(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159482
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】別個の液体吸着剤ループを使用する汚染物質除去システム
(51)【国際特許分類】
B01D 53/14 20060101AFI20241031BHJP
B01D 53/26 20060101ALI20241031BHJP
F24F 8/15 20210101ALI20241031BHJP
F24F 8/133 20210101ALI20241031BHJP
【FI】
B01D53/14 200
B01D53/26 300
F24F8/15
F24F8/133
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024014152
(22)【出願日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】18/307,648
(32)【優先日】2023-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】フィービー ヘンソン
(72)【発明者】
【氏名】レベッカ カミレ
(72)【発明者】
【氏名】ショーン スコムルスキー
【テーマコード(参考)】
4D020
4D052
【Fターム(参考)】
4D020AA03
4D020AA10
4D020BA16
4D020BA19
4D020BA23
4D020BA30
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4D052AA08
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4D052GA01
4D052GA03
4D052GB01
4D052GB02
4D052GB03
4D052GB04
4D052HB01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】全体的により小さく、より軽く、かつ/又はより効率的な汚染物質除去システムを提供する。
【解決手段】環境から汚染物質を除去するための汚染物質除去システムが、水管理システムと二酸化炭素除去システムとを含む。水管理システムは、除湿されたキャビン空気流を生成するために、第1の液体吸着剤を使用してキャビン空気流から水を除去するように構成されており、水スクラバーと水ストリッパーとを含む。二酸化炭素除去システムは、第2の液体吸着剤を使用して、除湿されたキャビン空気流から二酸化炭素を除去するように構成されており、二酸化炭素スクラバーと二酸化炭素ストリッパーとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染物質除去システムであって、
第1の液体吸着剤を使用してキャビン空気流から水を除去するように構成された水管理システムであって、水スクラバーと水ストリッパーとを備える、水管理システムと、
第2の液体吸着剤を使用して、除湿されたキャビン空気流から二酸化炭素を除去するように構成された二酸化炭素除去システムであって、二酸化炭素スクラバーと二酸化炭素ストリッパーとを備える、二酸化炭素除去システムと、を備える、汚染物質除去システム。
【請求項2】
前記水スクラバーは、前記キャビン空気流から前記第1の液体吸着剤に水を吸収するように構成されており、
前記水ストリッパーは、前記第1の液体吸着剤から、除染された空気流中に水を脱着するように構成されており、
前記水スクラバー及び前記水ストリッパーの各々は、1つ以上の疎水性多孔質膜を含む中空繊維膜コンタクタを備える、請求項1に記載の汚染物質除去システム。
【請求項3】
前記水管理システムは、前記キャビン空気流から水又は二酸化炭素以外の1つ以上の微量汚染物質を除去するように更に構成されており、除去された前記1つ以上の微量汚染物質は、
それぞれの前記第1又は第2の液体吸着剤中に蓄積された微量汚染物質、又は、
前記第2の液体吸着剤から脱着されており、汚染物質流に排出された微量汚染物質のうちの少なくとも一方である、請求項1に記載の汚染物質除去システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(政府の権利)
本発明は、NASA(National Aeronautics and Space Administration)マーシャル宇宙飛行センター(Marshall Space Flight Center)によって授与された助成金契約番号80MSFC18C0045の下で政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、汚染物質除去システムを使用して環境から汚染物質を除去するためのシステム及び技術に関する。
【背景技術】
【0003】
環境制御システム(environmental control system、ECS)は、調整された空気をキャビン又は他の環境に提供することができる。この調整された空気の一部は、汚染物質を除去するために処理され得る。汚染物質を除去するために使用されるECS構成要素は、大きく重い可能性があり、ECSの全重量を増加させ、様々な流体流を加熱し、冷却し、加圧する大量の電力を消費する可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、イオン液体吸着剤などの液体吸着剤を使用してキャビン空気から、二酸化炭素及び水を含む汚染物質を除去するためのシステム及び技術を説明する。汚染物質除去システムは、別個の液体吸着剤ループを使用してそれぞれの汚染物質の濃度を制御するために、水管理システムと二酸化炭素除去システムとを含む。二酸化炭素除去システムは、液体吸着剤への吸収を通じてキャビン空気から二酸化炭素を除去する。液体吸着剤中の水のより高い濃度は、二酸化炭素除去システムによって消費される電力量を増加させ、二酸化炭素を脱着するために使用される真空源に対する負荷を増加させ、真空源における水の凝縮に起因して真空源の信頼性を低下させ得るので、二酸化炭素除去の効率及び二酸化炭素除去システムの構成要素の信頼性は、液体吸着剤中の水の濃度に関連し得る。
【0005】
二酸化炭素除去のために二酸化炭素除去システムにキャビン空気を直接供給するのではなく、汚染物質除去システムは、キャビン空気を二酸化炭素除去システムに供給する前にキャビン空気中の水の濃度を制御するために、二酸化炭素除去システムの上流に水管理システムを含む。水管理システムは、液体吸着剤への水の吸収によってキャビン空気から水を除去し、キャビンに供給される空気の湿度を維持するために、水の少なくとも一部を処理済みの除染された空気に戻す。液体吸着剤は、二酸化炭素よりも水蒸気を容易に除去することができ、これにより、水の大部分又は全てを空気流から除去し、それによって二酸化炭素除去システムの液体吸着剤によって吸収される水の量を低減することができる。いくつかの例では、高濃度の水を有する液体吸着剤を使用する二酸化炭素除去システムなどとともに、水管理システムは、スクラバー排気からの水を、キャビン空気がスクラバーに入る前にキャビン空気に加えて、二酸化炭素除去システム内に水を保持することができる。場合によっては、水管理システムにおいて水を除去するために使用される液体吸着剤は、二酸化炭素除去システムにおいて二酸化炭素を除去するために使用される液体吸着剤よりも水に対して高い親和性を有するように選択されてもよく、かつ/又はアンモニアなどの他のガス状汚染物質をキャビン空気から除去してもよい。
【0006】
結果として、二酸化炭素除去システムは、水及び二酸化炭素を除去するために別個の液体吸着剤ループを使用しない汚染物質除去システムよりも、低減されたサイズを有し得、かつ/又は低減された電力量を使用し得る。二酸化炭素除去システムのこの低減されたサイズ、重量、及び/又は電力消費は、水管理システムの比較的小さい構成要素からのサイズ、重量、及び/又は電力消費の任意の増加を相殺し、全体的により小さく、より軽く、かつ/又はより効率的な汚染物質除去システムをもたらし得る。
【0007】
いくつかの例において、本開示は、環境から汚染物質を除去するための汚染物質除去システムを説明する。汚染物質除去システムは、水管理システムと二酸化炭素除去システムとを含む。水管理システムは、除湿されたキャビン空気流を生成するために、第1の液体吸着剤を使用してキャビン空気流から水を除去するように構成されており、水スクラバーと水ストリッパーとを含む。二酸化炭素除去システムは、第2の液体吸着剤を使用して、除湿されたキャビン空気流から二酸化炭素を除去するように構成されており、二酸化炭素スクラバーと二酸化炭素ストリッパーとを含む。
【0008】
いくつかの例では、本開示は、環境から汚染物質を除去するための方法であって、水管理システムによって、除湿されたキャビン空気流を生成するために、第1の液体吸着剤を使用してキャビン空気流から水を除去することを含む、方法を説明する。水管理システムは、水スクラバーと水ストリッパーとを含む。本方法は、二酸化炭素除去システムによって、第2の液体吸着剤を使用して、除湿されたキャビン空気流から二酸化炭素を除去することを更に含む。二酸化炭素除去システムは、二酸化炭素スクラバーと二酸化炭素ストリッパーとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
1つ以上の例の詳細を添付図面及び以下の明細書に記載する。他の特徴、目的、及び利点は、明細書、図面、及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【
図1】液体吸着剤を使用してキャビン空気流から水及び二酸化炭素を除去するための例示的な汚染物質除去システムを示すブロック図である。
【
図2A】液体吸着剤を使用してキャビン空気流から水及び二酸化炭素を除去するための例示的な汚染物質除去システムを示す概略図である。
【
図2B】液体吸着剤及び膜除湿器を使用してキャビン空気流から水及び二酸化炭素を除去するための例示的な汚染物質除去システムを示す概略図である。
【
図3】環境から汚染物質を除去するための方法の例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、液体吸着剤を使用してキャビン空気から、二酸化炭素及び水を含む汚染物質を除去するためのシステム及び技術を説明する。単一の液体吸着剤ループを使用して二酸化炭素と水の両方を除去するのではなく、汚染物質除去システムは、水管理システムと二酸化炭素除去システムとを含み、これらは、二酸化炭素除去システムにおいて二酸化炭素を除去する前に、水管理システムにおいて水を除去するための別個の液体吸着剤ループを含む。
【0011】
本明細書に記載の汚染物質除去システムは、宇宙船、航空機、船舶などの環境制御システム(ECS)の一部として利用することができる。いくつかの例では、汚染物質除去システムは、宇宙船乗客キャビンなどの資源が限られた環境のECSで使用することができ、二酸化炭素及び水をリサイクルして、酸素ガス、水、メタン、水素ガス、及び生命維持システムで使用される様々な他の化合物を生成することができる。そのような資源が限られた環境は、全体の重量、電力消費、及び保守負荷を低減するために、少量の電力を使用し、延長された耐用年数を有する構成要素を含む汚染物質除去システムに特に適し得る。
【0012】
図1は、液体吸着剤を使用してキャビン空気流から水及び二酸化炭素を除去するための例示的な汚染物質除去システム100を示すブロック図である。汚染物質除去システム100は、キャビン102から汚染物質を除去するように構成されている。キャビン102は、航空機キャビン、宇宙船キャビン、船舶キャビンなどの制御された環境であってもよく、キャビン102から除去される汚染物質は、二酸化炭素、水、炭化水素、永久ガスなどを含み得るが、これらに限定されない。
図1の例では、キャビン102は、宇宙船キャビン又は潜水艦キャビンなどの閉ループシステムのキャビンであり、二酸化炭素及び水などの、キャビン102からのキャビン空気流の成分を汚染物質除去システム100内で除去し、浄化された供給空気流を発生させ、二酸化炭素及び水を回収することを可能にすることができる。しかしながら、他の例では、キャビン102は、航空機キャビンなどの開ループシステムのキャビンであってもよく、キャビン空気流の成分を除去して、その後の汚染物質の部分的な回収のみを伴うか、又は回収を全く伴わずに、浄化された供給空気流を発生させることができる。
【0013】
システム100は、液体吸着剤を使用して汚染物質を除去するように構成される。液体吸着剤は、気体種を吸収及び脱着するように構成された任意の液体を含んでよい。液体吸着剤は、水溶性があり、吸湿性があり(すなわち、空気から水分を吸収することができる)、温度変化による溶解度の変化に応じて汚染物質を吸収又は脱着することが可能であり、かつ/又は、温度を上昇させること若しくは水分圧を低下させることなどにより、蒸発によって水を放出することが可能であってもよい。いくつかの例では、液体吸着剤は、イオン液体吸着剤であってもよい。このようなイオン液体吸着剤は、一般にアニオン及び有機カチオンで構成される塩であってもよい。これらの塩は、その使用温度において液体であってよく、蒸気圧が事実上ゼロであってよく、一般に無毒であってよく、及び/又は劣化に耐えるのに十分な安定性を有していてよい。いくつかの例では、イオン液体吸着剤は、汚染物質除去システム100の動作条件下で特定の汚染物質の吸収を改善する特性などの所望の特性を得るように調整され得る、比較的大きな有機カチオン及び様々なアニオンのいずれかを含有することができる。1-エチル-3-メチルイミダゾリウム(EMIM)アセテート(Ac)などのイミダゾール塩を含むがこれらに限定されない様々なイオン液体吸着剤を使用することができる。
【0014】
システム100において、二酸化炭素除去システム104及び水管理システム110のための液体吸着剤の各々は、液体吸着剤混合物を形成するために水に溶解される。液体吸着剤混合物のそれぞれにおける液体吸着剤の濃度は、特定の汚染物質を除去するのに十分に高くてもよく、液体吸着剤が動作範囲(例えば、温度範囲、pH範囲)を通して溶液中に留まり、かつ/又は高い物質移動を維持するために低い粘度を維持するのに十分に低くてもよい。いくつかの例では、液体吸着剤混合物は、溶解した促進剤を更に含んでもよい。促進剤は、空気流からの水又は二酸化炭素などの汚染物質の除去速度を増加させるように構成されてもよい。例えば、促進剤は、液体吸着剤の粘度を低減し、液体吸着剤のpHを変化させ、液体吸着剤の熱安定性を増加させ、汚染物質に対する液体吸着剤の容量を増加させ、あるいは液体吸着剤への汚染物質の吸収速度を増加させるように構成され得る。
【0015】
液体吸着剤は、1つ以上の疎水性多孔質膜を横切って空気流を液体吸着剤と接触させるスクラバーなどの膜コンタクタとともに使用することができる。液体吸着剤による汚染物質の吸収は、対応する空気流中の汚染物質の濃度によって決定され得る。概して、人間が占有する環境からの空気流中の水の濃度は、二酸化炭素又は他のガス状汚染物質の濃度よりも実質的に高い可能性がある。結果として、空気流から液体吸着剤への水蒸気の吸収は、空気流からの二酸化炭素の吸収よりも高い。
【0016】
特定の汚染物質に対する液体吸着剤の容量は、液体吸着剤混合物中の液体吸着剤の濃度によって影響され得る。例えば、液体吸着剤混合物中の液体吸着剤の濃度が減少するにつれて、液体吸着剤によって吸収され得る二酸化炭素の量が減少し得る。更に、液体吸着剤混合物中の水の量が多くなると、蒸発によって水を除去するのに必要な電力量が増加するか、あるいは膜コンタクタ上に真空を発生させる真空ポンプなどの構成要素の耐用年数が短くなる可能性がある。
【0017】
システム100は、二酸化炭素の一次除去の前にキャビン空気流116中の水蒸気又は他のガス状汚染物質の一部分を除去し、その後、除去された水の一部分をキャビン102に供給される除染された空気に加えて、キャビン102の湿度を維持し、かつ/又は二酸化炭素除去システム110内の水濃度を維持するように構成された水管理システム104を含む。二酸化炭素除去の前にキャビン空気流116中の水の少なくとも一部分を除去することによって、二酸化炭素除去システム104の構成要素は、二酸化炭素をより効率的に、かつ/又は確実に除去することができる。
【0018】
水管理システム110は、第1の液体吸着剤を使用してキャビン空気流116から水を除去するように構成される。水管理システム110は、1つ以上の疎水性膜を横切って様々な空気流を第1の液体吸着剤と接触させるように構成された少なくとも1つの水スクラバー112及び少なくとも1つの水ストリッパー114を含む。水スクラバー112は、キャビン空気流116から第1の液体吸着剤に水を吸収し、キャビン空気流116よりも低い湿度を有する除湿された空気流118を二酸化炭素除去システム104に排出するように構成される。水ストリッパー114は、第1の液体吸着剤から除染された空気流122に水を脱着し、より高い湿度を有する再加湿された空気流124をキャビン102に排出するように構成される。第1の液体吸着剤ループ128は、ロードされた第1の液体吸着剤流134を水スクラバー112から水ストリッパー114に循環させ、アンロードされた第1の液体吸着剤流136を水ストリッパー114から水スクラバー112に循環させる。
【0019】
第1の液体吸着剤は、限定するものではないが、水に対する高い親和性、水に対する高い容量、低い粘度、及び高い安定性を含めて、疎水性膜との接触及び水の吸収に関連する様々な特性に関して選択されてもよい。キャビン空気流116から除染された空気流122に二酸化炭素の一部分が、水スクラバー112によって吸収され、水ストリッパー114によって脱着され得るが、そのような部分は、二酸化炭素よりも水に対する第1の液体吸着剤の親和性が実質的に高いため、無視することができる。液体の容量は速度に影響を与えるが、速度はまた、1)膜の多孔性、2)汚染物質と液体中の何か(プロモーターなど)との特異的相互作用、3)液体内の拡散速度、並びに4)ガス側拡散及び物質移動によっても駆動される。
【0020】
いくつかの例では、水管理システム110は、再加湿された空気流124中の二酸化炭素以外の他のガス状微量汚染物質の濃度を制御するのを助けるように構成されてもよい。例えば、水管理システム110は、さもなければ二酸化炭素スクラバー106内の第2の液体吸着剤によって吸収されるアンモニアなどの1つ以上の気体種を吸収するように構成されてもよい。キャビン102又は他の環境は、乗務員からの生体発散物質である微量汚染物質及び/又は装備からのオフガス微量汚染物質を除去するシステムを含んでもよい。このような微量汚染物質としては、これらに限定されないが、ジクロロメタン及びフレオンなどのハロゲン、ジメチルスルホンなどの硫黄含有化合物、並びにシロキサン及びトリメチルシラノールなどのシリコーン含有化合物を挙げることができる。第1の液体吸着剤は、第1の液体吸着剤がアンモニアガスなどの他の汚染物質に対して増大した容量を有することを可能にし得る酸性度などの特性を有し得る。
【0021】
上述したように、第1の液体吸着剤を含む液体吸着剤は、二酸化炭素に加えて水に対しても高い親和性を有する。キャビン空気流116から特定の量の水を吸収するために、水スクラバー112及び水スクラバー112は、第1の液体吸着剤への水の高い親和性、並びにそれに応じた高い反応速度及び/又は容量により、比較的小さい表面積を有してもよい。結果として、水スクラバー112及び水ストリッパー114は、二酸化炭素スクラバー106及び二酸化炭素ストリッパー108よりも実質的に小さくてもよい。
【0022】
二酸化炭素除去システム104は、第2の液体吸着剤を使用して、除湿された空気流118から二酸化炭素を除去するように構成される。二酸化炭素除去システム104は、少なくとも1つの二酸化炭素スクラバー106及び少なくとも1つの二酸化炭素ストリッパー108を含む。二酸化炭素スクラバー106は、除湿された空気流118から第2の液体吸着剤に二酸化炭素を吸収し、除湿された空気流118よりも低い濃度の二酸化炭素を有する除染された空気流122を加湿のために水管理システム110に排出するように構成される。二酸化炭素ストリッパー108は、排出、貯蔵、又は更なる処理のために、第2の液体吸着剤から汚染物質流120に二酸化炭素を脱着するように構成される。第2の液体吸着剤ループ126は、ロードされた第2の液体吸着剤流130を二酸化炭素スクラバー106から二酸化炭素ストリッパー108に循環させ、アンロードされた第2の液体吸着剤流132を二酸化炭素ストリッパー108から二酸化炭素スクラバー106に循環させる。
【0023】
第2の液体吸着剤は、疎水性膜との接触及び二酸化炭素の吸収に関連する種々の特性(二酸化炭素に対する高い容量、低い粘度、及び高い安定性が挙げられるが、これらに限定されない)について選択され得る。第2の液体吸着剤は、水と二酸化炭素に対して同様の親和性を有し得るが、水管理システム110によるキャビン空気流116からの水の除去は、第2の液体吸着剤に吸収される水の量を制限し得る。第2の液体吸着剤は、水管理システム110によってキャビン空気流116から除去され得ない炭化水素などの他のガス状汚染物質を吸収することができる。
【0024】
汚染物質除去システム100は、コントローラ138と1つ以上のセンサセット(図示せず)とを含むプロセス制御システムを含んでもよい。コントローラ138は、制御回路、プロセッサ(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上の特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)等)、処理回路、1つ以上のサーバ、1つ以上のデスクトップコンピュータ、1つ以上のノートブック(すなわち、ラップトップ)コンピュータ、1つ以上のクラウドコンピューティングクラスタ等を含む、広範囲のデバイスのうちのいずれかを含んでもよい。
【0025】
コントローラ138は、汚染物質除去システム100の1つ以上のセンサセット及び/若しくは構成要素から測定値を受信し、かつ/又は汚染物質除去システム100の構成要素に制御信号を送信するように構成されてもよい。コントローラ138は、汚染物質除去システム100の1つ以上のセンサセット、及び、ポンプ、加熱器、熱交換器、コンプレッサなどの他のプロセス制御構成要素(図示せず)に通信可能に結合され、そこから測定信号を受信するように構成されてもよい。センサセットは、汚染物質除去システム100の液体流又はガス流の圧力、温度、流量、及び/又は汚染物質濃度(例えば、二酸化炭素濃度又は水濃度)のいずれかを検出するように構成された機器を含み得る。コントローラ138は、汚染物質除去システム100の動作を制御して本出願に記載されているように機能させるために、検出された条件を使用するように構成されてもよい。
【0026】
コントローラ138は、水スクラバー112、水ストリッパー114、二酸化炭素スクラバー106、及び/又は二酸化炭素ストリッパー108内の条件を制御するように構成される。例えば、以下で更に説明するように、コントローラ138は、除湿された空気流118の湿度を制御して二酸化炭素ストリッパー108における水損失を補償するために、水スクラバー112における条件を制御し、再加湿された空気流122の湿度を制御してキャビン102内の湿度を維持するために、水ストリッパー114における条件を制御し、キャビン102内の二酸化炭素の濃度を閾値未満に制御するために二酸化炭素スクラバー106における条件を制御し、かつ/又は汚染物質流120内の二酸化炭素の量(例えば、濃度及び/又は流量)を制御するために二酸化炭素ストリッパー108における条件を制御するように構成されてもよい。
【0027】
コントローラ138は、キャビン102の環境内の二酸化炭素の濃度を制御するように構成される。例えば、コントローラ138は、キャビン102内のキャビン空気センサセット又は二酸化炭素濃度センサなどから二酸化炭素の濃度測定値を受信するように構成されてもよい。コントローラ138は、二酸化炭素の濃度測定値が濃度設定点を超えているかどうかを判定するように構成されてもよい。例えば、濃度設定点は、閾値汚染物質濃度よりも低くキャビン102を維持するための再加湿された空気流124の目標濃度であってよい。コントローラ138は、二酸化炭素の濃度測定値が濃度設定値を超えたことに応答して、再加湿された空気流124中の二酸化炭素の濃度を減少させるために制御信号を送信するように構成されてもよい。例えば、コントローラ138は、第2の液体吸着剤混合物の流量、二酸化炭素ストリッパー108に向かう掃引ガス流(図示せず)の流量、湿度、及び/若しくは温度、二酸化炭素スクラバー106若しくは二酸化炭素ストリッパー108における第2の液体吸着剤混合物の温度、キャビン空気流116の流量、又はキャビン空気流116からの二酸化炭素の除去速度を制御することができる任意の他の変数を制御するための信号を送信してもよい。
【0028】
二酸化炭素の濃度を制御することに加えて、コントローラ138は、キャビン102の環境内の水(又は湿度)の濃度を制御するように構成される。例えば、コントローラ138は、キャビン102内のキャビン空気センサセット又は湿度濃度センサなどから湿度測定値を受信するように構成されてもよい。コントローラ138は、湿度測定値が最大又は最小湿度設定点を超えているかどうかを判定するように構成されてもよい。例えば、湿度設定点は、乗客快適性のための相対湿度約5%~約75%の目標湿度範囲などの湿度範囲内にキャビン102を維持するための再加湿された空気流124の目標湿度であってもよい。コントローラ138は、湿度測定値が湿度範囲設定点の外にあることに応答して、再加湿された空気流124の湿度を変更するための制御信号を送信するように構成されてもよい。例えば、コントローラ138は、第1の液体吸着剤混合物の流量、水スクラバー112及び/又は水ストリッパー114における第1の液体吸着剤混合物の温度、キャビン空気流116の流量、又はキャビン空気流116からの水蒸気の除去速度を制御することができる任意の他の変数を制御するための信号を送信してもよい。
【0029】
いくつかの例では、コントローラ138は、第2の液体吸着剤ループ126内の第2の液体吸着剤の含水量を制御するように構成される。例えば、第2の液体吸着剤混合物中の水の一部分は、二酸化炭素ストリッパー108において汚染物質流120中に脱着され得る。脱着された水の置換がなければ、第2の液体吸着剤混合物の粘度が増加し、それによって第2の液体吸着剤への二酸化炭素の物質移動が低減され得る。脱着された水を置換するために、コントローラ138は、第2の液体吸着剤混合物中の水の濃度、又は液体吸着剤の濃度などの関連パラメータが濃度範囲設定点の外側にあるかどうかを判定するように構成され得る。例えば、濃度範囲設定点は、十分に低い粘度を維持しながら二酸化炭素を効率的に吸収及び脱着するための、第2の液体吸着剤ループ126内の第2の液体吸着剤混合物中の水の目標濃度範囲であってもよい。コントローラ138は、除湿された空気流118、ロードされた第2の液体吸着剤流130、又はアンロードされた第2の液体吸着剤流132に流体結合された濃度センサなどから濃度測定値を受信し、濃度測定値が濃度範囲設定点の外にあることに応答して、除湿された空気流118の湿度を変更するための制御信号を送信するように構成されてもよい。例えば、コントローラ138は、第1の液体吸着剤混合物の流量、水スクラバー112及び/又は水ストリッパー114における第1の液体吸着剤混合物の温度、キャビン空気流116の流量、二酸化炭素スクラバー106及び/若しくは二酸化炭素ストリッパー108における第2の液体吸着剤混合物の温度、第2の液体吸着剤混合物の流量、又はキャビン空気流116からの水蒸気の除去速度を制御することができる任意の他の変数を制御するための信号を送信してもよい。
【0030】
図2Aは、第1及び第2の液体吸着剤を使用してキャビン空気流116から水及び二酸化炭素を除去するための例示的な汚染物質除去システム100Aを示す概略図である。
図2Aの例では、キャビン102は、宇宙船キャビン又は潜水艦キャビンなどの閉ループシステムのキャビンであってもよく、二酸化炭素及び水などの、キャビン102からのキャビン空気流116の成分を汚染物質除去システム100A内で除去し、浄化され再加湿された空気流124を発生させることを可能にすることができる。いくつかの例では、キャビン空気流116は、約1000ppm~約5000ppmの二酸化炭素濃度及び/又は約100ppm未満の炭化水素濃度を有し得る。再加湿された空気流124は、キャビン空気流116よりも低い汚染物質濃度を有する。例えば、再加湿された空気流124は、キャビン空気流116中の二酸化炭素の濃度よりも約25%~約99%低い、例えばキャビン空気流116中の二酸化炭素の濃度よりも約40%~約95%低い、又はキャビン空気流116中の二酸化炭素の濃度よりも約60%~約80%低い二酸化炭素の濃度を有し得る。
【0031】
汚染物質除去システム100Aは、キャビン102と、水管理システム110と、二酸化炭素除去システム104との間でキャビン空気を循環させるように構成されたキャビン空気回路(符号なし)を含む。
図1の例では、キャビン空気流116は、水スクラバー112及び/又は二酸化炭素スクラバー106に入る前にキャビン空気流116から微粒子を除去するように構成されたフィルタ140と、キャビン空気を水スクラバー112に引き込むように構成されたブロワ142と、を含み、再加湿された空気流124は、キャビン102に入る前に再加湿された空気流124から漏れた液体吸着剤を除去し、かつ/又は清浄空気を更に濾過するように構成されたフィルタ144を含む。
【0032】
水管理システム110は、水スクラバー112と水ストリッパー114との間で第1の液体吸着剤を循環させるように構成された第1の液体吸着剤ループ128を含む。例えば、ポンプ164は、アンロードされた第1の液体吸着剤を水ストリッパー114から水スクラバー112に圧送することができる。アンロードされた液体吸着剤は、汚染物質を含まない未使用の液体吸着剤、又はロードされた液体吸着剤よりも低い濃度の汚染物質を有する再生液体吸着剤を含んでよい。
【0033】
いくつかの例において、第1の液体吸着剤ループ128は、第1の液体吸着剤の温度を制御して、水スクラバー112において吸収される水の量及び/又は水ストリッパー114において脱着される水の量を制御するように構成される。第1の液体吸着剤ループ128は、冷却器166、熱交換器160、及び加熱器162を含むことができる。アンロードされた液体吸着剤は、水スクラバー112に入る前に、冷却器166及び/又は熱交換器160によって冷却されてもよい。例えば、第1の液体吸着剤は、平衡に達する前に第1の液体吸着剤がより多くの量の水を吸収することができるように、より低い温度で水に対する増大した容量を有することができる。ロードされた液体吸着剤は、水ストリッパー114に入る前に、熱交換器160及び/又は加熱器162によって予熱されてもよい。例えば、第1の液体吸着剤は、平衡に達する前に第1の液体吸着剤がより多くの量の水を脱着することができるように、より高い温度で水に対する減少した容量を有することができる。熱交換器160は、水ストリッパー114によって排出された比較的温かい第1の液体吸着剤を使用して、水スクラバー112によって排出された比較的低温の第1の液体吸着剤を加熱するように構成された復熱式熱交換器であってもよい。
【0034】
水スクラバー112は、キャビン空気中の水蒸気及び任意選択による1つ以上の他の汚染物質種を第1の液体吸着剤に吸収するように構成される。気相側では、水スクラバー112は、キャビン102からの汚染物質種(二酸化炭素、水、炭化水素揮発性物質、永久ガス、及び他のガス状物質など)を含むキャビン空気流116からのキャビン空気を受け取るように構成される。水スクラバー112は、それぞれの膜の気相側(例えば、チューブ側)においてキャビン空気流116からのキャビン空気を流動させ(例えば、その流動を提供又は方向付けする)、膜の液相側(例えば、シェル側)において第1の液体吸着剤を流動させるようにそれぞれ構成された1枚以上の分離膜を備える。水蒸気及び様々な気体種は、キャビン空気と第1の液体吸着剤との間の濃度勾配によって膜を通過し、第1の液体吸着剤によって吸収され得るが、第1の液体吸着剤は、実質的に膜を通じて流動し得ない。その結果、水スクラバー112から排出された除湿された空気流118からの除湿された空気は、水スクラバー112によって受け取られたキャビン空気流116からのキャビン空気よりも低い湿度を有することができる。例えば、除湿された空気流118は、約0%~約35%の相対湿度である湿度を有することができる。水スクラバー112は、除湿された空気流118を二酸化炭素スクラバー106に排出するように構成される。液相側では、水スクラバー112は、アンロードされた第1の液体吸着剤を受け取るように構成されている。アンロードされた第1の液体吸着剤は、水スクラバー112を通って流動し、水スクラバー112の膜を通してキャビン空気から水及び他の気体種を吸収することができる。結果として、水スクラバー112から排出されるロードされた液体吸着剤は、水スクラバー112によって受け取られるアンロードされた第1の液体吸着剤よりも高い濃度の水及び他のガス状汚染物質を有し得る。水スクラバー112は、水及び他のガス状汚染物質を含有するロードされた第1の液体吸着剤を水ストリッパー114に排出することができる。
【0035】
水ストリッパー114は、第1の液体吸着剤から再加湿された空気流124に水を脱着するように構成される。液相側では、水ストリッパー114は、ロードされた第1の液体吸着剤を水スクラバー112から受け取り、ロードされた第1の液体吸着剤から水、及び任意選択による1つ以上の他のガス状汚染物質を脱着するように構成される。水ストリッパー114は、膜の一方の側(例えば、シェル側)においてロードされた第1の液体吸着剤を流動させ、膜の反対側(例えば、チューブ側)において除染された空気流122から除染された空気を流動させるようにそれぞれ構成された1枚以上の膜を備える。水及び他のガス状汚染物質は、濃度勾配によって膜の繊維を横断して流動することができるが、第1の液体吸着剤は、実質的に、膜の繊維を横断して流動することができない。結果として、水ストリッパー114から排出されたアンロードされた第1の液体吸着剤は、水ストリッパー114によって受け取られたロードされた第1の液体吸着剤よりも低い濃度の水及び他の汚染物質を有し得る。気相側では、水ストリッパー114は、水及び他の気体種を再加湿された空気流124として除染された空気流122中に脱着するように構成される。再加湿された空気流124は、除染された空気流122の湿度よりも高い湿度を有することができる。例えば、再加湿された空気流124は、キャビン102の湿度を相対湿度約5%~約35%に維持するように選択された湿度を有することができる。
【0036】
二酸化炭素除去システム104は、二酸化炭素スクラバー106と二酸化炭素ストリッパー108との間で第2の液体吸着剤を循環させるように構成された第2の液体吸着剤ループ126を含む。例えば、ポンプ154は、アンロードされた液体吸着剤を二酸化炭素ストリッパー108から二酸化炭素スクラバー106にポンプ輸送してもよい。アンロードされた液体吸着剤は、汚染物質を含まない未使用の液体吸着剤、又はロードされた液体吸着剤よりも低い濃度の汚染物質を有する再生液体吸着剤を含んでよい。いくつかの例では、アンロードされた液体吸着剤は、二酸化炭素スクラバー106に入る前に冷却器156によって冷却されてもよい。いくつかの例では、ロードされた液体吸着剤は、二酸化炭素ストリッパー108に入る前に熱交換器150及び/又は加熱器152によって予熱されてもよい。液体吸着剤貯蔵部158は、比較的冷たい状態などで液体吸着剤を貯蔵することができる。
【0037】
二酸化炭素スクラバー106は、除湿された空気流118から第2の液体吸着剤に二酸化炭素を吸収し、除染された空気流122を水ストリッパー114に排出するように構成される。除染された空気流122は、除湿された空気流118よりも低い二酸化炭素濃度を有する。例えば、除染された空気流122は、除湿されたキャビン空気流118中の二酸化炭素の濃度よりも約25%~約99%低い濃度の二酸化炭素を有し得る。
【0038】
二酸化炭素スクラバー106は、除湿された空気中の二酸化炭素を第2の液体吸着剤に吸収するように構成される。気相側では、二酸化炭素スクラバー106は、キャビン102からの二酸化炭素を含む除湿された空気流118から除湿された空気を受け取るように構成されている。二酸化炭素スクラバー106は、それぞれの膜の気相側(例えば、チューブ側)において除湿された空気流118からの除湿された空気を流動させ(例えば、その流動を提供又は方向付けする)、膜の液相側(例えば、シェル側)において第2の液体吸着剤を流動させるようにそれぞれ構成された1枚以上の分離膜を備える。汚染物質は、除湿された空気と第2の液体吸着剤との間の濃度勾配によって膜を通過し、第2の液体吸着剤によって吸収され得るが、第2の液体吸着剤は実質的に膜を通って流動し得ない。その結果、二酸化炭素スクラバー106から排出された除染された空気流122からの除染された空気は、二酸化炭素スクラバー106によって受け取られた除湿された空気流118からの除湿された空気よりも低い二酸化炭素濃度を有することができる。二酸化炭素スクラバー106は、除染された空気流122を水ストリッパー114に排出するように構成される。液相側では、二酸化炭素スクラバー106は、液体吸着剤貯蔵部158などから、アンロードされた第2の液体吸着剤を受け取るように構成される。アンロードされた第2の液体吸着剤は、二酸化炭素スクラバー106を通って流動し、二酸化炭素スクラバー106の膜を通して除湿された空気から二酸化炭素及び他のガス状汚染物質を吸収することができる。結果として、二酸化炭素スクラバー106から排出されたロードされた第2の液体吸着剤は、二酸化炭素スクラバー106によって受け取られたアンロードされた第2の液体吸着剤よりも高い濃度の二酸化炭素を有し得る。二酸化炭素スクラバー106は、二酸化炭素を含有するロードされた第2の液体吸着剤を二酸化炭素ストリッパー108に排出することができる。
【0039】
二酸化炭素ストリッパー108は、二酸化炭素を第2の液体吸着剤から汚染物質流120中に脱着するように構成される。液相側では、二酸化炭素ストリッパー108は、二酸化炭素スクラバー106からロードされた第2の液体吸着剤を受け取り、ロードされた第2の液体吸着剤から二酸化炭素を脱着するように構成される。二酸化炭素ストリッパー108は、膜の一方の側(例えば、シェル側)においてロードされた第2の液体吸着剤を流動させ、膜の反対側(例えば、チューブ側)において汚染された空気を汚染物質流120に流動させるようにそれぞれ構成された1枚以上の膜を備える。二酸化炭素は、濃度勾配によって膜の繊維を横断して流動し得るが、第2の液体吸着剤は、実質的に、膜の繊維を横断して流動することができない。結果として、二酸化炭素ストリッパー108から排出されたアンロードされた第2の液体吸着剤は、二酸化炭素ストリッパー108によって受け取られたロードされた第2の液体吸着剤よりも低い濃度の二酸化炭素を有し得る。気相側では、二酸化炭素ストリッパー108は、汚染物質流120に二酸化炭素を排出するように構成されている。汚染物質流120は、ロードされた第2の液体吸着剤から汚染物質流120への二酸化炭素の移動を支援するために、二酸化炭素ストリッパー108から連続的に除去され得る。
【0040】
水スクラバー112、水ストリッパー114、二酸化炭素スクラバー106、及び/又は二酸化炭素ストリッパー108は、第1の側に空気を流動させ、反対の第2の側に液体吸着剤を流動させるように構成された1つ以上の膜セパレータを含んでもよい。例えば、膜セパレータは、複数の平行な膜コンタクタを備えていてよい。いくつかの例では、膜コンタクタは、疎水性多孔質膜を形成する平行繊維又は織られた中空多孔質繊維を充填された円筒形モジュールを含んでもよい。例えば、これらの中空繊維の寸法は約3mm未満であってよく、細孔寸法は約2マイクロメートル未満であってよい。中空繊維膜コンタクタの表面積が広いことによって、二酸化炭素などの汚染物質及び水を、比較的小さいシステム容積及び重量を使用してそれぞれの液体吸着剤へと大量に移動させることが可能になる。中空繊維の材料は、液体吸着剤が細孔を濡らさないように、かつ細孔侵入を防止するために膜間圧が十分に低く保たれるように選択され得る。その結果、膜コンタクタは、液体吸着剤及びガス流が更なる分離を必要としないことを確実にすることができ、その結果、汚染物質除去システム100Aは、可動部を使用することなく、重力独立的に作用することができる。繊維材料としては、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)などの疎水性材料を挙げることができるが、これらに限定されない。いくつかの例では、細孔を通る液体の流れを低減するためにコーティングを塗布してもよい。細孔を通る液体の流れを阻止するために使用することができるコーティングとしては、PTFE、架橋シロキサン、過フッ素化ポリマー、官能化ナノ粒子などが挙げられるが、これらに限定されない。
図2Aでは「チューブ」側を通って流動すると記載されているが、液体吸着剤は、「チューブ」側又は「シェル」側のいずれを流動してもよく、一方、気体は反対側を流動する。
【0041】
図2Aの例では、汚染物質除去システム100Aは、汚染物質流120を更に処理するように構成された1つ以上のシステム又は構成要素を含むことができる。いくつかの例では、汚染物質除去システム100Aは、圧縮器170と、凝縮器172と、汚染物質流120を圧縮し、圧縮された汚染物質流120から水を除去するように構成された水分離器174と、を含む。例えば、汚染物質除去システム100Aから除去された二酸化炭素を貯蔵又はリサイクルするために、圧縮器170、凝縮器172、及び水分離器174は、汚染物質流120を高圧に圧縮し、汚染物質流120からほぼ全ての水を除去することができる。生命維持用途では、大量の水がキャビン空気流116中に存在し得る。例えば、キャビン空気流116中の湿度は、二酸化炭素の湿度よりもはるかに高くなり得る。サバティエシステム180は、水素ガスを二酸化炭素と反応させるために、2%未満の水濃度を必要とし得る。
【0042】
圧縮器170は、汚染物質流120を圧縮するように構成される。圧縮器170には、遠心圧縮器、容積式圧縮器などを含むがこれらに限定されない様々な圧縮器を使用することができる。凝縮器172は、汚染物質流120を冷却し、汚染物質流120から水を凝縮させるように構成されてもよい。例えば、凝縮器172は、冷却媒体を循環させて汚染物質流120を冷却する冷凍システム又は他の冷却システムに連結されてよい。シェル及びチューブ熱交換器、平板フィン、表面冷却器、ヒートパイプ、熱電装置、冷却ジャケットなどが挙げられるが、これらに限定されない様々な凝縮器を、凝縮器172に使用することができる。水分離器174は、汚染物質流120から水を除去し、除湿された汚染物質流176をサバティエシステム180に排出し、凝縮水流178を水貯蔵部182に排出するように構成されてもよい。静的相分離器、キャピラリー相分離器、膜相分離器、遠心分離器/回転分離器などが挙げられるが、これらに限定されない様々な水分離器を、水分離器174に使用することができる。
【0043】
いくつかの例において、二酸化炭素除去システム104は、キャビン空気流116から水及び二酸化炭素以外の1つ以上の微量汚染物質を除去するように更に構成されてもよい。例えば、1つ以上の微量汚染物質は、第1の液体吸着剤及び/又は第2の液体吸着剤に吸収され得る。汚染物質は、液体吸着剤が第2の液体吸着剤のために二酸化炭素ストリッパー108において交換又は再生されるまで、液体吸着剤中に蓄積し得る。例えば、1つ以上の微量汚染物質は、二酸化炭素ストリッパー108によって脱着され、汚染物質流120に排出されてもよく、ここで、1つ以上の汚染物質は、除湿された汚染物質流176及び/又は凝縮水流178に更に排出されてもよい。
【0044】
コントローラ138(図示せず)は、1つ以上のセンサセットと、汚染物質除去システム100Aの他のプロセス制御構成要素(図示せず)、例えば、キャビン空気流116、除湿された空気流118、除染された空気流122、再加湿された空気流124、汚染物質流120のための制御弁、並びに熱交換器150及び160、加熱器152及び162、液体吸着剤貯蔵部158、冷却器156及び166、ポンプ154及び164、ブロワ142、コンプレッサ170(例えば、圧送速度)などへの入口/出口とに通信可能に結合され得、そこから測定信号を受信するように構成され得る。
【0045】
図2Bは、液体吸着剤及び膜除湿器190を使用してキャビン空気流116から水及び二酸化炭素を除去するための例示的な汚染物質除去システム100Bを示す概略図である。以下に示す場合を除いて、汚染物質除去システム100Bの構成要素は、
図2Aの同様にラベル付けされた汚染物質除去システム100Aと同様であってもよい。
【0046】
水ストリッパー114によって除去される水は、第1の液体吸着剤の温度及び流量の制御のために電力を必要とし得る。水ストリッパー114で水を除去するために使用される電力の量及び/又は水ストリッパー114のサイズを低減するために、水管理システム110は、膜除湿器190を含んでもよい。膜除湿器190は、キャビン空気流116からの湿気を除染された空気流122に戻し、少なくとも部分的に除湿された空気を水ストリッパー114に排出するように構成される。一方の側では、除湿器190は、キャビン空気流116を供給ガス流として受け取り、部分的に除湿された空気流192中のキャビン空気をより低い湿度を有する水スクラバー112に排出するように構成されている。反対側では、除湿器190は、水ストリッパー114から部分的に再加湿された空気流194を受け取り、より高い湿度を有する再加湿された空気流124に再加湿された空気を排出するように構成されている。
【0047】
キャビン空気流116からのキャビン空気が水スクラバー112に入る前にキャビン空気から湿度を捕捉することによって、二酸化炭素ストリッパー108によって受け取られる前にキャビン空気流からより多くの量の水を除去することができ、かつ/又は水管理システム110によってキャビン空気流116から水を除去するために使用される電力量を低減することができる。膜除湿器190は、比較的低い電力(例えば、気体又は液体を圧送するための電力)で動作することができる。例えば、水スクラバー112を通過する前に水を除去した結果、第1の液体吸着剤に吸収される過剰な水を少なくすることができる。この水除去により、水スクラバー112及び/若しくは水ストリッパー114のサイズを小さくすること、並びに/又は加熱器162、冷却器156、及びポンプ164に対する負荷を小さくすることが可能となり得る。この水除去はまた、圧縮器170の負荷が減少され得るように、より少ない水が第2の液体吸着剤に吸収されることになり、それに対応して、より少ない水が除去されることになり得る。
【0048】
図3は、環境から汚染物質を除去するための方法の例示的なフローチャートである。
図3については、
図1の汚染物質除去システム100に関連して説明される。しかしながら、
図3の技術は、他の汚染物質除去システムとともに利用されてもよい。
図3の例は、水管理システム110によって、キャビン102などの環境からキャビン空気流116を受け取ること(200)を含む。例えば、コントローラ138は、キャビン空気流116が閾値を上回る1つ以上の汚染物質の濃度を有することを検出し、それに応じて、キャビン空気流116の流量を制御するようにキャビン空気回路の構成要素を制御してもよい。
【0049】
図3の例は、キャビン空気流116から水を除去すること(202)を含む。キャビン空気流116から水を除去することは、水スクラバー112によって、キャビン空気流116からの水蒸気の一部分を第1の液体吸着剤に吸収させることを含んでもよい。例えば、コントローラ138は、第1の液体吸着剤ループ128の構成要素を制御して、水スクラバー112と水ストリッパー114との間の第1の液体吸着剤の流量、及び水スクラバー112に入る前の第1の液体吸着剤の温度を制御し得る。
図3の例は、水管理システム110によって、二酸化炭素除去システム104に除湿された空気流118を排出すること(204)を含む。除湿された空気流118中の水の濃度は、キャビン空気流116中の水の濃度より低くてもよい。いくつかの例では、除湿された空気流118中の水の濃度は、第2の液体吸着剤ループ126中の第2の液体吸着剤混合物の所望の含水量を維持するように制御され得る。
【0050】
図3の例は、二酸化炭素除去システム104によって、除湿された空気流118を受け取ること(206)を含む。
図3の例は、二酸化炭素除去システム104によって、除湿された空気流118から二酸化炭素を除去すること(208)を含む。除湿された空気流118から二酸化炭素を除去することは、二酸化炭素スクラバー106によって、除湿された空気流118からの二酸化炭素の一部分を第2の液体吸着剤に吸収することを含んでもよい。例えば、コントローラ138は、第2の液体吸着剤ループ126の構成要素を制御して、二酸化炭素スクラバー106と二酸化炭素ストリッパー108との間の第2の液体吸着剤の流量、及び二酸化炭素スクラバー106に入る前の第2の液体吸着剤の温度を制御し得る。
図3の例は、二酸化炭素除去システム104によって、除染された空気流122を排出すること(210)を含む。
【0051】
図3の例は、二酸化炭素除去システム104によって、二酸化炭素を含む汚染物質流120を排出すること(212)を含む。汚染物質流120を排出することは、二酸化炭素ストリッパー108によって、汚染物質流120を生成するために、第2の液体吸着剤から二酸化炭素及び他の汚染物質を脱着させることを含み得る。例えば、コントローラ138は、第2の液体吸着剤ループ126の構成要素を制御して、スクラバー106とストリッパー108との間の第2の液体吸着剤の流量、及びストリッパー108に入る前の第2の液体吸着剤の温度を制御し得る。汚染物質流120は、
図2A又は
図2Bのサバティエシステム180を使用して炭化水素を生成するために、貯蔵されるか、あるいは更に処理されてもよい。
【0052】
図3の例は、水管理システム110によって、除染された空気流122に水を添加すること(214)を含む。除染された空気流122に水を添加することは、水ストリッパー114によって、再加湿された空気流124を生成するために、第2の液体吸着剤から水の一部分を脱着させることを含み得る。例えば、コントローラ138は、第1の液体吸着剤ループ128の構成要素を制御して、水スクラバー112と水ストリッパー114との間の第1の液体吸着剤の流量、及び水ストリッパー114に入る前の第1の液体吸着剤の温度を制御し得る。
図3の例は、水管理システム110によって、キャビン102に再加湿された空気流124を排出することを含む。
【0053】
本開示に記載される技術は、少なくとも部分的に、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせで実行され得る。例えば、記載される技術の様々な態様は、1つ以上のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又は任意の他の等価な集積若しくは個別の論理回路、並びにこのような構成要素の任意の組み合わせを含む、1つ以上のプロセッサ内で実行され得る。「プロセッサ」又は「処理回路」という用語は、一般に、前述の論理回路のうちのいずれかを単独で、又は他の論理回路と組み合わせて、又は任意の他の等価回路を指すことができる。ハードウェアを含む制御ユニットも、本開示の技術のうちの1つ以上を実施することができる。
【0054】
このようなハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアは、本開示に記載される様々な技術をサポートするために、同じデバイス内又は別個のデバイス内に実装されてもよい。加えて、記載されたユニット、モジュール、又は構成要素のいずれも、個別であるが相互運用可能な論理デバイスとして、一緒に又は別個に実装されてもよい。モジュール又はユニットとしての異なる特徴の描写は、異なる機能的態様を強調することを意図しており、そのようなモジュール又はユニットが別個のハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェアの構成要素によって実現されなければならないことを必ずしも意味するものではない。むしろ、1つ以上のモジュール又はユニットと関連付けられた機能は、別個のハードウェア、ファームウェア、若しくはソフトウェアの構成要素によって実施されてもよく、又は共通の若しくは別個のハードウェア、ファームウェア、若しくはソフトウェアの構成要素内に統合されてもよい。
【0055】
本開示に記載の技術はまた、命令で符号化されたコンピュータ可読記憶媒体を含む製品において具現化又は符号化されてもよい。コンピュータ可読記憶媒体を含む製品に埋め込まれた又は符号化された命令は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体に含まれるか又は符号化された命令が1つ以上のプロセッサによって実行されるときなどに、1つ以上のプログラム可能なプロセッサ又は他のプロセッサに、本明細書に記載の技術のうちの1つ以上を実行させることができる。コンピュータ可読記憶媒体としては、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み取り専用メモリ(read only memory、ROM)、プログラム可能読み取り専用メモリ(programmable read only memory、PROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(erasable programmable read only memory、EPROM)、電子的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(electronically erasable programmable read only memory、EEPROM)、フラッシュメモリ、ハードディスク、コンパクトディスクROM(compact disc ROM、CD-ROM)、フロッピーディスク、カセット、磁気媒体、光学媒体、又は他のコンピュータ可読媒体を挙げることができる。いくつかの例では、製品は、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。
【0056】
いくつかの例では、コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的媒体を含み得る。「非一時的」という用語は、記憶媒体が搬送波又は伝播信号で具現化されていないことを示してもよい。いくつかの実施例では、非一時的記憶媒体は、経時的に(例えば、RAM又はキャッシュ内で)変化することができるデータを記憶してもよい。
【0057】
実施例1:汚染物質除去システムは、第1の液体吸着剤を使用してキャビン空気流から水を除去するように構成された水管理システムであって、水スクラバーと水ストリッパーとを備える、水管理システムと、第2の液体吸着剤を使用して除湿されたキャビン空気流から二酸化炭素を除去するように構成された二酸化炭素除去システムであって、二酸化炭素スクラバーと二酸化炭素ストリッパーとを備える、二酸化炭素除去システムと、を含む。
【0058】
実施例2:水スクラバーは、キャビン空気流から第1の液体吸着剤に水を吸収するように構成され、水ストリッパーは、第1の液体吸着剤から除染された空気流に水を脱着するように構成される、実施例1に記載の汚染物質除去システム。
【0059】
実施例3:第1の液体吸着剤は、第2の液体吸着剤よりも高い水容量を有する、実施例1及び2のいずれかに記載の汚染物質除去システム。
【0060】
実施例4:第1の液体吸着剤はイオン液体吸着剤である、実施例1~3のいずれかに記載の汚染物質除去システム。
【0061】
実施例5:水管理システムは、キャビン空気流から水又は二酸化炭素以外の1つ以上の微量汚染物質を除去するように更に構成され、除去される1つ以上の微量汚染物質は、それぞれの第1若しくは第2の液体吸着剤に蓄積された物質、又は第2の液体吸着剤から脱着され、汚染物質流に排出された物質のうちの少なくとも一方である、実施例1~4のいずれかに記載の汚染物質除去システム。
【0062】
実施例6:水スクラバー及び水ストリッパーの各々が、1つ以上の疎水性多孔質膜を含む中空繊維膜コンタクタを備える、実施例1~5のいずれかに記載の汚染物質除去システム。
【0063】
実施例7:水管理システムは、水スクラバーの前にキャビン空気流から水を除去するように構成された膜除湿器を更に備える、実施例1~6のいずれかに記載の汚染物質除去システム。
【0064】
実施例8:水管理システムは、水ストリッパーの上流で第1の液体吸着剤を加熱するように構成された加熱器と、水スクラバーの上流で第1の液体吸着剤を冷却するように構成された冷却器と、を更に備える、実施例1~7のいずれかに記載の汚染物質除去システム。
【0065】
実施例9:水管理システムは、水ストリッパーによって排出された相対的に高温の第1の液体吸着剤を使用して、水スクラバーによって排出された相対的に低温の第1の液体吸着剤を加熱するように構成された熱交換器を更に備える、実施例1~8のいずれかに記載の汚染物質除去システム。
【0066】
実施例10:二酸化炭素スクラバーは、除湿された空気流から第2の液体吸着剤に二酸化炭素を吸収するように構成され、二酸化炭素ストリッパーは、第2の液体吸着剤から汚染物質流に二酸化炭素を脱着するように構成される、実施例1~9のいずれかに記載の汚染物質除去システム。
【0067】
実施例11:環境から汚染物質を除去するための方法であって、水管理システムによって、除湿されたキャビン空気流を生成するために、第1の液体吸着剤を使用してキャビン空気流から水を除去することであって、水管理システムは水スクラバーと水ストリッパーとを備える、水を除去することと、二酸化炭素除去システムによって、第2の液体吸着剤を使用して、除湿されたキャビン空気流から二酸化炭素を除去することであって、二酸化炭素除去システムは二酸化炭素スクラバーと二酸化炭素ストリッパーとを備える、二酸化炭素を除去することと、を含む、方法。
【0068】
実施例12:水を除去することは、水スクラバーによって、キャビン空気流から第1の液体吸着剤に水を吸収することと、水ストリッパーによって、第1の液体吸着剤から除染された空気流に水を脱着することと、を含む、実施例11に記載の方法。
【0069】
実施例13:第1の液体吸着剤は、第2の液体吸着剤よりも高い水容量を有する、実施例11及び12のいずれかに記載の方法。
【0070】
実施例14:第1の液体吸着剤はイオン液体吸着剤である、実施例11~13のいずれかに記載の方法。
【0071】
実施例15:水管理システム又は二酸化炭素除去システムのうちの少なくとも一方によって、キャビン空気流から水又は二酸化炭素以外の1つ以上の微量汚染物質を除去することであって、除去される1つ以上の微量汚染物質は、それぞれの第1又は第2の液体吸着剤に蓄積された物質、又は第2の液体吸着剤から脱着され、汚染物質流に排出された物質のうちの少なくとも一方である、実施例11~14のいずれかに記載の汚染物質除去システム。
【0072】
実施例16:水スクラバー及び水ストリッパーの各々が、1つ以上の疎水性多孔質膜を含む中空繊維膜セパレータを備える、実施例11~15のいずれかに記載の方法。
【0073】
実施例17:膜除湿器によって、水スクラバーの前にキャビン空気流から水を除去することを更に含む、実施例11~16のいずれかに記載の方法。
【0074】
実施例18:加熱器によって、水ストリッパーの上流で第1の液体吸着剤を加熱することと、冷却器によって、水スクラバーの上流で第1の液体吸着剤を冷却することと、を更に含む、実施例11~17のいずれかに記載の方法。
【0075】
実施例19:熱交換器によって、水ストリッパーによって排出された相対的に高温の第1の液体吸着剤を使用して、水スクラバーによって排出された相対的に低温の第1の液体吸着剤を加熱することを更に含む、実施例11~18のいずれかに記載の方法。
【0076】
実施例20:二酸化炭素スクラバーによって、除湿された空気流から第2の液体吸着剤に二酸化炭素を吸収し、二酸化炭素ストリッパーによって、第2の液体吸着剤から汚染物質流に二酸化炭素を脱着する、実施例11~19のいずれかに記載の方法。
【0077】
様々な実施例が記載されている。これら及び他の実施例は、以下の特許請求の範囲の範疇内である。
【外国語明細書】