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  • 特開-オゾンスチーマー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159319
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】オゾンスチーマー
(51)【国際特許分類】
   A45D 19/16 20060101AFI20241031BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20241031BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A45D19/16
A61K8/19
A61Q5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075240
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】596174019
【氏名又は名称】秋田 相互
(74)【代理人】
【識別番号】100124419
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 敬也
(74)【代理人】
【識別番号】100162293
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷 久生
(72)【発明者】
【氏名】秋田 相互
【テーマコード(参考)】
3B040
4C083
【Fターム(参考)】
3B040AD09
4C083AB411
4C083AB501
4C083CC31
4C083EE21
4C083FF04
(57)【要約】
【課題】微量のオゾン(O)を含んだスチームの効果、及びセラミックボールのマイナスイオン効果による相乗効果により、(美容スチーマーの)スチームによる毛髪への(持続性を含めた)保水効果を得ることができるオゾンスチーマーを提供する。
【解決手段】微量のオゾン含んだスチームを毛髪に噴射することで毛髪を保水し、保水状態を持続することができるオゾンスチーマー1であって、オゾン発生装置2を設置したスチーマー本体4と、オゾン発生装置2で発生させたオゾンを含むスチームをスチーマー本体4から外部に向けて噴射する噴射穴3を有するスチーム噴射筒状体5からなり、スチーム噴射筒状体5には、マイナスイオン発生源である複数のセラミックボール6が収納されていることを特徴とするオゾンスチーマー1とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾン発生装置を設置したスチーマー本体と、
前記オゾン発生装置で発生させたオゾンを含むスチームを前記スチーマー本体から外部に向けて噴射する噴射穴を有するスチーム噴射筒状体からなり、
前記スチーム噴射筒状体には、マイナスイオン発生源である複数のセラミックボールが収納されていることを特徴とするオゾンスチーマー。
【請求項2】
前記オゾン発生装置で発生させたオゾンを含むスチームのオゾン濃度は、0.01PPM以下であることを特徴とする請求項1に記載のオゾンスチーマー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾン(O)を微量含んだ温かいスチームを毛髪に噴射することで、毛髪を保水し、毛髪の保水状態を持続することができるオゾンスチーマーに関する。
【背景技術】
【0002】
美容スチーマーは、顔面等の肌に用いることで多くの美容効果が得られるが、肌だけではなく、毛髪に使用しても(スチームを直接毛髪に当てる)保湿効果が得られる。毛髪は水分が失われると健康状態が悪化してしまう。具体的には、カラーリングやパーマ、ドライヤー、紫外線等により傷んだ髪は水分が失われがちである。水分が失われると毛髪のハリやツヤが損なわれてしまう。美容スチーマーを使用して毛髪を保湿することは、毛髪にハリとツヤを与え、美しく健康的な毛髪に戻すために高い効果を発揮する。
【0003】
一方、オゾン(O)とは、強い酸化作用を持ち、脱臭や消臭、除菌や殺菌、鮮度の保持など幅広い用途があるものの、その濃度によっては人体に悪影響を及ぼす場合があることが知られていた。例えば、オゾン(O)の副作用として、毛髪を酸化させるので(毛髪は)バサバサになってしまうという好ましくない現象があった。出願人らは、オゾン(O)を微量含んだスチーム効果、さらに、セラミックのマイナスイオン効果を組み合わせることで(美容スチーマーの)水蒸気による毛髪への温熱効果と水分補給効果(持続性を含めた)を得るべく鋭意研究を重ね本発明に至ったのである。
【0004】
特許文献1には、「従来の美顔用スチーマーでは、蒸気による顔肌への温熱効果と水分補給作用を有するもののトリートメント効果に乏しく、顔肌に対して蒸気を噴霧した後に別途化粧水を塗布しているのが現状である」ことを課題として、「スチーマー本体内に、蒸気を発生させる蒸気発生装置と、化粧水ミストを発生させる化粧水霧化装置と、該蒸気と化粧水ミストとを合流させる合流通路とを設け、合流通路に蒸気と化粧水ミストとの混合流体を導出するダクトを接続して構成し、もって顔肌に対して、蒸気による温熱効果の付与と水分補給ができるとともに化粧水成分の塗布を同時に達成でき、しかも混合流体中の化粧水成分を蒸気によって温められた状態の顔肌に付着させることができるようにした(特許文献1:要約より抜粋)」美顔用スチーマー(特許文献1:発明の名称)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-263162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に係る美顔用スチーマー(特許文献1:発明の名称)は、顔肌に対して、蒸気による温熱効果の付与と水分補給ができるとともに、化粧水成分の塗布を同時に行うことができ、顔肌のトリートメントを短時間で且つ簡単に行うことができる、という効果がある。しかしながら、イオン効果を活用することがないので、すなわち、マイナスイオンが水素(水等)と結合することで人体の老化を防ぐ効果を活用できないので、その分、効果が十分であるとは言えない。
【0007】
本発明の目的は、微量のオゾン(O)を含んだスチームの効果、および、セラミックボールのマイナスイオン効果による相乗効果により、(美容スチーマーの)スチームによる毛髪への(持続性を含めた)保水効果を得ることができるオゾンスチーマーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、オゾン発生装置を設置したスチーマー本体と、前記オゾン発生装置で発生させたオゾンを含むスチームを前記スチーマー本体から外部に向けて噴射する噴射穴を有するスチーム噴射筒状体からなり、前記スチーム噴射筒状体には、マイナスイオン発生源である複数のセラミックボールが収納されていることを特徴とするオゾンスチーマーである。
【0009】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記オゾン発生装置で発生させたオゾンを含むスチームのオゾン濃度は、0.01PPM以下であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、微量のオゾン含んだスチームを毛髪に噴射することで毛髪を保水し、保水状態を持続することができるオゾンスチーマーである。オゾンスチーマーは、(内部に)オゾン発生装置を設置したスチーマー本体と、オゾン発生装置で発生させたオゾンを含むスチームをスチーマー本体から外部に向けて噴射する、噴射穴を有するスチーム噴射筒状体から構成されている。スチーム噴射筒状体には、マイナスイオン発生源である複数のセラミックボールが収納されている。
【0011】
オゾン発生装置で発生させた微量のオゾンを含むスチームのオゾン濃度は(高濃度オゾンによる副作用を抑えることができる)0.01PPM以下であるので、毛髪に付着したオゾンにより、毛髪を酸化させるとともに消臭効果が期待できる。(微量であっても)オゾン含有スチームのみでは、酸化により毛髪がバサバサとなってしまうが、セラミックボールから出るマイナスイオンとの相乗効果により、保水と持続が可能な良質な毛髪トリートメントが可能となった。すなわち、オゾン発生装置で発生させた微量のオゾンを含んだスチームの効果と、スチーム噴射筒状体に収納された複数のセラミックボールから発生したマイナスイオンの効果により、(毛髪に)艶、自然な手触り、シットリとした持続性能(保水性を含む)が得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】オゾンスチーマーのスチーム噴射筒状体の全体図である。
図2】セラミックボールを金網で包んだ状態を示す説明図である。
図3】オゾンスチーマーの使用方法を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るオゾンスチーマーの一実施形態について、図1図3に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係るオゾンスチーマー1のスチーム噴射筒状体5の全体図である。
【0014】
オゾンスチーマー1は、微量のオゾン含んだスチームを毛髪に噴射することで毛髪を保水し、保水状態を持続することができるオゾンスチーマーである。すなわち、オゾンスチーマー1は、オゾン発生装置2で発生させた微量のオゾン含んだスチームに加え、スチーム噴射筒状体5に収納された複数のセラミックボール6から発生するマイナスイオンを毛髪に噴射することで毛髪を保水し、保水状態を持続することができる毛髪専用の美容器具である。すなわち、オゾンスチーマー1は、内蔵されたスチーム発生手段により発生させたスチームに、オゾン発生装置2で発生させた微量のオゾンを含有させて、そのオゾン含有スチームに、スチーム噴射筒状体5内を通過させることにより、マイナスイオンをも含有させて、スチーム噴射筒状体5の開口部から毛髪へ向けて噴射することができるようになっている。なお、スチーム発生手段としては、気化式(加熱式)のものや、超音波式のものを好適に用いることができる。
【0015】
オゾンスチーマー1は、図1に示したように、スチーム噴射筒状体5に複数のセラミックボール6(φ7mm~φ8mm:なお、セラミックボール6の大きさは、φ7mm~φ8mmに限定されることはなく、φ3mm~4mmのものが混在した状態であっても良い(図1参照))を収納していることに特徴がある。
【0016】
すなわち(微量のオゾン含んだスチームによる効果に加え)セラミックボール6から発生するマイナスイオンによる効果を活用していることに特徴がある。なお、セラミックボール5は、一般式(Ba、Pb)SOで表される含鉛重晶石であり、BaとPb重量比率は、BaとPbの合計重量を100としたとき、(Ba)75wt%:(Pb):25wt%~(Ba)85wt%:(Pb)15wt%の間に含まれることが望ましい。
【0017】
マイナスイオンを発生させるには、放射能を持つ放射性物質を使ったり、電気的にコロナ放電を起こさせたり、水を高い所から低い所へ落下させて、霧状にさせたり等と色々な方法が知られている。オゾンスチーマー1のスチーム噴射筒状体5に収納された複数のセラミックボール6は、ラジウムやラドン等の放射性物質を含む鉱物を微粉砕した後、粘土等に混ぜ、高温焼成したセラミック材である。
【0018】
オゾンスチーマー1使用時には、スチーマー本体4から発生したスチーム(オゾン発生装置2で発生させた微量のオゾン含む)が、スチーム噴射筒状体5に収納された複数のセラミックボール6を通過する際(複数のセラミックボール6)からマイナスイオンを発生させることになる。
【0019】
図2は、セラミックボール6を金網7で包んだ状態を示す説明図である。複数のセラミックボール6(φ7mm~φ8mm)の内、スチーム噴射筒状体5の最下部に収納されたものは、図2に記載したような態様で、金網7で包含されている(図1および図2参照)。スチーム噴射筒状体5の下蓋として機能する金網7で包含されたセラミックボール6は、セラミックボール6を金網7で包む(手作業もあり得る)ことになるため、(金網は)細径(0.3mm~0.5mm)であることが望ましく、柔軟性・可塑性を備えていることも望ましいため、ステンレス製でも良いが、銅製であっても良い。
【0020】
金網7の働きとして重要なのは、個々のセラミックボール6(φ7mm~φ8mm)が網目から零れ落ちないことである。図2に記載したように、網目の寸法は1mm~2mm程度でも良いが、網目の寸法を大きくすることで、水蒸気の通過が容易な方が良い。金網の規格を考慮した寸法であれば、4メッシュ~6メッシュ(メッシュ:1インチ(25.4mm)一辺の網目の数:網目の形状は正方形とする)であることが望ましい。さらに(水蒸気を通過させる能力を考慮すれば)開口率(一定面積における空間の占める割合)60%~80%であることが望ましい。
【0021】
<オゾンスチーマーの使用方法>
図3は、オゾンスチーマー1の使用方法を示す説明図である。オゾンスチーマー1は、スチーマー本体4内部に設置されたオゾン発生装置2からオゾンを発生させつつ、スチーマー本体4からスチームを発生させる。すなわち、スチーマー本体4からオゾン含有スチームを発生させる。
【0022】
スチーマー本体4から発生したオゾン含有スチームは、セラミックボール6を収納したスチーム噴射筒状体5の中を通過する。(スチーム噴射筒状体5の中を)通過する際、スチーム噴射筒状体5に収納されたセラミックボール6からマイナスイオンが発生する。オゾンスチーマー1の使用時には、噴射穴3からマイナスイオンを含んだスチーム(オゾン発生装置2で発生させた微量のオゾン含む)を毛髪(のみ)に噴射して使用するのであるが、図3に示したように、スチーム噴射筒状体4の噴射穴3の先に毛髪が位置するようにして使用する。
【0023】
<オゾンスチーマーの効果>
オゾンスチーマー1のオゾン発生装置2で発生させた微量のオゾン含んだスチームによる効果に加え、スチーム噴射筒状体5に収納された複数のセラミックボール6から発生したマイナスイオンとの相乗効果により、毛髪において、保水効果が持続することにより、艶、自然な手触り、シットリとした持続性能が得られる。
【0024】
複数のセラミックボール6のスチーム噴射筒状体5の最下部に収納されたものは金網7で包含されている。金網7で包含されたセラミックボール6は、スチーム噴射筒状体5の下蓋として機能する。したがって、スチーマー本体4からスチーム噴射筒状体5へのスチームの侵入を妨げることもまったくなく、かつ、セラミックボール6がスチーム噴射筒状体5から零れ落ちることがない。
【0025】
なお、本発明に係るオゾンスチーマー1の更なる効果として、オゾン(O)を微量含んだ温かいスチームを毛髪に噴射することで、毛髪を保水し、毛髪の保水状態を持続することができること以外にも消臭効果が挙げられる。たとえば、自動車内に設置し、オゾン発生装置2で発生させた微量のオゾン含んだスチーム(スチーム噴射筒状体5に収納されたセラミックボール6からマイナスイオンとの相乗効果も含まれる)を発生させることで、車内のタバコ臭やペット臭等を根絶することが可能である。
【0026】
<オゾンスチーマーの変更例>
本発明に係るオゾンスチーマーは、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、オゾン発生装置、噴射穴、スチーマー本体、スチーム噴射筒状体、セラミックボール、金網等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明に係るオゾンスチーマーは、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、微量のオゾンを含むスチームを毛髪に噴射することで保水効果が持続することにより、艶、自然な手触り、シットリとした持続性能が得られる毛髪専用の美容器具として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0028】
1・・オゾンスチーマー
2・・オゾン発生装置
3・・噴射穴
4・・スチーマー本体
5・・スチーム噴射筒状体
6・・セラミックボール
7・・金網
図1
図2
図3