(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159485
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】棚板支持構造及びショーケース
(51)【国際特許分類】
A47F 3/04 20060101AFI20241031BHJP
F25D 25/02 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A47F3/04 L
F25D25/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024016106
(22)【出願日】2024-02-06
(31)【優先権主張番号】P 2023072972
(32)【優先日】2023-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】722012006
【氏名又は名称】サンデン・リテールシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(72)【発明者】
【氏名】加賀野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】山崎 昇一
【テーマコード(参考)】
3B110
【Fターム(参考)】
3B110AA07
3B110AA12
3B110CA12
3B110JA09
(57)【要約】
【課題】商品などを陳列する棚板の高さを容易に変更できるようにする。
【解決手段】棚板支持構造は、一対の棚柱180と、棚柱180に対して取り付けられる一対の支持アーム200と、支持アーム200と一体化された棚板160と、を備えている。棚柱180の前面に、複数の係止孔180A及びスリット180Bが夫々形成されている。支持アーム200に、棚柱180のスリット180Bにスライド可能に貫通する貫通部200A、棚柱180のスリット180Bを貫通した貫通部200Aの先端から係止孔180Aまで棚柱180の前面を構成する板部材の背面と平行に延びる延設部200B、及び延設部200Bの先端部から係止孔180Aに向かって延びて係止孔180Aに係止する係止フック200Cが夫々形成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に平行して延びる一対の棚柱と、
前記棚柱に対して取り付けられる一対の支持アームと、
前記一対の支持アームと一体化された棚板と、
を備え、
前記棚柱の前面に、当該棚柱の長手方向に沿った複数の係止孔と、前記係止孔の列設方向と平行に延びるスリットと、が夫々形成され、
前記支持アームに、前記棚柱のスリットにスライド可能に貫通する貫通部と、前記棚柱のスリットを貫通した貫通部の先端から前記係止孔まで前記棚柱の前面を構成する板部材の背面部と平行に延びる延設部と、前記延設部の先端から前記係止孔に向かって延びて前記係止孔に係止する係止フックと、が夫々形成された、
棚板支持構造。
【請求項2】
前記棚柱の上部又は下部に、前記棚柱のスリットに対して前記支持アームの貫通部を挿入可能にする挿入部が形成された、
請求項1に記載の棚板支持構造。
【請求項3】
前記支持アームに、前記棚柱に対して当該支持アームが上下方向に移動可能となった状態において、前記棚柱の前面を構成する板部材の前面部と当接して後方への移動を規制するストッパ部が形成された、
請求項1に記載の棚板支持構造。
【請求項4】
前記支持アームの係止フックは、前記支持アームの延設部の前面部が前記棚柱の前面を構成する板部材の背面部と当接した状態において前記棚柱の係止孔に係止する、
請求項1に記載の棚板支持構造。
【請求項5】
前記棚柱の係止孔に対して前記支持アームの係止フックが係止した状態において、前記支持アームの延設部の前面部と前記係止フックの係止部との間の間隔が、前記棚柱の前面を構成する板部材の板厚と等しい、
請求項1に記載の棚板支持構造。
【請求項6】
上下方向に平行して延びる一対の棚柱と、
前記棚柱に対して取り付けられる一対の支持アームと、
前記一対の支持アームと一体化された棚板と、
を備え、
前記棚柱の前面に、当該棚柱の長手方向に沿った複数の係止孔が形成され、
前記棚柱の側面に、前記係止孔の列設方向と平行に延びるスリットが形成され、
前記支持アームに、前記棚柱の側面からスリットにスライド可能に貫通して前記係止孔まで前記棚柱の前面を構成する板部材の背面部と平行に延びる貫通部と、前記棚柱のスリットを貫通した貫通部の先端から前記係止孔に向かって延びて前記係止孔に係止する係止フックと、が夫々形成された、
棚板支持構造。
【請求項7】
上下方向に平行して延びる一対の棚柱と、
前記棚柱に対して取り付けられる一対の支持アームと、
前記一対の支持アームと一体化された棚板と、
を備え、
前記棚柱の前面に、当該棚柱の長手方向に沿った複数の係止孔が形成され、
前記支持アームに、前記棚柱の側面からその前面を構成する板部材の前面部と平行して前記係止孔まで延びる前方延設部と、前記前方延設部の先端から前記係止孔に向かって延びて前記係止孔に係止する係止フックと、前記棚柱に対して前記支持アームが上下方向に移動可能となった状態において、前記棚柱の背面を構成する板部材の背面部と当接する後方延設部と、が夫々形成された、
棚板支持構造。
【請求項8】
上下方向に平行して延びる一対の棚柱と、
前記棚柱に対して取り付けられる一対の支持アームと、
前記一対の支持アームと一体化された棚板と、
を備え、
前記棚柱の前面に、当該棚柱の長手方向に沿った複数の係止孔と、前記係止孔の列設方向と平行に延びるスリットと、が夫々形成され、
前記支持アームに、前記棚柱の係止孔に係止する係止フックと、前記棚柱の前面を構成する板部材の前面部と平行して前記スリットまで延びる前方延設部と、前記前方延設部の先端から前記スリットにスライド可能に貫通する貫通部と、前記スリットを貫通した前記貫通部の先端から前記板部材の背面部と平行に延び、前記棚柱に対して前記支持アームが上下方向に移動可能となった状態で前記板部材の背面部と当接して前方への移動を規制する後方延設部と、が夫々形成された、
棚板支持構造。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1つに記載の棚板支持構造を備えたショーケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品などを陳列する棚板を支持する棚板支持構造、及びこれを備えたショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
商品などを陳列するショーケースは、実開平5-1368号公報(特許文献1)に記載されるように、上下方向に平行して延びる一対の棚柱と、棚柱に対して着脱可能に取り付けられる一対の支持アームと、一対の支持アームにより着脱可能に支持される棚板と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかるショーケースにおいて、棚板の高さを変更する場合、作業者が、支持アームから棚板を取り外し、棚柱に対する支持アームの高さを変更し、支持アームに対して棚板を取り付ける必要があった。このとき、棚板の上面に商品などが載置されていれば、作業者が、最初に棚板の上面から商品などを取り除き、棚板の高さを変更した後、棚板の上面に商品などを載置し直す必要もあった。従って、ショーケースの棚板の高さを変更するのにある程度の時間が必要であり、例えば、24時間営業の店舗などでは棚板の高さ変更が困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、商品などを陳列する棚板の高さを容易に変更することができる、棚板支持構造及びこれを備えたショーケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の第1の態様によれば、棚板支持構造は、上下方向に平行して延びる一対の棚柱と、棚柱に対して取り付けられる一対の支持アームと、一対の支持アームと一体化された棚板と、を備えている。棚柱の前面には、棚柱の長手方向に沿った複数の係止孔と、係止孔の列設方向と平行に延びるスリットと、が夫々形成されている。また、支持アームには、棚柱のスリットにスライド可能に貫通する貫通部と、棚柱のスリットを貫通した貫通部の先端から係止孔まで棚柱の前面を構成する板部材の背面部と平行に延びる延設部と、延設部の先端から係止孔に向かって延びて係止孔に係止する係止フックと、が夫々形成されている。
【0007】
本実施形態の第2の態様によれば、棚板支持構造は、第1の態様と同様に、上下方向に平行して延びる一対の棚柱と、棚柱に対して取り付けられる一対の支持アームと、一対の支持アームと一体化された棚板と、を備えている。棚柱の前面には、棚柱の長手方向に沿った複数の係止孔が形成されている。棚柱の側面には、係止孔の列設方向と平行に延びるスリットが形成されている。また、支持アームには、棚柱の側面からスリットにスライド可能に貫通して係止孔まで棚柱の前面を構成する板部材の背面部と平行に延びる貫通部と、棚柱のスリットを貫通した貫通部の先端から係止孔に向かって延びて係止孔に係止する係止フックと、が夫々形成されている。
【0008】
本実施形態の第3の態様によれば、棚板支持構造は、第1の態様及び第2の態様と同様に、上下方向に平行して延びる一対の棚柱と、棚柱に対して取り付けられる一対の支持アームと、一対の支持アームと一体化された棚板と、を備えている。棚柱の前面には、棚柱の長手方向に沿った複数の係止孔が形成されている。また、支持アームには、棚柱の側面からその前面を構成する板部材の前面部と平行して係止孔まで延びる前方延設部と、前方延設部の先端から係止孔に向かって延びて係止孔に係止する係止フックと、棚柱に対して支持アームが上下方向に移動可能となった状態において、棚柱の背面を構成する板部材の背面部と当接する後方延設部と、が夫々形成されている。
【0009】
本実施形態の第4の態様によれば、棚板支持構造は、第1の態様~第3の態様と同様に、上下方向に平行して延びる一対の棚柱と、棚柱に対して取り付けられる一対の支持アームと、一対の支持アームと一体化された棚板と、を備えている。棚柱の前面には、棚柱の長手方向に沿った複数の係止孔と、係止孔の列設方向と平行に延びるスリットと、が夫々形成されている。また、支持アームには、棚板の係止孔に係止する係止フックと、棚柱の前面を構成する板部材の前面部と平行してスリットまで延びる前方延設部と、前方延設部の先端からスリットにスライド可能に貫通する貫通部と、スリットを貫通した貫通部の先端から板部材の背面部と平行に延び、棚柱に対して支持アームが上下方向に移動可能となった状態で板部材の背面部と当接する後方延設部と、が夫々形成されている。
【0010】
本実施形態の第5の態様によれば、ショーケースは、第1の態様~第4の態様のいずれか1つの棚板支持構造を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、商品などを陳列する棚板の高さを容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】オープンタイプのショーケースの一例を示す斜視図である。
【
図2】斜め下方から見た第1実施形態の棚板支持構造を示す斜視図である。
【
図3】斜め上方から見た第1実施形態の棚板支持構造を示す斜視図である。
【
図4】内方から見た第1実施形態の棚板支持構造を示す斜視図である。
【
図5】内方から見た第1実施形態の支持アームを示す斜視図である。
【
図6】外方から見た第1実施形態の棚板支持構造を示す斜視図である。
【
図7】第1実施形態の棚板支持構造の要部を示す横断面図である。
【
図8】ストッパ部が形成された棚板支持構造の一例を示す斜視図である。
【
図9】係止状態の第2実施形態の棚板支持構造を示す横断面図である。
【
図10】係止解除状態の第2実施形態の棚板支持構造を示す横断面図である。
【
図11】斜め下方から見た第3実施形態の棚板支持構造を示す斜視図である。
【
図12】斜め上方から見た第3実施形態の棚板支持構造を示す斜視図である。
【
図13】内方から見た第3実施形態の棚板支持構造を示す斜視図である。
【
図14】外方から見た第3実施形態の棚板支持構造を示す斜視図である。
【
図15】係止状態の第3実施形態の棚板支持構造を示す横断面図である。
【
図16】係止解除状態の第3実施形態の棚板支持構造を示す横断面図である。
【
図17】斜め下方から見た第4実施形態の棚板支持構造を示す斜視図である。
【
図18】第4実施形態の棚板支持構造の要部を示す横断面図である。
【
図19】係止解除状態の第4実施形態の棚板支持構造を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
図1は、冷蔵した状態のまま商品を陳列することができる、オープンタイプのショーケース100の一例を示している。なお、本実施形態は、オープンタイプのショーケース100に限らず、正面の開口を透明な扉で開閉するスライド式又は回動式のショーケースにも適用することができる。
【0014】
ショーケース100は、前面が開口するケース本体120と、冷凍サイクルを構成する電動式の圧縮機、凝縮器及び凝縮器ファン(図示せず)を収容する機械室140と、ケース本体120に対して着脱可能かつ上下方向に移動可能な複数の棚板160と、を備えている。なお、図示のショーケース100は、ケース本体120に対して4つの棚板160が一列で取り付けられているが、その個数及び列数は任意とすることができる。
【0015】
ケース本体120は、矩形形状の左右一対の側板120Aと、左右一対の側板120Aの上端部を連結する矩形形状の天板120Bと、左右一対の側板120Aの下端部を連結する矩形形状の底板120Cと、左右一対の側板120A、天板120B及び底板120Cにより区画される背面側の矩形形状の開口を閉塞する矩形形状の背板120Dと、を備えている。ここで、「矩形形状」とは、四隅が90°に形成された正方形や長方形に限らず、一見して矩形形状であると認識できる台形などであってもよい(形状については以下同様)。また、左右一対の側板120A、天板120B、底板120C及び背板120Dは、それぞれ断熱性を有する部材を含んで構成され、ケース本体120の内部に直方体形状の陳列室SRを形成する。
【0016】
機械室140は、ケース本体120の下面に配設される箱型形状のケーシングであってその下部に高さ調整機構を備えた脚部(図示せず)が取り付けられている。機械室140の前面及び背面には、機械室140の内部に外気を流通させるための複数のスリット140Aが列設されている。そして、機械室140に収容された電動式の圧縮機及び凝縮器を流れる冷媒は、複数のスリット140Aを介して外気と熱交換をする。ケース本体120の所定箇所には、陳列室SRを循環する冷気を導く風路(図示せず)などが形成されている。風路内の所定箇所には、膨張弁、蒸発器及び蒸発器ファンが配置され、風路内を流通する冷気は、蒸発器を流れる冷媒と熱交換をし、陳列室SRに陳列された商品を冷蔵する。
【0017】
複数の棚板160は、平面視で横長の矩形形状をなす部材であって、上面に商品が陳列可能なように、少なくとも上面が平坦に形成されている。また、各棚板160の周縁部には、棚板160に陳列された商品が落下しないようにすべく、棚板160の上面から上方に向かって延びる落下防止材160Aが一体化されている。そして、複数の棚板160をケース本体120に取り付けるため、ケース本体120の陳列室SRの背面、即ち、背板120Dの前面には、陳列室SRの左右方向の両端部において上下方向に平行して延びる、一対の棚柱180が設けられている。ここで、一対の棚柱180は、背板120Dの前面に設けられる構成に限らず、例えば、その前面が背板120Dの前面と面一になるように設けられていてもよい。
【0018】
以下、これまで説明した共通構成を前提として、棚板160を支持する棚板支持構造の実施形態について詳述する。なお、以下で説明する棚板支持構造は、あくまで一例を示す実施形態であり、その構成に限定されると解釈すべきではないことに留意されたい。
【0019】
<<第1実施形態>>
棚柱180は、
図2及び
図3に示すように、互いに開口が向き合うチャンネル形状の鋼材(例えば溝形鋼)から構成されている。そして、棚柱180の前面、具体的には、棚柱180の前面を構成する矩形形状の板部材に、ケース本体120の左右方向の中央部から両端部に向かうにつれて、長手方向に沿った複数の係止孔180Aと、係止孔180Aの列設方向と平行に延びるスリット180Bと、が夫々形成されている。ここで、棚柱180に形成された複数の係止孔180Aは、矩形形状の開口を形成し、例えば、棚柱180の長手方向について等間隔で配置されている。なお、棚柱180に形成された複数の係止孔180Aは、通常使用において考え得る棚板160の設置位置などを考慮して、非等間隔で配置されていてもよい(以下同様)。
【0020】
棚板160は、
図2及び
図3に示すように、棚板160の左右方向の両端部と一体化されつつこれを支持する一対の支持アーム200を介して、ケース本体120の背板120Dに設けられた一対の棚柱180に対して着脱可能かつ上下方向に移動可能に取り付けられている。支持アーム200は、横断面が逆アングル形状(逆L字形状)の鋼板からなり、その上面が棚板160の左右方向の両端部の下面に、例えば、ねじやスポット溶接などによって固定されている。
【0021】
支持アーム200の後端部、即ち、ケース本体120の奥部に位置する後端部には、
図4~
図7に示すように、棚柱180のスリット180Bにスライド可能に貫通する貫通部200Aと、棚柱180のスリット180Bを貫通した貫通部200Aの先端から係止孔180Aまで延びる延設部200Bと、延設部200Bの先端から係止孔180Aへと向かって延びる係止フック200Cと、が夫々一体的に形成されている。
【0022】
貫通部200Aは、短辺及び長辺を有する矩形形状の鋼板からなり、その長辺が上下方向に沿った状態で支持アーム200の後端部に接続している。延設部200Bは、短辺及び貫通部200Aの長辺と同じ長さの長辺を有する矩形形状の鋼板からなり、その長辺が上下方向に沿った状態で貫通部200Aの先端に接続している。ここで、延設部200Bの板面は、貫通部200Aの先端から垂直に延び、これによって、延設部200Bの板面が棚柱180の前面を構成する板部材の背面部と平行に配置されている。係止フック200Cは、側面視で先端が下方に突出するL字形状の鋼板からなり、その基端が延設部200Bの先端であって上下方向に離間した両端部に接続している。ここで、係止フック200Cは、延設部200Bの前面部が棚柱180の前面を構成する板部材の背面部と当接した状態において、下方に突出する部分(係止部)が棚柱180の係止孔180Aに係止するように構成されている。具体的には、棚柱180の係止孔180Aに対して支持アーム200の係止フック200Cが係止した状態において、支持アーム200の延設部200Bの前面部と係止フック200Cの係止部との間隔が、棚柱180の前面を構成する板部材の板厚と等しく、厳密には、上記の間隔が延設部200Bの板厚よりも若干大きくなっている(以下同様)。なお、係止フック200Cの数は、2つに限らず、任意数とすることができる(以下同様)。
【0023】
また、係止フック200Cの先端の下部には、
図4及び
図5に示すように、棚柱180の係止孔180Aに挿入するときにガイドとして機能するように、先端に向かうにつれて斜め上方に向かって延びる傾斜部SPが形成されている(以下同様)。さらに、支持アーム200の後端部に貫通部200Aが接続しているため、棚柱180の係止孔180Aに対して係止フック200Cを前後方向に移動させるときに、支持アーム200及びこれと一体化された棚板160が棚柱180及びケース本体120の背板120Dと干渉することを避けることができる。
【0024】
かかる棚板支持構造において、ケース本体120に対する棚板160の高さを変更する場合、最初に、作業者が、陳列室SRの奥部に位置する棚板160及びこれと一体化された支持アーム200の後端部を両手で把持して上方へと持ち上げる。すると、支持アーム200の係止フック200Cが棚柱180の係止孔180Aに対して上方へと移動し、これによって、係止孔180Aに対する支持アーム200の係止が解除される。この状態において、作業者が、棚板160及びこれと一体化された支持アーム200を棚柱180に向けて押し込み、棚柱180の係止孔180Aから支持アーム200の係止フック200Cを完全に抜き去ると、支持アーム200の貫通部200Aが、棚柱180のスリット180Bに沿って上下方向に移動可能になるので、その結果、棚板160も上下方向に移動可能となる。このとき、支持アーム200の後端部が棚柱180の前面に当接するように、支持アーム200の貫通部200Aの短辺の寸法を設定すれば、作業者は、支持アーム200の後端部が棚柱180の前面に当接したことによって、棚柱180に対して支持アーム200を上下方向に移動可能になったことを感覚的に把握することができる。
【0025】
そして、作業者が、所望の位置まで棚板160を上下方向に移動させつつ、棚柱180の係止孔180Aに対する支持アーム200の係止フック200Cの位置合わせを行った後、棚柱180に対して棚板160及びこれと一体化された支持アーム200を前方に引き出す。このとき、支持アーム200の貫通部200Aが棚柱180のスリット180Bに貫通し、棚柱180に対する棚板160の左右方向の移動が規制されるので、作業者は、上下方向の移動のみについて注意すれば足りる。支持アーム200の延設部200Bの前面部が棚柱180の前面を構成する板部材の背面部に当接する位置まで移動すると、支持アーム200の係止フック200Cの先端が棚柱180の係止孔180Aを貫通して、係止フック200Cの係止部と係止孔180Aとの前後方向の位置合わせが完了する。この状態で、作業者が、棚板160及びこれと一体化された支持アーム200を把持する力を弱めてこれらを下方へと移動させると、係止フック200Cの係止部が棚柱180の係止孔180Aに係止し、棚板160の移動作業が完了する。
【0026】
従って、ケース本体120から棚板160及びこれと一体化された支持アーム200を取り外さずに、棚板160を上方に移動させ、これを棚柱180に向けて押し込み、棚板160を所望の位置まで上下させ、棚板160を前方に引き出し、棚板160を下方に移動させるという連続した一連の手順によって、ケース本体120に対する棚板160の高さを容易に変更することができる。このとき、棚板160の上面に陳列されている商品が軽量である場合、棚板160から商品を一時的に取り除かなくても、棚板160と一緒に商品を移動させることができる。このため、棚板160の高さ変更に要する手間及び時間を更に低減することができる。また、棚板160が支持アーム200と一体化されていることから、移動後の棚板160が斜めになっているという状況が発生し難くなり、棚柱180に対する支持アーム200の取り付けを再度行う必要がない。
【0027】
支持アーム200の貫通部200Aに、
図8に示すように、係止フック200Cが棚柱180の係止孔180Aから完全に抜け出たとき、即ち、棚柱180に対して支持アーム200が上下方向に移動可能となったときに、棚柱180の前面と当接して後方への移動を規制するストッパ部200Dを形成するようにしてもよい。ストッパ部200Dの形成方法としては、同図に示すように、貫通部200Aの板面の所定箇所にコ字形状の切り目を形成して垂直に折り曲げたり、貫通部200Aの所定箇所に別の部材を取り付けたりすることができる。このようにすれば、作業者が目視確認を困難な状態であっても、棚柱180に対して棚板160が上下方向に移動可能となったことを感覚的に把握でき、棚板160の移動の作業性を向上させることができる。
【0028】
また、棚柱180の前面を構成する板部材の上部であって、スリット180Bの上端部に連続する所定箇所に、
図2及び
図3に示すように、棚柱180のスリット180Bに対して支持アーム200の貫通部200Aを挿入可能にし、延設部200Bを通過させる矩形形状の挿入部180Cを形成するようにしてもよい。このようにすれば、棚柱180に対して支持アーム200が着脱可能となるので、例えば、棚板160の交換、棚板160の増設又は減設などに容易に対応することができる。なお、挿入部180Cは、棚柱180の上部に限らず、その下部に形成するようにしてもよい。
【0029】
<<第2実施形態>>
図9及び
図10は、第2実施形態による棚板支持構造の一例を示している。以下の説明においては、第1の実施形態による棚板支持構造と同一構成について同一の符号を付すことで、その説明を省略するものとする。従って、以下においては、主に、第1の実施形態による棚板支持構造と異なる構成について説明する(以下同様)。
【0030】
ケース本体120の背板120Dの前面に取り付けられる一対の棚柱220は、第1実施形態と同様に、互いに開口が向き合うチャンネル形状の鋼材から構成されている。そして、棚柱220の前面、具体的には、棚柱220の前面を構成する矩形形状の板部材に、長手方向に沿った複数の係止孔220Aが形成されている。ここで、棚柱220に形成された複数の係止孔220Aは、矩形形状の開口を形成し、例えば、棚柱220の長手方向について等間隔で配置されている。また、棚柱220の側面、具体的には、棚柱220の側面を構成する矩形形状の板部材に、係止孔220Aの列設方向と平行に延びるスリット220Bが形成されている。スリット220Bは、棚柱220の前面を構成する板部材の背面部に対応する位置から、詳細については後述する所定長さ(所定幅)に亘って形成されている。
【0031】
棚柱220に取り付けられる支持アーム240の後端部、即ち、ケース本体120の奥部に位置する後端部には、棚柱220の側面からスリット220Bにスライド可能に貫通して係止孔220Aまで延びる貫通部240Aと、スリット220Bを貫通した貫通部240Aの先端から係止孔220Aに向かって延びる係止フック240Bと、が夫々形成されている。
【0032】
貫通部240Aは、短辺及び長辺を有する矩形形状の鋼板からなり、その板面が棚柱220の前面を構成する板部材の背面部と平行に延びた状態、かつその長辺が上下方向に沿った状態で、支持アーム240の後端部に対して垂直に接続している。係止フック240Bは、側面視で先端が下方に突出するL字形状の鋼板からなり、その基端が貫通部240Aの先端であって上下方向に離間した両端部に対して垂直に接続している。ここで、係止フック240Bは、貫通部240Aの前面部が棚柱220の前面を構成する板部材の背面部と当接した状態において、下方に突出する部分(係止部)が棚柱220の係止孔220Aに係止するように構成されている。
【0033】
棚柱220のスリット220Bは、棚柱220の前面を構成する板部材の背面部に対応する位置から、係止孔220Aに対して係止フック240Bが上下方向に移動可能となった状態において、貫通部240Aの背面部がスリット220Bの後端部、即ち、ケース本体120の奥部に位置する端部に当接する位置まで所定長さに亘って形成されている。
【0034】
かかる棚板支持構造による作用及び効果は、第1実施形態による作用及び効果と実質的に同一であるため、重複説明を排除する目的でその説明を省略することとする。必要であれば、第1実施形態の説明を参照されたい。なお、棚柱220の前面を構成する板部材の上部又は下部に、第1実施形態と同様に、棚柱220に対して支持アーム240を取り付け可能にする、矩形形状の挿入部(図示せず)を形成するようにしてもよい。このようにすれば、棚柱220に対して支持アーム240が着脱可能となるので、例えば、棚板160の交換、棚板160の増設又は減設などに容易に対応することができる。
【0035】
<<第3実施形態>>
図11及び
図12は、第3実施形態による棚板支持構造の一例を示している。
ケース本体120の背板120Dの前面に取り付けられる一対の棚柱260は、互いの開口が向き合うチャンネル形状の鋼材から構成されている。棚柱260の前面、具体的には、棚柱260の前面を構成する矩形形状の板部材に、長手方向に沿った複数の係止孔260Aが形成されている。ここで、棚柱260に形成された複数の係止孔260Aは、矩形形状の開口を形成し、例えば、棚柱260の長手方向について等間隔で配置されている。
【0036】
棚柱260に取り付けられる支持アーム280の後端部には、
図13~
図16に示すように、棚柱260の側面から係止孔260Aまで延びる前方延設部280Aと、前方延設部280Aの先端から係止孔260Aに向かって延びる係止フック280Bと、が夫々形成されている。図示の一例では、前方延設部280Aは、短辺及び長辺を有する2つの矩形形状の部材の端部が互いに垂直に接続したL字形状の横断面を有する鋼板からなり、その長辺が上下方向に沿った状態で、その一面が支持アーム280の後端部、具体的には、後述する後方延設部280Cの一面に接続している。ここで、前方延設部280Aは、L字形状の横断面を有する鋼板ではなく、平面視で矩形形状の鋼板から構成されていてもよい。従って、前方延設部280Aの板面又はその一部の板面は、棚柱260の前面を構成する板部材の前面部と平行して延びている。また、係止フック280Bは、側面視で先端が下方に突出するL字形状の鋼板からなり、その基端が前方延設部280Aの先端であって上下方向に離間した両端部に接続している。ここで、係止フック280Bは、前方延設部280Aの背面部が棚柱180の前面を構成する板部材の前面部と当接した状態において、下方に突出する部分(係止部)が棚柱260の係止孔260Aに係止するように構成されている。
【0037】
支持アーム280の後端部には、前方延設部280A及びその先端に接続した係止フック280Bに加えて、棚柱260の側面と当接しつつこれを超えて後方へと延びた後、棚柱260の背面と平行に延びる後方延設部280Cが形成されている。後方延設部280Cは、支持アーム280の後端部に対して同一平面上に延びる、短辺及び長辺を有する矩形形状の鋼板からなる第1の部材280C1と、第1の部材280C1の先端から棚柱260の背面と平行に所定距離だけ延びる、短辺及び第1の部材280C1の長辺と同じ長さの長辺を有する矩形形状の鋼板からなる第2の部材280C2と、を含んで構成されている。従って、第2の部材280C2は、第1の部材280C1の先端に対して垂直に接続している。ここで、第1の部材280C1は、その長辺が上下方向に沿った状態で支持アーム280の後端部に接続し、第2の部材280C2は、その長辺が上下方向に沿った状態で第1の部材280C1の先端に接続している。また、第1の部材280C1及び第2の部材280C2は、棚柱260に対して支持アーム280が上下方向に移動可能となった状態において、第1の部材280C1は棚柱260の側面に当接し、第2の部材280C2は棚柱260の背面を構成する板部材の背面部と当接するように構成されている。
【0038】
また、棚柱260の前面を構成する部材の上部に、
図11及び
図12に示すように、棚柱260に対して支持アーム280を取り付け可能にする、矩形形状の挿入部260Bを形成するようにしてもよい。このようにすれば、棚柱260に対して支持アーム280が着脱可能となるので、例えば、棚板160の交換、棚板160の増設又は減設などに容易に対応することができる。なお、挿入部260Bは、棚柱260の上部に限らず、その下部に形成するようにしてもよい。
【0039】
かかる棚板支持構造において、ケース本体120に対する棚板160の高さを変更する場合、最初に、作業者が、陳列室SRの奥部に位置する棚板160及びこれと一体化された支持アーム280の後端部を両手で把持して上方へと持ち上げる。すると、支持アーム280の係止フック280Bが棚柱260の係止孔260Aに対して上方へと移動し、これによって、係止孔260Aに対する支持アーム280の係止が解除される。この状態において、作業者が、棚板160及びこれと一体化された支持アーム280を前方に引き出し、棚柱260の係止孔260Aから支持アーム280の係止フック280Bを完全に抜き去ると、棚柱260に沿って棚板160が上下方向に移動可能になる。このとき、
図16に示すように、支持アーム280の後方延設部280Cの一面が棚柱260の背面を構成する板部材の背面部に当接するので、作業者は、棚柱260に対して支持アーム280が上下方向に移動可能になったことを感覚的に把握することができる。
【0040】
そして、作業者が、所望の位置まで棚板160を上下方向に移動させつつ、棚柱260の係止孔260Aに対する支持アーム280の係止フック280Bの位置合わせを行った後、棚柱260に対して棚板160及びこれと一体化された支持アーム280を後方に押し込む。このとき、一対の支持アーム280の後方延設部280Cの他面が一対の棚柱260の両側面と当接しつつ上下方向に移動するため左右方向の移動が規制され、作業者は、上下方向の移動のみについて注意すれば足りる。支持アーム280の前方延設部280Aの背面部が棚柱260の前面部に当接する位置まで移動すると、
図15に示すように、支持アーム280の係止フック280Bの先端が係止孔260Aを貫通して、係止フック280Bの係止部と係止孔260Aとの前後方向の位置合わせが完了する。この状態で、作業者が、棚板160及びこれと一体化された支持アーム280を把持する力を弱めてこれらを下方へと移動させると、係止フック280Bの係止部が棚柱260の係止孔260Aに係止し、棚板160の移動作業が完了する。
【0041】
従って、ケース本体120から棚板160及びこれと一体化された支持アーム280を取り外さずに、棚板160を上方に移動させ、これを前方に引き出し、所望の位置まで移動させ、棚板160を後方に押し込み、棚板160を下方へと移動させるという手順によって、ケース本体120に対する棚板160の高さを容易に変更することができる。
【0042】
<<第4実施形態>>
図17及び
図18は、第4実施形態による棚板支持構造の一例を示している。
ケース本体120の背板120Dの前面に取り付けられる一対の棚柱300は、概略すると、後方に向かって開口するチャンネル形状の第1部材M1の向かい合う側面に対して、互いの開口が反対方向を向く状態、即ち、開口が第1部材M1を向く状態で接続された略チャンネル形状の第2部材M2が一体化された鋼材から構成されている。第1の部材M1の前面を構成する板部材には、棚柱300の長手方向に沿った複数の係止孔300Aが形成されている。ここで、棚柱300に形成された複数の係止孔300Aは、矩形形状の開口を形成し、例えば、棚柱300の長手方向について等間隔で配置されている。また、一対の棚柱300は、背板120Dの前面に設けられる構成に限らず、例えば、その前面が背板120Dの前面と面一になるように設けられていてもよい。
【0043】
第2部材M2の背面を構成する板部材の端部は、第1部材M1の外方に位置する板部材の内側面部に接続されており、第2部材M2の奥行寸法は、第1部材M1の奥行寸法よりも小さくなっている。このため、棚柱300の前面は、平坦ではなく、その中間部で奥行方向に所定寸法だけ凹む段付き形状に形成されている。この所定寸法は、例えば、ケース本体120の背板120Dの厚さとすることができ、これによって、第2部材M2が背板120Dの背面側に配置可能となって、見栄えを向上させることができる。また、第2部材M2の前面を構成する板部材の端部は、第1部材M1の側面との間に所定寸法を隔てた位置に配置されている。これによって、第1部材M1と第2部材M2との間に、棚柱300の係止孔300Aの列設方向と平行に延びるスリット300Bが形成されている。なお、第2部材M2の背面を構成する板部材の端部は、第1部材M1の内方に位置する板部材の外側面部に接続されていてもよい。
【0044】
なお、一対の棚柱300は、上記の構成に限らず、例えば、一対の第1部材M1のみ、又は一対の第2部材M2のみから構成されていてもよい。要するに、一対の棚柱300は、任意形状の横断面を有する鋼材から構成され、その前面に、棚柱300の長手方向に沿った複数の係止孔300Aと、複数の係止孔300Aの列設方向と平行に延びるスリット300Bと、が夫々形成されていればよい。
【0045】
棚柱300に取り付けられる支持アーム320の後端部には、棚柱300の係止孔300Aを貫通して係止可能な係止フック320Aが形成されている。係止フック320Aは、第1実施形態~第3実施形態と同様に、側面視で先端が下方に突出するL字形状の鋼板からなり、その基端部が支持アーム320の後端部であって上下方向に離間した両端部に接続している。
【0046】
また、支持アーム320の後端部には、係止フック320Aに加えて、棚柱300の第1部材M1の前面を構成する板部材の前面部と平行してスリット300Bまで延びる前方延設部320Bと、前方延設部320Bの先端からスリット300Bにスライド可能に貫通する貫通部320Cと、スリット300Bを貫通した貫通部320Cの先端から棚柱300の第2部材M2の前面を構成する板部材の背面部と平行に延びる後方延設部320Dと、が夫々形成されている。図示の一例では、前方延設部320Bは、短辺及び長辺を有する2つの矩形形状の部材の端部が互いに垂直に接続したL字形状の横断面を有する鋼板からなり、その長辺が上下方向に沿った状態で、その一面が支持アーム320の後端部の一面に接続している。前方延設部320Bは、L字形状の横断面を有する鋼板ではなく、平面視で矩形形状の鋼板から構成されていてもよい。貫通部320Cは、前方延設部320Bの長辺と同じ長さの一辺を有する矩形形状の鋼板からなり、その一片が前方延設部320Bの先端に対して垂直に接続している。後方延設部320Dは、短辺及び貫通部320Cの一辺と同じ長さの長辺を有する矩形形状の鋼板からなり、その長辺が上下方向に沿った状態で、貫通部320Cの先端に対して垂直に接続している。ここで、後方延設部320Dは、棚柱300に対して支持アーム320が上下方向に移動可能となった状態において、第2部材M2の前面を構成する板部材の背面部と当接して前方への移動を規制する。さらに、前方延設部320Bは、棚柱300の係止孔300Aに対する係止フック320Aの係止部の位置決めが行われた状態において、その背面が棚柱300の第1部材M1の前面を構成する板部材の前面部と当接しないように配置されているが、当接するように配置されていてもよい。
【0047】
かかる棚板支持構造において、ケース本体120に対する棚板160の高さを変更する場合、最初に、作業者が、陳列室SRの奥部に位置する棚板160及びこれと一体化された支持アーム320の後端部を両手で把持して上方へと持ち上げる。すると、支持アーム320の係止フック320Aが棚柱300の係止孔300Aに対して上方へと移動し、これによって、係止孔300Aに対する支持アーム320の係止が解除される。この状態において、作業者が、棚板160及びこれと一体化された支持アーム320を前方に引き出し、棚柱300の係止孔300Aから支持アーム320の係止フック320Aを完全に抜き去ると、棚柱300に沿って棚板160が上下方向に移動可能になる。このとき、
図19に示すように、支持アーム320の後方延設部320Dの前面が棚柱300の第2部材M2の前面を構成する板部材の背面部に当接するので、作業者は、棚柱300に対して支持アーム320が上下方向に移動可能になったことを感覚的に把握することができる。
【0048】
そして、作業者が、所望の位置まで棚板160を上下方向に移動させつつ、棚柱300の係止孔300Aに対する支持アーム320の係止フック320Aの位置合わせを行った後、棚柱300に対して棚板160及びこれと一体化された支持アーム320を後方に押し込む。このとき、一対の支持アーム320は、係止孔300Aを貫通する係止フック320Aとスリット300Bを貫通する貫通部320Cによって左右方向の移動が規制され、作業者は、上下方向の移動のみについて注意すれば足りる。支持アーム320の後端部が棚柱300の第1部材M1の前面を構成する板部材の前面部に当接する位置まで移動すると、支持アーム320の係止フック320Aの先端が係止孔300Aを貫通して、係止フック320Aの係止部と係止孔300Aとの前後方向の位置合わせが完了する。この状態で、作業者が、棚板160及びこれと一体化された支持アーム320を把持する力を弱めてこれらを下方へと移動させると、係止フック320Aの係止部が棚柱300の係止孔300Aに係止し、棚板160の移動作業が完了する。
【0049】
従って、第3実施形態と同様に、ケース本体120から棚板160及びこれと一体化された支持アーム320を取り外さずに、棚板160を上方に移動させ、これを前方に引き出し、所望の位置まで移動させ、棚板160を後方に押し込み、棚板160を下方へと移動させるという手順によって、ケース本体120に対する棚板160の高さを容易に変更することができる。
【0050】
棚柱300の前面を構成する板部材の上部又は下部、具体的には、第2部材M2の上部又は下部に、第1実施形態~第3実施形態と同様に、棚柱300に対して支持アーム320を取り付け可能にする、矩形形状の挿入部(図示せず)を形成するようにしてもよい。このようにすれば、棚柱300に対して支持アーム320が着脱可能となるので、例えば、棚板160の交換、棚板160の増設又は減設などに容易に対応することができる。
【0051】
なお、当業者であれば、様々な上記実施形態の技術的思想について、その一部を省略したり、その一部を適宜組み合わせたり、その一部を周知技術に置き換えたりすることで、新たな実施形態を生み出せることを容易に理解できるであろう。
【0052】
その一例を挙げると、ケース本体120に取り付けられる一対の棚柱180、220、260及び300は、上記の構成に限らず、所要の効果を得られる形状、例えば、断面が矩形形状の角パイプ形状などの任意形状とすることができる。また、棚板支持構造は、ショーケース100に限らず、例えば、スチール本棚などにも適用することができる。さらに、ショーケース100は、冷蔵機能を有するものに限らず、冷凍機能を有するもの、常温で商品などを陳列するもの(この場合には、冷凍サイクルは不要)などであってもよい。
【0053】
第1実施形態及び第2実施形態において、棚柱180,220の係止孔180A,220Aから支持アーム200,240の係止フック200C,240Bを抜き去って後方に押し込んだとき、棚板160の後端部(後端縁)が棚柱180,220に当接して、ストッパとして機能するようにしてもよい。また、第1実施形態~第4実施形態において、支持アーム200,240,280,320の係止フック200C,240B,280B,320Aは、棚柱180,220,260,300の一面との間にスペーサを介在させた状態で、そのスペーサと当接したときに棚柱180,220,260,300の係止孔180A,220A,260A,300Aに係止するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
100…ショーケース、160…棚板、180…棚柱、180A…係止孔、180B…スリット、180C…挿入部、200…支持アーム、200A…貫通部、200B…延設部、200C…係止フック、200D…ストッパ部、220…棚柱、220A…係止孔、220B…スリット、240…支持アーム、240A…貫通部、240B…係止フック、260…棚柱、260A…係止孔、280…支持アーム、280A…前方延設部、280B…係止フック、280C…後方延設部、300…棚柱、300A…係止孔、300B…スリット、320…支持アーム、320A…係止フック、320B…前方延設部、320C…貫通部、320D…後方延設部、SP…傾斜部