(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159342
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】配達システム、建物、及び配送システム
(51)【国際特許分類】
B65G 61/00 20060101AFI20241031BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241031BHJP
【FI】
B65G61/00 550
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075280
(22)【出願日】2023-04-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】配達物を住戸の配達物置場まで自動的に届ける。
【解決手段】建物内の複数の住戸82に配達物94を自動配達するための配達システムであって、車両制御装置206、配達物入口用開口部208、配達物出口用開口部210、押出装置202、延長可能なエクステンションプレート204、及び前記配達物94を加熱する加熱装置212、若しくは食品である前記配達物94を予熱部214Bと加熱部214Aとで加熱する加熱装置212を有する配達用車両200と、前記建物内の搬送装置の制御装置と、各種サービスを管理するサーバとを備え、前記車両制御装置206と前記制御装置と前記サーバとが連携して、前記配達用車両200を前記住戸82に設けられた配達物置場83まで移動させ、前記エクステンションプレート204を前記配達物置場83まで延長し、前記配達物94を前記押出装置202により前記配達物置場83まで押し出すように制御する。
【選択図】
図5B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内の複数の住戸のそれぞれに、前記建物内の通路を走行する配達用車両を用いて配達物を自動配達するための配達システムであって、
前記配達用車両は、配達物入口用開口部、配達物出口用開口部、押出装置、延長可能なエクステンションプレート、及び前記配達物を加熱する加熱装置を備え、
前記配達用車両は、さらに、前記配達物が食品である場合、前記加熱装置によって前記配達物を加熱する加熱部と、前記加熱部よりも前記配達物入口用開口部に近い位置に設けられ前記配達物を予め加熱する予熱部と、を備え、
前記配達物の宛先の住戸に設けられた配達物置場まで前記配達用車両を移動させ、前記配達用車両が前記配達物置場に到着したときに、前記エクステンションプレートを配達物置場まで延長し、前記押出装置により、前記配達物を、配達物置場まで押し出すように制御する制御部
を備える配達システム。
【請求項2】
前記配達物は、前記配達物入口用開口部から前記配達物出口用開口部までの一方向に流れる請求項1に記載の配達システム。
【請求項3】
前記複数の住戸のそれぞれの前記配達物置場の高さと、前記エクステンションプレートの高さとが対応している請求項1に記載の配達システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記配達物が食品である場合、前記配達用車両が前記配達物の宛先の住戸に設けられた配達物置場に到達したときの前記配達物の温度が所定温度となるように、前記建物に一又は複数の前記配達物を配送する配送車に搭載された調温装置の温度を制御する請求項1に記載の配達システム。
【請求項5】
前記調温装置は、冷蔵庫又は加熱器である請求項4に記載の配達システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記押出装置を、前記加熱部により加熱された前記配達物を前記配達物置場まで押し出し、前記予熱部によりあらかじめ加熱された前記配達物を前記加熱部まで押し出すように制御する、請求項2に記載の配達システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記押出装置を、複数の前記配達物のうち先に配達する前記配達物を前記加熱部に配置し、後に配達する前記配達物を前記予熱部に配置するように制御する、請求項6に記載の配達システム。
【請求項8】
前記制御部は、複数の前記配達物に対する加熱時間及び予熱時間から、複数の前記配達物の配達ルートを設定する、請求項7に記載の配達システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記加熱装置を、前記配達用車両が前記配達物置場に到達したときの前記配達物の温度が所定温度となるように制御する、請求項1に記載の配達システム。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の配達システム
を備える建物。
【請求項11】
前記建物は、複数の階を備え、
前記建物が備える異なる階の間で前記配達用車両を移動させる昇降レーンを備える
請求項10に記載の建物。
【請求項12】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の配達システムと、
建物外の物流拠点から前記建物まで配送車による配達物の運搬を管理するサーバと
を備える配送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配達システム、建物、及び配送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
地域密着型のインターモーダルな交通システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。センターから周囲の複数の超高層都市へ放射状に、また各超高層都市間に環状に、交通系統を網羅した地下都市トンネルを配設した大都市構造が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008-530695号公報
【特許文献2】特開平10-246005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配達物を自動で届けることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様によれば、配達システムが提供される。配達システムは、建物内の複数の住戸のそれぞれに、前記建物内の通路を走行する配達用車両を用いて配達物を自動配達するための配達システムであって、前記配達用車両は、配達物入口用開口部、配達物出口用開口部、押出装置、延長可能なエクステンションプレート、及び前記配達物を加熱する加熱装置を備え、前記配達用車両は、さらに、前記配達物が食品である場合、前記加熱装置によって前記配達物を加熱する加熱部と、前記加熱部よりも前記配達物入口用開口部に近い位置に設けられ前記配達物を予め加熱する予熱部と、を備え、前記配達物の宛先の住戸に設けられた配達物置場まで前記配達用車両を移動させ、前記配達用車両が前記配達物置場に到着したときに、前記エクステンションプレートを配達物置場まで延長し、前記押出装置により、前記配達物を、配達物置場まで押し出すように制御する制御部を備える。
【0006】
配達物は、前記配達物入口用開口部から前記配達物出口用開口部までの一方向に流れるようにしてもよい。
【0007】
複数の住戸のそれぞれの配達物置場の高さと、前記エクステンションプレートの高さとが対応しているように構成してもよい。
【0008】
制御部は、前記配達物が、食品である場合、前記配達用車両が前記配達物の宛先の住戸に設けられた配達物置場に到達したときの前記配達物の温度が所定温度となるように、前記建物に一又は複数の前記配達物を配送する配送車に搭載された調温装置の温度を制御してもよい。
【0009】
調温装置を、冷蔵庫又は加熱器としてもよい。
【0010】
第2の形態において、建物が提供される。建物は、上記の配達システムを備える。
【0011】
建物は、複数の階を備えてよい。搬送レーンは、建物が備える異なる階の間で配達物を移動させる昇降レーンを備えてよい。
【0012】
第3の形態において、配送システムが提供される。配送システムは、上記の配達システムを備える。配送システムは、建物外の物流拠点から建物まで自動運転車による配達物の運搬を管理するサーバを備える。
【0013】
なお、上記の概要は、本開示の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態のシステム10の全体的な概念を示す。
【
図2】実施形態の配達用車両200により配達物が宛先の住戸82に配達される様子を立面視で概略的に示す。
【
図3】実施形態の住戸82の玄関用扉及び荷物置場の配置を平面視で模式的に示す。
【
図4A】実施形態の配達用車両200を模式的に示す側面図である。
【
図4B】実施形態の配達用車両200を模式的に示す平面図である。
【
図5A】実施形態の配達用車両200の動作を模式的に示す側面図である。
【
図5B】実施形態の配達用車両200の動作を模式的に示す側面図である。
【
図5C】実施形態の配達用車両200の動作を模式的に示す側面図である。
【
図5D】実施形態の配達用車両200の動作を模式的に示す側面図である。
【
図6】実施形態の配送ボックス700を模式的に示す。
【
図7】実施形態のサーバ40が管理する配送情報のデータ構造の一例を示す。
【
図8A】実施形態のシステム10において実行される配達処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8B】実施形態のシステム10において実行される配達処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8C】実施形態のシステム10において実行される配達処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】実施形態のコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0016】
図1は、システム10の全体的な概念を示す。システム10は、サーバ40と、都市構造12と、タクシー90と、配送車92とを備える。都市構造12は、複数の集合住宅80と、物流拠点84と、公共施設86と、道路構造100とを備える。公共施設86は、大規模商業施設、官公庁施設、廃棄物処理場等である。
【0017】
道路構造100は、自動運転専用の道路である。道路構造100は、幹線道路110と、支線道路120と、接続道路140とを備える。タクシー90は、旅客輸送用の自動運転車である。配送車92は、荷物運搬用の自動運転車である。物流拠点84は、物流倉庫、デリバリフード製造施設等を含む。
【0018】
幹線道路110は、高速走行用の自動運転車専用道路である。幹線道路110は、例えば、基準速度が200km/hに規制された道路である。支線道路120は、中低速走行用の自動運転車専用道路である。支線道路120は、例えば、基準速度が100km/hに規制された車線と基準速度が30km/hに規制された車線とを備える。集合住宅80は、支線道路120に囲まれた生活エリア21内に設けられる。
【0019】
生活エリア21は、例えば、人間が生活するためのエリアである。生活エリア21は、例えば、人間が居住するエリアである。生活エリア21には小規模な商店は存在してよい。公共施設86は、幹線道路110に囲まれた公共施設エリア20内に設けられる。公共施設エリア20は、原則として人間が居住しないエリアである。後述するように、道路構造100には交差点も交通信号機も設けられていない。後述するように、道路構造100は、タクシー90や配送車92が車線変更によって幹線道路110と支線道路120との間で移動できるように設けられる。
【0020】
サーバ40は、集合住宅80の居住者に提供される交通サービス及び宅配サービスを管理する。例えば、サーバ40は、AIを利用して、都市構造12におけるタクシーの配車需要を予測して、配車需要に応じてタクシー90を配備する。サーバ40は、集合住宅80の居住者からの配車要求を受信すると、タクシー90を居住者の近くに配車させる。
【0021】
また、サーバ40は、物流拠点84から集合住宅80まで配送車92による配達物の運搬を管理する。サーバ40は、集合住宅80の居住者宛の配達物を、物流拠点84で配送車92に積載させ、配送車92で集合住宅80に配送させる。例えば、サーバ40は、集合住宅80の居住者からデリバリフードの提供要請を受信すると、物流拠点84のデリバリフード製造施設で製造されたデリバリフードを配送車92に積載させ、配送車92でデリバリフードを集合住宅80に届けさせる。また、サーバ40は、物流拠点84の物流倉庫に集合住宅80の居住者宛の荷物が到着すると、荷物を配送車92に積載させ、配送車92で荷物を集合住宅80に届けさせる。後述するように、集合住宅80には、届けられたデリバリフードや荷物等の配達物を、各住戸まで自動的に配達するための配達用車両が設けられている。これにより、物流拠点84から各住戸まで荷物を自動的に配送することができる。デリバリフードは、「配達物が食品である場合」の「食品」の例である。
【0022】
道路構造100によれば、集合住宅80の居住者が生活エリアと公共施設エリアとの間や複数の生活エリア間を移動するのにかかる時間を短縮することができる。また、配達物を物流拠点84から集合住宅80の居住者の住戸まで短時間で届けることができる。
【0023】
次に、
図2から
図5に関連して、荷物の配達システムについて説明する。
図2は、配送車92により配達物が集合住宅80に配達される様子を立面視で概略的に示す。集合住宅80は、複数の住戸82と、通路500と、保管所510と、制御装置540とを備える。
【0024】
通路500及び住戸82は、集合住宅80内に設けられる。各階の通路500は、昇降レーン502で接続されている。集合住宅80は、建物の一例である。住戸82のそれぞれの玄関用扉81の隣に、荷物置場83が設けられている(
図3)。荷物置場83は配達物置場の一例である。集合住宅80は、複数の階を備える。集合住宅80内には複数の住戸82が複数の階にわたって設けられている。
【0025】
配送車92は、集合住宅80内の住戸82宛の配達物94を、物流拠点84から集合住宅80まで、自動運転によって運搬する。配送車92は、集合住宅80に到着すると、配達物94を配達用車両200内に送り出す。配達用車両200内に送り出された配達物94は、配達用車両200が通路500及び昇降レーン502を移動することによって、宛先の住戸82に配達される。
【0026】
昇降レーン502は、例えば、昇降可能に設けられたローラコンベアによって形成されてよい。制御装置540は、配達用車両200及び昇降レーン502の動作を制御することにより、配達用車両200が宛先の住戸82まで到達する。
【0027】
図4A及び
図4Bに示すように、配達用車両200は、車両後方に設けられた配達物入口用開口部208、車両前方に設けられた配達物出口用開口部210、押出装置202、延長可能なエクステンションプレート204、車両制御装置206、加熱装置212を備える。配達物入口用開口部208及び配達物出口用開口部210には開閉可能な扉が設けられていてもよい。押出装置202は、配達用車両200の車室において、少なくとも左右いずれかの側壁部に設けられている。また、エクステンションプレート204は、配達用車両200の車室の底部に設けられ、駆動機構によって配達物出口用開口部210から車両前方に延長可能である。配達物94は、配達物入口用開口部208から配達物出口用開口部210までの一方向に流れる。すなわち、配送車92から配達物94が送り出される際に、配達物入口用開口部208から配達用車両200内に配達物94が送り出される。また、宛先の住戸82の荷物置場83に配達物94を置く際に、押出装置202により、配達物出口用開口部210から配達物94が押し出され、荷物置場83に配達物94を置かれる。
【0028】
加熱装置212は、配達物入口用開口部208と配達物出口用開口部210の間に配置されている。換言すれば、加熱装置212は、車両後方の領域と車両前方の領域の間の領域に配置されている。
【0029】
加熱装置212は、たとえばデリバリフード、すなわち「配達物が食品である場合」に、配達物を加熱する装置である。より具体的には、たとえば配達物が冷凍食品である場合に、冷凍食品を加熱によって、解凍処理及び加熱調理することが可能な装置である。加熱装置212の例としては、電子レンジ、電気オーブン、カーボン式加熱装置、ガスレンジ、ガスコンロ等を挙げることができる。ガスの燃焼を用いる構成では、配達用車両200にガスボンベが搭載され、このガスボンベからの燃焼ガスの供給を受けるようになっていてもよい。また、ガスの炎が直接的に配達物に作用しないように、ガスの炎を他の伝熱体に作用させ、この伝熱体からの輻射熱あるいは空気の対流によって配達物を加熱するようにして、安全性を高めてもよい。さらに、加熱装置212は、配達物の容器の種類によっては、誘導加熱によって発熱する電磁調理器(いわゆるIH調理器)であってもよい。
【0030】
図4Bに示すように、配達用車両200には、加熱部214A、予熱部214B、及び非加熱部214Cが設けられている。加熱部214A及び予熱部214Bは、加熱装置212の熱が作用する部分(領域)である。これに対し、非加熱部214Cは、加熱装置212の熱が作用しない部分(領域)である。
【0031】
本実施形態では、加熱部214A及び予熱部214Bが設けられている領域と、非加熱部214Cが設けられている領域とは、隔壁216によって区画されている。非加熱部214Cには、隔壁216が設けられていることにより、加熱部214A及び予熱部214Bの熱が伝わらない、又は伝わりにくい。
【0032】
加熱部214A及び予熱部214Bは、加熱装置212の熱が作用する部分(領域)である。上記したように、たとえば配達物が冷凍食品である場合に、加熱部214Aに置かれた配達物94Aを加熱できる。また、同じく配達物が冷凍食品である場合に、予熱部214Bに置かれた配達物94Bも、予め加熱(予熱)できる。
【0033】
加熱部214Aと予熱部214Bの位置関係としては、加熱部214Aは相対的に配達物出口用開口部210に近い位置に設定され、予熱部214Bは相対的に配達物入口用開口部208に設定されている。したがって、配達物入口用開口部208から配達物出口用開口部210へ冷凍食品が移動する場合に、この移動方向に沿った一連の流れで、冷凍食品に対し予熱部214Bによる解凍処理から加熱部214Aによる加熱調理を実行できる構造である。
【0034】
本実施形態では、
図4Bに示すように、加熱部214A及び予熱部214Bは、配達物の幅W1に対し、2倍以上の幅W2を有している。2つの配達物を、配達用車両200の幅方向(矢印W方向)で異なる位置(ズレた位置)に置くことが可能である。
【0035】
押出装置202は、配達用車両200の幅方向に移動可能とされている。具体的には、たとえば、配達用車両200の幅方向に延在するレールを設置し、このレールに沿って押出装置202が配達用車両200の幅方向に移動可能な構造にすることが可能である。
【0036】
押出装置202は、たとえば
図4Bにおいて一点鎖線で示す位置では、予熱部214Bにある配達物94Bを押し出すことが可能であり、この場合に加熱部214Aにある配達物94Aを押し出すことはない。同様に、
図4Bにおいて実線で示す位置では、加熱部214Aにある配達物94Aを押出装置202で押し出すことが可能であり、この場合に予熱部214Bにある配達物94Bを押し出すことはない。このように、予熱部214Bに置かれた配達物94Bの押し出しと、加熱部214Aに置かれた配達物94Aの押し出しが、相互に影響を受けない構造である。
【0037】
また、配達用車両200の幅方向の内寸は、配達部の3倍以上の幅W3を有している。押出装置202は、
図4に二点鎖線で示す位置では、非加熱部214Cに置かれた配達物94Cを押し出すことが可能であり、この場合に、加熱部214Aに置かれた配達物94A、及び予熱部214Bに置かれた配達物94Bを押し出すことはない構造である。
【0038】
制御装置540及び車両制御装置206は、配達用車両200を用いて配達物94を住戸82に自動配達するための配達システムの一部を構成する。車両制御装置206、制御装置540、及びサーバ40は互いに連携して動作することにより、配達システムにおける制御部として機能する。
【0039】
制御装置540は、通路500を通って配達用車両200が配達物94の宛先の住戸82に設けられた荷物置場83まで到達する経路を計算し、計算した経路で移動する指令を、車両制御装置206へ送信する。
【0040】
保管所510は、配達物94が搭載された配達用車両200が待機するための場所である。制御装置540は、配達物94の宛先の住戸82の荷物置場83に配達物94を置くことができない場合に、保管所510に配達物94が搭載された配達用車両200を待機させる。制御装置540は、保管所510に待機している配達用車両200が搭載する配達物94の宛先の住戸82に設けられた荷物置場83に当該配達物94を配達できるようになった場合に、その配達用車両200を保管所510から移動させる。
【0041】
サーバ40は、集合住宅80外の物流拠点84から集合住宅80内の住戸82宛の配達物94を発送する前に、その配達物94を保管所510に保管できるか否かを判断し、配達物94を保管所510に保管できると判断した場合に、その配達物94を物流拠点84から発送させてよい。
【0042】
また、サーバ40は、物流拠点84から集合住宅80内の住戸82宛の配達物94を発送する前に、宛先の住戸82に設けられた荷物置場83にその配達物94を置くことができるか否かを判断し、その配達物94を荷物置場83に保管できると判断した場合に、その配達物94を物流拠点84から発送させてよい。例えば、サーバ40は、物流拠点84から集合住宅80内の住戸82宛の配達物94を発送する前に、その住戸82宛の他の配達物94の配達状況に基づいて、その配達物94を荷物置場83に置くことができるか否かを判断してよい。具体的には、サーバ40は、物流拠点84から集合住宅80内の住戸82宛の配達物94を発送する前に、その住戸82宛の他の配達物94の配達状況と、荷物置場83のサイズとに基づいて、その配達物94を荷物置場83に置くことができるか否かを判断してよい。例えば、荷物置場83には配達物94一つ分のスペースしかない場合、その住戸82宛の他の配達物94が未受取の状態にあるときは、配達物94を荷物置場83に置くことができないと判断してよい。なお、荷物は予め定められた大きさの配送ボックスに入れられた状態で配達物94として配送されてよい。サーバ40は、配送ボックスのサイズと、荷物置場83の広さとに基づいて、配達物94を荷物置場83に置くことができるか否かを判断してよい。
【0043】
サーバ40は、集合住宅80外の物流拠点84から集合住宅80内の住戸82宛の配達物94を発送する前に、その配達物94を配達できる配達用車両200があるか否かをさらに判断してよい。サーバ40は、その配達物94を配達できる配達用車両200があると判断した場合に、その配達物94を物流拠点84から発送させてよい。例えば、サーバ40は、集合住宅80内にある配達用車両200の数を管理しており、配達物94を搭載していない配達用車両200の数が予め定められた数以上の場合に、その配達物94を配達できる配達用車両200があると判断してよい。
【0044】
サーバ40は、集合住宅80外の物流拠点84から集合住宅80の住戸82宛に予め定められた種類の配達物94を発送する前に、その配達物94を配達するか否かを宛先の住戸82の居住者に問い合わせ、居住者から配達指示を受け付けた場合に、その配達物94を物流拠点84から発送させてよい。例えば、サーバ40は、住戸82宛の配達物94の種類が生鮮品である場合に、配達物94を配達するか否かを宛先の住戸82の居住者に問い合わせてよい。サーバ40は、住戸82の居住者の携帯端末に問い合わせを送信し、居住者の携帯端末から配達指示を受信してよい。また、サーバ40は、宛先の住戸82のホームサーバに問い合わせを送信し、当該ホームサーバから居住者の配達指示を受信してもよい。
【0045】
車両制御装置206は、住戸82宛の配達物94を搭載した配達用車両200を、住戸82に設けられた荷物置場83まで移動させ、配達用車両200が荷物置場83に到達したタイミングで、
図5に示すように、エクステンションプレート204を荷物置場83まで延長させる。そして、車両制御装置206は、押出装置202により、配達物94を、荷物置場83まで押し出すように制御する。
【0046】
ここで、荷物置場83の高さと、エクステンションプレート204の高さとが対応している。具体的には、エクステンションプレート204の高さが、荷物置場83の高さより、エクステンションプレート204の厚み分だけ高くなるように構成されている。このように、荷物置場83の高さと、配達用車両200のエクステンションプレート204の高さとが合わされている。なお、これらの高さについては統一された仕様や規格などで定められてもよい。
【0047】
図6は、配送ボックス700を模式的に示す。配達物94は、配送ボックス700に入れられた状態で配送されてよい。配送ボックス700は、コントローラ710を備える。コントローラ710は、配送ボックス700の識別情報を記憶する。コントローラ710は、配送ボックス700に荷物が入っているか否かを検出する機能を備える。たコントローラ710は、配送ボックス700内に設けられたカメラで取得された画像を解析することによって、配送ボックス700に荷物が入っているか否かを検出してよい。
【0048】
サーバ40は、配送ボックス700の位置情報をリアルタイムで管理する。例えば、コントローラ710は、無線通信機能を有し、配送ボックス700の現在位置、配送ボックス700の識別情報、及び配送ボックス700に荷物が入っているか否かを示す情報を含むステータス情報を無線通信によってサーバ40に送信する。コントローラ710は、近距離無線通信機能によってステータス情報を発信する機能を有してもよい。この場合、住戸82のホームサーバ又は居住者の携帯端末、制御装置540、配送車92、車両制御装置206は、配送ボックス700から発信されたステータス情報を受信した場合に、当該ステータス情報をサーバ40に転送してよい。
【0049】
図7は、サーバ40が管理する配送情報のデータ構造の一例を示す。サーバ40は、配送ボックスID、種類、積荷種別、宛先、現在位置、及び配送状態を対応づけて管理する。
【0050】
「配送ボックスID」は、配送ボックス700の識別情報である。「種類」は、配送ボックス700の種類を示す情報である。「種類」は、”宅配物”及び”その他”の一方を示す情報となる。「積荷種別」は、配送ボックス700内に入れられている荷物の種別を示す。
【0051】
配送ボックス700が宅配物専用の配送ボックスである場合、「種類」には”宅配物”を示す情報が予め固定的に設定されている。また、「積荷種別」は、配送ボックス700内に入れられている配送物の種別に応じて、”生鮮品”、”非生鮮品”、”デリバリフード”が設定される。”生鮮品”は、例えば、配達物が冷蔵又は冷凍等の品質維持処置を要することを示す。”非生鮮品”は、配達物が冷蔵又は冷凍等の品質維持処置を要しないことを示す。”デリバリフード”は、配達物が、加熱されたデリバリフードであることを示す。
【0052】
「宛先」は、配送ボックス700の配達先の識別情報である。「現在位置」は、配送ボックス700の現在位置を示す情報である。「配送状態」は、配送ボックス700の配送状態を示す情報である。サーバ40は、居住者の携帯端末からの発送要求に基づいて「宛先」を登録する。また、サーバ40は、配送ボックス700から送信されるステータス情報に基づいて、「現在位置」及び「配送状態」をリアルタイムで更新する。
【0053】
「現在位置」は、緯度情報及び経度情報等の地理的情報を含む。「現在位置」は、地理的情報の他に、配送車92の識別情報、集合住宅80の識別情報,住戸82の識別情報など、配送ボックス700の現在地を特定するための論理的な情報を含んでよい。
【0054】
配送状態は、”未発送”、”配送中”、”未受取”、”受取済”、”保管中”、”未使用”等の情報を含む。”未発送”は、配送ボックス700が発送されていない状態を示す。”未発送”は、配送ボックス700が物流拠点84から発送されていない状態、又は、配送ボックス700が住戸82の荷物置場83から発送されていない状態を示す。
【0055】
”配送中”は、配送ボックス700が物流拠点84又は荷物置場83から発送されてから宛先に配達されるまでの間であって、保管所510に保管されていない状態を示す。”未受取”は、配送ボックス700が荷物置場83にあり、かつ、配送ボックス700内に荷物が入っている状態を示す。”受取済”は、配送ボックス700が荷物置場83にあり、かつ、配送ボックス700内に荷物が入っていない状態を示す。”保管中”は、配送ボックス700が保管所510に保管されている状態を示す。”未使用”は、配送ボックス700が配送に使用されていない状態を示す。例えば、”未使用”は、配送ボックス700が空の状態で保管所510や物流拠点84等に保管されている状態を示す。
【0056】
制御装置540は、配達物94が、生鮮品である場合、配達用車両200が配達物94の宛先の住戸82に設けられた荷物置場83に到達したときの配達物94の温度が所定温度となるように、配送車92に搭載された冷蔵庫の温度を制御するようにしてもよい。
【0057】
また、制御装置540は、配達物94が、加熱されたデリバリフードである場合、配達用車両200が配達物94の宛先の住戸82に設けられた荷物置場83に到達したときの配達物94の温度が所定温度となるように、配送車92に搭載された加熱器の温度を制御するようにしてもよい。冷蔵庫及び加熱器は、調温装置の一例である。
【0058】
図8Aは、システム10において実行される配達処理の流れを示すフローチャートである。
図8Aのフローチャートの処理は、配達物を配達用車両200の加熱装置212で加熱しない場合の配達処理の一例である。
図8Aのフローチャートの処理は、たとえば、住戸82宛の配達物94が配送車92から配達用車両200に搭載された場合に開始される。
【0059】
S100において、車両制御装置206は、制御装置540から、宛先の住戸82までの経路を取得する。
【0060】
S102において、車両制御装置206は、住戸82宛の配達物94を搭載した配達用車両200を、住戸82に設けられた荷物置場83まで移動させる。配達物94を加熱しないので、たとえば、非加熱部214Cに配達物94を置くことができる。また、加熱部214A及び予熱部214Bに配達物94を置き、加熱装置212を作動させないようにしてもよい。
【0061】
S104において、車両制御装置206は、エクステンションプレート204を荷物置場83まで延長させる。
【0062】
S106において、押出装置202により、配達物94を、荷物置場83まで押し出すように制御する。
【0063】
S108において、車両制御装置206は、押出装置202の収納動作を行う。
【0064】
S110において、車両制御装置206は、エクステンションプレート204の収納動作を行う。
【0065】
S112において、車両制御装置206は、配達用車両200を、保管所510まで移動させる。
【0066】
以上説明したように、システム10によれば、配達物を自動で届けることができる。そのため、集合住宅80の居住者に、欲しいときに欲しい物を届けることができる。
【0067】
図8B及び
図8Cは、システム10において実行される配達処理の流れとして、
図8Aとは異なる例を示すフローチャートである。
図8Bのフローチャートの処理は、配達物として、複数の宛先にそれぞれ配達する複数の冷凍食品がある場合に、配達用車両200の加熱装置212で加熱し、解凍処理及び加熱処理を行う場合の配達処理の一例である。
図8Bのフローチャートの処理は、
図8Aに示すフローチャートの処理と同様に、たとえば、住戸82宛の配達物94が配送車92から配達用車両200に搭載された場合に開始される。なお、
図8Bのフローチャートにおいて、
図8Aのフローチャートと同一の処理には同一の符号を付している。
【0068】
S100において、車両制御装置206は、制御装置540から、宛先の複数の住戸82までの経路を取得する。
【0069】
S101Aにおいて、車両制御装置206は、複数の配達物に対し、加熱必要時間で順位付けを行う。「加熱必要時間」とは、加熱装置212からの加熱で冷凍食品の解凍処理から加熱調理を行うまでに必要な時間である。順位付けは、加熱必要時間が短いものから順位番号を割り振る。加熱必要時間が同じものは、同じ番号とする。以下では、説明の便宜上、配達物の数を2つとする。この場合、
図4Bで示した配達物94Aが、必要加熱時間が短い配達物であり、配達物94Bが、必要加熱時間が長い配達物である。換言すれば、配達物94Aが、先に配達する配達物、配達物94Bが後から配達する配達物である。以下では、配達物94Aの宛先の住戸を住戸82A、配達物94Bの宛先の住戸を住戸82Bとして区別する。
【0070】
S101Bにおいて、車両制御装置206は、S100で取得した複数の住戸82A、82Bまでの経路と、S101Aで実行した配達物に対する順位付けと、に基づき、配送ルートを決定する。具体的には、加熱必要時間の短い配達物94Aを先に配達し、加熱必要時間の長い配達物94Bを後から配達するように、配達ルートを設定する。
【0071】
S101Cにおいて、車両制御装置206は、複数の配達物をそれぞれ配達用車両200の所定の位置におき、配達物の加熱を開始する。具体的には、
図4Bに示したように、配達物94Aを加熱部214Aに、配達物94Bを予熱部214Bに置く。
【0072】
この場合の加熱能力は、たとえば、配達物94Aを配達完了するまでの配達時間で、配達物94Aに対する解凍処理及び加熱調理も完了するように設定される。ただし、配達物94Bについては配達物94Aよりも加熱必要時間が長い。このため、配達物94Aの解凍処理及び加熱調理が完了した時点では、配達物94Bは、加熱装置212からの熱を受けているが、解凍処理及び加熱調理は完了しておらず、予熱された状態にある。
【0073】
S101Dにおいて、車両制御装置206は、配達用車両200を、住戸82Aに設けられた荷物置場83まで移動させる。
【0074】
S101Eにおいて、車両制御装置206は、エクステンションプレート204を住戸82Aの荷物置場83まで延長させる。
【0075】
S101Fにおいて、車両制御装置206は、
図5Bに示すように、押出装置202により、配達物94Aを、住戸82Aの荷物置場83まで押し出すように制御する。
【0076】
S101Gにおいて、車両制御装置206は、押出装置202の収納動作を行う。
【0077】
S101Hにおいて、車両制御装置206は、エクステンションプレート204の収納動作を行う。
【0078】
S101Iにおいて、車両制御装置206は、押出装置202により、配達物94Bを予熱部214Bから加熱部214Aへ押し出して移動させるように制御する。
【0079】
加熱装置212により、配達物94Bが加熱される。この場合の加熱能力は、たとえば、配達物94Bを配達完了するまでの配達時間で、配達物94Bに対する解凍処理及び加熱調理も完了するように設定される。
【0080】
S101Jにおいて、車両制御装置206は、配達用車両200を、住戸82Bに設けられた荷物置場83まで移動させる。
【0081】
S101Kにおいて、車両制御装置206は、エクステンションプレート204を住戸82Bの荷物置場83まで延長させる。
【0082】
S101Lにおいて、車両制御装置206は、押出装置202により、配達物94Bを、住戸82Bの荷物置場83まで押し出すように制御する。
【0083】
S101Mにおいて、車両制御装置206は、押出装置202の収納動作を行う。
【0084】
S101Nにおいて、車両制御装置206は、エクステンションプレート204の収納動作を行う。
【0085】
S112において、車両制御装置206は、配達用車両200を、保管所510まで移動させる。
【0086】
以上説明したように、
図8Bに示したブローにより配達物の配達処理を行う場合であっても、システム10によれば、配達物を自動で届けることができる。そのため、集合住宅80の居住者に、欲しいときに欲しい物を届けることができる。
【0087】
図8Bに示したブローにより配達物の配達処理を行う場合、配達物94Aを加熱装置212により加熱している時間で、配達物94Bについても、加熱装置212により予め加熱(予熱)できる。配達物94Bを予め加熱しない場合と比較して、配達物Bに対するトータルでの加熱時間が短くて済む。
【0088】
また、配達物94Bの加熱を、配達物94Aの加熱とは別々に行う場合と比較して、配達物94Aの加熱時の熱を利用して配達物94Bを予め加熱(予熱)できるので、配達物94Bの解凍処理及び加熱調理に要する熱エネルギーも少なくて済む。
【0089】
なお、
図8Bに示したブローにより配達物の配達処理を行う場合において、さらに、加熱の必要がない配達物94を配達することも可能である。この場合には、配達物94A及び配達物94Bの加熱必要時間を勘案し、配達物94A又は配達物94Bを加熱装置212で加熱しつつ、加熱の必要がない配達物94を配達してもよい。
【0090】
また、たとえば、加熱が必要な1つ又は複数の配達物94と、加熱が不要な1つ又は複数の配達物94とを配達する場合もある。この場合は、たとえば、加熱が必要な配達物94の加熱が完了した時点で、加熱が不要な配達物の宛先の住戸82の近くに配達用車両200が位置しているように配達ルートを設定することが可能である。また、加熱が必要な配達物94を加熱しながら、加熱が不要な配達物94を配達してもよい。
【0091】
図9は、サーバ40や制御装置540、車両制御装置206として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0092】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0093】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0094】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0095】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0096】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0097】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0098】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0099】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0100】
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0101】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0102】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0103】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0104】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0105】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0106】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0107】
10 システム、12 都市構造、20 公共施設エリア、21 生活エリア、40 サーバ、80 集合住宅、81 玄関用扉、82 住戸、83 荷物置場、84 物流拠点、86 公共施設、90 タクシー、92 配送車、94 配達物、100 道路構造、110 幹線道路、120 支線道路、200 配達用車両、202 押出装置、204 エクステンションプレート、206 車両制御装置、208 配達物入口用開口部、210 配達物出口用開口部、226 掌センサ、500 通路、502 昇降レーン、510 保管所、540 制御装置、700 配送ボックス、710 コントローラ、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1226 DVDドライブ、1227 DVD-ROM、1230 ROM、1240 入出力チップ