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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159321
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】支持台
(51)【国際特許分類】
   A47B 23/04 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
A47B23/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075243
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】523162801
【氏名又は名称】株式会社イナワ
(74)【代理人】
【識別番号】100128886
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 裕弘
(74)【代理人】
【識別番号】100130878
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴目 朋之
(72)【発明者】
【氏名】稲福 農善
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053TA02
3B053TB06
3B053TC01
(57)【要約】
【課題】簡便に新聞紙を保持することができる支持台の提供。
【解決手段】対象物を載置可能な伸縮部と、該伸縮部を背面側より支持する縦桟部と、該伸縮部の下部前面より前方へ突出する受け部と、該伸縮部の前面に張設可能な抑え紐を備え、該伸縮部は、互いに間隔を空けて平行配置された複数の第一リンク部材と、同じく互いに間隔を空けて平行配置された複数の第二リンク部材と、該第一リンク部材と該第二リンク部材を互いに回動自在に結合する複数のジョイントから構成される平行クランク機構により、横方向へ伸縮自在に形成され、該縦桟部は、該縦桟部の長手方向中央部で回動可能に該伸縮部を保持し、該縦桟部の両端部で該長手方向に沿ってスライド可能に該伸縮部を保持する支持台。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を載置可能な伸縮部と、該伸縮部を背面側より支持する縦桟部と、該伸縮部の下部前面より前方へ突出する受け部と、該伸縮部の前面に張設可能な抑え紐を備え、該伸縮部は、互いに間隔を空けて平行配置された複数の第一リンク部材と、同じく互いに間隔を空けて平行配置された複数の第二リンク部材と、該第一リンク部材と該第二リンク部材を互いに回動自在に結合する複数のジョイントから構成される平行クランク機構により、横方向へ伸縮自在に形成され、該縦桟部は、該縦桟部の長手方向中央部で回動可能に該伸縮部を保持し、該縦桟部の両端部で該長手方向に沿ってスライド可能に該伸縮部を保持する支持台。
【請求項2】
前記抑え紐は、その基端部が前記伸縮部の下部に取り付けられ、その先端部側が前記縦桟部の上部に係止可能に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の支持台。
【請求項3】
前記抑え紐は、その基端部が前記複数のジョイントのうち最下段中央に位置するジョイントの近傍に取り付けられ、その先端部側が前記縦桟部の上部に係止可能に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の支持台。
【請求項4】
前記抑え紐は、その基端部が前記伸縮部の左右いずれかの端部近傍に取り付けられ、その先端側が該端部とは反対側の端部近傍に係止可能に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の支持台。
【請求項5】
前記受け部は、該受け部の中央に設けられた連結部において二つ折り可能に連設された左右一対の橋架部からなり、該連結部と反対側の該橋架部の端部は、前記複数のジョイントのうち、最下段左右のジョイントに回動自在に結合されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の支持台。
【請求項6】
前記受け部は、前記伸縮部の最下段に位置する各ジョイントから前面に突設された凸部と、該凸部に着脱自在に形成されたカバー部とからなり、該カバー部の裏面には該凸部を挿入可能な凹部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の支持台。
【請求項7】
伸縮可能な自立式のスタンドを有し、前記スタンドは、前記縦桟部の前記中央部にて該縦桟部の角度を調整可能に保持することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の支持台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新聞や書籍等を読む際に使用する支持台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、書籍を読む際に使用する書見台が知られているが、新聞を読む際に使用されるための見台として、特許文献1には、新聞紙を広げて保持するパネルを備え、紙厚が薄い新聞紙を広げて固定する際に紙面が上部から剥がれてこないように、パネルに鉄を使用し、あるいは鉄系シートなどを貼り付け、マグネットボタンで固定する新聞台が開示されている。
【0003】
しかしながら、このものは、新聞紙をめくる際にマグネットボタンを外して張り直す作業が発生し、また、マグネットボタンが貼られた箇所の記事を読む際にはその都度移動させる必要があった。また、パネル部分が折り畳み可能なものが開示されているが、折り畳んでもなお、新聞紙の半幅程度の保管スペースを要していた。
【0004】
一方、特許文献2では、広げた新聞紙の左右上部を鰐口クリップで保持し、さらに、新聞紙が載置枠から落ちないように、左右下部を押圧部材にて保持する新聞台が開示されている。
【0005】
しかしながら、このものは、新聞紙をめくる際にすべての保持部を一旦外し、ページをめくったあとに再度保持し直す必要があった。さらに、縦枠と横枠の間で新聞を支持できない領域が広く、左右上部から鰐口クリップで保持しないと紙面に皺が寄って読みにくい場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006-305045号公報
【特許文献2】特開2010-259567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、従来の新聞用見台のかかる欠点を克服し、簡便に新聞紙等を保持することができる支持台の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するものであり、対象物を載置可能な伸縮部と、該伸縮部を背面側より支持する縦桟部と、該伸縮部の下部前面より前方へ突出する受け部と、該伸縮部の前面に張設可能な抑え紐を備え、該伸縮部は、互いに間隔を空けて平行配置された複数の第一リンク部材と、同じく互いに間隔を空けて平行配置された複数の第二リンク部材と、該第一リンク部材と該第二リンク部材を互いに回動自在に結合する複数のジョイントから構成される平行クランク機構により、横方向へ伸縮自在に形成され、該縦桟部は、該縦桟部の長手方向中央部で回動可能に該伸縮部を保持し、該縦桟部の両端部で該長手方向に沿ってスライド可能に該伸縮部を保持する支持台である。
【0009】
また本発明は、抑え紐の基端部が前記複数のジョイントのうち最下段中央に位置するジョイント近傍に固定され、その先端部側が前記縦桟部の上部に係止可能に設けられたことを特徴とする支持台である。
【0010】
また本発明は、抑え紐の基端部が前記伸縮部の左右いずれかの端部近傍に取り付けられ、その先端側が該端部とは反対側の端部近傍に係止可能に設けられたことを特徴とする支持台である。
【0011】
さらに本発明は、受け部が、該受け部の中央に設けられた連結部において二つ折り可能に連設された左右一対の橋架部からなり、該連結部と反対側の該橋架部の端部は、伸縮部の最下段左右のジョイントに回動自在に結合されていることを特徴とする支持台である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る支持台は、平行クランク機構により横方向へ伸縮自在に形成された伸縮部により、新聞紙のような面積の広い紙面であっても安定して保持することができる。
【0013】
また、本発明に係る支持台は、伸縮部を折り畳むことによりコンパクトに収納可能である。
【0014】
また、本発明に係る支持台で、抑え紐の基端部が最下段中央に位置するジョイント近傍に固定され、その先端部側が前記縦桟部の上部に係止可能に設けられたものは、新聞紙のように薄い対象物であっても確実且つ簡易に保持することができる。
【0015】
また、本発明に係る支持台は、中央のページ境目部分で抑えられることにより、ページを捲る作業も支障はなく、普通に新聞を読むのと同じように紙面を捲ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る支持台の第一実施態様の斜視図
図2】同実施態様の伸縮部を展開した状態の正面図
図3】同実施態様の伸縮部を閉じた状態の正面図
図4】同実施態様の伸縮部を展開した状態の側面図
図5】(a)伸縮部を展開した状態を示す一部拡大図、(b)伸縮部を閉じる動作中の状態を示す一部拡大図
図6】新聞を載置した状態を示す一部拡大図
図7】本発明に係る支持台の第二実施態様の正面図
図8】本発明に係る支持台の第三実施態様の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の支持台の実施態様を、図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明はこれら実施態様に何ら制約されるものではない。
【0018】
図1は、本発明の第一実施態様の支持台10を、斜視図で表したものである。図に示すように、本実施態様の支持台10は、平行クランク機構により横方向へ伸縮自在に形成された伸縮部20と、該伸縮部20を背面側から保持する縦桟部30と、該伸縮部20の前面に張設可能に設けられた抑え紐40と、該縦桟部30を保持する伸縮可能な自立式のスタンド50とを備える。以下、各部について詳細に説明する。
【0019】
第一実施態様の伸縮部20は、互いに間隔を空けて平行配置された5本の第一リンク部材21と、同じく互いに間隔を空けて平行配置された5本の第二リンク部材22と、それらを互いに回動自在に結合する複数のジョイント23とを備える。図2に示すように、伸縮部20を展開した状態では、第一リンク部材21は、下端側から上端側へ正面視で右側に傾斜するように設けられ、また、第二リンク部材22は、正面視で第一リンク部材21と左右対称に傾斜するように設けられている。
【0020】
第一リンク部材21は、第二リンク部材22の前面に重ねて設けられ、第一リンク部材21と第二リンク部材22が交差あるいは出合う部分には、それぞれジョイント23が設けられ、第一リンク部材21と第二リンク部材22とを回動自在に結合している。なお、第一実施態様では、第一リンク部材21が第二リンク部材22の前面側に配置されているが、これとは逆に、第二リンク部材22を第一リンク部材21の前面側に配置してもよい。
【0021】
図1、2等に示すように、第一リンク部材21と第二リンク部材22は、それぞれ隣接する第一リンク部材21同士、第二リンク部材22同士が常に平行となるように形成されている。そして、第一リンク部材21と第二リンク部材22は、各ジョイント23において互いに回動自在に結合されることにより、4節リンクの平行クランク機構を形成している。本実施態様では、かかる平行クランクは10箇所形成され、縦方向に1ないし2連、横方向に3連ないし4連で形成されることにより、横方向に伸縮自在ないわゆるレージトング機構を構成する。
【0022】
第一リンク部材21と第二リンク部材22の本数は任意だが、本数を多くすると新聞などの面積の広い紙面を広げた際に皺などができにくいという効果がある。その反面、伸縮部20の開閉作業が重くなるなどの課題もあり、それらを勘案すると、それぞれ5本ないし7本で形成することが好ましい。
【0023】
また、第一リンク部材21と第二リンク部材22の長さも任意だが、図1のように、伸縮部20を最大限展開した状態において、中段の左右両端に位置するジョイント23hと23lの間と、最上段のジョイント23a、23b、23cと受け部24の間に両開きの新聞紙面が収まる寸法に形成することが好ましい。なお、ここで「中段」とは、複数のジョイント23中、ジョイント23hないし23lから構成される水平方向の一列を表し、「最上段」とは、ジョイント23aないし23cから構成される水平方向の一列を表す。さらに、後述される「最下段」とは、ジョイント23qないし23sから構成される水平方向の一列を表す。
【0024】
また、第一実施態様のように、伸縮部20に新聞を載置した際に、伸縮部20の左右上部の斜辺を構成する第一リンク部材21a、第二リンク部材22eから新聞紙の両隅が突出していてもよい。そして、伸縮部20の外側に突出した新聞紙が第一リンク部材21a、第二リンク部材22eへ凭れかかるようにしてよく、これにより、新聞紙をより安定して保持することができる。
【0025】
さらに、第一リンク部材21、第二リンク部材22およびジョイント23により構成される4節リンクにおいて、互いに上下方向の位置関係にあるジョイント23の対角θ1の角度と、互いに左右方向に位置関係にあるジョイント23の対角θ2の角度の関係は、θ2>θ1となるように形成することが好ましい。これらの範囲の角度になるように形成することで、伸縮部20の開閉作業、特に、折り畳み開始時の操作がスムーズになる。
【0026】
伸縮部20は、縦桟部30により背面側から保持されている。本実施態様の縦桟部30は、伸縮部20を折り畳んだときの伸縮部20の全長(高さ方向)よりも長い棒状に形成され、伸縮部20の背面中央で縦方向に延在するように設けられている。かかる縦桟部30の長手方向中央部には、第一リンク部材21cと第二リンク部材22cの中間部に設けられたジョイント23jが軸支されている。
【0027】
また、縦桟部30の上部および下部には、縦桟部30の正面側から背面側へ貫通形成され、縦桟部30の長手方向に沿って延伸するスリット状のガイド孔31a、31bがそれぞれ形成されている。そして、第一リンク部材21bと第二リンク部材22dの上端側を互いに回動自在に結合するジョイント23bの裏面より突設されたガイドピン231aがガイド孔31aに挿入されている。同じく、第一リンク部材21dと第二リンク部材22bの下端側を互いに回動自在に結合するジョイント23rの裏面より突設されたガイドピン231bがガイド孔31bに挿入されている。
【0028】
このように、伸縮部20は、伸縮部20の中段中央に設けられたジョイント23j、伸縮部20の最上段中央に設けられたジョイント23b、伸縮部20の最下段中央に設けられたジョイント23rの3点において縦桟部30に保持されており、これらのうち、ジョイント23b、ジョイント23rは、ガイド孔31a、31bの開口の範囲内において上下方向にスライド自在に保持されている。
【0029】
また、伸縮部20の下部前面には、第一リンク部材21より前方へ突出する受け部24が設けられている。第一実施態様の受け部24は、その中央の連結部242において互いに折り畳み可能に連設された左右一対の橋架部241a、241bから構成されている。そして、連結部242と反対側の橋架部241aの端部は、第一リンク部材21cと第二リンク部材22aの下端部を結合するジョイント23qに回動自在に結合されている。さらに、連結部242とは反対側の橋架部241bの端部は、第一リンク部材21eと第二リンク部材22cの下端部を結合するジョイント23sに回動自在に結合されている。
【0030】
第一実施態様の橋架部241a、241bは、その天面に新聞や書籍等を載置可能な棚板状に形成されている。橋架部241a、241bは天面に新聞などを載置可能な形状であれば特にその形状は限定されないが、天面の奥行(第一リンク部材21からの突出高さ)が10mm以上であることが好ましい。また、橋架部241a、241bの天面と第一リンク部材21との間の角度は、90度以上になるように形成することが好ましい。このように、橋架部241a、241bの天面と第一リンク部材21との間の角度を90度以上にすることにより、新聞紙を捲る際に、橋架部241a、241bの天面の角部に新聞紙が引っかからず、スムーズに捲ることができる。さらに、連結部242としては、一般的なヒンジを利用することができる。
【0031】
図1、2のように、伸縮部20が最大に展開した状態では、左右の橋架部241a、241bは水平方向に直線状になっており、連結部242は支持部211により下方から支持されている。かかる支持部211は、第一リンク部材21dの下端部近傍で、ジョイント23rよりも下方から前方へ突出するように設けられている。そして、伸縮部20を折り畳むと、伸縮部20の最下段左右に位置するジョイント23qおよびジョイント23sが互いに近接して連結部242が上昇し、それに伴い橋架部241a、241bの連結部分の角度が鈍角から鋭角へ移行し(図5b)、最終的に橋架部241a、241bは連結部242で二つ折りに折り畳まれる。
【0032】
なお、本実施態様の受け部24は棚板状に形成されているが、必ずしも形状はこれに限らず、伸縮部20の最下段の各ジョイント23(本実施態様では、ジョイント23q、ジョイント23r、ジョイント23s)からそれぞれ前方へ突出するブラケット状に形成してもよい。かかるブラケットの形状は特に限定はないが、少なくとも新聞紙を載置できるだけの奥行が必要であり、奥行きが10mm以上であることが好ましい。
【0033】
さらに、それらのブラケットに代わり伸縮部20の最下段の各ジョイント23から突出する凸部を形成し、かかる凸部を挿入可能な凹部を裏面に形成した棚板状のカバー部材を別途形成し、伸縮部20の展開状態において受け部24に対して着脱可能に設けてもよい。
【0034】
さらに、本実施態様の支持台10は、伸縮部20の前面に、上下方向に張設可能に設けられた抑え紐40を備える。かかる抑え紐40は、その基端部がジョイント23r近傍の第一リンク部材21dに固定され、受け部24と第一リンク部材21dの間から上方へ延伸可能に設けられている。
【0035】
抑え紐40は、伸縮部20の前面で、縦桟部30に沿って上方へと延伸し、その先端部側が縦桟部30の上端部において着脱自在に係止される。本実施態様の抑え紐40は、先端には錘41が、また、その手前側にはストッパー部42が取り付けられている。そして、縦桟部30の上端部には、前後方向へ切り欠かれた溝部32が形成されている。かかる溝部32は、その内部が抑え紐40を挿入可能な幅及び深さの溝状に形成されている。
【0036】
本実施態様の溝部32への抑え紐40の係止方法は以下の通りである。まず、縦桟部30の表側から溝部32内に抑え紐40を通し、縦桟部30の裏側にストッパー部42を係止させ、錘41を垂下する。これにより、抑え紐40を伸縮部20の前面に張設することができる。
【0037】
抑え紐40は、新聞などの厚さが薄いものでも抑えることができるように、第一リンク部材21との抑え紐40との間になるべく隙間が形成されないように張設されることが好ましい。図6に示すように、本実施態様の抑え紐40は、ジョイント23r近傍の第一リンク部材21dに固定され、第一リンク部材21dと受け部24の隙間から上方へと延伸するため、新聞紙のように薄い対象物であっても確実に保持することができる。
【0038】
また、抑え紐40の材質は特に限定はされないが、一定の伸縮性を有するものが好ましく、例えば、ゴム製の紐などを好適に使用することができる。さらに、かかる抑え紐40は、新聞などを読む際になるべく視覚的に邪魔にならないように、無色透明なものとしてもよい。
【0039】
なお、伸縮部20の開閉時に、抑え紐40が橋架部241a、241bの展開と折り畳み動作に干渉しないように、抑え紐40が通る第一リンク部材21dの表面部分に、抑え紐40を収納可能な深さの切れ込みを設けてもよい。
【0040】
なお、本実施態様では、縦桟部30の上端部の溝部32に抑え紐40を挿入し、錘41で係止する方法が採られているが、抑え紐40の係止方法はこれに限定されない。例えば、縦桟部30から突出する突起部などを設け、かかる突起部に抑え紐40を巻き付けることで係止してもよい。また、抑え紐40が左右にずれないように、抑え紐40が通る部分の第一リンク部材21bの表面部分に抑え紐40を収納可能な深さの切れ込みを設けてもよい。
【0041】
縦桟部30は、自立式のスタンド50により高さ及び角度調整可能に保持されている。スタンド50は、円盤状に形成された台座51と、台座51の中央に立設された柱部52、柱部52に対して高さ調整可能に取り付けられた軸部53とを備える。
【0042】
柱部52は、上方に開口し、その内部に軸部53の下部側を挿入可能な角柱状に形成され、軸部53は、柱部52内に軸部53の下端側から挿入されている。軸部53の側面には、水平方向へ穴部532が貫通形成されており、かかる穴部532に係止用ピン533を挿通し、その端部を軸部53の側面より突出させることにより、柱部52の上端面に係止させることができる。軸部53の側面には、かかる穴部532が縦方向に所定の間隔を空けて複数設けられており、係止用ピン533を挿通する穴部532を変えることにより、軸部53が保持される高さを変更することができる。
【0043】
軸部53の上部には縦桟部30の保持手段としての保持部531が設けられている。かかる保持部531により、縦桟部30の長手方向中央部が背面側から保持されるとともに、蝶ボルトなどの固定手段により縦桟部30を角度調整可能に固定することができる。このように、スタンド50により縦桟部30の長手方向中央部が保持されることで、伸縮部20を開閉操作時にもっとも荷重がかかる中央部分で保持することが可能となり、その結果、支持台10をより安定して自立させることができる。
【0044】
台座51の下部には、キャスター511を設けてもよい。キャスター51により、本発明の支持台10を容易に移動することができる。
【0045】
本発明の支持台10を、図3の収納状態から図2の使用状態へ展開する際の手順は以下の通りである。まず、左右の位置関係にあるジョイント23同士、例えばジョイント23hとジョイント23lを互いに離間する方向に移動させる。これに伴い、すべての平行クランクにおいて、左右の位置関係にあるジョイント23同士が離間する方向に移動し、上下の位置関係にあるジョイント23同士が互いに近接する方向に移動する。
【0046】
また、最下段のジョイント23q、23sも互いに離間する方向へと移動するが、これに伴い、収納時には連結部242において二つ折りの状態となっていた橋架部241a、241bが、連結部242の連結角度を変えながら下方へと開いていく。
【0047】
そして、橋架部241a、241bが完全に開いて水平状態となると、連結部242が支持部211により下方から支持され、伸縮部20はそれ以上横方向へと展開することはなく、その状態で維持される。そして、伸縮部20に対して折り畳み方向への力が加わったときも、橋架部241a、241bがつっかえ棒の役割を果たし、折り畳むことができないため、伸縮部20を展開した状態で安定的に維持することができる。
【0048】
本発明の支持台10を、図2の使用状態から図3の収納状態へ折り畳む際の手順は以下の通りである。まず、図5(b)の矢印D2に示すように、橋架部241a、241bの連結部242部分を上方へと持ち上げて、連結部242に角度をつける。このように、橋架部241a、241bが連結部242で屈曲されることで伸縮部20の折り畳みを阻害していたつっかえ棒がなくなるため、その後は、左右の位置関係にあるジョイント23同士を互いに近接する方向に移動させればよい。これに伴い、すべての平行クランクにおいて、左右の位置関係にあるジョイント23同士が近接する方向に移動するとともに、上下の位置関係にあるジョイント23同士が互いに離間する方向に移動して、伸縮部20を折り畳むことができる。
【0049】
次に、本発明の支持台10により新聞を読む場合の使用方法について説明する。まず、伸縮部20を左右に展開し、橋架部241a、241bを水平状態にしたところで、紙面を両開きした新聞を受け部24の上に載置する。このとき、新聞は伸縮部20に凭れかかるとともに、読みやすい角度となるように、伸縮部20の角度を保持部531で調整することが好ましい。
【0050】
新聞を受け部24に載置した後、抑え紐40を新聞紙中央のページ境目部分に沿うように上方へと延伸させ、先端側を縦桟部30の上端部の溝部32に挿入し、ストッパー部42を縦桟部30の裏側に係止させ、縦桟部30を垂下させる。
【0051】
これにより、新聞紙は伸縮部20へ抑えられるため、閲覧しているときはもちろん、ページを捲る際にも紙面が手前側に剥がれてくることはない。また、中央の境目部分で抑えられることにより、ページを捲る作業にも支障はなく、普通に新聞を読むのと同じように紙面を捲ることができる。
【0052】
また、抑え紐40のこれとは異なる以下の効果も有する。すなわち、抑え紐40は、その基端部がジョイント23r近傍の第一リンク部材21dに固定されており、伸縮部20の開閉操作に伴い、抑え紐40の固定箇所は上下方向に移動する。より具体的には、図5(b)の矢印D1に示すように、伸縮部20を折り畳む際には、抑え紐40の基端部が固定された第一リンク部材21d部分は下方へと移動する。
【0053】
そして、抑え紐40の先端側が縦桟部30の溝部32で係止されている場合、抑え紐40自体に一定の張力がかかっている。そのため、抑え紐40を張設した状態のまま伸縮部20を折り畳もうとすると、抑え紐40の張力が働き、抑え紐40の基端部が固定されている第一リンク部材21d部分の下降を妨げようとする。その結果、使用者の意図に反して伸縮部20が折り畳まれることを防ぐことができる。
【0054】
図7は、本発明の支持台の第二実施態様の正面図である。図に示すように、本実施態様の支持台100は、第一リンク部材21と第二リンク部材22がそれぞれ7本に形成されていることと、受け部24が着脱自在に形成されている点を除くと、基本的な構成は第一実施態様のものを相違しないため、以下では、相違している点について説明する。
【0055】
第二実施態様の支持台100は、第二リンク部材22が第一リンク部材21の前面に重ねて設けられている。そして、本実施態様では、第一リンク部材21cと第二リンク部材22eの上部側を互いに回動自在に結合するジョイント23tの裏面より突設されたガイドピン231aがガイド孔31aに挿入され、第一リンク部材21eと第二リンク部材22cの下部側を互いに回動自在に結合するジョイント23vの裏面より突設されたガイドピン231bがガイド孔31bに挿入されている。
【0056】
第二実施態様では、中央下段のジョイント23vが受け部24よりも上方寄り(ジョイント23U寄り)に位置するため、抑え紐40もリンク部材ではなく縦桟部30に固定される。具体的には、その基端部が縦桟部30のガイド孔31bの下側近傍に取り付けられている。
【0057】
第二実施態様の受け部24は、伸縮部20の最下段に位置する各ジョイント23から前面に突設された凸部244と、かかる凸部244に着脱自在に形成されたカバー部243とからなる。カバー部243は、その裏面で凸部244と対応する部分に凸部244を挿入可能な凹部が形成されている。そして、収納時にはカバー部243を取り外すことで伸縮部20の折り畳みが可能となり、使用時にはカバー部243により最下段に位置する各ジョイント23の位置を固定することができるため、伸縮部20を展開した状態で維持することができる。
【0058】
図8は、本発明の支持台の第三実施態様の斜視図である。図に示すように、本実施態様の支持台200は、テーブルや机などの卓上に設置して使用することを前提としており、雑誌や書籍などの読む際に使用することを想定している。
【0059】
第三実施態様の支持台200は、平行クランク機構により横方向へ伸縮自在に形成された伸縮部20などの基本的な構成は、第一、第二実施態様のものと共通しているが、以下の点において相違している。
【0060】
すなわち、本実施態様の支持台200は、中央ではなく、左右対称に2本の縦桟部60a、60bを備える。そして、縦桟部60aの中間には、第一リンク部材21bと第二リンク部材22bのジョイント23iが軸支され、縦桟部60bの中間には、第一リンク部材21dと第二リンク部材22dのジョイント23kが軸支されている。
【0061】
また、第一リンク部材21aと第二リンク部材22cの上端部を互いに回動自在に結合するジョイント23aの裏面にはピン231aが突設され、縦桟部60aの上部中央に縦長に設けられたガイド孔61aに挿入されている。同じく、第一リンク部材21cと第二リンク部材22aの下端部を互いに回動自在に結合するジョイント23qの裏面にもピン231bが突設され、縦桟部60aの下部中央に縦長に設けられたガイド孔61bに挿入されている。
【0062】
さらに、第一リンク部材21cと第二リンク部材22eの上端部を互いに回動自在に結合するジョイント23cの裏面にも同様に、ピン231aが突設され、縦桟部60bの上部中央に縦長に設けられたガイド孔61aに挿入されている。同じく、第一リンク部材21eと第二リンク部材22cの下端部を互いに回動自在に結合するジョイント23sの裏面にもピン231bが突設され、縦桟部60bの下部中央に縦長に設けられたガイド孔61bに挿入されている。
【0063】
縦桟部60a、60bの背面側には、脚部62a、62bがそれぞれ設けられている。かかる脚部62a、62bは、取り付け部621を介して縦桟部60a、60bに回動自在に取り付けられている。そして、使用時には脚部62a、62bを縦桟部60a、60bに対して任意の角度に開いてテーブルなどに置くと、縦桟部60a、60bおよび脚部62a、62bとがそれぞれ前後の脚として機能し、伸縮部20を好みの角度に傾斜させて立てることができる。
【0064】
また、第三実施態様の支持台200は、伸縮部20の左右いずれかの一端側より多端側へと水平方向に張設可能に設けられた抑え紐70を備える。より具体的には、抑え紐70は、その基端部が中段左端のジョイント23h近傍の第一リンク部材21aに固定され、その先端部側が、中段右端のジョイント23l近傍の第二リンク部材22eに係止可能に形成されている。具体的には、第二リンク部材22eの下端部近傍に、前後方向へ切り欠き形成された溝部221が設けられている。かかる溝部221は、抑え紐40が挿入可能な幅及び深さに形成されている。
【0065】
溝部221への抑え紐70の係止方法は以下の通りである。すなわち、抑え紐70の先端には、ストッパー71が取り付けられており、第二リンク部材22eの表側から溝部221に抑え紐70を通し、縦桟部70の裏側に抑え紐70の先端側を出してストッパー71で係止することができる。
【0066】
第三実施態様の支持台200の展開及び収納の手順は、第一実施態様のものと基本的には同じだが、本実施態様のものは、伸縮部20の展開の際に、縦桟部60a、60bを互いに離間する方向へ移動する。逆に、伸縮部20の折り畳みの際には、縦桟部60a、60bを互いに近接する方向へ移動する。
【0067】
次に、第三実施態様の支持台200の使用方法について説明する。まず、伸縮部20を左右に展開し、橋架部241a、241bを水平状態にしたところで、書籍を開いた状態で受け部24の上に載置する。このとき、書籍は伸縮部20に凭れかかるとともに、読みやすい角度となるように、脚部62a、62bで調整することが好ましい。
【0068】
書籍等を受け部24に載置した後、抑え紐40を書籍の紙面に沿うように水平方向へと延伸させ、先端側を第二リンク部材22eの溝部221に挿入し、ストッパー71を溝部221に係止させる。
【0069】
このように、書籍のページは抑え紐40により伸縮部20へ抑えられるため、読書しているときにページが意に反して捲れることはない。
【0070】
ここまで、本発明に係る支持台に関し、新聞や書籍を読むための補助具として説明をしたが、載置される対象物は新聞や書籍に限らず、譜面や、タブレットなどのPCなどでもよく、あるいはまた、黒板、ホワイトボード、宣伝広告用のパネルなどを載置してもよい。
【0071】
本発明に係る支持台10、100、200を構成する各部材の材質については特に限定されず、抑え紐40を除き、それぞれ木製、樹脂製、金属製などでもよく、木製の場合は、樹脂を含む松などを好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0072】
10…支持台
20…伸縮部
21…第一リンク部材
22…第二リンク部材
23…ジョイント
24…受け部
30…縦桟部
31…ガイド孔
40…抑え紐
50…スタンド
51…台座
52…柱部
53…軸部
60…縦桟部
62…脚部
70…抑え紐
100…支持台
200…支持台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8