(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015940
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】被覆構造体
(51)【国際特許分類】
B62D 33/04 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
B62D33/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022128471
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】502095203
【氏名又は名称】株式会社北誠商事
(72)【発明者】
【氏名】高柳 博
(57)【要約】 (修正有)
【課題】トラック用荷台覆い機器において利便性を向上し得る被覆構造体を提供する。
【解決手段】基体部11と基体部11に対して回動可能に連結されて被覆領域Cの一部を開閉する可動部12とを備えて、可動部12を閉状態としたときに有底半円筒体をなすように構成され、基体部11は、中心角が100°から150°の範囲内である有底の部分円筒体をなすように構成され、可動部12は、基体部11の中心軸回りに回動するように基体部11に連結されると共に閉状態としたときに可動部12の外周面12bの端部12cと基体部11の内周面11bの端部11cとが重なり合う有底部分円筒体をなすように構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆領域の一部を開閉可能に被覆する被覆構造体であって、
基体部と当該基体部に対して回動可能に連結されて前記被覆領域の一部を開閉する可動部とを備えて、前記可動部を閉状態としたときに有底半円筒体をなすように構成され、
前記基体部は、中心角が100°から150°の範囲内である有底の部分円筒体をなすように構成され、
前記可動部は、前記基体部の中心軸回りに回動するように当該基体部に連結されると共に前記閉状態としたときに当該可動部の外周面の端部と前記基体部の内周面の端部とが重なり合う有底部分円筒体をなすように構成されている被覆構造体。
【請求項2】
前記基体部における前記内周面の端部および前記可動部における前記外周面の端部には、前記内周面および前記外周面から突出するリブが前記中心軸方向に沿ってそれぞれ配設されている請求項1記載の被覆構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被覆領域を被覆する被覆構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の被覆構造体として、下記特許文献1に開示されたトラック用荷台覆い機器が知られている。このトラック用荷台覆い機器は、トラックの荷台における煽り板の上面に配設された支柱固定管に屋根型の支柱を固定し、その支柱の上を幌カバーで覆うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記した従来のトラック用荷台覆い機器には、改善すべき以下の課題がある。具体的には、従来のトラック用荷台覆い機器では、荷台に積載物を積載するために被覆領域としての荷台を開放する際に幌カバーを取り外す必要があり煩雑である。また、荷台の一部のみを開放して、長尺の積載物の一部を幌カバーから露出させた状態で積載する使用形態では、幌カバーの一部を畳んだり巻いたりする必要がある。このように、従来のトラック用荷台覆い機器には、利便性に欠けるとの課題があり、この点の改善が望まれている。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、利便性を向上し得る被覆構造体を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の被覆構造体は、被覆領域の一部を開閉可能に被覆する被覆構造体であって、基体部と当該基体部に対して回動可能に連結されて前記被覆領域の一部を開閉する可動部とを備えて、前記可動部を閉状態としたときに有底半円筒体をなすように構成され、前記基体部は、中心角が100°から150°の範囲内である有底の部分円筒体をなすように構成され、前記可動部は、前記基体部の中心軸回りに回動するように当該基体部に連結されると共に前記閉状態としたときに当該可動部の外周面の端部と前記基体部の内周面の端部とが重なり合う有底部分円筒体をなすように構成されている。
【0007】
また、請求項2記載の被覆構造体は、請求項1記載の被覆構造体において、前記基体部における前記内周面の端部および前記可動部における前記外周面の端部には、前記内周面および前記外周面から突出するリブが前記中心軸方向に沿ってそれぞれ配設されている。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の被覆構造体によれば、基体部と基体部に対して回動可能に連結された可動部とを備えたことにより、可動部を回動させることで被覆領域の一部を容易に開閉することができる。このため、この被覆構造体によれば、例えば、被覆領域としてのトラックの荷台に設置し、荷台の一部を解放して積載物を荷台に積載して積載後に荷台を覆う作業を容易に行うことができる。また、荷台の一部のみを開放して長尺の積載物の一部を被覆構造体から露出させた状態で積載する使用形態においても、可動部を回動さるだけで荷台の一部を開放することができるため、このような使用形態の作業も容易に行うことができ、利便性を十分に向上させることができる。また、この被覆構造体によれば、中心角が100°から150°の範囲内である有底の部分円筒体をなすように基体部を構成し、可動部を閉状態としたときに可動部の周面の端部と基体部の周面の端部とが重なり合う有底部分円筒体をなすように可動部を構成したことにより、基体部と可動部とが重なり合う部分が被覆構造体(有底半円筒体)の頂部よりも底部側にずれた位置となるため、降雨時における被覆領域への雨水の侵入を確実に防止することができる。
【0009】
また、請求項2記載の被覆構造体によれば、基体部における内周面の端部および可動部における外周面の端部にリブを配設したことにより、リブによって雨水の逆流を回避することができるため、被覆領域への雨水の侵入をより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図4】被覆構造体1の使用方法を説明する第1の説明図である。
【
図5】被覆構造体1の使用方法を説明する第2の説明図である。
【
図6】被覆構造体1の使用方法を説明する第3の説明図である。
【
図7】被覆構造体1の使用方法を説明する第4の説明図である。
【
図8】被覆構造体1の使用方法を説明する第5の説明図である。
【
図9】被覆構造体1の使用方法を説明する第6の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る被覆構造体の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0012】
最初に、本発明に係る被覆構造体の一例としての
図1に示す被覆構造体1の構成について説明する。被覆構造体1は、被覆領域Cの一部を開閉可能に被覆する機能を有している。具体的には、被覆構造体1は、基体部11および可動部12を備えて構成されている。また、被覆構造体1は、同図に示すように、可動部12を閉状態として被覆領域Cの全体を被覆した状態において、全体として有底半円筒体をなすように構成されている。
【0013】
基体部11は、
図3に示すように、有底(同図における側面11eに相当する)の部分円筒体をなすように構成されている。また、基体部11は、
図2に示すように、部分円筒体の中心角θ1が100°から150°の範囲内となるよう規定されている。本実施例では、一例として、中心角が108°となるように規定されている。また、基体部11における周面11bの端部11c(後述する可動部12の端部12cと重なり合う部位の端部)には、各周面から突出するリブが中心軸方向に沿って配設(延設)されている。また、本実施例では、基体部11は、木製のフレームの表面に樹脂と金属との複合材料パネルを貼って形成されている。
【0014】
可動部12は、
図1に示すように、有底(同図における側面12eに相当する)の部分円筒体をなすように構成されている。また、可動部12は、中心軸12aが基体部11の中心軸11aと同軸(ほぼ同軸)となるように基体部11に連結されて、中心軸12a(または、その近傍)を回動中心として基体部11に回動可能に構成されている。また、可動部12は、閉状態(
図1に示す状態)としたときに可動部12の周面12bの端部と基体部11の周面11bの端部とが重なり合うように構成されている。具体的には、可動部12は、部分円筒体の中心角θ2が180-θ1よりも大きくなるように規定されている。本実施例では、一例として、中心角θ2が74°となるように規定されている。また、本実施例では、可動部12は、基体部11と同様にして、木製のフレームの表面に樹脂と金属との複合材料パネルを貼って形成されている。
【0015】
また、
図1に示すように、可動部12における周面12bの端部12c(可動部12の端部12cと重なり合う部位の端部)には、周面12bから突出するリブ12dが中心軸12a方向に沿って配設(延設)されている。
【0016】
この被覆構造体1では、基体部11に対して回動可能な可動部12を設けたことによりで、可動部12を回動させることで、被覆領域Cの一部を開閉することが可能となっている。
【0017】
次に、被覆構造体1の使用方法について説明する。一例として、被覆領域Cとしてのトラック100の荷台101を被覆する例について説明する。なお、この例では、荷台101の大きさに併せて被覆構造体1が構成されている。また、この例では、被覆構造体1を構成する基体部11の底面11fおよび正面11g、並びに可動部12の底面12fおよび正面12gが開口するように構成されている。
【0018】
まず、被覆構造体1をトラック100の荷台101に設置する。具体的には、
図4,5に示すように、荷台101のあおり102を立てた状態で、基体部11の底面11fの縁部をあおり102の上端面に当接させる。次いで、固定金具を用いて基体部11とあおり102とを固定する。
【0019】
被覆構造体1を設置した状態のトラック100の荷台101に積載物200を積載する際には、
図6に示すように、被覆構造体1の可動部12を回動させる。この際に、荷台101(被覆領域C)の一部が開放される。次いで、積載物200を開放部位から荷台101に積載する。続いて、
図7に示すように、可動部12を回動させて、開放部位を閉塞する。これにより、荷台101への積載物200の積載が完了する。
【0020】
また、この被覆構造体1を設置したトラック100では、長尺の積載物210の積載にも対応することができる。長尺の積載物210を積載する際には、
図8,9に示すように、可動部12を回動させてトラック100の荷台101の一部を開放し、この開放部分から積載物210の一部を露出させた状態で積載することができる。
【0021】
このように、この被覆構造体1によれば、基体部11と基体部11に対して回動可能に連結された可動部12とを備えたことにより、可動部12を回動させることで被覆領域Cの一部を容易に開閉することができる。このため、この被覆構造体1によれば、例えば、被覆領域Cとしてのトラック100の荷台101に設置し、荷台101の一部を解放して積載物200を荷台101に積載した後に荷台101を覆う作業を容易に行うことができる。また、荷台101の一部のみを開放して長尺の積載物210の一部を被覆構造体1から露出させた状態で積載する使用形態においても、可動部12を回動さるだけで荷台101の一部を開放することができるため、このような使用形態の作業も容易に行うことができ、利便性を十分に向上させることができる。また、この被覆構造体1によれば、中心角が100°から150°の範囲内である有底の部分円筒体をなすように基体部11を構成し、閉状態としたときに可動部12の外周面12bの端部12cと基体部11の内周面11bの端部11cとが重なり合う有底部分円筒体をなすように可動部12を構成したことにより、例えば基体部11と可動部12とが重なり合う部分が被覆構造体1(有底半円筒体)の頂部よりも底部側にずれた位置となるため降雨時における被覆領域Cへの雨水の侵入を確実に防止することができる。
【0022】
また、この被覆構造体11によれば、基体部11における内周面11bの端部11cおよび可動部12における外周面12bの端部12cにリブ11d,12dをそれぞれ配設したことにより、リブ11d,12dによって雨水の逆流を回避することができるため、被覆領域Cへの雨水の侵入をより確実に防止することができる。
【0023】
なお、本発明に係る被覆構造体は、上記した構成に限定されない。例えば、被覆領域Cとしてのトラック100の荷台101を被覆構造体1で覆う例について上記したが、例えば、屋外の地面の所定領域や、屋内の床面の所定領域を被覆領域Cとして、その被覆領域Cを被覆構造体1で覆うこともできる。
【0024】
また、木製のフレームの表面に樹脂と金属との複合材料パネルを貼って基体部11および可動部12を形成した例について上記したが、例えば、FRP等の樹脂のみ、木材のみ、および金属材料のみで基体部11および可動部12を形成することもできる。
【0025】
また、基体部11の底面11fが開放された構成例について上記したが、底面11fが閉塞された構成を採用することもできる。また、可動部12の底面12fが開放された構成例について上記したが、底面12fが閉塞された構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0026】
1 被覆構造体
11 基体部
11a 中心軸
11b 内周面
11c 端部
11d リブ
12 可動部
12b 外周面
12c 端部
12d リブ
C 被覆領域