IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ノベルクリスタルテクノロジーの特許一覧 ▶ 株式会社イオンテクノセンターの特許一覧

特開2024-159431電界効果トランジスタ及びその製造方法
<>
  • 特開-電界効果トランジスタ及びその製造方法 図1
  • 特開-電界効果トランジスタ及びその製造方法 図2
  • 特開-電界効果トランジスタ及びその製造方法 図3
  • 特開-電界効果トランジスタ及びその製造方法 図4
  • 特開-電界効果トランジスタ及びその製造方法 図5
  • 特開-電界効果トランジスタ及びその製造方法 図6
  • 特開-電界効果トランジスタ及びその製造方法 図7
  • 特開-電界効果トランジスタ及びその製造方法 図8
  • 特開-電界効果トランジスタ及びその製造方法 図9
  • 特開-電界効果トランジスタ及びその製造方法 図10
  • 特開-電界効果トランジスタ及びその製造方法 図11
  • 特開-電界効果トランジスタ及びその製造方法 図12
  • 特開-電界効果トランジスタ及びその製造方法 図13
  • 特開-電界効果トランジスタ及びその製造方法 図14
  • 特開-電界効果トランジスタ及びその製造方法 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159431
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】電界効果トランジスタ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20241031BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20241031BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20241031BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20241031BHJP
   H01L 29/26 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H01L29/78 652J
H01L29/78 652T
H01L29/78 653A
H01L29/78 652K
H01L29/78 652C
H01L29/78 658K
H01L21/02 B
H01L29/78 658A
H01L21/02 C
H01L29/78 658F
H01L29/78 658G
H01L29/26
H01L29/78 652F
H01L29/78 652M
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023188600
(22)【出願日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】P 2023074795
(32)【優先日】2023-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】515277942
【氏名又は名称】株式会社ノベルクリスタルテクノロジー
(71)【出願人】
【識別番号】308035117
【氏名又は名称】株式会社イオンテクノセンター
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】根元 亮一
(72)【発明者】
【氏名】三井田 高
(72)【発明者】
【氏名】倉知 郁生
(72)【発明者】
【氏名】須山 篤志
(72)【発明者】
【氏名】横田 一広
(57)【要約】
【課題】トレンチゲート構造を有する電界効果トランジスタであって、トレンチの底部への電界の集中を効果的に緩和する構造を備えた特性ばらつきの少ない電界効果トランジスタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】酸化ガリウム系半導体からなるn型の第1の半導体層10と、Siからなる第2の半導体層11と、第1のトレンチ12a及び第2のトレンチ12b中にそれぞれゲート絶縁膜13に覆われて埋め込まれた第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bと、第2の半導体層11の表層の少なくとも一部に設けられたn型領域111と、第1の半導体層10とn型領域111を隔離するように設けられたp型領域112と、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの中にそれぞれ形成された第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bと、を備えた、電界効果トランジスタ1を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化ガリウム系半導体からなるn型の第1の半導体層と、
前記第1の半導体層上に設けられた、Siからなる第2の半導体層と、
前記第2の半導体層の上面から前記第1の半導体層まで達する第1のトレンチと第2のトレンチ中にそれぞれゲート絶縁膜に覆われて埋め込まれた第1のゲート電極と第2のゲート電極と、
前記第2の半導体層の前記第1のトレンチと前記第2のトレンチの間のトレンチ間領域の表層の、少なくとも一部に設けられたn型領域と、
前記トレンチ間領域の前記第1の半導体層と前記n型領域の間の領域に、前記第1の半導体層と前記n型領域を隔離するように設けられたp型領域と、
前記第2の半導体層の上面から前記第1の半導体層まで達し、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチよりも深く、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチをそれぞれ幅方向に分割する第3のトレンチと第4のトレンチの中にそれぞれ形成され、前記ゲート絶縁膜にそれぞれ接触する第1のp型半導体部と第2のp型半導体部と、
前記n型領域、前記第1のp型半導体部、及び前記第2のp型半導体部に接続されたソース電極と、
前記第1の半導体層に接続されたドレイン電極と、
を備えた、電界効果トランジスタ。
【請求項2】
前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部が、前記第3のトレンチと前記第4のトレンチの中の底部から上部まで形成されている、
請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項3】
前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部が、前記第3のトレンチと前記第4のトレンチの中の底部からの一部に形成され、
前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第1のゲート電極が、前記第1のトレンチとそこに空間的に連続する前記第3のトレンチの前記第1のp型半導体部の上の領域の中に形成され、
前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第2のゲート電極が、前記第2のトレンチとそこに空間的に連続する前記第4のトレンチの前記第2のp型半導体部の上の領域の中に形成された、
請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項4】
前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部が、前記第3のトレンチと前記第4のトレンチの中の底部からの一部に形成され、
前記第3のトレンチの中の前記第1のp型半導体部の上の領域に、前記ソース電極と前記第1のp型半導体部を接続する第1のコンタクトが形成され、
前記第4のトレンチの中の前記第2のp型半導体部の上の領域に、前記ソース電極と前記第2のp型半導体部を接続する第2のコンタクトが形成され、
前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第1のゲート電極が、前記第1のトレンチとそこに空間的に連続する前記第3のトレンチの中の前記第1のコンタクトの両側の領域に形成され、
前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第2のゲート電極が、前記第2のトレンチとそこに空間的に連続する前記第4のトレンチの中の前記第2のコンタクトの両側の領域に形成され、
前記第1のゲート電極の底面と前記第1のp型半導体部の水平方向の位置に重なりがあり、
前記第2のゲート電極の底面と前記第2のp型半導体部の水平方向の位置に重なりがある、
請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項5】
前記トレンチ間領域の前記第1の半導体層と前記p型領域の間の領域に、第2のn型領域が設けられた、
請求項1~4のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項6】
前記第1の半導体層と前記第2の半導体層の間にn型の中間半導体層が設けられ、
前記中間半導体層が、酸化されたときにn型を維持することができるn型の非酸化物、又はn型のSiCからなり、
前記中間半導体層が、前記n型の非酸化物からなる場合、前記第1の半導体層側の一部若しくは全体が酸化されており、又は酸化されておらず、前記n型のSiCからなる場合、酸化されていない、
請求項1~4のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項7】
前記トレンチ間領域の前記中間半導体層と前記p型領域の間の領域に、第2のn型領域が設けられた、
請求項6に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項8】
前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部がp型の酸化物半導体からなる、
請求項1~4のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項9】
前記p型の酸化物半導体がp型のNiO、CuO、又はCuOである、
請求項8に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項10】
酸化ガリウム系半導体からなるn型の第1の半導体層の上に、Siからなる第2の半導体層を形成する工程と、
前記第2の半導体層の上面から前記第1の半導体層まで達する第1のトレンチと第2のトレンチを形成する工程と、
前記第1のトレンチと前記第2のトレンチの内面を覆う被覆膜を形成する工程と、
前記被覆膜に異方性エッチングを施して、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチの両側面を覆う側壁部分を残して、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチの底面上の前記側壁部分の間の部分を除去する工程と、
前記被覆膜の前記側壁部分をマスクとして用いて、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチの底面に露出した前記第1の半導体層にエッチングを施し、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチをそれぞれ幅方向に分割する第3のトレンチと第4のトレンチを自己整合的に形成する工程と、
前記第3のトレンチと前記第4のトレンチの中にそれぞれ第1のp型半導体部と第2のp型半導体部を形成する工程と、
前記被覆膜を除去した後、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチの中に、それぞれゲート絶縁膜に覆われた第1のゲート電極と第2のゲート電極を形成する工程と、
前記第1のゲート電極、前記第2のゲート電極、前記第1のp型半導体部、及び前記第2のp型半導体部に接続されたソース電極と、前記第1の半導体層に接続されたドレイン電極とを形成する工程と、
を含む、
電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項11】
前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部を形成する工程において、前記第3のトレンチと前記第4のトレンチの中の底部から上部まで前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部を形成し、
前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極を形成する工程において、前記第1のp型半導体部の両側の前記第1のトレンチの中に前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第1のゲート電極を形成し、前記第2のp型半導体部の両側の前記第2のトレンチの中に前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第2のゲート電極を形成する、
請求項10に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項12】
前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部を形成する工程において、前記第3のトレンチと前記第4のトレンチの中の底部からの一部にそれぞれ前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部を形成し、
前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極を形成する工程において、前記第1のトレンチとそこに空間的に連続する前記第3のトレンチの前記第1のp型半導体部の上の領域の中に、前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第1のゲート電極を形成し、前記第2のトレンチとそこに空間的に連続する前記第4のトレンチの前記第2のp型半導体部の上の領域の中に、前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第2のゲート電極を形成する、
請求項10に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項13】
前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部を形成する工程において、前記第3のトレンチと前記第4のトレンチの中の底部からの一部にそれぞれ前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部を形成し、
前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極を形成する工程において、前記第1のトレンチとそこに空間的に連続する前記第3のトレンチの中の、前記第1のp型半導体部の上の第1の間隙の両側に、前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第1のゲート電極を形成し、前記第2のトレンチとそこに空間的に連続する前記第4のトレンチの中の、前記第2のp型半導体部の上の第2の間隙の両側に、前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第2のゲート電極を形成し、
前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極を形成する工程の後、前記ソース電極を形成する前に、前記第1の間隙と前記第2の間隙の中にそれぞれ埋め込まれた第1のコンタクトと第2のコンタクトを形成する、
請求項10に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項14】
前記第2の半導体層を形成する工程において、前記第1の半導体層上に、中間半導体層を介して前記第2の半導体層を形成し、
前記中間半導体層が、酸化されたときにn型を維持することができるn型の非酸化物、又はn型のSiCからなる、
請求項10~13のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界効果トランジスタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トレンチゲート構造を有する電界効果トランジスタであって、β-GaとSiを半導体層として用いた、高耐圧のパワー半導体素子である電界効果トランジスタが知られている(特許文献1を参照)。Gaは、従来電界効果トランジスタの半導体層の材料として一般的に用いられているSi、SiC、GaNよりもバンドギャップが大きい。特許文献1に記載の電界効果トランジスタにおいては、電界が集中するトレンチの底部が破壊電界強度の高いβ-Gaの層に設けられているため、トレンチの底部がSi、SiC、GaNの層に設けられる電界効果トランジスタと比較して、高電圧を印加したときの半導体層の高電界による破壊をより効果的に抑えることができる。
【0003】
また、従来、トレンチゲート構造を有する電界効果トランジスタであって、SiCからなる半導体層にゲート酸化膜領域に重なるp型領域が設けられたものが知られている(非特許文献1を参照)。一般的に、トレンチゲート構造を有する電界効果トランジスタの耐圧を向上させるためには、トレンチ底部の電界集中を緩和する必要がある。非特許文献1に記載の電界効果トランジスタにおいては、ゲート酸化膜領域に重なるp型領域によりトレンチの底部への電界の集中を緩和することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6873516号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】D. Peters et, al., “CoolSiC Trench MOSFET Combining SiC Performance with Silicon Ruggedness”, Issue 3 Power electronics Europe 2017.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特に信頼性に優れる電界効果トランジスタを得るためには、特許文献1に記載の電界効果トランジスタに非特許文献1に記載のゲート酸化膜領域に重なるp型領域を適用して、トレンチの底部への電界の集中を緩和することが理想的である。この場合、トレンチの底部周辺の半導体層の絶縁破壊のみならずゲート絶縁膜の絶縁破壊まで抑制し、電界効果トランジスタの信頼性のさらなる向上が期待できる。
【0007】
しかしながら、このようなp型領域を利用した電界効果トランジスタにおいては、p型領域の位置がトレンチの底部への電界の集中を緩和する効果に影響を及ぼすため、p型領域を形成する際の位置ずれによって特性にばらつきが生じるおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、トレンチゲート構造を有する電界効果トランジスタであって、トレンチの底部への電界の集中を効果的に緩和する構造を備えた特性ばらつきの少ない電界効果トランジスタ、及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記の電界効果トランジスタ、及び電界効果トランジスタの製造方法を提供する。
【0010】
[1]酸化ガリウム系半導体からなるn型の第1の半導体層と、前記第1の半導体層上に設けられた、Siからなる第2の半導体層と、前記第2の半導体層の上面から前記第1の半導体層まで達する第1のトレンチと第2のトレンチ中にそれぞれゲート絶縁膜に覆われて埋め込まれた第1のゲート電極と第2のゲート電極と、前記第2の半導体層の前記第1のトレンチと前記第2のトレンチの間のトレンチ間領域の表層の、少なくとも一部に設けられたn型領域と、前記トレンチ間領域の前記第1の半導体層と前記n型領域の間の領域に、前記第1の半導体層と前記n型領域を隔離するように設けられたp型領域と、前記第2の半導体層の上面から前記第1の半導体層まで達し、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチよりも深く、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチをそれぞれ幅方向に分割する第3のトレンチと第4のトレンチの中にそれぞれ形成され、前記ゲート絶縁膜にそれぞれ接触する第1のp型半導体部と第2のp型半導体部と、前記n型領域、前記第1のp型半導体部、及び前記第2のp型半導体部に接続されたソース電極と、前記第1の半導体層に接続されたドレイン電極と、を備えた、電界効果トランジスタ。
[2]前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部が、前記第3のトレンチと前記第4のトレンチの中の底部から上部まで形成されている、上記[1]に記載の電界効果トランジスタ。
[3]前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部が、前記第3のトレンチと前記第4のトレンチの中の底部からの一部に形成され、前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第1のゲート電極が、前記第1のトレンチとそこに空間的に連続する前記第3のトレンチの前記第1のp型半導体部の上の領域の中に形成され、前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第2のゲート電極が、前記第2のトレンチとそこに空間的に連続する前記第4のトレンチの前記第2のp型半導体部の上の領域の中に形成された、上記[1]に記載の電界効果トランジスタ。
[4]前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部が、前記第3のトレンチと前記第4のトレンチの中の底部からの一部に形成され、前記第3のトレンチの中の前記第1のp型半導体部の上の領域に、前記ソース電極と前記第1のp型半導体部を接続する第1のコンタクトが形成され、前記第4のトレンチの中の前記第2のp型半導体部の上の領域に、前記ソース電極と前記第2のp型半導体部を接続する第2のコンタクトが形成され、前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第1のゲート電極が、前記第1のトレンチとそこに空間的に連続する前記第3のトレンチの中の前記第1のコンタクトの両側の領域に形成され、前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第2のゲート電極が、前記第2のトレンチとそこに空間的に連続する前記第4のトレンチの中の前記第2のコンタクトの両側の領域に形成され、前記第1のゲート電極の底面と前記第1のp型半導体部の水平方向の位置に重なりがあり、前記第2のゲート電極の底面と前記第2のp型半導体部の水平方向の位置に重なりがある、記[1]に記載の電界効果トランジスタ。
[5]前記トレンチ間領域の前記第1の半導体層と前記p型領域の間の領域に、第2のn型領域が設けられた、上記[1]~[4]のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
[6]前記第1の半導体層と前記第2の半導体層の間にn型の中間半導体層が設けられ、前記中間半導体層が、酸化されたときにn型を維持することができるn型の非酸化物、又はn型のSiCからなり、前記中間半導体層が、前記n型の非酸化物からなる場合、前記第1の半導体層側の一部若しくは全体が酸化されており、又は酸化されておらず、前記n型のSiCからなる場合、酸化されていない、上記[1]~[4]のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
[7]前記トレンチ間領域の前記中間半導体層と前記p型領域の間の領域に、第2のn型領域が設けられた、上記[6]に記載の電界効果トランジスタ。
[8]前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部がp型の酸化物半導体からなる、上記[1]~[4]のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
[9]前記p型の酸化物半導体がp型のNiO、CuO、又はCuOである、上記[8]に記載の電界効果トランジスタ。
[10]酸化ガリウム系半導体からなるn型の第1の半導体層の上に、Siからなる第2の半導体層を形成する工程と、前記第2の半導体層の上面から前記第1の半導体層まで達する第1のトレンチと第2のトレンチを形成する工程と、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチの内面を覆う被覆膜を形成する工程と、前記被覆膜に異方性エッチングを施して、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチの両側面を覆う側壁部分を残して、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチの底面上の前記側壁部分の間の部分を除去する工程と、前記被覆膜の前記側壁部分をマスクとして用いて、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチの底面に露出した前記第1の半導体層にエッチングを施し、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチをそれぞれ幅方向に分割する第3のトレンチと第4のトレンチを自己整合的に形成する工程と、前記第3のトレンチと前記第4のトレンチの中にそれぞれ第1のp型半導体部と第2のp型半導体部を形成する工程と、前記被覆膜を除去した後、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチの中に、それぞれゲート絶縁膜に覆われた第1のゲート電極と第2のゲート電極を形成する工程と、前記第1のゲート電極、前記第2のゲート電極、前記第1のp型半導体部、及び前記第2のp型半導体部に接続されたソース電極と、前記第1の半導体層に接続されたドレイン電極とを形成する工程と、を含む、電界効果トランジスタの製造方法。
[11]前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部を形成する工程において、前記第3のトレンチと前記第4のトレンチの中の底部から上部まで前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部を形成し、前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極を形成する工程において、前記第1のp型半導体部の両側の前記第1のトレンチと前記第2のp型半導体部の両側の前記第2のトレンチの中に、それぞれ前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極を形成する、上記[10]に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
[12]前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部を形成する工程において、前記第3のトレンチと前記第4のトレンチの中の底部からの一部にそれぞれ前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部を形成し、前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極を形成する工程において、前記第1のトレンチとそこに空間的に連続する前記第3のトレンチの前記第1のp型半導体部の上の領域の中に、前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第1のゲート電極を形成し、前記第2のトレンチとそこに空間的に連続する前記第4のトレンチの前記第2のp型半導体部の上の領域の中に、前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第2のゲート電極を形成する、上記[10]に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
[13]前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部を形成する工程において、前記第3のトレンチと前記第4のトレンチの中の底部からの一部にそれぞれ前記第1のp型半導体部と前記第2のp型半導体部を形成し、前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極を形成する工程において、前記第1のトレンチとそこに空間的に連続する前記第3のトレンチの中の、前記第1のp型半導体部の上の第1の間隙の両側に、前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第1のゲート電極を形成し、前記第2のトレンチとそこに空間的に連続する前記第4のトレンチの中の、前記第2のp型半導体部の上の第2の間隙の両側に、前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第2のゲート電極を形成し、前記ゲート絶縁膜に覆われた前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極を形成する工程の後、前記ソース電極を形成する前に、前記第1の間隙と前記第2の間隙の中にそれぞれ埋め込まれた第1のコンタクトと第2のコンタクトを形成する、上記[10]に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
[14]前記第2の半導体層を形成する工程において、前記第1の半導体層上に、中間半導体層を介して前記第2の半導体層を形成し、前記中間半導体層が、酸化されたときにn型を維持することができるn型の非酸化物、又はn型のSiCからなる、上記[10]~[13]のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、トレンチゲート構造を有する電界効果トランジスタであって、トレンチの底部への電界の集中を効果的に緩和する構造を備えた特性ばらつきの少ない電界効果トランジスタ及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電界効果トランジスタの垂直断面図である。
図2図2(a)、(b)、(c)は、それぞれ電界効果トランジスタのゲート特性、オン特性、オフ耐圧特性を示すグラフである。
図3図3(a)~(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る電界効果トランジスタの製造工程の一例を示す垂直断面図である。
図4図4(a)~(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る電界効果トランジスタの製造工程の一例を示す垂直断面図である。
図5図5(a)~(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る電界効果トランジスタの製造工程の一例を示す垂直断面図である。
図6図6(a)、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る電界効果トランジスタの製造工程の一例を示す垂直断面図である。
図7図7は、本発明の第2の実施の形態に係る電界効果トランジスタの垂直断面図である。
図8図8(a)~(c)は、本発明の第2の実施の形態に係る電界効果トランジスタの製造工程の一例を示す垂直断面図である。
図9図9は、本発明の第3の実施の形態に係る電界効果トランジスタの垂直断面図である。
図10図10(a)~(c)は、本発明の第3の実施の形態に係る電界効果トランジスタの製造工程の一例を示す垂直断面図である。
図11図11(a)、(b)は、本発明の第4の実施の形態に係る電界効果トランジスタの垂直断面図と水平断面図である。
図12図12(a)~(c)は、本発明の第4の実施の形態に係る電界効果トランジスタの製造工程の一例を示す垂直断面図である。
図13図13(a)~(c)は、本発明の第4の実施の形態に係る電界効果トランジスタの製造工程の一例を示す垂直断面図である。
図14図14(a)~(c)は、本発明の第4の実施の形態に係る電界効果トランジスタの製造工程の一例を示す垂直断面図である。
図15図15は、本発明の第4の実施の形態に係る電界効果トランジスタの製造工程の一例を示す垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔第1の実施の形態〕
(電界効果トランジスタの構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電界効果トランジスタ1の垂直断面図である。電界効果トランジスタ1は、トレンチゲート構造を有する縦型の電界効果トランジスタである。
【0014】
電界効果トランジスタ1は、酸化ガリウム系半導体からなるn型の第1の半導体層10と、第1の半導体層10上に設けられた、Siからなる第2の半導体層11と、第1のトレンチ12a及び第2のトレンチ12b中にそれぞれゲート絶縁膜13に覆われて埋め込まれた第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bと、第2の半導体層11の第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの間の領域(以下、トレンチ間領域と呼ぶ)の表層の、少なくとも一部に設けられたn型領域111と、上記トレンチ間領域の第1の半導体層10とn型領域111の間の領域に、第1の半導体層10とn型領域111を隔離するように設けられたp型領域112と、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの中にそれぞれ形成され、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12b内のゲート絶縁膜13にそれぞれ接触する第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bと、n型領域111、第1のp型半導体部16a、及び第2のp型半導体部16bに接続されたソース電極17と、第1の半導体層10に接続されたドレイン電極18とを備える。
【0015】
第1のトレンチ12a及び第2のトレンチ12bは、第2の半導体層11の上面(第1の半導体層10と反対側の面)から第1の半導体層10まで達する。第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bは、第2の半導体層11の上面から第1の半導体層10まで達し、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bよりも深い。また、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bは、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bをそれぞれ幅方向(図1における横方向)に分割する。
【0016】
電界効果トランジスタ1においては、第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bが、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの中の底部から上部まで形成されており、第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bは第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの中には形成されていない。そのため、第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bは、それぞれ第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bによって幅方向(図1における横方向)に分割されている。ここで、第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの内側(図1の中央側)の第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bが、電界効果トランジスタ1のゲート電極として用いられる。第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの外側の第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bは、電界効果トランジスタ1に隣接して製造される電界効果トランジスタのゲート電極として用いることができる。
【0017】
電界効果トランジスタ1は、ノーマリーオフ型でもノーマリーオン型でもよいが、パワーデバイスとして用いられる場合には、安全性の観点から、通常、ノーマリーオフ型に製造される。ゲート回路の断線等によりゲートが制御不能になった時にソース電極17とドレイン電極18が導通することを防ぐためである。
【0018】
ノーマリーオフ型の電界効果トランジスタ1においては、第1のゲート電極14aとソース電極17との間及び第2のゲート電極14bとソース電極17との間にゲート閾値電圧以上の電圧を印加することにより、トレンチ間領域におけるp型領域112のゲート絶縁膜13の近傍の領域に縦方向のチャネルが形成され、ソース電極17とドレイン電極18との間に電流を流すことができる。
【0019】
第1の半導体層10は、β型の結晶構造を有する酸化ガリウム系半導体の単結晶からなる。ここで、酸化ガリウム系半導体とは、Ga、又は、Al、Inなどの元素が添加されたGaをいう。例えば、酸化ガリウム系半導体は、(GaAlIn(1-x-y)(0<x≦1、0≦y≦1、0<x+y≦1)で表される組成を有する。GaにAlを添加した場合にはバンドギャップが広がり、Inを添加した場合にはバンドギャップが狭くなる。また、n型である第1の半導体層10は、Si、Snなどのドナー不純物を含む。
【0020】
また、第1の半導体層10は、典型的には、図1に示されるように、ドレイン電極18をオーミック接続するためのドナー濃度の高い層101と、その上の層102を含む。例えば、層101は1×1018cm-3以上、1×1021cm-3以下のドナー濃度を有し、層102は1×1015cm-3以上、1×1017cm-3以下のドナー濃度を有する。また、例えば、層101の厚さは30μm以上、600μm以下であり、層102の厚さは5μm以上、100μm以下である。
【0021】
第1の半導体層10の層101は、典型的には、酸化ガリウム系半導体の基板からなる。この場合の基板は、例えば、FZ(Floating Zone)法やEFG(Edge Defined Film Fed Growth)法などの融液成長法により育成した酸化ガリウム系単結晶のバルク結晶をスライスし、表面を研磨することにより形成される。また、第1の半導体層10の層102は、典型的には、層101の上面を下地面として成膜されたエピタキシャル膜である。
【0022】
第2の半導体層11は、Siの単結晶からなる層である。第2の半導体層11中に形成されるn型領域111やp型領域112は、例えば、第2の半導体層11中にドナー不純物やアクセプター不純物を添加することにより形成される。
【0023】
第2の半導体層11中に形成されるn型領域111は、電界効果トランジスタ1のソース領域として機能する。n型領域111は、ヒ素などのドナー不純物を含み、ソース電極17をオーミック接続するために、例えば、1×1018cm-3以上、1×1021cm-3以下の高いドナー濃度を有する。
【0024】
第2の半導体層11中に形成されるp型領域112は、ホウ素などのアクセプター不純物を含み、例えば、1×1018cm-3以上、1×1021cm-3以下のアクセプター濃度を有する。
【0025】
第2の半導体層11は、薄すぎるとn型領域111やp型領域112の形成が難しくなり、厚すぎると第1のトレンチ12a、第2のトレンチ12b、第3のトレンチ15a、及び第4のトレンチ15bを深く形成しなければならなくなる。このため、第2の半導体層11の厚さは、例えば、0.6μm以上、1.2μm以下であることが好ましい。
【0026】
第2の半導体層11の形成方法は特に限定されず、例えば、第1の半導体層10の上面を下地面としてSi単結晶をエピタキシャル成長させてもよいが、結晶品質の高い第2の半導体層11を形成するためには、表面活性化接合法などの基板貼り合わせ技術によりSi基板を第1の半導体層10に貼り合わせ、スマートカット法などの薄膜化技術により薄くしたSi基板を第2の半導体層11とすることが好ましい。
【0027】
なお、トレンチゲート構造を有する電界効果トランジスタにおいては、その動作上、n型の半導体層とp型の半導体層がpn接合を形成することが必要であるが、電界効果トランジスタ1のように半導体層が酸化ガリウム系半導体からなる層とSiからなる層により構成される場合、異種材料であるそれらの間にpn接合を形成することは難しい。例えば、n型の半導体層とp型の半導体層の界面にSiGaやGaメタルなどの層が形成されたり、Siが酸化ガリウム系半導体中でドナーとして働くため、p型の半導体層からのSiの拡散によりn型の半導体層の界面近傍にドナー濃度が非常に高い層が形成されたりすることにより、pn接合が得られない場合がある。
【0028】
そのため、図1に示されるように、第2の半導体層11のトレンチ間領域のn型の第1の半導体層10とp型領域112の間の領域に、第2のn型領域113が設けられていることが好ましい。この場合、pn接合は酸化ガリウム系半導体からなる第1の半導体層10とSiからなるp型領域112の間ではなく、ともにSiからなる第2のn型領域113とp型領域112の間に形成されるため、単にオーミック接触する界面が形成されればよく、その界面の平坦性や急峻性などを要求されない。すなわち、容易にpn接合を形成することができる。第2のn型領域113は、リンなどのドナー不純物を含み、例えば、1×1015cm-3以上、1×1017cm-3以下のドナー濃度を有する。
【0029】
また、第2の半導体層11のトレンチ間領域の表層の、n型領域111が設けられる領域と異なる領域(例えば、図1におけるn型領域111の手前側と奥側)にp型の領域(以下、第2のp型領域と呼ぶ)が設けられていることが好ましい。第2のp型領域を用いることにより、トレンチ間領域のp型領域112の電界効果トランジスタ1のバルクをソース電位と共にグラウンド電位に固定できる。第2のp型領域は、ホウ素などのアクセプター不純物を含む。第2のp型領域のアクセプター濃度は、p型領域112のアクセプター濃度よりも高く、例えば、1×1018cm-3以上、1×1021cm-3以下である。
【0030】
上述のように、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bは、第2の半導体層11の上面から第1の半導体層10まで達する。すなわち、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15b及びこれらに埋め込まれる第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの底が、第1の半導体層10の上面よりも下側に位置する。
【0031】
第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bは、p型の半導体からなり、第1の半導体層10を構成する酸化ガリウム系半導体と反応し難いNiO、CuO、CuOなどのp型の酸化物半導体からなることが好ましい。この第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bの材料としてNiOを用いる場合、NiOの有する3.7eVという大きなバンドギャップにより、高い耐圧が得られる。CuOやCuOを用いた場合、耐圧はNiOより低くなるものの、NiOと比較して材料コストを低減することができる。なお、これらの材料はアモルファス、多結晶、単結晶のいずれであってもよく、また、それらのうちの2つ以上の複合体であってもよい。
【0032】
第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bを設けることにより、電界効果トランジスタ1の第1のゲート電極14aとソース電極17との間、及び第2のゲート電極14bとソース電極17との間に逆バイアスを印加するとき(オフ時)に、第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bの底に電界が集中する。第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bの底は、絶縁破壊電界強度の高い酸化ガリウム系半導体からなる第1の半導体層10中に位置するため、電界集中による半導体層の絶縁破壊が抑えられ、電界効果トランジスタ1の耐圧が大きくなる。
【0033】
そして、第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bを設けて第1の半導体層10中に電界を集中させることにより、チャネルが形成される第2の半導体層11の材料に酸化ガリウム系半導体よりも絶縁破壊電界強度が低い一方で電子の移動度が大きいSiを用いることができ、それによってチャネル抵抗を低減し、電界効果トランジスタ1のオン抵抗を低減することができる。また、GaとSiはSiCと比較して安価であり、また、GaはSiCを超える低損失性能を有している。
【0034】
さらに、第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bは、それぞれ第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bに近接している。このため、第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの底に電界を集中させることにより、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの底部の電界を低減することができる。その結果、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの底部の周辺の第1の半導体層10及びゲート絶縁膜13の絶縁破壊を抑制し、電界効果トランジスタ1の信頼性を向上させることができる。
【0035】
第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bは、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bをそれぞれ幅方向に分割するように設けられている。この構造により、後述するように、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bを自己整合的に形成し、それによって第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bを高い位置精度で形成することができる。その結果、p型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの位置のばらつきに起因する、第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bの底への電界の集中を緩和する効果のばらつきを抑え、電界効果トランジスタ1の特性のばらつきを抑えることができる。
【0036】
第1のゲート電極14a及び第2のゲート電極14bは、例えば、高濃度のドナーが添加された多結晶Siや、タングステン、タングステンとSiの化合物であるタングステンシリサイドなどからなる。第1のゲート電極14a及び第2のゲート電極14bは、その側面及び底面がゲート絶縁膜13に覆われ、その上面が層間絶縁膜19に覆われている。なお、図1に示される例では、第1のゲート電極14a及び第2のゲート電極14bが連続した一枚のゲート絶縁膜13に覆われているが、第1のゲート電極14aを覆うゲート絶縁膜と第2のゲート電極14bを覆うゲート絶縁膜はそれぞれ独立した絶縁膜であってもよい。
【0037】
ゲート絶縁膜13と層間絶縁膜19は、SiO、HfO、Alなどの絶縁材料からなる。層間絶縁膜19は、PSG(Phosphorous Silicate Glass)などの絶縁材料からなる。ゲート絶縁膜13の厚さは、例えば30nm以上、100nm以下である。層間絶縁膜19の厚さは、例えば300nm以上、2000nm以下である。
【0038】
ソース電極17は、例えば、アルミニウムなどの金属からなり、第2の半導体層11のn型領域111にオーミック接続されている。また、ドレイン電極18は、例えば、チタンやアルミニウムなどの金属からなり、第1の半導体層10にオーミック接続されている。
【0039】
第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの幅W1は、100nm以上、500nm以下であることが好ましく、例えば、300nmである。また、第2の半導体層11の上面からの第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの深さD1は、1000nm以上、3000nm以下であることが好ましく、例えば、1600nmである。
【0040】
第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの幅、すなわち第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの幅W2は、50nm以上、800nm以下であることが好ましく、例えば、400nmである。また、第2の半導体層11の上面からの第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの深さD2は、1000nm以上、5000nm以下であることが好ましく、例えば、2000nmである。
【0041】
第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの間隔、すなわちトレンチ間領域の幅W3は、100nm以上、1500nm以下であることが好ましく、例えば、900nmである。
【0042】
ゲート絶縁膜13に覆われた第1のゲート電極14a及び第2のゲート電極14bの水平方向のパターン(すなわち第1のトレンチ12a及び第2のトレンチ12bの水平方向のパターン)、第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bの水平方向のパターン(すなわち第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの水平方向のパターン)、並びにn型領域111の水平方向のパターンは、特に限定されない。例えば、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bや、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bは、図1の断面に表れない部分でつながっていてもよい。
【0043】
(電界効果トランジスタの特性)
以下に、電界効果トランジスタ1のゲート特性、オン特性、及びオフ耐圧特性のシミュレーション結果について述べる。
【0044】
本シミュレーションにおいては、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの幅W1を0.3μm、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの幅W2を0.4μm、トレンチ間領域の幅W3を0.9μm、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの深さD1を1.6μm、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの深さD2を2.0μm、n型領域111の厚さを0.2μm、n型領域111の下のp型領域112の厚さを0.4μm、第2のn型領域113の厚さを0.2μmとした。
【0045】
また、第1の半導体層10の材料をGa、第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bの材料をNiO、第1のゲート電極14a及び第2のゲート電極14bの材料を多結晶Si、ゲート絶縁膜13の材料をSiOとした。
【0046】
また、ゲート絶縁膜13の厚さを50nm、第1の半導体層10の厚さを5μm、第1の半導体層10と第2の半導体層11の界面捕獲準位密度を2×1012cm-2/eV、図1の断面に表れている第1のトレンチ12a、第2のトレンチ12b、第3のトレンチ15a、及び第4のトレンチ15bの底部の両端のコーナーの曲率半径を0.3μm、層間絶縁膜19の比誘電率を3.9とした。
【0047】
次の表1に、本シミュレーションに用いた電界効果トランジスタ1の各部のドナー濃度又はアクセプター濃度を示す。
【0048】
【表1】
【0049】
図2(a)は、電界効果トランジスタ1のゲート特性を示すグラフである。図2(a)のグラフは、ドレイン電極18に印加するドレイン電圧を1Vに固定して、第1のゲート電極14a及び第2のゲート電極14bに印加するゲート電圧を変化させたときのドレイン電流の変化を示している。
【0050】
図2(b)は、電界効果トランジスタ1のオン特性を示すグラフである。図2(b)のグラフは、第1のゲート電極14a及び第2のゲート電極14bに印加するゲート電圧を15Vに固定して、ドレイン電極18に印加するドレイン電圧を変化させたときのドレイン電流の変化を示している。
【0051】
図2(c)は、電界効果トランジスタ1のオフ耐圧特性を示すグラフである。図2(c)のグラフは、第1のゲート電極14a及び第2のゲート電極14bに印加するゲート電圧を-5Vに固定して、ドレイン電極18に印加するドレイン電圧を変化させたときのドレイン電流の変化を示している。
【0052】
図2(a)は、ゲート閾値電圧が4V弱であることを示している。図2(b)は、例えば、ゲート電圧が15V、ドレイン電圧が1Vであるときにおよそ190A/cmの電流が流れることを示している。図2(c)は、ドレイン電圧がおよそ2600Vを超えるとアバランシェブレークダウンが生じることを示している。
【0053】
(電界効果トランジスタの製造)
図3(a)~(c)、図4(a)~(c)、図5(a)~(c)、図6(a)、(b)は、電界効果トランジスタ1の製造工程の一例を示す垂直断面図である。以下、これらの図を用いて電界効果トランジスタ1の製造工程の一例について説明する。
【0054】
まず、図3(a)に示されるように、p型のSi基板50に第2のn型領域113と面状のイオン注入領域51を形成する。第2のn型領域113は、例えば、Si基板50の表層にヒ素などのドナー不純物をイオン注入することにより形成する。イオン注入の後には、イオン注入において生じたダメージを回復するための熱処理を施す。
【0055】
イオン注入領域51は、Si基板50の表面から所定の深さの位置に水素イオンをイオン注入することにより形成する。後述するように、イオン注入領域51を分割面としてSi基板50を分割し、Si基板50から分離される層が第2の半導体層11となるため、Si基板50の表面からのイオン注入領域51の深さは、目的とする第2の半導体層11の厚さに応じて決定される。
【0056】
イオン注入領域51の形成のためにイオン注入される水素イオンのドーズ量は、例えば、2×1016~8×1016/cmである。また、イオン注入の注入エネルギーは、イオン注入領域51の深さによって決定され、例えば、Si基板50の表面から950nm程度の深さにイオン注入領域51を形成する場合には、およそ110keVのエネルギーで水素イオンをイオン注入する。
【0057】
次に、図3(b)に示されるように、酸化ガリウム系半導体からなるn型の第1の半導体層10の層102の表面と、Si基板50の第2のn型領域113側の表面を表面活性化接合法により貼り合わせる。
【0058】
表面活性化接合法では、例えば、5×10-6Pa程度の圧力下の超高真空中チャンバー内において、CMP(chemical mechanical polishing)などの平坦化処理により平坦化された第1の半導体層10とSi基板50の接合面の最表面を1.5keVのエネルギーで加速したAr原子ビームを照射することにより除去して、露出したそれらの新生面同士を接触させて接合する。
【0059】
次に、図3(c)に示されるように、スマートカットによりSi基板50を分割し、第1の半導体層10上に第2の半導体層11を残す。ここで、第1の半導体層10上に残された第2の半導体層11のうちの第2のn型領域113以外の領域がp型領域112となる。なお、n型のSi基板50にアクセプター不純物を注入してp型領域112を形成し、アクセプター不純物を注入しない領域を第2のn型領域113としてもよい。
【0060】
スマートカットでは、400℃以上の熱処理を施すことにより、イオン注入領域51において水素脆化を生じさせてSi基板50を分割する。スマートカットにおける熱処理は、例えば、N又はAr雰囲気下で1~10分間行われる。なお、熱処理は、減圧下の真空チャンバー内で行われてもよいし、真空チャンバー以外の他の炉内で行われてもよい。スマートカットの後には、再度の熱処理(例えば500~1000℃の熱処理)を施すことにより、イオン注入やスマートカットにおいて生じた第2の半導体層11のダメージを回復する。その後、第2の半導体層11の表面にCMPなどの平坦化処理を施してもよい。
【0061】
次に、図4(a)に示されるように、第1の半導体層10と第2の半導体層11の積層体に第1のトレンチ12a及び第2のトレンチ12bを形成する。
【0062】
第1のトレンチ12a及び第2のトレンチ12bは、フォトリソグラフィとドライエッチングを用いて形成する。図4(a)に示される例では、第2の半導体層11上にSiO層52を堆積させ、その上に第1のトレンチ12a及び第2のトレンチ12bのパターンが転写されたフォトレジスト53を形成し、SiO層52、第2の半導体層11、及び第1の半導体層10に異方性エッチングを施して、第1のトレンチ12a及び第2のトレンチ12bを形成する。
【0063】
次に、図4(b)に示されるように、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの内面を覆うようにSiO(例えば、LP-TEOS)を堆積させ、SiO層52を増大させる。これにより、SiO層52は、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの内面を覆う被覆膜となる。
【0064】
次に、図4(c)に示されるように、ドライエッチングを用いてSiO層52と第1の半導体層10に異方性エッチングを施し、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bを形成する。
【0065】
まず、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの内面を覆う被覆膜であるSiO層52に異方性エッチングを施して、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの両側面を覆う側壁部分を残して、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの底面上の上記側壁部分の間の部分を除去する。
【0066】
続いて、SiO層52の上記側壁部分をマスクとして用いて、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの底面に露出した第1の半導体層10にエッチングを施し、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bをそれぞれ幅方向に分割する第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bを形成する。この時点では、SiO層52と第1の半導体層10によって第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの内面が構成されている。このように、SiO層52の上記側壁部分がマスクとして機能することにより、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bは自己整合的に形成される(セルフアライン)。なお、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの形成においてマスクとして機能する程度の第1の半導体層10に対するエッチング選択比を有するのであれば、SiO層52の代わりに他の材料からなる層を用いてもよい。
【0067】
次に、図5(a)に示されるように、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの中にそれぞれ第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bを形成する。
【0068】
第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bは、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bを埋めるようにNiOなどのp型材料を堆積させた後、エッチバックやCMPなどを用いた平坦化処理を施すことにより形成する。これにより、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの中の底部から上部まで第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bが形成される。
【0069】
上述のように、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bは自己整合的に形成されるため、高い位置精度で形成される。そのため、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの中に形成される第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bも、高い位置精度で形成される。
【0070】
次に、図5(b)に示されるように、ウェットエッチングを用いてSiO層52を除去した後、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの内面及び第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12b内に露出した第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの側面を覆うように、高温シリコン酸化膜(HTO膜)などからなるゲート絶縁膜13を形成する。
【0071】
次に、図5(c)に示されるように、ゲート絶縁膜13に内面を覆われた第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの中に、それぞれ第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bを形成する。
【0072】
第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bは、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bを埋めるように多結晶Siなどの材料を堆積させた後、これをフォトリソグラフィとエッチングなどを用いてエッチバックすることにより形成する。
【0073】
上記の工程により、第1のp型半導体部16aの両側の第1のトレンチ12aの中にゲート絶縁膜13に覆われた第1のゲート電極14aが形成され、第2のp型半導体部16bの両側の第2のトレンチ12bの中にゲート絶縁膜13に覆われた第2のゲート電極14bが形成される。
【0074】
次に、図6(a)に示されるように、第2の半導体層11の表層にヒ素などのドナー不純物を注入することによりn型領域111を形成する。また、第2の半導体層11の表層のn型領域111と異なる領域にホウ素などのアクセプター不純物を注入することにより第2のp型領域を形成する。n型領域111と第2のp型領域は、フォトリソグラフィとイオン注入を用いて形成する。イオン注入の後には、イオン注入において生じたダメージを回復するための熱処理を施す。なお、n型領域111及び第2のp型領域を他のタイミング、例えば、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bを形成する前に形成してもよい。
【0075】
次に、図6(b)に示されるように、層間絶縁膜19、ソース電極17、及びドレイン電極18を形成して、電界効果トランジスタ1を得る。層間絶縁膜19は、第2の半導体層11の上にPSGなどの絶縁材料を堆積することにより形成する。ソース電極17は、フォトリソグラフィとドライエッチングなどを用いて層間絶縁膜19とゲート絶縁膜13を貫通するコンタクトホールを形成した後、そのコンタクトホールを埋めるように導電材料を堆積させて、その堆積させた材料をフォトリソグラフィとドライエッチングなどを用いてパターニングすることにより形成する。ドレイン電極18は、第1の半導体層10の下面に導電材料を堆積させることにより形成する。
【0076】
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態に係る電界効果トランジスタ2は、第1の半導体層10と第2の半導体層11の間に中間半導体層20を備える点において、第1の実施の形態に係る電界効果トランジスタ1と異なる。以下、第1の実施の形態と共通する部分については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0077】
(電界効果トランジスタの構成)
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る電界効果トランジスタ2の垂直断面図である。電界効果トランジスタ2においては、第1の半導体層10と第2の半導体層11の間にn型の中間半導体層20が設けられている。
【0078】
中間半導体層20は、酸化されたときにn型を維持することができるn型の非酸化物、又はn型のSiCからなる。中間半導体層20がn型の非酸化物からなる場合、第1の半導体層10側の一部若しくは全体が酸化されている場合と、酸化されていない場合がある。中間半導体層20がn型のSiCからなる場合は、酸化されていない。
【0079】
以下、中間半導体層20が酸化されたときにn型を維持することができるn型の非酸化物からなる場合の、酸化されていない部分を非酸化層201、酸化された部分を酸化層202と呼ぶ。
【0080】
中間半導体層20の酸化層202は、電界効果トランジスタ1の製造過程で加えられる熱により、形成された直後は非酸化層201のみからなる中間半導体層20が第1の半導体層10と反応し、酸化されることにより形成される。具体的には、酸化ガリウム系半導体からなる第1の半導体層10から抜けた酸素により、非酸化層201が酸化され、第1の半導体層10と接触している側から酸化層202が生成される。
【0081】
第1の半導体層10と第2の半導体層11が直接接触している場合は、電界効果トランジスタ1の製造過程においておよそ300~400℃以上の熱処理を行うと、第1の半導体層10の酸化ガリウム系半導体から抜けた酸素が第2の半導体層11のSiを酸化し、第1の半導体層10と第2の半導体層11の間に抵抗率の高いSi酸化物が形成されてしまい、第1の半導体層10と第2の半導体層11の間に十分な電流を流せない場合がある。第1の半導体層10と第2の半導体層11の間に中間半導体層20を設けることにより、第1の半導体層10と第2の半導体層11の間のSi酸化物の形成を防ぐことができる。
【0082】
中間半導体層20の非酸化層201は、酸素を含まない非酸化物からなるため、Siからなる第2の半導体層11を酸化させてSi酸化物を形成するおそれがない。このため、中間半導体層20と第2の半導体層11の間に十分な電流を流すことができる。また、中間半導体層20の酸化層202は、非酸化層201と同様にn型であるため、第1の半導体層10と中間半導体層20の間に十分な電流を流すことができる。
【0083】
中間半導体層20は、酸化されたときにn型を維持することができるn型の非酸化物からなる場合、典型的には、図7に示されるように、非酸化層201と酸化層202から構成される。しかしながら、中間半導体層20の全体が酸化されても、中間半導体層20と第2の半導体層11の間にSi酸化物が形成されていなければ問題はない。すなわち、中間半導体層20が酸化層202のみから構成される場合もある。また、電界効果トランジスタ1の製造工程を非酸化層201の酸化が生じない温度で完結させた場合には、中間半導体層20が非酸化層201のみから構成される。
【0084】
中間半導体層20の厚さは10nm以上であることが好ましい。厚さが10nm以上であれば、電界効果トランジスタ1の通常の製造過程で加えられる熱により中間半導体層20の全てが酸化されるおそれが少なく、中間半導体層20と第2の半導体層11の間に抵抗率の高いSi酸化物が形成されることを防止できる。一方で、中間半導体層20が厚くなるほど導通損失が大きくなってしまうため、中間半導体層20の厚さは、例えば、1μm以下であることが好ましい。
【0085】
なお、中間半導体層20の材料の1つであるSiCは、酸化されると抵抗率の高いSiOが生成され、n型を維持できない。このため、中間半導体層20がn型のSiCからなる場合は、電界効果トランジスタ1の製造工程を非酸化層201の酸化が生じない温度、例えば1000℃以下の温度で完結させる必要があり、中間半導体層20が非酸化層201のみから構成される。
【0086】
中間半導体層20は、(1)中間半導体層20と第1の半導体層10の界面及び第1の半導体層10と第2の半導体層11の界面における歪みの低減や剥離の防止のため、熱膨張係数が第1の半導体層10を構成する酸化ガリウム系半導体の熱膨張係数と第2の半導体層11を構成するSiの熱膨張係数の間にあること(以下、第1の条件と呼ぶ)、(2)中間半導体層20と第1の半導体層10の界面及び第1の半導体層10と第2の半導体層11の界面における導通損失を低減するため、第1の半導体層10を構成する酸化ガリウム系半導体及び第2の半導体層11を構成するSiとの伝導帯のバンドオフセット(伝導帯の底のエネルギー差)が小さい(以下、第2の条件と呼ぶ)、(3)高品質な中間半導体層20を第2の半導体層11となるSi基板50上にエピタキシャル成長させるため、Siとの格子不整合度が小さい(以下、第3の条件と呼ぶ)、の条件を満たすことが好ましい。
【0087】
上記第1の条件を満たすためには、中間半導体層20が非酸化層201と酸化層202の両方を含む場合、中間半導体層20の材料、すなわち非酸化層201を構成する物質と、中間半導体層20の材料が酸化されたときに生成される酸化物、すなわち酸化層202を構成する物質の両方の熱膨張係数が、酸化ガリウム系半導体の熱膨張係数とSiの熱膨張係数の間にあることが求められる。また、中間半導体層20が酸化層202のみからなる場合は、中間半導体層20の材料が酸化されたときに生成される酸化物の熱膨張係数が、酸化ガリウム系半導体の熱膨張係数とSiの熱膨張係数の間にあることが求められる。また、中間半導体層20が非酸化層201のみからなる場合は、中間半導体層20の材料の熱膨張係数が、酸化ガリウム系半導体の熱膨張係数とSiの熱膨張係数の間にあることが求められる。
【0088】
以下の表2に、中間半導体層20の材料、すなわち非酸化層201を構成する物質の例とそれらの熱膨張係数、及び中間半導体層20の材料が酸化されたときに生成される酸化物、すなわち酸化層202を構成する物質とそれらの熱膨張係数を示す。なお、ZnTeの熱膨張係数は推測値である。表2の「非酸化層」は非酸化層201を構成する物質を意味し、「酸化層」は酸化層202を構成する物質を意味する。以降の表においても同様とする。
【0089】
【表2】
【0090】
Siの熱膨張係数は2.6×10-6/Kであり、酸化ガリウム系半導体の典型例であるGaの熱膨張係数は3.8~7.8×10-6/Kである。このため、表2に示される中間半導体層20の材料を用いる場合、中間半導体層20が非酸化層201と酸化層202の両方を含む場合、いずれか一方を含む場合のいずれであっても、上記の第1の条件を満たす、又は満たす可能性がある。
【0091】
上記第2の条件を満たすためには、中間半導体層20が非酸化層201と酸化層202の両方を含む場合、非酸化層201とSiの伝導帯のバンドオフセット、及び酸化層202と酸化ガリウム系半導体の伝導帯のバンドオフセットが小さいことが求められる。また、中間半導体層20が酸化層202のみからなる場合は、酸化層202とSiの伝導帯のバンドオフセット、及び酸化層202と酸化ガリウム系半導体の伝導帯のバンドオフセットが小さいことが求められる。また、中間半導体層20が非酸化層201のみからなる場合は、非酸化層201とSiの伝導帯のバンドオフセット、及び非酸化層201と酸化ガリウム系半導体の伝導帯のバンドオフセットが小さいことが求められる。なお、伝導帯のバンドオフセットに関して、中間半導体層20が非酸化層201と酸化層202の両方を含む場合には、第2の条件に加えて、非酸化層201と酸化層202の伝導体バンドオフセットが小さいことも求められる。
【0092】
表2に示される中間半導体層20の材料を用いた場合の、非酸化層201とSiの伝導帯のバンドオフセット及び酸化層202と酸化ガリウム系半導体の典型例であるGaの伝導帯のバンドオフセット、並びに非酸化層201と酸化層202の伝導帯のバンドオフセットを以下の表3に、非酸化層201とSiの伝導帯のバンドオフセット、及び非酸化層201と酸化ガリウム系半導体の典型例であるGaの伝導帯のバンドオフセットを以下の表4に、酸化層202とSiの伝導帯のバンドオフセット及び酸化層202と酸化ガリウム系半導体の典型例であるGaの伝導帯のバンドオフセットを以下の表5に示す。表3~5における「ΔE」は、伝導帯のバンドオフセットを意味する。なお、GaBiは半金属であり、バンドギャップを有しないため、伝導帯のバンドオフセットの値を示していない。
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】
【表5】
【0096】
表3によれば、中間半導体層20が非酸化層201と酸化層202の両方を含む場合、上記第2の条件を満たすためには、中間半導体層20の材料としてGaN、GaP、GaAs、GaSb、ZnS、ZnSe、ZnTeを用いることが好ましいといえる。また、表4によれば、中間半導体層20が非酸化層201のみからなる場合、上記第2の条件を満たすためには、中間半導体層20の材料としてGaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InSb、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、Ge、3C-SiC用いることが好ましいといえる。また、表5によれば、中間半導体層20が酸化層202のみからなる場合、上記第2の条件を満たすためには、中間半導体層20の材料としてGaN、GaP、GaAs、GaSb、ZnS、ZnSe、ZnTeを用いることが好ましいといえる。
【0097】
表2に示される中間半導体層20の材料を用いた場合の、中間半導体層20の材料、すなわち非酸化層201を構成する物質と第2の半導体層11を構成するSiとの格子不整合度を以下の表6に示す。表6のSiとの格子不整合度(%)は、Siとの格子定数差をSiの格子定数で除したものである。Siとの格子不整合度の計算においては、Si(001)の格子定数5.431とSi(111)の格子定数3.84のうち、Siとの格子不整合度が小さくなる方をSiの格子定数として用いている。
【0098】
【表6】
【0099】
表6によれば、上記第3の条件を満たすためには、中間半導体層20の材料としてGaP、GaAs、InN、InP、ZnS、ZnSe、CdS、Geを用いることが好ましいといえる。
【0100】
表2~6によれば、表2に示される非酸化層201を構成する物質、すなわち中間半導体層20の材料は、上記の第1~3の条件をある程度以上満たす、又は満たすと推測されるため、中間半導体層20の材料として好ましい。中でも、GaP、GaAsは、第1~3の条件を高い水準で満たすため、中間半導体層20の材料として特に好ましい。
【0101】
このため、中間半導体層20の材料としての、酸化されたときにn型を維持することができる非酸化物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、及びGaBiからなる群から選択される1つ若しくは2つ以上の混晶、InN、InP、InAs、InSb、及びInBiからなる群から選択される1つ若しくは2つ以上の混晶、ZnS、ZnSe、及びZnTeからなる群から選択される1つ若しくは2つ以上の混晶、CdS、CdSe、及びCdTeからなる群から選択される1つ若しくは2つ以上の混晶、又はGeであることが好ましく、特に、GaP、GaAs、又はこれらの混晶であることが好ましい。
【0102】
上述のように、トレンチゲート構造を有する電界効果トランジスタにおいては、その動作上、n型の半導体層とp型の半導体層がpn接合を形成することが必要であるが、異種材料からなる層の間にpn接合を形成することは難しい。n型の中間半導体層20とp型の第2の半導体層11を接合した場合、界面に意図しない化合物層や金属層が形成されたり、p型の第2の半導体層11から拡散したSiがn型の中間半導体層20中でドナーとして働き、界面近傍にドナー濃度が非常に高い層が形成されたりすることにより、pn接合が得られない場合がある。
【0103】
そのため、図7に示されるように、第2の半導体層11のトレンチ間領域のn型の中間半導体層20とp型領域112の間の領域に、第2のn型領域113が設けられていることが好ましい。この場合、pn接合は異種材料からなる中間半導体層20とp型領域112の間ではなく、ともにSiからなる第2のn型領域113とp型領域112の間に形成されるため、単にオーミック接触する界面が形成されればよく、その界面の平坦性や急峻性などを要求されない。すなわち、容易にpn接合を形成することができる。第2のn型領域113は、リンなどのドナー不純物を含み、例えば、1×1015cm-3以上、1×1017cm-3以下のドナー濃度を有する。
【0104】
(電界効果トランジスタの製造)
図8(a)~(c)は、電界効果トランジスタ2の製造工程の一例を示す垂直断面図である。以下、これらの図を用いて電界効果トランジスタ2の製造工程の一例について説明する。
【0105】
まず、図8(a)に示されるように、p型のSi基板50に第2のn型領域113と面状のイオン注入領域51を形成した後、第2のn型領域113上に中間半導体層20を形成する。中間半導体層20は、MOCVD、MBE、HVPE、スパッタ、ALDなどを用いて材料を堆積させることにより形成する。
【0106】
次に、図8(b)に示されるように、酸化ガリウム系半導体からなるn型の第1の半導体層10の層102の表面と、Si基板50上に形成された中間半導体層20の表面を表面活性化接合法により貼り合わせる。
【0107】
表面活性化接合法では、例えば、5×10-6Pa程度の圧力下の超高真空中チャンバー内において、CMPなどの平坦化処理により平坦化された第1の半導体層10と中間半導体層20の接合面の最表面を1.5keVのエネルギーで加速したAr原子ビームを照射することにより除去して、露出したそれらの新生面同士を接触させて接合する。
【0108】
次に、図8(c)に示されるように、スマートカットによりSi基板50を分割し、第1の半導体層10上に中間半導体層20及び第2の半導体層11を残す。ここで、第1の半導体層10上に残された第2の半導体層11のうちの第2のn型領域113以外の領域がp型領域112となる。
【0109】
また、このとき、スマートカットが熱処理を伴うため、第1の半導体層10の層102から抜けた酸素により中間半導体層22が酸化され、層102側の一部が酸化層202に変化する。ここで、中間半導体層22の酸化競れていない部分が非酸化層201となる。
【0110】
その後は、上述の図4(a)~図6(b)に示した工程と同様の工程を経て電界効果トランジスタ2を得る。
【0111】
〔第3の実施の形態〕
本発明の第3の実施の形態に係る電界効果トランジスタ3は、第1のゲート電極14a、第2のゲート電極14b、第1のp型半導体部16a、及び第2のp型半導体部16bの形状において、第1の実施の形態に係る電界効果トランジスタ1と異なる。以下、第1の実施の形態と共通する部分については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0112】
(電界効果トランジスタの構成)
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る電界効果トランジスタ3の垂直断面図である。電界効果トランジスタ3においては、第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bが、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの中の底部からの一部(図9に示される例では、第1のトレンチ12a及び第2のトレンチ12bの底面よりも深い部分)に形成される。
【0113】
そして、ゲート絶縁膜13に覆われた第1のゲート電極14aが、第1のトレンチ12aとそこに空間的に連続する第3のトレンチ15aの第1のp型半導体部16aの上の領域の中に形成され、ゲート絶縁膜13に覆われた第2のゲート電極14bが、第2のトレンチ12bとそこに空間的に連続する第4のトレンチ15bの第2のp型半導体部16bの上の領域の中に形成される。第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bは、それぞれ第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの中でゲート絶縁膜13に接触する。第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bは、例えば、ゲート絶縁膜13に覆われた第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bが上方に存在しない部分(例えば、トランジスタアレイの周辺部)において、ソース電極17に接続される。
【0114】
電界効果トランジスタ3においては、第1の実施の形態に係る電界効果トランジスタ1と同様に、第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bを設けることにより、第1のゲート電極14aとソース電極17との間、及び第2のゲート電極14bとソース電極17との間に逆バイアスを印加するとき(オフ時)に、第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bの底に電界が集中する。第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bの底が、絶縁破壊電界強度の高い酸化ガリウム系半導体からなる第1の半導体層10中に位置するため、電界集中による半導体層の絶縁破壊が抑えられ、電界効果トランジスタ3の耐圧が大きくなる。そして、第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bを設けて第1の半導体層10中に電界を集中させることにより、チャネルが形成される第2の半導体層11の材料に酸化ガリウム系半導体よりも絶縁破壊電界強度が低い一方で電子の移動度が大きいSiを用いることができ、それによってチャネル抵抗を低減し、電界効果トランジスタ3のオン抵抗を低減することができる。
【0115】
さらに、第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bは、それぞれ第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bに近接している。このため、第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの底に電界を集中させることにより、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの底部の電界を低減することができる。その結果、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの底部の周辺の第1の半導体層10及びゲート絶縁膜13の絶縁破壊を抑制し、電界効果トランジスタ3の信頼性を向上させることができる。
【0116】
第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bは、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bをそれぞれ幅方向に分割するように設けられている。この構造により、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bを自己整合的に形成し、それによって第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bを高い位置精度で形成することができる。その結果、p型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの位置のばらつきに起因する、第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bの底への電界の集中を緩和する効果のばらつきを抑え、電界効果トランジスタ3の特性のばらつきを抑えることができる。
【0117】
なお、電界効果トランジスタ3は、第2の実施の形態に係る電界効果トランジスタ2に含まれる中間半導体層20を第1の半導体層10と第2の半導体層11の間に備えていてもよい。
【0118】
(電界効果トランジスタの製造)
図10(a)~(c)は、電界効果トランジスタ3の製造工程の一例を示す垂直断面図である。以下、これらの図を用いて電界効果トランジスタ3の製造工程の一例について説明する。
【0119】
まず、上述の図3(a)~図4(c)に示した第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bを形成するまでの工程と同様の工程を実施する。
【0120】
次に、図10(a)に示されるように、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの中の底部からの一部(例えば、図10(a)に示されるような第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bよりも深い部分)にそれぞれ第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bを形成する。
【0121】
第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bは、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bを埋めるようにNiOなどのp型材料を堆積させた後、これをフォトリソグラフィとエッチングを用いてエッチバックすることにより形成する。
【0122】
上述のように、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bは自己整合的に形成されるため、高い位置精度で形成される。そのため、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの中に形成される第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bも、高い位置精度で形成される。
【0123】
次に、図10(b)に示されるように、ウェットエッチングを用いてSiO層52を除去した後、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの内面、第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの露出した表面(図10(b)に示される例では、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの中にそれぞれ露出した第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの上面)、及び第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの上面が第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの底面よりも深い位置にある場合は第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの露出した側面を覆うように、高温シリコン酸化膜(HTO膜)などからなるゲート絶縁膜13を形成する。
【0124】
次に、図10(c)に示されるように、空間的に連続する第1のトレンチ12aと第3のトレンチ15aのゲート絶縁膜13の内側に第1のゲート電極14aを形成し、空間的に連続する第2のトレンチ12bと第4のトレンチ15bのゲート絶縁膜13の内側に第2のゲート電極14bを形成する。
【0125】
第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bは、空間的に連続する第1のトレンチ12aと第3のトレンチ15a、及び空間的に連続する第2のトレンチ12bと第4のトレンチ15bを埋めるように多結晶Siなどの材料を堆積させた後、これをフォトリソグラフィとエッチングを用いてエッチバックすることにより形成する。
【0126】
上記の工程により、第1のトレンチ12aとそこに空間的に連続する第3のトレンチ15aの第1のp型半導体部16aの上の領域の中に、ゲート絶縁膜13に覆われた第1のゲート電極14aが形成され、第2のトレンチ12bとそこに空間的に連続する第4のトレンチ15bの第2のp型半導体部16bの上の領域の中に、ゲート絶縁膜13に覆われた第2のゲート電極14bが形成される。
【0127】
その後は、上述の図6(a)、図6(b)に示した工程と同様の工程を経て電界効果トランジスタ3を得る。
【0128】
〔第4の実施の形態〕
本発明の第4の実施の形態に係る電界効果トランジスタ4は、ソース電極17と第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bとの接続構造などにおいて、第1~3の実施の形態に係る電界効果トランジスタ1~3と異なる。以下、第1~3の実施の形態と共通する部分については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0129】
(電界効果トランジスタの構成)
図11(a)、(b)は、本発明の第4の実施の形態に係る電界効果トランジスタ4の垂直断面図と水平断面図である。図11(b)に示される電界効果トランジスタ4の水平断面は、図11(a)に示される切断線A-Aに沿った切断により現れる断面である。
【0130】
電界効果トランジスタ4においては、第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bが、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの中の底部からの一部(図11に示される例では、第1のトレンチ12a及び第2のトレンチ12bの底面よりも深い部分)に形成される。
【0131】
そして、第3のトレンチ15aの中の第1のp型半導体部16aの上の領域に、ソース電極17と第1のp型半導体部16aを接続する第1のコンタクト40aが形成され、第4のトレンチ15bの中の第2のp型半導体部16bの上の領域に、ソース電極17と第2のp型半導体部16bを接続する第2のコンタクト40bが形成される。
【0132】
ゲート絶縁膜13aとゲート絶縁膜41aに覆われた第1のゲート電極14aは、第1のトレンチ12aとそこに空間的に連続する第3のトレンチ15aの中の第1のコンタクト40aの両側の領域に形成され、ゲート絶縁膜13bとゲート絶縁膜41bに覆われた第2のゲート電極14bは、第2のトレンチ12bとそこに空間的に連続する第4のトレンチ15bの中の第2のコンタクト40bの両側の領域に形成される。第1のp型半導体部16aは、第3のトレンチ15aの中でゲート絶縁膜13aに接触し、第2のp型半導体部16bは、第4のトレンチ15bの中でゲート絶縁膜13bに接触する。
【0133】
第1のコンタクト40aと第2のコンタクト40bは、例えば、タングステンなどの金属からなる。また、第1のコンタクト40aと第2のコンタクト40bは、その表面に、チタンなどからなる薄いバリア層を有していてもよい。
【0134】
第1のゲート電極14aは、その底面と外側の側面がゲート絶縁膜13aに覆われ、その内側(第1のコンタクト40a側)の側面がゲート絶縁膜41aに覆われ、その上面が層間絶縁膜42aに覆われている。第2のゲート電極14bは、その底面と外側の側面がゲート絶縁膜13bに覆われ、その内側(第2のコンタクト40b側)の側面がゲート絶縁膜41bに覆われ、その上面が層間絶縁膜42bに覆われている。
【0135】
電界効果トランジスタ4においては、第1の実施の形態に係る電界効果トランジスタ1と同様に、第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bを設けることにより、第1のゲート電極14aとソース電極17との間、及び第2のゲート電極14bとソース電極17との間に逆バイアスを印加するとき(オフ時)に、第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bの底に電界が集中する。第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bの底が、絶縁破壊電界強度の高い酸化ガリウム系半導体からなる第1の半導体層10中に位置するため、電界集中による半導体層の絶縁破壊が抑えられ、電界効果トランジスタ4の耐圧が大きくなる。そして、第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bを設けて第1の半導体層10中に電界を集中させることにより、チャネルが形成される第2の半導体層11の材料に酸化ガリウム系半導体よりも絶縁破壊電界強度が低い一方で電子の移動度が大きいSiを用いることができ、それによってチャネル抵抗を低減し、電界効果トランジスタ4のオン抵抗を低減することができる。
【0136】
さらに、第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bは、それぞれ第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bにセルフアラインで近接している。このため、第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの底に電界を集中させることにより、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの底部の絶縁膜の電界を低減することができる。第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bが形成されない場合は、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの底部の絶縁膜に集中する電界の強度が臨界値である4MV/cmを大幅に上回るが、第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bを形成し、酸化ガリウム系半導体からなる層102内の電気力線を第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bの方向に分散させることにより、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの底部の絶縁膜の電界を緩和することができる。その結果、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの底部の周辺の第1の半導体層10及びゲート絶縁膜13a、13bの絶縁破壊を抑制し、電界効果トランジスタ4の信頼性を向上させることができる。
【0137】
第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bは、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bをそれぞれ幅方向に分割するように設けられている。この構造により、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bを自己整合的に形成し、それによって第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bを高い位置精度で形成することができる。その結果、p型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの位置のばらつきに起因する、第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bの底への電界の集中を緩和する効果のばらつきを抑え、電界効果トランジスタ4の特性のばらつきを抑えることができる。
【0138】
さらに、電界効果トランジスタ4においては、第1のゲート電極14aの底面と第1のp型半導体部16aの水平方向の位置に重なりがあり、第2のゲート電極14bの底面と第2のp型半導体部16bの水平方向の位置に重なりがある。そのため、電界効果トランジスタ1よりも効果的に、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの底部の絶縁膜の電界を低減することができる。
【0139】
また、電界効果トランジスタ4においては、ソース電極17と第1のp型半導体部16aとが、第3のトレンチ15aの中に設けられる第1のコンタクト40aによって接続され、ソース電極17と第2のp型半導体部16bとが、第4のトレンチ15bの中に設けられる第2のコンタクト40bによって接続される。そのため、第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bがトランジスタアレイの周辺部などでソース電極17に接続される電界効果トランジスタ3とは異なり、第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bが全体的に低抵抗でソース電極17に接続される。その結果、電界効果トランジスタ4がオン状態からオフ状態へ切り替わる際の過渡的な状態における第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bによる電界緩和効果の低減を抑えることができる。
【0140】
なお、電界効果トランジスタ4は、第2の実施の形態に係る電界効果トランジスタ2に含まれる中間半導体層20を第1の半導体層10と第2の半導体層11の間に備えていてもよい。
【0141】
(電界効果トランジスタの製造)
図12(a)~(c)、図13(a)~(c)、図14(a)~(c)、図15は、電界効果トランジスタ4の製造工程の一例を示す垂直断面図である。以下、これらの図を用いて電界効果トランジスタ4の製造工程の一例について説明する。
【0142】
まず、図12(a)に示されるように、上述の図3(a)~図4(b)に示した第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの内面を覆うようにSiOを堆積させてSiO層52を増大させるまでの工程と同様の工程を実施する。なお、図12(a)に示される例では、n型領域111及び第2のp型領域114が、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bを形成する前に形成されている。
【0143】
次に、図12(b)に示されるように、SiO層52と第1の半導体層10にRIE(Reactive Ion Etching)などの異方性エッチングを施し、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bを形成する。
【0144】
まず、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの内面を覆う被覆膜であるSiO層52に異方性エッチングを施して、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの両側面を覆う側壁部分を残して、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの底面上の上記側壁部分の間の部分を除去する。
【0145】
続いて、SiO層52の上記側壁部分をマスクとして用いて、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの底面に露出した第1の半導体層10にエッチングを施し、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bをそれぞれ幅方向に分割する第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bを形成する。この時点では、SiO層52と第1の半導体層10によって第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの内面が構成されている。このように、SiO層52の上記側壁部分がマスクとして機能することにより、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bは自己整合的に形成される(セルフアライン)。
【0146】
また、図12(a)に示されるSiO層52の第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの内面を覆う部分の厚さが、第1のトレンチ12aと第3のトレンチ15aとの水平方向の端部のオフセット(水平方向の距離)、及び第2のトレンチ12bと第4のトレンチ15bとの水平方向の端部のオフセット、すなわちゲート絶縁膜13a、ゲート絶縁膜41aに覆われた第1のゲート電極14aと第1のp型半導体部16aとの水平方向の端部のオフセット、及びゲート絶縁膜13b、ゲート絶縁膜41bに覆われた第2のゲート電極14bと第2のp型半導体部16bとの水平方向の端部のオフセットを決定する。
【0147】
電界効果トランジスタ4では、ゲート絶縁膜13a、ゲート絶縁膜41aに覆われた第1のゲート電極14aと第1のp型半導体部16aとの水平方向の端部のオフセット、及びゲート絶縁膜13b、ゲート絶縁膜41bに覆われた第2のゲート電極14bと第2のp型半導体部16bとの水平方向の端部のオフセットを電界効果トランジスタ1よりも小さくするため、SiO層52の第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの内面を覆う部分の厚さを電界効果トランジスタ1よりも薄くすることが好ましい。
【0148】
次に、図12(c)に示されるように、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの中の底部からの一部(例えば図12(c)に示されるような第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bよりも深い部分)を満たすように、NiOなどのp型材料54をスパッタなどにより堆積させる。
【0149】
次に、図13(a)に示されるように、SiO層52をその上に堆積したp型材料54とともに除去する。その結果、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの中の底部からの一部に残ったp型材料54が第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bとなる。
【0150】
上述のように、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bは自己整合的に形成されるため、高い位置精度で形成される。そのため、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの中に形成される第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bも、高い位置精度で形成される。
【0151】
次に、図13(b)に示されるように、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの内面、第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの露出した表面(図13(b)に示される例では、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの中にそれぞれ露出した第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの上面)、及び第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの上面が第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの底面よりも深い位置にある場合は第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bの露出した側面を覆うように、高温シリコン酸化膜(HTO膜)などからなる絶縁膜55を形成する。例えば、絶縁膜55を50nmの厚さに形成した後、ドーパントの活性化と酸化膜の高密度化のための800℃以上のアニール処理を実施する。
【0152】
次に、図13(c)に示されるように、ドーパントを含む多結晶Siなどの第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bの材料からなる導電膜56を、絶縁膜55の上に形成する。
【0153】
次に、図14(a)に示されるように、導電膜56にRIE(Reactive Ion Etching)などの異方性エッチングを施し、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの両側面を覆う側壁部分を残して、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの底面上の上記側壁部分の間の部分、及び第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの外側の部分を除去する。その結果、第1のトレンチ12a内に残された導電膜56の上記側壁部分が第1のゲート電極14aとなり、第2のトレンチ12b内に残された導電膜56の上記側壁部分が第2のゲート電極14bとなる。
【0154】
次に、図14(b)に示されるように、SiOなどの絶縁体を堆積させ、第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bの露出した側面と上面を覆う絶縁膜57を形成する。
【0155】
次に、図14(c)に示されるように、フォトリソグラフィとエッチングなどにより、絶縁膜55と絶縁膜57の第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bの表面を覆う部分を残してその他の部分を除去し、第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの上面の一部と第2の半導体層11の上面を露出させる。その結果、絶縁膜55と絶縁膜57の第1のゲート電極14aの表面に残された部分が、ゲート絶縁膜13a、ゲート絶縁膜41a、及び層間絶縁膜42aとなり、第2のゲート電極14bの表面に残された部分が、ゲート絶縁膜13b、ゲート絶縁膜41b、及び層間絶縁膜42bとなる。
【0156】
ここで、第3のトレンチ15aの中の、ゲート絶縁膜13aとゲート絶縁膜41aに覆われた第1のゲート電極14aに両側から挟まれた間隙を第1の間隙58a、第4のトレンチ15bの中の、ゲート絶縁膜13bとゲート絶縁膜41bに覆われた第2のゲート電極14bに両側から挟まれた間隙を第2の間隙58bと呼ぶ。すなわち、ゲート絶縁膜13aとゲート絶縁膜41aに覆われた第1のゲート電極14aは、第1のトレンチ12aとそこに空間的に連続する第3のトレンチ15aの中の、第1のp型半導体部16aの上の第1の間隙58aの両側に形成され、ゲート絶縁膜13bとゲート絶縁膜41bに覆われた第2のゲート電極14bは、第2のトレンチ12bとそこに空間的に連続する第4のトレンチ15bの中の、第2のp型半導体部16bの上の第2の間隙58bの両側に形成される。
【0157】
次に、図15に示されるように、第1の間隙58aと第2の間隙58bの中を埋め込むように導電材料を堆積させ、第1の間隙58aと第2の間隙58bの中にそれぞれ埋め込まれた第1のコンタクト40aと第2のコンタクト40bと、第1のコンタクト40aと第2のコンタクト40bに接続されたソース電極17を形成する。例えば、第1のコンタクト40a、第2のコンタクト40b、及びこれらと連続するソース電極17の下層がタングステンから形成され、ソース電極17の上層がAl-Si合金から形成される。
【0158】
第1のコンタクト40aと第2のコンタクト40bは、ソース電極17の前に形成されるが、上記のように、ソース電極17を形成する工程においてソース電極17と連続して形成されてもよいし、ソース電極17と異なる材料からなる場合などで、ソース電極17とは別の工程で形成されてもよい。
【0159】
その後、ドレイン電極18を形成して、電界効果トランジスタ4を得る。
【0160】
(実施の形態の効果)
上記本発明の第1~4の実施の形態によれば、第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bの底部に電界を集中させることにより、第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bが埋め込まれた第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの底部周辺の電界を緩和し、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの底部の周辺部分の絶縁破壊を抑制することができる。また、第1のトレンチ12aと第2のトレンチ12bの底部及び第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bの底部を、絶縁破壊電界強度の高い酸化ガリウム系半導体からなるn型の第1の半導体層10中に設置することにより、これらの近傍に集中する電界による半導体層の絶縁破壊を抑制することができる。そのため、電界効果トランジスタ1~4は高い信頼性を有する。
【0161】
また、第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bを設けて第1の半導体層10中に電界を集中させることにより、チャネルが形成される第2の半導体層11の材料に酸化ガリウム系半導体よりも絶縁破壊電界強度が低い一方で電子の移動度が大きいSiを用いることができ、それによってチャネル抵抗を低減し、電界効果トランジスタ1~4のオン抵抗を低減することができる。
【0162】
また、第3のトレンチ15aと第4のトレンチ15bを自己整合的に形成することができるため、第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの形成位置を高い精度で制御することができる。その結果、p型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの位置のばらつきに起因する、第1のp型半導体部16a及び第2のp型半導体部16bの底への電界の集中を緩和する効果のばらつきを抑え、電界効果トランジスタ1~4の特性のばらつきを抑えることができる。また、第1のp型半導体部16aと第2のp型半導体部16bの形成位置を高い精度で制御することができるため、電界効果トランジスタ1~4を狭ピッチで製造して、高電流密度化を図ることができる。
【0163】
また、電界効果トランジスタ1~4は、第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bの2つのゲート電極を用いるデュアルゲート構造を備えているため、1つのゲート電極を用いる場合と比較して、オン抵抗を小さくすることができる。
【0164】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。また、発明の主旨を逸脱しない範囲内において上記実施の形態の構成要素を任意に組み合わせることができる。
【0165】
また、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0166】
1~4…電界効果トランジスタ、 10…第1の半導体層、 11…第2の半導体層、 111…n型領域、 112…p型領域、 113…第2のn型領域、 12a…第1のトレンチ、 12b…第2のトレンチ、 13、13a、13b、41a、41b…ゲート絶縁膜、 14a…第1のゲート電極、 14b…第2のゲート電極、 15a…第3のトレンチ、 15b…第4のトレンチ、 16a…第1のp型半導体部、 16b…第2のp型半導体部、 17…ソース電極、 18…ドレイン電極、 20…中間半導体層、 201…非酸化層、 202…酸化層、 40a…第1のコンタクト、 40b…第2のコンタクト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15