(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159443
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ウォーターサーバおよびそのプログラム
(51)【国際特許分類】
B67D 3/00 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
B67D3/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023205802
(22)【出願日】2023-12-06
(62)【分割の表示】P 2023073621の分割
【原出願日】2023-04-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】000170130
【氏名又は名称】パーパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(74)【代理人】
【識別番号】100206933
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 正樹
(72)【発明者】
【氏名】石井 直輝
(72)【発明者】
【氏名】勝部 泉
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 剛史
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA01
3E082BB01
3E082CC01
3E082DD01
3E082DD20
3E082EE01
3E082EE05
3E082FF09
(57)【要約】
【課題】ウォーターサーバから容器に給水中または給水後の水の温度を検出し、その検出温度が推奨温度に到達したことを表示してウォーターサーバの利便性を高める。
【解決手段】少なくとも温水または冷水を給水するウォーターサーバ(2)であって、容器(6)に対して温水または冷水の何れか一方または双方を給水する給水部と、前記容器に給水中または給水後の前記容器中の水の温度を検出する温度検出部(温度センサ18)と、複数の表示ランプ(96H、96M、96L)を含み、これら表示ランプを選択的に発光させて異なる推奨温度を表示する温度表示部(42)と、前記温度検出部の検出温度に該当する前記推奨温度を特定し前記表示ランプを発光させる制御部(22)とを含んでいる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも温水または冷水を給水するウォーターサーバであって、
容器に対して前記温水または前記冷水の何れか一方または双方を給水する給水部と、
前記容器に給水中または給水後の前記容器中の水の温度を検出する温度検出部と、
複数の表示ランプを含み、これら表示ランプを選択的に発光させて異なる推奨温度を表示する温度表示部と、
前記温度検出部の検出温度に該当する前記推奨温度を特定し前記表示ランプを発光させる制御部と、
を含む、ウォーターサーバ。
【請求項2】
前記温度検出部は、前記容器に給水中または給水後の前記容器中の水の温度を検出する温度センサとともに温度補正用温度センサを含み、
前記制御部は、前記温度センサの検出温度を前記温度補正用温度センサの検出温度で補正し、補正後の検出温度に該当する前記推奨温度を特定し前記表示ランプを発光させる、請求項1に記載のウォーターサーバ。
【請求項3】
前記温度検出部は、前記容器に給水中または給水後の前記容器中の水の温度を検出する温度センサとともに温度補正用温度センサを含み、
前記温度センサの検出温度を前記温度補正用温度センサの検出温度で補正し、前記制御部に補正後の検出温度を入力する温度補正部を備える請求項1に記載のウォーターサーバ。
【請求項4】
前記補正後の検出温度を数値で表示する数値表示部を含む、請求項2または請求項3に記載のウォーターサーバ。
【請求項5】
前記推奨温度は少なくとも、最も低い推奨温度、最も高い推奨温度、これら推奨温度の中間の推奨温度を含み、前記検出温度が該当する前記推奨温度に到達したとき、前記複数の表示ランプのうちのいずれかを発光させ、前記容器中の水の温度が前記推奨温度に到達したことを表示させる、請求項1に記載のウォーターサーバ。
【請求項6】
コンピュータによって実行するプログラムであって、
給水部から容器に対して給水中または給水後、前記容器中の水の温度を検出する温度検出部に含まれる温度センサおよび温度補正用温度センサから温度情報を取得する機能と、
前記温度センサの検出温度を前記温度補正用温度センサの検出温度で補正し、補正後の検出温度に該当する推奨温度を特定し表示ランプを発光させる機能と、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、少なくとも温水や冷水を給水するウォーターサーバの給水技術に関する。
【背景技術】
【0002】
温水や冷水を提供するウォーターサーバは、原水を加熱して温水を生成し、原水を冷却して冷水を生成している。通常、水道水から白湯を得るには水道水を沸騰させ、残留塩素などの物質を取り除き、50~60〔℃〕程度に冷ます必要がある。原水に純水・天然水・ミネラルウォーターを用いれば、水道水のように沸騰させなくても、白湯と同様の温水が得られるといわれている。したがって、斯かる原水を用いるウォーターサーバによれば、原水から白湯が得られる。
【0003】
従来、飲料供給に関し、カップの温度を測定する非接触温度センサを備え、測定温度が設定温度以上であれば、飲料選択ボタンの押下によりホット飲料を供給し、設定温度未満であれば飲料選択ボタンの押下によりコールド飲料を提供することが知られている(たとえば、特許文献1)。
【0004】
また、液体の品質管理に関し、飲用容器の温度を非接触にて連続して検出する温度センサを備え、この温度センサと電気的に接続されて飲用温度の容器を温める温度判断部を備えることが知られている(たとえば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-176484号公報
【特許文献2】特開2019-104541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ウォーターサーバは、給水する冷水または温水がウォーターサーバ内で予め所定の温度に制御されている。ウォーターサーバには温水、高温水、冷水、弱冷水などの数種の高温度や低温度が設定されているものもある。このような温度設定がされていても、規定の温水温度と冷水温度の中間温度での給水はできない。この中間温度の温水を得るには、ユーザは容器に適量の温水を取り、これに冷水を加えて微調整することが必要である。しかも、混合後の水温も正確に知ることができないので、その温度調整は感覚や勘に頼るのが一般的であった。容器内の温度計測は可能であっても、日常的に温度計を用いることは不便であるし、温度指定のある食品や飲料を適温に調整することに手間取るなどの課題がある。
【0007】
本開示の発明者は、斯かる課題に鑑み、ウォーターサーバから給水されたカップ内の水温が判れば、ウォーターサーバの利便性をより高めることができるとの知見を得たのである。
【0008】
そこで、本開示の目的は、上記課題および上記知見に基づき、ウォーターサーバから容器に給水中または給水後の水の温度を検出し、その検出温度が推奨温度に到達したことを表示してウォーターサーバの利便性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本開示のウォーターサーバの一側面によれば、少なくとも温水または冷水を給水するウォーターサーバであって、容器に対して前記温水または前記冷水の何れか一方または双方を給水する給水部と、前記容器に給水中または給水後の前記容器中の水の温度を検出する温度検出部と、複数の表示ランプを含み、これら表示ランプを選択的に発光させて異なる推奨温度を表示する温度表示部と、前記温度検出部の検出温度に該当する前記推奨温度を特定し前記表示ランプを発光させる制御部とを含む。
【0010】
このウォーターサーバにおいて、前記温度検出部は、前記容器に給水中または給水後の前記容器中の水の温度を検出する温度センサとともに温度補正用温度センサを含み、前記制御部は、前記温度センサの検出温度を前記温度補正用温度センサの検出温度で補正し、補正後の検出温度に該当する前記推奨温度を特定し前記表示ランプを発光させてもよい。
【0011】
このウォーターサーバにおいて、前記温度検出部は、前記容器に給水中または給水後の前記容器中の水の温度を検出する温度センサとともに温度補正用温度センサを含み、前記温度センサの検出温度を前記温度補正用温度センサの検出温度で補正し、前記制御部に補正後の検出温度を入力する温度補正部を備えてもよい。
【0012】
このウォーターサーバにおいて、前記補正後の検出温度を数値で表示する数値表示部を含んでもよい。
【0013】
このウォーターサーバにおいて、前記推奨温度は少なくとも、最も低い推奨温度、最も高い推奨温度、これら推奨温度の中間の推奨温度を含み、前記検出温度が該当する前記推奨温度に到達したとき、前記複数の表示ランプのうちのいずれかを発光させ、前記容器中の水の温度が前記推奨温度に到達したことを表示させてもよい。
【0014】
上記目的を達成するため、本開示のプログラムの一側面によれば、コンピュータによって実行するプログラムであって、給水部から容器に対して給水中または給水後、前記容器中の水の温度を検出する温度検出部に含まれる温度センサおよび温度補正用温度センサから温度情報を取得する機能と、前記温度センサの検出温度を前記温度補正用温度センサの検出温度で補正し、補正後の検出温度に該当する推奨温度を特定し表示ランプを発光させる機能とを前記コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 温水または冷水の一方または双方を容器に給水したとき、水の検出温度に該当する推奨温度を特定でき、この推奨温度に到達したことを表示ランプの発光により表示させることができる。たとえば、容器中の水の温度が所望の推奨温度に到達したとき、その到達を適温表示部の表示で確認でき、ミルク、お茶またはコーヒーなどの飲料や食品に応じて設定されている推奨温度に水の温度が到達したことを表示できる。
【0016】
(2) 容器中の水に対して温水や冷水を継ぎ足した場合にも、温度センサで容器の水の温度を検出できるので、水が推奨温度に到達したことを即座に表示できるなど、ウォーターサーバの利便性を高めることができる。
【0017】
(3) 温度検出部に含まれる温度センサに非接触温度検出素子を用いれば、環境温度などの影響を受ける非接触温度検出素子の温度特性を補正することができ、水の温度検出の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は第1の実施の形態に係るウォーターサーバを示す図である。
【
図2】
図2のAはウォーターサーバの上側を示す斜視図であり、
図2のBは操作パネル部を示す図である。
【
図3】
図3は給水、温度検出および温度表示の処理手順を示すフローチャートである。
【
図4】
図4はウォーターサーバの給水機構を示す図である。
【
図5】
図5のAは第2の実施の形態に係るウォーターサーバの温度検出および温度表示の処理手順を示すフローチャートであり、
図5のBは給水から温度表示までを示すタイミングチャートである。
【
図6】
図6のAは第3の実施の形態に係る操作パネル部を示す図であり、
図6のBは第3の実施の形態に係るウォーターサーバの一部を示す図である。
【
図7】
図7は第3の実施の形態に係るウォーターサーバの温度検出および温度表示の処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8のAは第4の実施の形態に係るウォーターサーバの操作パネル部を示す図であり、
図8のBは第4の実施の形態に係るウォーターサーバの一部を示す図である。
【
図9】
図9は第4の実施の形態に係るウォーターサーバの温度検出および温度表示の処理手順を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は第5の実施の形態に係るウォーターサーバを示す図である。
【
図11】
図11のAは第5の実施の形態に係る給水部を示す図であり、
図11のBは温度検出部の変形例を示す図である。
【
図12】
図12は第6の実施の形態に係るウォーターサーバを示す図である。
【
図13】
図13のAは第6の実施の形態に係る操作パネル部を示す図であり、
図13のBは第6の実施の形態に係る温度テーブルを示す図である。
【
図14】
図14は第6の実施の形態に係る温度設定ないし給水の処理手順を示すフローチャートである。
【
図15】
図15のAは実施例1に係るウォーターサーバを示すブロック図であり、
図15のBは実施例1に係る他のウォーターサーバを示すブロック図である。
【
図16】
図16は実施例2に係るウォーターサーバの正面を示す図である。
【
図17】
図17は実施例3に係るウォーターサーバの側面を示す図である。
【
図18】
図18は実施例4に係るウォーターサーバの正面を示す図である。
【
図19】
図19は実施例5に係るウォーターサーバの側面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態に係るウォーターサーバ2は、給水部16からカップなどの容器6に給水中または給水後、容器6の水Wの温度を検出し、この温度を表示する。この温度の表示を以て、給水中または給水後の容器6の水Wの温度を知ることができる。
【0020】
<ウォーターサーバ2>
図1は、第1の実施の形態に係るウォーターサーバ2を示している。
図1は本開示の一例を示すものであり、斯かる構成に本開示が限定されるものではない。
【0021】
このウォーターサーバ2はたとえば、ガロンボトルなどの原水容器4から原水Woを受け、少なくとも冷水CWまたは温水HWを生成し、給水操作を以てカップなどの所望の容器6に給水することができる。
【0022】
温水タンク8は、原水容器4から弁機構24を通して原水Woを受け、加熱部12を以て温水タンク8内で加熱し、温水HWを生成する。温水HWは、制御部22により一定の高温度に制御され、温水タンク8に貯留される。
【0023】
冷水タンク10は、同様に原水容器4から弁機構24を通して原水Woを受け、冷却部14を以て冷却し、冷水CWを生成する。冷水CWは、制御部22により一定の低温度に制御され、冷水タンク10に貯留される。
【0024】
給水部16は、給水指示を受けて制御部22の制御により、温水HWまたは冷水CWを給水する。温水管26は温水タンク8に連結されており、給水時、温水タンク8から温水HWを温水供給口34に導く。また、冷水管28は冷水タンク10に連結されており、給水時、冷水タンク10から冷水CWを冷水供給口36に導く。
【0025】
温水管26に設置された温水電磁弁30は、制御部22の制御により温水管26を開閉する。冷水管28に設置された冷水電磁弁32は、制御部22の制御により冷水管28を開閉する。温水HWの給水時、温水電磁弁30が開状態に制御され、温水タンク8から温水供給口34に導かれた温水HWは容器6に供給される。冷水CWの給水時、冷水電磁弁32が開状態に制御され、冷水タンク10から冷水供給口36に導かれた冷水CWは容器6に供給される。
【0026】
温度センサ18は、本開示の温度検出部の一例である。この温度センサ18は、容器6内の水Wの少なくとも表面温度を非接触で検出する赤外線温度センサで構成される。この赤外線温度センサによれば、容器6内の水Wから発せられている赤外線を検出し、この検出情報が制御部22に提供される。制御部22は、温度センサ18の検出情報を受け、これを温度情報に変換し、容器6内の水Wの温度を計測する。したがって、給水中または給水後、温度センサ18が赤外線を検出し、この赤外線から容器6内の水Wの温度を算出できる。以下、温度センサ18に検出された温度を「検出温度」または「水Wの温度」と称する。
【0027】
操作パネル部20は、温水ボタン38、冷水ボタン40、温度表示部42などを備える。温水ボタン38は、温水HWの給水時に操作(たとえば、押下)する。冷水ボタン40は、冷水CWの給水時に操作する。温度表示部42はたとえば、セグメント表示器で構成し、給水中または給水後、制御部22が温度センサ18から取得した温度情報に基づき、その検出温度を容器6内の水Wの温度として表示する。この温度表示部42はたとえば、温度表示部42に異なる温度を表示する表示ランプを備え、該当する温度に到達したとき表示ランプを点灯させて検出温度を表示してもよい。
【0028】
制御部22は、たとえば、コンピュータで構成され、プロセッサ44、記憶部46、入出力部(I/O)48などを備える。プロセッサ44は、記憶部46にある制御プログラムを実行し、給水制御、温度制御、温度補正、表示制御などに関する情報の取得、演算、制御出力などの情報処理を実行する。記憶部46はROM(Read-Only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などの記憶素子を備え、制御プログラムやデータベースを格納する。I/O48は、温度センサ18からの温度情報の取得、温水ボタン38または冷水ボタン40からの操作情報の取得、温水電磁弁30または冷水電磁弁32の制御出力の取出し、温度表示部42に対する表示出力など、制御部22の制御により情報の入出力に用いられる。
【0029】
<制御部22の制御機能>
制御部22の制御機能には、温水生成制御機能、冷水生成制御機能、給水制御機能、温度検出機能、表示制御機能などが含まれる。
【0030】
温水生成制御機能は、温水タンク8に原水Woを受け、この原水Woを加熱部12により加熱して温水HWを生成し、この温水HWを一定温度に制御する。
【0031】
冷水生成制御機能は、冷水タンク10に原水Woを受け、この原水Woを冷却部14により冷却して冷水CWを生成し、この冷水CWを一定温度に制御する。
【0032】
給水制御機能は温水供給と冷水供給の双方が含まれる。温水HWの給水時、温水ボタン38の操作を受け、温水電磁弁30を開状態にして温水タンク8から温水HWを給水部16に導く。冷水CWの給水時、冷水ボタン40の操作を受け、冷水電磁弁32を開状態にして冷水タンク10から冷水CWを給水部16に導く。
【0033】
温度検出機能は、給水時、温度センサ18から容器6の水Wの温度情報を取得する。そして、表示制御機能は、取得した温度情報を温度表示部42に表示する。
【0034】
<ウォーターサーバ2および温度センサ18の配置>
図2のAは、ウォーターサーバ2の外観形態の上部を示している。
図2のAにおいて、
図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0035】
サーバ本体49の頂部にはボトル載置部50が設けられ、このボトル載置部50に図示しない原水容器4が設置され、原水Woが温水タンク8、冷水タンク10に自動的に供給される。サーバ本体49の前面上部には操作パネル部20(
図2のB)が設置されている。
【0036】
サーバ本体49の前面中央には前面パネル52より後退させた窪み部54が設けられ、この窪み部54の天井側に給水部16および温度センサ18が配置されている。給水部16には温水供給口34および冷水供給口36が配置され、これら温水供給口34および冷水供給口36の開口端が受け台部56に向けられている。
【0037】
温度センサ18は温水供給口34および冷水供給口36の間に配置されている。この温度センサ18にはセンサ素子を防護するガード部58が設置されている。このガード部58は温水HWや水Wからの湯気やしぶきなど、水滴の付着による曇りを防止する。
【0038】
受け台部56は水Wを給水する容器6を設置でき、排水のためのグレーチング60が設置されている。給水時、ユーザが容器6を手に取り、温水供給口34から温水HW、または冷水供給口36から冷水CWを容器6に受けることが可能である。
【0039】
<操作パネル部20>
図2のBは、操作パネル部20を示している。
図2のBにおいて、
図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0040】
この操作パネル部20には中央部に温度表示部42が設置され、この温度表示部42を挟んで左右に温水ボタン38、冷水ボタン40、中央にロック解除ボタン41が配置されている。温水ボタン38には給水の種別を表す「温水」が表示され、冷水ボタン40には給水の種別を表す「冷水」が表示されている。この温水ボタン38および冷水ボタン40の内側には常開接点が個別に設置されており、たとえば、ユーザが押下し、その押下を継続したとき、温水HWまたは冷水CWの給水状態となる。
【0041】
ロック解除ボタン41は、温水ボタン38や冷水ボタン40のロック状態を解除するためのスイッチである。ロック中、表示部43が発光し、ロック中を表示する。
【0042】
<給水および温度表示の処理手順>
図3は、給水、温度検出および温度表示の処理手順の一例を示している。この処理手順は、本開示のプログラムの一例である。
【0043】
ウォーターサーバ2に給電すると初期設定が実行される。原水容器4が設置されていれば、原水Woが弁機構24を介して温水タンク8、冷水タンク10に供給され、正常時、温水タンク8、冷水タンク10は満水状態に維持される。
【0044】
動作中、制御部22は温水ボタン38や冷水ボタン40の操作を監視する(S101、S201)。温水ボタン38がONであれば(S101のYES)、温水電磁弁30が開状態に制御され(S102)、温水HWの給水が開始され、給水状態となる(S103)。このとき、温水HWは温水管26から温水供給口34に導かれ、容器6に給水される。
【0045】
給水時、制御部22は温水ボタン38がONからOFFに移行したかを監視し(S104)、温水ボタン38がON状態であれば(S104のNO)、温水電磁弁30が開状態に維持されるので、温水HWの給水状態が継続する(S103)。
【0046】
温水ボタン38がOFFであれば(S104のYES)、温水電磁弁30が閉状態に制御されるので(S105)、給水解除となり(S106)、温水HWの給水が停止される。
【0047】
また、冷水ボタン40がONすると(S201のYES)、冷水電磁弁32が開状態に制御されるので(S202)、冷水CWの給水が開始され、給水状態となる(S203)。このとき、冷水CWは冷水管28から冷水供給口36に導かれ、容器6に給水される。
【0048】
給水時、制御部22は冷水ボタン40がONからOFFに移行したかを監視し(S204)、冷水ボタン40がON状態であれば(S204のNO)、冷水電磁弁32が開状態に維持されるので、冷水CWの給水状態が継続する(S203)。
【0049】
冷水ボタン40がOFFであれば(S204のYES)、冷水電磁弁32が閉状態に制御されるので(S205)、給水解除となり(S206)、冷水CWの給水が停止される。
【0050】
そして、これら給水制御において、温水電磁弁30または冷水電磁弁32が開状態に移行したとき、容器6の水Wの温度検出モードとなる(S301)。温度センサ18は容器6中の水Wの温度を非接触で検出する(S302)。温度センサ18の温度検出情報は制御部22に取り込まれ、水Wの温度を算出する。この温度センサ18の検出温度が温度表示部42に表示される(S303)。
【0051】
この温度検出モードにおいて、制御部22が温度検出モードの解除を判断する(S304)。温度検出モードが解除でなければ(S304のNO)、温度表示を継続し(S303)、温度検出モードが解除であれば(S304のYES)、温度表示を解除する(S305)。
【0052】
このように、容器6への給水中または給水後、温度表示部42の温度表示から水Wの温度を知ることができ、この温度が希望温度より低ければ、温水ボタン38を操作し、容器6に温水HWをつぎ足し、またこの温度が希望温度より高ければ、冷水ボタン40を操作し、容器6に冷水CWをつぎ足し、希望温度に水Wの温度を調整できる。
【0053】
<ウォーターサーバ2の温水HWおよび冷水CWの給水機構>
図4は、ウォーターサーバ2の温水HWおよび冷水CWの給水機構の一例を示している。
図4において、
図1および
図2と同一部分には同一符号を付してある。
【0054】
ウォーターサーバ2に設置された原水容器4の給水口部62は弁機構24に連結されている。弁機構24は、冷水タンク10の冷水CWに設置されるフロート64を備え、このフロート64の上下動によって開閉される弁体66を備える。フロート64は冷水CWからの浮力を受け、冷水CWが基準水位にあれば、弁体66を閉じ、原水容器4からの原水Woの給水を閉止し、冷水CWが基準水位未満になれば、弁体66が閉じるまで原水容器4からの給水を許可する。冷水CWの給水に応じて、冷水タンク10に原水Woが供給される。
【0055】
温水タンク8は、冷水タンク10内にある受け板68および給水管70により、温水HWの給水に応じて冷水タンク10側から原水Woが給水される。
【0056】
加熱部12はヒータ72で構成されている。温水タンク8には、温水HWの温度を検出する温度センサ74が設置されている。制御部22は、温度センサ74から検出温度情報を取得して、ヒータ72の発熱を制御し、温水タンク8内の温水HWを一定温度に制御する。
【0057】
冷却部14は冷媒を冷却する冷却装置76からの冷媒を蒸発器78に循環させ、冷媒と原水Woとの熱交換により冷水タンク10に冷水CWを生成させる。冷却装置76にはコンプレッサ80、ドライヤ82、コンデンサ84、キャプラリーチューブ86などを備えている。冷水タンク10には冷水CWの温度を検出する温度センサ88が設置されている。制御部22は、温度センサ88の検出温度情報を取得して、冷却装置76を制御し、冷水タンク10内の冷水CWを一定温度に制御する。
【0058】
<第1の実施の形態の効果>
この第1の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
【0059】
(1) ウォーターサーバ2において、給水中または給水後、容器6にある水Wの温度を温度表示部42の温度表示から知ることができる。
【0060】
(2) 給水中または給水後、温度表示部42の温度表示を確認でき、この温度表示を確認しつつ容器6の水Wの温度を温水HWまたは冷水CWの給水により所望の温度に容易に調整することができる。
【0061】
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態に係るウォーターサーバ2は、給水開始から水Wの温度の検出およびその温度を表示し、給水解除から一定時間、水Wの温度検出およびその温度表示を継続させる。この実施の形態では、制御部22に時間計測機能やタイマーが含まれ、給水解除から一定時間(たとえば、5秒間)を計測し、この一定時間において、温度計測および温度表示が維持される。
【0062】
<温度検出および温度表示の処理手順>
図5のAは、第2の実施の形態に係る温度検出および温度表示の処理手順を示している。この処理手順は本開示のプログラムの一例である。
【0063】
温度検出モード(S401)、容器6の水Wの温度検出(S402)および温度表示(S403)は、
図3に示す温度検出モード(S301)、容器6の水Wの温度検出(S302)および温度表示(S303)に対応する。
【0064】
この実施の形態では、温水電磁弁30および冷水電磁弁32の双方が閉状態に制御された時点を起点に一定時間Tsが経過したか否かを判定する(S404)。この時点から一定時間Tsが経過する前(S404のNO)、温度表示を継続する(S403)。
【0065】
温水電磁弁30および冷水電磁弁32の双方が閉状態に制御された時点から一定時間Tsが経過すれば(S404のYES)、温度表示を解除(S405)する。
【0066】
<給水から温度表示までの処理タイミング>
図5のBは、第2の実施の形態に係る給水から温度表示までのタイミングチャートを示している。
図5のBにおいて、aは給水期間、bは給水後の時間計測、cは温度検出の期間、dは温度表示の期間を示している。
【0067】
図5のBのaに示すように、時点t0でたとえば、温水ボタン38(または冷水ボタン40)がONとなり、温水電磁弁30(または冷水電磁弁32)が開状態に制御されると温水HW(または冷水CW)の給水が開始される。温水ボタン38(または冷水ボタン40)のON状態が時点t1まで継続すれば、時点t0から時点t1まで給水状態が継続する。
【0068】
図5のBのbに示すように、給水が開始された時点t1から時点t2までの一定時間Tsが計測される。
【0069】
図5のBのcに示すように、時点t0の後、容器6に注がれた水Wの温度検出が開始され、この温度検出が時点t2まで継続する。つまり、時点t1からの一定時間Tsも温度検出期間である。
【0070】
図5のBのdに示すように、温度検出中、温度表示が行われ、この温度表示は時点t2まで継続する。つまり、時点t1からの一定時間Tsが温度表示期間である。
【0071】
<第2の実施の形態の効果>
この第2の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
【0072】
(1) 容器6に給水後、温水ボタン38または冷水ボタン40を離した後、温度検出および温度表示を一定時間(たとえば、5秒程度)だけ継続させることができ、給水後の一定時間において、容器6内の水Wの温度が希望する温度であるか否かの判断ができるなど、ウォーターサーバ2の利便性を高めることができる。
【0073】
(2)容器6で温水HWと冷水CWを混合させた後の水Wの温度を知ることができ、容器6の水の温度を確認しながら給水することができる。
【0074】
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態に係るウォーターサーバ2は、操作パネル部に温度検出ボタンを備え、適時に温度検出ボタンの操作を受け、温度検出および温度表示をする。
【0075】
図6のAは第3の実施の形態に係る操作パネル部20を示す図であり、
図6のBは第3の実施の形態に係るウォーターサーバ2の一部を示す図である。
図6のAにおいて、
図2のBと同一部分には同一符号を付してある。
【0076】
この実施の形態では、操作パネル部20に水Wの温度検知を動作するための温度検出ボタン90が設置され、この温度検出ボタン90の操作を受け、制御部22が温度検出を制御する。
【0077】
なお、この温度検出ボタン90の温度検出開始などの機能をロック解除ボタン41に割り当て、ロック解除ボタン41の操作(押下)で温度検出を開始させてもよい。
【0078】
図6のBは第3の実施の形態に係るウォーターサーバ2の一部を示している。
図6のBにおいて、
図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0079】
温度検出ボタン90の押下などの操作情報は制御部22に取り込まれ、I/O48を通してプロセッサ44の演算処理などの制御に用いられる。
【0080】
<温度検出および温度表示の処理手順>
図7は、第3の実施の形態に係る温度検出および温度表示の処理手順を示している。この処理手順は本開示のプログラムの一例である。
【0081】
この処理手順には、温度検出モード(S501)、温度検出ボタン90の操作判定(S502)、容器6の水Wの温度検出(S503)、温度表示(S504)、温度検出ボタン90の解除判定(S505)、温度表示の解除(S506)などが含まれる。
【0082】
ウォーターサーバ2の給水制御において、温水電磁弁30または冷水電磁弁32が開状態に移行したとき、容器6の水Wの温度検出モードとなる(S501)。
【0083】
この温度検出モードにおいて、制御部22は温度検出ボタン90がONしたかを判定する(S502)。温度検出ボタン90がONであれば(S502のYES)、温度センサ18が容器6の水Wの温度を検出し(S503)、温度情報を取得する。制御部22は温度表示部42に水Wの温度を表示する(S504)。この温度表示中、制御部22は温度検出ボタン90がOFFしたかを監視する(S505)。したがって、温度検出ボタン90がOFFするまで、温度表示が継続する。
【0084】
そして、制御部22が温度検出ボタン90のOFF情報を取得すると(S505のYES)、温度表示を解除する(S506)。
【0085】
<第3の実施の形態の効果>
この第3の実施の形態によれば、次の何れかの効果を得られる。
【0086】
(1) 容器6への給水中または給水後、温度検出ボタン90の操作により容器6の水Wの温度を検出し、その検出温度を温度表示部42に表示でき、水Wの温度を知ることができる。しかも、温度センサ18の真下で容器6の水Wの温度をリアルタイムで検出し、その温度を知ることができる。
【0087】
(2) 温度検出ボタン90を操作しながら、この水Wの温度が希望温度より低ければ、温水ボタン38や冷水ボタン40を操作し、容器6に温水HWや冷水CWをつぎ足し、希望温度に水Wの温度を調整できる。
【0088】
(3) ウォーターサーバ2から給水していない場合であっても、温度センサ18に容器6の水Wの温度を検出させることができ、水Wの温度を知ることができる。
【0089】
〔第4の実施の形態〕
第4の実施の形態に係るウォーターサーバ2は、適温表示部94に複数の異なる推奨温度を表す表示ランプ96H、96M、96Lを含み、水Wの温度が該当する推奨温度に到達したとき、この推奨温度を表示ランプ96H、96M、96Lの何れかの発光により表示させる。
【0090】
図8のAは第4の実施の形態に係るウォーターサーバの操作パネル部を示している。
図8のAにおいて、
図6と同一部分には同一符号を付してある。
【0091】
この実施の形態の操作パネル部20では、温度表示部42に数値表示部92および適温表示部94が含まれる。数値表示部92は、第1の実施の形態の温度表示部42(
図1)に該当する。適温表示部94は、複数の表示ランプ96H、96M、96Lを含む。表示ランプ96H、96M、96Lは本開示の異なる推奨温度を表す表示ランプの一例である。
【0092】
この実施の形態では、表示ランプ96Lは、ミルクなどの推奨温度としてたとえば、36~40〔℃〕で点灯させる。表示ランプ96Mは、お茶(煎茶)などの推奨温度としてたとえば、50~90〔℃〕で点灯させる。表示ランプ96Hは、コーヒーなどの推奨温度としてたとえば、75~90〔℃〕で点灯させる。
【0093】
この実施の形態では、温度表示部42に数値表示部92および適温表示部94を併用しているが、数値表示部92を省略して適温表示部94のみとし、適温表示部94の推奨温度の表示段数を4段階以上としてもよい。
【0094】
図8のBは第4の実施の形態に係るウォーターサーバ2の一部を示している。
図8のBにおいて、
図6のBと同一部分には同一符号を付してある。
【0095】
温度表示部42は数値表示部92および適温表示部94を備える。数値表示部92は、水Wの検出温度の値を提示するたとえば、セグメント表示器である。表示ランプ96L、96M、96Hはたとえば、LEDで構成する。
【0096】
制御部22は、温度センサ18から検出温度情報を取り込み、水Wの温度を推奨温度と対比し、水Wの温度が表示ランプ96Lに設定された推奨温度に到達したとき、表示ランプ96Lを発光させて表示する。水Wの温度が表示ランプ96Mに設定された推奨温度に到達したとき、表示ランプ96Mを発光させて表示する。また、水Wの温度が表示ランプ96Hに設定された推奨温度に到達したとき、表示ランプ96Hを発光させて表示する。
【0097】
この実施の形態においても、温度検出ボタン90の押下などの操作情報は制御部22に取り込まれ、I/O48を通してプロセッサ44の演算処理などの制御に用いられる。
【0098】
<温度検出および温度表示の処理手順>
図9は、第4の実施の形態に係る温度検出および温度表示の処理手順を示している。この処理手順は本開示のプログラムの一例である。
【0099】
この処理手順には、給水モード(S601)、温度検出モード(S602)、温度表示(S603)、検出温度の判定(S604、S606、S608)、表示ランプ96Hの発光(S605)、表示ランプ96Mの発光(S607)、表示ランプ96Lの発光(S609)などが含まれる。
【0100】
ウォーターサーバ2の給水制御において、温水電磁弁30または冷水電磁弁32が開状態に移行したとき、温水HWまたは冷水CWが容器6に給水される(S601)。この給水時、容器6の水Wの温度を検出する温度検出モードとなる(S602)。
【0101】
この温度検出モードにおいて、温度検出ボタン90がONしたとき、制御部22は温度センサ18が検出している容器6中の水Wの検出情報を取得し、水Wの温度を数値表示部92に表示する(S603)。
【0102】
この温度表示において、制御部22は、検出温度が推奨温度THに到達しているか否かを判定する(S604)。検出温度が推奨温度THに到達していれば(S604のYES)、制御部22は表示ランプ96Hを発光させる(S605)。
【0103】
この温度表示において、制御部22は、検出温度が推奨温度TMに到達しているか否かを判定する(S606)。検出温度が推奨温度TMに到達していれば(S606のYES)、制御部22は表示ランプ96Mを発光させる(S607)。
【0104】
この温度表示において、制御部22は、検出温度が推奨温度TLに到達しているか否かを判定する(S608)。検出温度が推奨温度TLに到達していれば(S608のYES)、制御部22は表示ランプ96Lを発光させる(S609)。
【0105】
この温度表示中、制御部22は温度検出ボタン90がOFFしたかを監視する。したがって、温度検出ボタン90がOFFするまで、数値表示および適温表示を継続させる。
【0106】
そして、制御部22が温度検出ボタン90のOFF情報を取得すると、数値表示および適温表示を解除する。
【0107】
<第4の実施の形態の効果>
この第4の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
【0108】
(1) 温水HWまたは冷水CWの一方または双方の給水時、水Wの温度が所望の推奨温度に到達したとき、その到達を適温表示部94で表示することができ、ミルク、お茶またはコーヒーなどの飲料や食品に応じて設定されている推奨温度に水Wの温度が到達したことを表示できる。
【0109】
(2) 容器6の水Wに対して温水HWや冷水CWを継ぎ足した場合にも、温度センサ18により容器6の水Wの温度を検出できるので、水Wが推奨温度に到達したことを即座に表示できるなど、ウォーターサーバ2の利便性を高めることができる。
【0110】
〔第5の実施の形態〕
【0111】
第5の実施の形態に係るウォーターサーバ2は、温水HWと冷水CWを混合して給水する混合給水部(混合給水管100)を備えて容器6に給水し、容器6の水Wの温度を検出して表示する。
【0112】
図10は第5の実施の形態に係るウォーターサーバ2を示している。
図10において、
図1、
図6のBと同一部分には同一符号を付してある。
【0113】
この実施の形態のウォーターサーバ2では、給水部16に代えて混合給水部98が設置されている。この混合給水部98は、温水HWと冷水CWを合流させる混合給水管100を備えている。温水管26には温水電磁弁30、冷水管28には冷水電磁弁32が設置されている。この実施の形態においても、温水電磁弁30の開閉は温水ボタン38の操作に応じて制御部22によって実行され、冷水電磁弁32の開閉は冷水ボタン40の操作に応じて制御部22によって実行される。
【0114】
図11のAは、混合給水部98を示している。この混合給水部98では、温水管26および冷水管28を混合給水管100に結合させ、この混合給水管100に単一の給水口102が形成されている。温水管26からの温水HWと冷水管28からの冷水CWは混合給水管100で合流し、その混合水が給水口102から容器6に給水される。
【0115】
この場合、温水ボタン38および冷水ボタン40を同時に操作した場合には混合給水管100で温水HWと冷水CWは混合されて給水されるが、温水ボタン38(
図6のA)のみを操作した場合には温水HWが温水管26より混合給水管100に流れて容器6に給水される。また、冷水ボタン40(
図6のA)のみを操作した場合には冷水CWが冷水管28より混合給水管100に流れて容器6に給水される。このように温水HWと冷水CWとを個別に給水する場合には容器6内で温水HWと冷水CWが混合されることになる。
【0116】
そして、容器6の水Wの温度は温度センサ18で検出され、その温度が温度表示部42に表示される。この温度検出およびその表示は温度検出ボタン90の操作に基づき、制御部22によって制御される構成としてもよい。
【0117】
<温度センサ18の設置位置の変形例>
図11のBは、温度センサ18の設置位置の変形例を示している。
図11のBにおいて、
図11のAと同一部分には同一符号を付してある。
【0118】
温度センサ18は、
図11のAに示すように、受け台部56と対向する位置に設置してもよいが、
図11のBに示すように、給水中の混合水、温水HWまたは冷水CWの経路と交差する位置に温度センサ18を設置し、給水中の水Wの温度を検出してもよい。この場合、容器6に対して落下中の水Wの温度を検出し、これを表示することができる。
【0119】
<第5の実施の形態の効果>
この第5の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
【0120】
(1) 温水管26と冷水管28が混合給水管100で単一化され、共通の給水口102から温水HWおよび冷水CWの混合水、温水HWまたは冷水CWを給水できる。
【0121】
(2) 給水口102が単一化されているので、混合水、温水HWおよび冷水CWの給水の度に容器6を給水位置に移動させる必要がない。
【0122】
(3) 給水中の混合水、温水HWまたは冷水CWの落下経路と交差する位置に温度センサ18を設置すれば、容器6に到達前の混合水、温水HWまたは冷水CWの温度を検出することができ、これらの温度を表示させることができる。
【0123】
〔第6の実施の形態〕
第6の実施の形態に係るウォーターサーバ2は、設定温度選択ボタン104で選択される設定温度に応じて温水電磁弁30および冷水電磁弁32のデューティ比を変更して給水する。
【0124】
図12は、第6の実施の形態に係るウォーターサーバ2を示している。
図12において、
図1、
図6のBと同一部分には同一符号を付してある。
【0125】
この実施の形態のウォーターサーバ2には操作パネル部20に設定温度を選択するための設定温度選択ボタン104が設置されている。この設定温度選択ボタン104には、設定温度を上昇させるための上昇ボタン106Uと、設定温度を下降させるための下降ボタン106Dが含まれている。
【0126】
制御部22は、設定温度を選択するとき、上昇ボタン106Uまたは下降ボタン106Dの操作を受け付け、設定温度を上昇または下降させるとともに、操作中の設定温度、確定した設定温度の表示情報を生成する。温度表示部42は操作中の設定温度、確定した設定温度の双方を表示する。
【0127】
記憶部46には設定温度に応じて温水電磁弁30および冷水電磁弁32のデューティ比を変更するために用いるデータベースの一例として、温度テーブル108(
図13のB)が格納されている。
【0128】
上昇ボタン106Uまたは下降ボタン106Dには、表示ランプが含まれており、各表示ランプは制御部22の制御により操作中に点灯し、操作に係る上昇ボタン106Uまたは下降ボタン106Dを表示する。
【0129】
<操作パネル部20>
図13のAは、第6の実施の形態に係る操作パネル部20を示している。上昇ボタン106Uは、設定温度の上昇方向を三角形で表す表示マーク、下降ボタン106Dは、設定温度の下降方向を逆三角形で表す表示マークを備えている。
【0130】
図13のBは温度テーブル108を示している。この温度テーブル108には、設定温度部110、温水電磁弁30のデューティ比部112、冷水電磁弁32のデューティ比部114および混合比部116などが設定されている。
【0131】
設定温度部110は、上昇ボタン106Uまたは下降ボタン106Dの操作で選択される設定温度を表す温度情報が格納される。
【0132】
温水電磁弁30のデューティ比部112は、選択された設定温度に対応する温水電磁弁30の開閉時間を表すデューティ比を表す制御情報が格納される。
【0133】
冷水電磁弁32のデューティ比部114は、選択された設定温度に対応する冷水電磁弁32の開閉時間を表すデューティ比を表す制御情報が格納される。
【0134】
混合比部116は、温水電磁弁30のデューティ比と冷水電磁弁32のデューティ比で設定される温水HWと冷水CWの混合比を表す情報が格納される。
【0135】
<温度設定ないし給水の処理手順>
図14は、第6の実施の形態に係る温度設定ないし給水の処理手順を示している。この処理手順は本開示の設定温度の選択、その表示および給水のプログラムの一例である。
【0136】
この処理手順には、モード設定(S701)、設定温度の選択(S702、S703、S705、S706)、温度表示(S704、S707)、設定温度の決定(S708)、設定温度の表示(S709)、温水電磁弁30および冷水電磁弁32のデューティ比の設定(S710)、給水(S711)、温度検出(S712)、温度表示(S713)などが含まれる。
【0137】
このウォーターサーバ2では動作状態または給水終了時、温度設定モードに移行する(S701)。この温水設定モードにおいて、上昇ボタン106Uを押下すると(S702)、その押下の度に温度がインクリメントされ(S703)、選択中の温度が温度表示部42に表示される(S704)。
【0138】
この温水設定モードにおいて、下降ボタン106Dを押下すると(S705)、その押下の度に温度がデクリメントされ(S706)、選択中の温度が温度表示部42に表示される(S707)。この温度選択の後、一定時間が経過すると選択された温度が設定温度として決定され(S708)、この設定温度が温度表示部42に表示される(S709)。
【0139】
決定した設定温度に対応し、温度テーブル108(
図13のB)から温水電磁弁30および/または冷水電磁弁32の各デューティ比が呼び出され、このデューティ比が温水電磁弁30および/または冷水電磁弁32に設定される(S710)。このデューティ比に応じて温水電磁弁30および/または冷水電磁弁32の開閉が制御される。
【0140】
温水ボタン38を押下すれば温水HW、冷水ボタン40を押下すれば冷水CWがデューティ比に応じて給水される(S711)。
【0141】
容器6に給水された水Wの温度が温度センサ18に検出され(S712)、制御部22の制御により、温度表示部42が設定温度表示から水Wの温度表示に切り替わり、水Wの温度が表示される(S713)。
【0142】
<設定温度Ttの給水>
容器6の容積M(たとえば、200cc)に対し、容器6への給水量MtはMt<Mに設定される。
【0143】
設定温度Ttが選択されると、容器6に対する設定温度Ttの給水量Mtを実現するために、温水電磁弁30のデューティDh(秒)、冷水電磁弁32のデューティDc(秒)が決定される。
【0144】
温水ボタン38を押下すると、温水電磁弁30が開状態となり、この開状態はデューティDh(秒)間維持される。この温水HWの給水は、温水ボタン38の押下時間に無関係にデューティDh(秒)で行われる。
【0145】
冷水ボタン40を押下すると、冷水電磁弁32が開状態となり、この開状態はデューティDc(秒)間維持される。この冷水CWの給水は、冷水ボタン40の押下時間に無関係にデューティDc(秒)で行われる。
【0146】
温水ボタン38および冷水ボタン40の押下順序は何れでもよく、容器6には温水HWおよび冷水CWの給水により、温水HWと冷水CWの混合により設定温度Ttの水Wが得られる。
【0147】
そして、水Wの温度検出およびその温度表示が行われ、ユーザは容器6の水Wの温度を知ることができる。必要であれば、設定温度を解除した後、温水HWまたは冷水CWをつぎ足して希望温度に調整することが可能である。
【0148】
なお、この実施の形態において、操作パネル部20に温水HWおよび冷水CWの混合水を給水するための混合給水ボタン(たとえば、ミックスボタン)を備え、この混合給水ボタンの押下で、選択された設定温度Ttを得るための温水HWおよび冷水CWの混合給水を行い、設定温度Ttを実現してもよい。
【0149】
<第6の実施の形態の効果>
この第6の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
【0150】
(1) 容器6に給水する水Wの設定温度を上昇ボタン106Uまたは下降ボタン106Dの操作により、ユーザが希望する任意の目標温度に設定することができる。
【0151】
(2) 選択中または選択後の設定温度を温度表示部42に表示でき、その温度を確認しつつ設定温度の選択を行うことができる。
【0152】
(3) 任意に設定された設定温度で容器6に給水でき、給水開始とともに温度表示部42が設定温度表示から水Wの温度表示に切り替わり、給水中または給水後、容器6の水Wの温度を温度表示部42に表示することができ、給水された水Wの温度を容易に知ることができる。
【0153】
なお、この第6の実施の形態では、温水電磁弁30および冷水電磁弁32の開閉のデューティ比を得るために、温度テーブル108(
図13のB)を用いているが、本開示はこの温度テーブル108を用いることに限定されない。この温度テーブル108に代え、制御部22が、設定温度、温水HWや冷水CWの現在温度を表す温度情報の入力により、温水電磁弁30や冷水電磁弁32のデューティ比を算出して、制御する機能を備えてもよい。このデューティ比の算出に関し、水Wの設定温度や現在温度を用いて関数(数式)によりデューティ比を算出してもよい。
【実施例0154】
実施例1に係るウォーターサーバは、温度センサ18にたとえば、非接触温度検出素子120を用いた場合において、この非接触温度検出素子120が持つ温度特性を補正し、水Wの検出精度を高める。
【0155】
図15のAは、実施例1に係るウォーターサーバを示している。
図15のAにおいて、
図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0156】
温度検出部118は、非接触温度検出素子120および温度補正用サーミスタ122を含み、既述の給水部16に設置される。非接触温度検出素子120は温度センサ18の一例であり、水Wの温度を非接触で検出する機能素子である。温度補正用サーミスタ122は本開示の温度補正用温度センサの一例であり、非接触温度検出素子120が持つ温度特性の影響を回避するために設置され、温度センサ18が設置される場所の温度(環境温度)を検出する。温度補正用サーミスタ122に代え、温度検出部118と別に温度補正用サーミスタ124を備えてもよい。
【0157】
温度補正部126には制御部22、増幅部128およびサーミスタ検出回路130が含まれている。増幅部128はオペアンプなどで構成され、非接触温度検出素子120の検出信号が制御部22側で処理し易いレベルに増幅される。
【0158】
サーミスタ検出回路130は、温度補正用サーミスタ122の検出信号を検出し、非接触温度検出素子120が持つ温度特性を補正するための信号を生成する。
【0159】
この場合、制御部22は非接触温度検出素子120の検出信号や温度補正用サーミスタ122の検出信号を取り込み、温度換算処理132および温度補正処理134を実行する。
【0160】
温度換算処理132は、非接触温度検出素子120の出力信号を水Wの温度に換算する処理である。この換算処理には検出信号を温度値に変換する関数を用いてもよいし、検出信号に対する温度変換値の換算データを参照して温度値に変換してもよい。
【0161】
温度補正処理134は、非接触温度検出素子120が温度の影響を受けている場合の温度補正処理である。この場合、温度補正用サーミスタ122の検出信号を用いて非接触温度検出素子120の出力信号に補正処理を施す。
【0162】
操作パネル部20には既述したように、温水ボタン38、冷水ボタン40、温度表示部42が設置されている。温水ボタン38および冷水ボタン40は、温水HWまたは冷水CWの給水開始に同期して温度検出や温度表示の開始を指示するための操作手段の一例である。
【0163】
温度表示部42はLCD(Liquid Crystal Display :液晶表示器) や複数のLED(Light Emitting Diode)表示器を用いて水Wの検出温度を表示する。この温度表示については、温度を表す数値表示、温度帯域の目安となるインジケータの何れでもよい。
【0164】
温度補正処理134について、本開示は制御部22による演算処理による処理に限定するものではなく、制御部22の外部で図示しない電気回路を用いて非接触温度検出素子120の出力信号に補正処理を施した後、検出情報を制御部22に取り込んでもよい。
【0165】
図15のBは、実施例1に係る他のウォーターサーバを示し、制御部22の温度補正処理134に代え、制御部22の前段部に温度補正部136が設置されている。
図15のBにおいて、
図15のAと同一部分には同一符号を付してある。
【0166】
温度補正部136は、非接触温度検出素子120が温度の影響を受けている場合の温度補正を行う。この場合、制御部22の前段部で温度補正用サーミスタ122の検出信号を用いて非接触温度検出素子120の出力信号を補正した後、この出力信号を制御部22に入力する。
【0167】
実施例1の他の構成は上記実施の形態と共通するので、その説明を割愛する。
【0168】
<実施例1の効果>
この実施例1によれば、容器6に注がれる水Wの温度を検出する温度センサ18に非接触温度検出素子120を用いた場合、環境温度などの影響を受ける非接触温度検出素子120の温度特性を補正するので、水Wの温度検出の精度を高めることができる。
この実施例2では、温度検出部138が給水部16から離れた上方位置に設置され、この温度検出部138に温度センサ18が内蔵される。したがって、この温度センサ18は、非接触で容器6の水Wの温度を検出し、その温度が温度表示部42に表示される。