(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159428
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
H05B 47/16 20200101AFI20241031BHJP
F21S 9/02 20060101ALI20241031BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20241031BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20241031BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241031BHJP
【ＦＩ】
H05B47/16
F21S9/02 211
F21V23/00 140
F21V23/04 500
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023184991
(22)【出願日】2023-10-27
(31)【優先権主張番号】P 2023075218
(32)【優先日】2023-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックＩＰマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】入川 敦志
(72)【発明者】
【氏名】佐野 浩之
(72)【発明者】
【氏名】供田 梢吾
(72)【発明者】
【氏名】片野田 寛治
(72)【発明者】
【氏名】三浦 清雅
(72)【発明者】
【氏名】八木 智史
(72)【発明者】
【氏名】米山 稜祐
【テーマコード（参考）】
3K014
3K273
【Ｆターム（参考）】
3K014AA01
3K273PA08
3K273QA30
3K273QA37
3K273QA38
3K273RA12
3K273SA08
3K273SA23
3K273SA32
3K273SA33
3K273SA35
3K273SA43
3K273SA47
3K273SA48
3K273SA60
3K273TA13
3K273TA15
3K273TA18
3K273TA27
3K273TA28
3K273TA41
3K273TA49
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA55
3K273TA64
3K273TA70
3K273UA16
3K273UA17
3K273UA22
3K273UA23
3K273UA29
(57)【要約】
【課題】本開示の課題は、点検に要する作業負担の軽減を図ることである。
【解決手段】照明器具Ａ１は、ＬＥＤ２０と、交換可能な蓄電池３０と、充電回路部４０１と、点灯回路部４０２と、点検部（制御回路部４０４）と、経過時間を計時する計時部（制御回路部４０４）と、を備える。充電回路部４０１は、常用電源（電力系統Ｐ１）から供給される常用電力で蓄電池３０を充電する。点灯回路部４０２は、蓄電池３０から供給される非常用電力で光源を点灯させる。点検部は、点灯回路部４０２を制御し、蓄電池３０の点検を行う。計時部は、経過時間が所定のインターバル時間に達したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。
【選択図】 図１
【解決手段】照明器具Ａ１は、ＬＥＤ２０と、交換可能な蓄電池３０と、充電回路部４０１と、点灯回路部４０２と、点検部（制御回路部４０４）と、経過時間を計時する計時部（制御回路部４０４）と、を備える。充電回路部４０１は、常用電源（電力系統Ｐ１）から供給される常用電力で蓄電池３０を充電する。点灯回路部４０２は、蓄電池３０から供給される非常用電力で光源を点灯させる。点検部は、点灯回路部４０２を制御し、蓄電池３０の点検を行う。計時部は、経過時間が所定のインターバル時間に達したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。
【選択図】 図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
交換可能な蓄電池と、
常用電源から供給される常用電力で前記蓄電池を充電する充電回路部と、
前記蓄電池から供給される非常用電力で前記光源を点灯させる点灯回路部と、
前記点灯回路部を制御し、前記蓄電池の点検を行う点検部と、
経過時間を計時する計時部と、
を備え、
前記計時部は、前記経過時間が所定のインターバル時間に達したときに前記点検部に前記点検を開始させるための点検開始信号を出力し、
前記点検部は、前記点検開始信号を受け取ると前記点検を開始する、
照明器具。
交換可能な蓄電池と、
常用電源から供給される常用電力で前記蓄電池を充電する充電回路部と、
前記蓄電池から供給される非常用電力で前記光源を点灯させる点灯回路部と、
前記点灯回路部を制御し、前記蓄電池の点検を行う点検部と、
経過時間を計時する計時部と、
を備え、
前記計時部は、前記経過時間が所定のインターバル時間に達したときに前記点検部に前記点検を開始させるための点検開始信号を出力し、
前記点検部は、前記点検開始信号を受け取ると前記点検を開始する、
照明器具。
【請求項2】
前記計時部は、前記充電回路部と前記蓄電池が電気的に接続された時点から前記経過時間の計時を開始する、
請求項１記載の照明器具。
請求項１記載の照明器具。
【請求項3】
操作入力を受け付ける操作入力受付部を更に備え、
前記計時部は、前記操作入力受付部が所定の操作入力を受け付けた時点から前記経過時間の計時を開始する、
請求項１記載の照明器具。
前記計時部は、前記操作入力受付部が所定の操作入力を受け付けた時点から前記経過時間の計時を開始する、
請求項１記載の照明器具。
【請求項4】
前記計時部は、前記インターバル時間として、第１インターバル時間と、前記第１インターバル時間よりも長い第２インターバル時間と、を有し、
前記計時部は、前記経過時間が前記第１インターバル時間に達したときに初回の前記点検開始信号を出力し、前記経過時間が前記第２インターバル時間に達するごとに２回目以降の前記点検開始信号を出力する、
請求項１－３のいずれか１項に記載の照明器具。
前記計時部は、前記経過時間が前記第１インターバル時間に達したときに初回の前記点検開始信号を出力し、前記経過時間が前記第２インターバル時間に達するごとに２回目以降の前記点検開始信号を出力する、
請求項１－３のいずれか１項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記計時部は、前記蓄電池が交換された場合、交換後の新しい蓄電池の充電が完了した時点から前記経過時間の計時を開始する、
請求項１－３のいずれか１項に記載の照明器具。
請求項１－３のいずれか１項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記計時部は、前記点灯回路部が前記光源を点灯させた点灯時間が、所定の上限時間を超えた場合、前記経過時間が前記第２インターバル時間に達するまで前記点検開始信号を出力しない、
請求項４記載の照明器具。
請求項４記載の照明器具。
【請求項7】
前記計時部は、前記点灯時間が前記上限時間を超えない場合、前記経過時間が前記第２インターバル時間に達するごとに前記点検開始信号を出力する、
請求項６記載の照明器具。
請求項６記載の照明器具。
【請求項8】
操作入力を受け付ける操作入力受付部を更に備え、
前記計時部は、前記操作入力受付部が受け付ける前記操作入力に応じて、複数の前記インターバル時間を設定する、
請求項１－３のいずれか１項に記載の照明器具。
前記計時部は、前記操作入力受付部が受け付ける前記操作入力に応じて、複数の前記インターバル時間を設定する、
請求項１－３のいずれか１項に記載の照明器具。
【請求項9】
前記計時部は、前記操作入力受付部が受け付ける前記操作入力に応じて、前記経過時間の計時を中止する、
請求項８記載の照明器具。
請求項８記載の照明器具。
【請求項10】
通信媒体を通して通信する通信部を更に備え、
前記点検部は、前記通信部が点検開始コマンドを受信した場合に前記点検を開始する、請求項１－３のいずれか１項に記載の照明器具。
前記点検部は、前記通信部が点検開始コマンドを受信した場合に前記点検を開始する、請求項１－３のいずれか１項に記載の照明器具。
【請求項11】
光源と、
交換可能な蓄電池と、
常用電源から供給される常用電力で前記蓄電池を充電する充電回路部と、
前記蓄電池から供給される非常用電力で前記光源を点灯させる点灯回路部と、
前記点灯回路部を制御し、前記蓄電池の点検を行う点検部と、
前記点検部が点検を行う予定のスケジュール時刻と現在時刻の一致・不一致を判定する判定部と、
を備え、
前記判定部は、前記現在時刻が前記スケジュール時刻と一致したときに前記点検部に前記点検を開始させるための点検開始信号を出力し、
前記点検部は、前記点検開始信号を受け取ると前記点検を開始する、
照明器具。
交換可能な蓄電池と、
常用電源から供給される常用電力で前記蓄電池を充電する充電回路部と、
前記蓄電池から供給される非常用電力で前記光源を点灯させる点灯回路部と、
前記点灯回路部を制御し、前記蓄電池の点検を行う点検部と、
前記点検部が点検を行う予定のスケジュール時刻と現在時刻の一致・不一致を判定する判定部と、
を備え、
前記判定部は、前記現在時刻が前記スケジュール時刻と一致したときに前記点検部に前記点検を開始させるための点検開始信号を出力し、
前記点検部は、前記点検開始信号を受け取ると前記点検を開始する、
照明器具。
【請求項12】
操作入力を受け付ける操作入力受付部と、
報知部と、を更に備え、
前記点検部は、前記操作入力受付部が受け付ける前記操作入力に応じて、前記計時部から出力される前記点検開始信号に応じた前記点検を中止し、かつ、前記点検を中止していることを前記報知部に報知させる、
請求項１記載の照明器具。
報知部と、を更に備え、
前記点検部は、前記操作入力受付部が受け付ける前記操作入力に応じて、前記計時部から出力される前記点検開始信号に応じた前記点検を中止し、かつ、前記点検を中止していることを前記報知部に報知させる、
請求項１記載の照明器具。
【請求項13】
操作入力を受け付ける操作入力受付部と、
報知部と、を更に備え、
前記点検部は、前記操作入力受付部が受け付ける前記操作入力に応じて、前記判定部から出力される前記点検開始信号に応じた前記点検を中止し、かつ、前記点検を中止していることを前記報知部に報知させる、
請求項１１記載の照明器具。
報知部と、を更に備え、
前記点検部は、前記操作入力受付部が受け付ける前記操作入力に応じて、前記判定部から出力される前記点検開始信号に応じた前記点検を中止し、かつ、前記点検を中止していることを前記報知部に報知させる、
請求項１１記載の照明器具。
【請求項14】
前記点検部は、前記点検を中止していない場合、前記点検を実行可能であることを前記報知部に報知させる、
請求項１２又は１３記載の照明器具。
請求項１２又は１３記載の照明器具。
【請求項15】
前記報知部は、発光素子又は表示デバイスを有し、前記発光素子を発光させるか、又は前記表示デバイスに文字・記号などを表示させて報知する、
請求項１２又は１３記載の照明器具。
請求項１２又は１３記載の照明器具。
【請求項16】
前記報知部は、発光素子又は表示デバイスを有し、前記発光素子を発光させるか、又は前記表示デバイスに文字・記号などを表示させて報知する、
請求項１４記載の照明器具。
請求項１４記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関し、より詳細には、蓄電池を搭載して非常時用照明を行う照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として特許文献１記載の照明装置を例示する。特許文献１記載の照明装置（以下、従来例という。）は、停電時などの外部電源の遮断時に、内蔵する非常用電源（蓄電池）の電力によって点灯する非常用照明装置である。
【0003】
従来例においては、蓄電池の点検を定期的に実施する必要がある。点検時には、作業者が点検する照明装置の下方でリモコンなどの端末を操作し、照明装置へ向けて点検信号を送信する。照明装置は、点検信号を受信すると点検モードとなり、蓄電池の電力で光源を点灯させて蓄電池の寿命を判定する。照明装置は、点検完了後、点検結果をモニタランプで報知するとともに、リモコンなどの端末に点検結果を送信する。作業者は、モニタランプを目視で確認し、また、端末に受信した点検結果を確認することで蓄電池の状態を把握する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開２０２１－１１１４５８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来例では、点検を開始するために人（作業者）が端末を操作し、点検開始から所定時間（数十分から１時間）が経過した後に照明装置から報知される点検結果を確認しなければならず、点検を行う作業者の負担が大きかった。
【0006】
本開示の目的は、点検に要する作業負担の軽減を図ることができる照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る照明器具は、光源と、交換可能な蓄電池と、充電回路部と、点灯回路部と、点検部と、経過時間を計時する計時部と、を備える。前記充電回路部は、常用電源から供給される常用電力で前記蓄電池を充電する。前記点灯回路部は、前記蓄電池から供給される非常用電力で前記光源を点灯させる。前記点検部は、前記点灯回路部を制御し、前記蓄電池の点検を行う。前記計時部は、前記経過時間が所定のインターバル時間に達したときに前記点検部に前記点検を開始させるための点検開始信号を出力する。前記点検部は、前記点検開始信号を受け取ると前記点検を開始する。
【0008】
本開示の一態様に係る照明器具は、光源と、交換可能な蓄電池と、充電回路部と、点灯回路部と、点検部と、判定部と、を備える。前記充電回路部は、常用電源から供給される常用電力で前記蓄電池を充電する。前記点灯回路部は、前記蓄電池から供給される非常用電力で前記光源を点灯させる。前記点検部は、前記点灯回路部を制御し、前記蓄電池の点検を行う。前記判定部は、前記点検部が点検を行う予定のスケジュール時刻と現在時刻の一致・不一致を判定する。前記判定部は、前記現在時刻が前記スケジュール時刻と一致したときに前記点検部に前記点検を開始させるための点検開始信号を出力する。前記点検部は、前記点検開始信号を受け取ると前記点検を開始する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の照明器具は、点検に要する作業負担の軽減を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る照明器具Ａ１について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
（１）概要
実施形態に係る照明器具Ａ１は、光源と、交換可能な蓄電池３０と、充電回路部４０１と、点灯回路部４０２と、点検部と、経過時間を計時する計時部と、を備える（図１参照）。光源は、例えば、ＬＥＤ２０である。蓄電池３０は、例えば、ニッケル水素蓄電池である。ただし、光源は、有機エレクトロルミネッセンス素子、半導体レーザなどでも構わない。また、蓄電池３０は、リチウムイオン蓄電池などでも構わない。
実施形態に係る照明器具Ａ１は、光源と、交換可能な蓄電池３０と、充電回路部４０１と、点灯回路部４０２と、点検部と、経過時間を計時する計時部と、を備える（図１参照）。光源は、例えば、ＬＥＤ２０である。蓄電池３０は、例えば、ニッケル水素蓄電池である。ただし、光源は、有機エレクトロルミネッセンス素子、半導体レーザなどでも構わない。また、蓄電池３０は、リチウムイオン蓄電池などでも構わない。
【0013】
充電回路部４０１は、常用電源から供給される常用電力で蓄電池３０を充電する。常用電源は、例えば、電力系統Ｐ１である。点灯回路部４０２は、蓄電池３０から供給される非常用電力で光源（ＬＥＤ２０）を点灯させる。
【0014】
点検部は、点灯回路部４０２を制御し、蓄電池３０の点検を行う。計時部は、経過時間が所定のインターバル時間に達したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。例えば、点検部は、充電回路部４０１を停止させ、蓄電池３０から供給される電力（非常用電力）によって点灯回路部４０２に光源（ＬＥＤ２０）を点灯させることで点検を行う。なお、点検部及び計時部は、制御回路部４０４が備えるマイクロコントローラのプロセッサに、点検用のプログラム及び計時用のプログラムを実行させて実現されることが好ましい。
【0015】
しかして、実施形態に係る照明器具Ａ１は、計時部が計時する経過時間がインターバル時間に達すると、点検部に点検開始信号を出力して点検を開始させるので、従来例のように点検を開始するための人の作業が不要になる。その結果、実施形態に係る照明器具Ａ１は、従来例と比べて、点検に要する作業負担の軽減を図ることができる。
【0016】
また、実施形態に係る照明器具Ａ１は、計時部に代えて、判定部を備えてもよい。判定部は、点検部が点検を行う予定のスケジュール時刻と現在時刻の一致・不一致を判定する。判定部は、現在時刻がスケジュール時刻と一致したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。なお、判定部は、制御回路部４０４が備えるマイクロコントローラのプロセッサに、判定用のプログラムを実行させて実現されることが好ましい。
【0017】
しかして、実施形態に係る照明器具Ａ１は、現在時刻がスケジュール時刻と一致したと判定部が判定すると、点検部に点検開始信号を出力して点検を開始させるので、従来例のように点検を開始するための人の作業が不要になる。その結果、実施形態に係る照明器具Ａ１は、従来例と比べて、点検に要する作業負担の軽減を図ることができる。
【0018】
（２）詳細
実施形態に係る照明器具Ａ１（以下、照明器具Ａ１と略す。）は、電池内蔵形非常時用照明器具の一種である非常灯である。非常灯は、火災などの災害発生による停電の場合に、避難経路を照明するための全般照明用の非常時用照明器具である。なお、照明器具Ａ１は、非常用照明のみを行う専用形非常時用照明器具であるが、常用照明と非常用照明の両方を行う併用形の電池内蔵形非常時用照明器具であっても構わない。あるいは、照明器具Ａ１は、非常灯以外の電池内蔵形非常時用照明器具、例えば、誘導灯であっても構わない。
実施形態に係る照明器具Ａ１（以下、照明器具Ａ１と略す。）は、電池内蔵形非常時用照明器具の一種である非常灯である。非常灯は、火災などの災害発生による停電の場合に、避難経路を照明するための全般照明用の非常時用照明器具である。なお、照明器具Ａ１は、非常用照明のみを行う専用形非常時用照明器具であるが、常用照明と非常用照明の両方を行う併用形の電池内蔵形非常時用照明器具であっても構わない。あるいは、照明器具Ａ１は、非常灯以外の電池内蔵形非常時用照明器具、例えば、誘導灯であっても構わない。
【0019】
（２－１）照明器具（非常灯）の構造
照明器具Ａ１は、天井仕上材９の下面（天井面）に直接取り付けられる、いわゆる天井直付け型の非常灯である（図２参照）。ただし、照明器具Ａ１は、天井仕上材９に設けられる穴を通して天井（天井仕上材９）に埋め込むように取り付けられる、いわゆる埋込型の非常灯であっても構わない。
照明器具Ａ１は、天井仕上材９の下面（天井面）に直接取り付けられる、いわゆる天井直付け型の非常灯である（図２参照）。ただし、照明器具Ａ１は、天井仕上材９に設けられる穴を通して天井（天井仕上材９）に埋め込むように取り付けられる、いわゆる埋込型の非常灯であっても構わない。
【0020】
【0021】
（２－１－１）本体ユニット
本体ユニット１は、円盤状の取付板１０と、バケツ型のカバー１１と、一対の取付ばね１２と、を有する（図３参照）。
本体ユニット１は、円盤状の取付板１０と、バケツ型のカバー１１と、一対の取付ばね１２と、を有する（図３参照）。
【0022】
取付板１０は、金属材料によって円盤状に形成されている。取付板１０の中央に円形の引込穴１００が開口している（図３参照）。この引込穴１００に挿通される電源ケーブルを介して、電力系統Ｐ１と点灯ユニット４の点灯装置４０が電気的に接続される（図１参照）。取付板１０は、天井仕上材９にねじ止めされることで天井面に固定される。
【0023】
一対の取付ばね１２はそれぞれ、金属製の線材によって略ひし形に形成される。一対の取付ばね１２は、取付板１０の中心を挟んで対向する周縁部分に一つずつ取り付けられる。
【0024】
カバー１１は、上面が開口した円すい台形状（バケツ型）に形成されている（図３参照）。ただし、カバー１１の上面の直径は、取付板１０の直径よりもわずかに大きい。また、カバー１１の下面（底面）の中央に円形の窓穴１１０が設けられている。この窓穴１１０に、後述する光源ユニット２のレンズ２１が挿通される。さらに、カバー１１の底面における窓穴１１０の近傍に、４つの穴（第１穴１１１、第２穴１１２、第３穴１１３、第４穴１１４）が縦横２列に並ぶように設けられている。
【0025】
カバー１１の内周面に、一対のばね受け部材（図示せず）が設けられている。一対のばね受け部材は、窓穴１１０を挟んで対向する位置に配置される。各ばね受け部材は、取付ばね１２が挿通される溝を有している。しかして、カバー１１は、一対の取付ばね１２が一対のばね受け部材の溝に一つずつ挿通されることによって、取付板１０に着脱可能に取り付けられる（図２及び図３参照）。
【0026】
（２－１－２）光源ユニット
光源ユニット２は、図３に示すように、ＬＥＤ２０、レンズ２１、ホルダ２２、放熱板２３などを有する。
光源ユニット２は、図３に示すように、ＬＥＤ２０、レンズ２１、ホルダ２２、放熱板２３などを有する。
【0027】
ＬＥＤ２０は、例えば、パッケージ型の照明用白色ＬＥＤである。レンズ２１は、例えば、ガラス製であって、概ね半球状に形成されている。ホルダ２２は、例えば、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂によって、中央部分が開口した枠状に形成されている。放熱板２３は、アルミ又はアルミ合金製の板材によってＵ字状に形成されている。ホルダ２２は、中央部分の開口からレンズ２１を突出させ、放熱板２３との間にＬＥＤ２０及びレンズ２１を挟み込むようにして、放熱板２３にねじ止めされる。
【0028】
（２－１－３）電池ユニット
電池ユニット３は、複数本（図示例では３本）の蓄電池３０と、これら複数本の蓄電池３０を収容する電池ケース３１と、を有する（図１及び図３参照）。蓄電池３０は、円筒形のニッケル水素蓄電池である。ただし、蓄電池３０は、円筒形又は角筒形のニッケル水素蓄電池又はリチウムイオン蓄電池などでも構わない。また、蓄電池３０の本数は、非常灯に要求される点灯時間の規格値を満たすことができる本数であれば、２本以下又は４本以上でも構わない。
電池ユニット３は、複数本（図示例では３本）の蓄電池３０と、これら複数本の蓄電池３０を収容する電池ケース３１と、を有する（図１及び図３参照）。蓄電池３０は、円筒形のニッケル水素蓄電池である。ただし、蓄電池３０は、円筒形又は角筒形のニッケル水素蓄電池又はリチウムイオン蓄電池などでも構わない。また、蓄電池３０の本数は、非常灯に要求される点灯時間の規格値を満たすことができる本数であれば、２本以下又は４本以上でも構わない。
【0029】
電池ケース３１は、上下両側の底面が馬蹄形（Ｕ字形）である筒状に形成される。複数本の蓄電池３０は、その軸方向を上下方向に一致させ、径方向に沿って一列に並ぶように電池ケース３１内に収容される。なお、電池ケース３１の下側の一端部にコネクタ部３２が設けられる。コネクタ部３２は、電池ケース３１内で電気的に直列接続された複数本の蓄電池３０を、後述する点灯ユニット４の点灯装置４０と電気的に接続するように構成される。
【0030】
（２－１－４）点灯ユニット
点灯ユニット４は、点灯装置４０と、点灯装置４０を収容する筐体４１と、端子台ケース４２と、を有する（図１及び図３参照）。点灯装置４０は、プリント回路で構成されている。筐体４１は、合成樹脂材料で箱状に形成され、かしめ又はねじ止めなどの適宜の方法で取付板１０の下面に取り付けられる。
点灯ユニット４は、点灯装置４０と、点灯装置４０を収容する筐体４１と、端子台ケース４２と、を有する（図１及び図３参照）。点灯装置４０は、プリント回路で構成されている。筐体４１は、合成樹脂材料で箱状に形成され、かしめ又はねじ止めなどの適宜の方法で取付板１０の下面に取り付けられる。
【0031】
端子台ケース４２は、合成樹脂材料で箱状に形成され、筐体４１の外側面に取り付けられた端子台を覆うように筐体４１に取り付けられる。なお、端子台は、点灯装置４０と電気的に接続されるとともに、引込穴１００から引き込まれる電源ケーブルが抜き差し可能に接続される。つまり、点灯装置４０は、端子台を介して電源ケーブルと電気的に接続される。
【0032】
（２－２）照明器具の回路構成
次に、図１を参照して照明器具Ａ１（点灯装置４０）の回路構成を詳細に説明する。ただし、図１においては蓄電池３０を一つしか図示していないが、実際は複数本（例えば、３本）の蓄電池３０が電気的に直列接続されている。
次に、図１を参照して照明器具Ａ１（点灯装置４０）の回路構成を詳細に説明する。ただし、図１においては蓄電池３０を一つしか図示していないが、実際は複数本（例えば、３本）の蓄電池３０が電気的に直列接続されている。
【0033】
点灯装置４０は、電源回路部４００、充電回路部４０１、点灯回路部４０２、停電検出部４０３、制御回路部４０４、操作入力受付部４０５、報知部４０６、を有する。
【0034】
電源回路部４００は、例えば、リンギングチョークコンバータなどの自励型のスイッチング電源回路で構成され、電力系統Ｐ１から供給される交流電圧を、当該交流電圧の実効値よりも低い直流電圧に変換する。ただし、電源回路部４００は、力率改善回路とバックコンバータなどで構成されても構わない。
【0035】
充電回路部４０１は、電力系統Ｐ１から給電されているときに動作し、電源回路部４００から蓄電池３０へ一定の充電電流を流すように構成される。
【0036】
点灯回路部４０２は、蓄電池３０から供給される直流電流を定電流化してＬＥＤ２０に供給する。
【0037】
停電検出部４０３は、電源回路部４００の出力電圧から電力系統Ｐ１の停電を検出して制御回路部４０４に通知するように構成される。
【0038】
操作入力受付部４０５は、一つ以上の押釦スイッチと、赤外線を媒体とする制御信号を受信する赤外線受信モジュールと、を有する。操作入力受付部４０５は、押釦スイッチが押操作されることで操作入力を受け付け、受け付けた操作入力に対応する操作入力信号を制御回路部４０４に出力する。また、操作入力受付部４０５は、リモートコントローラから送信される制御信号を赤外線受信モジュールで受信することで操作入力信号（制御コマンド）を受け付け、受け付けた操作入力信号（制御コマンド）を制御回路部４０４に出力する。なお、制御信号（赤外線信号）は、カバー１１の底面に設けられた第４穴１１４を通して赤外線受信モジュールに受信される。
【0039】
報知部４０６は、例えば、表示用の緑色のＬＥＤを有する。ただし、報知部４０６は、表示用のＬＥＤとともに、あるいは、表示用のＬＥＤに代えて、液晶ディスプレイなどの表示デバイスを有しても構わない。さらに、報知部４０６は、圧電ブザーなどを有し、光だけでなく、音による報知を行っても構わない。
【0040】
制御回路部４０４は、（１）概要で説明したように、一つ以上のプロセッサ及びメモリを有するマイクロコントローラを備える。制御回路部４０４は、一つ以上のプロセッサに、通常動作用（蓄電池３０の充電及びＬＥＤ２０の非常点灯）のプログラムを実行させる。また、制御回路部４０４は、点検用及び計時用の各プログラムを実行させることで点検部及び計時部の機能を実現する。なお、制御回路部４０４は、計時部の機能を実現するに当たって、マイクロコントローラが有するタイマ（カウンタ）を利用する。
【0041】
制御回路部４０４は、充電回路部４０１を動作させて常用電源（電力系統Ｐ１）から供給される常用電力で蓄電池３０を充電させる。なお、制御回路部４０４は、報知部４０６のＬＥＤを点灯させることで蓄電池３０が充電中であることを報知する。報知部４０６のＬＥＤから放射される緑色光は、カバー１１の底面に設けられた第３穴１１３を通してカバー１１の外に出射される。
【0042】
また、制御回路部４０４は、電力系統Ｐ１が停電したことを停電検出部４０３から通知されると、充電回路部４０１を停止させ、点灯回路部４０２を動作させて蓄電池３０から供給される非常用電力でＬＥＤ２０を点灯させる。なお、制御回路部４０４は、点灯回路部４０２の動作中は報知部４０６のＬＥＤを消灯させる。
【0043】
（２－３）照明器具の点検
次に、照明器具Ａ１で行われる点検について説明する。非常灯については、６か月に１度の割合で非常点灯への切替え、及び点灯時間（非常点灯した時間）の確認（点検）を行うことが法令（建築基準法）で義務づけられている。そして、点検の結果、非常点灯しない、あるいは、法令で定められた非常点灯の定格時間（３０分又は６０分）が経過する前に消灯した場合、適切な処置、例えば、新しい蓄電池３０への交換などを実施する必要がある。
次に、照明器具Ａ１で行われる点検について説明する。非常灯については、６か月に１度の割合で非常点灯への切替え、及び点灯時間（非常点灯した時間）の確認（点検）を行うことが法令（建築基準法）で義務づけられている。そして、点検の結果、非常点灯しない、あるいは、法令で定められた非常点灯の定格時間（３０分又は６０分）が経過する前に消灯した場合、適切な処置、例えば、新しい蓄電池３０への交換などを実施する必要がある。
【0044】
（２－３－１）基本的な点検動作
制御回路部４０４で実現される点検部（以下、点検部と略す。）は、点灯回路部４０２を制御し、蓄電池３０の点検を行う。制御回路部４０４で実現される計時部（以下、計時部と略す。）は、経過時間が所定のインターバル時間に達したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。例えば、点検部は、充電回路部４０１を停止させ、蓄電池３０から供給される非常用電力によって点灯回路部４０２にＬＥＤ２０を点灯させることで点検を行う。ただし、点検部は、操作入力受付部４０５から出力される操作入力信号及び制御コマンドに応じて点検を開始する場合もある。
制御回路部４０４で実現される点検部（以下、点検部と略す。）は、点灯回路部４０２を制御し、蓄電池３０の点検を行う。制御回路部４０４で実現される計時部（以下、計時部と略す。）は、経過時間が所定のインターバル時間に達したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。例えば、点検部は、充電回路部４０１を停止させ、蓄電池３０から供給される非常用電力によって点灯回路部４０２にＬＥＤ２０を点灯させることで点検を行う。ただし、点検部は、操作入力受付部４０５から出力される操作入力信号及び制御コマンドに応じて点検を開始する場合もある。
【0045】
点検部は、点検開始時点から計時部に計時を開始させる。点検部は、計時部が計時する時間が非常点灯の定格時間（３０分又は６０分）に達した後、点灯回路部４０２からＬＥＤ２０に電流が供給されているか否かを確認する。点検部は、ＬＥＤ２０に電流が供給されていれば、蓄電池３０に異常なしと判断する。一方、ＬＥＤ２０に電流が供給されていなければ、点検部は、蓄電池３０に異常有りと判断する。例えば、蓄電池３０が寿命末期に至っている場合、定格時間に達する前に、蓄電池３０の電池電圧が点灯回路部４０２の下限電圧（ＬＥＤ２０に電流を供給するために必要な最低電圧）を下回ってしまえば、ＬＥＤ２０に電流が供給されなくなる。
【0046】
制御回路部４０４は、点検部の点検結果（蓄電池３０の異常の有無）を報知部４０６から報知させる。点検部の点検結果が蓄電池３０の異常なしの場合、制御回路部４０４は、報知部４０６のＬＥＤを点灯させるとともに充電回路部４０１による充電を再開する。一方、点検部の点検結果が蓄電池３０の異常ありの場合、制御回路部４０４は、充電回路部４０１を停止させたまま、報知部４０６のＬＥＤを点滅させることで蓄電池３０の異常を報知する。
【0047】
【0048】
まず、照明器具Ａ１が設置された後、電力系統Ｐ１の給電が開始されるか、あるいは、電力系統Ｐ１の給電開始後に電池ユニット３が取付板１０に取り付けられて点灯装置４０と電気的に接続されると、点灯装置４０が動作を開始する。
【0049】
点灯装置４０が動作を開始することにより、計時部が経過時間（点灯装置４０の動作開始時点をゼロとした経過時間）の計時を開始する（図４の時点Ｓ１－１）。計時部は、経過時間が第１インターバル時間Ｔ１（例えば、６０日）に達したときに初回の点検開始信号を出力する（図４の時点Ｓ１－２）。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。なお、計時部は、点検開始信号の出力後に経過時間の計時を中止し、点検部の点検完了後に新たに経過時間の計時を開始する。
【0050】
計時部は、再開後の経過時間が第２インターバル時間Ｔ２（例えば、１８０日）に達したときに２回目の点検開始信号を出力する（図４の時点Ｓ１－３）。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。なお、計時部は、点検開始信号の出力後に経過時間の計時を中止し、点検部の点検完了後に新たに経過時間の計時を開始する。
【0051】
さらに、計時部は、再開後の経過時間が第２インターバル時間Ｔ２（例えば、１８０日）に達したときに３回目の点検開始信号を出力する（図４の時点Ｓ１－４）。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。なお、計時部は、点検開始信号の出力後に経過時間の計時を中止し、点検部の点検完了後に新たに経過時間の計時を開始する。以降、計時部は、再開後の経過時間が第２インターバル時間Ｔ２（例えば、１８０日）に達するごとに３回目、４回目、５回目、…の点検開始信号を出力する。
【0052】
しかして、照明器具Ａ１は、計時部が計時する経過時間がインターバル時間（第１インターバル時間Ｔ１及び第２インターバル時間Ｔ２）に達すると、点検部に点検開始信号を出力して点検を開始させる。そのため、照明器具Ａ１は、従来例のように点検を開始するための人の作業が不要になるので、従来例と比べて、点検に要する作業負担の軽減を図ることができる。また、照明器具Ａ１は、初回の点検を２回目以降の点検よりも短期間で行うことにより、蓄電池３０の初期不良を早期に発見できる。
【0053】
ここで、点検で蓄電池３０の異常有りと判断された場合、照明器具Ａ１は、電池ユニット３が交換される。交換作業を行う作業者は、電力系統Ｐ１の給電を継続した状態で取付板１０からカバー１１を取り外し、電池ユニット３を交換する。制御回路部４０４は、充電回路部４０１の充電電流の供給が停止した後、充電電流の供給が再開された場合、電池ユニット３が交換されたと判定し、計時部が計時する経過時間をリセットする。また、制御回路部４０４は、電池ユニット３が交換されて新しい蓄電池３０が充電回路部４０１に接続されると、充電回路部４０１から充電電流の供給を開始させる。
【0054】
あるいは、新しい電池ユニット３を取り付けた後、カバー１１の第１穴１１１から突出する操作部材４０５０（図２参照）を作業者が押操作して操作入力受付部４０５に操作入力を受け付けさせてもよい。操作入力受付部４０５は、受け付けた操作入力に対応する操作入力信号を制御回路部４０４に出力する。制御回路部４０４は、操作入力受付部４０５から受け取った操作入力信号に基づいて計時部の経過時間をリセットする。
【0055】
計時部は、蓄電池３０（電池ユニット３）が交換されると、交換された時点から経過時間の計時を行う（図５の時点Ｓ２－１）。そして、計時部は、経過時間が所定の充電時間Ｔ３（例えば、４８時間）に達すると、再度、経過時間をリセットして再度ゼロから計時を開始する（図５の時点Ｓ２－２）。なお、充電時間Ｔ３は、新しい電池ユニット３（蓄電池３０）を満充電まで充電するのに要する時間である。
【0056】
計時部は、蓄電池３０の充電完了後の経過時間が第２インターバル時間Ｔ２（例えば、１８０日）に達したときに初回の点検開始信号を出力する（図５の時点Ｓ２－３）。計時部は、点検開始信号の出力後に経過時間の計時を中止し、点検部の点検完了後に新たに経過時間の計時を開始する。以降、計時部は、再開後の経過時間が第２インターバル時間Ｔ２（例えば、１８０日）に達するごとに２回目、３回目、４回目、…の点検開始信号を出力する。
【0057】
しかして、照明器具Ａ１は、交換された蓄電池３０の充電が完了した後、点検を開始するための経過時間の計時を計時部に再開させるので、蓄電池３０が満充電されていない状態で点検が開始されることを回避できる。
【0058】
ところで、照明器具Ａ１は、経過時間が第２インターバル時間Ｔ２に達する前に停電が発生した場合（図６の時点Ｓ３－１）、制御回路部４０４が点灯回路部４０２を動作させてＬＥＤ２０を非常点灯させる。なお、制御回路部４０４は、ＬＥＤ２０を点灯させている時間（以下、点灯時間という。）を計時部に計時させる。
【0059】
電力系統Ｐ１が復電すると、制御回路部４０４は、計時部が計時した点灯時間Ｔonを上限時間（例えば、３０分）と比較する（図６の時点Ｓ３－２、Ｓ３－４）。点灯時間Ｔonが上限時間を超えた場合、計時部は、経過時間をリセットしてゼロから計時を再開する。そして、計時部は、復電後の経過時間が第２インターバル時間Ｔ２（例えば、１８０日）に達したときに点検開始信号を出力する（図６の時点Ｓ３－３）。計時部は、点検開始信号の出力後に経過時間の計時を中止し、点検部の点検完了後に新たに経過時間の計時を開始する。言い換えると、計時部は、ＬＥＤ２０の点灯時間が上限時間を超えた場合、経過時間が第２インターバル時間Ｔ２に達するまで点検開始信号を出力しない。すなわち、ＬＥＤ２０の点灯時間Ｔonが上限時間を超えた場合、実質的に蓄電池３０の点検が行われたことになるので、不要な点検が行われることを避けて蓄電池３０の劣化抑制を図ることができる。なお、計時部は、再開後の経過時間が第２インターバル時間Ｔ２（例えば、１８０日）に達するごとに点検開始信号を出力する。
【0060】
一方、点灯時間Ｔonが上限時間を超えなかった場合、計時部は、経過時間をリセットせずに計時を継続する（図６の時点Ｓ３－４）。そして、計時部は、前回の点検完了からの経過時間が第２インターバル時間Ｔ２（例えば、１８０日）に達したときに点検開始信号を出力する（図６の時点Ｓ３－５）。計時部は、点検開始信号の出力後に経過時間の計時を中止し、点検部の点検完了後に新たに経過時間の計時を開始する。以降、計時部は、経過時間が第２インターバル時間Ｔ２（例えば、１８０日）に達するごとに点検開始信号を出力する。
【0061】
しかして、計時部は、点灯時間Ｔonが上限時間を超えない場合、経過時間が第２インターバル時間Ｔ２に達するごとに点検開始信号を出力する。つまり、点灯時間Ｔonが上限時間を超えなかった場合、実質的に点検が行われたことにはならないので、計時部が経過時間の計時を継続することで定期的な点検を自動で行うことができる。
【0062】
ここで、計時部は、操作入力受付部４０５が受け付ける操作入力に応じて、複数のインターバル時間を設定しても構わない。例えば、操作入力受付部４０５がディップスイッチを有し、ディップスイッチによって１か月から６か月までの６通りのインターバル時間を選択できるように構成されても構わない。これにより、照明器具Ａ１は、点検を行う期間（インターバル時間）の設定の自由度を高めて使い勝手の向上を図ることができる。
【0063】
さらに、計時部は、操作入力受付部４０５が受け付ける操作入力に応じて、経過時間の計時を中止しても構わない。すなわち、照明器具Ａ１は、操作入力受付部４０５を操作して計時部による経過時間の中止を可能とすれば、例えば、一時的に自動的な点検を中止して手動による点検に切り替えることができる。
【0064】
ところで、照明器具Ａ１の点灯装置４０は、計時部に代えて判定部を有しても構わない。ただし、判定部は、計時部と同様に、制御回路部４０４が有するマイクロコントローラのプロセッサに、判定用のプログラムを実行させることで実現することが好ましい。
【0065】
制御回路部４０４で実現される判定部（以下、判定部と略す。）は、点検部が点検を行う予定のスケジュール時刻と現在時刻の一致・不一致を判定する。そのため、判定部は、マイクロコントローラに搭載されているＲＴＣ（リアルタイムクロック）機能を利用して現在時刻（日付と時刻）を計時する。なお、判定部が計時する現在時刻は、操作入力受付部４０５が受け付ける操作入力に応じて設定されることが好ましい。また、判定部は、現在時刻の設定が行われた時点を起点として、６か月ごとの定刻（例えば、深夜零時）を点検開始時刻に設定することが好ましい。
【0066】
しかして、判定部は、現在時刻がスケジュール時刻と一致したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。
【0067】
上述のように照明器具Ａ１は、あらかじめ決められたスケジュールに従って自動的に点検を行うことにより、従来例のように点検を開始するための人の作業が不要になるので、従来例と比べて、点検に要する作業負担の軽減を図ることができる。
【0068】
（３）実施形態の変形例
次に、実施形態に係る照明器具Ａ１の幾つかの変形例を説明する。ただし、以下に説明する変形例の照明器具Ａ１の基本構成は、実施形態に係る照明器具Ａ１の基本構成と共通である。したがって、実施形態に係る照明器具Ａ１の基本構成と共通する構成及び実質的に共通する構成については、同一の符号を付して図示及び説明を適宜省略する。なお、以下の説明において「実質的に共通する構成」とは、形状・大きさなどは多少相違しているが機能は共通している構成を意味する。また、以下に説明する複数の変形例同士を組み合わせることも可能である。
次に、実施形態に係る照明器具Ａ１の幾つかの変形例を説明する。ただし、以下に説明する変形例の照明器具Ａ１の基本構成は、実施形態に係る照明器具Ａ１の基本構成と共通である。したがって、実施形態に係る照明器具Ａ１の基本構成と共通する構成及び実質的に共通する構成については、同一の符号を付して図示及び説明を適宜省略する。なお、以下の説明において「実質的に共通する構成」とは、形状・大きさなどは多少相違しているが機能は共通している構成を意味する。また、以下に説明する複数の変形例同士を組み合わせることも可能である。
【0069】
（３－１）変形例１
変形例１の照明器具Ａ１は、図７に示すように、通信媒体を通して通信する通信部４０７を点灯装置４０が有する。変形例１における点検部は、通信部４０７が点検開始コマンドを受信した場合に点検を開始する。なお、通信媒体は電波でもよいし、信号線又は電源線などの導体であっても構わない。
変形例１の照明器具Ａ１は、図７に示すように、通信媒体を通して通信する通信部４０７を点灯装置４０が有する。変形例１における点検部は、通信部４０７が点検開始コマンドを受信した場合に点検を開始する。なお、通信媒体は電波でもよいし、信号線又は電源線などの導体であっても構わない。
【0070】
例えば、一つの建物内に設置されている複数台の照明器具Ａ１同士が、通信部４０７によって点検開始コマンドを送受信し合うことにより、複数台の照明器具Ａ１が同じ時期に点検を行うことができる。その結果、変形例１の照明器具Ａ１は、他の照明器具Ａ１とほぼ同じ時期に点検を行うことによって、点検後の処理（例えば、点検で異常が見つかった蓄電池３０の交換など）をまとめて実施できるので、使い勝手の向上を図ることができる。
【0071】
（３－２）変形例２
変形例２の照明器具Ａ１は、操作入力受付部４０５が受け付ける操作入力に応じて、計時部又は判定部から出力される点検開始信号に応じた点検を中止している場合、点検を中止していることを点検部が報知部４０６に報知させる点に特徴がある。
変形例２の照明器具Ａ１は、操作入力受付部４０５が受け付ける操作入力に応じて、計時部又は判定部から出力される点検開始信号に応じた点検を中止している場合、点検を中止していることを点検部が報知部４０６に報知させる点に特徴がある。
【0072】
点検部は、操作入力受付部４０５の赤外線受信モジュールで受信する制御信号から自動点検中止の制御コマンドを受け取った時点以降、計時部又は判定部から点検開始信号を受け取っても点検を実行しない、言い換えると自動点検を無効とする。ただし、計時部は、自動点検の中止期間中も経過時間の計時を継続する。なお、変形例２における自動点検とは、計時部から出力される点検開始信号又は判定部から出力される点検開始信号に応じて実行する点検を意味する。
【0073】
また、点検部は、自動点検の中止期間中に自動点検の再開を指示する制御コマンドを操作入力受付部４０５から受け取ると、その時点から自動点検を有効とする。点検部は、自動点検が有効であれば、計時部又は判定部から受け取る点検開始信号に応じて点検を実行する。
【0074】
さらに、点検部は、自動点検の有効・無効のそれぞれの状況を報知部４０６に報知させる。報知部４０６は、自動点検の有効・無効を表示するための発光素子を有する。発光素子は、非常灯及び誘導灯で一般に使用されている緑色及び赤色と異なる色、例えば、青色を放射するＬＥＤが好ましい。青色のＬＥＤから放射される青色光は、カバー１１の底面に設けられた第５穴１１５を通してカバー１１の外に出射される（図９参照）。
【0075】
変形例２における報知部４０６は、例えば、点検部の自動点検が有効の場合、青色のＬＥＤを点灯させ、点検部の自動点検が無効の場合、青色のＬＥＤを消灯させる。なお、変形例２における報知部４０６は、点検部が自動点検を実行している間、青色のＬＥＤを点滅させても構わない。例えば、報知部４０６が短い周期（例えば、１秒以下の周期）で青色のＬＥＤを点滅させる場合、離れた場所からの視認性の向上を図ることができる。一方、報知部４０６が長い周期（数秒ないし１０秒程度の周期）で青色のＬＥＤを点滅させる場合、離れた場所からの視認性の低下を抑えつつ周囲の人に気付かれにくくなるように配慮できる。ただし、変形例２における報知部４０６は、青色以外の色（例えば、黄色、ピンク色など）の光を放射するＬＥＤを用いて自動点検の有効・無効を報知しても構わない。あるいは、変形例２における報知部４０６は、液晶ディスプレイなどの表示デバイスに、文字・記号・数字などを用いて自動点検の有効・無効を報知しても構わない。
【0076】
例えば、経過時間ｔ＝ｔ１に点検部の自動点検が有効から無効に切り替えられ、経過時間ｔ＝ｔ２に再び自動点検が有効に切り替えられたと仮定する（図８Ａ参照）。なお、図８Ａの横軸は計時部の経過時間ｔを示している。報知部４０６は、経過時間ｔ＝ｔ１以前の期間、すなわち、点検部の自動点検が有効な期間（有効期間ＴＤ１）には青色のＬＥＤを点灯させて自動点検が有効であることを報知する。一方、報知部４０６は、経過時間ｔ＝ｔ１～ｔ２の期間、すなわち、点検部の自動点検が無効な期間（無効期間ＴＤ２）には青色のＬＥＤを消灯させて自動点検が無効であることを報知する。
【0077】
そして、点検部は、自動点検が有効に切り替わった後の有効期間ＴＤ１内で経過時間ｔが第１インターバル時間Ｔ１又は第２インターバル時間Ｔ２に達すると（経過時間ｔ＝ｔ３）、自動点検を実行する。なお、点検部は、自動点検の実行中（経過時間ｔ＝ｔ３～ｔ４）に報知部４０６のＬＥＤを点滅させて自動点検の実行中であることを報知させる。
【0078】
あるいは、図８Ｂに示すように、経過時間ｔ＝ｔ１に点検部の自動点検が有効から無効に切り替えられ、経過時間ｔ＝ｔ２に経過時間ｔが第１インターバル時間Ｔ１又は第２インターバル時間Ｔ２に達した後、経過時間ｔ＝ｔ３に自動点検が有効に切り替えられたと仮定する。なお、図８Ｂの横軸は計時部の経過時間ｔを示している。報知部４０６は、経過時間ｔ＝ｔ１以前の有効期間ＴＤ１には青色のＬＥＤを点灯させ、経過時間ｔ＝ｔ１～ｔ３の無効期間ＴＤ２には青色のＬＥＤを消灯させる。
【0079】
計時部は、経過時間ｔが第１インターバル時間Ｔ１又は第２インターバル時間Ｔ２に達した時点（ｔ＝ｔ２）で計時を中止する。
【0080】
そして、点検部は、自動点検が無効から有効に切り替えられると（ｔ＝ｔ３）、既に計時部の経過時間が第１インターバル時間Ｔ１又は第２インターバル時間Ｔ２に達しているので、直ちに自動点検を実行する。なお、計時部は、点検部が自動点検を実行すると経過時間ｔの計時をリスタートする。そして、点検部は、自動点検の実行中（ｔ＝ｔ３～ｔ４）に報知部４０６のＬＥＤを点滅させて自動点検の実行中であることを報知させる。
【0081】
このように、変形例２における点検部は、自動点検を実行するか否か（自動点検の有効・無効）を択一的に切り替えることができ、かつ、自動点検の有効・無効を報知部４０６に報知させるので、自動点検の有効・無効を作業者に知らせることができる。
【0082】
なお、変形例２における報知部４０６に無線通信部を設け、自動点検の有効・無効に関する情報を含む無線信号を無線通信部から送信させても構わない。報知部４０６の無線通信部から送信される無線信号は、例えば、作業者が携帯するリモートコントローラで受信される。リモートコントローラは、受信した無線信号に含まれる情報、すなわち、自動点検の有効・無効をＬＥＤなどで表示することが好ましい。
【0083】
【0084】
照明器具Ａ２は、点灯装置Ａ２０、器体Ａ２１、光源ユニットＡ２２、表示ブロックＡ２３、電池ユニットＡ２４などを備えている。
【0085】
器体Ａ２１は、合成樹脂材料により、前面に開口部を有する四角形の箱状に形成されている（図１１参照）。器体Ａ２１は、点灯装置Ａ２０、電池ユニットＡ２４、端子台６０、取付板６１などを収容している。なお、器体Ａ２１の下面に五つの穴（第１穴１１１、第２穴１１２、第３穴１１３、第４穴１１４、第５穴１１５）が設けられている。これら五つの穴は、器体Ａ２１の下面の長手方向に沿って１列に並んでいる（図１０参照）。
【0086】
取付板６１は、金属材料によって板状に形成されている（図１１参照）。取付板６１は、器体Ａ２１の内底面に固定される。なお、器体Ａ２１に対する取付板６１の固定は、ねじ止め又は取付板６１に設けた爪の器体Ａ２１への引っ掛けなどの適宜の方法で行われる。点灯装置Ａ２０と端子台６０は、取付板６１に固定されて器体Ａ２１内に収容される。また、点灯装置Ａ２０と端子台６０は電気的に接続されている。端子台６０は、器体Ａ２１の底面に設けられている電源穴６６（図１１参照）から引き込まれる電源線と電気的に接続される。つまり、点灯装置Ａ２０は、端子台６０と電源線を通じて電力系統Ｐ１と電気的に接続される。
【0087】
電池ユニットＡ２４は、蓄電池を有する。電池ユニットＡ２４は、取付板６１に対して着脱可能に取り付けられる。なお、電池ユニットＡ２４は、取付板６１に取り付けられた状態で点灯装置Ａ２０と電気的に接続される。
【0088】
表示ブロックＡ２３は、表示パネル６２と、導光板６３と、保持体６４と、を有する（図１１参照）。
【0089】
表示パネル６２は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって四角形の平板状に形成されている。ただし、表示パネル６２は、石英ガラスなどの合成樹脂以外の透光性を有する材料で形成されても構わない。表示パネル６２の前面（表示面６２０）には、避難誘導のためのピクトグラム６２１が表示されている（図１０参照）。
【0090】
導光板６３は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって四角形の平板状に形成されている。導光板６３は、その前面を表示パネル６２の後面と対向させるように表示パネル６２の後方に配置される（図１１参照）。導光板６３の上面（入射面６３０）に、光源ユニットＡ２２から放射される光が入射される。入射面６３０から入射する光は、導光板６３内を導光されて導光板６３の前面から出射される。そして、導光板６３の出射面から出射する光によって表示パネル６２が照らされる。
【0091】
保持体６４は、透光性を有しない合成樹脂材料により、前面と上面が開放された四角形の箱状（枠状）に形成されている。保持体６４は、導光板６３の前方に表示パネル６２を配置するようにして表示パネル６２と導光板６３を保持している（図１１参照）。
【0092】
表示ブロックＡ２３は、器体Ａ２１の開口部のうち、光源ユニットＡ２２が取り付けられる上部を除いた残りの部分を覆うように器体Ａ２１に取り付けられる（図１０参照）。
【0093】
光源ユニットＡ２２は、ＬＥＤからなる光源と、光源から放射される光を導光する導光体と、光源及び導光体を収容する筐体６５と、を有している（図１１参照）。
【0094】
筐体６５は、下面と後面が開放された長尺の箱状に形成されている。光源は、基板に実装されて筐体６５の長手方向の一端部（右端部）に収容される。導光体は、長尺の角柱状に形成され、長手方向の一端面（右端面）を光源に対向させ、かつ、長手方向に沿った側面（下面）を筐体６５の下面の開口部分に向けた状態で筐体６５に収容される。なお、光源が実装された基板の一部（以下、突片６７と呼ぶ。）が筐体６５の後面から突出している（図１１参照）。
【0095】
光源ユニットＡ２２は、器体Ａ２１の前面上部に嵌め込むようにして器体Ａ２１に取り付けられる。このとき、器体Ａ２１の右上隅に設置されているコネクタ６８に突片６７が差込接続されることにより、光源ユニットＡ２２（光源）と点灯装置Ａ２０がコネクタ６８及び電線を介して電気的に接続される。
【0096】
しかして、光源ユニットＡ２２が器体Ａ２１に取り付けられた状態において、導光板６３の入射面６３０と光源ユニットＡ２２の出射口が上下方向に対向する。したがって、光源ユニットＡ２２の出射口から出射する光のほぼ全部が、導光板６３の入射面６３０から導光板６３に入射する。導光板６３に入射した光は、導光板６３内を進行しながら保持体６４の後面で全反射されて導光板６３の出射面から前方へ出射して表示パネル６２を照らすことができる。
【0097】
点灯装置Ａ２０は、電力系統Ｐ１から供給される常用電力で蓄電池を充電するとともに光源を点灯させ、常用電力の供給が停止したときに蓄電池の充電電力によって光源を点灯させるように構成される。
【0098】
しかして、変形例３の照明器具Ａ２は、実施形態に係る照明器具Ａ１と同様に、点検を開始するための人の作業が不要になるので、点検に要する作業負担の軽減を図ることができる。
【0099】
ここで、誘導灯である変形例３の照明器具Ａ２は、変形例２の特徴を有することが好ましい。すなわち、映画館のように上映中に誘導灯が消灯される場合においては、点検部が経過時間に応じて上映中に点検を実行してしまうことを防ぐため、点検部の自動点検を無効とする必要がある。そのため、変形例３の照明器具Ａ２は、操作入力受付部４０５が受け付ける操作入力に応じて点検部の自動点検を無効にさせることが好ましい。さらに、変形例３の照明器具Ａ２は、点検部の自動点検の有効・無効を報知部４０６に報知させることが好ましい。例えば、変形例３における報知部４０６は、変形例２と同様に、器体Ａ２１の下面に設けられた第５穴１１５から青色光を出射させることで点検部の自動点検が有効であることを報知し、青色光を出射させないことで自動点検が無効であることを報知させればよい。これにより、変形例３の照明器具Ａ２は、点検部の自動点検の有効・無効を作業者等に知らせることができる。
【0100】
（４）まとめ
本開示の第１の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、光源（ＬＥＤ２０）と、交換可能な蓄電池（３０）と、充電回路部（４０１）と、点灯回路部（４０２）と、点検部（制御回路部４０４）と、経過時間を計時する計時部（制御回路部４０４）と、を備える。充電回路部（４０１）は、常用電源（電力系統Ｐ１）から供給される常用電力で蓄電池（３０）を充電する。点灯回路部（４０２）は、蓄電池（３０）から供給される非常用電力で光源を点灯させる。点検部は、点灯回路部（４０２）を制御し、蓄電池（３０）の点検を行う。計時部は、経過時間が所定のインターバル時間に達したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。
本開示の第１の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、光源（ＬＥＤ２０）と、交換可能な蓄電池（３０）と、充電回路部（４０１）と、点灯回路部（４０２）と、点検部（制御回路部４０４）と、経過時間を計時する計時部（制御回路部４０４）と、を備える。充電回路部（４０１）は、常用電源（電力系統Ｐ１）から供給される常用電力で蓄電池（３０）を充電する。点灯回路部（４０２）は、蓄電池（３０）から供給される非常用電力で光源を点灯させる。点検部は、点灯回路部（４０２）を制御し、蓄電池（３０）の点検を行う。計時部は、経過時間が所定のインターバル時間に達したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。
【0101】
第１の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、計時部が計時する経過時間がインターバル時間に達すると、点検部に点検開始信号を出力して点検を開始させるので、従来例のように点検を開始するための人の作業が不要になる。その結果、第１の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、従来例と比べて、点検に要する作業負担の軽減を図ることができる。
【0102】
本開示の第２の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、第１の態様との組合せにより実現され得る。第２の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）において、計時部は、充電回路部（４０１）と蓄電池（３０）が電気的に接続された時点から経過時間の計時を開始することが好ましい。
【0103】
第２の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、蓄電池（３０）が交換された場合、計時部に交換の時点から経過時間の計時を開始させるので、交換後の蓄電池（３０）に対しても自動的に点検できる。その結果、第２の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、点検に要する作業負担の更なる軽減を図ることができる。
【0104】
本開示の第３の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、第１の態様との組合せにより実現され得る。第３の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、操作入力を受け付ける操作入力受付部（４０５）を更に備えることが好ましい。計時部は、操作入力受付部（４０５）が所定の操作入力を受け付けた時点から経過時間の計時を開始することが好ましい。
【0105】
第３の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、例えば、経過時間の計時が誤って開始された場合でも、人の操作に基づいて経過時間の計時を開始できる。
【0106】
本開示の第４の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、第１－第３のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第４の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）において、計時部は、インターバル時間として、第１インターバル時間（Ｔ１）と、第１インターバル時間（Ｔ１）よりも長い第２インターバル時間（Ｔ２）と、を有することが好ましい。計時部は、経過時間が第１インターバル時間（Ｔ１）に達したときに初回の点検開始信号を出力し、経過時間が第２インターバル時間（Ｔ２）に達するごとに２回目以降の点検開始信号を出力することが好ましい。
【0107】
第４の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、初回の点検を２回目以降の点検よりも短期間で行うことにより、蓄電池（３０）の初期不良を早期に発見できる。
【0108】
本開示の第５の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、第１－第４のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第５の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）において、計時部は、蓄電池（３０）が交換された場合、交換後の新しい蓄電池（３０）の充電が完了した時点から経過時間の計時を開始することが好ましい。
【0109】
第５の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、蓄電池（３０）が満充電されていない状態で点検が開始されることを回避できる。
【0110】
本開示の第６の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、第４の態様との組合せにより実現され得る。第６の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）において、計時部は、点灯回路部（４０２）が光源を点灯させた点灯時間（Ｔon）が、所定の上限時間を超えた場合、経過時間が第２インターバル時間（Ｔ２）に達するまで点検開始信号を出力しないことが好ましい。
【0111】
第６の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、点灯時間（Ｔon）が上限時間を超えた場合、実質的に蓄電池（３０）の点検が行われたことになるので、不要な点検が行われることを避けて蓄電池（３０）の劣化抑制を図ることができる。
【0112】
本開示の第７の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、第６の態様との組合せにより実現され得る。第７の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）において、計時部は、点灯時間（Ｔon）が上限時間を超えない場合、経過時間が第２インターバル時間（Ｔ２）に達するごとに点検開始信号を出力することが好ましい。
【0113】
第７の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、点灯時間（Ｔon）が上限時間を超えなかった場合、実質的に点検が行われたことにはならないので、計時部が経過時間の計時を継続することで定期的な点検を自動で行うことができる。
【0114】
本開示の第８の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、第１－第７のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第８の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、操作入力を受け付ける操作入力受付部（４０５）を更に備えることが好ましい。計時部は、操作入力受付部（４０５）が受け付ける操作入力に応じて、複数のインターバル時間を設定することが好ましい。
【0115】
第８の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、点検を行う期間（インターバル時間）の設定の自由度を高めて使い勝手の向上を図ることができる。
【0116】
本開示の第９の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、第８の態様との組合せにより実現され得る。第９の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）において、計時部は、操作入力受付部（４０５）が受け付ける操作入力に応じて、経過時間の計時を中止することが好ましい。
【0117】
第９の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、例えば、一時的に自動的な点検を中止して手動による点検に切り替えることができる。
【0118】
本開示の第１０の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、第１－第９のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第１０の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、通信媒体を通して通信する通信部（４０７）を更に備えることが好ましい。点検部は、通信部（４０７）が点検開始コマンドを受信した場合に点検を開始することが好ましい。
【0119】
第１０の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、他の照明器具（Ａ１；Ａ２）の通信部（４０７）同士で点検開始コマンドを送受信することによって、複数台の照明器具（Ａ１；Ａ２）が同じ時期に点検を行うことができる。その結果、第１０の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、点検後の処理（例えば、点検で異常が見つかった蓄電池（３０）の交換など）をまとめて実施できるので、使い勝手の向上を図ることができる。
【0120】
本開示の第１１の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、光源（ＬＥＤ２０）と、交換可能な蓄電池（３０）と、充電回路部（４０１）と、点灯回路部（４０２）と、点検部（制御回路部４０４）と、判定部（制御回路部４０４）と、を備える。充電回路部（４０１）は、常用電源（電力系統Ｐ１）から供給される常用電力で蓄電池（３０）を充電する。点灯回路部（４０２）は、蓄電池（３０）から供給される非常用電力で光源を点灯させる。点検部は、点灯回路部（４０２）を制御し、蓄電池（３０）の点検を行う。判定部は、点検部が点検を行う予定のスケジュール時刻と現在時刻の一致・不一致を判定する。判定部は、現在時刻がスケジュール時刻と一致したときに点検部に点検を開始させるための点検開始信号を出力する。点検部は、点検開始信号を受け取ると点検を開始する。
【0121】
第１１の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、あらかじめ決められたスケジュールに従って自動的に点検を行うことにより、従来例のように点検を開始するための人の作業が不要になるので、従来例と比べて、点検に要する作業負担の軽減を図ることができる。
【0122】
本開示の第１２の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、第１の態様との組合せにより実現され得る。第１２の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、操作入力を受け付ける操作入力受付部（４０５）と、報知部（４０６）と、を更に備えることが好ましい。点検部は、操作入力受付部（４０５）から受け付ける操作入力に応じて、計時部から出力される点検開始信号に応じた点検を中止することが好ましい。点検部は、点検を中止していることを報知部（４０６）に報知させることが好ましい。
【0123】
第１２の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、点検部が経過時間に応じて自動的に点検を実行しないことを作業者に知らせることができる。
【0124】
本開示の第１３の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、第１１の態様との組合せにより実現され得る。第１３の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、操作入力を受け付ける操作入力受付部（４０５）と、報知部（４０６）と、を更に備えることが好ましい。点検部は、操作入力受付部（４０５）が受け付ける操作入力に応じて、判定部から出力される点検開始信号に応じた点検を中止し、かつ、点検を中止していることを報知部（４０６）に報知させることが好ましい。
【0125】
第１３の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、点検部がスケジュールに応じて自動的に点検を実行しないことを作業者に知らせることができる。
【0126】
本開示の第１４の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、第１２又は第１３の態様との組合せにより実現され得る。第１４の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）において、点検部は、点検を中止していない場合、点検を実行可能であることを報知部（４０６）に報知させることが好ましい。
【0127】
第１４の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、点検部が経過時間に応じて自動的に点検を実行することを作業者に知らせることができる。
【0128】
本開示の第１５の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、第１２－第１４のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第１５の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）において、報知部（４０６）は、発光素子又は表示デバイスを有することが好ましい。報知部（４０６）は、発光素子を発光させて報知することが好ましい。報知部（４０６）は、表示デバイスに文字・記号などを表示させて報知することが好ましい。
【0129】
第１５の態様に係る照明器具（Ａ１；Ａ２）は、点検部が自動的に点検を実行するか否かを、作業者に容易に知らせることができる。
【符号の説明】
【0130】
Ａ１；Ａ２ 照明器具
Ｐ１ 電力系統（常用電源）
Ｔ１ 第１インターバル時間
Ｔ２ 第２インターバル時間
Ｔon 点灯時間
２０ ＬＥＤ（光源）
３０ 蓄電池
４００ 電源回路部
４０１ 充電回路部
４０２ 点灯回路部
４０４ 制御回路部（点検部、計時部、判定部）
４０５ 操作入力受付部
４０６ 報知部
４０７ 通信部
Ｐ１ 電力系統（常用電源）
Ｔ１ 第１インターバル時間
Ｔ２ 第２インターバル時間
Ｔon 点灯時間
２０ ＬＥＤ（光源）
３０ 蓄電池
４００ 電源回路部
４０１ 充電回路部
４０２ 点灯回路部
４０４ 制御回路部（点検部、計時部、判定部）
４０５ 操作入力受付部
４０６ 報知部
４０７ 通信部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】