(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159348
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】付け替え容器
(51)【国際特許分類】
B65D 77/06 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
B65D77/06 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075294
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】古原 裕嗣
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA03
3E067AB81
3E067AC01
3E067BA03C
3E067BA12B
3E067BB14B
3E067BC03C
3E067BC07C
3E067EA18
3E067EA25
3E067EA32
3E067EB17
3E067EB32
3E067EC26
3E067FA04
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】外容器内での内容器の安定した固定を行うことができる、新たな付け替え容器を提供する。
【解決手段】本開示の付け替え容器100は、内容物を収容する内容器20と、内容器20を径方向外側から覆う外容器10と、外容器10の口部11に係合する蓋部材40と、内容器20の上部に設けられたフランジ(上フランジ21b)を径方向外側かつ下方側から係止可能な係止爪部材50と、外容器10に蓋部材40が装着された状態で係止爪部材50の径方向外側への変位を規制する規制部とを備え、係止爪部材50は、規制部が当接可能であり上下方向に延びる基部51と、基部51の端部から径方向内側に延びる延在部53と、延在部53の径方向内側端から上下方向に延びるとともにフランジを係止する係止部55とを有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容する内容器と、
前記内容器を径方向外側から覆う外容器と、
前記外容器の口部に係合する蓋部材と、
前記内容器の上部に設けられたフランジを径方向外側かつ下方側から係止可能な係止爪部材と、
前記外容器に前記蓋部材が装着された状態で前記係止爪部材の径方向外側への変位を規制する規制部と
を備え、
前記係止爪部材は、前記規制部が当接可能であり上下方向に延びる基部と、該基部の端部から径方向内側に延びる延在部と、該延在部の径方向内側端から上下方向に延びるとともに前記フランジを係止する係止部と
を有する、付け替え容器。
【請求項2】
前記係止爪部材は前記蓋部材に係合し、前記規制部は前記外容器の口部である、請求項1に記載の付け替え容器。
【請求項3】
前記延在部は前記基部の下端部から径方向内側に延びており、前記係止部は前記延在部から径方向内側かつ上方に延びている、請求項1又は2に記載の付け替え容器。
【請求項4】
前記内容器は、フランジが形成された口部と、内容物の吐出に伴い減容変形可能な収容部とを有する、請求項1又は2に記載の付け替え容器。
【請求項5】
前記基部、前記延在部及び前記係止部は、それぞれ周方向に複数間欠配置されている、請求項1又は2に記載の付け替え容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、付け替え容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧品などの内容物を収容するための内容器と、内容器を付け替え可能に収容する外容器とを有する付け替え容器が知られている。このような付け替え容器としては、例えば特許文献1に記載されるように、内容器と、内容器を出し入れ可能な外容器と、外容器に取り外し可能に固定された環状蓋とを備え、内容器は首部に上側環状突起および下側環状突起を備え、環状蓋は、天壁から垂下する筒体部の内側に、上側環状突起の下端に係止される爪部が設けられたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の付け替え容器では、何等かの理由(例えば外部衝撃を受けた場合等)によって、内容器の環状突起の下端から環状蓋の爪部が離れ、環状突起と爪部との係止が意図せずに解除されてしまう可能性があった。この場合には、外容器に対して内容器が下方に脱落するという不都合を招いてしまい、外容器内で内容器を安定に固定することができなくなるおそれがあった。
【0005】
本開示の目的は、外容器内での内容器の安定した固定を行うことができる、新たな付け替え容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本開示の付け替え容器は、
[1]
内容物を収容する内容器と、
前記内容器を径方向外側から覆う外容器と、
前記外容器の口部に係合する蓋部材と、
前記内容器の上部に設けられたフランジを径方向外側かつ下方側から係止可能な係止爪部材と、
前記外容器に前記蓋部材が装着された状態で前記係止爪部材の径方向外側への変位を規制する規制部と
を備え、
前記係止爪部材は、前記規制部が当接可能であり上下方向に延びる基部と、該基部の端部から径方向内側に延びる延在部と、該延在部の径方向内側端から上下方向に延びるとともに前記フランジを係止する係止部と
を有することを特徴とする。
【0007】
また、本開示の付け替え容器は、
[2]
上記[1]に記載の構成において、前記係止爪部材は前記蓋部材に係合し、前記規制部は前記外容器の口部であることが好ましい。
【0008】
また、本開示の付け替え容器は、
[3]
上記[1]又は[2]に記載の構成において、前記延在部は前記基部の下端部から径方向内側に延びており、前記係止部は前記延在部から径方向内側かつ上方に延びていることが好ましい。
【0009】
また、本開示の付け替え容器は、
[4]
上記[1]から[3]のいずれかに記載の構成において、前記内容器は、フランジが形成された口部と、内容物の吐出に伴い減容変形可能な収容部とを有することが好ましい。
【0010】
また、本開示の付け替え容器は、
[5]
上記[1]から[4]のいずれかに記載の構成において、前記基部、前記延在部及び前記係止部は、それぞれ周方向に複数間欠配置されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、外容器内での内容器の安定した固定を行うことができる、新たな付け替え容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の一実施形態である付け替え容器の側面半断面図である。
【
図2】
図1における、外容器及び内容器の口部近傍の拡大図である。
【
図3A】本開示の一実施形態である付け替え容器に用いられる係止爪部材の平面図である。
【
図3B】本開示の一実施形態である付け替え容器に用いられる係止爪部材の正面図である。
【
図4】本開示の一実施形態である付け替え容器において、内容器の口部を係止爪部材に係止させようとしている状態を示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態である付け替え容器において、外容器内に蓋部材付き内容器を収容し、外容器の口部を蓋部材に装着しようとしている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の一実施形態に係る付け替え容器100について、図面を参照しつつ例示説明する。
【0014】
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、上下方向は、
図1に示すように付け替え容器100を正立姿勢とした状態における上下方向を意味するものとする。また、ノズル31が設けられる側(
図1における左側)を前方とし、その反対側(
図1における右側)を後方とする。また、上下方向及び前後方向に対して直交する方向(
図1における紙面に垂直な方向)を側方方向とする。また、径方向外側とは、中心軸線Oを通り当該中心軸線Oに垂直な直線に沿って中心軸線Oから離れる方向であり、径方向内側とは、中心軸線Oを通り当該中心軸線Oに垂直な直線に沿って中心軸線Oに向かう方向を意味するものとする。周方向は、中心軸線O周りの回転方向を意味するものとする。
【0015】
図1に示す本開示の一実施形態に係る付け替え容器100は、内容物を収容する内容器20と、内容器20を径方向外側から覆う外容器10と、外容器10の口部11に係合する蓋部材40と、内容器20の上部に設けられたフランジ(上フランジ21b)を径方向外側かつ下方側から係止可能な係止爪部材50と、内容器20内に収容された内容物を充填、加圧及び圧送するポンプ70と、ポンプ70により圧送された内容物をノズル31を通じて外部に吐出するノズルヘッド30と、ポンプ70及びノズルヘッド30を蓋部材40に装着する装着筒60とを備えている。
【0016】
内容器20は、内容物を収容する筒状の胴部23と、内容物を胴部23内に充填し胴部23から排出するための口部21と、胴部23の下端部を閉塞する底部25とを備えている。
【0017】
口部21は、円筒状の筒状部21aと、筒状部21aの上端部から径方向外側に延在する上フランジ21bと、上フランジ21bの下方において径方向外側に延在する下フランジ21cと、下フランジ21cから更に下方に延び胴部23に固定される固定筒21dとを備えている。本実施形態に係る内容器20は、いわゆるパウチ容器であり、その胴部23及び底部25は、2枚の合成樹脂製シートの周縁部を熱圧着することにより形成されている。胴部23及び底部25は、比較的薄肉の柔軟な合成樹脂材料で構成されており、内容物の減容に伴って、胴部23が減容変形可能に構成されている。
【0018】
本実施形態では、口部21の固定筒21dが2枚の合成樹脂製シートの間に挟み込まれた状態で胴部23に固定されている。胴部23は、口部21が図示するように鉛直方向の上方に位置するような姿勢で自立可能であることが好ましい。つまり、内容器20の底部25は、水平な平坦面上に安定した状態で載置可能な形状となっていることが好ましい。胴部23の形状は特に限定されないが、例えば、円柱状、または立方体状等とすることができる。
【0019】
外容器10は、筒状の口部11と、口部11の下端部に連なる筒状の胴部13と、胴部13の下端部を閉塞する底部15とを備えている。本実施形態では、口部11と胴部13は、内面が略同一径とされており、口部11の外面には、蓋部材40に設けた雌ねじ部41aにねじ係合可能な雄ねじ部11aが設けられている(
図2参照)。外容器10は、内容器20を内部に収容可能であり、内容器20を径方向外側から覆っている。
【0020】
本実施形態において、外容器10は、外容器10に蓋部材40が装着された状態で、口部11の上部が後述する係止爪部材50の径方向外側への変位を規制する規制部として機能している(
図2等参照)。
【0021】
蓋部材40は、外容器10の口部11を径方向外側から囲む外周壁41と、外周壁41の上端部に連なる天壁43と、天壁43の径方向内側端から上方に立設された中筒壁45とを備えている(
図1及び
図2参照)。また、中筒壁45の内側は、後述するポンプ70が上下に貫く開口43aが設けられている。外周壁41の内面に設けられた雌ねじ部41aが外容器10の口部11の外面に設けられた雄ねじ部11aにねじ係合することによって、蓋部材40は外容器10に装着されている。また、中筒壁45の外面に設けられた雄ねじ部45aが後述する装着筒60の周壁61の内面に設けられた雌ねじ部61aにねじ係合することによって、中筒壁45に装着筒60が装着されている。
【0022】
外周壁41の内面かつ天壁43の下面には、
図2に示すように係止爪部材50の環状フランジ51aが嵌合(係合)し固定されている。また、天壁43の径方向内側端からシール壁43bが垂下している。シール壁43bは内容器20の口部21の内面に嵌合し、口部21を液密にシールしている。
【0023】
係止爪部材50は、規制部(口部11の上部)が当接可能であり上下方向に延びる基部51と、基部51の下端部から径方向内側に延びる延在部53と、延在部53の径方向内側端から上方向かつ径方向内側に延びるとともにフランジ(上フランジ21b)を径方向外側かつ下方側から係止可能な係止部55とを有している。係止部55の上端部における径方向内側には、フランジに当接する当接部として機能する切り欠き55aが設けられている。本実施形態では、上述のように係止爪部材50が略U字形状を有しているので、基部51と延在部53との間の屈曲部、及び延在部53と係止部55との間の屈曲部が容易に弾性変形して、係止部55が容易に径方向外側に変位することができる。従って、係止爪部材50による内容器20の係止を解除して内容器20の付け替えを容易に行うことができる。
【0024】
図2等に示すように、規制部(外容器10の口部上部)は、係止爪部材50に対して、径方向外側から当接することで、係止爪部材50の径方向外側へ変位するのを規制している。この構成によって、外部衝撃等を受けた場合でも係止爪部材50が径方向外側へ変位するのを効果的に抑制することができる。したがって、係止爪部材50により内容器20のフランジを安定的に係止できるので、外容器10内での内容器20の安定した固定を行うことができる。
【0025】
また、規制部は係止爪部材50を径方向内側に変位させるように形成してもよく、その場合には、係止爪部材50の係止部55に設けられた切り欠き55aが、上フランジ21bを係止部55に沿って上方、かつ径方向内側に所定の力で押圧する。従って、外容器10内で内容器20を更に安定的に固定することができる。
【0026】
本実施形態において、係止爪部材50は、
図2等に示すように、基部51の上端部から径方向外側に突出する環状形状を有する環状フランジ51aが蓋部材40の外周壁41の内面、かつ天壁43の下面に係合し固定されている。また、係止爪部材50の基部51、延在部53及び係止部55は、
図3A及び
図3Bに示すように周方向8箇所に等間隔で間欠配置されている。このように構成することによって、8箇所の基部51、延在部53及び係止部55がそれぞれ独立して径方向に容易に変形することができるので、内容器20の着脱性を向上させることができる。
【0027】
なお、本実施形態では、外容器10の口部11が規制部として機能するように構成したが、この態様には限定されない。例えば、蓋部材40側に蓋部材40と一体形成された規制部又は蓋部材40とは別部材の規制部を係止爪部材50の径方向外側に設け、外容器10が蓋部材40に装着されることで、外容器10が規制部の径方向外側への移動を抑えて、規制部が係止爪部材50の径方向外側への変位を規制する構成であってもよい。
【0028】
装着筒60は、後述するポンプ70及びノズルヘッド30を蓋部材40に装着するための部材である。装着筒60は、中筒壁45を径方向外側から囲む周壁61と、周壁61の上端部に連なる天壁63と、天壁63の径方向内側端から上方に立設された上筒壁65とを備えている。周壁61の内面には、中筒壁45の外面に設けられた雄ねじ部45aにねじ係合可能な雌ねじ部61aが設けられている。
【0029】
図2に示すように、ポンプ70のシリンダー71の上端部から径方向外側に延びる装着フランジ72及びパッキンPKを装着筒60の天壁63と蓋部材40の中筒壁45の上端部との間で挟持した状態で装着筒60が蓋部材40の中筒壁45に装着されることによって、ポンプ70は蓋部材40に装着されている。
【0030】
なお、ポンプ70のシリンダー71内から上方付勢された図示しないステムが立設されており、後述するノズルヘッド30がステムの上端部に固定されている。
【0031】
ポンプ70は、筒状の外形を有するシリンダー71と、シリンダー71の上端部から径方向外側に延びる装着フランジ72と、上方付勢され下方への押圧によりポンプ70を作動させる図示しないステムとを備えている。なお、ポンプ70は、ステムの押下により内容器20内の内容物を吸引、加圧及び圧送する機能を備えており、汎用のポンプを用いることができるので、ここでの更なる説明は省略する。本実施形態において、ステムはシリンダー71と同軸に配置されており、スプリングによってシリンダー71に対して上方付勢されている。また、ステムの内側空間は、ポンプ70によって圧送された内容物をノズルヘッド30へと導く内側流路を区画形成している。
【0032】
ステムの上端部には、内容器20内の内容物を外部に吐出させるためのノズルヘッド30が装着されている。ノズルヘッド30は、その押下によってノズルヘッド30が装着されたステムを下方に押圧する押圧部36と、押圧部36の辺縁部から垂下する周壁34と、ステムの内側を通って上方に圧送された内容物を前方へと導くノズル31とを備えており、ノズル31の先端部内側には、内容物を外部に吐出する吐出孔31aが形成されている。
【0033】
なお、装着筒60の天壁63と、ノズルヘッド30の周壁34との間には、
図1及び
図2に示すように、ノズルヘッド30の不用意な押し下げを阻止するストッパー80を設けてもよい。ストッパー80は、例えば平面視で略C字状をなすものであり、径方向外側から着脱自在に装着することができる。
【0034】
以上の構成を有する付け替え容器100において、内容物を充填した新たな内容器20に付け替える際には、
図4に示すように、蓋部材40に係止爪部材50、装着筒60、ポンプ70及びノズルヘッド30が装着された吐出器に対して、下方から内容物が充填された新たな内容器20を近づけ、装着する。
【0035】
上記吐出器への新たな内容器20の装着は、内容器20の上フランジ21bの上端部が係止爪部材50の係止部55の上端部を乗り越えて蓋部材40の天壁43の下面に当接させる。このとき、係止爪部材50の基部51は、上端部を除いて径方向外側に容易に弾性変形可能である。また、基部51と延在部53との間の屈曲部や、延在部53と係止部55との間の屈曲部についても変形し易いため、係止部55は径方向外側に比較的容易に変位する。従って、上フランジ21bの上端部は係止部55の上端部を容易に乗り越えて蓋部材40の天壁43の下面に当接する。上フランジ21bが天壁43に当接すると、上フランジ21bによる押圧により径方向外側に変位していた係止部55は、元の形状へと復元して上フランジ21bを係止部55に沿って上方かつ径方向内側に係止する。このとき、係止部55の上端部に設けられた切り欠き55aに上フランジ21bの下面の角部が嵌合し、係止部55が上フランジ21bを安定的に保持する。
【0036】
次に、
図5に示すように、蓋部材40、係止爪部材50、装着筒60、ポンプ70、ノズルヘッド30から成る吐出器に内容器20が装着された組立体を上方から外容器10内に挿入する。この外容器10への装着によって、外容器10の口部11が蓋部材40の外周壁41と係止爪部材50の基部51との間に挿入され、係止爪部材50の径方向外側への変位を規制する。すなわち、口部11の上部は、係止爪部材50の径方向外側への変位を規制する規制部として機能する。
【0037】
上述のように、蓋部材40、係止爪部材50、装着筒60、ポンプ70、ノズルヘッド30から成る吐出具に内容器20が装着された組立体に対して外容器10を装着することによって、係止爪部材50が規制部(口部11の上部)によって径方向外側への変位を規制される。このため、外部衝撃等を受けた場合でも係止爪部材50が径方向外側へ変位するのを効果的に抑制することができる。したがって、係止爪部材50により内容器20のフランジを安定的に係止できるので、外容器10内での内容器20の安定した固定を行うことができる。
【0038】
このように構成される差し替え容器100において、利用者は、ストッパー80を取り外してノズルヘッド30の押圧部36を押し込むと、ノズルヘッド30に固定されたステムが押下げられて、ポンプ70のシリンダー71内に蓄えられた内容物が圧縮されてノズルヘッド30に向かって圧送される。
【0039】
そして、内容物は、ノズルヘッド30の内部通路を通って上昇し、ノズル31内を通って吐出孔31aから外部へ吐出される。
【0040】
ノズルヘッド30を押し切った後、押し込みにかかる力を取り除くと、スプリングの反発力でノズルヘッド30及びステムは初期姿勢へと復帰する。
【0041】
この復帰過程において、ポンプ70のシリンダー71内は負圧となり、内容器20内の内容物がシリンダー71内に取り込まれる。
【0042】
このようにしてノズルヘッド30の押し込みと初期姿勢への復帰を繰り返し行うことで、内容器20の収容空間内の内容物を連続的に吐出させることができる。
【0043】
一方、内容器20内の内容物を使い切ると、利用者は、
図5とは逆の操作を行い、外容器10と蓋部材40との係合を解除し、外容器10に対して他の組立体を上方に持ち上げる。この操作によって、規制部として機能していた外容器10の口部11が係止爪部材50から下方に離隔するため、係止爪部材50の基部51は、径方向外側に変位可能となる。これによって、係止爪部材50の係止部55が上フランジ21bを係止部55に沿って径方向内側及び上方に押圧する力が弱まることに加えて、係止爪部材50は、基部51と延在部53との間の屈曲部、及び延在部53と係止部55との間の屈曲部が容易に弾性変形して、係止部55が容易に径方向外側に変位することができる。従って、利用者は、
図5の左側の組立体から内容器20を下方に引っ張るだけで、上フランジ21bと係止部55との係合が容易に外れて、内容物を使い切った内容器20を蓋部材40等から容易に取り外すことができる。
【0044】
以上述べたように、本実施形態にかかる付け替え容器100は、内容物を収容する内容器20と、内容器20を径方向外側から覆う外容器10と、外容器10の口部11に係合する蓋部材40と、内容器20の上部に設けられたフランジ(上フランジ21b)を径方向外側かつ下方側から係止可能な係止爪部材50と、外容器10に蓋部材40が装着された状態で係止爪部材50の径方向外側への変位を規制する規制部とを備え、係止爪部材50は、規制部が当接可能であり上下方向に延びる基部51と、基部51の端部から径方向内側に延びる延在部53と、延在部53の径方向内側端から上下方向に延びるとともにフランジを係止する係止部55とを有するように構成した。このような構成の採用によって、規制部により係止爪部材50の径方向外側への変位を規制し、外部衝撃等を受けた場合でも係止爪部材50が径方向外側へ変位するのを効果的に抑制することができる。したがって、係止爪部材50により内容器20のフランジを安定的に係止できるので、外容器10内での内容器20の安定した固定を行うことができる。また、付け替え容器100から外容器10を取り外すだけで規制部を係止爪部材50から離隔させて規制部による係止を解除することができる。これによって、係止爪部材50が全体的に径方向外側に変位可能となり、かつ係止部55と延在部53、延在部53と基部51との間が屈曲するように弾性変形可能であるため、内容器20を容易に着脱可能とすることができる。従って、内容器20の付け替えを容易に行うことができる。
【0045】
また、本実施形態では、係止爪部材50は蓋部材40に係合し、規制部は外容器10の口部11であるように構成した。このような構成の採用によって、外容器10の口部11を蓋部材40に係合させることで規制部により係止爪部材50の径方向外側への変位を規制し、外容器10内での内容器20の安定した固定を行うことができる。また、外容器10の口部11と蓋部材40との係合を解除することによって規制部による係止爪部材50の規制を解除することができるので、内容器20の付け替えを容易に行うことができる。
【0046】
また、本実施形態では、延在部53は基部51の下端部から径方向内側に延びており、係止部55は延在部53から径方向内側かつ上方に延びるように構成した。このような構成の採用によって、係止爪部材50が略U字形状を有しているので、基部51と延在部53との間の屈曲部、及び延在部53と係止部55との間の屈曲部が容易に弾性変形して、係止部55が容易に径方向外側に変位することができる。従って、係止爪部材50による内容器20の係止を解除して内容器20の付け替えを容易に行うことができる。
【0047】
また、本実施形態では、内容器20は、フランジが形成された口部21と、内容物の吐出に伴い減容変形可能な収容部(胴部23)とを有するように構成した。このような構成の採用によって、いわゆるパウチ容器である内容器20の付け替えを容易に行うことができる。
【0048】
また、本実施形態では、基部51、延在部53及び係止部55は、それぞれ周方向に複数間欠配置されるように構成した。このような構成の採用によって、係止爪部材50の複数箇所の基部51、延在部53及び係止部55がそれぞれ独立して径方向に容易に変形することができるので、内容器20の着脱性を向上させることができる。
【0049】
本開示を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【0050】
例えば、本実施形態の係止爪部材50では、延在部53は基部51の下端部から径方向内側に延びており、係止部55は延在部53から径方向内側かつ上方に延びるように構成したが、この態様には限定されない。例えば、延在部53が基部51の上端部から径方向内側に延び、係止部55は延在部53から径方向内側かつ下方に延びつつフランジ(上フランジ21b)を径方向外側かつ下方側から係止する、逆U字形状を描くように構成してもよい。
【0051】
また、本実施形態では、内容器20の上フランジ21bが係止爪部材50により係止されるように構成したが、この態様には限定されない。内容器20の下フランジ21cが係止爪部材50により係止されるように構成してもよいし、口部21に設けられたネックリング等が係止爪部材50により係止されるように構成してもよい。
【0052】
また、本実施形態では、内容器20としてパウチ容器を想定して説明したが、この態様には限定されない。内容器20は、例えば押出しブロー成形により形成されたネックリングを有する合成樹脂製容器であってもよい。
【0053】
また、ポンプ70は、ステムが押し下げられることにより作動するものであれば、様々な構成のものを採用することができる。
【符号の説明】
【0054】
10 外容器
11 口部
11a 雄ねじ部
13 胴部
15 底部
20 内容器
21 口部
21a 筒状部
21b 上フランジ(フランジ)
21c 下フランジ
21d 固定筒
23 胴部(収容部)
25 底部
30 ノズルヘッド
31 ノズル
31a 吐出孔
34 周壁
36 押圧部
40 蓋部材
41 外周壁
41a 雌ねじ部
43 天壁
43a 開口
43b シール壁
45 中筒壁
45a 雄ねじ部
50 係止爪部材
51 基部
51a 環状フランジ
53 延在部
55 係止部
55a 切り欠き
60 装着筒
61 周壁
61a 雌ねじ部
63 天壁
65 上筒壁
70 ポンプ
71 シリンダー
72 装着フランジ
80 ストッパー
100 付け替え容器
O 中心軸線
PK パッキン