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  • 特開-ドローン消音装置 図1
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  • 特開-ドローン消音装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159360
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ドローン消音装置
(51)【国際特許分類】
   B64U 20/20 20230101AFI20241031BHJP
   B64U 10/13 20230101ALI20241031BHJP
   B64U 20/83 20230101ALI20241031BHJP
【FI】
B64U20/20
B64U10/13
B64U20/83
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023082614
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】595130115
【氏名又は名称】米田 勉
(71)【出願人】
【識別番号】523184146
【氏名又は名称】高橋 義博
(71)【出願人】
【識別番号】523182407
【氏名又は名称】本吉 和征
(72)【発明者】
【氏名】米田 勉
(57)【要約】
【課題】ドローンなどの飛行物体のプロペラが回転する際に発生する風切音を減衰あるいは消滅を可能とする。
【解決手段】飛行物体のプロペラが発生する風切音と逆位相の音波を発生して、プロペラが発生する風切音を減衰または消滅させる消音装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドローンなどの飛行物のプロペラからの音波をマイクにより集音する手段と、集音した音波の特性を解析し特徴を記憶する手段と、解析記憶した音波の特徴から逆位相の音波を生成する手段と、逆位相の音波をスピーカから出力する手段を有するドローン消音装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は近年使われ始めたドローンなどの飛行物の回転プロペラ音が騒音と認知され、社会生活の障害になりつつあり、飛行中の飛行物のプロペラ音を減少あるいは消滅する、ドローン消音装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年はモータ駆動でプロペラを回転し浮上および水平移動可能な、空飛ぶ自動車や空中ドローンの開発が進化しており、荷物の運搬や人間の移動、安全監視などに用いることが多くなっている。ところが、プロペラを回転する方式の弱点としてプロペラが回転する際の風切音が発生し不快な音が地上に届き人間の社会生活に影響を与え始めており、プロペラが回転する風切音の発生を防ぐ手段がないのが現状である。
【0003】
特に空中ドローンのプロペラ回転数は分あたり46000回転が多く、プロペラ回転により発生する騒音レベルは70dB~80dBと言われている。
【0004】
また、前述のプロペラ回転数の46000回転/分は766回転/秒に相当し、周波数に換算すると、おおよそ769Hzに相当する低周波数領域であることが分かる。
【0005】
この低周波領域は人間に対して心身的な不快感や圧迫感などの影響を与えることが知られており、更に、建物などの窓ガラスなどの構造物に振動を与えて物理的な損傷に至ることも知られている共振振動の発生原因となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、ドローンなどの空中飛行を行うためのプロペラによる風切音をプロペラ自身が発生音を減少することはできないので、プロペラの下方位置にプロペラから発生する風切音を減少または消滅する消音装置を具備することにより、プロペラ音を減衰させて、飛行物の下方方向である地上にプロペラ音が届かないことを可能にすることを特徴とする。
【課題を解決しようとする手段】
【0007】
本発明は、ドローンなどのプロペラが回転して浮遊および移動する飛行物のプロペラ音は音波でありマイクで集音すると特定の交流波形になる。この交流波形はプロペラの形状や回転数により異なることが知られている。即ち、ドローンの個体的特徴でありドローンごとに異なるのである。
【0008】
ドローンの個体的特徴であるプロペラ音をマイクにて集音し、音波を電気信号に変換し、飛行中における周波数解析と音圧レベルを計測して、その音波波形パターンを記憶する。ドローンの飛行開始浮遊時、一定飛行中、飛行停止の降下時のプロペラからの音波周波数はそれぞれ異なるが、常時マイクからの収集した音波波形と音圧レベルを解析し記憶する。
【0009】
記憶すると同時に、音波波形パターンと逆位相の信号を生成し、その逆位相信号を電気信号に変換し、その電気信号をスピーカに出力することで、プロペラから発生する音波の逆位相音波をプロペラ方向に放出すると、逆位相音波が下方からプロペラに放出するのでプロペラ音が減衰、消滅されて下方である地上には伝搬しないことが知られている。
【0010】
本発明はマイクによる集音、集音されたプロペラ音の解析と記憶、即ち、学習機能、解析記憶したプロペラ音の波形パターンの逆位相信号の生成、逆位相信号を電気信号に変換しスピーカの駆動による逆位相音波の放出によりプロペラ音の減衰または消滅が可能となることを特徴とする。
【0011】
更に、ドローンのプロペラはシャフトを介してドローン本体に取り付けており、プロペラは複数装備していることが多い。既成のドローンのプロペラシャフトの根元に消音装置の取り付け、即ち、後付けは困難である。そこでプロペラシャフトを回避するため真ん中に穴を空けたドーナツ円形形状の装置の一部を切り欠いて、既存のドローンのプロペラシャフトの根元に装着でき、かつ、消音装置が外れないように消音装置の下部部分に粘着テープなどを用いてドローン本体に簡単に装着できる構造であり、ドローンのプロペラが複数ある場合は、複数の消音装置を各々のプロペラシャフトに装着できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のドローン消音装置はドローンのプロペラが回転することによる風切音をマイクにより集音してリアルタイムで解析し、その風切音の逆位相の音波を生成し、スピーカからドローンのプロペラに下部方向から放出することで、ドローンのプロペラが発生する音波を減衰または消滅することで、地上に居る人間への不快音の遮断、および低周波領域の影響である共振振動を防止する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は本発明の実施例の全体構成図である。
【0014】
図2図2は本発明の実施例の消音装置の全体構造図である。
【0015】
図3図3は本発明の実施例の消音装置の制御構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
既存のドローンのプロペラシャフトを改造せずに、真ん中を空洞にしたドーナツ型円形構造の一部を切り欠き、プロペラシャフトに簡便に取り付けが可能で、一般の一次電池あるいはリチウムイオンなどの二次電池を用いることにより長時間使用できる。
【実施例0017】
図1はドローンの全体構成図であり、プロペラを回転するためのシャフトの軸を囲むようなドーナツ形で真ん中が貫通した形状であり、その丸穴にプロペラシャフトが収まる構造である、更にドーナツ形の一部を切り欠き、プロペラシャフトを外さなくても消音装置を取り付けることができることを示している。10はプロペラ、20はプロペラシャフト、30は消音装置、40はドローンベース、50は粘着テープ。
図2は消音装置の全体構造図であり、ドーナツ形の真ん中を貫通穴で、ドーナツ形の一部を切り欠き、簡単にプロペラシャフトに装着でき、消音装置内部には複数のマイク、複数のスピーカおよび制御用の基板などを具備していることを示している。60はスピーカ、70は貫通穴、80は消音装置、90はマイク。
図3は消音装置の制御構成図であり、マイクからの音波信号は増幅器で増幅されフィルタを介してADコンバータでデジタル変換され周波数解析を行うCPUへ接続される。CPUは入力された音波の周波数解析により、入力信号とは逆位相のデジタル信号を生成しDAコンバータに出力する、その電気信号はフィルタを介して増幅器へ送りスピーカにより逆位相の音波を発生することを示している。また、ドローンとの信号授受はシリアル通信であるUSB、あるいはパラレル接続のPIOを用いる。100はマイク、110はフィルタ、120は増幅器、130はADコンバータ、140はスピーカ、150は増幅器、160はフィルタ、170はDAコンバータ、180はCPU、190はメモリ、200はUSB、210はPIO。
【産業上の利用可能性】
【0018】
ドローンなどの浮遊移動物、ヘリコプター、空飛ぶ自動車、風力発電などは、プロペラが回転することにより風切音が発生し、その不快音の遮断、建造物への共振振動の防止に適用できる。
【符号の説明】
【0019】
10 プロペラ
20 プロペラシャフト
30 消音装置
40 ドローンベース
50 粘着テープ
60 スピーカ
70 貫通抜き穴
80 消音装置
90 マイク
100 マイク
110 フィルタ
120 増幅器
130 ADコンバータ
140 スピーカ
150 増幅器
160 フィルタ
170 DAコンバータ
180 CPU
190 メモリ
200 USB
210 PIO
図1
図2
図3