IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エンペイの特許一覧

特開2024-159441集金システム、プログラム、および方法
<>
  • 特開-集金システム、プログラム、および方法 図1
  • 特開-集金システム、プログラム、および方法 図2
  • 特開-集金システム、プログラム、および方法 図3
  • 特開-集金システム、プログラム、および方法 図4
  • 特開-集金システム、プログラム、および方法 図5
  • 特開-集金システム、プログラム、および方法 図6
  • 特開-集金システム、プログラム、および方法 図7
  • 特開-集金システム、プログラム、および方法 図8
  • 特開-集金システム、プログラム、および方法 図9
  • 特開-集金システム、プログラム、および方法 図10
  • 特開-集金システム、プログラム、および方法 図11
  • 特開-集金システム、プログラム、および方法 図12
  • 特開-集金システム、プログラム、および方法 図13
  • 特開-集金システム、プログラム、および方法 図14
  • 特開-集金システム、プログラム、および方法 図15
  • 特開-集金システム、プログラム、および方法 図16
  • 特開-集金システム、プログラム、および方法 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159441
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】集金システム、プログラム、および方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/04 20120101AFI20241031BHJP
【FI】
G06Q30/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023201401
(22)【出願日】2023-11-29
(62)【分割の表示】P 2023072257の分割
【原出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】518391959
【氏名又は名称】株式会社エンペイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】森脇 潤一
(72)【発明者】
【氏名】根津 宏和
(57)【要約】
【課題】複数の事業所を運営する法人において、各事業所での集金業務の一括した管理を円滑に行うことができる集金システムを提供する。
【解決するための手段】プロセッサを備え、複数の事業所を管理する法人による事業所における顧客からの集金に用いられる集金システムに実行させるプログラムであって、プロセッサに、法人の担当者が使用する端末装置から、複数の事業所それぞれにおける顧客への請求に関する情報、および当該請求に対する集金状況に関する情報のうちの少なくとも一方についての集計指示の入力を受け付けるステップと、集計指示の受け付けに応答して、事業所ごとの請求に関する情報、および集金状況に関する情報のうちの少なくとも一方を集計するステップと、集計した情報を端末装置に対して出力するステップと、を実行させる、プログラム。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、複数の事業所を管理する法人による前記事業所における顧客からの集金に用いられる集金システムに実行させるプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記法人の担当者が使用する端末装置から、複数の前記事業所それぞれにおける前記顧客への請求に関する情報、および当該請求に対する集金状況に関する情報のうちの少なくとも一方についての集計指示の入力を受け付けるステップと、
前記集計指示の受け付けに応答して、前記事業所ごとの前記請求に関する情報、および前記集金状況に関する情報のうちの少なくとも一方を集計するステップと、
集計した情報を前記端末装置に対して出力するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記プロセッサに、さらに、
前記担当者に付与されたユーザ権限を判定するステップと、
前記担当者に対して所定の権限が付与されている場合に、前記集計指示の入力を行う画面である、法人担当者向けの管理画面を前記端末装置に対して出力するステップと、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記プロセッサに、さらに、
前記端末装置から、前記事業所を指定した請求締め処理の入力を受け付けるステップと、
前記請求締め処理の入力に応答して、前記事業所における請求情報の変更を制限するステップと、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記集金状況には、前記事業所ごとの集金率、および前記顧客の支払手段の内訳の少なくとも一方が含まれる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記プロセッサに、さらに、
前記端末装置から、前記請求に関する支払について、前記請求の費目ごとに、入金するべき口座である入金口座の指定を受け付けるステップと、
前記顧客からの支払いを受けた費用について、前記費目ごとに集計をして、指定された前記入金口座への入金を行うステップと、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
プロセッサを備え、複数の事業所を管理する法人による前記事業所における顧客からの集金に用いられる集金システムが実行する方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、
前記法人の担当者が使用する端末装置から、複数の前記事業所それぞれにおける前記顧客への請求に関する情報、および当該請求に対する集金状況に関する情報のうちの少なくとも一方についての集計指示の入力を受け付けるステップと、
前記集計指示の受け付けに応答して、前記事業所ごとの前記請求に関する情報、および前記集金状況に関する情報のうちの少なくとも一方を集計するステップと、
集計した情報を前記端末装置に対して出力するステップと、を実行する、方法。
【請求項7】
プロセッサを備え、複数の事業所を管理する法人による前記事業所における顧客からの集金に用いられる集金システムであって、
前記集金システムは、前記プロセッサが、
前記法人の担当者が使用する端末装置から、複数の前記事業所それぞれにおける前記顧客への請求に関する情報、および当該請求に対する集金状況に関する情報のうちの少なくとも一方についての集計指示の入力を受け付ける手段と、
前記集計指示の受け付けに応答して、前記事業所ごとの前記請求に関する情報、および前記集金状況に関する情報のうちの少なくとも一方を集計する手段と、
集計した情報を前記端末装置に対して出力する手段と、を備える、集金システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、集金システム、プログラム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、請求元から支払者へ発行される各種の費用請求を、電子データにより行うシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数の請求元それぞれから発行される請求情報を集計して、支払者に対してまとめて請求を行うシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-250069
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら従来のシステムでは、あくまで請求元ごとの支払情報を管理するため、例えば複数の事業所を運営する法人において、請求元となる事業所ごとに集金状況を確認する必要があり、複数の事業所における集金業務の一括した管理に対して改善の余地があった。
【0006】
本開示では、複数の事業所を運営する法人において、各事業所での集金業務の一括した管理を円滑に行うことができる集金システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様のプログラムは、プロセッサを備え、複数の事業所を管理する法人による事業所における顧客からの集金に用いられる集金システムに実行させるプログラムであって、プロセッサに、法人の担当者が使用する端末装置から、複数の事業所それぞれにおける顧客への請求に関する情報、および当該請求に対する集金状況に関する情報のうちの少なくとも一方についての集計指示の入力を受け付けるステップと、集計指示の受け付けに応答して、事業所ごとの請求に関する情報、および集金状況に関する情報のうちの少なくとも一方を集計するステップと、集計した情報を端末装置に対して出力するステップと、を実行させる、プログラム。
【発明の効果】
【0008】
本開示の集金システムでは、複数の事業所を運営する法人において、各事業所での集金業務の一括した管理を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の集金システムのブロック図である。
図2図1に示す端末装置の構成を示すブロック図である。
図3図1に示すサーバの機能的構成を示すブロック図である。
図4図3に示すサーバの記憶部が記憶する法人に関する情報を記憶するデータベースの構成例を示す図である。
図5図3に示すサーバの記憶部が記憶する担当者に関する情報を記憶するデータベースの構成例を示す図である。
図6図3に示すサーバの記憶部が記憶する会員および支払者に関する情報を記憶するデータベースの構成例を示す図である。
図7図3に示すサーバの記憶部が記憶する請求に関する情報を記憶するデータベースの構成例を示す図である。
図8図3に示すサーバの記憶部が記憶する操作履歴に関する情報を記憶するデータベースの構成例を示す図である。
図9】本発明に係る集金システムの処理のうち、担当者のログインによる管理画面の表示処理を示すフロー図である。
図10】本発明に係る集金システムの処理のうち、事業所からの費用請求から支払者による支払いまでの処理を示すフロー図である。
図11】本発明に係る集金システムの処理のうち、法人の担当者からの請求締め処理を示すフロー図である。
図12】本発明に係る集金システムの処理のうち、請求および集金状況の集計処理を示すフロー図である。
図13】集金システムの処理のうち、入金口座の指定処理を示すフロー図である。
図14】本発明に係る集金システムにおける第1画面例を示す図である。
図15】本発明に係る集金システムにおける第2画面例を示す図である。
図16】本発明に係る集金システムにおける第3画面例を示す図である。
図17】本発明に係る集金システムにおける第4画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】
(1)システム1の概要
図1は、本発明の集金システム1(以下、単にシステム1という)の概要を説明する図である。
図1に示すように、システム1は、顧客からの支払いに関する集金業務に用いられるシステムである。またシステム1は、複数の事業所を管理する法人による事業所における集金業務に特に用いられる。
以下の説明では、まずシステム1の構成について説明した後に、システム1を用いた各種の処理について詳述する。
【0012】
(1-1)全体構成
本実施形態に係るシステム1の全体構成について説明する。
図1に示すように、システム1は、複数の端末装置10と、サーバ20と、を含む。
複数の端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線又は無線ネットワークにより構成される。
【0013】
以下の説明において、端末装置10は、ユーザの種別により以下の3つに分類される。
・法人の担当者が使用する法人端末10A
・各事業所の担当者が使用する事業所端末10B
・支払者が使用する支払者端末10C
【0014】
ここで、法人とは、任意の事業を運営する団体(事業者)であり、一定の目的のために結合した集団をさす。法人が運営する事業としては、会員に対して所定の役務を提供する各種の事業が含まれ、一例としては以下が挙げられる。
・教育事業:保育園、幼稚園、学童保育、小学校、学習塾、各種習い事など
・生活関連サービス業:社会人スクール、トレーニングジムなど
【0015】
なお、システム1の射程となる事業としては、会員に対して継続的に役務を提供し、事業所が定期的な会費の支払いを受ける事業が好ましい。
また、この説明における法人には、法律上の法人格を有さない所定の事業を営む団体が含まれてもよい。
また、システム1を、複数の事業所を運営する個人が利用してもよい。この場合には、当該個人が、この説明における法人とみなされる。
【0016】
システム1は、このような各種の事業を複数の事業所において運営する法人により使用される。すなわち、法人は複数の事業所の運営を統括して管理する団体である。法人および事業所の関係は例えば以下のとおりである。
・法人:複数の幼稚園を運営する学校法人
・事業所:当該学校法人により運営されるそれぞれの幼稚園
【0017】
ここで、システム1のユーザの種別について定義する。
・法人担当者:法人に所属し、当該法人が運営する複数の事業所の運営について統括した管理を行う者(例えば法人社員、法人代表者など)
・事業所担当者:事業所に所属し、会員への役務の提供を行うとともに、当該事業所の運営を管理する者(例えば事業所社員、事業所代表者など)
・会員:各事業所から役務の提供を受ける物(事業所が幼稚園の場合は園児)
・支払者:各事業所から役務の提供を受ける会員、又は会員の保護者等であって、会員が受ける役務の対価を、当該事業所に対して支払う者(事業所が幼稚園の場合は親)
なお、会員および支払者を顧客と呼ぶことがある。
【0018】
(1-2)端末装置10のハードウェア構成
図1に示すように、端末装置10は、各ユーザが操作する情報処理装置である。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCなどにより実現される。その他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であってもよい。
【0019】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、5G、LTE(Long Term Evolution)などの通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11などの無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。
【0020】
図1に示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0021】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。
【0022】
出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。
メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0023】
記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0024】
(1-3)サーバ20のハードウェア構成
図1に示すように、サーバ20は、事業所における会員からの会費の集金業務をサポートする情報処理装置である。
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0025】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0026】
メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0027】
(2)端末装置10の機能的構成
図2は、システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、入力受付部130(キーボード131およびディスプレイ132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、カメラ150と、記憶部160と、制御部170とを含む。
【0028】
端末装置10は、図2では特に図示していない機能および構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0029】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0030】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0031】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。
【0032】
第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部170へ与える。
【0033】
入力受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、入力受付部130は、キーボード131と、ディスプレイ132とを含む。なお、入力受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0034】
キーボード131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード131は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部170へ出力する。
【0035】
ディスプレイ132は、制御部170の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。すなわち、ディスプレイ132は、ユーザに対して情報を出力する出力部としても機能する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0036】
記憶部160は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部160は、ユーザ情報161を記憶する。
【0037】
ユーザ情報161は、端末装置10を使用してシステム1を利用するユーザの情報である。ユーザ情報161としては、ユーザを識別する情報、ユーザの名称、ユーザが使用するメッセージアプリのアカウント情報、ユーザのメールアドレス等の連絡先に関する情報等が含まれる。
【0038】
制御部170は、記憶部160に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部170は、例えば予め端末装置10にインストールされているアプリケーションプログラムである。制御部170は、プログラムに従って動作することにより、操作受付部171と、送受信部172と、データ処理部173と、表示処理部174としての機能を発揮する。
【0039】
操作受付部171は、キーボード131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0040】
送受信部172は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0041】
データ処理部173は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0042】
表示処理部174は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。表示処理部174は、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理等を行う。
【0043】
(3)サーバ20の機能的構成
図3は、システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0044】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0045】
(3-1)記憶部202の構成
記憶部202は、サーバ20が使用するデータおよびプログラムを記憶する。記憶部202は、以下のデータベースを記憶している。
1)法人に関する情報を記憶するデータベース
・法人データベース(法人DB)2021
・事業所情報データベース(事業所DB)2022
・入金口座データベース(入金口座DB)2023
2)担当者に関する情報を記憶するデータベース
・担当者データベース(担当者DB)2024
・役割データベース(役割DB)2025
3)会員および支払者に関する情報を記憶するデータベース
・会員データベース(会員DB)2026
・支払者データベース(支払者DB)2027
4)請求に関する情報を記憶するデータベース
・請求データベース(請求DB)2028
5)法人の担当者による操作履歴に関する情報を記憶するデータベース
・請求締め履歴データベース(請求締め履歴DB)2029
・指定口座マスタデータベース(指定口座マスタDB)2030
これらの各データベースの詳細については、後述する。
【0046】
(3-2)制御部203の構成
図3に示す制御部203は、サーバ20のプロセッサ29が、プログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして送受信制御モジュール2031、取得モジュール2032、アカウント認証モジュール2033、請求モジュール2034、入金モジュール2035、集計モジュール2036、および出力モジュール2037としての機能を発揮する。
【0047】
送受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を送受信する処理を制御する。
【0048】
取得モジュール2032は、送受信制御モジュール2031が受信した各種の情報を取得し、該当するデータベースに記録処理を制御する。
【0049】
アカウント認証モジュール2033は、システム1へのログインにおいて、担当者が入力したアカウント情報を用いてログインの認証を行う。アカウント認証モジュール2033は、ログインを行った担当者の権限を判定することで、後述する管理画面の切り替えを行う。すなわち、アカウント認証モジュール2033は、担当者に対して所定の権限(法人権限)が付与されていることを条件として、法人担当者向けの操作画面を法人端末10Aに対して出力する。
【0050】
請求モジュール2034は、請求情報を生成する。請求モジュール2034は、事業所DB2022に登録された請求書発行時期に従って、各事業所の会員に対して請求情報を作成する。
【0051】
入金モジュール2035は、外部の電子決済手段から決済情報を受け付け、請求データベースを更新する。入金モジュール2035は、外部の電子決済手段が発行した決済IDごとに決済情報を受け付け、請求DB2028の入金に関するカラムを更新する。
この際、入金モジュール2035は、請求情報の消込を行う。すなわち、入金モジュール2035は、請求DB2028を参照して、対応する請求書の費用が既に入金されたかどうかを確認する。入金モジュール2035は、確認の結果を、請求DB2028における項目「入金の有無」の新たなレコードとして記録する。
入金モジュール2035は、支払者から入金があった費用について、指定口座マスタDB2030を参照して、該当する入金口座に入金させるための指示を金融機関に対して送信する。
【0052】
集計モジュール2036は、未払いの集計を行う。具体的には、集計モジュール2036は、請求情報を参照し、支払期日を超えて入金がされていない未払いの請求書番号を特定する。集計モジュール2036は、未払いの請求書番号に対応する会員IDを特定し、会員DB2026を参照することで、支払者IDを特定する。集計モジュール2036は、支払者DB2027を参照して、特定した支払者IDに対応する請求先情報を特定する。集計モジュール2036は、未払いの請求情報と、請求先情報と、を出力モジュール2037に送信する。
【0053】
集計モジュール2036は、事業所ごとの支払い状況の集計として、複数の会員の支払い状況を集計する。具体的には、集計モジュール2036は、集金状況として、複数の支払者における支払い完了の割合を表示させる。また、集計モジュール2036は、支払者の属性に基づいて区分けされたグループごとに、支払い状況を表示させる。また、集計モジュール2036は、共通する費目ごとに集金状況を表示させる。
【0054】
また、集計モジュール2036は、法人担当者からの集計指示の受け付けに応答して、事業所ごとの請求に関する情報、および集金状況に関する情報のうちの少なくとも一方を集計する。この際、集計モジュール2036は、法人が管理する事業所全ての請求情報および集金状況を集計する。
【0055】
出力モジュール2037は、請求情報を請求書として支払者端末10Cに対して通知する。この際、出力モジュール2037は、請求情報とともに、外部の電子決済手段に関するURLを通知する。
出力モジュール2037は、事業所端末10Bに対して、支払者からの入金の通知を行う。出力モジュール2037は、支払者端末10Cに対して、領収書の発行を行う。
また、出力モジュール2037は、集計した事業所ごとの請求および集金状況に関する情報を、法人端末10Aに対して出力する。
【0056】
(4)データベースのデータ構造
次に、前述した各データベースの構成について順番に説明する。なお、これらの説明はあくまで一例であり、データベースの構造は任意に変更可能である。
【0057】
(4-1)法人に関する情報を記憶するデータベース
まず、法人に関する情報を記憶するデータベースについて説明する。
図4は、法人に関する情報を記憶するデータベースを示す図である。このうち、図4Aは、法人DB2021を示す図、図4Bは事業所DB2022を示す図、図4Cは入金口座DB2023を示す図である。
【0058】
(4-1-1)法人DB2021
図4Aに示す法人DB2021は、システム1を利用する法人に関する情報(法人情報)を記録するデータベースである。法人DB2021は、法人による新規利用時のユーザ登録により新たなレコードが記録される。法人DB2021は、システム1の管理者が閲覧、編集できる。
【0059】
図4Aに示すように、法人DB2021の各レコードは、項目「法人ID」と、項目「法人名称」と、項目「本社所在地住所」と、項目「代表者名」と、を含む。
【0060】
項目「法人ID」は、法人を特定可能な法人の識別情報である。法人IDは法人ごとに固有値となるように付与される。
【0061】
項目「法人名称」は、法人IDに対応する法人の名称を示す情報である。
【0062】
項目「本社所在地」は、法人IDに対応する法人の本社の所在地を示す情報である。
【0063】
項目「代表者名」は、会員IDに対応する法人の代表者の氏名を示す情報である。
なお、法人DB2021には、その他のデータ項目が管理されてもよい。
【0064】
(4-1-2)事業所DB2022
図4Bに示す事業所DB2022は、システム1を利用する事業所に関する情報(事業所情報)を保持するためのデータベースである。事業所DB2022の各レコードは、新たにシステム1を利用する事業所の登録時に、新たなレコードが記録される。事業所DB2022は、サーバ20の管理者および法人の担当者が閲覧、編集できる。
【0065】
図4Bに示すように、事業所DB2022の各レコードは、項目「事業所ID」と、項目「法人ID」と、項目「事業所名称」と、項目「所在地」と、項目「代表者名」と、項目「連絡先」と、項目「請求書発行時期」を含む。
【0066】
項目「事業所ID」は、事業所を特定可能な事業所の識別情報である。事業所IDは事業所ごとに固有値となるように付与される。
【0067】
項目「法人ID」は、事業所IDに対応する事業所が所属する法人の識別情報である。
【0068】
項目「事業所名称」は、事業所IDに対応する事業所の名称を示す情報である。
【0069】
項目「所在地」は、事業所IDに対応する事業所の所在地を示す情報である。
【0070】
項目「代表者名」は、事業所IDに対応する事業所の代表者の氏名を示す情報である。
【0071】
項目「連絡先」は、事業所IDに対応する事業所の電話番号又はメールアドレスのような連絡先に関する情報である。
【0072】
項目「請求書発行時期」は、事業所IDに対応する事業所において、請求書を発行する時期として登録されている情報である。項目「請求書発行時期」は、定期的に発行される請求書に対して適用される。このほかに、費用の請求が生じた際に、その都度請求書を発行することもできる。
なお、事業所DB2022には、その他のデータ項目が管理されてもよい。
【0073】
(4-1-3)入金口座DB2023
図4Cに示す入金口座DB2023は、システム1を利用する入金口座に関する情報(入金口座情報)を保持するためのデータベースである。入金口座DB2023の各レコードは、新たにシステム1において利用する入金口座の登録時に、新たなレコードが記録される。入金口座の登録の処理については後述する。入金口座DB2023は、サーバ20の管理者および法人の担当者が閲覧、編集できる。
【0074】
図4Cに示すように、入金口座DB2023の各レコードは、項目「口座ID」と、項目「口座番号」と、項目「法人ID」と、を含む。
【0075】
項目「口座ID」は、入金口座を特定可能な入金口座の識別情報である。入金口座IDは入金口座ごとに固有値となるように付与される。
【0076】
項目「口座番号」は、入金口座IDに対応する入金口座についての金融機関で管理される口座番号に関する情報である。
【0077】
項目「法人ID」は、入金口座IDに対応する入金口座を利用する法人の識別情報である。
なお、入金口座DB2023には、その他のデータ項目が管理されてもよい。
【0078】
(4-2)担当者に関する情報を記憶するデータベース
次に、担当者に関する情報を記憶するデータベースについて説明する。
図5は、担当者に関する情報を記憶するデータベースである担当者DB2024を示す図である。このうち、図5Aは、担当者DB2024を示す図、図5Bは役割DB2025を示す図である。
【0079】
(4-2-1)担当者DB2024
図5Aに示す担当者DB2024は、システム1を利用する法人の担当者、および事業所の担当者に関する情報(担当者情報)を保持するためのデータベースである。担当者DB2024の各レコードは、新たにシステム1において利用する担当者の登録時に、新たなレコードが記録される。担当者DB2024は、サーバ20の管理者および法人の担当者が閲覧、編集できる。
【0080】
図5Aに示すように、担当者DB2024の各レコードは、項目「担当者ID」と、項目「氏名」と、項目「ログインPass」と、項目「所属法人」と、項目「所属事業所」と、項目「権限種別」と、を含む。
【0081】
項目「担当者ID」は、担当者を特定可能な担当者の識別情報である。担当者IDは担当者ごとに固有値となるように付与される。
【0082】
項目「氏名」は、担当者IDに対応する担当者の氏名に関する情報である。
【0083】
項目「ログインPass」は、担当者IDに対応する担当者がシステム1にログインする際に入力を要求されるパスワードである。
【0084】
項目「所属法人」は、担当者IDに対応する担当者が所属する法人の識別情報である。
【0085】
項目「所属事業所」は、担当者IDに対応する担当者が所属する事業所の識別情報である。なお、担当者が法人担当者である場合には、この項目はNullであってもよい。
【0086】
項目「役割」は、担当者IDに対応する担当者に設定された役割を示す情報である。担当者の役割には以下の2つが設けられている。
・法人担当者
・事業所担当者
なお、担当者DB2024には、その他のデータ項目が管理されてもよい。
【0087】
(4-2-2)役割DB2025
図5Bに示す役割DB2025は、システム1を利用する担当者の役割の権限に関する情報(役割権限情報)を保持するためのデータベースである。役割DB2025の各レコードは、システム1の構築時に予め設定されている。役割DB2025は、サーバ20の管理者が閲覧、編集できる。
【0088】
図5Bに示すように、役割DB2025の各レコードは、項目「役割名」と、項目「権限」と、を含む。
【0089】
項目「役割名」には、担当者に対して設定される役割の名称が定義されている。
【0090】
項目「権限種別」は、役割名に対応する役割に対して付与される権限を示す情報である。担当者の権限には、法人担当者の設定される法人権限と、事業所担当者に設定される事業所権限とがある。これらの権限の違いについては後述する。
なお、役割DB2025には、その他のデータ項目が管理されてもよい。
【0091】
(4-3)会員および支払者に関する情報を記憶するデータベース
次に、会員および支払者に関する情報を記憶するデータベースについて説明する。
図6は、会員および支払者に関する情報を記憶するデータベースを示す図である。このうち、図6Aは、会員DB2026を示す図、図6Bは支払者DB2027を示す図である。
【0092】
(4-3-1)会員DB2026
【0093】
図6Aに示す会員DB2026は、各事業所から役務の適用を受ける会員に関する情報(会員情報)を保持するためのデータベースである。会員DB2026の各レコードは、新たに事業所の会員を登録する際に、事業所から入力された情報に基づいて記録される。
会員DB2026のうち、自身の会員に関する情報については、各事業所が閲覧することができる。
【0094】
図6Aに示すように、会員DB2026の各レコードは、項目「会員ID」と、項目「事業所ID」と、項目「会員名」と、項目「属性」と、項目「支払者氏名」と、項目「支払者ID」等を含む。
【0095】
項目「会員ID」は、事業所からの役務の提供を受ける会員を識別するための情報である。事業所IDは会員ごとに固有値となるように付与される。
【0096】
項目「事業所ID」は、会員IDに対応する会員が所属する事業所のIDを示す情報である。
【0097】
項目「会員名」は、会員IDに対応する会員の氏名を示す情報である。例えば、事業所が保育園の場合には、会員は保育園に通う生徒(園児)に相当する。
【0098】
項目「属性」は、会員IDに対応する会員に対して事業所が設定した属性を示す情報である。例えば事業所が保育園の場合には、属性としては「年長バラ組」や「年少さくら組」といったクラス名に相当する。属性は、例えば事業所が音楽教室の場合には、「上級者クラス」、「初心者クラス」といった受講するコースであってもよい。また、事業所がフィットネスジムである場合には、「フルタイム会員」や「平日会員」といった契約内容に関する情報であってもよい。項目「属性」は会員(園児)の進級や、会員の契約内容の変更に伴い自動的に変更される。
【0099】
項目「支払者氏名」は、会員IDに対応する会員が、事業所から提供される役務の対価を支払うものの氏名を示す情報である。「支払者氏名」は、会員の氏名であってもよいし、例えば事業所が保育園の場合には、会員(生徒)の保護者の氏名であってもよい。また、法人契約の場合には、「支払者氏名」は法人名であってもよい。
【0100】
項目「支払者ID」は、支払者を識別するための情報である。支払者IDは、支払者氏名の登録に伴い設定される。支払者IDは、ランダムな数字や文字の列であってもよい。
なお、会員DB2026には、その他のデータ項目が管理されてもよい。
【0101】
(4-3-2)支払者DB2027
【0102】
図6Bに示す支払者DB2027は、システム1を利用する支払者に関する情報(支払者のアカウント情報)を保持するためのデータベースである。支払者DB2027の各レコードは、新たな支払者からの請求先情報の登録に応じて記録される。なお、支払者DB2027の各レコードは、支払者の必要に応じて変更することができる。支払者DB2027のうち、自身の会員に対する支払者に関する情報については、各事業所が閲覧することができる。
【0103】
図6Bに示すように、支払者DB2027の各レコードは、項目「支払者ID」と、項目「支払者氏名」と、項目「登録パスワード」と、項目「請求先情報」等を含む。
【0104】
項目「支払者ID」は、会員DB2026において設定された支払者IDを引用する情報である。
【0105】
項目「支払者氏名」は、支払者IDに対応する支払者の氏名を示す情報である。
【0106】
項目「登録パスワード」は、支払者IDに対応する支払者がアカウント情報を登録する際に用いるパスワードに関する情報である。登録パスワードを用いた請求先情報の登録処理については後述する。
【0107】
項目「請求先情報」は、支払者IDに対応する支払者が登録した請求先に関する情報である。本実施形態では、支払者が普段使用しているメッセージアプリのアカウント情報を、請求先情報として登録する処理を例に挙げる。請求先情報は、メールアドレスや、その他の電子的手段により請求情報を受領できる連絡先に関する情報であってもよい。
請求先情報としては、メッセージアプリにおける支払者のアカウント情報を特定するためのトークンであってもよい。
なお、支払者DB2027には、その他のデータ項目が管理されてもよい。
【0108】
(4-4)請求に関する情報を記憶するデータベース
次に、請求に関する記憶する請求DB2028について説明する。図7は、請求データベースを示す図である。
【0109】
(4-4-1)請求DB2028
図7に示す請求DB2028は、システム1により事業所から支払者に対して請求される費用に関する請求書の情報(請求情報)を保持するためのデータベースである。請求DB2028の各レコードは、請求書が発行される、および後述する外部の電子決済手段による決済が行われた際に、外部の電子決済手段から通知された決済情報に基づいて記録される。請求書の発行処理については後述する。なお、請求DB2028の各レコードは、事業所の必要に応じて変更することができる。外部の電子決済手段による決済処理については後述する。
請求DB2028のうち、自身の請求書に関する情報については、各事業所が閲覧することができる。
【0110】
図7に示すように、請求DB2028の各レコードは、項目「請求書番号」と、項目「事業所ID」と、項目「請求日」と、項目「支払期日」と、項目「費目」と、項目「請求額」と、項目「会員ID」と、項目「決済ID」と、項目「入金日」と、項目「入金方法」と、項目「入金額」と、項目「入金の有無」と、を含む。
【0111】
項目「請求書番号」は、請求書を識別するための情報である。
【0112】
項目「事業所ID」は、請求書番号に対応する請求書が発行された事業所を特定するための情報である。
【0113】
項目「請求日」は、請求書番号に対応する請求書において請求する費用が発生した日を示す情報である。請求日としては、月や週のような期間を示す情報であってもよい。
【0114】
項目「支払期日」は、請求書番号に対応する請求書に設定された支払期日を示す情報である。
【0115】
項目「費目」は、請求書番号に対応する請求書において請求する費用の内容を示す情報である。事業所が保育園である場合には、費目として「保育料」や「教材費」等が相当する。
【0116】
項目「請求額」は、請求書番号に対応する請求書が請求する費用の額を示す情報である。
【0117】
項目「会員ID」は、請求書番号に対応する請求書が請求する費用を対価として、事業所からの役務の提供を受けた会員を特定する情報である。
【0118】
項目「決済ID」は、決済(支払い)処理を識別するための情報である。決済IDは、請求書番号に対応して付与される。
【0119】
項目「請求書番号」は、決済IDに対する請求書番号を特定する情報である。
【0120】
項目「入金日」は、決済IDに対応する請求書番号に関する支払が行われた日を示す情報である。項目「入金日」は、時間に関する情報を含んでもよい。
【0121】
項目「入金方法」は、決済IDに対応する請求書番号に関する支払いが行われた手段を示す情報である。項目「入金方法」には、「クレジットカード」および「コンビニ支払い」などが相当する。
【0122】
項目「入金額」は、決済IDに対応する請求書番号に関する支払において、実際に入金された額を示す情報である。
【0123】
項目「入金の有無」は、請求書番号に対応する請求書が請求する費用の支払い状況を示す情報である。
なお、請求DB2028には、その他のデータ項目が管理されてもよい。
【0124】
(4-5)法人の担当者による操作履歴に関する情報を記憶するデータベース
次に、法人の担当者による操作履歴に関する情報を記憶するデータベースについて説明する。
図8は、法人の担当者による操作履歴に関する情報を記憶するデータベースである。このうち、図8Aは、請求締め処理履歴DBを示す図、図8Bは指定口座マスタデータベースを示す図である。
【0125】
(4-5-1)請求締め履歴DB2029
図8Aに示す請求締め履歴DB2029は、システム1を利用する法人の担当者により行われた請求締め処理の履歴を記録するデータベースである。請求締め履歴DB2029の各レコードは、法人の担当者により請求締め処理が行われた際に、新たなレコードが記録される。請求締め履歴DB2029は、サーバ20の管理者および法人の担当者が閲覧、編集できる。
【0126】
図8Aに示すように、請求締め履歴DB2029の各レコードは、項目「請求締め履歴ID」と、項目「法人ID」と、項目「事業所ID」と、項目「対象集計月」と、項目「担当者ID」と、項目「締め処理日時」と、を含む。
【0127】
項目「請求締め履歴ID」は、請求締め処理を特定可能な請求締め処理の識別情報である。請求締め履歴IDは請求締め処理ごとに固有値となるように付与される。
【0128】
項目「法人ID」は、請求締め履歴IDに対応する請求締め処理を行った法人の識別情報である。
【0129】
項目「事業所ID」は、請求締め履歴IDに対応する請求締め処理の対象となった事業所の識別情報である。
【0130】
項目「対象集計月」は、請求締め履歴IDに対応する請求締め処理により請求締めが行われた集計月に関する情報である。
【0131】
項目「担当者ID」は、請求締め履歴IDに対応する請求締め処理に関する指示操作を入力した法人担当者の識別情報である。
【0132】
項目「締め処理日時」は、請求締め履歴IDに対応する請求締め処理が指示された日時に関する情報である。
なお、請求締め履歴DB2029には、その他のデータ項目が管理されてもよい。
【0133】
(4-5-2)指定口座マスタDB2030
図8Bに示す指定口座マスタDB2030は、システム1を利用する法人の担当者により指定された集金した費用の入金先となる口座(指定口座)のマスタを記録するデータベースである。指定口座マスタDB2030の各レコードは、法人の担当者により入金先となる口座の指定が行われた際に、新たなレコードが記録される。指定口座マスタDB2030は、サーバ20の管理者および法人の担当者が閲覧、編集できる。
【0134】
図8Bに示すように、指定口座マスタDB2030の各レコードは、項目「指定口座マスタID」と、項目「法人ID」と、項目「事業所ID」と、項目「指定費目」と、項目「口座ID」と、項目「担当者ID」と、項目「指定日時」と、を含む。
【0135】
項目「指定口座マスタID」は、指定口座マスタを特定可能な指定口座マスタの識別情報である。指定口座マスタIDは指定口座マスタごとに固有値となるように付与される。
【0136】
項目「法人ID」は、指定口座IDに対応する指定口座マスタが適用される法人の識別情報である。
【0137】
項目「事業所ID」は、指定口座IDに対応する指定口座マスタが適用される事業所の識別情報である。
【0138】
項目「指定費目」は、指定口座マスタIDに対応する指定口座マスタが適用される請求書の請求費目に関する情報である。
【0139】
項目「口座ID」は、指定口座マスタIDに対応する指定口座マスタにおいて、入金先となる入金口座の識別情報である。
【0140】
項目「担当者ID」は、指定口座マスタIDに対応する指定口座マスタの登録(入金口座の指定)を行った法人担当者の識別情報である。
【0141】
項目「指定日時」は、指定口座マスタIDに対応する指定口座マスタの登録(入金口座の指定)が行われた日時に関する情報である。
なお、指定口座マスタDB2030には、その他のデータ項目が管理されてもよい。
【0142】
(5)システム1の処理
次に、システム1の制御処理について説明する。
【0143】
(5-1)担当者のログインによる管理画面の表示処理
まず、システム1へのログイン時のアカウント認証処理について説明する。
図9は、担当者のログインによる管理画面の表示処理を示すフロー図である。
【0144】
図9に示すように、管理画面の表示処理では、まず、法人端末10A又は事業所端末10Bが、担当者からログイン操作の入力を受け付ける(ステップS101)。
具体的には、端末装置10は、操作受付部171が受け付けた担当者IDおよびログインパスワードを含むアカウント情報を取得し、送受信部172を介してサーバ20に送信する。
【0145】
ステップS101の後に、サーバ20は、ログイン操作を受け付ける(ステップS221)。
具体的には、サーバ20の送受信制御モジュール2031は、ステップS101において端末装置10から送信されたログイン操作に含まれるアカウント操作に関する情報を受信する。データ取得部は、アカウント操作に関する情報に含まれる担当者のアカウント情報を取得し、アカウント認証モジュール2033に対して入力する。
【0146】
ステップS201の後に、サーバ20は、アカウント認証を行う(ステップS202)。
具体的には、サーバ20のアカウント認証モジュール2033は、ステップS201においてデータ取得部から入力された担当者のアカウント情報について、担当者DB2024を参照し、該当する担当者IDおよびログインパスワードを含む担当者のアカウントが存在するかどうかを判定する。この際、アカウント認証モジュール2033は、ユーザ権限を判定する。すなわち、担当者DB2024において該当する担当者IDに紐づけられた当該担当者の役割を特定し、役割DB2025を参照することで、当該担当者に付与されている権限を特定する。
【0147】
ステップS202の後に、サーバ20は、管理画面を出力する(ステップS203)。
具体的には、サーバ20の出力モジュール2037は、端末装置10に対して、ログインを行った担当者の権限に即した管理画面を出力する。すなわち、出力モジュール2037は、当該担当者に対して法人権限(所定の権限)が付与されている場合に、法人管理画面を法人端末10Aに対して出力する。
一方、出力モジュール2037は、当該担当者に対して法人権限が付与されておらず、事業所権限が付与されている場合には、事業所端末10Bに対して、事業所管理画面を出力する。
【0148】
すなわち、システム1では、以下の2つの管理画面が設定されており、ユーザの権限により表示が切り替えられる。
・法人管理画面:法人が管理するすべての事業所の請求情報を確認できる画面であり、後述する請求締め処理および事業所ごとの請求情報の集計指示の入力を行う画面
・事業所管理画面:事業所内の請求情報を確認できる画面であり、事業所内の個別の請求情報を編集可能な画面
なお、法人管理画面は、法人担当者のみ閲覧、編集が可能となっており、事業所管理画面は、法人担当者および事業所担当者の双方が閲覧、編集が可能となっている。
【0149】
ステップS203の後に、端末装置10は、管理画面を表示する(ステップS102)。
具体的には、端末装置10の表示処理部174は、ステップS203において出力された管理画面を端末装置10のディスプレイ132に表示する。
すなわち、ステップS102において、法人端末10Aには法人管理画面が表示される。法人管理画面の具体的な表示態様は、第1画面例D1として後述する。また、ステップS102において、事業所端末10Bには、事業所管理画面が表示される。事業所管理画面の具体的な表示態様は、第2画面例D2として後述する。
以上により、管理画面の表示処理が終了する。
【0150】
(5-2)事業所からの請求書の発行、および支払者による支払い処理
次に、事業所からの請求書の発行処理について説明する。
図10は、事業所からの費用請求から支払者による支払いまでの処理を示すフロー図である。この処理は、事業所端末10Bに表示された事業所管理画面から行うことができる。
【0151】
図10に示すように、請求書の発行処理では、まず、事業所端末10Bにおいて、請求情報の入力が行われる(ステップS111)。
具体的には、ログインされた状態において、事業所で発生した請求のうち、定期的に請求することが決まっていない費目(例えば保育園における時間外手数料等)について、事業所担当者から事業所端末10Bへの入力操作が行われる。
【0152】
ステップS111の後に、サーバ20は、請求情報の受け付けを行う(S211)。
具体的には、サーバ20の送受信制御モジュール2031は、ステップS111において事業所端末10Bから送信された請求情報の各項目に関する情報を受信する。
【0153】
ステップS211の後に、サーバ20は、請求情報を作成する(ステップS212)。
具体的には、サーバ20の取得モジュール2032は、ステップS211において送受信制御モジュール2031が受信した請求情報を取得し、請求DB2028の新たなレコードとして記録する。
請求モジュール2034は、請求DB2028に新たに記録された請求情報に基づいて、請求情報を作成する。また、請求モジュール2034は、定期的に請求することが設定されている費目に対しては、事業所DB2022に設定された請求書発行時期の条件に従って、自動的に各会員に対する請求情報を作成する。
【0154】
ステップS212の後に、サーバ20は、請求書の発行を行う(ステップS213)。
具体的には、サーバ20の出力モジュール2037は、作成された請求情報に基づいた請求書を、支払者端末10Cに対して送信する。この際、出力モジュール2037は、請求情報に格納された支払者IDと、支払者DB2027に格納された請求先情報を、を参照して、支払者におけるメッセージアプリのアカウントに向けて、請求書を送信する。また、出力モジュール2037は、請求書とともに外部の電子決済手段に関するURLを通知する。
【0155】
ステップS213の後に、支払者端末10Cは、請求書を受領する(ステップS311)。具体的には、支払者端末10Cにおいて、メッセージアプリが請求書を受信する。支払者はメッセージアプリが受信した請求書を確認して請求内容を把握する。
【0156】
ステップS311の後に支払者は、支払の実行を行う(ステップS312)。具体的には、支払者は、通知されたURLから遷移される外部の電子決済手段を利用して決済を行う。
外部の電子決済手段とは、入金手段として、例えばクレジットカード支払いやコンビニエンスストアでの支払等の決済代行システムと連携をするオンライン決済システムである。
外部の電子決済手段は、支払者端末10Cに表示する案内に従って、支払者が入金手段としてクレジットカード決済又はコンビニエンスストアでの支払いを選択することで、決済に用いるクレジットカードの情報を入力する入力フォーム、又はコンビニエンスストアで支払う際に用いる支払番号等の情報を提供する。外部の電子決済手段は、選択された入金方法による決済に応じて決済IDを発行する。
【0157】
ステップS312の後に、外部の電子決済手段は、決済情報をサーバ20に通知する(ステップS411)。具体的には外部の電子決済手段は、発行した決済IDごとに、決済情報をサーバ20に対して送信する。
【0158】
ステップS411の後に、サーバ20は、決済情報の受付を行う(ステップS209)。
具体的には、サーバ20の取得モジュール2032は、外部の電子決済手段から受信した決済情報に基づいて、請求DB2028の新たなレコードを記録する。
また、入金モジュール2035は、請求情報の消込を行う。すなわち、入金モジュール2035は、支払者DB2027を参照して、決済IDに基づいて、対応する請求書の費用が既に入金されたかどうかを確認する。入金モジュール2035は、確認の結果を、請求DB2028における項目「入金の有無」の新たなレコードとして記録する。
【0159】
ステップS214の後に、サーバ20は入金の通知を行う(ステップS215)。具体的には、サーバ20の出力モジュール2037は、事業所端末10Bに向けて入金があった旨を通知する。また、出力モジュール2037は、支払者端末10Cに対しては、領収書の発行を行ってもよい。出力モジュール2037は、領収書の発行とともに、支払履歴に関する情報を通知してもよい。
以上により、請求書の発行および支払い処理が終了する。
【0160】
(5-3)法人担当者による請求締め処理
次に、法人担当者からの請求締め処理について説明する。この処理は、法人端末10Aに表示された法人管理画面から行うことができる。ここで、請求締め処理の必要性について説明する。
【0161】
複数の事業所を管理する法人において、法人担当者が事業所ごとの会計処理を行う際に、締め対象となる請求期間の請求情報を事業所担当者が変更すると、法人担当者が会計処理に計上した請求額と、その後に変更された実際に請求をした金額と、の間に差額が生じ、会計処理に手戻りが生じる原因となる。
【0162】
このため、システム1では、法人担当者が事業所ごとの会計処理を行うタイミングなどに、請求期間および事業所を指定して、又は全ての事業所に対して一括して請求締め処理を行うことができる。請求締め処理を実行することで以下の効果が発揮される。
・締め対象となる請求期間についてその後の新たな請求書の作成(請求情報の追加)が制限される。
・締め対象となる請求期間についてその後に既に発行された請求書の変更(請求情報の変更)が制限される。
【0163】
なお、請求期間については必ずしも月単位としなくてもよい。また、請求期間の指定は省略し、月単位での集計をデフォルトの設定としてもよい。
このような請求締め処理の処理フローについて以下に説明する。
図11は、法人担当者からの請求締め処理を示すフロー図である。
【0164】
図11に示すように、請求締め処理ではまず、図9のステップS102において表示された法人管理画面において、請求締め操作の入力を受け付ける(ステップS121)。
具体的には、法人端末10Aの操作受付部171は、法人担当者から入力された請求締め操作を受け付ける。法人端末10Aは入力された請求締め処理の操作をサーバ20に対して送信する。この時の法人管理画面の具体的な表示態様については、第3画面例D3として後述する。
【0165】
ステップS121の後に、サーバ20は、請求締め操作の受け付けを行う(ステップS221)。
具体的には、サーバ20の送受信制御モジュール2031は、ステップS121において法人端末10Aから送信された請求締め操作を受け付ける。この際、請求締め操作には、以下の情報が含まれる。
・請求締め操作を行った法人担当者の担当者ID、法人ID
・請求締め処理の対象となる事業所ID
・請求締め処理の対象となる集計月(請求期間)
・請求締め処理が行われた操作日時
【0166】
ステップS221の後に、サーバ20は、請求締め処理を行う(ステップS222)。
具体的には、サーバ20の取得モジュール2032は、ステップS221において送受信制御モジュール2031が受け付けた請求締め操作に含まれる各種の情報を取得し、請求締め履歴DB2029に新たなレコードを記録する。
以上により、法人担当者による請求締め処理が終了する。
【0167】
次に、このような請求締め処理の効果について説明する。
図示の例では、請求締め処理が行われたのちに、該当する請求期間に関する請求情報の閲覧が事業所端末10Bで行われた局面を想定している。
【0168】
ステップS222の後に、事業所端末10Bには、事業所担当者から請求情報の表示指示が入力される(ステップS131)。
具体的には、事業所端末10Bの操作受付部171は、事業所管理画面に対して法人担当者が操作した請求情報の表示指示の入力を受け付ける。事業所端末10Bは、請求情報の表示指示をサーバ20に送信する。表示指示には、以下の情報が含まれる。
・請求書番号
【0169】
ステップS131の後に、サーバ20は、請求情報の表示指示を受け付ける(ステップS223)。
具体的には、サーバ20の送受信制御モジュール2031は、ステップS131において事業所端末10Bから送信された請求情報の表示指示を受信する。サーバ20の取得モジュール2032は、請求情報の表示指示を取得し、出力モジュール2037に対して入力する。
【0170】
ステップS223の後に、サーバ20は、請求情報を出力する(ステップS224)。
具体的には、サーバ20の出力モジュール2037は、ステップS223において取得モジュール2032から入力された請求情報の表示指示に含まれる請求書番号を用いて、請求DB2028を参照して該当する請求情報を特定し、事業所端末10Bに対して出力する。その際、出力モジュール2037は、請求情報の変更が制限されている旨のメッセージを同時に出力する。
【0171】
ステップS224の後に、事業所端末10Bは、請求情報を表示する(ステップS132)。
具体的には、事業所端末10Bの表示処理部174は、ステップS224においてサーバ20から出力された請求情報を、請求情報の変更が制限されている旨のメッセージともに、事業所端末10Bのディスプレイ132に表示する。この時の事業所管理画面の具体的な表示態様については、第4画面例D4として後述する。
このようにして、請求締め処理による請求情報の変更の制限が行われる。
【0172】
(5-4)法人担当者による集計処理
次に、法人担当者による集計処理について説明する。の処理は、法人端末10Aに表示された法人管理画面から行うことができる。システム1では、法人担当者は、法人端末10Aから、複数の事業所それぞれにおける顧客への請求に関する情報、および当該請求に対する集金状況に関する情報のうちの少なくとも一方について集計を実行させる。
図12は、事業所ごとの請求および集金状況の集計処理を示すフロー図である。
【0173】
図12に示すように、請求情報および集金情報の集計処理では、まず、法人端末10Aに対して集計指示が入力される(ステップS141)。
具体的には、法人端末10Aの操作受付部171は、法人担当者から入力された集計指示を受け付ける。法人端末10Aは入力された集計指示をサーバ20に対して送信する。
【0174】
ステップS141の後に、サーバ20は、集計指示の受け付けを行う(ステップS241)。
具体的には、サーバ20の送受信制御モジュール2031は、ステップS141において法人端末10Aから送信された集計指示を受け付ける。この際、集計指示には、以下の情報が含まれる。
・集計指示を行った法人担当者の担当者ID、法人ID
・集計の対象となる事業所ID
・集計の対象となる集計月(請求期間)
・集計項目(請求情報、集金状況)
・集計処理が入力された操作日時
【0175】
ステップS241の後に、サーバ20は、集計処理を実行する(ステップS242)。
具体的には、サーバ30の集計モジュール2036は、請求DB2028を参照して、指定された集計項目の集計を行う。ここで、集金状況には、事業所ごとの集金率、および顧客の支払手段の内訳が含まれてもよい。
【0176】
ステップS242の後に、サーバ20は、集計結果の出力を行う(ステップS243)。
具体的には、サーバ20の出力モジュール2037は、集計モジュール2036が集計した結果を法人端末10Aに対して出力する。
【0177】
ステップS242の後に、法人端末10Aは、集計結果の表示を行う(ステップS142)。
具体的には、法人端末10Aの表示処理部174は、ステップS243においてサーバ20から出力された集計結果に関する情報を法人端末10Aのディスプレイ132に表示する。これにより、法人担当者は、事業所ごとの請求および集金状況を確認することができる。
以上により、事業所ごとの請求および集金状況の集計処理が終了する。
【0178】
(5-5)法人担当者による入金口座の指定処理
次に、法人担当者による入金口座の指定処理について説明する。この処理は、法人端末10Aに表示された法人管理画面から行うことができる。ここで、費目ごとの入金口座の指定の必要性について説明する。
【0179】
例えば、自治体が運営をする保育園などの事業所では、保育費は自治体が管理する口座に対して支払いを行い、園児が使用した各種の物品に関する費用については、当該事業所が管理する口座に対して支払いを行う必要がある。
この場合において、従来では、自治体が管理する口座に対して支払うべき費用は現金で支払者からの支払いを受けたうえで、事業所が個別に該当する自治体口座に振り込むといった作業を行っており、集金業務が煩雑であった。このような費目により入金口座を振り分ける機能について説明する。
図13は、入金口座の指定処理を示すフロー図である。
【0180】
入金口座の指定処理では、まず、法人端末10Aにおいて、費目ごとの入金口座の指定が行われる(ステップS151)。
具体的には、法人端末10Aの操作受付部171は、法人担当者から入力された費目ごとの入金口座の指定操作を受け付ける。法人端末10Aは入金口座指定の操作をサーバ20に対して送信する。
【0181】
ステップS151の後に、サーバ20は、入金口座の指定の受け付けを行う(ステップS251)。
具体的には、サーバ20の送受信制御モジュール2031は、ステップS151において法人端末10Aから送信された指定操作を受け付ける。この際、指定操作には、以下の情報が含まれる。
・指定操作を行った法人担当者の担当者ID、法人ID
・指定の対象となる事業所ID
・指定の対象となる費目
・指定の対象となる入金口座の口座ID
【0182】
ステップS251の後に、サーバ20は指定口座のマスタ登録を行う(ステップS252)。
具体的には、サーバ20の取得モジュール2032は、ステップS251において送受信制御モジュール2031が受信した指定操作に含まれる情報を取得し、指定口座マスタDB2030の新たなレコードを記録する。
以上により、入金口座の指定処理が終了する。
【0183】
次に、このような費目ごとの入金口座の指定処理の効果について説明する。
例えば、前述したステップS252の後に、図10に示す支払の実行(ステップS312)が行われた場合を想定する。
【0184】
この場合には、ステップS253において、サーバ20は、入金先として指定口座への入金を金融機関に対して指示する(ステップS253)。
具体的には、サーバ20の入金モジュール2035は、支払者から支払口座に支払いを受けた費用について、費目ごとの集計をしたうえで、該当する指定口座への入金を金融機関に対して通知する。金融機関は、指定された内容に沿って費目ごとに集計された費用を該当する指定口座に入金する。
【0185】
ステップS253の後に、サーバ20は、入金通知を行う(ステップS254)。
具体的には、サーバ20の出力モジュール2037は、費目ごとに集計された費用が指定口座に入金された旨を法人端末10Aに対して出力する。
【0186】
ステップS254の後に、法人端末10Aは、入金通知を受領する(ステップS152)。
具体的には、法人端末10Aの表示処理部174は、ステップS254において金融機関に対して入金の指示を行った旨を、法人端末10Aのディスプレイ132に表示する。これにより、法人担当者は、費目ごとの指定口座への入金が行われたことを確認することができる。
このようにして、システム1では、法人の担当者が予め指定した費目ごとに、指定した入金口座への入金を行うことができる。
【0187】
(6)画面例
次に、システム1の画面例について説明する。
【0188】
(6-1)第1画面例D1
図14に示す第1画面例D1は、図9に示すステップ102における管理画面の表示処理において、法人端末10Aに表示される法人管理画面を示す図である。
法人管理画面では、表示欄C1~C3に示すように、法人が管理する事業所ごとの請求額および支払額(集金額)が表示されている。法人担当者は、各表示欄をクリックすることで、各事業所での管理画面(後述する第2画面例D2)に遷移することができる。
【0189】
また、法人管理画面には、一括締め処理を行うための一括締め操作ボタンB1と、事業所ごとの締め処理を行うための個別締め操作ボタンB2~B4と、が表示されている。法人担当者が、一括締め操作ボタンB1をクリックすることで全ての事業所の請求締め処理が実行される。一方、法人担当者が、個別締め操作ボタンB2~B4のいずれかをクリックすることで、対応する個別の施設についての請求締め処理が実行される。
【0190】
また、また、法人管理画面には、全ての事業所の請求情報をダウンロードする操作ボタンB5が次表示されている。法人担当者が操作ボタンB5をクリックすることで、全ての事業所での請求情報が一括でダウンロードされる。
【0191】
(6-2)第2画面例D2
図15に示す第2画面例D2は、図9に示すステップ102における管理画面の表示処理において、事業所端末10Bに表示される事業所管理画面を示す図である。
事業所管理画面では、表示欄C4に示すように、当月の請求情報のリストが表示されている。リストの各フィールドをクリックすることで、それぞれの請求情報の詳細を表示することができる。
【0192】
また、事業所管理画面には、当該事業所における当月の全ての請求における集金状況を示す集金状況表示欄C5が表示されている。集金状況表示欄C5では円グラフで集金状況が表示されており、事業所担当者および法人担当者が直感的に集金状況を把握することができる。
【0193】
(6-3)第3画面例D3
図16に示す第3画面例D3は、図11に示すステップS121における請求締め操作において、法人端末10Aに表示される法人管理画面を示す図である。
この法人管理画面では、確認メッセージ欄C6に示すように、一括締め処理を行うことで、全ての施設での締め対象となる請求期間の請求情報の変更について、事業所側での操作が制限される旨が表示されている。実行ボタンB6をクリックすることで、請求締め処理が実行される。
【0194】
(6-4)第4画面例D4
図17に示す第4画面例D4は、図11に示すステップS132における請求情報の表示処理において、事業所端末10Bに表示される事業所管理画面を示す図である。
この事業所管理画面では、確認メッセージ欄C7に示すように、既に請求締め処理が実行されており、締め対象となる請求期間の請求については新規の請求および請求情報の変更が制限される旨が表示されている。再請求ボタンB7をクリックすることで、既に作成された締め対象となる請求期間の請求情報を変更することなく、再度請求書を発行することによる再請求を実行することができる。
【0195】
(7)小括
以上説明したように、本実施形態に係るシステム1によれば、法人端末10Aから、複数の事業所それぞれにおける顧客への請求情報および集金状況についての集計指示の入力を受け付けることで、当該情報を集計し、法人端末10Aに対して出力する。
このため、複数の事業所を運営する法人において、各事業所での集金業務の一括した管理を円滑に行うことができる。
【0196】
また、システム1では、担当者に付与されたユーザ権限を判定したうえで、担当者に対して所定の権限が付与されている場合に、法人管理画面を法人端末10Aに対して出力する。このため、法人担当者と事業所担当者の役割により、閲覧および操作可能な管理画面を切り分けることで、法人担当者による適切な管理を促すことができる。
【0197】
また、システム1では、法人端末10Aから、請求期間を指定した請求締め処理の入力を受け付けることに応答して、請求期間における請求情報の変更を制限する。このため、法人担当者が締め対象となる請求期間の売り上げの集計作業を行った後に、事業所側で請求情報が変更されることを抑制し、請求情報の後発的な変更による請求額の不整合が生じるのと回避することができる。
【0198】
また、システム1では、集計される集金状況には、事業所ごとの集金率、および顧客の支払手段の内訳の少なくとも一方が含まれる。このため、集金状況として多面的な評価したうえで、法人担当者に対して情報を提供することができる。
【0199】
また、システム1では、法人端末10Aから請求に関する支払について、請求の費目ごとに、入金するべき口座である入金口座の指定を受け付けたうえで、顧客からの支払いを受けた費用について、費目ごとに集計をして、指定された入金口座への入金を行うことができる。これにより、例えば自治体が管理している保育園などの事業所において、自治体に対して支払うべき保育料などの費用と、当該事業所に対して支払うべき各種の物品に関する費用と、について、自動的に入金先を振り分けることが可能になる。このため、現金での支払いを受けた後に、個別に自治体の口座に事業所から振り込むといった手間を削減することができる。また、支払者の立場にたてば、費目ごとに複数の振り込みを要求されることによる支払いの煩雑化を回避することができる。
【0200】
(8)変形例
次に、システム1の変形例について説明する。
上記実施形態では、教育事業を営む法人を例に挙げて説明したが、このような態様に限られない。システム1は様々な事業を営む法人において使用することができる。
【0201】
また、費目ごとの入金口座の指定は、法人担当者に限定されず、事業所担当者による事業所端末10Bへの操作により実行されてもよい。
また、入金口座の指定は、費目ごとに加えて事業所ごとの指定を受け付けて、さらに細分化して、指定口座マスタの登録を行ってもよい。
【0202】
また、担当者の権限については、法人権限および事業所権限の二つに限られず、さらに細分化されてもよい。例えば、役割DB2025の役割名を細分化して3つ以上設定し、役割ごとに対応する権限を設けてもよい。その例を以下に挙げる。
・法人管理者:法人管理画面における全ての機能についての操作権限を有する
・法人担当者:法人管理画面における一部の機能についての操作権限を有する。
・事業所管理者:事業所管理画面における全ての機能についての操作権限を有する。
・事業所担当者:事業所管理画面における一部の機能についての操作権限を有する。
【0203】
また、上記の各実施形態では、サーバ20で、端末装置10から入力された情報を受け付けて、必要な演算を行ったうえで端末装置10に表示させる構成としているが、このような構成に限られない。
例えば、上記の機能の一部又はすべてについて、端末装置10で入力を受け付けて端末装置10内で処理を行い、端末装置10のディスプレイ132に表示させる構成としてもよい。このような構成にするため、ユーザは、端末装置10を介してサーバ20へアクセスし、サーバ20が提供するプログラムを端末装置10へインストールさせ、端末装置10内で処理を行う構成にしてもよい。この場合、サーバ20は、その機能として、前述した各機能モジュールの一部又は全てを備えなくてもよい。
【0204】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。また、上記実施形態および変形例で説明した装置の構成は、技術的な矛盾が生じない限り、その一部を省略又は組み合わせ可能である。
【0205】
(9)付記
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0206】
(付記)
プロセッサを備え、複数の事業所を管理する法人による事業所における顧客からの集金に用いられる集金システムに実行させるプログラムであって、
プログラムは、プロセッサに、
法人の担当者が使用する端末装置から、複数の事業所それぞれにおける顧客への請求に関する情報、および当該請求に対する集金状況に関する情報のうちの少なくとも一方についての集計指示の入力を受け付けるステップ(ステップS241)と、
集計指示の受け付けに応答して、事業所ごとの請求に関する情報、および集金状況に関する情報のうちの少なくとも一方を集計するステップ(ステップS242)と、
集計した情報を端末装置に対して出力するステップ(ステップS243)と、を実行させる、プログラム。
【0207】
(付記2)
プロセッサに、さらに、
担当者に付与されたユーザ権限を判定するステップ(ステップS202)と、
担当者に対して所定の権限が付与されている場合に、集計指示の入力を行う画面である、法人担当者向けの管理画面を端末装置に対して出力するステップ(ステップS203)と、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【0208】
(付記3)
プロセッサに、さらに、
端末装置から、事業所を指定した請求締め処理の入力を受け付けるステップ(ステップS221)と、
請求締め処理の入力に応答して、事業所における請求情報の変更を制限するステップ(ステップS222)と、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【0209】
(付記4)
集金状況には、事業所ごとの集金率、および顧客の支払手段の内訳の少なくとも一方が含まれる、請求項1に記載のプログラム。
【0210】
(付記5)
プロセッサに、さらに、
端末装置から、請求に関する支払について、請求の費目ごとに、入金するべき口座である入金口座の指定を受け付けるステップ(ステップS251)と、
顧客からの支払いを受けた費用について、費目ごとに集計をして、指定された入金口座への入金を行うステップ(ステップS253)と、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【0211】
(付記6)
プロセッサを備え、複数の事業所を管理する法人による事業所における顧客からの集金に用いられる集金システムが実行する方法であって、
方法は、プロセッサが、
法人の担当者が使用する端末装置から、複数の事業所それぞれにおける顧客への請求に関する情報、および当該請求に対する集金状況に関する情報のうちの少なくとも一方についての集計指示の入力を受け付けるステップ(ステップS241)と、
集計指示の受け付けに応答して、事業所ごとの請求に関する情報、および集金状況に関する情報のうちの少なくとも一方を集計するステップ(ステップS242)と、
集計した情報を端末装置に対して出力するステップ(ステップS243)と、を実行する、方法。
【0212】
(付記7)
プロセッサを備え、複数の事業所を管理する法人による事業所における顧客からの集金に用いられる集金システムであって、
集金システムは、プロセッサが、
法人の担当者が使用する端末装置から、複数の事業所それぞれにおける顧客への請求に関する情報、および当該請求に対する集金状況に関する情報のうちの少なくとも一方についての集計指示の入力を受け付ける手段と、
集計指示の受け付けに応答して、事業所ごとの請求に関する情報、および集金状況に関する情報のうちの少なくとも一方を集計する手段と、
集計した情報を端末装置に対して出力する手段と、を備える、集金システム。
【符号の説明】
【0213】
1 集金システム
10A 法人端末
10B 事業所端末
10C 支払者端末
20 サーバ
202 記憶部
203 制御部
2031 送受信制御モジュール
2032 取得モジュール
2033 アカウント認証モジュール
2034 請求モジュール
2035 入金モジュール
2036 集計モジュール
2037 出力モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17