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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159518
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】油中水型化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/365 20060101AFI20241031BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20241031BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20241031BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20241031BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20241031BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A61K8/365
A61K8/06
A61K8/86
A61K8/37
A61Q17/04
A61Q1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024042289
(22)【出願日】2024-03-18
(31)【優先権主張番号】P 2023074315
(32)【優先日】2023-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】500154423
【氏名又は名称】株式会社マツモト交商
(74)【代理人】
【識別番号】100092901
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 祐司
(74)【代理人】
【識別番号】100188260
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 愼二
(72)【発明者】
【氏名】中川 雄太
(72)【発明者】
【氏名】金山 尭人
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB212
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB432
4C083AC022
4C083AC111
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC172
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC371
4C083AC372
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC512
4C083AC532
4C083AC551
4C083AC552
4C083AC842
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD022
4C083AD042
4C083AD172
4C083BB46
4C083CC05
4C083CC11
4C083CC19
4C083DD32
4C083EE01
4C083EE17
(57)【要約】
【課題】 使用感、安定性に優れた油中水型化粧料を提供する。
【解決手段】成分(A)ポリグリセリン脂肪酸エステル
成分(B)ポリヒドロキシステアリン酸
成分(C)紫外線吸収剤
成分(D)セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチルヘキシル、コハク酸ジエチルヘキシル及びアジピン酸ジイソプロピルよりなる群から選ばれる1種または2種以上の極性油を含み、かつ内相配合量が50質量%以上70質量%以下であることを特徴とする油中水型化粧料。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(A)ポリグリセリン脂肪酸エステル
成分(B)ポリヒドロキシステアリン酸
成分(C)紫外線吸収剤
成分(D)セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチルヘキシル、コハク酸ジエチルヘキシル及びアジピン酸ジイソプロピルよりなる群から選ばれる1種または2種以上の極性油を含み、かつ内相配合量が50質量%以上70質量%以下であることを特徴とする油中水型化粧料。
【請求項2】
成分(A)、(B)を除く油相と水を除いた内相のIOB差が、6以下である請求項1に記載の油中水型化粧料。
【請求項3】
成分(A)の脂肪酸組成が、ステアリン酸又は/かつオレイン酸を含む請求項1に記載の油中水型化粧料。
【請求項4】
成分(C)がエチルヘキシルトリアゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンを含む請求項1に記載の油中水型化粧料。
【請求項5】
さらに成分(E)多価アルコールを含む請求項1に記載の油中水型化粧料。
【請求項6】
成分(A)と成分(B)の配合量が合計で5~15質量%である請求項1に記載の油中水型化粧料。
【請求項7】
成分(A)と成分(B)の質量比が1:1~3:1である請求項1に記載の油中水型化粧料。
【請求項8】
成分(C)の配合量が1~20質量%である請求項1に記載の油中水型化粧料。
【請求項9】
日焼け止め化粧料またはメイクアップ化粧料であることを特徴とする請求項1に記載の油中水型化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高極性の油剤、特に紫外線吸収剤及びそれらを相溶する油剤を含有しながら使用感、安定性に優れる油中水型化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
油中水型化粧料は、外相が油性成分から成るため、水中油型化粧料と比較して耐水性、保湿性が高い反面、油っぽくべたつく使用感となるという解決すべき課題があった。
【0003】
この課題に対し、架橋型シリコーンエラストマーを配合した高内相油中水型化粧料(特許文献1参照)や、ポリグリセリン脂肪酸エステルと油性ゲル化剤を併用した高内相油中水型化粧料(特許文献2)が提案されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1、特許文献2の化粧料は高極性の油剤、特に紫外線吸収剤及びそれらを相溶する油剤を高配合すると外相のIOBが高くなり、内相のIOBとの差が小さくなることで安定性が低下するという解決すべき課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-145157号公報
【特許文献2】特開2021-014448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述の課題を鑑みたものであり、高極性の油剤、特に紫外線吸収剤及びそれらを相溶する油剤を含有しながら使用感、安定性に優れた油中水型化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリヒドロキシステアリン酸を含み、内相配合量が50質量%以上70質量%以下とすることで、紫外線吸収剤及びそれらを相溶する油剤を含有しながら安定性、使用感に優れる油中水型化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
成分(A)ポリグリセリン脂肪酸エステル
成分(B)ポリヒドロキシステアリン酸
成分(C)紫外線吸収剤
成分(D)セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチルヘキシル、コハク酸ジエチルヘキシル及びアジピン酸ジイソプロピルよりなる群から選ばれる1種または2種以上の極性油を含み、かつ内相配合量が50質量%以上70質量%以下であることを特徴とする油中水型化粧料である。
また、成分(A)、(B)を除く外相と水を除いた内相のIOB差が、6以下である請求項1に記載の油中水型化粧料である。
また、成分(A)の脂肪酸組成が、ステアリン酸又は/かつオレイン酸を含む請求項1に記載の油中水型化粧料である。
また、成分(C)がエチルヘキシルトリアゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンを含む請求項1に記載の油中水型化粧料である。
また、さらに成分(E)多価アルコールを含む請求項1に記載の油中水型化粧料である。
また、成分(A)と成分(B)の配合量が合計で5~15質量%である請求項1に記載の油中水型化粧料である。
また、成分(A)と成分(B)の質量比が1:1~3:1である請求項1に記載の油中水型化粧料である。
また、成分(C)の配合量が1~20質量%である請求項1に記載の油中水型化粧料である。
また、日焼け止め化粧料またはメイクアップ化粧料であることを特徴とする請求項1に記載の油中水型化粧料である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の油中水型化粧料は、高極性の油剤である紫外線吸収剤及びそれらと相溶する油剤を高含有しながら使用感、安定性に優れた油中水型化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明の油中水型化粧料は、成分(A)ポリグリセリン脂肪酸エステル、成分(B)ポリヒドロキシステアリン酸、成分(C)紫外線吸収剤、成分(D)セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸ジエチルヘキシル及びアジピン酸ジイソプロピルよりなる群から選ばれる1種または2種以上の極性油を必須成分として含有するものである。
【0011】
本発明にかかるポリグリセリン脂肪酸エステル(以下「成分A」)は、例えばステアリン酸ポリグリセリル―2、オレイン酸ポリグリセリル―2、オレイン酸ポリグリセリル―4、オレイン酸ポリグリセリル―6が挙げられる。これらはPolyAquol OS2(Innovacos社製)、PolyAquol VO4(Innovacos社製)として市販されている。
【0012】
成分(A)、成分(B)の合計の含有量は、使用感や安定性等の観点から、本発明の油中水型化粧料全体の5~15質量%が好ましく、5~10質量%がより好ましい。成分(A)の含有量が5質量%より少ないと十分に安定性を向上させることが出来ない場合があり、一方、15質量%より多いと使用感が損なわれる場合がある。
【0013】
本発明にかかるポリヒドロキシステアリン酸(以下「成分B」)は、例えばPolyAquol OS2(Innovacos社製)、PolyAquol VO4(Innovacos社製)を使用する。
【0014】
本発明にかかる紫外線吸収剤(以下「成分(C)」)は、例えば極性油として使用されうる安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ケイ皮酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、β,β-ジフェニルアクリレート誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジリデンショウノウ誘導体、フェニルベンゾイミダゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェニルベンゾトリアゾール誘導体、アントラニル誘導体、イミダゾリン誘導体、ベンザルマロナート誘導体、4,4-ジアリールブタジエン誘導体等が挙げられるが、これらに限定されない。また、以下にこれらのいくつかの具体例及び商品名等を例示する。
【0015】
安息香酸誘導体としては、例えばパラ-アミノ安息香酸(PABA)エチル、エチル-ジヒドロキシプロピルPABA、エチルヘキシル-ジメチルPABA、グリセリルPABA、PEG-25-PABA(例えば「Uvinul P25」:BASF社製)、及びジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(例えば「Uvinul A Plus Granular」:BASF社製)等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
サリチル酸誘導体としては、ホモサレート(「Eusolex HMS」:メルクパフォーマンスマテリアルズ社製)、エチルヘキシルサリチレート、ジプロピレングリコールサリチレート、及びTEAサリチレート等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
ケイ皮酸誘導体としては、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(例えば「Uvinul MC80N」:BASF社製)、メトキシケイ皮酸イソプロピル、メトキシケイ皮酸イソアミル、シンノキセート、DEAメトキシシンナメート、メチルケイ皮酸ジイソプロピル、グリセリル-エチルヘキサノエート-ジメトキシシンナメート、及びジ-(2-エチルヘキシル)-4'-メトキシベンザルマロネート等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
ジベンゾイルメタン誘導体としては、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
β,β-ジフェニルアクリレート誘導体としては、オクトクリレン(例えば「Eusolex OCR」:メルクパフォーマンスマテリアルズ社製)等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
ベンゾフェノン誘導体としては、ベンゾフェノン-1、ベンゾフェノン-2、ベンゾフェノン-3またはオキシベンゾン、ベンゾフェノン-4(例えば「Uvinul MS40」:BASF社製)、ベンゾフェノン-5、ベンゾフェノン-6、ベンゾフェノン-8、ベンゾフェノン-9、及びベンゾフェノン-12等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
ベンジリデンショウノウ誘導体としては、3-ベンジリデンショウノウ、4-メチルベンジリデンショウノウ、ベンジリデンショウノウスルホン酸、メト硫酸ショウノウベンザルコニウム、テレフタリリデンジショウノウスルホン酸(例えば「ECAM Neut6」:Shinsung Materials社製)、及びポリアクリルアミドメチルベンジリデンショウノウ等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
フェニルベンゾイミダゾール誘導体としては、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸(例えば「Eusolex 232」:メルクパフォーマンスマテリアルズ社製)、及びフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
トリアジン誘導体としては、アニソトリアジン(例えば「Tinosorb S」:BASF社製)、エチルヘキシルトリアゾン(例えば「Uvinul T150」:BASF社製)、ジエチヘキシルブタミドトリアゾン、及び2,4,6-トリス(ジイソブチル-4’-アミノベンザルマロナート)-s-トリアジン等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
フェニルベンゾトリアゾール誘導体としては、ドロメトリゾールトリシロキサン、及びメチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(例えば「Tinosorb M」:BASF社製)等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
アントラニル誘導体としては、アントラニル酸メンチル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
イミダゾリン誘導体としては、エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオナート等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
ベンザルマロナート誘導体としては、ベンザルマロナート官能基を有するポリオルガノシロキサン(例えば、PARSOL SLX」:DSM社製)等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
4,4-ジアリールブタジエン誘導体としては、1,1-ジカルボキシ(2,2’-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
成分(C)の含有量は、紫外線防御効果や安定性、使用感等の観点から、本発明の油中水型化粧料全体の1~20質量%が好ましく、3~10質量%がより好ましい。1質量%より少ないと十分に効果が発揮出来ない場合があり、一方、20質量%より多いと安定性、使用感が損なわれる場合がある。
【0030】
成分(D)は、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチルヘキシル、コハク酸ジエチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピルから選ばれる1種又は2種以上の極性油である。これらのうち、特にセバシン酸ジイソプロピルが、紫外線防御効果及び安定性等の点で好適に用いられる。市販品では例えば、FineNeo-iPSE(日本精化社製)、FineNeo-EHS(日本精化社製)、FineNeo-EHSU(日本精化社製)、FineNeo-DIA(日本精化社製)などが好適に使用できる。
【0031】
成分(D)の含有量は、使用感や安定性等の観点から、本発明の油中水型化粧料全体の0.1~30質量%が好ましく、1~20質量%がより好ましい。1質量%より少ないと安定性が損なわれる場合があり、一方、20質量%より多いと使用感が損なわれる場合がある。
【0032】
本発明の油中水型化粧料には、さらに成分(E)として多価アルコールを配合することができる。多価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、2,3-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、カプリリルグリコール、1,2-ヘキサンジオール、イソペンチルジオール、イソペンチルジオール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0033】
成分(E)の含有量は、使用感や安定性等の観点から、0.1~20質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましい。0.1質量%より少ないと十分に効果が発揮出来ない場合があり、一方、20質量%より多いと使用感が損なわれる場合がある。
【0034】
本発明の油中水型化粧料には、上記必須成分の他、通常化粧品や医薬部外品の油中水型化粧料に用いられる成分を適宜含有することができ、常法に応じて製造される。以下に具体的な配合可能成分を列挙する。
【0035】
本発明にかかる油性成分は、液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ果実油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0036】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0037】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、コメヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ホホバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0038】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレン、ポリスチレン、スクワラン等が挙げられる。
【0039】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0040】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等)、分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0041】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等)、環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)、アクリルシリコーン類等が挙げられる。
【0042】
保湿剤としては、例えば、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物、エクトイン、ヒドロキシエチルウレア、ヒアルロン酸ナトリウム、シロキクラゲ多糖体等が挙げられる。
【0043】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素、有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末、酢酸セルロース粉末、アミノ酸粉末等)、無機白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等)、無機赤色系顔料(例えば、ベンガラ、チタン酸鉄等)、無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等)、無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等)、無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等)、パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等)、金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等)、ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等)、天然色素(例えば、クロロフィル、β-カロチン等)等が挙げられる。
【0044】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等)、アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE-ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE-ラウリル硫酸ナトリウム等)、N-アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等)、高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等)、リン酸エステル塩(POE-オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE-ステアリルエーテルリン酸等)、スルホコハク酸塩(例えば、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等)、高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等)、N-アシルグルタミン酸塩(例えば、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等)、硫酸化油(例えば、ロート油等)、POE-アルキルエーテルカルボン酸、POE-アルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0045】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等)、アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等)、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N’-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム)、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POE-アルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0046】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(例えば、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0047】
親油性非イオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等)、ポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0048】
親水性非イオン性界面活性剤としては、例えば、POE-ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンテトラオレエート等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビットモノラウレート、POE-ソルビットモノオレエート、POE-ソルビットペンタオレエート、POE-ソルビットモノステアレート等)、POE-グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE-グリセリンモノステアレート、POE-グリセリンモノイソステアレート、POE-グリセリントリイソステアレート等のPOE-モノオレエート等)、POE-脂肪酸エステル類(例えば、POE-ジステアレート、POE-モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等)、POE-アルキルエーテル類(例えば、POE-ラウリルエーテル、POE-オレイルエーテル、POE-ステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、POE-コレスタノールエーテル等)、プルロニック型類(例えば、プルロニック(プルロニックは登録商標)等)、POE・POP-アルキルエーテル類(例えば、POE・POP-セチルエーテル、POE・POP-2-デシルテトラデシルエーテル、POE・POP-モノブチルエーテル、POE・POP-水添ラノリン、POE・POP-グリセリンエーテル等)、テトラPOE・テトラPOP-エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等)、POE-ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE-ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE-硬化ヒマシ油マレイン酸等)、POE-ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE-ソルビットミツロウ等)、アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等)、POE-プロピレングリコール脂肪酸エステル、POE-アルキルアミン、POE-脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0049】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(例えばマルメロ等)、アルゲコロイド(例えばカッソウエキス等)、デンプン(例えば、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コムギデンプン等)、微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストリン、サクシノグルカン、プルラン等)、動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0050】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等)、セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等)、アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0051】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等)、ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等)、アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等)、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等が挙げられる。
【0052】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(例えばマルメロ等)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0053】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
【0054】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等)、3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等)、4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等)、5価アルコール(例えば、キシリトール等)、6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等)、多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等)、2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等)、2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等)、2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等)、グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等)、糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール、イノシトール等)、グリソリッド、テトラハイドロフルフリルアルコール、POE-テトラハイドロフルフリルアルコール、POP-ブチルエーテル、POP・POE-ブチルエーテル、トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル、POP-グリセリンエーテル、POP-グリセリンエーテルリン酸、POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0055】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D-グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等)、四炭糖(例えば、D-エリトロース、D-エリトルロース、D-トレオース、エリスリトール等)、五炭糖(例えば、L-アラビノース、D-キシロース、L-リキソース、D-アラビノース、D-リボース、D-リブロース、D-キシルロース、L-キシルロース等)、六炭糖(例えば、D-グルコース、D-タロース、D-ブシコース、D-ガラクトース、D-フルクトース、L-ガラクトース、L-マンノース、D-タガトース等)、七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等)、八炭糖(例えば、オクツロース等)、デオキシ糖(例えば、2-デオキシ-D-リボース、6-デオキシ-L-ガラクトース、6-デオキシ-L-マンノース等)、アミノ糖(例えば、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等)、ウロン酸(例えば、D-グルクロン酸、D-マンヌロン酸、L-グルロン酸、D-ガラクツロン酸、L-イズロン酸等)等が挙げられる。
【0056】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等)、塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸、エクトイン等が挙げられる。
【0057】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
【0058】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0059】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0060】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等)、美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等)、血行促進剤(ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸β-ブトキシエステル、ミノキシジル又はその類縁体、ビタミンE類、γ-オリザノール、アルコキシカルボニルピリジンN-オキシド、塩化カルプロニウム、及びアセチルコリン又はその誘導体等)、各種抽出物(例えば、ショウガ、ウバク、オウレン、シコン、バーチ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、ボタン、海藻等)、賦活剤(例えば、パンテニールエチルエーテル、ニコチン酸アミド、ビオチン、パントテン酸、ローヤルゼリー、コレステロール誘導体等)、抗脂漏剤(例えば、ピリドキシン類、チアントール等)等が挙げられる。
【実施例0061】
以下に実施例をあげて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。配合量については特に断りのない限り質量%を示す。
【0062】
(製造方法)
油性成分(A)、水性成分(B)を別ビーカーに秤量し、それぞれ加熱溶解した。油性成分(A)に水性成分(B)を徐々に添加して、ホモミキサーを用いて乳化した。その後、40℃以下に冷却し、油中水型乳化物を得た。
【0063】
油中水型化粧料の調製:
下記の表1、表2に示す組成で実施例および比較例の油中水型化粧料を調製し、得られた各化粧料について、安定性、使用感を以下の基準に従って評価した。結果を表1に併せて記載する。
はじめに、本発明者らは、表1に示す組成で実施例および比較例の油中水型化粧料を調製し、得られた各化粧料について、安定性、使用感を以下の基準に従って評価し、好適に用いられる界面活性剤の検討を行った。
【0064】
(安定性)
実施例および比較例で得られた各化粧料を2本の規格瓶(50ml)に充填し、各々5℃、50℃の恒温槽に4週間静置した。静置したサンプルに分離がみられるか外観の観測を行った。
「評価基準」
◎:4週間以上の静置で分離がみられない。
○:3週間~4週間未満で分離がみられる。
△:2週間~3週間未満で分離がみられる。
×:2週間未満で分離がみられる。
【0065】
(使用感)
各試料について官能評価専門パネル10名により使用感(塗布時のみずみずしさ)を以下の評価基準にて5段階で判定し評点を付け、各試料のパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
「評価基準」
5点:良好
4点:やや良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
4段階評価基準
(判定):(評点の平均点)
◎:4点以上
○:2.5点を超える4点未満
△:1.5点を超える2.5点未満
×:1.5点未満
【0066】
【表1】
※1 PolyAquol OS2(Innovacos社製)
※2 PolyAquol VO4(Innovacos社製)
※3 BentoneGel ISD-V(J)(Elementis社製)
※4 FineNeo-iPSE(日本精化社製)
【0067】
表1の結果から明らかなように、成分(A)、(B)を除く油相と水を除いた水相のIOB差が6以下で経時安定性が良好でかつみずみずしい使用感を有する油中水型化粧料が得られた。
一方で、一般的に乳化時の汎用性が高いポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を用いた比較例1~5では、安定性に劣る結果となった。
このことから、一般的に安定性が低いとされている外相と内相のIOB差が小さい条件下であっても、成分(A)、(B)を用いることで安定性に優れる油中水型化粧料が得られることが示唆された。
【0068】
次に、発明者らは、油中水型化粧料中の界面活性剤における好適な成分(A)、(B)の割合を検討した。
【0069】
【表2】
【0070】
成分(A)と成分(B)の質量比が1:1~3:1で安定性に優れ、かつみずみずしい使用感を有する油中水型化粧料が得られた。
表2の結果から明らかなように、界面活性剤中の成分(A)と成分(B)の質量比が合計で90%以上であると、安定性に優れ、かつみずみずしい使用感を有する油中水型化粧料が得られた。このことから、油中水型化粧料中の界面活性剤中の成分(A)と成分(B)の質量比が合計で90%以上であることが好ましい。
【0071】
次に、発明者らは、油中水型化粧料中の好適な成分(A)、(B)の配合量を検討した。
【0072】
【表3】
【0073】
表3の結果から明らかなように、成分(A)と成分(B)の配合量が合計で5~15質量%で安定性に優れ、かつみずみずしい使用感を有する油中水型化粧料が得られた。
このことから、油中水型化粧料中、成分(A)と成分(B)の配合量が合計で5~15質量%であることが好ましい。
【0074】
次に、発明者らは、油中水型化粧料中の好適な成分(C)、(D)の配合比を検討した。
【0075】
【表4】
【0076】
表4の結果から、成分(C)及び(D)の配合比が成分(C):成分(D)=1:1、1:6.8、及び1:22.3である比較例13~17では経時安定性に劣る結果となった。
一方で成分(C):成分(D)=1:1.6~1:2.7である実施例1~5では安定性に優れる結果となった。
このことから、成分(C)及び(D)の配合比は、成分(C):成分(D)=1:1.6~1:2.7であることが好ましい。
【0077】
次に、発明者らは、油中水型化粧料中の好適な内相含有量を検討した。
【0078】
【表5】
【0079】
表5から明らかなように、内相配合量が50質量%以上70質量%以下で安定性に優れ、かつみずみずしい使用感を有する油中水型化粧料が得られた。
このことから、油中水型化粧料中の内相配合量が50質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
【0080】
以下に本発明の油中水型化粧料の処方例を挙げるが、本発明の技術範囲はこれらにより限定されるものではない。得られた油中水型化粧料は、いずれも使用感、安定性に優れているものであった。
【0081】
実施例10
以下の処方及び製造法により、日焼け止め化粧料を調製した。
(処方)
成分名 質量(%)
1.ステアリン酸ポリグリセリル-2/オレイン酸ポリグリセリル-2
/ポリヒドロキシステアリン酸※1 2.0
2.オレイン酸ポリグリセリル-4/オレイン酸ポリグリセリル-6
/ポリヒドロキシステアリン酸※2 3.0
3.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2.0
4.ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 1.0
5.ジステアリルジモニウムヘクトライト/シクロペンタシロキサン
/炭酸プロピレン※5 5.0
6.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5.0
7.オクトクリレン 1.0
8.セバシン酸ジエチルヘキシル※6 1.0
9.セバシン酸ジイソプロピル※4 2.0
10.シクロペンタシロキサン 17.4
11.グリセリン 2.5
12.BG 3.0
13.マルチトール 1.0
14.フェノキシエタノール 0.3
15.EDTA-2Na 0.03
16.精製水 51.77
17.ハイドロゲンジメチコン処理微粒子酸化チタン※7 1.0
18.ハイドロゲンジメチコン処理微粒子酸化亜鉛※8 1.0
合計 100

※5 BentoneGel VS-5 PC HV(J)(Elementis社製)
※6 FineNeo-EHS(日本精化社製)
※7 STR-100A-LA(堺化学工業社製)
※8 FINEX-33W-LP2(堺化学工業社製)
【0082】
(製造方法)
成分1~9の油性成分(A)、成分10~15の水性成分(B)を別ビーカーに秤量し、それぞれ加熱溶解した。(A)に(B)を徐々に添加して、ホモミキサーを用いて乳化した。40℃以下に冷却し、粉体成分16、17を添加し、ホモミキサーにて均一に混合して、日焼け止めを得た。
【0083】
得られた日焼け止め化粧料は、紫外線防御効果が高く、安定性及び使用感に優れたものであった。
【0084】
実施例11
以下の処方及び製造方法により、BBクリームを調製した。
(処方)
成分名 質量(%)
1.ステアリン酸ポリグリセリル-2/オレイン酸ポリグリセリル-2
/ポリヒドロキシステアリン酸※1 2.0
2.オレイン酸ポリグリセリル-4/オレイン酸ポリグリセリル-6
/ポリヒドロキシステアリン酸※2 3.0
3.シリコーン処理酸化チタン※9 0.5
4.シリコーン処理黄酸化鉄※10 0.3
5.シリコーン処理赤酸化鉄※11 0.1
6.シリコーン処理黒酸化鉄※12 0.05
7.シリコーン処理タルク※13 1.0
8.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2.0
9.ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 1.0
10.ジステアリルジモニウムヘクトライト/シクロペンタシロキサン
/炭酸プロピレン※5 5.0
11.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 6.0
12.アジピン酸ジイソプロピル※14 1.0
13.セバシン酸ジイソプロピル※4 2.0
14.ジメチコンクロスポリマー※15 3.0
15.シクロペンタシロキサン 14.25
16.グリセリン 2.5
17.BG 3.0
18.フェノキシエタノール 0.3
19.塩化Na 0.1
20.精製水 50.9
21.ハイドロゲンジメチコン処理微粒子酸化チタン※7 1.0
22.ハイドロゲンジメチコン処理微粒子酸化亜鉛※8 1.0
合計 100
※9 SA-チタンCR-50(三好化成社製)
※10 SA-イエロー-LL-100P(三好化成社製)
※11 SA-レッドR-516PS(三好化成社製)
※12 SA-ブラックBL-100P(三好化成社製)
※13 SA-タルクJA-46R(三好化成社製)
※14 FineNeo-DIA(日本精化社製)
※15 DOWSIL 9040 Silicone Elastomer Blend(ダウ・東レ社製)
【0085】
(製造方法)
成分1~15の油性成分、粉体成分(A)、成分16~20の水性成分(B)を別ビーカーに秤量し、それぞれ加熱溶解した。(A)に(B)を徐々に添加して、ホモミキサーを用いて乳化した。40℃以下に冷却し、粉体成分21、22を添加し、ホモミキサーにて均一に混合して、BBクリームを得た。
【0086】
得られたBBクリームは、紫外線防御効果が高く、安定性及び使用感に優れたものであった。