IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日本ヴューテックの特許一覧

<>
  • 特開-ドライブレコーダー 図1
  • 特開-ドライブレコーダー 図2
  • 特開-ドライブレコーダー 図3
  • 特開-ドライブレコーダー 図4
  • 特開-ドライブレコーダー 図5
  • 特開-ドライブレコーダー 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015941
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】ドライブレコーダー
(51)【国際特許分類】
   G07C 5/00 20060101AFI20240130BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20240130BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240130BHJP
   B60R 11/04 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
G03B15/00 V
G03B15/00 S
H04N7/18 J
B60R11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128653
(22)【出願日】2022-08-12
(31)【優先権主張番号】P 2022117927
(32)【優先日】2022-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】396002079
【氏名又は名称】株式会社日本ヴューテック
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】松波 登
【テーマコード(参考)】
3D020
3E138
5C054
【Fターム(参考)】
3D020BA20
3D020BB01
3D020BC02
3D020BC03
3D020BC07
3D020BD03
3D020BD05
3E138AA01
3E138AA07
3E138MA02
3E138MB03
3E138MB08
3E138MB10
3E138MC12
3E138MF02
3E138MF05
5C054CA04
5C054CA05
5C054CE00
5C054FE11
5C054GB01
5C054GB06
5C054GD01
5C054HA30
(57)【要約】
【課題】事故の際の、運転者のペダル操作と車両前方の状況との関係を正確に再現することができるドライブレコーダーを提供する。
【解決手段】少なくとも車両前方を撮影する車両前方撮影カメラC1と、少なくとも車両後方を撮影する車両後方撮影カメラC3と、少なくとも、車両が備えるアクセルペダル51、ブレーキペダル52、およびこれらペダルを操作するドライバーDの足Fを撮影する足操作撮影赤外線カメラC2と、車両前方撮影カメラC1により得られた車両前方映像V1と、車両後方撮影カメラC3により得られた車両後方映像V3と、足操作撮影赤外線カメラC2により撮影された足操作映像V2とを、時系列で同時に記録する記録手段10と、を備えていることを特徴とするドライブレコーダー。
【選択図】図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも車両前方を撮影する車両前方撮影カメラ(C1)と、
少なくとも、前記車両が備えるアクセルペダル(51)、ブレーキペダル(52)、およびこれらペダルを操作するドライバーの足(F)を撮影する足操作撮影赤外線カメラ(C2)と、
前記車両前方撮影カメラ(C1)により得られた車両前方映像(V1)と、前記足操作撮影赤外線カメラ(C2)により撮影された足操作映像(V2)とを、時系列で同時に記録する記録手段(10)と、
を備えていることを特徴とするドライブレコーダー。
【請求項2】
少なくとも車両後方を撮影する車両後方撮影カメラ(C3)と、
少なくとも、前記車両が備えるアクセルペダル(51)、ブレーキペダル(52)、およびこれらペダルを操作するドライバーの足(F)を撮影する足操作撮影赤外線カメラ(C2)と、
前記車両後方撮影カメラ(C3)により得られた車両後方映像(V)と、前記足操作撮影赤外線カメラ(C2)により撮影された足操作映像(V2)とを、時系列で同時に記録する記録手段(10)と、
を備えていることを特徴とするドライブレコーダー。
【請求項3】
少なくとも車両前方を撮影する車両前方撮影カメラ(C1)と、
少なくとも車両後方を撮影する車両後方撮影カメラ(C3)と、
少なくとも、前記車両が備えるアクセルペダル(51)、ブレーキペダル(52)、およびこれらペダルを操作するドライバーの足(F)を撮影する足操作撮影赤外線カメラ(C2)と、
前記車両前方撮影カメラ(C1)により得られた車両前方映像(V1)と、前記車両後方撮影カメラ(C3)により得られた車両後方映像(V3)と、前記足操作撮影赤外線カメラ(C2)により撮影された足操作映像(V2)とを、時系列で同時に記録する記録手段(10)と、
を備えていることを特徴とするドライブレコーダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブレコーダーに関するものである。より詳しくは、アクセルペダルとブレーキペダルとの踏み間違いによる事故が発生した際、その事故の状況をより正確に再現することのできるドライブレコーダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1~2に見られるような技術が知られている。
【0003】
<特許文献1>実用新案登録第3227177号公報
特許文献1には、
「運転者がアクセルペダル、ブレーキペダル、及び運転者の足を、視認できるようにすることによって、ペダル操作の誤りに起因する事故を防止するデジタルカメラ及び液晶モニターの組合せを提供する」ことを課題とし、
「アクセルペダル、ブレーキペダル及び運転者の足を撮影するデジタルカメラ1及び、該デジタルカメラが撮影した画像を表示する液晶モニター3の組合せであって、該運転者が、自動車を前進させるために前方を視る必要があるときに該運転者が視認できる前方の箇所に液晶モニターが設置され、運転者が、自動車を後進させるために後方を振り向く必要があるときに該運転者が視認できる後方の箇所に別の液晶モニターが設置される」アクセル及びブレーキペダル踏み間違い防止用モニター
が記載されている(同文献要約欄)。
【0004】
この文献のものによれば、ペダル操作の誤りに起因する事故を防止することが可能かもしれない。
【0005】
しかし、実際に事故が起こってしまった場合、その際に運転者のペダル操作がどのような状態であったのかを含め、その事故の状況を再現することはできない。
【0006】
<特許文献2>特開2021-037900公報
特許文献2には、
「アクセルペダルとブレーキペダルとの踏み間違いによる事故(例えば、急発進)を防止するために、アクセルペダル及びブレーキペダルの操作状態(踏込み状態)を表示し、また電子的に記録するペダル操作状態表示装置を提供する」ことを課題とし、
「アクセルペダルの踏み込みを検出し、アクセル踏込信号を出力するアクセル踏込検出手段と、ブレーキペダルの踏み込みを検出し、ブレーキ踏込信号を出力するブレーキ踏込検出手段と、アクセル踏込信号に基づいて、アクセル踏込スイッチを制御することによって、点灯制御されるアクセル表示灯13bと、ブレーキ踏込信号に基づいて、ブレーキ踏込スイッチを制御することによって、点灯制御されるブレーキ表示灯13aとを備える」ペダル操作状態表示装置
が記載されている(同文献要約欄)。
【0007】
この文献のものによれば、ペダル操作の誤りに起因する事故を防止することが可能かもしれない。
【0008】
また、同文献「0048」段落には、
「第3の実施形態に係るペダル操作状態表示装置30は、運転者の足元にあるアクセルペダル及びブレーキペダルの様子を撮影する足元カメラ17(例えば、撮像素子)が車両運転席内に設置され、衝突時又はエンジン停止時におけるアクセル踏込み状態及びブレーキ踏込み状態を示す画像を(車両情報と対応させて)記録する点」
が記載され、さらに、同0050段落には、
「そして、足元カメラ17から入力される画像情報は、例えば、書き込み制御部14bを介して、画像メモリ部14fに記録されるようにしても良い。このため、ペダル操作状態表示装置30は、足元カメラ17による画像情報を利用して事故が起こった際の運転者の足とアクセルペダル及びブレーキペダルとの位置関係を記録することができる。すなわち、エンジン停止時及び衝突を検知した場合、該画像情報に基づいて、運転者の足が、アクセルペダルを踏込んでいたか、或いはブレーキペダルを踏込んでいたかを画像データとして正確に記録できる。」
と記載されている。
したがって、この文献のものによれば、実際に事故が起こってしまった場合おいては、その際に運転者のペダル操作がどのような状態であったのかを再現することが可能であると推測される。
【0009】
しかしながら、この文献のものでは、衝突時又はエンジン停止時におけるアクセル踏込み状態及びブレーキ踏込み状態は再現することはできるものの、事故の際、車両がどのような状況で走行していたのか、より詳しくは、車両前方の状況がどのような状況であったのかまでは再現できない。
このため、事故の際の、運転者のペダル操作と車両前方の状況との関係を正確に再現することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実用新案登録第3227177号公報
【特許文献2】特開2021-037900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、事故の際の、運転者のペダル操作と車両前方の状況との関係を正確に再現することができるドライブレコーダーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明のドライブレコーダーは、
少なくとも車両前方を撮影する車両前方撮影カメラと、
少なくとも、前記車両が備えるアクセルペダル、ブレーキペダル、およびこれらペダルを操作するドライバーの足を撮影する足操作撮影赤外線カメラと、
前記車両前方撮影カメラにより得られた車両前方映像と、前記足操作撮影赤外線カメラにより撮影された足操作映像とを、時系列で同時に記録する記録手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0013】
このドライブレコーダーは、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
【0014】
車両前方撮影カメラによって、少なくとも車両前方が撮影され、
足操作撮影赤外線カメラによって、少なくとも、前記車両が備えるアクセルペダル、ブレーキペダル、およびこれらペダルを操作するドライバーの足が撮影され、
車両前方撮影カメラにより得られた車両前方映像と、足操作撮影赤外線カメラにより撮影された足操作映像とが、記録手段により時系列で同時に記録される。
したがって、このドライブレコーダーが搭載された車両が前進時に事故を起こした場合、記録手段により時系列で同時に記録されている車両前方映像と足操作映像とを時系列で同時に再生することが可能であり、これによって、事故の際の、運転者のペダル操作と車両前方の状況との因果関係を正確に再現することができる。
【0015】
しかも、足操作映像は赤外線カメラによって撮影されるから、昼夜を問わず確実にアクセルペダル、ブレーキペダル、およびこれらペダルを操作するドライバーの足を撮影することが可能である。
【0016】
また、上記課題を解決するために本発明のドライブレコーダーは、
少なくとも車両後方を撮影する車両後方撮影カメラと、
少なくとも、前記車両が備えるアクセルペダル、ブレーキペダル、およびこれらペダルを操作するドライバーの足を撮影する足操作撮影赤外線カメラと、
前記車両後方撮影カメラにより得られた車両後方映像と、前記足操作撮影赤外線カメラにより撮影された足操作映像とを、時系列で同時に記録する記録手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0017】
このドライブレコーダーは、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
【0018】
車両後方撮影カメラによって、少なくとも車両後方が撮影され、
足操作撮影赤外線カメラによって、少なくとも、前記車両が備えるアクセルペダル、ブレーキペダル、およびこれらペダルを操作するドライバーの足が撮影され、
車両後方撮影カメラにより得られた車両後方映像と、足操作撮影赤外線カメラにより撮影された足操作映像とが、記録手段により時系列で同時に記録される。
したがって、このドライブレコーダーが搭載された車両が後進時に事故を起こした場合、記録手段により時系列で同時に記録されている車両後方映像と足操作映像とを時系列で同時に再生することが可能であり、これによって、事故の際の、運転者のペダル操作と車両後方の状況との因果関係を正確に再現することができる。
【0019】
しかも、足操作映像は赤外線カメラによって撮影されるから、昼夜を問わず確実にアクセルペダル、ブレーキペダル、およびこれらペダルを操作するドライバーの足を撮影することが可能である。
【0020】
また、上記課題を解決するために本発明のドライブレコーダーは、
少なくとも車両前方を撮影する車両前方撮影カメラと、
少なくとも車両後方を撮影する車両後方撮影カメラと、
少なくとも、前記車両が備えるアクセルペダル、ブレーキペダル、およびこれらペダルを操作するドライバーの足を撮影する足操作撮影赤外線カメラと、
前記車両前方撮影カメラにより得られた車両前方映像と、前記車両後方撮影カメラにより得られた車両後方映像と、前記足操作撮影赤外線カメラにより撮影された足操作映像とを、時系列で同時に記録する記録手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0021】
このドライブレコーダーは、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
【0022】
車両前方撮影カメラによって、少なくとも車両前方が撮影され、
車両後方撮影カメラによって、少なくとも車両後方が撮影され、
足操作撮影赤外線カメラによって、少なくとも、前記車両が備えるアクセルペダル、ブレーキペダル、およびこれらペダルを操作するドライバーの足が撮影され、
車両前方撮影カメラにより得られた車両前方映像と、車両後方撮影カメラにより得られた車両後方映像と、足操作撮影赤外線カメラにより撮影された足操作映像とが、記録手段により時系列で同時に記録される。
したがって、このドライブレコーダーが搭載された車両が前進時または後進時に事故を起こした場合、記録手段により時系列で同時に記録されている車両前方映像と車両後方映像と足操作映像とを時系列で同時に再生することが可能であり、これによって、事故の際の、運転者のペダル操作と車両前方および車両後方の状況との因果関係を正確に再現することができる。
【0023】
しかも、足操作映像は赤外線カメラによって撮影されるから、昼夜を問わず確実にアクセルペダル、ブレーキペダル、およびこれらペダルを操作するドライバーの足を撮影することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係るドライブレコーダーの実施の形態の説明図。
図2】再生される映像の一例を示す図。
図3】同実施の形態の一例としてのブロック図。
図4他の実施の形態の説明図。
図5再生される映像の一例を示す図。
図6同実施の形態の一例としてのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係るドライブレコーダーの実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0026】
図1図3に示す実施の形態のドライブレコーダー1は、
少なくとも車両前方を撮影する車両前方撮影カメラC1と、
少なくとも、車両50が備えるアクセルペダル51(図2参照)、ブレーキペダル52、およびこれらペダル51,52を操作するドライバーDの足Fを撮影する足操作撮影赤外線カメラC2と、
車両前方撮影カメラC1により得られた車両前方映像V1と、足操作撮影赤外線カメラC2により撮影された足操作映像V2とを、時系列で同時に記録する記録手段10と、
を備えている。
【0027】
このドライブレコーダー1は、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
【0028】
車両前方撮影カメラC1によって、少なくとも車両前方が撮影され(図2のV1参照)、
足操作撮影赤外線カメラC2によって、少なくとも、車両50が備えるアクセルペダル51、ブレーキペダル52、およびこれらペダル51,52を操作するドライバーDの足Fが撮影され(図2のV2参照)、
車両前方撮影カメラC1により得られた車両前方映像V1と、足操作撮影赤外線カメラC2により撮影された足操作映像V2とが、記録手段10(図3参照)により時系列で同時に記録される。
【0029】
したがって、このドライブレコーダー1が搭載された車両50が前進時に事故を起こした場合、記録手段10により時系列で同時に記録されている車両前方映像V1と足操作映像V2とを例えば図2に示すように時系列で同時に再生することが可能であり、これによって、事故の際の、運転者のペダル操作と車両前方の状況との関係を正確に再現することができる。
【0030】
しかも、足操作映像V2は赤外線カメラC2によって撮影されるから、昼夜を問わず確実にアクセルペダル51、ブレーキペダル52、およびこれらペダル51,52を操作するドライバーの足Fを撮影することが可能である。
【0031】
図4図6は他の実施の形態を説明するための図である。
この実施の形態が上述した実施の形態と主に異なる点は、
少なくとも車両後方を撮影する車両後方撮影カメラC3をさらに備えている点、
記録手段10は、車両後方撮影カメラにより得られた車両後方映像V3と、足操作撮影赤外線カメラC2により撮影された足操作映像V2とを、時系列で同時に記録することが可能である点、
にあり、その他の点に大きな変わりはない。
【0032】
この実施の形態によれば、記録手段10は、車両後方撮影カメラC3により得られた車両後方映像V3と、足操作撮影赤外線カメラC2により撮影された足操作映像V2とを、時系列で同時に記録することが可能であるから、このドライブレコーダーが搭載された車両50が後進時に事故を起こした場合、記録手段10により時系列で同時に記録されている車両後方映像V3と足操作映像V2とを例えば図5(a)に示すように時系列で同時に再生することが可能である。これによって、事故の際の、運転者のペダル操作と車両後方の状況との関係を正確に再現することができる。
【0033】
記録手段10は、車両前方撮影カメラC1により得られた車両前方映像V1と、車両後方撮影カメラC3により得られた車両後方映像V3と、足操作撮影赤外線カメラC2により撮影された足操作映像V2とを、時系列で同時に記録することが可能な構成とすることもできる。
【0034】
このように構成すると、車両前方撮影カメラC1により得られた車両前方映像V1と、車両後方撮影カメラC3により得られた車両後方映像V3と、足操作撮影赤外線カメラC2により撮影された足操作映像V2とが、記録手段10に時系列で同時に記録可能であるから、このドライブレコーダーが搭載された車両50が前進時または後進時に事故を起こした場合、記録手段10により例えば図5(b)に示すように時系列で同時に記録されている車両前方映像V1と車両後方映像V3と足操作映像V2とを時系列で同時に再生することが可能である。これによって、事故の際の、運転者のペダル操作と車両前方および車両後方の状況との因果関係を正確に再現することができる。
【0035】
足操作映像V2を撮影するカメラは通常のビデオカメラで構成することも可能ではあるが、ペダル51,52が配置されているスペースは暗いため、通常のビデオカメラを用いる場合、特に夜間においては足元を照らす照明器具を別途設置する必要がある。しかし、足元を照らす照明器具を設けることは、ドライバーの視認性等に良い影響を与えない恐れがあるため、足操作映像V2を撮影するカメラとしては赤外線カメラを用いることが望ましい。
【0036】
車両前方撮影カメラC1としては、少なくとも車両前方を撮影することができる公知のドライブレコーダー用カメラ(ビデオカメラ)を採用することができる。
車両後方撮影カメラC3としては、少なくとも車両後方を撮影することができる公知のドライブレコーダー用カメラ(ビデオカメラ)を採用することができる。
【0037】
足操作撮影赤外線カメラC2としては、少なくとも、車両50が備えるアクセルペダル51、ブレーキペダル52、およびこれらペダル51,52を操作するドライバーの足Fを撮影することができる公知の赤外線カメラを採用することができる。
【0038】
記録手段10は、車両前方撮影カメラC1により得られた車両前方映像V1と、足操作撮影赤外線カメラC2により撮影された足操作映像V2と、車両後方撮影カメラC3により得られた車両後方映像V3とを、時系列で同時に記録することができる公知の適宜の手段で構成することができる。
例えば図3または図6に示すようなECU(Electronic Control Unit)ボックス(コントロールボックス)で構成することができる。
【0039】
図3または図6に示すECUボックス(10)は、上記のカメラC1、C2、C3からのアナログビデオデータをデジタルビデオデータに変化する「ビデオエンコーダ」と、この「ビデオエンコーダ」からのデータを画像処理する「SoC」(system on a chip)と、この「SoC」からのデジタルビデオデータ(車両前方映像V1、足操作映像V2、車両後方映像V3のデジタルビデオデータ)を記録する「eMMC」(embedded MultiMediaCard)とを備えている。
【0040】
また、このECUボックス(10)は、「SoC」にて読み出された、「eMMC」に記録されているデジタルビデオデータ(車両前方映像V1、足操作映像V2、車両後方映像V3のデジタルビデオデータ)をアナログビデオデータに変換してモニタMに出力する「ビデオデコーダ」と、「電源ブロック」と、「DDR」(Double Data Rate)と、を備えている。
さらに、ECUボックス(10)には、加速度検出手段11,速度検出手段12,GPS受信機13が接続される。また、車両10が備えるシフトレバー等により得られるバック信号(車両が後進する際の信号)が入力される。これら加速度検出手段11,速度検出手段12,GPS受信機13からの情報およびバック信号は上記車両前方映像V1、足操作映像V2、車両後方映像V3のデジタルビデオデータとともに時系列で同時に「eMMC」に記録される。したがって、これら加速度検出手段11,速度検出手段12,GPS受信機13およびバック信号からの各情報は、上記車両前方映像V1、足操作映像V2、車両後方映像V3と相まって、事故が発生した際、その事故の状況をより正確に再現することを可能にする。
【0041】
このECUボックス(10)は、車両10の適所に設置することができる。図1はその一例を示している。
【0042】
モニタMは、例えば図2または図5(a)に示すように、2画面(M1,M2、またはM2,M3)が表示可能な公知の液晶モニター、または図5(b)に示すように、3画面(M1,M2,M3)が表示可能な公知の液晶モニターで構成することができる。モニタMをドライバーDが見ることのできる位置に設置すれば、ドライバーDは、自分が今どのペダルを踏んでいるかあるいは踏もうとしているかを目視することができる。
なお、図2において、55は車両50のフロントガラス、100は横断歩道図5において、56は車両50のリアウインドウ、101は駐車場等の柵である。
【0043】
このドライブレコーダー1は、車両50のスタータースイッチ(イグニッション等)がオンされると作動し、上記映像V1,V2、V3を記録し、記録媒体の容量がいっぱいになると、随時新しい情報(映像V1,V2、V3のデータ)に書き換える。
なお、車両後方映像V3は、バック信号が入力されたときのみ記録するように構成することも可能である。
【0044】
昨今、高年齢者の事故は大きく取り上げられており、アクセルペダルの踏み間違えで、死傷事故が起きる事もある。
ハイブリッドカーの暴走事故も数多く有る。
万が一車両の問題で、ブレーキペダルを踏んだ途端に、アクセル全開になるような事があるとすれば、パニックになったドライバーは、何が起こったかは理解できず、アクセル、ブレーキの踏み間違えとしか答えられなくなることも予想される。
なお、最近の車両には、DATAロガーが搭載されているが、事故後バッテリーが上がり、データが消えてしまうことも考えられる。
【0045】
これに対し、本発明のドライヴレコーダーを使用すれば、車両前方撮影カメラC1は車両前方を映し、足操作撮影赤外線カメラC2は、例えば運転席ダッシュボード下に取り付け(図1参照)、ドライバーのアクセル・ブレーキ操作を撮り、車両後方撮影カメラC3は車両後方を映すことができる。
そしてこれらの情報は、記録手段10が有するフラッシュメモリ(例えば上記「eMMC」)に記録することができ、記憶されたデータは電源が切れても消えずに残っているから、上述したとおり、事故の状況をより正確に再現することが可能になる。
【0046】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【0047】
例えば、上記実施の形は、オートマチック車への使用例であるが、マニュアル車に対しても使用することができる。
【符号の説明】
【0048】
C1: 車両前方撮影カメラ
C2: 足操作撮影赤外線カメラ
C3: 車両後方撮影カメラ
10: 記録手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6