線信号)は、カバー11の底面に設けられた第4穴114を通して赤外線受信モジュールに受信される。
【0036】
報知部406は、例えば、表示用の緑色のLEDを有する。ただし、報知部406は、表示用のLEDとともに、あるいは、表示用のLEDに代えて、液晶ディスプレイなどの表示デバイスを有しても構わない。さらに、報知部406は、圧電ブザーなどを有し、光だけでなく、音による報知を行っても構わない。
【0037】
制御回路部404は、(1)概要で説明したように、一つ以上のプロセッサ及びメモリを有するマイクロコントローラを備える。制御回路部404は、一つ以上のプロセッサに、通常動作用(蓄電池30の充電及びLED20の非常点灯)のプログラムを実行させる。また、制御回路部404は、点検用及び計時用の各プログラムを実行させることで点検部及び計時部の機能を実現する。なお、制御回路部404は、計時部の機能を実現するに当たって、マイクロコントローラが有するタイマ(カウンタ)を利用する。
【0038】
制御回路部404は、充電回路部401を動作させて常用電源(電力系統P1)から供給される常用電力で蓄電池30を充電させる。なお、制御回路部404は、報知部406のLEDを点灯させることで蓄電池30が充電中であることを報知する。報知部406のLEDから放射される緑色光は、カバー11の底面に設けられた第3穴113を通してカバー11の外に出射される。
【0039】
また、制御回路部404は、電力系統P1が停電したことを停電検出部403から通知されると、充電回路部401を停止させ、点灯回路部402を動作させて蓄電池30から供給される非常用電力でLED20を点灯させる。なお、制御回路部404は、点灯回路部402の動作中は報知部406のLEDを消灯させる。
【0040】
(2-3)照明器具の点検
次に、照明器具A1で行われる点検について説明する。非常灯については、6か月に1度の割合で非常点灯への切替え、及び点灯時間(非常点灯した時間)の確認(点検)を行うことが法令(建築基準法)で義務づけられている。そして、点検の結果、非常点灯しない、あるいは、法令で定められた非常点灯の定格時間(30分又は60分)が経過する前に消灯した場合、適切な処置、例えば、新しい蓄電池30への交換などを実施する必要がある。
【0041】
(2-3-1)基本的な点検動作
制御回路部404で実現される点検部(以下、点検部と略す。)は、点灯回路部402を制御し、蓄電池30の点検を行う。制御回路部404で実現される計時部(以下、計時部と略す。)は、経過時間が所定のインターバル時間に達したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。ただし、点検部は、操作入力受付部405から出力される操作入力信号及び制御コマンドに応じて点検を開始する場合もある。
【0042】
ここで、実施形態における蓄電池30に使用されるニッケル水素蓄電池は、満充電からの放電開始直後と放電終了直前の期間を除いて、放電時間に対して電池電圧がほぼ直線的に低下する特性(放電特性)を有している(図4参照)。したがって、蓄電池30の放電特性が線形とみなせる期間であれば、任意の時点の電池電圧から、その後の電池電圧を推定することができる。
【0043】
点検部は、点検開始時点(図5における時刻t=t1)から充電回路部401を停止し、蓄電池30から供給する非常用電力によって点灯回路部402にLED20を点灯させる。したがって、蓄電池30の電池電圧は、時間の経過とともに低下する(図5参照)。点検部は、点検開始時点から第1時間(例えば、5分)が経過した時点(図5における時刻t=t2)で点灯回路部402を停止し、充電回路部401を動作させて蓄電池30を充電させる。したがって、蓄電池30の電池電圧は、時間の経過とともに上昇する(図5参照)。ただし、充電による電池電圧の上昇率は、放電による電池電圧の低下率よりも小さいと仮定する。
【0044】
続いて、点検部は、充電開始時点(図5における時刻t=t2)から第2時間(例えば、10分)が経過した時点(図5における時刻t=t3)で充電回路部401を停止し、点灯回路部402を動作させてLED20を点灯させる。したがって、蓄電池30の電池電圧は、時間の経過とともに低下する(図5参照)。点検部は、点灯回路部402の動作再開時点(図5における時刻t=t3)から第1時間が経過した時点(図5における時刻t=t4)で点灯回路部402を停止し、充電回路部401を動作させて蓄電池30を充電させる。したがって、蓄電池30の電池電圧は、時間の経過とともに上昇する(図5参照)。
【0045】
ここで、点検部は、各時刻t1、t2、t3、t4における電池電圧の計測値を記憶している。点検部は、例えば、2回分の放電の累積時間(第1時間の2倍の時間)が点検時間に達した後の蓄電池30の電池電圧の計測値から、非常点灯の定格時間(例えば、60分)が経過する時点(時刻t=t5)の電池電圧を推定する。つまり、蓄電池30の放電特性が線形であると仮定すると(図5における破線)、各回の放電後の電池電圧の計測値に基づいて、点検開始時点から定格時間が経過する時刻t=t5の電池電圧を推定可能である。
【0046】
しかして、点検部は、上述のようにして推定する、点検開始時点から定格時間が経過する時刻t=t5の電池電圧の推定値に基づいて、蓄電池30の良否を判定する。具体的には、点検部は、時刻t=t5における電池電圧の推定値を所定のしきい値と比較し、推定値がしきい値以上であれば、蓄電池30に異常なしと判断し、推定値がしきい値未満であれば、蓄電池30に異常有りと判断する。例えば、蓄電池30が寿命末期に至っている場合、定格時間に達する前に、蓄電池30の電池電圧が点灯回路部402の下限電圧(LED20に電流を供給するために必要な最低電圧)を下回ってしまえば、LED20に電流が供給されなくなる。
【0047】
制御回路部404は、点検部の点検結果(蓄電池30の異常の有無)を報知部406から報知させる。点検部の点検結果が蓄電池30の異常なしの場合、制御回路部404は、報知部406のLEDを点灯させるとともに充電回路部401による充電を再開する。一方、点検部の点検結果が蓄電池30の異常ありの場合、制御回路部404は、充電回路部401を停止させたまま、報知部406のLEDを点滅させることで蓄電池30の異常を報知する。
【0048】
しかして、点検部は、点灯回路部402と充電回路部401を交互に動作させて蓄電池30を繰り返し充放電し、蓄電池30を放電する時間(第1時間)の累積時間が所定の点検時間に達した後の蓄電池30の電池電圧に基づいて、蓄電池30の良否を判定する。そのため、照明器具A1は、点灯回路部402を定格時間まで連続してLED20を点灯させる場合に比べて、点検における蓄電池30の温度上昇を抑制し、温度上昇に起因した蓄電池30の劣化の抑制を図ることができる。
【0049】
(2-3-2)自動的に点検を開始する動作
次に、点検部が自動的に点検を開始する動作について、図6図8を参照して詳細に説明する。
【0050】
まず、照明器具A1が設置された後、電力系統P1の給電が開始されるか、あるいは、電力系統P1の給電開始後に電池ユニット3が取付板10に取り付けられて点灯装置40と電気的に接続されると、点灯装置40が動作を開始する。
【0051】
点灯装置40が動作を開始することにより、計時部が経過時間(点灯装置40の動作開始時点をゼロとした経過時間)の計時を開始する(図6の時点S1-1)。計時部は、経過時間が第1インターバル時間T1(例えば、60日)に達したときに初回の点検開始信号を出力する(図6の時点S1-2)。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。なお、計時部は、点検開始信号の出力後に経過時間の計時を中止し、点検部の点検完了後に新たに経過時間の計時を開始する。
【0052】
計時部は、再開後の経過時間が第2インターバル時間T2(例えば、180日)に達したときに2回目の点検開始信号を出力する(図6の時点S1-3)。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。なお、計時部は、点検開始信号の出力後に経過時間の計時を中止し、点検部の点検完了後に新たに経過時間の計時を開始する。
【0053】
さらに、計時部は、再開後の経過時間が第2インターバル時間T2(例えば、180日)に達したときに3回目の点検開始信号を出力する(図6の時点S1-4)。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。なお、計時部は、点検開始信号の出力後に経過時間の計時を中止し、点検部の点検完了後に新たに経過時間の計時を開始する。以降、計時部は、再開後の経過時間が第2インターバル時間T2(例えば、180日)に達するごとに3回目、4回目、5回目、…の点検開始信号を出力する。
【0054】
しかして、照明器具A1は、計時部が計時する経過時間がインターバル時間(第1インターバル時間T1及び第2インターバル時間T2)に達すると、点検部に点検開始信号を出力して点検を開始させる。そのため、照明器具A1は、従来例のように点検を開始するための人の作業が不要になるので、従来例と比べて、点検に要する作業負担の軽減を図ることができる。また、照明器具A1は、初回の点検を2回目以降の点検よりも短期間で行うことにより、蓄電池30の初期不良を早期に発見できる。
【0055】
ここで、点検で蓄電池30の異常有りと判断された場合、照明器具A1は、電池ユニット3が交換される。交換作業を行う作業者は、電力系統P1の給電を継続した状態で取付板10からカバー11を取り外し、電池ユニット3を交換する。制御回路部404は、充電回路部401の充電電流の供給が停止した後、充電電流の供給が再開された場合、電池ユニット3が交換されたと判定し、計時部が計時する経過時間をリセットする。また、制御回路部404は、電池ユニット3が交換されて新しい蓄電池30が充電回路部401に接続されると、充電回路部401から充電電流の供給を開始させる。
【0056】
あるいは、新しい電池ユニット3を取り付けた後、カバー11の第1穴111から突出する操作部材4050(図2参照)を作業者が押操作して操作入力受付部405に操作入力を受け付けさせてもよい。操作入力受付部405は、受け付けた操作入力に対応する操作入力信号を制御回路部404に出力する。制御回路部404は、操作入力受付部405から受け取った操作入力信号に基づいて計時部の経過時間をリセットする。
【0057】
計時部は、蓄電池30(電池ユニット3)が交換されると、交換された時点から経過時間の計時を行う(図7の時点S2-1)。そして、計時部は、経過時間が所定の充電時間T3(例えば、48時間)に達すると、再度、経過時間をリセットして再度ゼロから計時を開始する(図7の時点S2-2)。なお、充電時間T3は、新しい電池ユニット3(蓄電池30)を満充電まで充電するのに要する時間である。
【0058】
計時部は、蓄電池30の充電完了後の経過時間が第2インターバル時間T2(例えば、180日)に達したときに初回の点検開始信号を出力する(図7の時点S2-3)。計時部は、点検開始信号の出力後に経過時間の計時を中止し、点検部の点検完了後に新たに経過時間の計時を開始する。以降、計時部は、再開後の経過時間が第2インターバル時間T2(例えば、180日)に達するごとに2回目、3回目、4回目、…の点検開始信号を出力する。
【0059】
しかして、照明器具A1は、交換された蓄電池30の充電が完了した後、点検を開始するための経過時間の計時を計時部に再開させるので、蓄電池30が満充電されていない状態で点検が開始されることを回避できる。
【0060】
ところで、照明器具A1は、経過時間が第2インターバル時間T2に達する前に停電が発生した場合(図8の時点S3-1)、制御回路部404が点灯回路部402を動作させてLED20を非常点灯させる。なお、制御回路部404は、LED20を点灯させている時間(以下、点灯時間という。)を計時部に計時させる。
【0061】
電力系統P1が復電すると、制御回路部404は、計時部が計時した点灯時間Tonを上限時間(例えば、30分)と比較する(図8の時点S3-2、S3-4)。点灯時間Tonが上限時間を超えた場合、計時部は、経過時間をリセットしてゼロから計時を再開する。そして、計時部は、復電後の経過時間が第2インターバル時間T2(例えば、180日)に達したときに点検開始信号を出力する(図8の時点S3-3)。計時部は、点検開始信号の出力後に経過時間の計時を中止し、点検部の点検完了後に新たに経過時間の計時を開始する。言い換えると、計時部は、LED20の点灯時間が上限時間を超えた場合、経過時間が第2インターバル時間T2に達するまで点検開始信号を出力しない。すなわち、LED20の点灯時間Tonが上限時間を超えた場合、実質的に蓄電池30の点検が行われたことになるので、不要な点検が行われることを避けて蓄電池30の劣化抑制を図ることができる。なお、計時部は、再開後の経過時間が第2インターバル時間T2(例えば、180日)に達するごとに点検開始信号を出力する。
【0062】
一方、点灯時間Tonが上限時間を超えなかった場合、計時部は、経過時間をリセットせずに計時を継続する(図8の時点S3-4)。そして、計時部は、前回の点検完了からの経過時間が第2インターバル時間T2(例えば、180日)に達したときに点検開始信号を出力する(図8の時点S3-5)。計時部は、点検開始信号の出力後に経過時間の計時を中止し、点検部の点検完了後に新たに経過時間の計時を開始する。以降、計時部は、経過時間が第2インターバル時間T2(例えば、180日)に達するごとに点検開始信号を出力する。
【0063】
しかして、計時部は、点灯時間Tonが上限時間を超えない場合、経過時間が第2インターバル時間T2に達するごとに点検開始信号を出力する。つまり、点灯時間Tonが上限時間を超えなかった場合、実質的に点検が行われたことにはならないので、計時部が経過時間の計時を継続することで定期的な点検を自動で行うことができる。
【0064】
ここで、計時部は、操作入力受付部405が受け付ける操作入力に応じて、複数のインターバル時間を設定しても構わない。例えば、操作入力受付部405がディップスイッチを有し、ディップスイッチによって1か月から6か月までの6通りのインターバル時間を選択できるように構成されても構わない。これにより、照明器具A1は、点検を行う期間(インターバル時間)の設定の自由度を高めて使い勝手の向上を図ることができる。
【0065】
さらに、計時部は、操作入力受付部405が受け付ける操作入力に応じて、経過時間の計時をリセットしても構わない。すなわち、照明器具A1は、操作入力受付部405を操作して計時部による経過時間のリセットを可能とすれば、例えば、インターバル時間の誤設定等によって不要な点検が行われることを回避できる。
【0066】
また、点検部は、点検中に常用電源(電力系統P1)が停電した後に復電した場合、充電回路部401による蓄電池30の充電が完了した後、点検を再開する。ただし、この場合、常用電源が停電している時間は、いわゆる瞬時停電(数秒から1分程度の停電)よりも長く、非常点灯の定格時間よりも短い時間(例えば、数分から十数分)である。なお、点検部は、点検を再開する場合、停電が発生するまでに行った充放電の繰り返しよる累積時間をリセットすることが好ましい。
【0067】
しかして、照明器具A1は、点検中にある程度長い時間の停電が生じた場合、蓄電池30を満充電してから点検を再開することにより、蓄電池30の良否判定の精度の向上を図ることができる。
【0068】
一方、点検部は、瞬時停電後に点検を再開する場合、瞬時停電から復電した時点で、瞬時停電が発生するまでに行った充放電の繰り返しよる累積時間をリセットせずに点検を続行することが好ましい。
【0069】
しかして、瞬時停電の場合、点灯回路部402による非常点灯の時間は極めて短時間であるから、照明器具A1は、瞬時停電の復電後、蓄電池30を再度充電することなく、点検部に点検を続行させることが好ましい。その結果、照明器具A1は、確実に点検を実施することができる。
【0070】
ところで、照明器具A1の点灯装置40は、計時部に代えて判定部を有しても構わない。ただし、判定部は、計時部と同様に、制御回路部404が有するマイクロコントローラのプロセッサに、判定用のプログラムを実行させることで実現することが好ましい。
【0071】
制御回路部404で実現される判定部(以下、判定部と略す。)は、点検部が点検を行う予定のスケジュール時刻と現在時刻の一致・不一致を判定する。そのため、判定部は、マイクロコントローラに搭載されているRTC(リアルタイムクロック)機能を利用して現在時刻(日付と時刻)を計時する。なお、判定部が計時する現在時刻は、操作入力受付部405が受け付ける操作入力に応じて設定されることが好ましい。また、判定部は、現在時刻の設定が行われた時点を起点として、6か月ごとの定刻(例えば、深夜零時)を点検開始時刻に設定することが好ましい。
【0072】
しかして、判定部は、現在時刻がスケジュール時刻と一致したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。
【0073】
上述のように照明器具A1は、あらかじめ決められたスケジュールに従って自動的に点検を行うことにより、従来例のように点検を開始するための人の作業が不要になるので、従来例と比べて、点検に要する作業負担の軽減を図ることができる。
【0074】
(3)実施形態の変形例
次に、実施形態に係る照明器具A1の変形例を説明する。ただし、以下に説明する変形例の照明器具A1の基本構成は、実施形態に係る照明器具A1の基本構成と共通である。したがって、実施形態に係る照明器具A1の基本構成と共通する構成及び実質的に共通する構成については、同一の符号を付して図示及び説明を適宜省略する。なお、以下の説明において「実質的に共通する構成」とは、形状・大きさなどは多少相違しているが機能は共通している構成を意味する。
【0075】
変形例における点検部は、点灯回路部402と充電回路部401を交互に動作させて蓄電池30を繰り返し充放電する時間(点検時間)を、非常点灯の定格時間に等しい時間とする点に特徴がある。
【0076】
変形例における点検部は、点検開始時点(図9における時刻t=t1)から充電回路部401を停止し、蓄電池30から供給する非常用電力によって点灯回路部402にLED20を点灯させる。また、変形例における点検部は、点検開始時点から第1時間(例えば、5分)が経過した時点(図9における時刻t=t2)で点灯回路部402を停止し、充電回路部401を動作させて蓄電池30を充電させる。そして、変形例における点検部は、第1時間の累積時間が点検時間(非常点灯の定格時間)に達するまで(図9おける時刻t=t13)、蓄電池30の充放電を間欠的に繰り返す。
【0077】
変形例における点検部は、累積時間が点検時間を経過すると、点検時間に達したとき(図9における時刻t=t13)の蓄電池30の電池電圧の計測値から、実際の定格時間(例えば、60分)が経過する時点(図9における時刻t=t9)の電池電圧を推定する。つまり、蓄電池30の放電特性が線形であると仮定すると(図9における破線)、各回の放電後の電池電圧の計測値に基づいて、点検開始時点から定格時間が経過する時刻t=t9の電池電圧を推定可能である。ゆえに、点検部は、上述のようにして推定する、点検開始時点から定格時間が経過する時刻t=t9の電池電圧の推定値に基づいて、蓄電池30の良否を判定できる。
【0078】
しかして、変形例の照明器具A1は、点検部による点検時間(蓄電池30を放電する第1時間の累積時間)を、停電時にLED20を点灯させるべき定格時間に等しい時間としている。そのため、変形例の照明器具A1は、点検における蓄電池30の温度上昇を抑制して蓄電池30の劣化の抑制を図りつつ、蓄電池30の良否判定の精度の向上を図ることができる。
【0079】
(4)まとめ
本開示の第1の態様に係る照明器具(A1)は、光源(LED20)と、交換可能な蓄電池(30)と、充電回路部(401)と、点灯回路部(402)と、点検部(制御回路部404)と、経過時間を計時する計時部(制御回路部404)と、を備える。充電回路部(401)は、常用電源(電力系統P1)から供給される常用電力で蓄電池(30)を充電する。点灯回路部(402)は、蓄電池(30)から供給される非常用電力で光源を点灯させる。点検部は、充電回路部(401)及び点灯回路部(402)を制御して蓄電池(30)の点検を行う。計時部は、経過時間が所定のインターバル時間に達したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始し、点灯回路部(402)と充電回路部(401)を交互に動作させて蓄電池(30)を繰り返し充放電する。点検部は、蓄電池(30)を放電する時間の累積時間が所定の点検時間に達した後の蓄電池(30)の電池電圧に基づいて、蓄電池(30)の良否を判定する。
【0080】
第1の態様に係る照明器具(A1)は、計時部が計時する経過時間がインターバル時間に達すると、点検部に点検開始信号を出力して点検を開始させるので、従来例のように点検を開始するための人の作業が不要になる。その結果、第1の態様に係る照明器具(A1)は、従来例と比べて、点検に要する作業負担の軽減を図ることができる。さらに、第1の態様に係る照明器具(A1)において、点検部は、点灯回路部(402)と充電回路部(401)を交互に動作させて蓄電池(30)を繰り返し充放電し、蓄電池(30)を放電する時間の累積時間が所定の点検時間に達した後の蓄電池(30)の電池電圧に基づいて、蓄電池(30)の良否を判定する。そのため、第1の態様に係る照明器具(A1)は、点検における蓄電池(30)の温度上昇を抑制し、温度上昇に起因した蓄電池(30)の劣化の抑制を図ることができる。
【0081】
本開示の第2の態様に係る照明器具(A1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る照明器具(A1)において、点検部は、点灯回路部(402)を第1時間だけ動作させた後、第1時間よりも長い第2時間だけ充電回路部(401)を動作させることを繰り返すことが好ましい。
【0082】
第2の態様に係る照明器具(A1)は、充電時間(第2時間)を放電時間(第1時間)よりも長くすることにより、点検中に非常点灯した場合に蓄電池(30)の充電不足が生じにくくなる。
【0083】
本開示の第3の態様に係る照明器具(A1)は、第1又は第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る照明器具(A1)において、点検時間は、停電時に光源を点灯させるべき定格時間よりも短いことが好ましい。
【0084】
第3の態様に係る照明器具(A1)は、点検に要する時間の短縮を図ることができる。
【0085】
本開示の第4の態様に係る照明器具(A1)は、第1又は第2の態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係る照明器具(A1)において、点検時間は、停電時に前記光源を点灯させるべき定格時間に等しいことが好ましい。
【0086】
第4の態様に係る照明器具(A1)は、蓄電池(30)の良否判定の精度の向上を図ることができる。
【0087】
本開示の第5の態様に係る照明器具(A1)は、第1-第4のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係る照明器具(A1)において、計時部は、充電回路部(401)と蓄電池(30)が電気的に接続された時点から経過時間の計時を開始することが好ましい。
【0088】
第5の態様に係る照明器具(A1)は、蓄電池(30)が交換された場合、計時部に交換の時点から経過時間の計時を開始させるので、交換後の蓄電池(30)に対しても自動的に点検できる。その結果、第5の態様に係る照明器具(A1)は、点検に要する作業負担の更なる軽減を図ることができる。
【0089】
本開示の第6の態様に係る照明器具(A1)は、第5の態様との組合せにより実現され得る。第6の態様に係る照明器具(A1)において、計時部は、蓄電池(30)が交換された場合、交換後の新しい蓄電池(30)の充電が完了した時点から経過時間の計時を開始することが好ましい。
【0090】
第6の態様に係る照明器具(A1)は、蓄電池(30)が満充電されていない状態で点検が開始されることを回避できる。
【0091】
本開示の第7の態様に係る照明器具(A1)は、第1-第6のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第7の態様に係る照明器具(A1)において、点検部は、点検中に常用電源が停電した後に復電した場合、充電回路部(401)による蓄電池(30)の充電が完了した後、点検を再開することが好ましい。
【0092】
第7の態様に係る照明器具(A1)は、蓄電池(30)の充電が不足した状態で点検を行うことを回避し、蓄電池(30)の良否判定の精度の向上を図ることができる。
【0093】
本開示の第8の態様に係る照明器具(A1)は、第7の態様との組合せにより実現され得る。第8の態様に係る照明器具(A1)において、点検部は、点検を再開する場合、停電までに行った充放電の繰り返しよる累積時間をリセットすることが好ましい。
【0094】
第8の態様に係る照明器具(A1)は、再開時に点検を始めからやり直すことで蓄電池(30)の良否判定の精度の向上を図ることができる。
【0095】
本開示の第9の態様に係る照明器具(A1)は、第1-第8のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第9の態様に係る照明器具(A1)において、点検部は、点検中に常用電源が瞬時停電した場合、瞬時停電から復電した時点で点検を続行することが好ましい。
【0096】
第9の態様に係る照明器具(A1)は、確実に点検を実施することができる。
【0097】
本開示の第10の態様に係る照明器具(A1)は、第1-第9のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第10の態様に係る照明器具(A1)は、操作入力を受け付ける操作入力受付部(405)を更に備えることが好ましい。計時部は、操作入力受付部(405)が受け付ける操作入力に応じて、複数のインターバル時間を設定することが好ましい。
【0098】
第10の態様に係る照明器具(A1)は、点検を行う期間(インターバル時間)の設定の自由度を高めて使い勝手の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0099】
A1 照明器具
P1 電力系統(常用電源)
20 LED(光源)
30 蓄電池
400 電源回路部
401 充電回路部
402 点灯回路部
404 制御回路部(点検部、計時部)
405 操作入力受付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9