(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159368
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】植物の栽培管理システム
(51)【国際特許分類】
A01G 7/00 20060101AFI20241031BHJP
A01G 9/14 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A01G7/00 603
A01G9/14 W
【審査請求】有
【請求項の数】50
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023083490
(22)【出願日】2023-04-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】509265575
【氏名又は名称】松井 裕憲
(72)【発明者】
【氏名】松井 裕憲
【テーマコード(参考)】
2B029
【Fターム(参考)】
2B029GA07
(57)【要約】
【課題】本発明は、植物の視認性を向上させ、栽培管理を適切かつ円滑に行えるようにすることを目的としている。
【解決手段】課題を解決するための植物の栽培システムは、植物を固定するための固定手段(ベルト状)1eと、植物の栽培管理を行うためのロボット2aと、から構成し、ロボット2aが植物の固定を行う固定行程を実行できることを特徴としている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の栽培管理システムであって、
植物を固定するための固定手段と、
植物の栽培管理を行うためのロボットと、
から構成し、
ロボットが植物の固定を行う固定行程を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項2】
植物の栽培管理システムであって、
植物を固定するための固定手段と、
植物の栽培管理を行うためのロボットと、
から構成し、
ロボットが植物の枝葉の固定を行う固定行程を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項3】
植物の栽培管理システムであって、
植物を固定するための固定手段と、
植物の栽培管理を行うためのロボットと、
から構成し、
ロボットが植物の茎、幹もしくは、蔓の固定を行う固定行程を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項4】
植物の栽培管理システムであって、
植物を固定するための固定手段と、
植物の栽培管理を行うためのロボットと、
から構成し、
ロボットが収穫物の固定を行う固定行程を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか記載の栽培管理システムであって、
ロボットが固定行程として、植物の茎、幹もしくは蔓を基準に外側方向に向かって枝葉を固定する制御を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか記載の栽培管理システムであって、
ロボットが固定行程として、収穫物を基準に外側方向に向かって枝葉を固定する制御を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか記載の栽培管理システムであって、
固定手段に、植物を押し入れることで固定できる構造を具備し、
ロボットが固定行程として、植物を固定手段に押し入れる制御を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれか記載の栽培管理システムであって、
固定手段に、植物を押し入れる際に開き、植物を押し入れた後は閉じる構造を具備し、
ロボットが固定行程として、植物を固定手段に押し入れる制御を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項9】
請求項1から請求項6のいずれか記載の栽培管理システムであって、
固定手段に、植物を引き入れることで固定できる構造を具備し、
ロボットが固定行程として、植物を固定手段に引き入れる制御を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項10】
請求項1から請求項6のいずれか記載の栽培管理システムであって、
固定手段に、植物を引き入れる際に開き、植物を引き入れた後は閉じる構造を具備し、
ロボットが固定行程として、植物を固定手段に引き入れる制御を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項11】
請求項1から請求項6のいずれか記載の栽培管理システムであって、
栽培管理システムに、ロボットが移動するためのレールを具備し、
固定手段に、植物を押し込むことで固定できる構造を具備し、
ロボットの固定行程として、
植物を固定手段方向へ押し込みながら、植物の根本方向から先端方向へ移動する制御を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項12】
請求項1から請求項6のいずれか記載の栽培管理システムであって、
栽培管理システムに、ロボットが移動するためのレールを具備し、
固定手段に、植物を押し込む際に開き、植物を押し込んだ後は閉じる構造を具備し、
ロボットの固定行程として、
植物を固定手段方向へ押し込みながら、植物の根本方向から先端方向へ移動する制御を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか記載の栽培管理システムであって、
ベルト状に連結した固定手段と、
ベルト状の固定手段の駆動手段と、
を具備していることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項14】
請求項1から請求項12のいずれか記載の栽培管理システムであって、
チェーン状に連結した固定手段と、
チェーン状の固定手段の駆動手段と、
を具備していることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか記載の栽培管理システムであって、
ロボットが、切断するための切断手段を具備し、
固定した植物の切断行程を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項16】
請求項13もしくは、請求項14記載の栽培管理システムであって、
ロボットが、切断するための切断手段を具備し、
枝葉の切断後に、駆動手段を用いて固定手段に固定された植物を下げる行程を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項17】
請求項1から請求項16のいずれか記載の栽培管理システムであって、
ロボットが、収穫するための収穫手段を具備し、
固定した収穫物の収穫を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項18】
請求項13、請求項14もしくは、請求項16記載の栽培管理システムであって、
ロボットが、収穫するための収穫手段を具備し、
収穫物の収穫後に、駆動手段を用いて固定手段に固定された植物を下げる行程を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項19】
請求項1から請求項18のいずれか記載の栽培管理システムであって、
固定手段に温度を調整するための温度調整手段を具備し、固定した植物の温度を調整できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項20】
請求項1から請求項19のいずれか記載の栽培管理システムであって、
固定手段に意図した物質を供給する物質の供給手段を具備し、固定した植物に意図した物質を供給できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項21】
請求項1から請求項20のいずれか記載の栽培管理システムであって、
植物を撮影するための撮影手段を具備し、
撮影手段を用いて植物を撮影する行程を実行し、
撮影した情報を基に植物の栽培管理システムの制御を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項22】
請求項1から請求項21のいずれか記載の栽培管理システムであって、
植物を撮影するための撮影手段を具備し、
撮影手段を用いて植物の根本に最も近い収穫物を撮影する行程を実行し、
撮影した収穫物の情報を基に植物の栽培管理システムの制御を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項23】
請求項1から請求項22のいずれか記載の栽培管理システムであって、
枝葉を観測するための観測手段を具備し、
固定した枝葉を、観測手段を用いて観測する行程と、
観測手段の観測結果を基に枝葉の管理を行う行程と、
を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項24】
植物栽培管理用の固定手段であって、植物を押し込むことで固定できる構造を具備することを特徴とする植物栽培管理用の固定手段。
【請求項25】
植物栽培管理用の固定手段であって、植物を押し込む際に開き、植物を押し込んだ後は閉じる開口部を具備することを特徴とする、植物栽培管理用の固定手段。
【請求項26】
植物栽培管理用の固定手段であって、植物を押し入れることで固定できる構造を具備することを特徴とする植物栽培管理用の固定手段。
【請求項27】
植物栽培管理用の固定手段であって、植物を押し入れる際に開き、植物を押し入れた後は閉じる開口部を具備することを特徴とする、植物栽培管理用の固定手段。
【請求項28】
植物栽培管理用の固定手段であって、植物を引き入れることで固定できる構造を具備することを特徴とする植物栽培管理用の固定手段。
【請求項29】
植物栽培管理用の固定手段であって、植物を引き入れる際に開き、植物を引き入れた後は閉じる開口部を具備することを特徴とする、植物栽培管理用の固定手段。
【請求項30】
植物栽培管理用の固定手段であって、ベルト状に連結していることを特徴とする、植物栽培管理用の固定手段。
【請求項31】
植物栽培管理用の固定手段であって、チェーン状に連結していることを特徴とする、植物栽培管理用の固定手段。
【請求項32】
植物栽培管理用の固定手段であって、栽培管理に関する栽培管理情報を記憶するための記憶手段を具備することを特徴とする、植物栽培管理用の固定手段。
【請求項33】
植物栽培管理用の支柱であって、レールを具備することを特徴とする、植物栽培管理用の支柱。
【請求項34】
植物栽培管理用の支柱であって、固定手段を具備することを特徴とする、植物栽培管理用の支柱。
【請求項35】
植物栽培管理用の支柱であって、栽培管理に関する栽培管理情報を記憶するための記憶手段を具備することを特徴とする、植物栽培管理用の支柱。
【請求項36】
レールであって、植物の固定手段を具備することを特徴とするレール。
【請求項37】
レールであって、栽培管理に関する栽培管理情報を記憶するための記憶手段を具備することを特徴とするレール。
【請求項38】
栽培管理システムの躯体であって、栽培管理に関する栽培管理情報を記憶するための記憶手段を具備することを特徴とする、栽培管理システムの躯体。
【請求項39】
請求項32記載の固定手段、請求項35記載の支柱、請求項37記載のレール、もしくは請求項38の記載の栽培管理システムの躯体、のいずれかに用いるロボットであって、
記憶手段の情報を読み込む読込手段を具備し、
読み込んだ情報を基に動作を行うことができることを特徴とする、ロボット。
【請求項40】
請求項32記載の固定手段、請求項35記載の支柱、請求項37記載のレール、もしくは請求項38記載の栽培管理システムの躯体、のいずれかに用いるロボットであって、
記憶手段に情報を書き込むための書込み手段を具備し、
栽培管理に関する栽培管理情報を記憶手段に書き込むことができることを特徴とする、ロボット。
【請求項41】
栽培管理システムに用いるロボットであって、
植物を押し込むための押込み手段を具備することを特徴とする、ロボット。
【請求項42】
栽培管理システムに用いるロボットであって、
植物の形状および押し込む強さに応じて変形する、植物を押し込むための押込み手段を具備することを特徴とする、ロボット。
【請求項43】
栽培管理システムの躯体であって、
ベルト状に連結された固定手段と、
ベルト状に連結された固定手段の駆動手段と、
を具備していることを特徴とする、栽培管理システムの躯体。
【請求項44】
栽培管理システムの躯体であって、
チェーン状に連結された固定手段と、
チェーン状に連結された固定手段の駆動手段と、
を具備していることを特徴とする、栽培管理システムの躯体。
【請求項45】
請求項43もしくは、請求項44記載の栽培管理システムの躯体であって、
レールを具備することを特徴とする、栽培管理システムの躯体。
【請求項46】
請求項43から請求項45のいずれか記載の栽培管理システムの躯体であって、
温度を調整する温度調整手段を具備することを特徴とする、栽培管理システムの躯体。
【請求項47】
請求項43から請求項46記載の栽培管理システムの躯体であって、
意図した物質を供給する物質の供給手段を具備することを特徴とする、栽培管理システムの躯体。
【請求項48】
植物の栽培管理システムであって、
植物の栽培管理に関する情報としての栽培管理情報を記憶する記憶手段と、
記憶手段を具備する栽培管理システムの躯体と、
植物の栽培管理を行うためのロボットと、
から構成し、
ロボットが栽培管理情報を基に栽培管理を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項49】
植物の栽培管理システムであって、
植物の栽培管理を行うためのロボットを具備し、
ロボットが栽培管理範囲を決定し、栽培管理範囲に応じた栽培管理を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【請求項50】
植物の栽培管理システムであって、
植物の栽培管理に関する情報としての栽培管理情報を記憶する記憶手段と、
記憶手段を具備する栽培管理システムの躯体と、
植物の栽培管理を行うためのロボットと、
から構成し、
ロボットが栽培管理情報を基に、栽培管理範囲に応じた栽培管理を実行できることを特徴とする、栽培管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に植物の栽培管理を行う栽培管理システムに関する物である。
【背景技術】
【0002】
植物の栽培管理を行うシステムとして、ハウス栽培の環境を調整する調整システム、自動で物質を散布するシステム、植物への水の供給を自動で行うシステム、など周知の栽培管理システムがある。
【0003】
栽培管理用のロボットとして、レール上を駆動する栽培管理用のロボットや、収穫を行うロボット、栽培管理用のロボットアーム、栽培管理用のロボットハンド、栽培管理用のロボットフィンガなど、周知の栽培管理用のロボットがある。
【0004】
栽培管理システムや栽培管理用のロボットによって栽培管理を行う際に、植物を撮影し撮影した植物の情報を基に栽培管理が行われることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
植物の枝葉が乱雑に生い茂ることにより視認性が下がり栽培管理作業の効率が下がることがある。本発明は、植物の視認性を向上させ、栽培管理を適切かつ円滑に行えるようにすることを目的としている。
【0006】
本発明は、植物の枝葉の視認性を向上させ、枝葉の管理を適切かつ円滑に行えるようにすることを目的としている。
【0007】
本発明は、ロボットによる植物の固定を容易にしかつ、確実に行えるようにすることを目的としている。
【0008】
本発明は、植物の温度調整の効率の向上を目的としている。
【0009】
本発明は、植物への物質供給の効率の向上を目的としている。
【0010】
本発明は、植物の収穫作業の効率の向上を目的としている。
【0011】
本発明は、収穫物の品質向上を目的としている。
【0012】
植物の栽培管理をロボットによって行う場合、主枝、亜主枝の見分けや見分けに基づく栽培管理は容易ではなく、植物全体を把握したうえでの栽培管理が必要となり、栽培管理の行程が複雑になるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
課題を解決するための請求項1記載の植物の栽培管理システムは、植物を固定するための固定手段と、植物の栽培管理を行うためのロボットと、から構成し、ロボットが植物の固定を行う固定行程を実行できることを特徴としている。
【0014】
課題を解決するための請求項2記載の植物の栽培管理システムは、植物を固定するための固定手段と、植物の栽培管理を行うためのロボットと、から構成し、ロボットが植物の枝葉の固定を行う固定行程を実行できることを特徴としている。
【0015】
課題を解決するための請求項3記載の植物の栽培管理システムは、植物を固定するための固定手段と、植物の栽培管理を行うためのロボットと、から構成し、ロボットが植物の茎、幹もしくは、蔓の固定を行う固定行程を実行できることを特徴としている。
【0016】
課題を解決するための請求項4記載の植物の栽培管理システムは、植物を固定するための固定手段と、植物の栽培管理を行うためのロボットと、から構成し、ロボットが収穫物の固定を行う固定行程を実行できることを特徴としている。
【0017】
課題を解決するための請求項5記載の植物の栽培管理システムは、ロボットが固定行程として、植物の茎、幹もしくは蔓を基準に外側方向に向かって枝葉を固定する制御を実行できることを特徴としている。
【0018】
課題を解決するための請求項6記載の植物の栽培管理システムは、ロボットが固定行程として、収穫物を基準に外側方向に向かって枝葉を固定する制御を実行できることを特徴としている。
【0019】
課題を解決するための請求項19記載の植物の栽培管理システムは、固定手段に温度を調整するための温度調整手段を具備し、固定した植物の温度を調整できることを特徴としている。
【0020】
課題を解決するための請求項20記載の植物の栽培管理システムは、固定手段に意図した物質を供給する物質の供給手段を具備し、固定した植物に意図した物質を供給できることを特徴としている。
【0021】
課題を解決するための請求項21記載の植物の栽培管理システムは、
植物を撮影するための撮影手段を具備し、撮影手段を用いて植物を撮影する行程を実行し、撮影した情報を基に植物の栽培管理システムの制御を実行できることを特徴としている。
【0022】
課題を解決するための請求22記載の植物の栽培管理システムは、植物を撮影するための撮影手段を具備し、撮影手段を用いて植物の根本に最も近い収穫物を撮影する行程を実行し、撮影した収穫物の情報を基に植物の栽培管理システムの制御を実行できることを特徴としている。
【0023】
課題を解決するための請求項23記載の植物の栽培管理システムは、枝葉を観測するための観測手段を具備し、固定した枝葉を、観測手段を用いて観測する行程と、観測手段の観測結果を基に枝葉の管理を行う行程と、を実行できることを特徴としている。
【0024】
課題を解決するための請求項48記載の植物の栽培管理システムは、植物の栽培管理に関する情報としての栽培管理情報を記憶する記憶手段と、記憶手段を具備する栽培管理システムの躯体と、植物の栽培管理を行うためのロボットと、から構成し、ロボットが栽培管理情報を基に栽培管理を実行できることを特徴としている。
【0025】
課題を解決するための請求項50記載の植物の栽培管理システムは、植物の栽培管理に関する情報としての栽培管理情報を記憶する記憶手段と、記憶手段を具備する栽培管理システムの躯体と、植物の栽培管理を行うためのロボットと、から構成し、ロボットが栽培管理情報を基に、栽培管理範囲に応じた栽培管理を実行できることを特徴としている。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、枝葉、植物の茎、幹、蔓、収穫物を固定することができ、枝葉を、植物の茎、幹、蔓、収穫物を基準に外側に向かって固定することもできる。また、植物の撮影手段により植物を撮影し撮影した情報を基に植物の栽培管理を実行できる。枝葉を固定することにより、枝葉を整理でき、枝葉が乱雑に生い茂るということを防ぐことができ、植物を固定することにより、植物が整理され、植物の視認性が向上し、栽培管理作業がし易くなり、栽培管理を適切かつ円滑に行えるようになる。
【0027】
本発明によれば、枝葉を固定でき、茎、幹、蔓、収穫物を基準に外側に向かって固定することができる。また、枝葉を観測するための観測手段により固定した枝葉を観測し栽培管理を行うことができる。このことにより、枝葉が固定され枝葉の視認性が向上し、栽培管理作業がし易くなる。また、枝葉の栽培管理を適切かつ円滑に行えるようになる。
【0028】
本発明によれば、栽培管理システムに、植物を押し込む、押し入れるもしくは、引き入れることで植物が固定できる固定手段を具備しており、植物を押し込む、押し入れるもしくは、引き入れるだけで植物を固定することができる。このことにより、ロボットによる植物の固定を容易かつ確実に行えるようになる。
【0029】
本発によれば、植物を固定する固定手段に植物の温度を調整するための温度調整手段を具備し、植物の温度調整を行うことができる。このことにより、植物に近いところから温度調整ができ、温度調整の効率を向上できる。
【0030】
本発明によれば、植物を固定する固定手段に植物へ意図した物質を供給する供給手段を具備し、植物に意図した物質を供給できる。このことにより、植物に近いところから物質を供給でき物質供給の効率を向上できる。
【0031】
本発明によれば、枝葉、植物の茎、幹、蔓、収穫物を固定することができ、枝葉を、収穫物を基準に外側に向かって固定することもできる。このことにより、収穫物の視認性が向上し、収穫物の収穫がし易くなり、収穫作業の効率を向上できる。
【0032】
本発明によれば、撮影手段を具備し、撮影手段を用いて植物の根本に最も近い収穫物を撮影する行程を実行し、撮影した収穫物の情報を基に植物の栽培管理システムの制御を実行できる。このことにより、収穫物を基準とした栽培管理ができ、収穫物の品質を向上できる。
【0033】
本発明によれば、栽培管理範囲を決定し、栽培管理範囲に応じた栽培管理ができ、躯体に合わせた栽培管理を行うことができ、どの枝を主枝、亜主枝とするかを栽培管理システムが決め、栽培管理を行うことができる。このことにより、主枝、亜主枝の見分けが不要となり、植物全体を把握せずとも栽培管理ができ、栽培管理範囲毎に栽培管理行程を設定でき、栽培管理行程を単純にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図2】ベルト状に連結した固定手段と駆動手段によって構成した躯体の一例
【
図3】ロボットと躯体から構成した栽培管理システムの一例
【
図5】支柱、レール、固定手段、記憶手段、供給手段、温度調整手段の構成の一例
【
図11】チェーン状に連結した固定手段と駆動手段による躯体の一例
【
図14】記憶手段を具備する躯体と栽培管理範囲の一例
【
図15】記憶手段と固定手段を具備する躯体と栽培管理範囲の一例
【
図16】一文字仕立て用の躯体(正面)と栽培管理範囲の一例
【
図17】一文字仕立て用の躯体(正面)による栽培ステムの一例
【
図18】棚仕立て用の躯体(上面)と栽培管理範囲の一例
【
図19】棚仕立て用の躯体(上面)による栽培システムの一例
【発明を実施するための形態】
【0035】
植物の栽培管理システムを、植物を固定するための固定手段1aと、植物の栽培管理を行うためのロボット2aと、から、ロボット2aが植物の固定を行う固定行程を実行できるように構成する。
【0036】
各手段の素材としては、金属、非金属、木材、竹、弾性のある金属、ゴムなどのエラストマーなど、周知の素材があり各手段にとって最適なものを用いればよく限定するものではなく、組み合わせてもよい。
【0037】
植物を固定する固定手段1aは、植物を固定できるものであればよく、その形状、構造、素材、を限定するものではない。
【0038】
固定手段1aの形状は、例えば、フック形状、袋小路形状、など植物を固定できる形状であればよく限定するものではない。
【0039】
固定手段1aは、植物を押し込む、押し入れるもしくは、引き入れることで植物を固定できることがより望ましい。
【0040】
固定の対象物を押し込む、押し入れるもしくは、引き入れる際に開き、対象物を押し込んだ、押し入れたもしくは、引き入れた後は閉じる開口部を具備し、対象物を押し込む、押し入れるもしくは、引き入れることで固定できる構造を具備しいている周知のものとして、例えば、ケーブルホルダー、コードホルダーなどがある。ケーブルホルダー、コードホルダーに用いられている固定手段は、ケーブルもしくはコードを押し込む、押し入れるもしくは、引き入れる際に開き、ケーブルもしくはコードを押し込んだ、押入れたもしくは、引き入れた後は閉じる、開口部を具備した構造である。
【0041】
固定する植物に合わせて、素材、強度、大きさ、開口部の大きさ、などを決め、ケーブルホルダー、コードホルダーに用いられている構造を本発明の固定手段1aに応用することで、植物を押し込む、押し入れるもしくは、引き入れる際に開き、植物を押し込んだ、押し入れたもしくは、引き入れた後は閉じる開口部3aを具備し、植物を押し込む、押し入れるもしくは、引き入れる、ことで植物を固定できる構造の固定手段1aとなる。一例であり、植物を押し込む、押し入れるもしくは、引き入れる、ことで固定できるものであればよく限定するものではない。
【0042】
図面の
図1は植物を押し込む、押し入れるもしくは、引き入れることで固定できる構造とした固定手段1aの一例である。開口部3aに弾性のある素材を用い、植物を押し込む、押し入れるもしくは、引き入れることで変形し開き、植物を押し込んだ、押し入れたもしくは、引き入れた後は弾性により戻り閉じるようにした構造であり、押し込む、押し入れるもしくは、引き入れることで植物を固定できる。一例であり、固定手段1aの形状、構造、素材を限定するものではなく、植物を押し込む、押し入れるもしくは、引き入れることで固定できるのであればよい。
【0043】
弾性のある素材でリング状に成形し、一部に切り込みを入れ開くようにし、切り込みの箇所が植物の受け口となる角度で、切り込みの箇所以外の少なくとも一か所を固定した構造とすることで、植物を押し込む、押し入れるもしくは、引き入れることで変形し開き、植物を押し込んだ、押し入れたもしくは、引き入れた後は弾性により戻り閉じ固定できる開口部3aを具備した固定手段1aとなる。リングの形は、円形、三角形、四角形、多角形などその形を限定するものではなく、植物の固定に最適な形であればよい。
【0044】
図面の
図10は固定手段1aの一例であり、図のように固定手段1aをカラビナと同様の開口部を具備した構造とすることで、植物を押し込む、押し入れるもしくは、引き入れる際に開き、植物を押し込んだ、押し入れたもしくは引き入れた後は閉じる開口部3aを具備した固定手段1aとなり、植物を押し込む、押し入れるもしくは、引き入れることで固定できる構造を具備した固定手段1aとなる。一例であり、開口部3aおよび固定手段1aの構造、素材を限定するものではなく、植物を押し込む、押し入れるもしくは、引き入れることで固定できるものであればよい。
【0045】
固定手段には、記憶手段6aを必要に応じて具備する。記憶手段6aは、固定手段に張り付けて具備するもしくは、埋め込んで具備すればよい。
【0046】
図面の
図4はロボット2aの構成の一例であり、切断手段(刃部)2i、ロボットアーム2d、ロボットフィンガ2e、レール5aの移動手段としての走行車輪2gおよび案内輪2h、押込み手段9aを具備し構成したものである。
【0047】
ロボット2aは、ロボットに関する周知の技術、仕組み、機能、プログラム、構成があり、栽培管理する植物と栽培管理の内容に合わせて最適な工程を実行できるように、技術、仕組み、機能、形状、素材、プログラムを最適な構成で応用すればよく、詳細な説明を省略するが、例えば、植物の栽培管理ができるロボットアーム、撮影手段、切断手段、収穫手段、観測手段、ロボットアーム、ロボットハンド、ロボットフィンガ、移動手段、レールの移動手段など植物の栽培管理に必要な手段を少なくとも1つは具備し植物の栽培管理ができるロボット、などがある。栽培管理する植物と栽培管理の内容に合わせて、最適な工程を実行できるものであればよく限定するものではない。
【0048】
ロボット2aによる固定行程は、固定手段1aに植物を押し込む、押し入れるもしくは、引き入れることで行う。
【0049】
植物を押し込むための押込み手段9aは、植物を押し込むことができるものであればよく、例えば、ロボットフィンガ、ロボットハンド、ロボットアームの少なくとも1つで植物を押し込むためのプログラムをロボット2aに具備し、ロボットフィンガ、ロボットハンド、ロボットアームの少なくとも1つを押込み手段9aとすればよい。対象物を押し込むためのプログラムは周知のものがあり詳細な説明を省略するが、対象となる植物に合わせて適切な力で意図した方向に押し込むことができるように応用し植物を押し込むプログラムとする。
【0050】
植物を押込むための押込み手段9aは、植物の形状および押し込む強さ、に応じて変形することがより望ましい。例えば、風船構造の押込み手段9aもしくは弾性体の押込み手段9aとする。風船構造の押込み手段9aは柔軟性のある素材を用いた風船に気体、液体のどちらかもしくは両方を封入したものをロボットフィンガ、ロボットハンド、ロボットアームのいずれかの先端に取り付けたものであり、弾性体の押込み手段9aは弾性のある素材を球体、直方体、などの立体形状に成形した弾性体をロボットフィンガ、ロボットハンド、ロボットアームのいずれかの先端に取り付けたものである。一例であり、植物の形状および押し込む強さ、に応じて変形するものであればよく、この限りではない。
図4はロボット2aの構成の一例である。
【0051】
植物を押し入れるための押し入れ手段は、植物を押し入れることができるものであればよく、例えば、ロボットフィンガ、ロボットハンド、ロボットアームの少なくとも1つで植物を押し入れるためのプログラムをロボット2aに具備し、ロボットフィンガ、ロボットハンド、ロボットアームの少なくとも1つを押し入れ手段とすればよい。対象物を押し入れるためのプログラムは周知のものがあり詳細な説明を省略するが、対象となる植物に合わせて適切な力で意図した方向に押し入れることができるように応用し植物を押し入れるプログラムとする。
【0052】
植物を固定手段1aに引き入れるための引き入れ手段は、植物を引き入れることができるものであればよく、例えば、ロボットフィンガ、ロボットハンド、ロボットアームの少なくとも1つで植物を引き入れるためのプログラムをロボット2aに具備し、ロボットフィンガ、ロボットハンド、ロボットアームの少なくとも1つを引き入れ手段とすればよい。対象物を引き入れるためのプログラムは周知のものがあり詳細な説明を省略するが、対象となる植物に合わせて適切な力で意図した方向に引き入れることができるように応用し植物を引き入れるプログラムとする。
【0053】
ロボット2aに具備する切断手段は、植物に合わせて切断に最適なものを用いればよく、周知のものがあり詳細な説明は省略するが、例えば、単一の刃、のこぎり、チェーンソー、なた、鋏、などがある。植物に合わせて最適な切断手段用いればよく限定するものではない。
【0054】
ロボット2aに具備する収穫手段は、収穫物に合わせて収穫に最適なものを用いればよく、周知のものがあり詳細な説明は省略するが、例えば、ロボットフィンガ、ロボットハンド、ロボットアーム、ロボットフィンガと切断手段を組み合わせた収穫手段、ロボットハンドと切断手段を組み合わせた収穫手段、ロボットアームと切断手段を組み合わせた収穫手段、などがある。収穫物に合わせて収穫に最適なものを用いればよく、限定するものではない。
【0055】
ロボット2aが移動するためのレール5aは、ロボット2aの移動に最適なものを用いればよく、周知のものがあり詳細な説明は省略するが、例えば、ロボットアームに用いられているレール、電車用のレール、モノレール用のレール、ガイドレール、スライドレールなどがある。ロボット2aが移動するために最適な大きさ、長さ、強度に調整して用いればよく、限定するものではない。
【0056】
レール5aには、固定手段1a、記憶手段6aを必要に応じて具備する。図面の
図6はレール5aに固定手段1a、記憶手段6aを具備した場合の一例である。記憶手段6aは、張り付けて具備するもしくは、埋め込んで具備すればよい。
【0057】
記憶手段6aは、栽培管理に関する栽培管理情報を記憶するための手段であり、情報を記憶できるものであればよく周知のものがあり詳細な説明を省略するが、例えば、非接触型の記憶手段、接触型の記憶手段、ICチップ、ICタグ、などがあり、記憶する情報の量に応じて最適なものを用いればよく、限定するものではない。
【0058】
記憶手段6aが記憶する栽培管理に関する栽培管理情報は、例えば、栽培管理を行う範囲としての栽培管理範囲、場所を示す情報としての座標、どういう作業を行うかの作業指示、どういった作業を行ったかの作業内容、作業をいつ行うかもしくは作業をいつ行ったかの情報としての作業日、植物に関する情報(雌雄、主枝、亜主枝、結果母枝、結果枝、側枝、新梢、副梢、果実、品種、月齢、年齢、長さ、太さ、大きさ、座標、重さ、葉の数など)としての植物情報、など栽培管理に必要な情報であり、この限りではなく、栽培管理情報を基にロボット2aが動作を行うために必要な情報、プログラムを、記憶手段6aおよびロボット2aに記憶しておく。
【0059】
記憶手段6aを栽培管理システムに具備する場合は、ロボット2aに、記憶手段6aの情報を読み込む読込手段および、記憶手段6aに情報を書き込む書込み手段を具備し、記憶手段6aの栽培管理情報の読み込みと記憶手段6aへの栽培管理情報の書き込みができるようにし、読み込んだ栽培管理情報を基に動作を行えるようにする。
【0060】
図面の
図2は、固定手段1aをベルト状に連結し駆動手段4aに具備し、栽培管理システムの躯体を構成した一例である。固定手段1aをベルト状に連結する場合は、固定する植物に合わせて、固定手段1aおよびベルトの大きさ、幅、長さ、形状、構造、素材などを最適なものにすればよく限定するものではなく、植物を固定できるものであればよい。
【0061】
図面の
図11は、固定手段1aをチェーン状に連結し駆動手段4aに具備し、栽培管理システムの躯体を構成した一例である。固定手段1aをチェーン状に連結する場合は、固定する植物に合わせて、固定手段1aおよびチェーンの大きさ、幅、長さ、形状、構造、素材などを最適なものにすればよく限定するものではなく、植物を固定できるものであればよい。
【0062】
撮影手段は、植物の管理に用いる情報に合わせて最適なものを用いればよく、周知の物があり詳細な説明は省略するが、カメラ、不可視光線を撮影できるカメラ、電磁波を撮影できるカメラ、赤外線を撮影できるカメラ、紫外線を撮影できるカメラ、ガス検知用のカメラなどがある。植物の栽培管理に用いる情報の撮影に合わせて最適なものを用いればよく限定するものではない。
【0063】
枝葉を観測する観測手段は、枝葉の栽培管理に必要な情報に応じて最適なものであればよく、周知のものがあり詳細な説明は省略するが、撮影手段、CO2測定装置、クロロフィル測定装置、蒸散量測定装置、などがある。枝葉の栽培管理に用いる情報に応じて最適なものを用いればよく限定するものではない。
【実施例0064】
栽培管理システムを栽培管理システムの躯体とロボット2aから構成し、栽培管理対象の植物をトマトもしくはミニトマトとし、トマトもしくはミニトマトの栽培管理システムとする。図面の
図3はロボット2aと躯体から構成した栽培管理システムの一例である。
【0065】
栽培管理システムの躯体は、ベルト状に連結した固定手段1aと、駆動手段としてのモーターおよびプーリーと、レール5aと、から構成し、躯体に記憶手段6aを具備する。
【0066】
記憶手段6aは、栽培管理の対象毎に具備することがより望ましい。
図3は、ベルト状の固定手段1つにつき、一つの記憶手段を具備した場合の例である。ベルト状の固定手段1つにつき1本のトマトもしくはミニトマトの栽培管理を行う。
【0067】
ロボット2aに、押込み手段9a、押入れ手段、引き入れ手段、切断手段、収穫手段、撮影手段、読込手段、書込み手段、観測手段を具備する。
【0068】
ロボット2aと駆動手段4aには互いに通信ができるように通信手段を具備し、ロボット2aからの信号を受けて駆動手段4aが駆動するように構成する。
【0069】
固定手段1aは、植物を押し込む、押し入れるもしくは、引き入れることで固定できる構造を具備した固定手段1aとする。
【0070】
切断手段は単一の刃を用いた刃部を有するものとする。刃部は、彫刻当の丸刀に用いられている刃と同様の形状をし、植物を押し切るものを用いる。
【0071】
実施例1では切断手段として、単一の刃を用いているが、切断手段として鋏を用いてもよい。ロボットが鋏を用いて切断する仕組みは周知のものがあり詳細な説明は省略するが、対象物を切断できるものであればよく、限定するものではない。
【0072】
制御プログラム、画像処理の方法、判別の基準、判断の基準は予めロボット2aに記憶しておく。もしくは、ロボット2aとは別にコンピュータを栽培管理システムに具備し、制御プログラム、画像処理の方法、判別の基準、判断の基準を予めコンピュータに記憶しておき、コンピュータとロボット2aに通信手段を具備し、コンピュータからの通信を受けてロボット2aが制御を実行するように構成する。
【0073】
ロボット2aは撮影手段を用いて、植物(トマトもしくはミニトマトの木)の撮影を行い、枝葉、収穫物としての果実(トマトもしくはミニトマト)、茎の判別と、固定手段1aに固定されているかの判別と、固定に適した大きさ、太さかの判別と、を行う。
【0074】
植物の枝葉、収穫物、茎、幹および蔓の判別、固定されているかの判別、固定に適した大きさ、太さかの判別は、画像処理によって行えばよく、画像処理の方法は周知のものがあり詳細な説明を省略するが、植物栽培管理用のロボットに用いられているもの、監視カメラに用いられているもの、カメラに用いられているもの、アプリケーションに用いられているもの、などがあり、植物の枝葉、収穫物、茎、幹および蔓、固定されているか否か、固定に適した大きさ、太さか、を判別できるものであればよく限定するものではない。
【0075】
ロボット2aは、固定されていない、固定に適した枝葉、果実(トマトもしくはミニトマト)、茎がある場合には、固定を行うかの判断と、固定を行う場合は、押込み手段9aによって押し込む、押し入れ手段によって押し入れる、引き入れ手段によって引き入れる、動作の中から最適な動作を選択する判断を行い、最適な動作により固定手段1aに固定を行う。
【0076】
ロボット2aは、枝葉を固定する場合、枝葉の近くに果実がある場合には果実と茎を基準に外側方向に枝葉を固定し、枝葉の近くに果実が無い場合には茎を基準に外側方向に枝葉を固定する。
【0077】
ロボット2aは、撮影手段を用いて植物を撮影し、撮影した植物の状態から押込み手段9aにより連続して固定手段1aに押込み固定できると判断した場合は、押込み手段9aを植物に押し当てて固定手段1a方向へ押込みながら、根本方向から先端方向へと移動し植物を固定する。図面の
図7は枝葉、収穫物の固定行程の一例である。
【0078】
ロボット2aは、観測手段を用いて固定した枝葉の観測を行い、栽培管理を行う。
【0079】
ロボット2aは、観測手段を用いて不要な枝葉がないかの判断を行う。観測手段を用いて固定した枝葉を撮影し最も根本に近い果実より下にある葉を不要と判断したり、観測手段を用いて固定した枝葉を撮影し枝葉の数を計測し基準の枚数を超える数を不要な枝葉の枚数と判断したり、観測手段を用いて固定した枝葉を撮影し葉の面積を計測し基準となる葉の面積から不要な葉を判断したり、観測手段を用いて葉の活動(光合成)の度合いを測定して計算し不要か否かを判断したりする。
【0080】
ロボット2aは、不要な枝葉があると判断した場合は、切断手段を用いて不要な枝葉の切断を行う。図面の
図8は枝葉の切断行程の一例である。
【0081】
ロボット2aは、撮影手段を用いて果実を撮影し、摘果と収穫を行うかの判断を行う。撮影手段を用いて最も根本に近い果実を撮影し大きさ、色合い、などから収穫するか否かを判断したり、撮影手段を用いて果実を撮影し果実の数、形、大きさ、色合いなどから摘果を行うか判断したりする。
【0082】
ロボット2aは、収穫を行う場合には収穫手段を用いて果実の収穫を行う。図面の
図9は収穫物の収穫行程の一例である。
【0083】
ロボット2aは、摘果が必要な場合には切断手段を用いて不要な果実を切断し摘果を行う。
【0084】
ロボット2aは、枝葉を切断した場合や果実を収穫した場合に、駆動手段4aを用いて、ベルト状の固定手段1aを下げることにより、固定した植物を下げる。
【0085】
ロボット2aは、作業内容や、作業日などの栽培管理に関する栽培管理情報を、書込み手段を用いて記憶手段6aに書込む。
【0086】
ロボット2aは、記憶手段6aから読込手段を用いて情報を読み込み、栽培管理に関する栽培管理情報を読み込んだ場合は、読込んだ情報を基に動作を行う。作業内容、作業日の情報を基に、枝葉の栽培管理を実施した日から規定の日数は枝葉の栽培管理に関する動作を行わない、果実の栽培管理をした日から規定の日数は果実の栽培管理に関する動作を行わない、など、省略する動作を判断し動作を行う。